JP5504622B2 - 鉛蓄電池の製造方法並びにこの製造方法で用いる鉛蓄電池用極板ストラップの鋳造方法及び鋳造装置 - Google Patents

鉛蓄電池の製造方法並びにこの製造方法で用いる鉛蓄電池用極板ストラップの鋳造方法及び鋳造装置 Download PDF

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Description

本発明は、鉛蓄電池の製造方法並びにこの製造方法で用いる鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造方法及び鋳造装置に関するものである。
周知のように、鉛蓄電池は、正極板と負極板とをセパレータを介して積層して鉛蓄電池用の極板群を構成する極板群構成工程と、極板群の同極性の極板の耳部同士を接続するストラップを鋳造するストラップ鋳造工程と、ストラップが鋳造された極板群を電槽内に収容してセル間を接続し、該電槽内に電解液を注入する組立工程とを行うことにより製造される。
ストラップ鋳造工程で用いるストラップ鋳造装置は、図13に示したように構成されている。図13において、1は鉛合金の溶湯Mを生成する鉛溶解槽である。鉛溶解槽1は、ヒータ2を備えていて、該ヒータにより鉛合金を加熱して溶融することにより鉛合金の溶湯Mを生成する。3は鋳型、4′は鉛溶解槽1内の溶湯Mを溶湯供給路5を通して鋳型3に供給するポンプ、6はポンプ4′を駆動する駆動源、7は鋳型3内の溶湯レベルを調整する溶湯レベル調整部である。
図15及び図16に示されているように、鋳型3は、ストラップを鋳造するためのキャビティ301と、キャビティ301に隣接配置されてキャビティ301との間が堰302により仕切られた湯溜り溝303と、キャビティ301及び湯溜り溝303の上方に形成された余剰溶湯収容空間304とを有する型凹部305と、湯溜り溝303より下方に設けられて湯溜り溝303内に連通路306を通して接続された湯道307とを備えている。
鋳型3は、堰302の厚み方向の中央部でキャビティ側ユニット3Aと、湯溜り側ユニット3Bとに分割されていて、これらのユニットが断熱層309を介して接合されることにより、鋳型3が組立てられている。キャビティ側ユニット3Aは図示しない冷却手段により冷却され、湯溜り側ユニット3Bは図示しない加熱手段により加熱される。
図示のポンプ4′は、遠心式の渦巻きポンプからなっていて、その吐出口は、溶湯供給路5を通して湯道307の軸線方向(長手方向)の一端に接続されている。湯道307の軸線方向の他端は閉鎖されていて、ポンプ4′から湯道307内に溶湯Mが送給されたときに該溶湯が連通路306を通して湯溜り溝303内に流入して、湯溜り溝303内の溶湯Mの液面Maのレベル(溶湯レベル)を上昇させる。ポンプ4′と鋳型の湯溜り溝303との間を接続する溶湯供給路5は、ポンプ4′と溶湯レベル調整部7との間を接続するパイプライン501と溶湯レベル調整部7との間を接続するパイプライン502とからなっている。
溶湯レベル調整部7は、上端に開口部を有し下端が溶湯供給路5に接続された溶湯開放通路701と、溶湯開放通路701の開口部を開閉する弁棒702及び弁棒702を駆動するバルブ駆動機構704からなる溶湯レベル調整用バルブ703とを備えている。溶湯レベル調整部7は、溶湯開放通路701の上端開口部から流出した溶湯を鉛溶解槽1内にオーバフローさせる流出口を備えていて、該流出口のレベルを、鋳型内の湯溜り溝303内における溶湯の規定レベルL1に一致させた状態で配置されている。
溶湯レベル調整部7のバルブ703が開いている状態では、湯溜り溝303内の溶湯レベルが規定レベルL1を越えたときに溶湯開放通路701の上端から流出した溶湯が流出口から鉛溶解槽1内にオーバフローして湯溜り溝303内の溶湯レベルを規定レベルL1に保つ。また、バルブ703が閉じている状態では、溶湯のオーバフローが阻止されるため、湯溜り溝303内の溶湯レベルが規定レベルL1を越えて上昇するのが許容される。この種の鋳造装置は、例えば特許文献1に記載されている。
上記の鋳造装置においては、溶湯レベル調整部7のバルブ703を開いた状態でポンプ4′を運転して、湯溜り溝303内の溶湯レベルを規定レベルL1に保持しておく。この過程を待機過程とする。極板群の同極性の耳部同士を接続するストラップを鋳造する際には、先ずバルブ703を一定時間の間閉じて湯溜り溝303内の溶湯レベルを上昇させることにより湯溜り溝303内の溶湯Mを堰302を越えてキャビティ301内に流入させ、キャビティ301内が溶湯で満たされる状態にする。このときキャビティ内が確実に溶湯で満たされるようにするため、溶湯レベルが最終的には堰302の上端のレベルを越えて型凹部305の上端開口部付近に設定された過剰レベルに達するように、バルブ703を閉じておく時間を設定する。
上記のようにして型凹部内の溶湯レベルを過剰レベルまで上昇させた後、バルブ703を開いて溶湯レベルを規定レベルL1に向けて下降させていき、溶湯レベルが、溶湯中に極板群の耳部を挿入しても型凹部305から溶湯があふれ出ることがないレベル以下になるタイミングで、図15に示すように、極板群10の複数の同極性の極板の集電体に設けられた耳部11を、キャビティ301の上方から下降させて、キャビティ301内に挿入する。このとき型凹部305内の溶湯レベルは、型凹部305の上端開口部付近まで上昇する。この状態でキャビティ内の溶湯を凝固させるために必要な時間が経過するのを待つ。溶湯レベル調整部7からの溶湯のオーバフローを継続させ、キャビティ内の溶湯が凝固する前に湯溜り溝303内の溶湯レベルを規定レベルL1まで降下させて待機状態に移行する。極板群の耳部をキャビティ内に挿入した後、キャビティ内の溶湯を凝固させるために必要な時間が経過したときに図16に示すようにノックアウトピン308を押し上げてキャビティ内で成形されたストラップ12をキャビティから取り出す。
上記の鋳造装置では、ポンプ4′として渦巻き式の遠心ポンプが用いられているが、特許文献2に示されているように、ポンプ4′として往復動式のプランジャポンプを用いた鋳造装置も知られている。この鋳造装置では、プランジャポンプのピストンを前進させて型凹部内の溶湯レベルを堰の上端より高い過剰レベルまで上昇させた後、プランジャポンプのピストンを後退させて、型凹部内の溶湯レベルを強制的に堰の上端のレベルまで下降させるようにしている。
PCT国際公開WO91/05625号公報 特開平9−174226号公報
渦巻き式の遠心ポンプは、図17に示すように、揚程hが大きくなるにつれて吐出量Vが低減していくという特性がある。そのため、図13ないし図16に示したように構成された鋳造装置のように、溶湯を鋳型に供給するポンプ4′として渦巻き式の遠心ポンプを用いた場合には、図13に示すように鉛溶解槽内の溶湯レベルが高く、ポンプの揚程hが低い場合と、図14に示すように鉛溶解槽内の溶湯レベルが低く、ポンプの揚程hが高い場合とでポンプの吐出量が異なり、鉛溶解槽内の溶湯レベルの変動により、鋳型内への溶湯の供給量に過不足が生じて、鋳造されるストラップの形状が不均一になったり、溶接不良が生じたりするという問題があった。
