JP5500434B2 - 用紙折り装置 - Google Patents
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Description
折りブレードを用いて、ストッパ部材に突き当たった状態の用紙の面に対して略直角の方向から用紙を押すことで用紙は側面から見て『く』の字となるように折れ始める。その後、上記折りローラ対のニップ部に、用紙が押し込まれることで用紙に対して所望の折り位置で折りを行うことが出来る。
特許文献1には、折りブレードと折りローラ対との対向位置で折りを行わない場合に、折りブレードが搬送ガイド、折りローラ対が搬送ローラ対として機能する用紙折り装置が記載されている。詳しくは、折りブレードと折りローラ対とが対向する位置に、用紙が搬送されてくる前に、折りブレードの先端が折りローラ対のニップ部に近接するように折りブレードの位置を移動させる。このように折りブレードの位置を移動させることで、搬送されてきた用紙を折りブレードに突き当て、折りブレードに沿って折りローラ対のニップ部に案内することができる。
このように折りブレードに汚れが付着した状態で、折りブレードを折り部材として用いた場合、折りブレードを突き当てる用紙の面に、折りブレードの汚れが付着し、用紙の汚れが発生してしまう。
特許文献2には、折りブレードを搬送ガイドとして用いる構成は記載されていないが、折りブレードに付着した汚れに起因する用紙の汚れを防止する構成として、折りブレードに付着した汚れを除去する構成が記載されている。しかし、特許文献2に記載の発明は、ユーザーが用紙折り装置の外部から折りブレードに向けて挿入する折りブレードの清掃具と、この清掃具によって折りブレードを清掃可能な用紙折り装置との発明である。この構成では、ユーザーによる頻繁な折りブレードの清掃作業が必要となり、折り動作を自動化した用紙折り装置のメリットが低減してしまう。
また、請求項2の発明は、請求項1の用紙折り装置において、上記折りブレードが上記搬送ガイドとして機能するときに、該折りブレードを上記搬送経路から退避した後、次の用紙の先端が該折りブレードによってガイドされるべき位置に到達する前に、該折りブレードを該搬送ガイドとして機能する位置まで移動させることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の用紙折り装置において、上記折りブレードが上記折り部材として機能するときに、搬送中の上記用紙の先端が突き当たることで該用紙の折り位置を決めるストッパ部材に先端が突き当たる前の上記用紙が該折りブレードと上記折りローラ対との間を通過するときの該折りブレードの位置をホームポジションとすると、上記折りブレードが上記搬送ガイドとして機能するときに、上記搬送経路から退避したときの該折りブレードの位置は、該ホームポジションよりも該搬送経路に近い位置であり、該搬送経路を通過する上記用紙に該折りブレードが接触しない位置であることを特徴とするものである。
図1は、本実施形態に係る用紙折り装置100の概略構成図である。
用紙折り装置100では、画像形成装置(不図示)から画像が形成された用紙を用紙搬入口101より受け入れ、所定の用紙折り処理をおこなう。そして、用紙折り処理後、パンチ、ステープル等の後処理をおこなう場合は用紙搬出口102から後処理装置(不図示)へ折り処理後の用紙を排出し、後処理を行わない場合は装置上部の用紙収容部31へ折り処理後の用紙を積載していく。
各搬送路は、用紙の搬送を案内するためのガイド板が用紙の厚さ方向両側に所定の隙間距離を設けて配置されることで形成される。各搬送路は、搬送路同士が直接接続されるように、または、2つの折りローラからなる折りローラ対を挟んで接続されるように配置される。
また、搬送経路を切り替えるよう各搬送路へ用紙の案内する、第一切替爪21、第二切替爪22、第三切替爪23及び第四切替爪24が設けられている。各切替爪は不図示の駆動機構により、搬送路から退避した位置と、搬送路を塞ぎ用紙を所望の搬送路にガイドする位置とに移動可能となっている。
