JP5507032B2 - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物に関し、さらに詳しくは、低転がり抵抗と低温での柔軟性を高度に両立させたゴム組成物、及び該ゴム組成物をタイヤ部材に用いてなる上記性能の改良された空気入りタイヤに関する。
近年、環境問題への関心の高まりに伴う世界的な二酸化炭素排出規制の動きに関連して、自動車の低燃費化と安全性に対する要求が強まりつつある。このような要求に対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗の低減、及びウェット性能、ドライ性能等のグリップ性能の向上が求められている。
ここで、タイヤの転がり抵抗を減少させる手法としては、タイヤのトレッド部に適用するゴム組成物としてより損失正接(tanδ)が低い低発熱性のゴム組成物を用いることが有効である。従来からタイヤのトレッド部に汎用されるブタジエンゴム、或いは、低スチレン、低ビニル含量のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムは、他の合成ゴムに比較してガラス転移温度(Tg)が低いため、低温での柔軟性に優れていることが知られている。
しかしながら、ブタジエンゴム、或いは、低スチレン、低ビニル含量のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムをトレッドに用いると、これらのゴム組成物の損失正接(tanδ)が低いため、十分なグリップ性能を得難いという問題がある。
このような発熱性の低いゴム組成物を得る方法として、カーボンブラックやシリカ等の充填剤の減量、又は大粒径のカーボンブラックの使用等が考えられるが、いずれの方法でも、ゴム組成物の補強性、耐摩耗性及び湿潤路面でのグリップ性の低下が避けられない。
また、発熱性の低いゴム組成物を得る方法として、ゴム組成物中の充填剤の分散性を高める技術開発が数多くなされてきた。その中でも、特にアルキルリチウム用いたアニオン重合で得られる共役ジエン系重合体の重合活性部位を充填剤と相互作用可能な官能基で修飾する方法が、最も効果的である(特許文献1〜3参照)。
しかしながら、ゴム成分として上記変性共役ジエン系重合体を用いる場合、軟化剤、特にアロマオイルを多量に配合した場合に、充填剤の分散性を改良する効果が十分に発現されず、ゴム組成物の作業性、低発熱性、破壊特性及び耐摩耗性を十分に改善できないという問題があった。
また加工性を維持しながら低温柔軟性に優れた技術が知られているが、その効果は十分ではなく、かつ同時に転がり抵抗を改善することはできなかった(特許文献4参照)
一方、タイヤのトレッド部に適用するゴム組成物としては、貯蔵弾性率(G')が高いゴム組成物がグリップを確保のためには好適であるため、損失正接(tanδ)が低く且つ貯蔵弾性率(G')が高いゴム組成物が求められている。これに対し、ゴム組成物の貯蔵弾性率(G')を向上させる手段としては、ゴム組成物に配合するカーボンブラックの配合量を増量する方法があるが、ゴム組成物中のカーボンブラックの配合量を増量した場合、ゴム組成物の貯蔵弾性率(G')を向上させることができるものの、同時にゴム組成物の損失正接(tanδ)が上昇して、ゴム組成物の低発熱性が低下してしまい、さらには、ゴム組成物のムーニー粘度が上昇して、加工性が低下する問題がある。加工性改良のためには軟化剤を添加する手法はあるが、上述のように耐摩耗性と転がり抵抗が低下してしまう。従って、上記の相反する性能を両立させたゴム組成物の開発要求が高まってきている。
特公平5−87530号公報 特開平6−49279号公報 特開昭62−207342号公報 特開平10−53671号公報
本発明は、このような状況下で、低温柔軟性と低転がり抵抗性を高度に両立させたゴム組成物、及び該ゴム組成物をタイヤ部材に用いてなる上記性能の改良された空気入りタイヤを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定重量平均分子量を有する高分子量ゴム成分に対して、特定の範囲の重量平均分子量を有する少なくとも1つの官能基を有する低分子量の共役ジエン系重合体を軟化剤の一部と置換して用いることによりその目的を達成し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)(A)ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が、200,000以上の(D)芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体、(E)共役ジエン重合体及び天然ゴムから選択された少なくとも1つの高分子量ゴム成分100質量部に対して、(B)少なくとも1つの官能基を有する変性前のゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が、2,000〜80,000の低分子量共役ジエン系重合体3〜50質量部(C)充填材30〜90質量部及び軟化剤を含み、(B)成分及び軟化剤の合計量が、(A)ゴム成分100質量部に対して5〜80質量部であることを特徴とするゴム組成物、
(2)(B)成分のビニル結合量が共役ジエンの重合単位の5〜80質量%、(B)成分中の芳香族ビニル化合物の含有量が5質量%以下である上記(1)のゴム組成物、
