JP5501733B2 - 燃料電池システム、及び、その純水入れ替え方法 - Google Patents
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Description
このため、特許文献1に記載されているように、循環経路中にイオン交換樹脂を設けて濾過し、金属イオンを含む不純物を除去するようにしている。
また、特許文献1には、水タンク内の水の一部または全部を入れ替える制御を行うことが記載されているが、水供給ポンプを水入れ替え用に動作させる必要があるため、入れ替えのタイミングは「システムの運転開始時、停止時または所定の運転時間後」などに限定されてしまう。
ここにおいて、前記開閉機構は、前記注水口を開閉する注水口開閉弁と、前記排水口を開閉する排水口開閉弁とを含んで構成される。
前記注水口開閉弁と前記排水口開閉弁とは、互いに連動させると共に、連動に位相差を持たせ、開弁時は前記注水口開閉弁が開いてから、前記排水口開閉弁が開き、閉弁時は前記排水口開閉弁が閉じてから、前記注水口開閉弁が閉じるようにする。
ここにおいて、前記注水口から注入する純水の注水開始タイミングを、前記排水口から排出する純水の排水開始タイミングより、早く設定し、前記注水口から注入する純水の注水終了タイミングを、前記排水口から排出する純水の排水終了タイミングより、遅く設定する。
また、注水口から注入する純水の注水開始タイミングを、排水口から排出する純水の排水開始タイミングより、早く設定し、かつ、注水口から注入する純水の注水終了タイミングを、排水口から排出する純水の排水終了タイミングより、遅く設定することにより、過剰な排出を防止して、運転中の純水の入れ替えをより確実に支障なく行うことができる。
図1は本発明の一実施形態を示す燃料電池システム(発電ユニット)の概略構成図である。
家庭用の燃料電池システム(発電ユニット)は、システム筐体1内に、水素製造装置(改質器)2と、燃料電池スタック3と、パワーコンディショナー(PCS)4と、熱交換器5とを備えて構成される。
パワーコンディショナー(PCS)4は、燃料電池スタック3で発生した直流電流を交流電流に変換して、系統電源と家庭内の負荷との間に設けられる分電盤に供給する。パワーコンディショナー4は、また、燃料電池を系統電源及び家庭内の負荷に連系させて発電量を制御する機能を備える。これにより、家庭内の負荷に、系統電源からの交流電力とパワーコンディショナー4からの交流電力とが同一の配電線を介して供給される。
燃料電池システム(発電ユニット)は、また、システム筐体1内に、純水(水の物理的又は化学的な処理によって不純物を除去した純度の高い水)を貯留する純水タンク7と、純水タンク7内の純水が循環供給される循環経路とを備える。
また、純水タンク7内の水は、燃料電池スタック3などの冷却水としても循環させ、熱交換器5にて熱回収を行っている。すなわち、純水タンク7内の底部の送出口Sからポンプ10により純水(冷却水)を燃料電池スタック3の冷却器11に送り、ここで昇温した水を熱交換器5にて給湯ユニットからの水と熱交換した後、純水タンク7上部の戻し口Rから純水タンク7内に戻している。
純水タンク7内の純水を入れ替えるために、システム筐体1及び純水タンク7に備えられる構成と、これに基づく純水の入れ替え方法とについて、図2及び図3により、説明する。
純水タンク7には、図1に示したように、その底部に純水の循環経路への送出口Sが形成され、その上部に純水の循環経路からの戻り口Rが形成される他、図2に示すように、注水口12、排水口13、及び、オーバーフロー口14が形成される。
排水口13は、純水タンク7の底部に一端を連通させたパイプの他端を、システム筐体1外に水平若しくは下向きに導出させてなり、純水タンク7の底部から純水を排出可能に構成されている。
オーバーフロー口14は、純水タンク7の所定のオーバーフローラインの位置に一端を連通させたパイプの他端を、システム筐体1外に水平若しくは下向きに導出させてなり、純水タンク7内の液面が所定のオーバーフローラインを超えたときに純水を溢流させるように構成されている。
ここで、これらの注水口開閉弁15と排水口開閉弁16とを互いに連動させて、いずれか一方(例えば注水口開閉弁15)の開弁操作で他方も開弁し、また一方の閉弁操作で他方も閉弁するようにするとよい。連動の場合は他方(例えば排水口開閉弁16)をシステム筐体1内に収納してもよい。
尚、前記排水口13及びオーバーフロー口14は、下水等への排水が可能であればよく、適当な配管を用いることで、必ずしも、図2のようにシステム筐体1の側面に開口端を露出させる必要はない。