また、第二搬送路2、第三搬送路3及び第四搬送路4の搬送路内には、搬送されてきた用紙の前端が突き当たることで停止させるストッパ部材として、第一ストッパ41、第二ストッパ42及び第三ストッパ43がそれぞれ設けられている。これらのストッパ部材は配置された各搬送路の搬送方向に沿って位置を変更可能であり、用紙の搬送方向の前端から折り位置までの距離に応じて不図示の駆動源によって移動可能に構成されている。
第二折りローラ52は第一折りローラ51と第三折りローラ53との2つの折りローラに対して圧接するように配置されている。第二折りローラ52と第一折りローラ51とからなる折りローラ対によって形成されるニップ部が第一折りニップN1、第二折りローラ52と第三折りローラ53とからなる折りローラ対によって形成されるニップ部が第二折りニップN2である。
また、第四折りローラ54は第四搬送路内搬送ローラ154と第五折りローラ55との2つの折りローラに対して圧接するように配置されている。ここで、第四折りローラ54と第五折りローラ55とからなる折りローラ対によって形成されるニップ部が第三折りニップN3である。
図2に示すように、第一折りニップN1の出口近傍には、第一折りニップN1を通過した用紙が第二折りニップN2に直接向かうように案内する直送爪25が配置されている。直送爪25は、不図示の駆動源から駆動が伝達することで、直送爪軸25aを中心に図2(a)中の矢印Jで示すように回動し、直送爪25が図2(a)の位置から図2(b)の位置へ、または、図2(b)の位置から図2(a)の位置へ移動する構成となっている。
一方、用紙を第三搬送路3に搬送せず、直接、次の折りニップである第二折りニップN2に搬送する場合には、不図示の駆動源を駆動し、図2(b)で示すように、直送爪25が第三搬送路3の入口を塞ぐように回動させる。これにより、直送爪25が、第三搬送路3へ向かう搬送路を塞ぎ、更に、用紙が直送爪25の曲面に沿って搬送される。このため、第一折りニップN1を通過した用紙が次のニップである第二折りニップN2に進入する。
第一切替爪21は、下方切替爪21aと上方切替爪21bとの二つの切替爪からなり、用紙搬入口101から搬入された用紙を第一搬送路1、第十搬送路10または第一水平搬送路13へと案内する。
また、第七搬送路7には、複数の折り増しローラ対70が配置されており、折り増しローラ対70のニップ部を通過することで第七搬送路7よりも上流側で折られた用紙の折り目が強くなる。
また、第一搬送路1には、第一搬送路1に沿って図1中の矢印Dで示すように上下方向に移動可能な移動ローラユニット80を備える。移動ローラユニット80の下方には第一ニップ上流側搬送ローラ対91と、第一折りローラ51と当接して第一搬送路1の最下流側における搬送ローラ対を形成し、第一折りローラ51に対して接離可能な接離ローラ92とを備える。第一ニップ上流側搬送ローラ対91の図中右側のローラ及び接離ローラ92は、不図示の駆動機構によって図中破線の位置と実線の位置とで移動可能に構成されている。
用紙の折りを行わずに、下流側の後処理装置へ搬送させるには、第一切替爪21の下方切替爪21a及び上方切替爪21bを搬送路から退避させ、用紙搬入口101から進入した用紙を第一水平搬送路13に搬送する。このとき、第四切替爪24も搬送路から退避させておくことで、用紙搬入口101から進入した用紙を、第一水平搬送路13及び第二水平搬送路14を介して、直接、用紙搬出口102より排紙させることが出来る。
折りブレード32を用いずに第一折りニップN1で折りを実行するときには、図3に示すように、折りブレード32が搬送路に突出しない状態とする。このように、第一ストッパ41に先端が突き当たる前の用紙Pが折りブレード32と第一折りニップN1との間を通過するときの折りブレード32の位置をホームポジションとする。
図3に示すように、折りブレード32を用いずに第一折りニップN1で折りを実行するときには、折りブレード32は、常時、ホームポジションの位置で停止した状態であり、使用しない。
