JP5500872B2 - 電極付き圧電素子及びヘッドサスペンション - Google Patents

電極付き圧電素子及びヘッドサスペンション Download PDF

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Description

本発明は、電圧の印加状態に応じて変形する電極付き圧電素子に関する。また、本発明は、電極付き圧電素子が非導電性接着剤を媒介して実装されたヘッドサスペンションに関する。
近年、情報機器の小型化、精密化が急速に進展してきている。かかる情勢から、微小距離で位置決め制御が可能なマイクロアクチュエータの需要が高まっている。例えば、光学系の焦点補正や傾角制御、インクジェットプリンタ装置、磁気ディスク装置のヘッドアクチュエータ等の技術分野では、そうしたマイクロアクチュエータの要請が高い。
一方、磁気ディスク装置では、記憶容量を大きくすることが喫緊の課題である。一般に磁気ディスク装置の大容量化は、ディスク1枚あたりの記憶容量を大きくすることで実現される。ディスクの直径を変えずに高記録密度化を実現するには、単位長さあたりのトラック数 (TPI : Track Per inch) を大きくすること、つまり、トラックの幅を狭くすることが必要である。そのため、トラックにおける幅方向の磁気ヘッドの位置決め精度を向上することが必要となる。かかる観点からも、微細領域で高精度の位置決めを実現可能なアクチュエータが望まれる。
こうした要請に応えるために、本願出願人は、ベースプレートと、ベースプレートよりも薄いヒンジ部を備えた連結プレートと、フレキシャが設けられるロードビームと、一対の圧電素子と、などを備えたディスク装置用サスペンション(例えば、特許文献1参照)を提案している。
上述の特許文献1に係る技術は、デュアル・アクチュエータ方式と呼ばれる。この方式では、精密位置決め用のアクチュエータとして、通常のボイルコイルモータに加えて、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)よりなる圧電素子を採用している。
この圧電素子は、ロードビームの先端側を、サスペンションにおける幅方向(いわゆるスウェイ方向)に微少駆動する。同方式を用いたヘッドサスペンションによれば、シングル・アクチュエータ方式のものと比較して、磁気ヘッドの位置決めを高精度に行うことができる。
こうしたデュアル・アクチュエータ方式を用いたヘッドサスペンションでは、サスペンション本体に圧電素子を実装するにあたり、脆く壊れやすい圧電素子を破損から保護するとともに、圧電素子の表面からのパーティクルの脱落を未然に防止しつつ、サスペンション本体と圧電素子との間の電気絶縁性をいかにして確保するか、が問題となる。
このような問題を解決するためのアプローチのひとつとして、本願出願人は、ロードビームと、アクチュエータベースと、圧電素子と、を備え、圧電素子は、アクチュエータベースに形成された開口部に、非導電性接着剤を介して実装され、この接着剤によって、圧電素子の周端面を被覆するように構成したディスク装置用サスペンションを提案している(例えば特許文献2参照)。
特許文献2記載のヘッドサスペンションによれば、圧電素子を破損させることなく、かつ、圧電素子の表面からのパーティクルの脱落を防止しながら、圧電素子とアクチュエータベースとの間を確実に絶縁することができる。
ところで、例えば、サスペンション等の被駆動体に圧電素子を実装するにあたっては、圧電素子を所定の向きに整えておくことがきわめて重要である。一般に、圧電素子は極性を有していて、所定の向きとは逆に圧電素子を実装した場合、本来の向きとは逆向きに被駆動体が変位する事態を招来するおそれがあるからである。
しかしながら、従来の圧電素子には、その外観から極性を認識するための構成が備えられていない。このため、圧電素子を被駆動体に実装した時点ではその誤装着に気づかず、同実装後の試験工程においてようやくその誤りが発覚する事態を招来するおそれがあった。
特開2002−184140号公報 特開2002−184139号公報
解決しようとする課題は、従来の圧電素子では、圧電素子を被駆動体に実装した時点ではその誤装着に気づかず、同実装後の試験工程においてようやくその誤りが発覚する事態を招来するおそれがあった点である。
本発明は、誤装着の事態を未然に回避可能な電極付き圧電素子を得ることを目的とする。
また、本発明は、前記電極付き圧電素子が非導電性接着剤を媒介して実装されたヘッドサスペンションを得ることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る電極付き圧電素子は、電圧の印加状態に応じて伸縮変形する短冊状の一対の圧電体と、前記圧電体の各面にそれぞれ設けられる電極と、前記圧電体の少なくとも一方の面に設けられる非電極領域と、前記電極に係る電極領域と前記非電極領域の前記略直線状の境界に沿って曲率をもって描かれると共に両裾野部分も前記境界に曲率を有して連続する境界形状パターンの極性識別マークとを備え、前記境界形状パターンには、当該圧電素子の極性に係る情報を含む圧電素子情報が、その外観から認識可能な態様で織り込まれ、ロードビームの基部に固設したアクチュエータベースの開口部に実装されるヘッドサスペンションに用いられることを特徴とする。
本発明に係る電極付き圧電素子では、電極領域と非電極領域の境界に沿って描かれる境界形状パターンに、当該圧電素子の極性に係る情報を含む圧電素子情報が、その外観から認識可能な態様で織り込まれているので、圧電素子を被駆動体に実装する以前に、その外観から極性を認識することができる。このため、仮に圧電素子が逆向きに置かれていたとしても、これを所定の向きに整えることができる。
従って、本発明に係る電極付き圧電素子によれば、圧電素子の誤装着の事態を未然に回避することができる。
実施例1に係る電極付き圧電素子の説明図であり、図1(A)は、実施例1に係る電極付き圧電素子の外観を拡大して示す斜視図、図1(B)は、図1(A)のA−A線に沿う矢視断面図である。 実施例1に係る電極付き圧電素子の説明図であり、図2(A)は、実施例1に係る電極付き圧電素子を拡大して示す平面図、図2(B)は、実施例1に係る電極付き圧電素子に描かれた極性識別マークに着目した説明図である。 実施例1に係る電極付き圧電素子の製造工程を示す説明図である。 実施例1に係る電極付き圧電素子に描かれた極性識別マークの周辺部位を、拡大倍率を変えて電子顕微鏡で観察したときの図面代用写真であり、図4(A)は拡大倍率を200倍としたときの極性識別マークを写した電子顕微鏡写真、図4(B)は拡大倍率を1000倍としたときの極性識別マークの要部を写した電子顕微鏡写真、図4(C)は拡大倍率を5000倍としたときの極性識別マークの要部を写した電子顕微鏡写真である。 実施例2に係る電極付き圧電素子の説明図であり、図5(A)は、実施例2に係る電極付き圧電素子を拡大して示す平面図、図5(B)は、実施例2に係る電極付き圧電素子に描かれた極性識別マークに着目した説明図である。 