入れ替え用の純水は、ペットボトルのような容器21に入れられて、ユーザーに提供される。この入れ替え用の純水の容器21の容量は、純水タンク7の容量より大きく設定してあり、純水タンク7に貯留される純水の量(オーバーフローラインまでの容量)をWとすると、この容器21には、W+αの量の純水を入れてある。
また、この容器21には、容器本体からパイプ状に延びて先端が注ぎ口をなす可撓性の注水パイプ22が備えられてる。この注水パイプ22の開口端はキャップ(図示せず)により閉止されているが、キャップを取外すことで、ワンタッチで、前記注水口12に接続可能である。尚、注水パイプ22の径(流路断面積)は、前記注水口12と同じか、それより大きくする。
このとき、入れ替え用の純水の容器21を純水タンク7より高位に保持するため、入れ替え用の純水の容器21は、システム筐体1の上面1a上に載置する。従って、本実施形態では、システム筐体1の上面1aが、純水タンク7の注入口12に接続する入れ替え用の純水の容器21を、純水タンク7より高位に保持可能な保持部に相当する。これにより、入れ替え用の純水の容器21について、注水口12までの水頭高さh1を、(純水タンク7についての排水口13までの水頭高さh2に比べて、)十分に確保する。
次に、注入口12の開閉弁15を開くと共に、排水口13の開閉弁16を開く。別々に手動操作する場合は、注入口12の開閉弁15を開いてから、排水口13の開閉弁16を開く。連動させる場合は、同時、又は、注水口12の開閉弁15の開弁に位相遅れをもって排水口13の開閉弁16が開くようにする。
ここで、注水口12からの注水流量Q1と、排水口13からの排水流量Q2とについては、
Q1=a1×√(2g・h1)
Q2=a2×√(2g・h2)
となる。
このようにして、注入口12から注入する純水の注水流量Q1を、排水口13から排出する純水の排水流量Q2より、大きくする。
また、純水タンク7内に純水が余剰に供給されることになるが、純水タンク7内の液面が上昇して、所定のオーバーフローラインを超えると、余剰の純水はオーバーフロー口14から溢流する。従って、純水タンク7内の純水の貯留量は、最大でも、オーバーフローラインまでにとどめることができる。
その後、入れ替え用の純水の容器21内の純水が消費されたところで、注入口12の開閉弁15を閉じると共に、排水口13の開閉弁16を閉じる。別々に手動操作する場合は、排水口13の開閉弁16を閉じてから、注水口12の開閉弁15を閉じる。連動させる場合は、同時、又は、排水口13の開閉弁16の閉弁に位相遅れをもって注水口12の開閉弁15が閉じるようにする。
本実施形態によれば、燃料電池システムのシステム筐体1外から筐体1内の純水タンク7の上部へ純水を注入可能な注水口12と、純水タンク7の底部から純水を排出可能な排水口13と、システム筐体1外から操作可能で、前記注水口12及び前記排水口13を開閉できる開閉機構(開閉弁15、16)とを有する構成とすることにより、言い換えれば、システム筐体1外から筐体1内の純水タンク7の上部へ純水を注入可能な注水口12から、入れ替え用の純水を注入し、前記注入と同時に、純水タンク7の底部の排水口13から純水を排出して、純水タンク7内の純水を入れ替えることにより、燃料電池の運転中に、システム筐体1外から、簡便に、純水を入れ替えることができる。従って、メンテナンス員によらず、ユーザーでも入れ替え可能となり、メンテナンスにかかる費用を大幅に低減できる。また、高価なイオン交換樹脂の削減が可能となる。
また、本実施形態によれば、前記開閉機構は、注水口12を開閉する注水口開閉弁15と、排水口13を開閉する排水口開閉弁16とを含んで構成されるので、簡単な機構で、注水及び排水をそれぞれ確実に管理できる。
また、本実施形態によれば、入れ替え用の純水の容器21の容量は、純水タンク7の容量より大きくすることにより、純水タンク7内の純水をより確実に入れ替え、入れ替え後の純度をより向上させることができる。
また、本実施形態によれば、注水口12から注入する純水の注水開始タイミングを、排水口から排出する純水の排水開始タイミングより、早く設定することにより、過剰な排出を防止して、運転中の純水の入れ替えをより確実に支障なく行うことができる。
次に、本発明の他の実施形態について、図4及び図5により説明する。
図4及び図5の実施形態では、システム筐体1に、開閉可能な蓋部材(開閉扉)18により覆われる窓部19を設ける。蓋部材(開閉扉)18は、蝶番などによって開閉可能とする。
注水口開閉弁15も、システム筐体1内に配置されるが、システム筐体1外から窓部19を介して操作可能で、注水口12を開閉できる。
従って、純水タンク7内の純水を入れ替える際に、蓋部材(開閉扉)18を開けて、窓部19を介して、注水口12への容器21の接続、開閉弁15の操作を行うことにより、図2及び図3の実施形態と同様に、純水の入れ替えを行うことができる。