また従来の鋳造装置では、型凹部内の溶湯レベルを過剰レベルまで上昇させた後、バルブ702を開いて溶湯レベル調整部の流出口から溶湯をオーバフローさせることにより、溶湯レベルを低下させ、その過程で極板群の耳部をキャビティ内に挿入しているが、オーバフローによる溶湯レベルの低下は遅いため、ストラップが凝固するまでの間に溶湯レベルを堰302の上端よりも下方のレベルまで低下させることができないことがあり、ストラップの厚みが過剰になることがあった。このようにストラップの厚みが過剰になることがある場合には、ストラップと極板の集電体の外骨部との間に必要な距離d(図16参照)を確保するために、耳部の高さを高く設定しておく必要があるため、極板の高さが高くなって、電池の大型化を招くという問題が生じる。
特許文献2に示されたように、鉛溶解槽から鋳型に溶湯を供給するポンプとしてプランジャポンプを用いて、プランジャポンプのピストンを前進させて型凹部内の溶湯レベルを堰の上端より高い過剰レベルまで上昇させた後、プランジャポンプのピストンを後退させて、型凹部内の溶湯レベルを強制的に堰の上端のレベルまで下降させるようにすれば、原理的には、渦巻き式の遠心ポンプを用いた場合に生じる上記の問題を解消することができる。
しかしながら、プランジャポンプは、ピストンの単位変位量当たりの吐出量及び吸込み量が多いため、吐出量及び吸込み量の微妙なコントロールができないという問題を有している。また特許文献2にも示されているように、プランジャポンプはエアシリンダ等の往復駆動装置により駆動する必要があるが、往復駆動装置は、シリンダに作動流体を供給するタイミングのずれによりピストンの変位量に大きな誤差を生じるため、ポンプの吐出量及び吸込み量を微妙に制御することは困難である。
このように、プランジャポンプを用いた場合には、鋳型の型凹部内の溶湯レベルを過剰レベルから堰の上端レベルまで下降させる際に溶湯レベルを細かく制御することが困難であるため、溶湯レベルが堰のレベルよりも高いレベルまでしか低下しなかったり、湯溜り溝内の溶湯レベルが規定レベルよりも低いレベルまで低下してしまったりするという問題が生じる。溶湯レベルの低下量が不足すると、鋳造されるストラップの厚みが過剰になり、耳部の高さを高くすることが必要になって極板の大形化を招く。また溶湯レベルが規定レベルよりも低いレベルまで低下すると、次にプランジャポンプにより定量の溶湯を鋳型内に送り込んだ際に溶湯の量が不足し、ストラップの厚みが不足したり、溶接不良が生じたりするおそれがある。
またプランジャポンプを用いる場合には、待機過程において、鉛溶解槽−ポンプ−溶湯レベル調整部−鉛溶解槽の経路で常時溶湯の循環流を生じさせておくことができないため、待機過程において溶湯供給路5内及び鉛溶解槽1内で溶湯の流動を生じさせておくことができない。溶湯供給路5を構成するパイプラインの内、ポンプ4′と溶湯レベル調整部7との間を接続するパイプライン501は、鉛溶解槽1内の溶湯及び溶湯レベル調整部7からオーバフローする溶湯が触れる部分であるため、該パイプライン501にはヒータを巻き付けることができない。そのため、パイプライン501は、鉛溶解槽1内の溶湯と、溶湯レベル調整部7からオーバフローする溶湯とにより加熱されるだけであり、特にパイプライン501の鉛溶解槽内の溶湯から上部に露出している部分は、その加熱が不十分になりがちである。従って、溶湯供給路5内で溶湯の流動が停止すると、上記パイプライン501の内部で溶湯が凝固してストラップの鋳造を行うことができなくなり、鉛蓄電池の製造ラインが停止するおそれがある。
また待機過程において鉛溶解槽1内の溶湯の流動が停止すると、溶湯の表面が酸化するため、鉛合金の組成が変化し、鋳造されるストラップの品質を低下させる。ストラップを形成する鉛合金としては、通常鉛アンチモン鉛合金が用いられるが、溶湯の表面で鉛アンチモン合金が酸化するとその酸化物中に大量のアンチモンが取り込まれるため、鉛溶解槽内の溶湯の表面で酸化が進むと、溶湯の表面付近とその内部とで合金の組成が異なる状態が生じ、鋳造されるストラップの品質が悪くなる。
上記2つの理由から、特許文献2に示されたように、鉛溶解槽1から鋳型3に溶湯を供給するポンプとしてプランジャポンプを用いることは好ましくない。
本発明の目的は、鋳型内での溶湯レベルの制御を正確に行って、鋳型内に供給される溶湯の量に過不足が生じるのを防ぎ、鋳造されるストラップの厚みが過剰になったり、不足したりするのを防いで、極板群の耳部同士の接続部の品質を向上させることができるようにした鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造方法及びこの鋳造方法を実施するために用いる鋳造装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、鋳型内に供給される溶湯の量に過不足が生じるのを防いで鋳造されるストラップの厚みが過剰になったり、不足したりするのを防ぐだけでなく、待機過程においても鉛溶解槽内及び溶湯供給路内で常時溶湯の流動を生じさせて、鋳造工程を停止させることを余儀なくされたり、鋳造されるストラップの品質が低下したりするのを防ぐことができるようにした鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造方法及びこの鋳造方法を実施するために用いる鋳造装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、極板群の同極性の耳部同士を接続するストラップを鋳造する際にストラップの厚みが過剰になったり、不足したりするおそれをなくすとともに、溶湯供給路内で鉛が凝固してストラップ鋳造工程を停止させることを余儀なくされたり、鉛溶解槽内で溶湯の組成が変化してストラップの品質が低下したりするおそれをなくして、極板群の耳部同士の接続部の品質が高く、信頼性が高い鉛蓄電池を能率よく製造することができるようにした鉛蓄電池の製造方法を提供することにある。
本発明においては、上記の目的を達成するため、鉛蓄電池の極板群の同極性の極板の耳部同士を接続するストラップを鋳造する鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造装置に下記の要素を設ける。
(a)鉛合金の溶湯を生成する鉛溶解槽。
(b)ストラップを鋳造するためのキャビティと該キャビティに隣接配置されて該キャビティとの間が堰により仕切られた湯溜り溝と前記キャビティ及び湯溜り溝の上方に形成された余剰溶湯収容空間とを有する型凹部と、前記湯溜り溝より下方に設けられて前記湯溜り溝内に接続された湯道とを備えた鋳型。
(c)鉛溶解槽内に開口させられた第1のポートと鋳型の湯道に溶湯供給路を通して接続された第2のポートとを有して、正方向に回転したときに鉛溶解槽内の溶湯を第2のポートから溶湯供給路内に吐出させ、逆方向に回転したときに溶湯供給路内の溶湯を吸引して第1のポートから鉛溶解槽内に吐出させるギアポンプ。
(d)上端に開口部を有し下端が溶湯供給路に接続された溶湯開放通路と溶湯開放通路の上端の開口部を開閉するバルブと溶湯開放通路の開口部から流出した溶湯を鉛溶解槽内にオーバフローさせる溶湯流出口とを備えて、バルブが開いている状態では湯溜り溝内の溶湯レベルが規定レベルを越えたときに溶湯開放通路内の溶湯を溶湯流出口からオーバフローさせて湯溜り溝内の溶湯レベルを規定レベルに保ち、バルブが閉じているときには湯溜り溝内の溶湯レベルが規定レベルを越えて上昇するのを許容する溶湯レベル調整部。