実施例3に係る電極付き圧電素子の説明図であり、図6(A)は、実施例3に係る電極付き圧電素子を拡大して示す平面図、図6(B)は、実施例3に係る電極付き圧電素子に描かれた極性識別マークに着目した説明図である。 実施例4に係る電極付き圧電素子の説明図であり、図7(A)は、実施例4に係る電極付き圧電素子を拡大して示す平面図、図7(B)は、実施例4に係る電極付き圧電素子に描かれた極性識別マークに着目した説明図である。 実施例5に係る電極付き圧電素子の説明図であり、図8(A)は、実施例5Aに係る電極付き圧電素子を拡大して示す平面図、図8(B)は、実施例5Bに係る電極付き圧電素子を拡大して示す平面図である。 実施例1〜5に係る電極付き圧電素子のクラック発生状況を、分極電圧又は部位を変えて観察した結果を示す説明図である。 実施例3に係る電極付き圧電素子が実装された、実施例6に係るヘッドサスペンションの外観を表す斜視図である。 実施例6に係るヘッドサスペンションの主要部である圧電アクチュエータを拡大して示す平面図である。 図11に示す実施例6に係る圧電アクチュエータのC−C線に沿う矢視断面図である。 実施例6に係るヘッドサスペンションにおいて、アクチュエータベースに形成された開口部への圧電素子の実装手順を表す工程図である。 実施例7に係るヘッドサスペンションの外観を表す斜視図である。 実施例8に係るヘッドサスペンションの外観を表す斜視図である。
誤装着の事態を未然に回避可能な電極付き圧電素子を得るといった目的を、電極領域と非電極領域の境界に沿って描かれる境界形状パターンに、圧電素子の極性に係る情報を含む圧電素子情報を、その外観から認識可能な態様で織り込む構成を採用することによって実現した。
実施例1に係る電極付き圧電素子について、図面を参照して詳細に説明する。
[電極付き圧電素子の概略構成]
図1及び図2は、実施例1に係る電極付き圧電素子の説明図であり、図1(A)は、実施例1に係る電極付き圧電素子の外観を拡大して示す斜視図、図1(B)は、図1(A)のA−A線に沿う矢視断面図、図2(A)は、実施例1に係る電極付き圧電素子を拡大して示す平面図、図2(B)は、実施例1に係る電極付き圧電素子に描かれた極性識別マークに着目した説明図である。
実施例1に係る電極付き圧電素子1は、例えば、70〜200μm程度の厚みを有した、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電セラミックスを素材としてなる。この圧電素子1は、図1及び図2に示すように、電圧の印加状態に応じて変形する短冊状の圧電体2と、圧電体2の各面にそれぞれ形成される電極3、4と、これらの電極3、4のうち例えば上面電極3を、左右対称な一対の電極領域に隔離区画する非電極領域5と、を備えて構成されている。
圧電体2は、相互に180°異なる分極方向となる、左右対称な一対の層2a,2bを有して構成されている。ただし、圧電体2a,2bの各分極方向は、前記に限定されるものではなく、例えば同一としてもよい。
矩形状の電極3、4は、圧電体2の各面に対し、例えば、金(Au)等の接触抵抗が低い良電導性の材料を、蒸着、スパッタリング、メッキ、又は金属(銀、銀−パラジウム、プラチナ)ペースト等の適宜の手段によって成膜することで形成されている。
実施例1の上面電極3側には、左右対称な一対の電極領域3a,3bに隔離区画する非電極領域5が設けられている。これに対し、底面電極4側には、非電極領域5は設けられていない。本例の場合、底面電極4は、対向する上面電極3の各電極領域3a,3bとの間で、共通電極としての役割を果たす。ただし、底面電極4側にも、上面電極3側と同様の、左右対称な一対の電極領域を形成する構成を採用してもよい。上述のように構成された電極3,4間に挟まれた圧電体2a,2bでは、外部入力電圧に応じた各個別の圧電変位が生じることになる。
電極領域3a,3bと非電極領域5との境界には、圧電体2に対する局所的な応力集中を回避可能な小さい曲率の連続した滑らかな軌跡Tが描かれている。この軌跡のことを、以下では“境界形状パターンT”と呼ぶ。なお、本発明でいう小さい曲率の連続した滑らかな軌跡Tとは、滑らかな円弧を描く曲線はもとより、直線をも含む概念である。
この境界形状パターンTには、実施例1に係る圧電素子1の極性に係る識別情報を含む圧電素子情報が、その外観から認識可能な態様で織り込まれている。これによって、圧電素子1の極性を、その外観から容易に認識することができる。
境界形状パターンTは、略直線状の部分6と、ノッチ状の極性識別マーク7−1と、を有している。実施例1に係るノッチ状の極性識別マーク7−1は、図2に示すように、高さが0.30mm、幅が0.60mm、ノッチの曲率円の半径が0.10mm、ノッチの裾野部分における曲率円の半径が0.20mmとなる寸法の、滑らかな軌跡をもって描かれている。極性識別マーク7−1におけるノッチの曲率中心CTRは、図2に示すように、略直線状の部分6に対し、電極領域3側にオフセットするように位置している。
境界形状パターンTにおいて、ノッチ状の極性識別マーク7−1は、略直線状の部分6に対して、電極領域3側、又は非電極領域5側に膨出するように描かれている。そして、極性識別マーク7の位置、数量、曲率半径、又は膨出方向のうち1又は複数の組合せに係る境界形状パターンのバリエーションをもって、各種の圧電素子情報が表現されるようになっている。
[電極付き圧電素子の製造工程]
次に、実施例1に係る電極付き圧電素子1の製造工程について説明する。図3は、実施例1に係る電極付き圧電素子の製造工程を示す説明図である。
図3に示すように、ステップS11において、シート状のPZT基材(不図示)に、共通の境界形状パターンTが繰り返し形成されたマスク(仮に、1シート当たりの圧電素子製品の面付け数が16個であったとすると、都合16の共通の境界形状パターンが、ひとつのマスクに繰り返し形成される。)をセットする。
ステップS12において、ステップS1でセットしたPZT基材シートの各面に対し、スパッタリングによって金(Au)電極を成膜形成する。
ステップS13において、ステップS12で電極を成膜形成した電極付きPZT基材シートに対し、PZT系圧電セラミックスで通常採用される例えば1kV/mm程度の直流高電圧を印加することによって、分極処理を実行する。この分極処理を経て、相互に180°異なる分極方向となる、左右対称な圧電体2a,2bが形成される。
ステップS14において、ステップS12で分極処理後の電極付きPZT基材シートに対して切断処理を施すことによって、個々の電極付き圧電素子1を得る。
ステップS15において、ステップS14で得られた個々の電極付き圧電素子1に対し、圧電特性の性能評価を行うための試験を行い、この試験基準を超えた電極付き圧電素子1が、製品として各種利用の用途に供される。
[実施例1に係る電極付き圧電素子の効果]
既述したとおり、圧電素子(PZT)は極性を有しており、これを外観から認識するためには、極性識別マークを付することが考えられる。