排水口13及びオーバーフロー口14についても、下水等への排水が可能であれば、適当な配管を用いることで、システム筐体1の側面に開口端を露出させる必要はない
本発明の更に他の実施形態としては、システム筐体への入れ替え用の純水の容器のセットにより、容器が純水タンク側の注水口に接続されると共に、容器内の純水の重みで、注水口開閉弁が自動的に開いて、注水が開始され、注水口開閉弁に連動して排水口開閉弁が開いて、排水も開始され、容器内の純水がなくなると、自動的に注水及び排水が終了するようにすることが考えられる。このようにすれば、ユーザーが、極めて簡便に、純水の入れ替えを行うことができる。
2 水素製造装置(改質器)
3 燃料電池スタック
4 パワーコンディショナー
5 熱交換器
6 燃焼器
7 純水タンク
8 ポンプ
9 凝縮器
10 ポンプ
11 冷却器
12 注水口
13 排水口
14 オーバーフロー口
15 注水口開閉弁
16 排水口開閉弁
17 防塵キャップ
18 蓋部材(開閉扉)
19 窓部
21 入れ替え用の純水の容器
22 注水パイプ
23 排水設備
Claims (12)
- システム筐体内に、純水を貯留して循環供給する純水タンクを備える燃料電池システムであって、
システム筐体外から筐体内の純水タンクの上部へ純水を注入可能な注水口と、
純水タンクの底部から純水を排出可能な排水口と、
システム筐体外から操作可能で、前記注水口及び前記排水口を開閉できる開閉機構と、
を有し、
前記開閉機構は、前記注水口を開閉する注水口開閉弁と、前記排水口を開閉する排水口開閉弁とを含んで構成され、
前記注水口開閉弁と前記排水口開閉弁とは、互いに連動させると共に、連動に位相差を持たせ、開弁時は前記注水口開閉弁が開いてから、前記排水口開閉弁が開き、閉弁時は前記排水口開閉弁が閉じてから、前記注水口開閉弁が閉じることを特徴とする、燃料電池システム。 - 前記純水タンク内の液面が所定のオーバーフローラインを超えたときに純水を溢流させるオーバーフロー口を更に有することを特徴とする、請求項1記載の燃料電池システム。
- 前記注水口に接続する入れ替え用の純水の容器を、純水タンクより高位に保持可能な保持部を更に有することを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の燃料電池システム。
- 前記保持部は、前記システム筐体の上面上の載置部であることを特徴とする、請求項3記載の燃料電池システム。
- 前記注水口の流路断面積は前記排水口の流路断面積より大きいことを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
- 前記システム筐体は、開閉可能な蓋部材により覆われる窓部を有し、
前記注水口は、前記窓部を介して、システム筐体外へ露出することを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の燃料電池システム。 - システム筐体内に、純水を貯留して循環供給する純水タンクを備える燃料電池システムにおいて、純水タンク内の純水を入れ替える純水入れ替え方法であって、
システム筐体外から筐体内の純水タンクの上部へ純水を注入可能な注水口から、入れ替え用の純水を注入し、
前記注入と連動させて、純水タンクの底部の排水口から純水を排出して、純水タンク内の純水を入れ替える一方、
前記注水口から注入する純水の注水開始タイミングを、前記排水口から排出する純水の排水開始タイミングより、早く設定し、
前記注水口から注入する純水の注水終了タイミングを、前記排水口から排出する純水の排水終了タイミングより、遅く設定することを特徴とする、燃料電池システムの純水入れ替え方法。 - 前記純水タンク内に余剰に注入される純水は、前記純水タンクのオーバーフロー口より溢流させることを特徴とする、請求項7記載の燃料電池システムの純水入れ替え方法。
- 入れ替え用の純水の容器を前記純水タンクの前記注水口に接続すると共に、当該容器を前記純水タンクより高位に保持して、当該容器内の純水を注入することを特徴とする、請求項7又は請求項8記載の燃料電池システムの純水入れ替え方法。
- 前記入れ替え用の純水の容器は、前記システム筐体の上面上に載置することを特徴とする、請求項9記載の燃料電池システムの純水入れ替え方法。
- 前記入れ替え用の純水の容器の容量は、前記純水タンクの容量より大きいことを特徴とする、請求項9又は請求項10記載の燃料電池システムの純水入れ替え方法。
- 前記注水口から注入する純水の注水流量を、前記排水口から排出する純水の排水流量より、大きく設定することを特徴とする、請求項7〜請求項11のいずれか1つに記載の燃料電池システムの純水入れ替え方法。
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