(3)(B)成分が、ブタジエン単独重合体、もしくはブタジエン・スチレン共重合体である上記(1)又は(2)のゴム組成物、
(4)(B)成分の官能基がスズ、ケイ素、及び窒素原子を含む官能基である上記(1)〜(3)いずれかのゴム組成物、
)前記(C)充填剤が、カーボンブラック及び/又はシリカである上記(1)〜()のいずれかのゴム組成物、
)前記(D)成分がスチレン−ブタジエン共重合体である上記(1)〜()のいずれかのゴム組成物、
)前記(E)成分がブタジエン単独重合体である上記(1)〜(いずれかのゴム組成物、
)(D)成分及び(E)成分が、少なくとも1つの官能基を有する上記(1)〜(7)のいずれかのゴム組成物、
)(D)成分及び(E)成分の官能基が、スズ、珪素及び窒素原子を含む官能基である上記()のゴム組成物、
10)(B)成分及び軟化剤の合計量が、(A)ゴム成分100質量部に対して5〜60質量部である上記(1)〜(9)のいずれかのゴム組成物、
11)(B)成分が軟化剤と(B)成分の合計量の20質量%以上である上記(1)〜(10)のいずれかののゴム組成物、
12)上記(1)〜(11)いずれかのゴム組成物がタイヤ用であることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物、
13)上記(12)のタイヤ用ゴム組成物をタイヤ部材に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ、及び
14)上記(12)のタイヤ用ゴム組成物をトレッド、サイドウォール、ビードフィラー、ボディプライスキム及びランフラットタイヤ用補強ゴムに適用した空気入りタイヤ、
を提供するものである。
本発明によれば、重量平均分子量が2,000〜200,000未満の範囲内で、官能基を有する低分子量共役ジエン系重合体を適用することで、低温柔軟性と低転がり抵抗性を高度に両立させたゴム組成物、及び該ゴム組成物をタイヤ部材に用いてなる上記性能の改良された空気入りタイヤを提供することができる。
特に重量平均分子量が2,000〜150,000の官能基を有する低分子量共役ジエン系重合体を適用した場合は、ウェット性能を高度に維持し、重量平均分子量が20,000〜200,000未満の低分子量共役ジエン系重合体を適用した場合は、特に高温での貯蔵弾性率、低転がり抵抗性が向上する。
先ず、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、(A)ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が、200,000以上の高分子量ゴム成分に対して、(B)少なくとも1つの官能基を有する変性前のゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が、2,000〜200,000未満の低分子量共役ジエン系重合体、及び(C)充填材を含むこと必要とする。
ここで、変性前とは重合反応終了後変性剤を添加して変性反応を行なう以前の未変性の状態を言う。但し、リチウムアミド化合物のような官能基を有する重合開始剤を使用して重合した場合は変性反応と区別されるが、このような場合も重合体中に官能基を有するため本発明の範囲内である。
本発明のゴム組成物は、(A)ゴム成分として、少なくとも1つの(D)芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体、(E)共役ジエン重合体、及び天然ゴムを含む高分量子ゴム成分の群から選択され、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が200,000以上であることが必要である。高分子量ゴム成分の好ましい重量平均分子量は、200,000〜1,000,000の範囲である。
高分子量ゴム成分の重量平均分子量を上記範囲にすることによって、(B)成分の低分子量共役ジエン系重合体を配合したときにムーニー粘度の低下、破壊物性及び耐摩耗性の低下を抑制し、優れた加工性を得ることができる。
一方、(B)成分の少なくとも1つの官能基を有する低分子量共役ジエン系重合体の変性前のゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が、2,000〜200,000未満であることが必要である。(B)成分の重量平均分子量を上記範囲にすることのよって、加工性を損なうこと無しにウェットグリップ性を維持し、高温での貯蔵弾性率及び低転がり抵抗性を高度に両立させたゴム組成物を得ることができる。さらに前記諸性能のほかに低温から高温に至る広い温度範囲でのグリップ性を改良する観点から20,000〜150,000の範囲が好ましく、より好ましくは、50,000〜100,000の範囲である。
(B)成分である重量平均分子量が2,000〜200,000未満の少なくとも1つの官能基を有する低分子量共役ジエン系重合体を適用することによって、低転がり性、耐摩耗性及びグリップ性能は共に改善されるが、特に重量平均分子量が2,000〜50,000、好ましくは2,000〜30,000の(B)成分を適用した場合は、低温での柔軟性及びウェット性能を高度に維持し、重量平均分子量が20,000〜200,000未満、好ましくは50,000〜150,000の(B)成分を適用した場合は、特に高温での貯蔵弾性率及び低転がり抵抗性が向上する。
従って、タイヤ性能としてウェット性能、ドライ性能及びその中間性能のいずれかの性能を重視する場合はその重視する性能に応じて、(B)成分の重量平均分子量の範囲を選択することができる。