PZTに極性識別マークを付するためのアプローチのひとつとして、例えばインクによって図形等を描くインクマーキングが考えられる。ところが、PZTを、例えば、磁気ディスク装置のヘッドサスペンションに適用する場合には、高度な清浄性が要求される。従って、清浄性を損なうようなインクマーキングは採用できない。
その他のアプローチとして、PZTの電極面をポンチで打って打痕を残すポンチマーキングを施すことも考えられる。ところが、PZTは、その肉厚が0.1mm程度で、電極の肉厚がサブミクロンオーダーと非常に薄い。このため、PZTの電極面をポンチで打つ際の力加減が非常に難しく、現実的な対策とはなり得ない。また、レーザマーカによってマーキングを施すことも考えられるが、レーザマーキングを実行するための高価な機器が必要であり、かつ別工程となるといった問題もある。
上記観点を踏まえて、実施例1に係る電極付き圧電素子1では、電極領域3と非電極領域5との境界に沿って描かれる境界形状パターンTに、圧電素子1の極性に係る情報を含む圧電素子情報を、同圧電素子1の外観から認識可能な態様で織り込む構成を採用することとした。
実施例1に係る電極付き圧電素子1では、圧電素子1を被駆動体(例えば、ヘッドサスペンション)に実装する以前において、その外観から極性を認識することができる。このため、仮に圧電素子が逆向きに置かれていたとしても、これを所定の向きに整えることができる。
従って、実施例1に係る電極付き圧電素子1によれば、圧電素子1の誤装着の事態を未然に回避することができる。
[実施例1に係る電極付き圧電素子に内在する課題]
図4は、実施例1に係る電極付き圧電素子に描かれた極性識別マークを拡大倍率を変えて電子顕微鏡で観察した図面代用写真であり、図4(A)は拡大倍率を200倍としたときの極性識別マークを写した電子顕微鏡写真、図4(B)は拡大倍率を1000倍としたときの極性識別マークの要部(マイクロクラック)を写した電子顕微鏡写真、図4(C)は拡大倍率を5000倍としたときの極性識別マークの要部(マイクロクラック)を写した電子顕微鏡写真である。
圧電素子(PZT)に極性識別マークを付する研究過程において、本発明者らは、分極処理後の実施例1に係るPZT1−1の極性識別マーク7−1の部分(図2(A)の一点鎖線で囲ったB部参照)に、分極処理前には存在しなかった微細な亀裂(マイクロクラック、図4(C)の“CRK”参照)が生じていることに気づいた。ただし、このマイクロクラックの発生確率は、それほど高くはなかった。
このマイクロクラックは、例えば図4(A)〜(C)に示すようなごく微細サイズのレベルに属し、実体顕微鏡による外観観察ではその発見が困難である。PZTを被駆動体(例えば、ヘッドサスペンション)に組付けた後、例えば静電容量を測定することによって、アクチュエータとしての性能評価試験を行うが、マイクロクラックレベルでは静電容量に変化は見られない。要するに、単に外観観察のみならず、電気特性の測定によっても、その発見は難しい。
前述の如くその発見が困難を極めるマイクロクラックが生じたPZTは、長期信頼性の低下が懸念されるため、不良品として廃棄される。従って、マイクロクラックの発生要因を突き止めた上で、その発生を未然に防止可能な対策を講じることは、長期信頼性の確保、並びにPZT製品の歩留まりを向上する観点からきわめて重要な研究テーマであるといえる。
こうした背景のなか、本発明者らは、マイクロクラックの発生要因を究明するために鋭意研究を進めていたところ、ミクロンオーダの肉厚を有する薄型PZTでは、電極領域3と非電極領域5との境界部位Tに集中して作用する応力が、マイクロクラックの発生要因となることを突き止めた。
すなわち、実施例1に係る圧電素子(PZT)1−1では、電極3,4の成膜形成後に分極処理を行う(図3のステップS12〜S13参照)が、この分極処理時に、PZT1−1は各方向へ伸び縮みする。具体的には、PZT1−1の電極3,4に所定の分極電圧が印加された状態下において、電極領域3a,3bに対応する各圧電体2では、厚み方向に伸張するとともに、厚み方向と直交する面方向に収縮するように動作する。これに対し、非電極領域5に対応する各圧電体2では、厚み方向又は面方向での伸張・収縮動作は起こらない。その結果、電極領域3と非電極領域5との境界部位Tに、厚み方向への伸張力又は面方向への収縮力に由来する複合的なせん断応力等が作用する。本発明者らは、上述の機序で境界部位Tに集中して作用する応力が、マイクロクラックの発生要因となることを突き止めた。
こうしてマイクロクラックの発生要因を突き止めた本発明者らは、その発生を未然に防止するといった課題の解決を研究テーマとして、さらなる試行錯誤を繰り返し遂行した結果、上記課題を解決可能な実施例2〜4に係る電極付き圧電素子の発明を遂に完成させた。
マイクロクラックの発生防止に寄与する発明の開発経緯は以下のとおりである。すなわち、マイクロクラックの発生要因として、境界部位Tに集中して作用する応力が関係している旨の知見を得た本発明者らは、境界部位Tにおける極性識別マーク7が描く軌跡の態様(境界形状パターン)と、マイクロクラックの発生有無との間に、何らかの因果関係があるのではないか?、との着想を得た。
この着想の真偽を確かめるべく、本発明者らは、多種類のバリエーションに係る境界形状パターンTがそれぞれに描かれた多種類の圧電素子を用意し、これらに分極処理を施した後、特に、極性識別マーク7の周辺部位におけるマイクロクラックの発生有無について、電子顕微鏡での観察による検証作業を行った。
そうしたところ、境界部位Tにおける極性識別マーク7が描く軌跡の態様(境界形状パターン)と、マイクロクラックの発生有無との間に、一定の因果関係があることがわかった。その因果関係についてさらなる研究を進めた結果、次の要件充足が重要であるとの知見を得て、実施例2〜4に係る電極付き圧電素子の発明を遂に完成させた。
その要件とは、「境界形状パターンTは、圧電体2に対する局所的な応力集中を回避可能な小さい曲率の連続した滑らかな軌跡を描くこと(第1の要件)」、「ノッチ状の極性識別マーク7は、略直線状の部分6に対し、当該ノッチの曲率中心CTRをオフセットさせて描かれること(第2の要件)」、そして「ノッチの曲率円が電極領域3側に膨出する場合、当該ノッチの曲率中心CTRは非電極領域5側にオフセットされる一方、ノッチの曲率円が非電極領域5側に膨出する場合、当該ノッチの曲率中心CTRは電極領域3側にオフセットされること(第3の要件)」である。
なお、ノッチ状の極性識別マーク7が、略直線状の部分6に対し、当該ノッチの曲率中心CTRをオフセットさせて描かれるとは、略直線状の部分6の真上に、ノッチの曲率中心CTRが位置する場合を含む概念である。つまり、ノッチの曲率中心CTRが非電極領域5側又は電極領域3側にオフセットされるとは、略直線状の部分6の真上に、ノッチの曲率中心CTRが位置する場合を含む概念である(後述する実施例3〜5参照)。
次に、上述の第1〜第3の要件を全て充足した実施例2〜5に係る電極付き圧電素子について説明する。
実施例2に係る電極付き圧電素子について、図面を参照して詳細に説明する。
図5は、実施例2に係る電極付き圧電素子の説明図であり、図5(A)は、実施例2に係る電極付き圧電素子を拡大して示す平面図、図5(B)は、実施例2に係る電極付き圧電素子に描かれた極性識別マークに着目した説明図である。