ギアポンプは、正方向及び逆方向のいずれの方向にも回転させることができ、溶湯を吐出させることも吸い込むこともできる。更にギアポンプは、ギアの単位回転角度当たりの吐出量及び吸込み量が、プランジャポンプのピストンの単位変位量当たりの吐出量及び吸込み量に比べてはるかに小さく、またギアポンプは、駆動タイミングを正確に制御できる電動機により駆動できるため、ギアポンプを用いれば、溶湯の吐出量及び吸込み量の微妙なコントロールを容易に行うことができる。更に、ギアポンプの吐出量及び吸込み量は揚程の影響を受けないため、ギアポンプを用いると、鉛溶解槽内の溶湯レベルの変化により吐出量が変動して鋳型内への溶湯の供給量に過不足が生じるのを防ぐことができる。
従って、上記のように鋳造装置を構成すると、鋳型の湯溜り溝内の溶湯レベルを上昇させて型凹部内の溶湯レベルを過剰レベルまで上昇させた後、該溶湯レベルを下降させる際に溶湯レベルの制御を精度よく行うことができ、鋳型のキャビティ内に極板群の耳部を挿入した後、溶湯レベルを堰の上端のレベル以下のレベルまで速やかに、かつ正確に下降させることができる。従って、鋳造されるストラップの厚みが過剰になるのを確実に防ぐことができ、キャビティの形状通りの形状を有するストラップを正確に鋳造することができる。
また上記のように鋳造装置を構成すると、待機過程では、鉛溶解槽−ポンプ−溶湯レベル調整部−鉛溶解槽の経路で常時溶湯の循環流を生じさせておくことができるため、鉛溶解槽内で鉛合金の組成が不均一な部分が生じるのを防ぐことができ、鋳造されるストラップの品質が低下するのを防ぐことができる。
上記の溶湯レベル調整部は、バルブが開いているときに湯溜り溝内の溶湯レベルを、溶湯流出口のレベルに等しくする作用をする。そのため、上記の溶湯レベル調整部は、溶湯流出口のレベル(高さ)を鋳型の湯溜り溝内における溶湯の規定レベルに一致させた状態で配置される。
上記溶湯レベル調整部においては、溶湯流出口の高さを調整し得るようにしておくのが好ましい。このように構成しておくと、湯溜り溝内の溶湯レベルを、ストラップの鋳造を適性に行うために適したレベルに容易に調整することができる。
本発明に係わる鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造方法は、上記の鋳造装置を用いて、鉛蓄電池の極板群の同極性の極板の耳部同士を接続するストラップを鋳造する方法であって、本発明においては、バルブを開いた状態でギアポンプを正方向に連続回転させて湯溜り溝内の溶湯レベルを規定レベルに保つ待機過程と、バルブを閉じた状態でギアポンプを正方向に回転させることにより湯溜り溝内の溶湯レベルを上昇させて湯溜り溝内の溶湯を堰を越えてキャビティ内に流入させ、最終的には型凹部内の溶湯レベルを堰の上端のレベル以上のレベルまで上昇させる溶湯レベル上昇過程と、バルブを開き、湯溜り溝内の溶湯レベルが堰の上端レベル以下のレベルまで低下するまでの間ギアポンプを逆方向に回転させて溶湯レベル上昇過程で上昇した溶湯レベルを下降させる溶湯レベル下降過程とを行わせて、溶湯レベル下降過程で型凹部内の溶湯レベルが極板群の耳部を溶湯中に挿入しても型凹部から溶湯があふれることがないレベルまで低下したときに極板群の耳部をキャビティ内の溶湯中に挿入し、溶湯レベル下降過程で湯溜り溝内の溶湯レベルが規定レベルまたは設定レベルまで低下したときにギアポンプの回転方向を逆方向から正方向に反転させて待機過程に移行させる。そして、キャビティ内の溶湯を凝固させることによりストラップを鋳造する。
上記の方法を自動的に実施するため、本発明に係わる鋳造装置には、バルブを開いた状態でギアポンプを正方向に連続回転させて湯溜り溝内の溶湯レベルを規定レベルに保つ待機過程と、バルブを閉じた状態でギアポンプを正方向に回転させることにより湯溜り溝内の溶湯レベルを上昇させて湯溜り溝内の溶湯を堰を越えてキャビティ内に流入させ、最終的には型凹部内の溶湯レベルを堰の上端のレベル以上の過剰レベルまで上昇させる溶湯レベル上昇過程と、バルブを開いた状態でギアポンプを逆方向に回転させて溶湯レベル上昇過程で上昇した溶湯レベルを低下させる溶湯レベル下降過程とを行わせ、溶湯レベル下降過程で前記湯溜り溝内の溶湯レベルが堰の上端レベル以下のレベルまで低下したときにギアポンプの回転方向を逆方向から正方向に反転させて待機過程に移行させるようにバルブ及びギアポンプを制御する制御部を設けておくのが好ましい。
上記の各過程は、鋳型内の溶湯レベルを検出するレベルセンサを設けて、レベルセンサにより検出される溶湯レベルを規定レベルや設定レベルに一致させるようにギアポンプを制御することにより行わせることができる。レベルセンサとしては、超音波式や静電式等の非接触式のセンサを用いるのが好ましい。
ギアポンプの吐出量及び吸い込み量は、揚程の影響を受けず、ギアポンプの回転速度とギアポンプの単位回転角度当たりの吐出量とから正確に計算することができ、鋳型内の溶湯レベルを所定のレベルにするために必要なギアポンプの駆動タイミング及び駆動時間は演算により正確に求めることができるため、上記の鋳造方法の各過程は、バルブ及びギアポンプを駆動するタイミングとギアポンプを駆動する時間とを管理することにより正確に行うことができる。このように、ギアポンプを駆動するタイミングと駆動する時間とを管理することにより各工程を行わせるようにすれば、溶湯レベルを検出するセンサを設けることなく、バルブ及びギアポンプを駆動するタイミングを所定のシーケンスで制御するだけで、各工程を行わせることができる。
そのため、本発明に係わる鋳造方法の好ましい態様では、前記の構成を有する鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造装置を用いて、バルブを開いた状態でギアポンプを正方向に連続回転させて湯溜り溝内の溶湯レベルを規定レベルに保つ待機過程と、型凹部内の溶湯レベルを前記堰の上端のレベル以上に設定された過剰レベルまで上昇させるために必要な時間の間バルブを閉じた状態でギアポンプを正方向に回転させて前記型凹部内の溶湯レベルを上昇させる溶湯レベル上昇過程と、溶湯レベル上昇過程が終了した後バルブを開いた状態で湯溜り溝内の溶湯レベルを堰の上端レベル以下のレベルまで低下させるために必要な時間の間ギアポンプを逆方向に回転させて型凹部内の溶湯レベルを下降させる溶湯レベル下降過程とを行わせて、溶湯レベル下降過程で型凹部内の溶湯レベルが極板群の耳部を溶湯中に挿入しても型凹部から溶湯があふれることがないレベルまで低下するタイミングで極板群の耳部をキャビティ内の溶湯中に挿入し、溶湯レベル下降過程が終了した後にギアポンプの回転方向を逆方向から正方向に反転させて待機過程に移行させる。キャビティ内の溶湯を硬化させることによりストラップを鋳造する。