詳細は後述する折りモードのうち、二つ折り、外三つ折り、内三つ折り、単純四つ折り及び観音四つ折りの何れかの折り動作を行う場合には、図3に示すように、折りブレード32を用いずに第一折りニップN1で折りを実行する。このため、これらの折りモードのときには、折りブレード32は、常時、ホームポジションの位置で停止した状態である。
このため、用紙Pが搬送されてくる前に、通常は図4(a)に示すようにホームポジションの位置で停止している折りブレード32を、図中矢印A方向へ移動させて、図4(b)のように第二搬送路2の入口を塞ぐ位置で停止させる。折りブレード32を図4(b)の位置まで移動させることで、折りブレード32が搬送ガイドとして機能する。
その後、図4(c)に示すように、第一搬送路1を通過しながら用紙Pが搬送されてくると、用紙Pの先端は折りブレード32にガイドされて、第二搬送路2へは搬送されず、第一折りニップN1へと搬送される。
以下、各折りモードの処理動作を説明する。
まず、図5(a)に示すZ折りを行うZ折りモードについて説明する。
Z折りモードのときには、第一切替爪21の下方切替爪21aは搬送路を塞ぐ位置とし、折りブレード32は図4(b)に示すように用紙Pの先端を第一折りニップN1にガイドする位置とする。また、直送爪25は、図2(a)に示すように用紙の搬送路に出ない位置とし、第二切替爪22は第五搬送路5の入口を塞いで、用紙を第四搬送路4にガイドする位置とする。
また、第二ストッパ42の位置を、第二折りニップN2から第二ストッパ42までの距離が、図5(a)中のa1からa3までの距離と同じ距離となる位置とする。さらに、第三ストッパ43の位置を、第三折りニップN3から第三ストッパ43までの距離が、図5(a)中のa3からa4までの距離と同じ距離となる位置とする。
用紙の前端であるa3が第三ストッパ43に突き当たった状態で、第四搬送路内搬送ローラ154及び第四折りローラ54等が用紙に搬送力を付与することで用紙のa4の部分に撓みができる。用紙が撓んだ状態でさらに搬送力を付与することで撓みが大きくなり、用紙のa4の部分が第三折りニップN3に進入し、図5(a)中のa4で示す部分に二回目の折りが行われる。
Z折りが完了した後の用紙は、先端a1と折り目a4とが重なった部分が前端となって第六搬送路6を通過し、折り増し部でもある第七搬送路7を通過する。
ここで、後処理を行わない場合は、第三切替爪23は第九搬送路9の入口を塞いで、用紙を第八搬送路8にガイドする位置とし、第四切替爪24は第一水平搬送路13の出口を塞いで、用紙を第十一搬送路11にガイドする位置とする。これにより、第七搬送路7を通過した用紙は、第三切替爪23によって第八搬送路8に案内され、第二水平搬送路14を通過し、さらに、第四切替爪24によって第十一搬送路11に案内される。第十一搬送路11に案内された用紙は、用紙収容部排紙搬送路12を通過して、装置上部の用紙収容部31にスタックされる。
一方、後処理を行う場合は、第三切替爪23は第八搬送路8の入口を塞いで、用紙を第九搬送路9にガイドする位置とする。これにより、第七搬送路7を通過した用紙は、第三切替爪23によって第九搬送路9に案内され、用紙搬出口102から後処理装置(不図示)へ搬送される。
次に、図5(b)に示す二つ折りを行う二つ折りモードについて説明する。
二つ折りモードのときには、第一切替爪21の下方切替爪21aは搬送路を塞ぐ位置とし、折りブレード32の位置は図3に示すようにホームポジションとする。また、直送爪25は、図2(b)に示すように第三搬送路3の入口を塞ぐ位置とし、第二切替爪22は第四搬送路4の入口を塞いで、用紙を第五搬送路5にガイドする位置とする。
また、第一ストッパ41の位置を、第一折りニップN1から第一ストッパ41までの距離が、図5(b)中のb1からb3までの距離と同じ距離となる位置とする。
第一折りニップN1で折りが行われた用紙は、b3の部分が搬送方向の前端となって第一折りニップN1を通過する。第一折りニップN1を通過すると、第三搬送路3の入口を塞ぐ位置にある直送爪25の曲面に沿って搬送され第二折りニップN2に進入する。