前記(A)成分100質量部に対して、前記(B)成分を1〜60質量部含有することが好ましい。より好ましくは、3〜50質量部である軟化剤の一部を(B)成分で置換し(B)成分の含有量を上記範囲にすることによって、加工性を損なうこと無く、ウェット性能を維持し低転がり抵抗性、ドライ性能を改善することができる。
本発明のゴム組成物に用いられる(A)成分の高分子量ゴム成分は、特に限定されることなく、天然ゴム、合成ジエン系ゴムである(D)芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体、(E)共役ジエン重合体を含む高分量子ゴム成分の群の中から選択することができる。(A)成分の高分子量ゴム成分としては、未変性のゴム及び変性ゴムのいずれを用いてもよい。
天然ゴム又はイソプレンゴム(IR)については特に制限されず、一般に入手できるすべての天然ゴム又はイソプレンゴムを用いることができる。
(D)成分の芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体は、特にスチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。
ここで、共役ジエン単量体としては、例えば1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられ、中でも1,3−ブタジエンが好ましい。また、共役ジエン単量体との共重合に用いられる芳香族ビニル単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロヘキシルスチレン、2,2,6−トリルスチレンなどが挙げられ、中でもスチレンが好ましい。
(E)成分の共役ジエン重合体は、共役ジエン単独重合体、共役ジエン同士の共重合体などが挙げられ、共役ジエン単独重合体のポリブタジエンが好ましい。
天然ゴムや、(D)成分(E)成分はそれぞれ一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
上記共役ジエン系重合体は乳化重合又は溶液重合等の種々の方法で製造することができ、重合方式としては、バッチ重合方式または連続重合方式のいずれでもよい。好ましい製造方法を挙げれば次のようなものである。
すなわち、共役ジエンを含む単量体を不活性溶媒、好ましくは炭化水素溶媒中で、有機金属などの開始剤、好ましくは有機リチウム化合物開始剤の存在下で重合して得られる。上記炭化水素溶媒としては特に制限はないが、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどが上げられ、好ましい溶媒は、シクロヘキサン及びn−ヘキサンである。これらの炭化水素溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上混合してもよい。
前記開始剤として用いられる有機リチウムとしては、少なくとも1個のリチウム原子が結合されかつ炭素数2から20の炭化水素リチウム化合物が好ましく、例えば、n−ブチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、tert−オクチルリチウム、フェニルリチウムなどであり、好ましいものはn−ブチルリチウムである。これらの有機リチウム開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
さらに、本発明において用いられる(D)成分及び(E)成分の共役ジエン系重合体は、その分子内又は末端にスズ、ケイ素を含む変性重合体又は窒素原子を含む変性重合体を用いることが好ましい。
このような変性重合体は、温度上昇による弾性率の低下を抑制すると共に、スズ原子又は窒素原子を導入した場合はカーボンブラック配合ゴム組成物において、珪素原子を導入した場合はシリカなどの補強性無機充填剤を配合したゴム組成物において発熱を抑制することもできるので好ましい。
また、(D)成分又は(E)成分の分子内又は末端にスズ原子、窒素原子及び珪素原子の少なくとも1つを含む重合体の含有量が50%以上であることが好ましく、前記(D)成分又は(E)成分の80質量%以上が、分子中にスズ原子、窒素原子及び珪素原子の少なくとも1つを含んでいる変性重合体であることが好ましい。
また、前記(D)成分及び(E)成分は、特に分岐構造を有するものが好ましい。分岐構造は三官能以上の開始剤、三官能以上の変性剤、重合活性基を二つ以上有する単量体などを用いることにより導入することができ、三官能以上の変性剤を用いることが好ましい。
上記の変性重合体は公知の方法により製造される。通常、有機リチウム開始剤によって重合を開始させた後、リチウム活性末端を有する重合体の溶液に各種変性剤を添加することによって得られる(特公平6−89183号公報、特開平11−29659号公報など)。変性剤の投入は、重合終了後であることが好ましい。
カップリング剤としては、ハロゲン化錫、ハロゲン化ケイ素のようなハロゲン化物である。カップリング剤中のハロゲンは、一般的には、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素であるが、中でも塩素が好ましい。また、第VIa族の原子のスズ、ケイ素が好ましく、スズが特に好ましい。
