JP5500090B2 - 金属パターンの製造方法 - Google Patents
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Description
基板上にアンカー層を形成し、該アンカー層上に無電解めっきの触媒またはその前駆体を含有するインクを付与した後、無電解めっき処理によって金属パターンを形成する金属パターンの製造方法において、
該アンカー層は、重合性組成物を該基板上に付与した後、該重合性組成物を光重合法または熱重合法により重合して形成され、該アンカー層のアセトン抽出法によるゲル分率が95%以上であり、
前記アンカー層上に前記インクを付与したときに、該インクにより該アンカー層を膨潤あるいは溶解させることを特徴とする金属パターンの製造方法。
2.
前記インクとして、前記アンカー層を該インクに25℃で3分間浸漬させた後に、該アンカー層の体積増加若しくは白濁を生じるインク、又は、該アンカー層の質量を減少するインクを用いることを特徴とする前記1に記載の金属パターンの製造方法。
3.
前記インクは、有機溶媒を70質量%以上含有することを特徴とする前記1又は2に記載の金属パターンの製造方法。
前記重合性組成物は、重合性基としてエポキシ基を有する重合性モノマーと、潜在性触媒とを含有することを特徴とする前記1から3のいずれか1項に記載の金属パターンの製造方法。
前記重合性組成物は、重合性基としてエチレン性の不飽和基を有する重合性モノマーを含有し、前記基板上に付与した後、100℃以上の温度で、1分以上の加熱を行うことを特徴とする前記1から3のいずれか1項に記載の金属パターンの製造方法。
前記基板上にアンカー層を形成する工程と、無電解めっき処理を行う工程との間に、前記無電解めっきの触媒またはその前駆体を活性化する活性化工程を有することを特徴とする前記1から5のいずれか1項に記載の金属パターンの製造方法。
2)形成したアンカー層に無電解めっきの触媒またはその前駆体を含有する触媒インクを付与する工程、
3)触媒インクが触媒前駆体の場合、触媒に変換(還元)させる活性化処理、
4)無電解めっき液にて、金属を生成させる無電解めっき処理工程、
により構成される。
更に詳しくは、本発明の金属パターンの製造方法においては、重合性組成物から構成されるアンカー層を重合させる際に、低分子量成分の重合性組成物、あるいは未反応の重合性モノマー成分を減ずることが、優れためっき感度、めっき被膜物性、高温・高湿環境下で保存した際の高い密着強度を維持することができる上で有効であることが判明した。
本発明の金属パターンの製造法方法において、金属パターンを形成する基板としては、絶縁性を備えたものであれば、特に制限はなく、例えば、ガラスやセラミックス等の剛性の強いものから、PET(ポリエチレンテレフタレート)やポリイミドなどの樹脂から構成されるフィルム状のものが挙げられる。
本発明に係るアンカー層は、基板上に重合性組成物を付与した後、アセトン抽出法によるゲル分率が95%以上となる条件で、重合性組成物を光硬化または熱硬化することにより形成することを特徴とする。
本発明に係る重合性組成物とは、紫外線、電子線、可視光等の活性エネルギー線の付与、あるいは加熱等の熱エネルギーの付与により重合し架橋しうる組成物であり、一般的に光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂と称される組成物を用いることができる。これらの重合性組成物を基材上に付与した後、上記手段により重合させることで、強固で高い重合率(ゲル分率)の3次元架橋構造を得ることができるため、優れた耐熱性、耐溶剤性、耐水性を得ることができる。
〈ラジカル重合性組成物〉
本発明においては、光硬化性の重合性組成物の一つとして、ラジカル重合性組成物を用いることが好ましい。ラジカル重合性組成物は、主にラジカル重合性モノマーと、光重合開始剤により構成されている。具体的には、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基などのエチレン付加重合性不飽和基(重合性基)を有するモノマー/オリゴマー/ポリマーと、ラジカル種を発生する光重合開始剤から構成される。
本発明においては、光硬化性の重合性組成物の一つとして、カチオン重合性組成物を用いることが好ましい。カチオン重合性組成物は、主にカチオン重合性モノマーと、光重合開始剤により構成されている。具体的には、エポキシ、オキセタン、ビニルエーテルなどのカチオン重合性基を有するモノマー/オリゴマー/ポリマーと、酸を発生する光重合開始剤から構成されている。
〈エポキシ架橋組成物〉
本発明においては、アンカー層を構成する重合性組成物の一つとして、熱硬化性のエポキシ架橋組成物を用いることが好ましい。エポキシ架橋組成物は、主にエポキシ化合物と、重合開始剤または硬化剤により構成されている。
本発明に係るアンカー層には、上記重合性組成物の他に、必要に応じ、溶剤や、ポリマー化合物、無機フィラー、界面活性剤など、物性調整のために添加することができる。
本発明の金属パターンの製造方法では、基材にアンカー層を形成する際は重合性組成物を、適当な溶剤に溶解、希釈し、湿式塗布法を用いて塗布、乾燥した後、光重合あるいは熱重合することにより形成することができる。