第二折りニップN2を通過した用紙は、第二切替爪22によって第五搬送路5に案内され、第五搬送路5を通過した後、折り増し部でもある第七搬送路7を通過する。
第七搬送路7以降の搬送経路は上述したZ折りモードと同様であり、第三切替爪23によって、第二水平搬送路14へ、さらに、第四切替爪24によって、第十一搬送路11へ導かれると、用紙は、用紙収容部排紙搬送路12を通過して、装置上部の用紙収容部31にスタックされる。
また、後処理を行う場合は、用紙は、第三切替爪23によって第九搬送路9に案内され、用紙搬出口102から後処理装置(不図示)へ搬送される。
次に、図5(c)に示す外三つ折りを行う外三つ折りモードについて説明する。
外三つ折りモードのときには、第一切替爪21の下方切替爪21aは搬送路を塞ぐ位置とし、折りブレード32の位置は図3に示すようにホームポジションとする。また、直送爪25は、図2(a)に示すように用紙の搬送路に出ない位置とし、第二切替爪22は第四搬送路4の入口を塞いで、用紙を第五搬送路5にガイドする位置とする。
また、第一ストッパ41の位置を、第一折りニップN1から第一ストッパ41までの距離が、図5(c)中のc1からc3までの距離と同じ距離となる位置とする。さらに、第二ストッパ42の位置を、第二折りニップN2から第二ストッパ42までの距離が、図5(c)中のc3からc4までの距離と同じ距離となる位置とする。
c3の部分に一回目の折りが行われた後、用紙はc3の部分が搬送方向の前端となって搬送され、第一折りニップN1を通過して直送爪25で入口が塞がれていない状態の第三搬送路3に進入し、用紙の前端となっているc3の部分が第二ストッパ42に突き当たる。
外三つ折りが完了した後の用紙は、先端c1と折り目c4とが重なった部分が前端となって、第二折りニップN2を通過し、第二切替爪22によって第五搬送路5に案内され、第五搬送路5を通過した後、折り増し部でもある第七搬送路7を通過する。
第七搬送路7以降の搬送経路は上述したZ折りモードと同様であり、第三切替爪23によって、第二水平搬送路14へ、さらに、第四切替爪24によって、第十一搬送路11へ導かれると、用紙は、用紙収容部排紙搬送路12を通過して、装置上部の用紙収容部31にスタックされる。
また、後処理を行う場合は、用紙は、第三切替爪23によって第九搬送路9に案内され、用紙搬出口102から後処理装置(不図示)へ搬送される。
次に、図5(d)に示す内三つ折りを行う内三つ折りモードについて説明する。
内三つ折りモードのときには、第一切替爪21、折りブレード32、直送爪25及び第二切替爪22の位置は、上述した外三つ折りモードと同じ位置である。
また、第一ストッパ41の位置を、第一折りニップN1から第一ストッパ41までの距離が、図5(d)中のd1からd3を経由してd4までの距離と同じ距離となる位置とする。さらに、第二ストッパ42の位置を、第二折りニップN2から第二ストッパ42までの距離が、図5(d)中のd3からd4までの距離と同じ距離となる位置とする。
d4の部分に一回目の折りが行われた後、用紙はd4の部分が搬送方向の前端となって搬送され、第一折りニップN1を通過して直送爪25で入口が塞がれていない状態の第三搬送路3に進入し、用紙の前端となっているd4の部分が第二ストッパ42に突き当たる。
内三つ折りが完了した後の用紙は、折り目d3が前端となって、第二折りニップN2を通過し、第二切替爪22によって第五搬送路5に案内され、第五搬送路5を通過した後、折り増し部でもある第七搬送路7を通過する。
第七搬送路7以降の搬送経路は上述したZ折りモードと同様であり、第三切替爪23によって、第二水平搬送路14へ、さらに、第四切替爪24によって、第十一搬送路11へ導かれると、用紙は、用紙収容部排紙搬送路12を通過して、装置上部の用紙収容部31にスタックされる。
また、後処理を行う場合は、用紙は、第三切替爪23によって第九搬送路9に案内され、用紙搬出口102から後処理装置(不図示)へ搬送される。
次に、図5(e)に示す単純四つ折りを行う単純四つ折りモードについて説明する。