例えば、スズ原子は、四塩化スズ、トリブチルスズ、ジオクチルスズジクロリド、ジブチルスズジクロリド、塩化トリフェニルスズなどのスズ化合物によって導入できる。また、2官能以上のスズ変性剤を用いた場合、リチウム活性末端を有する重合体は、変性剤によってカップリングされ、スズ原子は分子内に取り込まれ、塩化トリフェニルスズのような単官能の変性剤を用いた場合、リチウム原子は重合体の末端に取り込まれることになる。
窒素原子は、2,4−トリレンジイソシアナート、ジイソシアナートジフェニルメタンなどのイソシアネート系化合物;4,4’ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、4−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミノベンゾフェノン化合物、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジンなどの尿素誘導体、その他、4−ジメチルアミノベンジリデンアニリン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドンなどの窒素含有化合物によって導入することができる。
また、窒素原子は、重合開始剤としてリチウムアミド化合物を用いる場合、重合開始末端に窒素含有官能基を有し、他方の末端が重合活性部位である(共)重合体が得られ、該(共)重合体は、変性剤で変性することなく、一つの官能基を有する(A)成分の高分子量(共)重合体として用いることができる。
上記リチウムアミド化合物としては、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジヘキシルアミド、リチウムジヘプチルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチムジ-2-エチルヘキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム-N-メチルピペラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムメチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド等が挙げられ、これらの中でも、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド等の環状のリチウムアミド化合物が好ましく、リチウムヘキサメチレンイミド及びリチウムピロリジドが特に好ましい。
珪素原子は、アルコキシシランやアミノアルコキシシランなどの末端変性剤によって導入することができる。
具体的には、エポキシ基含有アルコキシシラン化合物としては、ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキリシシラン、(2−グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシランなどが挙げられる。
また、アミノ基含有アルコキシシラン化合物としては、3−ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン;3−ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジエチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリエトキシシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリメトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−ジブチルアミノプロピル(トリエトキシ)シランなどのジ置換アミノ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリエトキシ)シラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリエトキシ)シラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリメトキシ)シラン、3−(1−ピロリジニル)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ピロリジニル)プロピル(トリメトキシ)シラン、3−(1−ヘプタメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ドデカメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)エチルシラン、1−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、3−〔10−(トリエトキシシリル)デシル〕−4−オキサゾリンなどの環状アミノ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物が挙げられる。
さらに、イミノ基含有アルコキシシラン化合物としては、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(シクロヘキシリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミンなどが挙げられる。