実施例1に係る圧電素子1−1と、実施例2に係る圧電素子1−2とは、基本的な構成要素が共通であるため、その重複した説明を省略して、両者の相違点に注目して説明を進めることにする。
実施例1と実施例2との相違点は次の通りである。すなわち、実施例1に係る圧電素子1−1の境界形状パターンTが有する極性識別マーク7−1では、図2(A)に示すように、ノッチの曲率中心CTRは、略直線状の部分6に対し、電極領域3側にオフセットするように位置している。従って、境界形状パターンTが滑らかな軌跡を描いている点で、上述した第1の要件は充足しているものの、第2及び第3の要件を充足していない。
これに対し、実施例2に係る圧電素子1−2の境界形状パターンTが有する極性識別マーク7−2は、図5(A),(B)に示すように、高さが0.14mm、幅が0.60mm、ノッチの曲率円の半径が0.16mm、ノッチの裾野部分における曲率円の半径が0.20mmとなる寸法の、滑らかな軌跡をもって描かれている。特に、極性識別マーク7−2では、ノッチの曲率円が電極領域3b側に膨出しており、かつ、ノッチの曲率中心CTRは、略直線状の部分6に対し、非電極領域5側にオフセットするように位置している。
このように、実施例2に係る圧電素子1−2は、境界形状パターンTが滑らかな軌跡を描いている点で、第1の要件を充足している。また、ノッチの曲率円が電極領域3b側に膨出しており、かつ、ノッチの曲率中心CTRが、略直線状の部分6に対し、非電極領域5側にオフセットしている点で、第2及び第3の要件も充足している。従って、実施例2に係る圧電素子1−3−2は、上述した第1〜第3の要件を全て充足している。
実施例2に係る圧電素子1−2によれば、マイクロクラックの発生を未然に防止することができる。
実施例3に係る電極付き圧電素子について、図面を参照して詳細に説明する。
図6は、実施例3に係る電極付き圧電素子の説明図であり、図6(A)は、実施例3に係る電極付き圧電素子を拡大して示す平面図、図6(B)は、実施例3に係る電極付き圧電素子に描かれた極性識別マークに着目した説明図である。
実施例2に係る圧電素子1−2と、実施例3に係る圧電素子1−3とは、基本的な構成要素が共通であるため、その重複した説明を省略して、両者の相違点に注目して説明を進めることにする。
実施例2と実施例3との相違点は次の通りである。すなわち、実施例2に係る圧電素子1−2では、図5(A),(B)に示すように、境界形状パターンTが有する極性識別マーク7−2のサイズ(高さ、幅、ノッチの曲率半径)を、全体として大き目に構成してある。また、実施例2に係る極性識別マーク7−2では、ノッチの曲率中心CTRは、略直線状の部分6に対し、非電極領域5側に距離Lを隔ててオフセットするように位置している。
これに対し、実施例3に係る圧電素子1−3の境界形状パターンTが有する極性識別マーク7−3は、図6(A),(B)に示すように、高さが0.10mm、幅が0.50mm、ノッチの曲率円の半径が0.10mm、ノッチの裾野部分における曲率円の半径が0.20mmとなる寸法の、滑らかな軌跡をもって描かれている。特に、実施例3に係る極性識別マーク7−3は、実施例2に係る極性識別マーク7−2と比べて、全体として小さ目のサイズ(高さ、幅、ノッチの曲率半径)に構成してある。また、実施例3に係る極性識別マーク7−3では、図6(A),(B)に示すように、ノッチの曲率中心CTRは、略直線状の部分6の真上に位置している(略直線状の部分6からの距離Lはゼロ)。
ここで、”極性識別マーク7−3のノッチ部分の曲率円が電極領域3側に膨出し、かつ、ノッチの曲率中心CTRが略直線状の部分6の真上に位置している”本実施例3は、”ノッチ部分の曲率中心CTRが、略直線状の部分6に対し、非電極領域5側にオフセットしている”との概念に含まれる。
実施例3に係る圧電素子1−3によれば、実施例2に係る圧電素子1−3−2と同様に、マイクロクラックの発生を未然に防止することができる。
実施例4に係る電極付き圧電素子について、図面を参照して詳細に説明する。
図7は、実施例4に係る電極付き圧電素子の説明図であり、図7(A)は、実施例4に係る電極付き圧電素子を拡大して示す平面図、図7(B)は、実施例4に係る電極付き圧電素子に描かれた極性識別マークに着目した説明図である。
実施例3に係る圧電素子1−3と、実施例4に係る圧電素子1−4とは、基本的な構成要素が共通であるため、その重複した説明を省略して、両者の相違点に注目して説明を進めることにする。
実施例3と実施例4との相違点は次の通りである。すなわち、実施例3に係る圧電素子1−3では、図6(A),(B)に示すように、極性識別マーク7−3のノッチ部分の曲率円が電極領域3側に膨出しているのに対し、実施例4に係る圧電素子1−4では、図7(A),(B)に示すように、実施例3とは逆に、極性識別マーク7−4のノッチ部分の曲率円が非電極領域5側に膨出している。なお、実施例4に係る極性識別マーク7−4では、図7(A),(B)に示すように、ノッチの曲率中心CTRは、略直線状の部分6の真上に位置している(略直線状の部分6からの距離Lはゼロ)。
ここで、”極性識別マーク7−4のノッチ部分の曲率円が非電極領域5側に膨出し、かつ、ノッチの曲率中心CTRが略直線状の部分6の真上に位置している”本実施例4は、”ノッチ部分の曲率中心CTRが、略直線状の部分6に対し、電極領域3側にオフセットしている”との概念に含まれる。
実施例4に係る圧電素子1−4によれば、実施例3に係る圧電素子1−3−3と同様に、マイクロクラックの発生を未然に防止することができる。
実施例5に係る電極付き圧電素子について、図面を参照して詳細に説明する。
図8は、実施例5に係る電極付き圧電素子の説明図であり、図8(A)は、実施例5Aに係る電極付き圧電素子を拡大して示す平面図、図8(B)は、実施例5Bに係る電極付き圧電素子を拡大して示す平面図である。
実施例5Aに係る圧電素子1−5Aと、実施例3に係る圧電素子1−3とは、基本的な構成要素が共通であるため、その重複した説明を省略して、両者の相違点に注目して説明を進めることにする。
実施例5Aと実施例3との相違点は次の通りである。すなわち、実施例3に係る圧電素子1−3では、図6(A)に示すように、上面電極3に、同電極3を左右対称な一対の電極領域3a,3bに隔離区画する略帯状の非電極領域5が設けられているのに対し、実施例5Aに係る圧電素子1−5Aでは、図8(A)に示すように、上面電極3の左辺における紙面上下方向の略中央に、そのノッチ部分の曲率円が電極領域3側に膨出しているひとつの極性識別マーク7−5Aの軌跡Tを描くことで非電極領域5が設けられている。
つまり、実施例3に係る圧電素子1−3では、上面電極3側に一対の電極領域3a,3bを有しているのに対し、実施例5Aに係る圧電素子1−5Aでは、上面電極3側にひとつの電極領域3しか有していない点で、両者の構成は大きく相違している。