単純四つ折りモードのときには、第一切替爪21、折りブレード32、直送爪25及び第二切替爪22の位置は、上述した外三つ折りモード及び内三つ折りモードと同じ位置である。
また、第一ストッパ41の位置を、第一折りニップN1から第一ストッパ41までの距離が、図5(e)中のe1からe4を経由してe3までの距離と同じ距離となる位置とする。さらに、第二ストッパ42の位置を、第二折りニップN2から第二ストッパ42までの距離が、図5(e)中のe3からe4までの距離と同じ距離となる位置とする。
e3の部分に一回目の折りが行われた後、用紙はe3の部分が搬送方向の前端となって搬送され、第一折りニップN1を通過して直送爪25で入口が塞がれていない状態の第三搬送路3に進入し、用紙の前端となっているe3の部分が第二ストッパ42に突き当たる。
単純四つ折りが完了した後の用紙は、e4及びe5が重なった折り目が前端となって、第二折りニップN2を通過し、第二切替爪22によって第五搬送路5に案内され、第五搬送路5を通過した後、折り増し部でもある第七搬送路7を通過する。
第七搬送路7以降の搬送経路は上述したZ折りモードと同様であり、第三切替爪23によって、第二水平搬送路14へ、さらに、第四切替爪24によって、第十一搬送路11へ導かれると、用紙は、用紙収容部排紙搬送路12を通過して、装置上部の用紙収容部31にスタックされる。
また、後処理を行う場合は、用紙は、第三切替爪23によって第九搬送路9に案内され、用紙搬出口102から後処理装置(不図示)へ搬送される。
次に、図5(f)に示す観音四つ折りを行う観音四つ折りモードについて説明する。
観音四つ折りモードのときには、第一切替爪21の下方切替爪21aは搬送路を塞ぐ位置とし、折りブレード32の位置は図3に示すようにホームポジションとする。また、直送爪25は、図2(a)に示すように用紙の搬送路に出ない位置とし、第二切替爪22は第五搬送路5の入口を塞いで、用紙を第四搬送路4にガイドする位置とする。
また、第一ストッパ41の位置を、第一折りニップN1から第一ストッパ41までの距離が、図5(f)中のf1からf3及びf5を経由してf4までの距離と同じ距離となる位置とする。また、第二ストッパ42の位置を、第二折りニップN2から第二ストッパ42までの距離が、図5(f)中のf4からf5を経由してf3までの距離と同じ距離となる位置とする。さらに、第三ストッパ43の位置を、第三折りニップN3から第三ストッパ43までの距離が、図5(f)中のf3からf5までの距離と同じ距離となる位置とする。
f4の部分に一回目の折りが行われた後、用紙はf4の部分が搬送方向の前端となって搬送され、第一折りニップN1を通過して直送爪25で入口が塞がれていない状態の第三搬送路3に進入し、用紙の前端となっているf4の部分が第二ストッパ42に突き当たる。
用紙の前端であるf3が第三ストッパ43に突き当たった状態で、第四搬送路内搬送ローラ154及び第四折りローラ54等が用紙に搬送力を付与することで用紙のf5の部分に撓みができる。用紙が撓んだ状態でさらに搬送力を付与することで撓みが大きくなり、用紙のf5の部分が第三折りニップN3に進入し、図5(f)中のf5で示す部分に三回目の折りが行われる。
観音四つ折りが完了した後の用紙は、折り目f5の部分が前端となって第六搬送路6を通過し、折り増し部でもある第七搬送路7を通過する。
第七搬送路7以降の搬送経路は上述したZ折りモードと同様であり、第三切替爪23によって、第二水平搬送路14へ、さらに、第四切替爪24によって、第十一搬送路11へ導かれると、用紙は、用紙収容部排紙搬送路12を通過して、装置上部の用紙収容部31にスタックされる。
また、後処理を行う場合は、用紙は、第三切替爪23によって第九搬送路9に案内され、用紙搬出口102から後処理装置(不図示)へ搬送される。
上述した各折りモードは一枚の用紙毎に折りを行うものであったが、本実施形態の用紙折り装置100は、複数枚の用紙を重ねた状態で折りを行う重ね折りを行うことが出来る。
以下、重ね折りの一例として、用紙を三枚重ねた状態で二つ折りを行う重ね二つ折りモードについて説明する。