本発明に係るアンカー層においては、本発明に係る重合性組成物と共に、本発明の目的効果を損なわない範囲でポリマーを含有することができ、例えば、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリウレタン、フェノール樹脂などで、これらの共重合体及びこれらの塩が挙げられる。
1)基板とアンカー層のポリマーとの密着性が良好であること、
2)インク中の無電解めっきの触媒あるいはその前駆体とアンカー層のポリマーが吸着性(配位性)を有すること、
から選択することが好ましい。
ポリマーのアンカー層の形成方法としては、ポリマー溶液(分散液)を用い、公知の塗布方式から適宜選択して、基板上に塗布、乾燥して製造することができる。塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、ディップ法などがある。
本発明の金属パターンの製造方法に用いられるインクは、無電解めっきの触媒あるいはその前駆体と溶媒を含有することを特徴の一つとする。
本発明に係る触媒インクが含有する無電解めっきの触媒とは、無電解めっき処理工程において、それ自体が反応活性核となり金属形成するものであり、具体的には、パラジウム、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄などの金属が挙げられる。
本発明に係るインクに適用可能な錯化剤としては、上記パラジウム金属塩と錯体形成可能な化合物が挙げられる。化合物としては、カルボシキ基をもつ有機酸があり、例えば、酢酸、シュウ酸、マロン酸、こはく酸、アジピン酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸などが挙げられる。
本発明に係る触媒インクでは、触媒インク中の無電解めっきの触媒またはその前駆体は、水に対する溶解性が乏しい。特に、パラジウム金属塩においては、無電解めっきするに必要な含有量を溶解することが難しい。従って、pHや添加剤によって溶解させても保存性が悪かったりするので、本発明に係る触媒インクの溶媒としては、水を含有させないことが好ましい。本発明に係る触媒インクでは、触媒溶解性、インク保存性、インク出射性の観点から、有機溶媒を70質量%以上含有させて無電解めっきの触媒またはその前駆体を溶解させた非水系の触媒インクとすることが好ましい。更には、触媒あるいは触媒前駆体に対する溶解性や保存安定性が良好な溶媒を選択することが好ましい。
本発明に係るインクには、必要に応じて、その他の金属パターン形成用インクで従来公知の各種添加剤を含有することができる。例えば、蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、水溶性多価金属塩、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、表面張力調整剤、非抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料等を挙げることができる。
本発明の金属パターンの製造方法は、基板上に、重合性組成物を用いてアンカー層を形成する工程と、無電解めっきの触媒またはその前駆体を含有するインクを基板上に付与する工程と、無電解めっき処理によって金属パターンを形成する無電解めっき工程、と無電解めっき工程で形成した金属膜を厚くしてめっき層(導電膜、最終的な金属パターン)とする電気メッキ工程を基本的な構成要件とし、更に下記の各工程が適宜設けられる。例えば、インクを付与する工程後に乾燥工程を有すること、乾燥工程と無電解めっき処理工程との間に、活性化工程を有すること、乾燥工程と活性化工程との間に、表面処理工程を有することが挙げられる。
(1)基板上に、重合性化合物を用いてゲル分率が95%以上のアンカー層を形成する工程、
(2)無電解めっきの触媒またはその前駆体を含有する触媒インクを付与する工程、
(3)触媒インク表面あるいはアンカー層表面を改質する表面処理工程
(4)触媒インクが触媒前駆体を含有する場合、触媒前駆体を触媒に変換(還元)させる活性化処理工程、
(5)無電解めっき液にて、金属を生成させる無電解めっき処理工程、
(6)電気めっき工程にて、金属パターン部の膜厚を厚くさせる工程、
により、金属パターンが形成される。この際、金属パターンの形成は、必要な部分のみにパターン状に形成する方法であっても、アンカー層全面に金属パターンを形成する方法であっても良い。
アンカー層の形成工程として、前述のように、基板上にコーターを用い、アンカー層塗布液を塗布、乾燥して、アンカー層を全面に形成する。
次いで、触媒インクを付与する工程として、アンカー層上の全面に、コーターを用い触媒インクを付与する。また、アンカー層上に、コーター(例えば、インクジェット記録ヘッド等)を用い、触媒インクを離間した領域を形成するように付与する方法を適用しても良い。
次いで、無電解めっき処理工程(触媒前駆体の場合は、活性化工程)を行う前に、アンカー層あるいは触媒インク付与領域が、めっき液あるいは活性化液に対する表面濡れ性を高めるための親水化処理等の表面処理を施して、表面改質することが好ましい。