上記の鋳造方法を自動的に実施するため、本発明に係わる鋳造装置には、バルブを開いた状態でギアポンプを正方向に連続回転させて前記湯溜り溝内の溶湯レベルを規定レベルに保つ待機過程と、湯溜り溝内の溶湯レベルを堰を越えてキャビティ内に流入させてキャビティ内を溶湯で満たした状態にするために必要な時間の間バルブを閉じた状態でギアポンプを正方向に回転させて型凹部内の溶湯レベルを上昇させる溶湯レベル上昇過程と、溶湯レベル上昇過程が終了した後バルブを開いた状態で湯溜り溝内の溶湯レベルを堰の上端レベル以下のレベルまで低下させるために必要な時間の間ギアポンプを逆方向に回転させて型凹部内の溶湯レベルを下降させる溶湯レベル下降過程とを行わせ、溶湯レベル下降過程が終了した後にギアポンプの回転方向を逆方向から正方向に反転させて待機過程に移行させるようにバルブ及びギアポンプを制御する制御部を設けるのが好ましい。
鋳型内への溶湯の供給を迅速に行わせるため、上記制御部は、待機過程ではギアポンプを第1の回転速度で正方向に回転させ、溶湯レベル上昇過程ではギアポンプを第1の回転速度よりも高い第2の回転速度で正方向に回転させ、溶湯レベル下降過程ではギアポンプを逆方向に回転させるように構成するのが好ましい。
本発明に係わる鉛蓄電池の製造方法では、正極板と負極板とをセパレータを介して積層して鉛蓄電池用の極板群を構成する極板群構成工程と、上記のいずれかの鋳造方法により極板群の同極性の極板の耳部同士を接続するストラップを鋳造するストラップ鋳造工程と、ストラップが鋳造された極板群を電槽内に収容してセル間を接続し、該電槽内に電解液を注入する組立工程とを行って鉛蓄電池を製造する。
本発明では、溶湯を吐出させることも吸い込むこともでき、溶湯の吐出量及び吸込み量の微妙なコントロールを容易に行うことができる上に、吐出量及び吸込み量が揚程の変化の影響を受けないギアポンプを用いて溶湯を鋳型に供給するので、鋳型内に供給する溶湯に過不足が生じるのを防ぐことができる。
また本発明においては、鋳型の湯溜り溝内の溶湯レベルを上昇させて型凹部内の溶湯レベルを過剰レベルまで上昇させた後、ギアポンプを逆方向に回転させることにより溶湯レベルを強制的に下降させるので、鋳型のキャビティ内に極板群の耳部を挿入した後、溶湯レベルを堰の上端レベル以下のレベルまで速やかに、かつ正確に下降させることができる。従って本発明によれば、鋳造されるストラップの厚みが過剰になるのを確実に防ぐことができ、キャビティの形状通りの形状を有するストラップを正確に鋳造することができる。
また本発明によれば、待機過程では、鉛溶解槽−ポンプ−溶湯レベル調整部−鉛溶解槽の経路で常時溶湯の循環流を生じさせておくことができるため、溶湯供給路5内で溶湯が冷却されて凝固するおそれを無くすことができ、溶湯供給路内で溶湯が凝固することによりストラップの鋳造工程を停止せざるを得ない事態が生じるのを防ぐことができる。また鉛溶解槽内で常時溶湯の流動を生じさせておくことができるため、鉛溶解槽内で溶湯の表面の酸化が進んで鉛合金の組成が不均一な部分が生じるのを防ぐことができ、鉛合金の組成が不均一になることにより鋳造されるストラップの品質が低下するのを防ぐことができる。
鉛蓄電池を製造する方法においては、正極板と負極板とをセパレータを介して積層して鉛蓄電池用の極板群を構成する極板群構成工程と、極板群の同極性の極板の耳部同士を接続するストラップを鋳造するストラップ鋳造工程と、ストラップが鋳造された極板群を電槽内に収容してセル間を接続し、該電槽内に電解液を注入する組立工程とを行う。本発明に係わるストラップ鋳造方法及び鋳造装置は、上記ストラップ鋳造工程でストラップを鋳造する際に用いる。
以下図面を参照して、本発明に係わるストラップ鋳造装置の好ましい実施形態を、同鋳造装置を用いて行うストラップ鋳造方法とともに詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造装置の一実施形態の全体的な構成を示したものである。同図において、1はヒータ2により鉛合金を加熱して鉛合金の溶湯Mを生成する鉛溶解槽、3は鋳型、4は鉛溶解槽1内の溶湯Mを溶湯供給路5を通して鋳型3に供給するポンプ、6はポンプ4を駆動する駆動源、7はポンプ4と鋳型3との間を接続する溶湯供給路5の途中に設けられて鋳型3内の溶湯レベルを調整する溶湯レベル調整部である。
図2に示したように、鋳型3は、ストラップを鋳造するためのキャビティ301と、キャビティ301に隣接配置されてキャビティ301との間が堰302により仕切られた湯溜り溝303と、キャビティ301及び湯溜り溝303の上方に形成された余剰溶湯収容空間304とからなる型凹部305と、湯溜り溝303より下方に設けられて湯溜り溝303内に連通路306を通して接続された湯道307とを備えている。湯道307の一端は外部に開口していて、この湯道の一端の開口部に溶湯供給路5を構成するパイプラインが接続される。湯道307の他端は閉鎖されていて、溶湯供給路5から湯道307内に溶湯が供給された際に、湯道307内の溶湯が連通路306を通して押し上げられて湯溜り303内に流入するようになっている。
鋳型3は、堰302の厚み方向の中央部でキャビティ側ユニット3Aと、湯溜り側ユニット3Bとに分割されていて、これらのユニットが断熱層309を介して相互に接合されることにより鋳型3が組立てられている。キャビティ側ユニット3A内には冷却媒体を通す冷却媒体通路310が設けられ、この冷却媒体通路を通して流される冷却媒体により、キャビティ側ユニット3Aが冷却される。また湯溜り側ユニット3B内に設けられた穴にヒータ311が挿入され、該ヒータにより湯溜り側ユニットが溶湯を溶融状態に保つために必要な温度まで加熱される。キャビティ側ユニット3Aには、キャビティ301内で鋳造されたストラップを取り出す際に用いるノックアウトピン308が取り付けられている。
なお図2には、キャビティ301及び湯溜り303が一組だけ示されているが、極板群には正極板と負極板とがあり、正極板の耳部同士を接続する正極ストラップと負極板の耳部同士を接続する負極ストラップとの双方を鋳造する必要があるため、実際には、正極ストラップ及び負極ストラップをそれぞれ鋳造するために、2組のキャビティ301及び湯溜り303が正負極板の耳部の位置に対応して配置される。図2は鋳型の半部(一方の極性のストラップを鋳造する部分)のみを示している。実際には、図示のキャビティ側ユニット3Aの左側に極板群の他方の極性のストラップを鋳造するための他のキャビティ側ユニットが配置され、該他のキャビティ側ユニットの左側に、他の湯溜り側ユニットが配置される。
本発明においては、ポンプ4がギアポンプからなっている。ギアポンプは、図3に示すように、第1のギア収容室401と第2のギア収容室402とを対称に有するほぼ繭形のポンプハウジング403を備えていて、第1のギア収容室401及び第2のギア収容室402内にそれぞれ駆動ギア405及び従動ギア406が収容されている。駆動ギア405及び従動ギア406はそれぞれポンプハウジング403の側板に回転自在に支持された回転軸407及び408に取り付けられていて、第1のギア収容室401と第2のギア収容室402とがオーバラップする部分で互いに噛み合わされている。ポンプハウジング403の第1のギア収容室401と第2のギア収容室402とをつなぐ部分から駆動ギア405及び従動ギア406が並ぶ方向に対して直角な方向に沿って、互いに反対方向に突出するように第1のポート409及び第2のポート410が設けられている。ギアポンプ4の第1のポート409は鉛溶解槽1内の溶湯M中に開口させられ、第2のポート410は溶湯供給路5の一部を構成するパイプライン501と、溶湯レベル調整部7と、溶湯供給路5の他の部分を構成するパイプライン502とを通して鋳型3の湯道307に接続されている。ギアポンプ4を駆動する駆動源6は電動機からなり、該電動機によりギアポンプ4の駆動ギア405が回転駆動される。