用紙折り装置100では、用紙を重ねるプレスタックは第一搬送路1及び第二搬送路2で行われる。重ね折りする複数枚の用紙を第一ストッパ41に突き当てた状態でプレスタックし、所定枚数(本例では三枚)のプレスタックが行われた後、第一折りニップN1で重ね折りを行う。
第一ストッパ41に突き当てるため、プレスタックを行っている間の折りブレード32の位置はホームポジションである。
すなわち、一枚目の用紙が第一ストッパ41に突き当たった状態で、二枚目の用紙を搬送するために、上述した二つの搬送路ローラ対で搬送力を付与し続けるとする。このとき、二つの搬送ローラ対には一枚目の用紙の後端側が挟まれているため、二枚目の用紙に搬送力を付与しようとすると、一枚目の用紙にも搬送力が付与される。これにより、二枚目の用紙が搬送される間に一枚目の用紙に撓みが生じ、二枚目の用紙が第一ストッパ41に突き当たる前に、一枚目の用紙の用紙が第一折りニップN1に進入して折られてしまい、所定枚数のプレスタックを行うことが出来なくなるおそれがある。
図6に示すように、移動ローラユニット80は、移動搬送ローラ対81、後端押圧部材82、及び、押圧部材付勢スプリング82bが不図示の共通の支持フレームに取り付けられ、一体的に上下に移動する構成である。移動搬送ローラ対81は不図示の移動搬送ローラ駆動源から駆動が伝達されることで、図6中の矢印で示すように回転し、用紙Pに対して搬送力を付与する部材である。また、後端押圧部材82は、先端が第一ストッパ41に突き当たった状態の用紙Pの後端を押圧する部材である。押圧部材付勢スプリング82bはその一端が後端押圧部材82に固定され他端が移動ローラユニット80の不図示の支持フレームに取り付けられており、後端押圧部材82を図中矢印E方向に付勢する。
さらに、用紙折り装置100は、移動ローラユニット80を搬送方向に沿って昇降させる不図示の移動ローラユニット駆動機構をそなえる。
後端押圧部材82の用紙搬送方向下流側の先端部は、搬送されてくる用紙Pを第一搬送路1の図中左側のガイド板に沿わすようにガイドするガイド面82dと、先端が第一ストッパ41に突き当たったプレスタック済みの用紙Pの後端を第一搬送路1の図中右側のガイド板に向けて押圧する押圧面82cとが形成されている。
重ね折りが選択され、用紙搬入口101から搬入された一枚目の用紙P1が、第一切替爪21によって第一搬送路1に搬送されると、図6(a)に示すように、用紙P1の先端が後端押圧部材82のガイド面82dに突き当たる。そして、押圧部材付勢スプリング82bの付勢力に抗して後端押圧部材82を押し退けて用紙P1は搬送される。このとき、押圧部材付勢スプリング82bの付勢力が強すぎると、用紙が後端押圧部材82を押し退けることが出来ずに座屈し、用紙が搬送できなくなるため、用紙が座屈しない程度の付勢力に設定している。
上述したように、重ね折りを行うモードでは第一ニップ上流側搬送ローラ対91の図中右側のローラと接離ローラ92とを不図示の駆動機構によって図中破線の位置に移動させる。これらのローラ部材は、搬送ローラ対を形成する他方のローラが駆動回転することで従動回転する従動ローラである。そして、重ね折りを行うモードではこれらの従動ローラは、用紙に搬送力を与えないように駆動回転するローラから離れた位置で待機しているので、移動ローラユニット80のガイド面82dを通過した用紙は、第一ストッパ41に向かって滑落する。
図7は、重ね二つ折りモードにおける用紙束Pbに対する折り動作を行うときの第一折りニップN1近傍の説明図である。図7(a)は折り動作開始時の説明図であり、図7(b)は、用紙束Pbが第一折りニップN1に進入する直前の説明図である。図7では、三枚の用紙が重なった用紙束Pbを一本線にて記載している。
その後、所定枚数のプレスタックが終了すると、図中の矢印Aで示す方向に折りブレード32が移動することで、図7(b)で示すように、折りブレード32の先端が用紙束Pbの折り位置に接触し、その折位置を第一折りニップN1に押し込む。このように、用紙束Pbを折り位置から第一折りニップN1に噛み込ませることで用紙束Pbの折り位置に一回目の折りを行う。