次に、実施例5Bに係る圧電素子1−5Bについて説明する。実施例5Bに係る圧電素子1−5Bと、実施例5Aに係る圧電素子1−5Aとは、基本的な構成要素が共通であるため、その重複した説明を省略して、両者の相違点に注目して説明を進めることにする。
実施例5Bと実施例5Aとの相違点は次の通りである。すなわち、実施例5Aに係る圧電素子1−5Aでは、図8(A)に示すように、上面電極3の左辺における紙面上下方向の略中央に、そのノッチ部分の曲率円が電極領域3側に膨出しているひとつの極性識別マーク7−5Aの軌跡Tを描くことで非電極領域5が設けられているのに対し、実施例5Bに係る圧電素子1−5Bでは、図8(B)に示すように、上面電極3の右辺に所定距離を隔てて、そのノッチ部分の曲率円が電極領域3側に膨出している一対の極性識別マーク7−5Bの軌跡Tを描くことで非電極領域5が設けられている。
つまり、実施例5Aに係る圧電素子1−5Aでは、上面電極3の左辺中央にひとつの極性識別マーク7−5Aによって非電極領域5が区画形成されているのに対し、実施例5Bに係る圧電素子1−5Bでは、上面電極3の右辺に所定距離を隔てて一対の極性識別マーク7−5Bによって非電極領域5が区画形成されている点で、両者の構成は大きく相違している。
なお、実施例5Aに係る極性識別マーク7−5A、又は実施例5Bに係る一対の極性識別マーク7−5Bでは、そのノッチ部分の曲率円が電極領域3側に膨出し、かつ、ノッチの曲率中心CTRが略直線状の部分6の真上に位置している。
ここで、”極性識別マーク7のノッチ部分の曲率円が電極領域3側に膨出し、かつ、ノッチの曲率中心CTRが略直線状の部分6の真上に位置している”本実施例5A,5Bは、”ノッチ部分の曲率中心CTRが、略直線状の部分6に対し、非電極領域5側にオフセットしている”との概念に含まれる。
実施例5A,5Bに係る圧電素子1−5A,5Bによれば、実施例2〜4に係る圧電素子と同様に、マイクロクラックの発生を未然に防止することができる。
[実施例1〜5でのマイクロクラックの発生状況比較]
次に、実施例1〜5でのマイクロクラックの発生状況を対比して説明する。
図9は、実施例1〜5に係る電極付き圧電素子のクラック発生状況を、分極電圧又は部位を変えて観察した結果を示す説明図である。
図9に示すように、実施例1に係る電極付き圧電素子1では、通常圧の分極電圧(例えば、1kV/mm)を印加した場合に、境界形状パターンTのうち直線状の境界部分ではマイクロクラックは生じなかったが、極性識別マーク7−1の部分では、マイクロクラックの発生が観察された。
これに対し、実施例2〜5に係る電極付き圧電素子1−2〜5では、通常の1.4倍の高い分極電圧(例えば、1.4kV/mm)を印加したにもかかわらず、境界形状パターンTのうち直線状の境界部分及び極性識別マーク7−2〜5の部分のいずれにも、マイクロクラックの発生は観察されなかった。
以上の結果から、実施例2〜5に係る電極付き圧電素子1−2〜5は、マイクロクラックの発生を高水準で抑止する効果を有していることが実証された。
次に、実施例1〜4に係る電極付き圧電素子1〜4が適用(実装)される、実施例6に係るヘッドサスペンションについて、図面を参照して詳細に説明する。
[ヘッドサスペンションの概略構成]
図10は、実施例3に係る電極付き圧電素子が実装された、実施例6に係るヘッドサスペンションの外観を表す斜視図である。
実施例6に係るヘッドサスペンション11は、図10に示すように、ベースプレート13と、ロードビーム15と、ロードビーム15の先端側をスウェイ方向に変位させる圧電アクチュエータ17の構成要素であるアクチュエータベース18と、を備える。
ベースプレート13は、例えば、板厚が150〜200μm程度の、ステンレス鋼などの金属薄板からなる。その素材としては、例えば、アルミニウム合金などの軽合金、又は軽合金とステンレス鋼とからなるクラッド材等を用いることもできる。かかる軽量素材を採用すれば、ベースプレート13の慣性質量(イナーシャ)を軽減することを通じて、スウェイ方向の共振周波数を高くし、ひいてはヘッドサスペンション11のトレース能力向上に寄与することができる。
ベースプレート13における基部側には、略円形のボス孔19が開設されている。このボス孔19を介して、ベースプレート13は、ボイスコイルモータ(不図示)によって駆動されるアクチュエータアームの先端部分に固着され、ボイスコイルモータによって旋回駆動されるように構成されている。
ベースプレート13の前端側には、図10に示すように、アクチュエータベース18が、ベースプレート13とは別体に設けられている。
ロードビーム15は、不図示のスライダに負荷荷重を与えるもので、例えば、板厚が30〜150μm程度の、ステンレス鋼などのばね性を有する金属製薄板からなる。その素材としては、ベースプレート13と同様に、アルミニウム合金などの軽合金、又は軽合金とステンレス鋼からなるクラッド材等を用いることもできる。
ロードビーム15には、フレキシャ25が設けられている。フレキシャ25における先端側には、磁気ヘッドを構成するスライダが設けられる。
ロードビーム15には、その両側部に一対の曲げ縁27a,27bが形成されている。これら一対の曲げ縁27a,27bは、ロードビーム15の剛性を高める役割を果たす。
ロードビーム15における後端側には、連結プレート29が一体に設けられている。
連結プレート29は、例えば、板厚が30μm程度の、ステンレス鋼などのばね性を有する金属薄板からなる。連結プレート29の一部には、厚み方向の曲げ剛性を下げ、軽量化を図る等の目的で、孔31が開設されている。この孔31の両側部に、厚み方向に撓むことのできる一対のヒンジ部33a,33bが、それぞれ形成されている。
連結プレート29における後端側、つまり、ロードビーム15の基部は、次述するアクチュエータベース18の前端側に、その裏面側から重ね合わされて、レーザ溶接等の適宜の固着手段によって相互に固着されている。
次に、実施例6に係るヘッドサスペンション11において主要部を構成する圧電アクチュエータの概略構成について説明する。
[圧電アクチュエータの概略構成]
図11は、実施例6に係るヘッドサスペンションの主要部である圧電アクチュエータを拡大して示す平面図、図12は、実施例6に係る圧電アクチュエータのC−C線に沿う矢視断面図である。
圧電アクチュエータ17を設計するにあたっては、電圧の印加状態に応じて変形する圧電素子1−3の歪み(変位)を効果的にロードビーム15に伝達すること、圧電素子1−3の電極3,4とアクチュエータベース18間における電気的な絶縁性を担保すること、圧電素子1−3の周側面から塵埃が脱落するのを未然に防止すること、並びに脆く壊れやすい圧電素子1−3をその損傷から保護すること、などの諸要素を考慮することが求められる。
かかる諸要素を考慮して、本発明の実施例1に係る圧電アクチュエータ17は、図10及び図11に示すように、アクチュエータベース18に設けた開口部21に、実施例3に係る圧電素子1−3を実装してなる。なお、実施例3に係る圧電素子1−3に代えて、実施例1,2,4に係る圧電素子1−1,2,4を、アクチュエータベース18に設けた開口部21に実装する構成を採用してもよい。