図示のギアポンプは、駆動ギア405が図3において時計方向(この方向を正方向とする。)に回転したときに鉛溶解槽1内の溶湯Mを第1のポート409から吸い込んで第2のポート410から吐出させる。また駆動ギア405が図3において反時計方向(この方向を逆方向とする。)に回転したときに溶湯供給路5内の溶湯を吸い込んで鉛溶解槽1内に戻す。
ギアポンプ4は、ギアの回転方向を切り換えることにより、吐出方向を自由に切り換えることができるという特徴を有し、また吐出量が揚程の影響を受けないという特徴を有する。ギアポンプの単位回転角度当たりの吐出量及び吸込み量は、プランジャポンプのピストンの単位変位量当たりの吐出量及び吸込み量に比べて少ないため、吐出量及び吸込み量の微妙なコントロールが可能である。
溶湯レベル調整部7は、溶湯供給路5の途中に挿入されて、鋳型内の溶湯レベルを調整する働きをする。図4ないし図6に示したように、本実施形態で用いる溶湯レベル調整部7は、直方体状に形成された金属ブロック700を備え、金属ブロック700内に上下方向に伸びる溶湯開放通路701と、横方向に伸びる溶湯流路705とが直交した状態で設けられている。溶湯開放通路701の下端はパイプライン501を通してギアポンプ4の第2のポート410に接続されている。溶湯流路705の一端は金属ブロック700にねじ込まれたネジ706により閉鎖され、他端はパイプライン502を通して鋳型の湯道307に接続されている。
溶湯開放通路701は上端に開口部701aを有している。溶湯開放通路701の上方には、溶湯開放通路701の上端の開口部の周縁部に当接して溶湯開放通路701の開口部701aを閉じた状態にする閉位置と、溶湯開放通路の開口部701aの周縁部から離れて該開口部を開いた状態にする開位置との間を上下に変位する弁棒702と、弁棒702を閉位置と開位置との間で変位させる弁棒駆動機構704(図1参照)とが設けられ、弁棒702と、弁棒駆動機構704とにより溶湯レベル調整バルブ703が構成されている。
金属ブロック700の上端には、両端が水平方向に開口した溝707が設けられている。溝707の一端は、端板710により閉鎖されている。端板710は、溝707の両側にそれぞれ位置させて金属ブロック700に固定されたスタッド708,708とこれらのスタッドに螺合されたナット709,709とにより金属ブロック700に固定されている。
溝707の他端側には、溶湯流出口711を有するコの字形の流出口形成板712が、上下方向の位置を調整し得るようにして取り付けられている。流出口形成板712は、溝707の両側にそれぞれ位置させて金属ブロック700に固定されたスタッド713,713とこれらのスタッドに螺合されたナット714,714とにより金属ブロック700に取り付けられている。図4に示されているように、スタッド713,713を貫通させるために流出口形成板712に設けられた孔715は、上下方向に伸びる長孔となっている。従って、ナット714を緩めた状態で板712を上下に変位させることにより、溶湯流出口711のレベルを、長孔715の長さにより決まる一定の範囲内で調節することができる。
図6に示したように、溶湯レベル調整部7は、溶湯流出口711のレベル(溶湯流出口の下端のレベル)が、鋳型3内の湯溜り溝303内に設定する溶湯の規定レベルL1に一致するように、その上下位置が調整された状態で配置される。
湯溜り溝内の溶湯レベルを規定レベルL1に保つ際には、弁棒702を上昇させてバルブ703を開いておく。このとき溶湯レベル調整部7は、湯溜り溝303内の溶湯レベルが規定レベルL1を越えたときに溶湯開放通路701内の溶湯を溶湯流出口711から鉛溶解槽1内にオーバフローさせて湯溜り溝303内の溶湯レベルを規定レベルL1に保つ。また鋳型内の溶湯レベルを規定レベルを越えて上昇させる際には、バルブ703を閉じる。このとき溶湯のオーバフローが阻止されるため、溶湯レベル調整部7はギアポンプ4から湯道307への溶湯の供給に伴って湯溜り溝303内の溶湯レベルが規定レベルを越えて上昇するのを許容する。
本発明に係わる鋳造方法では、待機過程と、溶湯レベル上昇過程と、溶湯レベル下降過程とを行い、溶湯レベル下降過程において、鋳型内の溶湯レベルが、極板群の耳部をキャビティ内に挿入しても溶湯が鋳型からあふれ出るおそれがないレベルまで低下したときに、キャビティ内に極板群の耳部を挿入してストラップの鋳造を行う。
待機過程では、溶湯レベル調整部7の弁棒702を上げてバルブ703を開いた状態でギアポンプ4を正方向に比較的低い第1の回転速度(例えば80rpm)で連続回転させることにより、図7に示すように、湯溜り溝303内の溶湯レベルを規定レベルL1に保ち、この状態で極板群10が搬送されてきてキャビティの上方に位置決めされるのを待つ。
鋳型3の上方には、極板群構成工程で構成された極板群が、コンベアにより、その耳部を下方に向けた状態で搬送されてくる。鋳型3の上方に耳部11を下方に向けた極板群10が搬送されてきて、図7に示すように、キャビティ301の上方に対応する耳部11が位置決めされた状態になったときに、溶湯レベル上昇過程を開始させる。溶湯レベル上昇過程では、溶湯レベル調整部7の弁棒702を下げてバルブ703を閉じた状態にし、ギアポンプ4の回転速度を第1の回転速度よりも高い第2の回転速度(例えば160rpm)まで上昇させて、型凹部305内の溶湯レベルを堰302の上端のレベル以上に設定された過剰レベルまで上昇させるために必要な時間の間ギアポンプ4を正方向に回転させる。これにより、湯溜り溝303内の溶湯レベルを上昇させ、溶湯Mを堰302を越えてキャビティ301内に流入させる。溶湯がキャビティ301内を満たした後も溶湯レベルの上昇を継続させ、最終的に溶湯レベルを堰302の上端のレベル以上に設定された過剰レベルまで上昇させる。本実施形態では、型凹部305の上端の開口部のレベルを過剰レベルL2(図8参照)としている。図8に示した例では、型凹部内に過剰レベルL2まで供給された溶湯Mの表面が表面張力で盛り上がった状態にある。
溶湯レベル上昇過程で溶湯レベルを過剰レベルL2まで上昇させた後、溶湯レベル下降過程に移行する。溶湯レベル下降過程では、弁棒702を上げてバルブ703を開いた状態にすると同時に、ギアポンプ4の回転方向を反転させて、湯溜り溝303内の溶湯レベルを堰302の上端レベル以下のレベルまで低下させるために必要な時間の間ギアポンプ4を逆方向に回転させて、溶湯供給路5内の溶湯をポンプ4で吸い込むことにより、型凹部内の溶湯レベルを強制的に下降させる。
上記溶湯レベル下降過程において、型凹部内の溶湯レベルが極板群10の耳部11を溶湯中に挿入しても型凹部から溶湯があふれることがないレベルまで低下するタイミングで、極板群10を保持している治具に下降指令を与えて、極板群10の耳部11をキャビティ301内の溶湯中に挿入する。極板群10の耳部を溶湯中に挿入することにより型凹部内の溶湯レベルが再び上昇するが、ギアポンプ4が溶湯供給路5内の溶湯を吸い込むので、溶湯レベルは速やかに低下していく。図9に示すように、湯溜り溝303内の溶湯レベルが堰302の上端レベル以下のレベルまで低下したときに溶湯レベル下降過程を終了する。