このように、用紙束Pbの折り位置に第一折りニップN1で一回目の折りが行われることにより、重ね二つ折りが完了となる。
第二折りニップN2を通過した用紙束Pbは、第二切替爪22によって第五搬送路5に案内され、第五搬送路5を通過した後、折り増し部でもある第七搬送路7を通過する。
第七搬送路7以降の搬送経路は上述した一枚の用紙を折るモードと同様であり、第三切替爪23によって、第二水平搬送路14へ、さらに、第四切替爪24によって、第十一搬送路11へ導かれると、用紙束Pbは、用紙収容部排紙搬送路12を通過して、装置上部の用紙収容部31にスタックされる。また、後処理を行う場合は、用紙束Pbは、第三切替爪23によって第九搬送路9に案内され、用紙搬出口102から後処理装置(不図示)へ搬送される。
その後、折りブレード32は、次にプレスタックされる用紙の一枚目の用紙P1が第一搬送路1を通過する前に、図7(a)で示すように、ホームポジションの位置に戻る。
すなわち、折りブレード32が搬送ガイドとして機能するときに、折りブレード32によってガイドされた用紙が、第一折りローラ51及び第二折りローラ52によって搬送力を付与される第一折りニップN1に到達すると、折りブレード32を用紙の搬送経路から退避させる。
このような動作を繰り返すことで、折りブレード32と用紙の転写面とが接触する機会を減少でき、一枚の用紙を搬送することで付着する付着量を従来よりも減少させ、同じ枚数の用紙を搬送したときに折りブレード32に蓄積される汚れを従来よりも少なくすることが出来る。また、折りブレード32を用紙の搬送経路から退避させたタイミングでは、第一折りローラ51及び第二折りローラ52によって搬送力を付与される第一折りニップN1に用紙が到達している。このため、折りブレード32が用紙の搬送経路から退避して搬送ガイドとして機能しない状態となっても、第一折りローラ51及び第二折りローラ52が搬送力を付与することによって用紙搬送を行うことができる。
図9中の「用紙搬送タイミング」のグラフは、折りブレード32が用紙Pをガイドする搬送路中の図8中のガイド部Hに用紙Pが存在しているタイミングを「用紙有」とし、用紙Pの到達前、または、通過後でガイド部Hに用紙Pが存在していないタイミングを「用紙無」としている。
その後、折りブレード32は、用紙搬送タイミングにおけるの最終紙がガイド部Hを通過するまで、搬送ガイド位置に固定し続け、図9中の(2)で示すように、最終紙の後端がガイド部Hを通過した後、ホームポジション位置へ戻る。
このような従来例では、Z折りモードの開始から最終紙の後端がガイド部Hを通過するまで、折りブレード32を搬送ガイドとして常に使用し続けている。このため、折りブレード32と用紙P上のトナー像との接触機会が増え、用紙P上のトナーが折りブレード32に付着し易くなる。
実施例のZ折りモードにおいては、図9中の(3)で示すように、折りブレード32を搬送ガイドとして使用するために、用紙搬送タイミングで1枚目の用紙Pの先端がガイド部Hに到達する前に、折りブレード32の位置をホームポジション位置から搬送ガイド位置に移動させる。
折りブレード32をホームポジション位置から搬送ガイド位置に移動した後、一枚目の用紙Pの先端がガイド部Hに到達し、折りブレード32にガイドされ、第一折りニップN1に進入する。一枚目の用紙Pの先端が第一折りニップN1に進入すると、図9中の(4)で示すように、折りブレード32の位置を、搬送ガイド位置から図8で示すように搬送される用紙Pと折りブレード32とが接触しない非接触位置(退避位置)まで退避させる。
用紙折り装置100では、用紙Pの搬送速度と、用紙検知センサ33から第一折りニップN1までの距離が解っている。このため、搬送される用紙Pが用紙検知センサ33で検知された後、第一折りニップN1に進入するまでの到達時間が解る。よって、搬送される用紙Pが用紙検知センサ33で検知された後、上記到達時間が経過したことをトリガにして、折りブレード32を用紙との非接触位置(退避位置)へ退避させている。