実施例6に係るアクチュエータベース18は、先に述べた通り、ベースプレート13とロードビーム15との間に介在させて、ベースプレート13とは別体に設けられている。ただし、アクチュエータベース18を、ベースプレート13と一体に形成する構成を採用してもよい。
上記別体の構成を採用した実施例6では、ベースプレート13とアクチュエータベース18とを接合するにあたっては、アクチュエータベース18の後端側とベースプレート13の前端側とを重ね合わせた部分に対し、レーザ溶接等の適宜の固着手段を適用することによって接合すればよい。
一方、上記一体の構成を採用した実施例6の変形例では、ステンレス鋼などの金属製薄板から、ベースプレート13とアクチュエータベース18とを含む所定の外形形状を、例えばプレス加工処理によって打ち抜いた後、次述する開口部21の周縁部分等に適宜のエッチング処理を適用することによって、ベースプレート13とアクチュエータベース18とが一体となる構成部材を製造すればよい。
上記の、ベースプレート13とアクチュエータベース18が一体となる構成部材を備えた実施例6の変形例では、上記一体の構成部材を、「アクチュエータベース」と総称することとする。この場合において、本発明で「アクチュエータベース」と言うときは、ベースプレート13とアクチュエータベース18の両者の概念を含むことになる。
アクチュエータベース18は、図10及び図11に示すように、圧電素子1−3を収容するための開口部21を有する。具体的には、アクチュエータベース18には、略矩形形状の開口部21が開設されている。この開口部21に、圧電素子1−3が埋め込み式に実装される。これによって、圧電アクチュエータ17は、圧電素子1−3の変形に従ってロードビーム15の先端側をスウェイ方向に変位させる機能を獲得するように構成されている。
図12に示すように、アクチュエータベース18に設けた開口部21は、圧電素子1−3の周側面23に対向する周縁部41と、開口部21から内方側にせり出して圧電素子1−3の底面電極4に対向する底面受け部43と、を有する。この底面受け部43は、圧電素子1−3の底面電極4がアクチュエータベース18の下方側から臨めるように、圧電素子1−3の下方側に該当する部分が切り欠かれている。こうして構成された底面受け部43は、圧電素子1−3の底面電極4側との間に形成される間隙に、非導電性接着剤47を充填するにあたり、この接着剤47を底面電極4側からもれなく受け止める役割を果たす。
底面受け部43を開口部21と一体に形成するにあたっては、共通の金属製薄板から所定の形状に切り出したアクチュエータベース18のうち、底面受け部43に該当する部位に化学的な腐食処理を施すことによって、その周囲の部分に比べて板厚を薄くする、部分的なハーフエッチング処理を適用すればよい。
開口部21に装着される圧電素子1−3の外寸は、開口部21の内寸よりも僅かに小さい、略矩形形状に形成されている。
圧電素子1−3の上面電極3は、図12に示すように、銀ペースト等の導電性樹脂45を介して、アクチュエータベース18に接地されている。
一方、圧電素子1−3の底面電極4は、図12に示すように、導電性接着剤49を介して、フレキシャ25に配設された例えば銅製の配線部51に接続されている。なお、底面電極4と、フレキシャ25の配線部51と、の間を接続するにあたっては、導電性接着剤49に代えて、ボンディングワイヤ、半田付け、又は超音波接合等の接続手段を採用してもよい。図12において、符合53はフレキシャ25の金属製基材、符合55はフレキシャ25上に形成された例えばポリイミド樹脂からなる電気絶縁層である。
圧電素子1−3を、開口部21における所定の取付位置にセットした状態で、圧電素子1−3の周側面23と、開口部21の周縁部41との間に、所定の間隙を生じる。この間隙を、以下において周回溝42と呼ぶ。
この間隙(周回溝42)を埋めて、圧電素子1−3の歪み(変位)を効果的にロードビーム15に伝達する等の効果を狙って、圧電素子1−3は、図11及び図12に示すように、圧電素子23と周縁部41との間に生じた周回溝42、並びに、圧電素子23と底面受け部43との間に生じた間隙44に、非導電性接着剤47を隈無く充填することによって、開口部21に実装されている。非導電性接着剤47としては、公知の非導電性接着剤(導電性接着剤に絶縁性を有するシリカやガラス等の粒子を含有させたものを含む。)を適宜採用することができる。
圧電素子1−3を開口部21に実装するにあたっては、アクチュエータベース18の厚み方向における中心と、圧電素子1−3の厚み方向における中心と、が整合する厚み方向の位置に実装することが好ましい。このように構成すれば、圧電アクチュエータ17のスウェイ動作時におけるよじれ動作の発生を未然に抑制することができる。
アクチュエータベース18に設けた開口部21の外方側には、図10及び図11に示すように、U字形状に突出した一対の可撓連結部50が形成されている。これら一対の可撓連結部50の存在が、圧電アクチュエータ17の剛性向上に寄与するとともに、圧電アクチュエータ17のスウェイ動作時において、変位ストローク動作を妨げない役割を果たす。
次に、アクチュエータベース18に設けた開口部21への圧電素子1−3の実装手順について説明する。
[圧電素子の実装手順]
図13は、実施例6に係るヘッドサスペンション11において、開口部への圧電素子の実装手順を表す工程図である。
図13に示すように、ステップS21において、非導電性接着剤47を、周回溝42、並びに、間隙44にそれぞれ塗布する。
ステップS22において、開口部21における所定の取付位置に、圧電素子1−3を載置するように組み付ける。
ステップS23において、アクチュエータベース18に設けた開口部21への圧電素子1−3の実装が済んだヘッドサスペンション11を、電気炉等を用いて所定時間・所定の温度下で加熱処理を施すことによって、非導電性接着剤47を硬化させる。
次に、上述の実装手順を経て製造されたヘッドサスペンション11の作用について説明する。
アクチュエータベース18の開口部21に実装された圧電素子1−3は、所定の電圧が印加されると、圧電素子1−3の非電極領域5を境界として、一側2aが長手方向に収縮する一方、他側2bが長手方向に伸張する(図1参照)。つまり、圧電素子1−3は、全体として略台形形状に歪む。その結果、圧電アクチュエータ17は、圧電素子1−3によってもたらされる歪み方向及び変位ストローク量に応じて、ロードビーム15の先端側を幅方向(スウェイ方向)に微少距離だけ変位させるように動作する。
上述したスウェイ方向への変位を円滑かつ的確に行わせるために、実施例6に係る圧電アクチュエータ17では、圧電素子1−3の周側面23に対向する周縁部41によって、圧電素子1−3の周側面23をほぼ全面にわたって包囲し、圧電素子1−3の周側面23と周縁部41間に生じた間隙に、非導電性接着剤47を隈なく充填する構成を採用している。
また、実施例6に係る圧電アクチュエータ17では、開口部21から内方側にせり出して圧電素子1−3の底面電極4に対向する底面受け部43によって、圧電素子1−3の底面電極4のうち外周縁部分を下方から支持し、圧電素子1−3の底面電極4と底面受け部43間に生じた間隙に、非導電性接着剤47を隈なく充填する構成を採用している。