また、例えばジエチルアミンのような2級アミノ化合物或いはヘキサメチレンイミンのようなイミン化合物と有機リチウム化合物とから得られるリチウムアミド開始剤を用いて重合させることにより、或いは、該重合により得られたリチウム活性末端を有する重合体の溶液に、さらに前記の変性剤を添加することによっても前記の変性重合体を得ることができる。
この分子鎖中に官能基を導入した変性重合体も、温度上昇による弾性率の低下を抑制すると共に、シリカなどの補強性無機充填剤を配合したゴム組成物における低発熱性を効果的に改良することもできるので好ましく、特に多官能変性剤を用いることにより得られる分岐構造を有するものが好ましい。また、アルコキシシリル基と共にアミノ基、イミノ基、エポキシ基またはスズ原子を導入した変性重合体は、補強性充填剤として、前記無機充填剤と共にカーボンブラックを用いた場合に特に有効に適用できる。
次に、本発明のゴム組成物は、前述のように(B)成分として少なくとも1つの官能基を有する変性前のゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が、2,000〜200,000未満の低分子量共役ジエン系重合体含むことが必要である。
(B)成分の低分子量共役ジエン系重合体は、少なくとも1つの官能基を有し、上記重量平均分子量を満足するものであれば特に制限されないが、共役ジエン重合体としては、ブタジエン単独重合体が、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体としては、芳香族ビニル化合物が5質量%以下のスチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。アロマオイル等の軟化剤の一部を置換して上記ブタジエン系の低分子量重合体を本発明の組成物に配合することによって、ムーニー粘度の上昇はなく、低温域での貯蔵弾性率(G')の低減と高温域での貯蔵弾性率(G')の向上と低転がり抵抗性に結びつく高温域でのtanδの低減が可能となり、さらに破壊特性の向上により耐摩耗性が向上した。また、スチレン含量を5%以下にすることによって低温での弾性率を低く保つことができ、さらに、低ガラス転移温度(Tg)ポリマーは耐摩耗性を向上させることができる。
また、上記(B)成分の低分子量ブタジエン系重合体は、共役ジエン化合物部分のビニル結合量が5〜80質量%であることがこのましい。共役ジエン化合物部分のビニル結合量を上記範囲にすることによって、ゴム組成物の貯蔵弾性率(G')の向上と損失正接(tanδ)の低減とを両立することができる。
上記(B)成分の低分子量共役ジエン系重合体は、(A)高分子量ゴム成分のところで詳述したように(1)単量体である芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とを重合開始剤を用いて共重合させ、重合活性部位を有する共役ジエン系重合体を生成させた後、該重合活性部位を各種変性剤で変性する方法や、(2)単量体である芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とを官能基を有する重合開始剤を用いて共重合させる方法で得ることができる。
上記(B)成分の共役ジエン系重合体の合成に用いる重合開始剤としては、有機リチウム化合物が好ましく、ヒドロカルビルリチウム及びリチウムアミド化合物がさらに好ましい。なお、重合開始剤として有機リチウム化合物を用いた場合、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とは、アニオン重合で共重合される。重合開始剤としてヒドロカルビルリチウムを用いる場合、重合開始末端にヒドロカルビル基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。一方、重合開始剤としてリチウムアミド化合物を用いる場合、重合開始末端に窒素含有官能基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られ、該共役ジエン系重合体は、変性剤で変性することなく、本発明における(B)成分の少なくとも一つの官能基を有する低分子量共役ジエン系重合体として用いることができる。なお、重合開始剤の使用量は、単量体100g当り0.2〜20mmolの範囲が好ましい。
上記ヒドロカルビルリチウムとしては、エチルリチウム、n-プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-オクチルリチウム、n-デシルリチウム、フェニルリチウム、2-ナフチルリチウム、2-ブチル-フェニルリチウム、4-フェニル-ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物等が挙げられ、これらの中でも、エチルリチウム、n-プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-オクチルリチウム、n-デシルリチウム等のアルキルリチウムが好ましく、n-ブチルリチウムが特に好ましい。
尚、リチウムアミド化合物については、(A)高分子量ゴム成分のところで説明した通りである。