溶湯レベル下降過程を終了した後、ギアポンプ4の回転方向を逆方向から正方向に反転させて待機過程に移行させる。溶湯レベル下降過程においてギアポンプ4を逆方向に回転させる時間は、極板群の耳部11をキャビティ301内に挿入した際に生じる溶湯レベルの再上昇を考慮して設定しておく。
溶湯レベル下降過程の終了時にギアポンプ4の回転方向を正方向に反転させる処理を行っても、ポンプは直ちには反転しないため、湯溜まり溝303内の溶湯レベルが規定レベルL1に達するまでギアポンプ4を逆方向に駆動してからその回転方向を反転させるようにすると、湯溜り溝内の溶湯レベルが規定レベルよりも低いレベルまで低下するおそれがある。湯溜り溝内の溶湯レベルが規定レベルよりも低いレベルまで低下するおそれを無くすためには、湯溜り溝303内の溶湯レベルが規定レベルL1よりも僅かに高く設定された設定レベルに達したときにギアポンプ4を反転させる処理を行うようにするのが好ましい。
鋳造されるストラップの厚みが過剰になるのを防ぐためには、できるだけ速やかに湯溜り内の溶湯レベルを堰302の上端レベル以下のレベルまで下げる必要がある。従って上記設定レベルは堰302の上端レベルと規定レベルL1との間に設定するのが好ましい。
キャビティ301内の溶湯が凝固してストラップ12が鋳造された後に、図10に示すようにノックアウトピン308を上昇させて鋳造されたストラップ12を鋳型から外し、ストラップが鋳造された極板群10をコンベアにより次の工程(組立工程)に搬送する。
上記のように、本実施形態では、溶湯を吐出させることも吸い込むこともでき、溶湯の吐出量及び吸込み量の微妙なコントロールを容易に行うことができる上に、吐出量及び吸込み量が揚程の変化の影響を受けないギアポンプ4を用いて鉛溶解槽1から鋳型3に溶湯を供給するため、鋳型内に供給する溶湯に過不足が生じるのを防ぐことができる。
また本実施形態においては、鋳型3の湯溜り溝303内の溶湯レベルを上昇させて型凹部内の溶湯レベルを過剰レベルまで上昇させた後、ギアポンプ4を逆方向に回転させることにより溶湯レベルを強制的に下降させるので、鋳型のキャビティ301内に極板群の耳部11を挿入した後、溶湯レベルを堰302の上端レベル以下のレベルまで速やかに、かつ正確に下降させることができる。従って、鋳造されるストラップの厚みが過剰になるのを確実に防ぐことができ、キャビティの形状通りの形状を有するストラップを正確に鋳造することができる。
また本実施形態では、待機過程で、鉛溶解槽1−ポンプ4−溶湯レベル調整部7−鉛溶解槽1の経路で常時溶湯の循環流を生じさせておくことができるため、溶湯供給路5を構成するパイプラインの内、ポンプ4と溶湯レベル調整部7との間を接続するパイプライン501内で溶湯が冷却されて凝固するおそれを無くすことができ、溶湯供給路内で溶湯が凝固することによりストラップの鋳造工程を停止せざるを得ない事態が生じるのを防ぐことができる。また鉛溶解槽1内で常時溶湯の流動を生じさせておくことができるため、鉛溶解槽内で溶湯の表面の酸化が進んで鉛合金の組成が不均一な部分が生じるのを防ぐことができ、鉛合金の組成が不均一になることにより鋳造されるストラップの品質が低下するのを防ぐことができる。
上記の鋳造方法を自動的に実施するため、本発明に係わる鋳造装置には、図11に示すようにバルブ703を制御するバルブ制御部15と、ギアポンプ4を制御するポンプ制御部16とを備えた制御部17を設けておくのが好ましい。
この制御部17は、バルブ703を開いた状態でギアポンプ4を正方向に連続回転させて湯溜り溝303内の溶湯レベルを規定レベルに保つ待機過程と、バルブ703を閉じた状態でギアポンプ4を正方向に回転させることにより湯溜り溝内の溶湯レベルを上昇させて湯溜り溝内の溶湯を堰302を越えてキャビティ301内に流入させ、最終的には型凹部内の溶湯レベルを堰702の上端のレベル以上の過剰レベルまで上昇させる溶湯レベル上昇過程と、バルブ703を開いた状態でギアポンプ4を逆方向に回転させることにより溶湯レベル上昇過程で上昇した溶湯レベルを低下させて、湯溜り溝303内の溶湯レベルが堰302の上端レベル以下になったときにギアポンプの回転方向を逆方向から正方向に反転させる溶湯レベル下降過程とを行うようにバルブ703及びギアポンプ4を制御するとともに、溶湯レベル下降過程でキャビティ内に極板群の耳部を挿入しても型凹部から溶湯があふれ出るおそれがないレベルまで型凹部内の溶湯レベルが低下したときに極板群の耳部をキャビティ内に挿入することを指令する極板耳部降下指令を発生させるように構成される。
上記の各過程における溶湯レベルの制御は、鋳型内の溶湯レベルを検出するレベルセンサを設けて、レベルセンサにより検出される溶湯レベルを規定レベルや設定レベルに一致させるようにギアポンプを制御することにより行わせてもよく、上記の実施形態の説明で述べたように、バルブ703及びギアポンプ4を駆動するタイミングとギアポンプを駆動する時間とを管理することにより行ってもよい。
バルブ703及びギアポンプ4を駆動するタイミングとギアポンプを駆動する時間とを管理することにより各過程を行う場合には、上記制御部17が、バルブ703を開いた状態でギアポンプ4を正方向に連続回転させて湯溜り溝303内の溶湯レベルを規定レベルに保つ待機過程と、湯溜り溝303内の溶湯レベルを堰302を越えてキャビティ301内に流入させてキャビティ内を溶湯で満たした後溶湯レベルを堰の上端のレベルよりも高く設定された過剰レベルまで上昇させるために必要な時間の間バルブ703を閉じた状態でギアポンプ4を正方向に回転させて型凹部内の溶湯レベルを上昇させる溶湯レベル上昇過程と、溶湯レベル上昇過程が終了した後バルブを開いた状態で湯溜り溝内の溶湯レベルを堰の上端レベル以下のレベルまで低下させるために必要な時間の間ギアポンプを逆方向に回転させて型凹部内の溶湯レベルを下降させる溶湯レベル下降過程とを行わせて、溶湯レベル下降過程が終了した後にギアポンプの回転方向を逆方向から正方向に反転させて待機過程に移行させるようにバルブ703及びギアポンプ4を制御するとともに、溶湯レベル下降過程でキャビティ内に極板群の耳部を挿入しても型凹部から溶湯があふれ出るおそれがないレベルまで型凹部内の溶湯レベルが低下したときに極板群の耳部をキャビティ内に挿入することを指令する極板耳部降下指令を発生させるように構成される。
上記制御部は、コンピュータに所定のプログラムを実行させることにより実現することができる。図12は、上記の制御部を構成するためにコンピュータに実行させるプログラムのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。このアルゴリズムに従う場合には、ステップS1でバルブ703を開き、ステップS2でギアポンプ4を第1の回転速度(低速度)で正方向に回転させて待機過程を行わせる。次いでステップS3で、現在のタイミングが溶湯レベルの上昇を開始するタイミング(レベル上昇開始タイミング)であるか否かを判定する。レベル上昇開始タイミングは、ストラップの鋳造に備えて極板群10の耳部11をキャビティ301の上方に位置決めする動作が完了したときのタイミング(例えば、極板群を搬送するコンベアが、極板群の位置決めを完了したことを示す位置決め完了信号を発生するタイミング)である。