[実施例6の効果]
実施例6に係るヘッドサスペンション11によれば、誤装着の事態を未然に回避可能な極性識別マーク7−3を有し、かつ、マイクロクラックの発生を未然に防止可能な極性付き圧電素子1−3を実装したので、従って、製造工程での圧電素子の誤装着の懸念が一掃され、製品歩留まりの改善が見込める、長期信頼性の高いヘッドサスペンション製品を得ることができる。
また、実施例6に係るヘッドサスペンション11では、アクチュエータベース18の開口部21に設けた周縁部41によって、圧電素子1−3の周側面23をほぼ全面にわたって包囲し、圧電素子1−3の周側面23と周縁部41との間に生じた周回溝42に、非導電性接着剤47を充填することによって、圧電素子1−3を開口部21に実装する構成を採用したので、従って、圧電素子1−3の歪み(変位)を効果的にロードビーム15に伝達すること、圧電素子1−3の周側面から塵埃が離脱するのを未然に防止すること、並びに、脆く壊れやすい圧電素子1−3をその損傷から保護すること、の全てを、高い水準で実現することができる。
さらに、開口部21、非導電性接着剤47、並びに圧電素子1−3が、相互に密着することであたかも三位一体の支持梁のように機能するので、サスペンション11本体の剛性を高水準に維持することができる。
しかも、アクチュエータベース18に設けた開口部21の外方側に、U字形状に突出した一対の可撓連結部50を形成したので、これら一対の可撓連結部50の存在が、圧電アクチュエータ17の剛性向上に寄与するとともに、圧電アクチュエータ17のスウェイ動作時において、変位ストローク動作を妨げない役割を果たす。
従って、実施例6に係るヘッドサスペンション11によれば、アクチュエータとしての変位ストロークの減少を招くことなしに、振動特性や衝撃特性といった基本的な特性を良好に維持することができる。
本発明の実施例7に係るヘッドサスペンションについて、図面を参照して説明する。
図14は、実施例7に係るヘッドサスペンションの外観を表す斜視図である。
実施例6に係るヘッドサスペンションと、実施例7に係るヘッドサスペンションとは、基本的な構成要素が共通であるため、その重複した説明を省略して、両者の相違点に注目して説明を進めることにする。
実施例6と実施例7との相違点は次の通りである。すなわち、実施例6に係るヘッドサスペンション11では、例えば図10に示すように、アクチュエータベース18の開口部21の外方側に、U字形状に突出した一対の可撓連結部50を形成する構成を採用している。
これに対し、実施例7に係るヘッドサスペンション61の主要部である圧電アクチュエータ63では、図14に示すように、アクチュエータベース18の開口部21の外方側に、実施例6の可撓連結部50に代えて、離間部52を形成する構成を採用した点が、実施例6とは大きく相違している。なお、この離間部52は、開口部21の外方側における略中央部分を、微少距離隔てて離間させることによって形成すればよい。
なお、実施例7に係るヘッドサスペンション61を構成するに際しては、実施例1〜4に係る電極付き圧電素子1−1〜4のうちいずれかを組み合わせ適用すればよい。
上述のように構成された実施例7に係るヘッドサスペンション61によれば、開口部21、非導電性接着剤47、並びに圧電素子1−3が、相互に密着することであたかも三位一体の支持梁のように機能するので、実施例6の可撓連結部50を設けることなしに、サスペンション61本体の剛性を高水準に維持することができる。
また、アクチュエータベース18に設けた開口部21の外方側における略中央部分に離間部52を形成したので、この離間部52の存在が、圧電アクチュエータ63のスウェイ動作時において、変位ストローク動作を妨げない役割を果たす。
従って、実施例7に係るヘッドサスペンション61によれば、アクチュエータとしての変位ストロークの減少を招くことなしに、振動特性や衝撃特性といった基本的な特性を良好に維持することができる。
しかも、サスペンション61の幅方向の寸法を抑制することができるので、製造工程での面付け数を増大させて、材料歩留まりの向上に寄与することができる。
さらに、既存の一般的なサスペンションと比べて、幅方向の寸法を同等程度に抑制することができるので、既存のサスペンション用生産ラインをそのまま流用して生産を行うことができる。従って、設備投資の側面からの負担を軽減することができる。
しかも、実施例7に係るアクチュエータベース18を、仮に、プレス成形によって生産する場合であっても、実施例6に係る可撓連結部50に相当する突出部分が一切存在しないので、バレル研磨によるバリ取りを円滑に行うことができ、その製造原価を低く抑えることができる。
また、ヘッドサスペンションが組み込まれる、例えば磁気ディスク装置等の設計段階において、実施例6に係る可撓連結部50に相当する突出部分が一切存在しないので、周辺部品との干渉の回避を考慮する必要がない。従って、サスペンション周辺部品を配置する際の設計の自由度をじゅうぶんに享受することができる。
しかも、振動特性面においても、実施例6に係る可撓連結部50に相当する突出部分が一切存在しないので、一般のサスペンションでは生じ得ない振動モードを考慮する必要がない。従って、従来のサスペンションと同等程度の設計工数をもって、実施例6が奏する優れた効果を併せ持つヘッドサスペンションを得ることができる。
本発明の実施例8に係るヘッドサスペンションについて、図面を参照して説明する。
図15は、実施例8に係るヘッドサスペンションの外観を表す斜視図である。
実施例7に係るヘッドサスペンション61と、実施例8に係るヘッドサスペンション71とは、基本的な構成要素が共通であるため、その重複した説明を省略して、両者の相違点に注目して説明を進めることにする。
実施例7と実施例8との相違点は次の通りである。すなわち、実施例7に係るヘッドサスペンション61の圧電アクチュエータ63では、図14に示すように、ひとつの開口部21を有し、この開口部21に対し、非導電性接着剤47を介して、ひとつの圧電素子1−3を実装する構成を採用している。
これに対し、実施例8に係るヘッドサスペンション71の圧電アクチュエータ73では、図15に示すように、一対の開口部21を有し、これら一対の各開口部21のそれぞれに対し、非導電性接着剤47を介して、実施例5Aに係る圧電素子1−5A及び実施例5Bに係る圧電素子1−5Bを実装する点が、実施例7とは大きく相違している。
なお、実施例8に係るヘッドサスペンション71のように、相互に独立した圧電素子を二つ使用する場合、これら個々の圧電素子としては、相互に異なる方向の分極特性を併有するもの(例えば、実施例1〜4参照)に代えて、一方向のみの分極特性を有するもの(例えば、実施例5A,5B参照)を用いる。
そこで実施例8に係るヘッドサスペンション71の圧電アクチュエータ73に実装する圧電素子として、実施例5Aに係る圧電素子1−5A及び実施例5Bに係る圧電素子1−5Bを採用することとした。
上述のように構成された実施例8に係るヘッドサスペンション71によれば、実施例7と同様の作用効果を奏する。