上記重合反応は、ランダマイザーの存在下で実施してもよい。該ランダマイザーは、共役ジエン系重合体の共役ジエン化合物部分のミクロ構造を制御することができ、より具体的には、共役ジエン系重合体の共役ジエン化合物部分のビニル結合量を制御したり、共役ジエン系重合体の共役ジエン化合物単位と芳香族ビニル化合物単位とをランダム化する等の作用を有する。上記ランダマイザーとしては、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン、1,2-ジピペリジノエタン、カリウム-t-アミレート、カリウム-t-ブトキシド、ナトリウム-t-アミレート等が挙げられる。これらランダマイザーの使用量は、重合開始剤1モル当り0.01〜100モル当量の範囲が好ましい。
上記重合反応は、溶液重合で実施することが好ましく、重合反応溶液中の上記単量体の濃度は、5〜50質量%の範囲が好ましく、10〜30質量%の範囲がさらに好ましい。なお、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との混合物中の芳香族ビニル化合物の含有率は、5質量%以下の範囲が好ましく、より好ましくは0%である。
上記重合反応の重合温度は、0〜150℃の範囲が好ましく、20〜130℃の範囲がさらに好ましい。また、該重合は、発生圧力下で実施できるが、通常は、使用する単量体を実質的に液相に保つのに十分な圧力下で行うのが好ましい。ここで、重合反応を発生圧力より高い圧力下で実施する場合、反応系を不活性ガスで加圧することが好ましい。また、重合に使用する単量体、重合開始剤、溶媒等の原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を予め除去したものを用いることが好ましい。
上記重合活性部位を有する共役ジエン系重合体の重合活性部位を変性剤で変性するにあたって、使用する変性剤としては、スズ、ケイ素、又は窒素原子を含む変性剤化合物が好ましい。中でも、スズを含む変性剤化合物及び窒素を含む化合物が好ましい。尚、変性剤の具体例については(A)成分の高分子量ゴム成分の変性のところで述べた通りである。
上記変性剤による重合活性部位の変性反応は、溶液反応で行うことが好ましく、該溶液中には、重合時に使用した単量体が含まれていてもよい。また、変性反応の反応形式は特に制限されず、バッチ式でも連続式でもよい。さらに、変性反応の反応温度は、反応が進行する限り特に限定されず、重合反応の反応温度をそのまま採用してもよい。なお、変性剤の使用量は、共重合体の製造に使用した重合開始剤1molに対し、0.25〜3.0molの範囲が好ましく、0.5〜1.5molの範囲がさらに好ましい。
本発明においては、上記(B)成分を含む反応溶液を乾燥して(B)成分を分離した後、得られた(B)成分を上記(A)成分に配合してもよいし、(B)成分を含む反応溶液を上記(A)成分のゴムセメントに溶液状態で混合した後、乾燥して、(A)成分及び(B)成分の混合物を得てもよい。
本発明のゴム組成物は、さらに(C)成分の充填剤を配合することが必要であり、上記(A)成分100質量部に対して30〜90質量部含有することが好ましい。充填剤の配合量を上記範囲にすることによって作業性悪化を抑制し、優れた加硫ゴムの破壊特性及び耐摩耗性を得ることが出来る。
ここで、充填剤としては、カーボンブラック及びシリカが好ましい。なお、カーボンブラックとしては、FEF,SRF,HAF,ISAF,SAFグレードのものが好ましく、HAF,ISAF,SAFグレードのものがさらに好ましい。一方、シリカとしては、湿式シリカ及び乾式シリカ等が好ましく、湿式シリカがさらに好ましい。これら補強性の充填剤は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
本発明のゴム組成物は、さらに軟化剤を含んでもよい。ここで、軟化剤としては、パラフィンオイル、ナフテン系オイル、アロマオイル等のプロセスオイルが挙げられ、破壊特性及び耐摩耗性の観点からは、アロマオイルが好ましく、低発熱性及び低温特性の観点からは、ナフテン系オイル及びパラフィンオイルが好ましい。上記軟化剤の配合量は、特に限定されるものではないが、上記(B)成分の低分子量共役ジエン系重合体及び軟化剤の総配合量が、上記(A)成分100質量部に対して5〜80質量部、より好ましくは5〜60質量部となるように配合することが好ましい。上記(B)成分及び軟化剤の総配合量を上記範囲にすることによって、加硫ゴムの破壊特性の低下を抑制することができる。
本発明のゴム組成物には、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分の充填剤、軟化剤の他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、老化防止剤、シランカップリング剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。上記ゴム組成物は、(A)成分に、(B)成分と、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とを配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物をタイヤ部材としてトレッド、サイドウォール、ビードフィラー及びボディプライスキムに用いたことを特徴とする。
上記ゴム組成物をトレッド部の少なくとも接地部分に用いたタイヤは、低燃費性及び操縦安定性に優れる。なお、本発明の空気入りタイヤは、上述のゴム組成物をも散るタイヤ部材については、特に制限は無く、常法に従って製造することができる。また、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、各種の測定法は下記の方法に基づいておこなった。