なお、図9中の(8)に示すように、最終紙の先端が第一折りニップN1に進入すると、折りブレード32は、用紙との非接触位置(退避位置)に戻るのではなく、ホームポジション位置に戻る。
また、本実施形態の用紙折り装置100では、Z折りモードのときに折りブレード32を搬送ガイドとして使用している。折りブレード32を搬送ガイドとして使用する折りモードとしては、Z折りモードに限るものではない。図6(b)で示す二つ折りとは逆側に二つ折りする場合など、平紙の状態で用紙Pを第一折りニップN1に進入させる折りモードであれば、折りブレード32を搬送ガイドとして使用し、図9中の実施例に示すタイミング制御を行うことで、用紙Pに対するトナーの付着を抑制することができる。
2 第二搬送路
3 第三搬送路
4 第四搬送路
5 第五搬送路
6 第六搬送路
7 第七搬送路
8 第八搬送路
9 第九搬送路
10 第十搬送路
11 第十一搬送路
12 用紙収容部排紙搬送路
13 第一水平搬送路
14 第二水平搬送路
21 第一切替爪
21a 下方切替爪
21b 上方切替爪
22 第二切替爪
23 第三切替爪
24 第四切替爪
25 直送爪
25a 直送爪軸
31 用紙収容部
32 折りブレード
33 用紙検知センサ
41 第一ストッパ
42 第二ストッパ
43 第三ストッパ
51 第一折りローラ
52 第二折りローラ
53 第三折りローラ
54 第四折りローラ
55 第五折りローラ
70 折り増しローラ対
80 移動ローラユニット
81 移動搬送ローラ対
82 後端押圧部材
82a 押圧部材回動軸
82b 押圧部材付勢スプリング
82c 押圧面
82d ガイド面
91 第一ニップ上流側搬送ローラ対
92 接離ローラ
100 用紙折り装置
101 用紙搬入口
102 用紙搬出口
154 第四搬送路内搬送ローラ
H ガイド部
N1 第一折りニップ
N2 第二折りニップ
N3 第三折りニップ
P 用紙
Claims (3)
- 搬送されてくる用紙の折り位置に先端部を突き当てるように移動可能な折りブレードと、
互いに当接する一対のローラ部材の当接部が該用紙を挟んで該折りブレードの該先端部と対向する折りローラ対とを有し、
上記折りブレードは、該用紙の該折り位置を該折りローラ対の上記当接部に押し込み、該用紙に対して折りを行う折り部材としての機能と、
上記用紙が搬送されてくる前に該用紙の搬送経路内に移動し、搬送されてくる該用紙に接触して該用紙を該折りローラ対の該当接部、または他の搬送路にガイドする搬送ガイドとしての機能とを備える用紙折り装置において、
上記折りブレードが上記搬送ガイドとして機能するときに、該折りブレードによってガイドされた上記用紙が、該折りブレードよりも下流側の搬送力付与部材を構成する上記一対のローラ部材によって搬送力を付与される位置に到達すると、該折りブレードを該用紙の上記搬送経路から退避させることを特徴とする用紙折り装置。 - 請求項1の用紙折り装置において、
上記折りブレードが上記搬送ガイドとして機能するときに、該折りブレードを上記搬送経路から退避した後、次の用紙の先端が該折りブレードによってガイドされるべき位置に到達する前に、該折りブレードを該搬送ガイドとして機能する位置まで移動させることを特徴とする用紙折り装置。 - 請求項1または2の用紙折り装置において、
上記折りブレードが上記折り部材として機能するときに、搬送中の上記用紙の先端が突き当たることで該用紙の折り位置を決めるストッパ部材に先端が突き当たる前の該用紙が該折りブレードと上記折りローラ対との間を通過するときの該折りブレードの位置をホームポジションとすると、
上記折りブレードが上記搬送ガイドとして機能するときに、上記搬送経路から退避したときの該折りブレードの位置は、該ホームポジションよりも該搬送経路に近い位置であり、該搬送経路を通過する上記用紙に該折りブレードが接触しない位置であることを特徴とする用紙折り装置。
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