ステップS3で現在のタイミングがレベル上昇開始タイミングではないと判定されたときには、レベル上昇開始タイミングが到来するのを待つ。ステップS3でレベル上昇開始タイミングであると判定されたときには、ステップS4に進んでバルブ703を閉じ、ステップS5でギアポンプ4の回転速度を第2の回転速度に上昇させて、ギアポンプを正方向に回転させる。これにより溶湯レベル上昇過程が開始される。
次いでステップS6で現在のタイミングがレベル上昇終了タイミングであるか否かを判定する。レベル上昇終了タイミングは、ステップS4でバルブ703を閉じた後、湯溜り溝303内の溶湯レベルを堰302を越えてキャビティ301内に流入させてキャビティ内を溶湯で満たし、更に溶湯レベルを堰の上端のレベルよりも高く設定された過剰レベルまで上昇させるために必要な時間が経過したときのタイミングである。
ステップS6で現在のタイミングがレベル上昇終了タイミングであると判定されたときには、ステップS7に進んでバルブ703を開き、ステップS8でギアポンプ4の回転方向を反転させて、ギアポンプ4を一定の回転速度で逆方向に回転させる。これにより溶湯レベル上昇過程を終了し、溶湯レベル下降過程を開始する。
次いでステップS9で現在のタイミングが極板耳部挿入タイミングであるか否かを判定する。極板耳部挿入タイミングは、極板群の耳部をキャビティ内に挿入しても溶湯が型凹部からあふれるおそれがないレベルまで溶湯レベルが低下したときのタイミングである。ステップS9で現在のタイミングが極板耳部挿入タイミングであると判定されたときにステップS10に進んで極板耳部降下指令を発生し、極板群10を下降させて耳部11をキャビティ301内に挿入する。
次いでステップS11で現在のタイミングがレベル下降終了タイミングであるか否かを判定する。レベル下降終了タイミングは、ステップS8でギアポンプの逆方向への回転を開始した後、型凹部内の溶湯レベルを堰302の上端レベル以下のレベルまで低下させるために必要な時間が経過したときのタイミングである。
ステップS11で現在のタイミングがレベル下降終了タイミングであると判定されたときに溶湯レベル下降過程を終了し、ステップS12に進んで鋳造工程の稼働を休止させることを指令する鋳造工程稼動休止指令が発生しているか否かを判定する。その結果鋳造工程稼働休止指令が発生していない場合には、ステップS2に戻って待機過程に移行する。ステップS12で鋳造工程稼働休止指令が発生していると判定されたときにはステップS13でポンプを停止させてこのプログラムを終了する。
上記の実施形態では、溶湯上昇過程における溶湯レベルの上限である溶湯の過剰レベルを、型凹部305の上端開口部のレベルに設定しているが、本発明はこのように過剰レベルを設定する場合に限定されない。本発明で用いるギアポンプ4は、その吐出量が揚程の変化の影響を受けないため、溶湯レベル上昇過程で鋳型に供給する溶湯の量にそれほど余裕を持たせておく必要はない。そのため、過剰レベルL2は、型凹部305の上端開口部と堰302の上端との間に設定してもよい。
本発明に係わる鋳造装置の一実施形態の全体的な構成を示す断面図である。 本実施形態で用いる鋳型の構成を示した断面図である。 本実施形態で用いるギアポンプの構造例を示した断面図である。 本実施形態で用いる溶湯レベル調整部の構成を示した正面図である。 同溶湯レベル調整部の上面図である。 溶湯レベル調整部と鋳型との位置関係を説明するための断面図である。 本実施形態において、鋳型の湯溜り溝内に溶湯を規定レベルまで収容した状態を示した要部の断面図である。 本実施形態において鋳型の型凹部内の溶湯レベルを過剰レベルまで上昇させた状態を示した要部の断面図である。 本実施形態において鋳型のキャビティ内に極板群の耳部を挿入し、湯溜り溝内の溶湯レベルを規定レベルまで低下させた状態を示した要部の断面図である。 本実施形態において、鋳造されたストラップを鋳型から取り外した状態を示した要部の断面図である。 本実施形態で設ける制御部の構成を概略的に示したブロック図である。 図11に示した制御部を構成するためにコンピュータに実行させるプログラムのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。 従来の鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造装置の構成を示した断面図である。 従来の鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造装置において、鉛溶解槽内の溶湯のレベルが図13に示した状態よりも低下した状態を示した断面図である。 従来の鋳造装置において溶湯で満たされたキャビティ内に極板群の耳部を挿入した状態を示した要部の断面図である。 従来の鋳造装置において、鋳造されたストラップを鋳型から取り外した状態を示した要部の断面図である。 遠心式渦巻きポンプの揚程を吐出量との間の関係を示したグラフである。
符号の説明
1 鉛溶解槽
2 ヒータ
3 鋳型
301 キャビティ
302 堰
303 湯溜り溝
304 余剰溶湯収容空間
305 型凹部
306 連通路
307 湯道
308 ノックアウトピン
309 断熱層
310 冷却媒体通路
4 ギアポンプ
401 第1のギア収容室
402 第2のギア収容室
403 ポンプハウジング
405 駆動ギア
406 従動ギア
407 回転軸
408 回転軸
409 第1のポート
410 第2のポート
5 溶湯供給路
501 パイプライン
502 パイプライン
6 駆動源
7 溶湯レベル調整部
701 溶湯開放通路
701a 開口部
702 弁棒
703 バルブ
707 溝
710 端板
711 溶湯流出口
712 流出口形成板
715 長孔

Claims (9)

  1. 鉛蓄電池の極板群の同極性の極板の耳部同士を接続するストラップを鋳造する鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造装置であって、
    鉛合金の溶湯を生成する鉛溶解槽と、
    前記ストラップを鋳造するためのキャビティと該キャビティに隣接配置されて該キャビティとの間が堰により仕切られた湯溜り溝と前記キャビティ及び湯溜り溝の上方に形成された余剰溶湯収容空間とを有する型凹部と、前記湯溜り溝より下方に設けられて前記湯溜り溝内に接続された湯道とを備えた鋳型と、
    前記鉛溶解槽内に開口させられた第1のポートと前記鋳型の湯道に溶湯供給路を通して接続された第2のポートとを有して、正方向に回転したときに前記鉛溶解槽内の溶湯を前記第2のポートから前記溶湯供給路内に吐出させ、逆方向に回転したときに前記溶湯供給路内の溶湯を吸引して前記第1のポートから前記鉛溶解槽内に吐出させるギアポンプと、
    上端に開口部を有し下端が前記溶湯供給路に接続された溶湯開放通路と前記溶湯開放通路の上端の開口部を開閉するバルブと前記溶湯開放通路の開口部から流出した溶湯を前記鉛溶解槽内にオーバフローさせる溶湯流出口とを備えて、前記バルブが開いている状態では前記湯溜り溝内の溶湯レベルが規定レベルを越えたときに前記溶湯開放通路内の溶湯を前記溶湯流出口からオーバフローさせて前記湯溜り溝内の溶湯レベルを規定レベルに保ち、前記バルブが閉じているときには前記湯溜り溝内の溶湯レベルが規定レベルを越えて上昇するのを許容する溶湯レベル調整部と、