<未加硫ゴムの物性>
(1)重量平均分子量(Mw)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー製HLC−8020、カラム:東ソー製GMH−XL(2本直列)、検出器:示差屈折率計(RI)]で単分散ポリスチレンを基準として、各重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を求めた。
(2)ミクロ構造及び結合スチレン量
重合体のミクロ構造を赤外法(モレロ法)で求め、重合体の結合スチレン量を1H-NMRスペクトルの積分比より求めた。
<加硫ゴムの物性>
(3)貯蔵弾性率(G')及び損失正接(tanδ)
レオメトリックス社製の粘弾性測定装置を用いて、温度−20℃、周波数15Hz、歪1%で貯蔵弾性率(G')を温度50℃、周波数15Hz、歪1%で貯蔵弾性率(G')、損失正接(tanδ)及び温度0℃、周波数15Hz、歪1%で損失正接(tanδ)を測定し比較例1の貯蔵弾性率(G')及び損失正接(tanδ)をそれぞれ100として指数表示した。50℃における貯蔵弾性率(G')については、指数の値が大きい程、貯蔵弾性率が高いことを示し、−20℃における貯蔵弾性率(G')は指数の値が小さい方が低温の柔軟性に優れることを示す。
一方、50℃における損失正接(tanδ)については、指数値が小さい程、低発熱性に優れることを示す。また、0℃における損失正接(tanδ)については数値が大きい程ウエット性能が優れていることを示す。
<(B)成分:低分子量ポリブタジエンの製造例−1>
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、シクロへキサン 300g、1,3-ブタジエン 50gを注入し、ジテトラヒドロフリルプロパン/n-ブチルリチウムの比が0.03になるようにジテトラヒドロフリルプロパンを注入した。更にn-ブチルリチウム(n-BuLi)を3.6mml加えた後、50℃で5時間重合反応を行い25,000の重量平均分子量、ビニル量20%の未変性低分子量ブタエンを得た。他の分子量のものはn-ブチルリチウムの量を常法により変化させて合成した。
この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。次に、重合反応系に、変性剤として四塩化スズの場合には四塩化スズ/n−ブチルリチウム=0.22、テトラエトキシシラン/n−ブチルリチウム=0.9、クルードMDI/n−ブチルリチウム=0.9になるように変性剤を速やかに加え、更に50℃で30分間変性反応を行った。その後、重合反応系に、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液(BHT濃度:5質量%)0.5mLを加えて、重合反応を停止させ、更に常法に従って乾燥してそれぞれの変性低分子量ポリブタジエンを得た。
変性反応を行なわなかった場合は、その反応を除き同様な処理を行なってそれぞれの低分子量ポリブタジエンを得た。
<(B)成分:低分子量ポリブタジエンの製造例−2>
上記製造例1の重合触媒をn-ブチルリチウム(n-BuLi)からリチウムヘキサメチレンイミド(HMI−Li)3.6mmolに変更した以外は製造例1同様に重合反応を行い、重合反応終了後、変性反応を行わずに、重合反応系に2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液(BHT濃度:5質量%)5mLを加えて、重合反応を停止させ、更に常法に従って乾燥低分子量ポリブタジエンを得た。
<(A)成分:高分子量スチレン−ブタジエン共重合体の製造例−3>
乾燥し、窒素置換された800mLの耐圧ガラス容器に、ブタジエンのシクロヘキサン溶液(16%)、スチレンのシクロヘキサン溶液(21%)を、ブタジエン単量体40g、スチレン単量体10gとなるように注入し、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン0.12ミリモルを注入し、これに、n-ブチルリチウム(BuLi)0.4ミリモルを加えた後、50℃の温水浴中で1.5時間重合する。重合転化率はほぼ100%である。この後、重合系に、更に、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)のイソプロパノール5重量%溶液0.5mLを添加し、反応を停止させる。その後、常法に従い乾燥することにより、S-SBRを得る。得られた高分子量スチレン−ブタジエン共重合体は、結合スチレン量が20質量%で、ビニル結合量が58%、重量平均分子量が290.000であった。
<(A)成分:変性高分子量スチレン−ブタジエン共重合体の製造例−4>
上記重合反応系に、変性剤として四塩化スズを0.1mmol加え、更に50℃で30分間変性反応を行った。その後、重合反応系に、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)のイソプロパノール溶液(BHT濃度:5質量%)0.5mLを加えて、重合反応を停止させ、更に常法に従って乾燥してそれぞれの高分子量スチレン−ブタジエン共重合体を得た。
Figure 0005507032
「注」
*1.東海カーボン(株)製, 商標:シーストKH(N339)
*2.東・ソーシリカ (株)製, 商標:ニプシルAQ.