[その他]
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは技術思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うヘッドサスペンションもまた、本発明における技術的範囲の射程に包含されるものである。
すなわち、本発明実施例では、説明の便宜上、磁気ディスクの上方にヘッドサスペンションが対向して位置する使用態様を前提として、その上下等の位置関係を説明した。ただし、実際の使用態様では、磁気ディスクの下方にヘッドサスペンションが対向して位置する場合もある。こうした場合であっても、本発明は、実施例で述べた位置関係に係る表現を実際の使用態様に合わせて解釈した上で、本発明の技術的思想を曲解することなく、適切に適用可能であることは言うまでもない。
1−1 圧電素子(実施例1)
1−2 圧電素子(実施例2)
1−3 圧電素子(実施例3)
1−4 圧電素子(実施例4)
2 圧電体(実施例1〜8間で共通)
3 上面電極(実施例1〜8間で共通)
3a,3b 電極領域(実施例1〜8間で共通)
4 底面電極(実施例1〜8間で共通)
5 非電極領域(実施例1〜8間で共通)
6 略直線状の部分(実施例1〜8間で共通)
7−1 極性識別マーク(実施例1)
7−2 極性識別マーク(実施例2)
7−3 極性識別マーク(実施例3)
7−4 極性識別マーク(実施例4)
7−5A 極性識別マーク(実施例5A)
7−5B 極性識別マーク(実施例5B)
11 ヘッドサスペンション(実施例6)
13 ベースプレート(実施例6〜8間で共通)
15 ロードビーム(実施例6〜8間で共通)
17 圧電アクチュエータ(実施例6)
18 アクチュエータベース(実施例6〜8間で共通)
19 ボス孔(実施例6〜8間で共通)
21 開口部(実施例6〜8間で共通)
23 圧電素子の周側面(実施例6〜8間で共通)
25 フレキシャ(実施例6〜8間で共通)
27a,27b 一対の曲げ縁(実施例6〜8間で共通)
29 連結プレート(実施例6〜8間で共通)
31 孔(実施例6〜8間で共通)
33a,33b 一対のヒンジ部(実施例6〜8間で共通)
41 周縁部(実施例6〜8間で共通)
43 底面受け部(実施例6〜8間で共通)
45 銀ペースト(実施例6〜8間で共通)
47 非導電性接着剤(実施例6〜8間で共通)
50 一対の可撓連結部(実施例6)
52 離間部(実施例7,8間で共通)
61 ヘッドサスペンション(実施例7)
63 圧電アクチュエータ(実施例7)
71 ヘッドサスペンション(実施例8)
73 圧電アクチュエータ(実施例8)
CTR ノッチの曲率中心
CRK マイクロクラック
T 境界形状パターン(実施例1〜8間で共通)

Claims (12)

  1. 電圧の印加状態に応じて伸縮変形する短冊状の一対の圧電体と、
    前記圧電体の各面にそれぞれ設けられる電極と、
    前記圧電体の少なくとも一方の面に設けられる非電極領域と、
    前記電極に係る電極領域と前記非電極領域の略直線状の境界に沿って曲率をもって描かれると共に両裾野部分も前記境界に曲率を有して連続する境界形状パターンの極性識別マークと、を備え、
    前記境界形状パターンには、当該圧電素子の極性に係る情報を含む圧電素子情報が、その外観から認識可能な態様で織り込まれ、
    ロードビームの基部に固設したアクチュエータベースの開口部に実装されるヘッドサスペンションに用いられる
    ことを特徴とする電極付き圧電素子。
  2. 請求項1記載の電極付き圧電素子であって、
    前記非電極領域は、前記電極領域を複数に隔離区画するように設けられる、
    ことを特徴とする電極付き圧電素子。
  3. 請求項1又は2に記載の電極付き圧電素子であって、
    前記圧電体は、短冊状に形成され、
    前記非電極領域は、矩形状に形成された前記電極を対称な一対の電極領域に隔離区画するように設けられる、
    ことを特徴とする電極付き圧電素子。
  4. 請求項1記載の電極付き圧電素子であって、
    前記圧電体は、短冊状に形成され、
    前記非電極領域は、矩形状に形成された前記電極の辺に沿って設けられる、
    ことを特徴とする電極付き圧電素子。
  5. 請求項1〜4のうちいずれかに記載の電極付き圧電素子であって、
    前記境界形状パターンは、前記圧電体に対する局所的な応力集中を回避可能な小さい曲率の連続した軌跡をもって描かれている、
    ことを特徴とする電極付き圧電素子。
  6. 請求項1〜5のうちいずれかに記載の電極付き圧電素子であって、
    前記境界形状パターンは、略直線状の部分と、ノッチ状の極性識別マークと、を有する、
    ことを特徴とする電極付き圧電素子。
  7. 請求項6記載の電極付き圧電素子であって、
    前記ノッチ状の極性識別マークは、前記略直線状の部分に対し、当該ノッチの曲率中心をオフセットさせて描かれており、
    前記ノッチの曲率円が前記電極領域側に膨出する場合、当該ノッチの曲率中心は前記非電極領域側にオフセットされる一方、前記ノッチの曲率円が前記非電極領域側に膨出する場合、当該ノッチの曲率中心は前記電極領域側にオフセットされる、
    ことを特徴とする電極付き圧電素子。
  8. 請求項6又は7に記載の電極付き圧電素子であって、
    前記極性識別マークの位置、数量、曲率半径、又は膨出方向のうち1又は複数の組合せに係る境界形状パターンのバリエーションをもって前記圧電素子情報が表現される、
    ことを特徴とする電極付き圧電素子。
  9. ロードビームと、
    前記ロードビームの基部に固設したアクチュエータベースの開口部に、請求項1〜のうちいずれかに記載の電極付き圧電素子を実装してなる圧電アクチュエータと、を備え、
    前記圧電アクチュエータは、前記ロードビームの先端側をスウェイ方向に変位させる機能を有し、
    前記圧電素子は、前記開口部との間に生じた周回溝に非導電性接着剤を充填することによって前記開口部に埋め込み式に実装されている、
    ことを特徴とするヘッドサスペンション。
  10. 請求項9記載のヘッドサスペンションであって、
    前記アクチュエータベースには、前記開口部の外方側に突出した略U字形状の一対の可撓連結部が形成されている、
    ことを特徴とするヘッドサスペンション。
  11. 請求項9記載のヘッドサスペンションであって、
    前記アクチュエータベースには、前記開口部の外方側に一対の離間部が形成されている、
    ことを特徴とするヘッドサスペンション。
  12. 請求項10又は11に記載のヘッドサスペンションであって、
    前記開口部は、幅方向に並列して一対設けられ、前記一対の各開口部のそれぞれに前記圧電素子が前記非導電性接着剤を介して実装されている、
    ことを特徴とするヘッドサスペンション。
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