    を備えた鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造装置。
  2. 前記溶湯流出口は、その高さを調節し得るように設けられている請求項1に記載の鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造装置。
  3. 前記バルブを開いた状態で前記ギアポンプを正方向に連続回転させて前記湯溜り溝内の溶湯レベルを前記規定レベルに保つ待機過程と、前記バルブを閉じた状態で前記ギアポンプを正方向に回転させることにより前記湯溜り溝内の溶湯レベルを上昇させて前記湯溜り溝内の溶湯を前記堰を越えて前記キャビティ内に流入させ、最終的には前記型凹部内の溶湯レベルを前記堰の上端のレベル以上の過剰レベルまで上昇させる溶湯レベル上昇過程と、前記バルブを開いた状態で前記ギアポンプを逆方向に回転させて前記溶湯レベル上昇過程で上昇した溶湯レベルを低下させる溶湯レベル下降過程とを行わせ、前記溶湯レベル下降過程で前記湯溜り溝内の溶湯レベルが前記堰の上端レベル以下のレベルまで低下したときに前記ギアポンプの回転方向を逆方向から正方向に反転させて前記待機過程に移行させるように前記バルブ及びギアポンプを制御する制御部が設けられている請求項1または2に記載の鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造装置。
  4. 前記バルブを開いた状態で前記ギアポンプを正方向に連続回転させて前記湯溜り溝内の溶湯レベルを前記規定レベルに保つ待機過程と、前記湯溜り溝内の溶湯レベルを前記堰を越えて前記キャビティ内に流入させて前記キャビティ内を溶湯で満たした状態にするために必要な時間の間前記バルブを閉じた状態で前記ギアポンプを正方向に回転させて前記型凹部内の溶湯レベルを上昇させる溶湯レベル上昇過程と、溶湯レベル上昇過程が終了した後前記バルブを開いた状態で前記湯溜り溝内の溶湯レベルを前記堰の上端レベル以下のレベルまで低下させるために必要な時間の間前記ギアポンプを逆方向に回転させて前記型凹部内の溶湯レベルを下降させる溶湯レベル下降過程とを行わせ、前記溶湯レベル下降過程が終了した後に前記ギアポンプの回転方向を逆方向から正方向に反転させて前記待機過程に移行させるように前記バルブ及びギアポンプを制御する制御部が設けられている請求項1または2に記載の鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造装置。
  5. 前記待機過程では前記ギアポンプを第1の回転速度で正方向に回転させ、前記溶湯レベル上昇過程では前記ギアポンプを前記第1の回転速度よりも高い第2の回転速度で正方向に回転させ、前記溶湯レベル下降過程では前記ギアポンプを逆方向に回転させるように前記制御部が構成されている請求項3または4に記載の鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造装置。
  6. 鉛蓄電池の極板群の同極性の極板の耳部同士を接続するストラップを鋳造する方法であって、
    請求項1に記載された鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造装置を用い、
    前記バルブを開いた状態で前記ギアポンプを正方向に連続回転させて前記湯溜り溝内の溶湯レベルを前記規定レベルに保つ待機過程と、前記バルブを閉じた状態で前記ギアポンプを正方向に回転させることにより前記湯溜り溝内の溶湯レベルを上昇させて前記湯溜り溝内の溶湯を前記堰を越えて前記キャビティ内に流入させ、最終的には前記型凹部内の溶湯レベルを前記堰の上端のレベル以上のレベルまで上昇させる溶湯レベル上昇過程と、前記バルブを開き、前記湯溜り溝内の溶湯レベルが前記堰の上端レベル以下のレベルまで低下するまでの間前記ギアポンプを逆方向に回転させて前記溶湯レベル上昇過程で上昇した溶湯レベルを下降させる溶湯レベル下降過程とを行わせ、
    前記溶湯レベル下降過程で前記型凹部内の溶湯レベルが前記極板群の耳部を溶湯中に挿入しても前記型凹部から溶湯があふれることがないレベルまで低下したときに前記極板群の耳部を前記キャビティ内の溶湯中に挿入し、
    前記溶湯レベル下降過程で前記湯溜り溝内の溶湯レベルが前記規定レベルまたは設定レベルまで低下したときに前記ギアポンプの回転方向を逆方向から正方向に反転させて前記待機過程に移行させ、
    前記キャビティ内の溶湯を凝固させることにより前記ストラップを鋳造する鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造方法。
  7. 鉛蓄電池の極板群の同極性の極板の耳部同士を接続するストラップを鋳造する方法であって、
    請求項1に記載された鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造装置を用い、
    前記バルブを開いた状態で前記ギアポンプを正方向に連続回転させて前記湯溜り溝内の溶湯レベルを前記規定レベルに保つ待機過程と、前記型凹部内の溶湯レベルを前記堰の上端のレベル以上に設定された過剰レベルまで上昇させるために必要な時間の間バルブを閉じた状態でギアポンプを正方向に回転させて前記型凹部内の溶湯レベルを上昇させる溶湯レベル上昇過程と、溶湯レベル上昇過程が終了した後前記バルブを開いた状態で前記湯溜り溝内の溶湯レベルを前記堰の上端レベル以下のレベルまで低下させるために必要な時間の間前記ギアポンプを逆方向に回転させて前記型凹部内の溶湯レベルを下降させる溶湯レベル下降過程とを行わせ、
    前記溶湯レベル下降過程で前記型凹部内の溶湯レベルが前記極板群の耳部を溶湯中に挿入しても前記型凹部から溶湯があふれることがないレベルまで低下するタイミングで前記極板群の耳部を前記キャビティ内の溶湯中に挿入し、
    前記溶湯レベル下降過程が終了した後に前記ギアポンプの回転方向を逆方向から正方向に反転させて前記待機過程に移行させ、
    前記キャビティ内の溶湯を凝固させることにより前記ストラップを鋳造する鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造方法。
  8. 前記待機過程では、前記ギアポンプを第1の回転速度で正方向に回転させ、前記溶湯レベル上昇過程では前記ギアポンプを前記第1の回転速度よりも高い第2の回転速度で正方向に回転させる請求項6または7に記載の鉛蓄電池用極板ストラップ鋳造方法。
  9. 正極板と負極板とをセパレータを介して積層して鉛蓄電池用の極板群を構成する極板群構成工程と、前記極板群の同極性の極板の耳部同士を接続するストラップを鋳造するストラップ鋳造工程と、前記ストラップが鋳造された極板群を電槽内に収容してセル間を接続し、該電槽内に電解液を注入する組立工程とを行って鉛蓄電池を製造する鉛蓄電池の製造方法であって
    前記ストラップ鋳造工程では、請求項6ないし8のいずれか1つに記載された鋳造方法により前記ストラップを鋳造する鉛蓄電池の製造方法。
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