*3.デグサ社製, 商標Si69, ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*4.N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン
*5.ジフェニルグアニジン
*6.ジベンゾチアジルジスルフィド
*7.N-t-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド
Figure 0005507032
Figure 0005507032
上記の製造例1〜4で製造した低分子量ポリブタジエン及び高分子量スチレン−ブタジエン共重合体の重量平均分子量(Mw)、ミクロ構造、結合スチレン量を上記の方法で測定した。それぞれの結果を第2表に示す。
実施例1〜12、参考例1〜3及び比較例1〜4
次に、上記の製造例1〜4で製造した低分子量ポリブタジエン及び高分子量スチレン−ブタジエン共重合体を用いて、第1表に示す配合処方のゴム組成物を調製し、さらに、該ゴム組成物を160℃で15分間加硫して加硫ゴムを得、該加硫ゴムの貯蔵弾性率(G')及び損失正接(tanδ)を上記の方法により測定した。結果を第2表に示す。
第2表−1から変性前の分子量が2,000〜200,000未満の場合には、0℃の損失正接を低下させずに、−20℃の貯蔵弾性率を低下でき、50℃の損失正接を低下できることがわかる。
第2表−2から、変性剤種を窒素、ケイ素含有のものに変更しても効果が見られる。
また、高分子量ポリマーを変性しても、さらに−20℃の貯蔵弾性率を低下でき、50℃の損失正接を低下できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、重量平均分子量が2,000〜200,000未満の範囲内で、官能基を有する低分子量共役ジエン系重合体を適用することで、低温柔軟性に優れウェットグリップ性を維持し、高い高温貯蔵弾性率、低転がり抵抗性及び耐摩耗性を高度に両立させたゴム組成物、及び該ゴム組成物をタイヤ部材に用いてなる上記性能の改良された空気入りタイヤを提供することができる。
タイヤ用部材としては、トレッド、サイドウォール、ビードフィラー及びボディプライスキム等に適用することができる。

Claims (14)

  1. (A)ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が、200,000以上の(D)芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体、(E)共役ジエン重合体及び天然ゴムから選択された少なくとも1つの高分子量ゴム成分100質量部に対して、(B)少なくとも1つの官能基を有する変性前のゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が、2,000〜80,000の低分子量共役ジエン系重合体3〜50質量部(C)充填材30〜90質量部及び軟化剤を含み、(B)成分及び軟化剤の合計量が、(A)ゴム成分100質量部に対して5〜80質量部であることを特徴とするゴム組成物。
  2. (B)成分のビニル結合量が共役ジエンの重合単位の5〜80質量%、(B)成分中の芳香族ビニル化合物の含有量が5質量%以下である請求項1に記載のゴム組成物。
  3. (B)成分が、ブタジエン単独重合体、もしくはブタジエン・スチレン共重合体である請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. (B)成分の官能基がスズ、ケイ素、及び窒素原子を含む官能基である請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 前記(C)充填剤が、カーボンブラック及び/又はシリカである請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 前記(D)成分がスチレン−ブタジエン共重合体である請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 前記(E)成分がブタジエン単独重合体である請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. (D)成分及び(E)成分が、少なくとも1つの官能基を有する請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物。
  9. (D)成分及び(E)成分の官能基が、スズ、珪素及び窒素原子を含む官能基である請求項に記載のゴム組成物。
  10. (B)成分及び軟化剤の合計量が、(A)ゴム成分100質量部に対して5〜60質量部である請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物。
  11. (B)成分が軟化剤と(B)成分の合計量の20質量%以上である請求項1〜10のいずれかに記載のゴム組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のゴム組成物がタイヤ用であることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
  13. 請求項12に記載のタイヤ用ゴム組成物をタイヤ部材に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  14. 請求項12に記載のタイヤ用ゴム組成物をトレッド、サイドウォール、ビードフィラー、ボディプライスキム及びランフラットタイヤ用補強ゴムに適用した空気入りタイヤ。
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