次いで、触媒インクが触媒前駆体を含有している場合には、触媒前駆体を無電解めっきが可能な触媒に変換する活性化処理を施す。すなわち、触媒インクが無電解めっき触媒の前駆体を含有している場合には、無電解めっきの触媒に変性させるため、活性化処理工程を無電解めっき処理工程の前に行う。
次いで、触媒に対し無電解めっき処理を施し、アンカー層内に金属部、金属膜を形成する。
最後に、無電解めっき処理で形成した金属膜の膜厚を厚くしてメッキ層(導電膜)を形成する目的などで、無電解めっき処理を行った後、さらに電気めっき処理を行う。
《アンカー層付基板の作製》
(アンカー層付基板1の作製)
〈エチレン性の不飽和基を有する重合性化合物1の合成〉
下記の手順に従って、重合性基としてエチレン性の不飽和基を有する重合性化合物1を合成した。500mlの3つ口フラスコに、エチレングリコールジアセテートを20ml、ヒドロキシエチルアクリレートを7.43g、シアノエチルアクリレートを32.08g添加し、80℃に昇温した後、その中に、油溶性アゾ重合開始剤としてV−601(ジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルイソプロピオネート))の0.737g及びエチレングリコールジアセテートの20mlの混合液を4時間かけて滴下し、滴下終了後、更に3時間反応させた。
上記調製した重合性化合物1を10質量部と、アセトニトリルを90質量部混合して攪拌し、固形分が10質量%のアンカー層塗布液1を調製した。
基板として、ポリイミドフィルム(東レフィルム加工(株)、カプトン100EN 膜厚25μm)を用い、その表面を酸素プラズマ処理した後、アンカー層塗布液1を、乾燥後の膜厚が1.0μmとなるように、スピンコート塗布方式で塗布し、80℃で30分間乾燥した。
次いで、三永電機製のUV照射ランプ(型番:UVF−502S、ランプ:UXM−501MD)を用い、1.5mW/cm2の照射パワー(ウシオ電機製紫外線積算光量計UIT150−受光センサーUVD−S254で照射パワーを測定)、積算光量が500mJ/cm2の条件で紫外線照射を行って、アンカー層1を硬化させた。この硬化条件を、条件Aと称す。
(アンカー層付基板2の作製)
上記アンカー層付基板1の作製において、アンカー層1を、下記の方法に従って形成したアンカー層2に変更した以外は同様にして、アンカー層付基板2を作製した。
上記アンカー層1の形成において、UV照射ランプの照射パワーを、100mW/cm2、積算光量を250mJ/cm2の条件に変更した以外は同様にして、硬化済のアンカー層2を形成した。この形成方法を、条件Bと称す。上記方法で測定したアンカー層2のゲル分率は、95%であった。
上記アンカー層付基板1の作製において、アンカー層1を、下記の方法に従って形成したアンカー層3に変更した以外は同様にして、アンカー層付基板3を作製した。
上記アンカー層1の形成において、アンカー層1の形成条件と同様にしてUV照射ランプによる照射を行って、アンカー層を硬化させた後、更に90℃で30分間の加熱処理(ポストキュア)を施した以外は同様にして、アンカー層3を形成した。この形成方法を、条件Cと称す。上記方法で測定したアンカー層3のゲル分率は、94%であった。
上記アンカー層付基板1の作製において、アンカー層1を、下記の方法に従って形成したアンカー層4に変更した以外は同様にして、アンカー層付基板4を作製した。
上記アンカー層1の形成において、アンカー層1の形成条件と同様にしてUV照射ランプによる照射を行って、アンカー層を硬化させた後、更に100℃で30分間の加熱処理(ポストキュア)を施した以外は同様にして、アンカー層4を形成した。この形成方法を、条件Dと称す。上記方法で測定したアンカー層4のゲル分率は、96%であった。
上記アンカー層付基板1の作製において、アンカー層1を、下記の方法に従って形成したアンカー層5に変更した以外は同様にして、アンカー層付基板5を作製した。
上記アンカー層1の形成において、アンカー層1の形成条件と同様にしてUV照射ランプによる照射を行って、アンカー層を硬化させた後、更に120℃で30分間の加熱処理(ポストキュア)を施した以外は同様にして、アンカー層5を形成した。この形成方法を、条件Eと称す。上記方法で測定したアンカー層5のゲル分率は、97%であった。
上記アンカー層付基板1の作製において、アンカー層1を、下記の方法に従って形成したアンカー層6に変更した以外は同様にして、アンカー層付基板6を作製した。
上記アンカー層1の形成において、アンカー層1の形成条件と同様にしてUV照射ランプによる照射を行って、アンカー層を硬化させた後、更に100℃で30秒の加熱処理(ポストキュア)を施した以外は同様にして、アンカー層6を形成した。この形成方法を、条件Fと称す。上記方法で測定したアンカー層6のゲル分率は、94%であった。
上記アンカー層付基板1の作製において、アンカー層1を、下記の方法に従って形成したアンカー層7に変更した以外は同様にして、アンカー層付基板7を作製した。
上記アンカー層1の形成において、アンカー層1の形成条件と同様にしてUV照射ランプによる照射を行って、アンカー層を硬化させた後、更に100℃で1分間の加熱処理(ポストキュア)を施した以外は同様にして、アンカー層7を形成した。この形成方法を、条件Gと称す。上記方法で測定したアンカー層7のゲル分率は、95%であった。
上記アンカー層付基板1の作製において、アンカー層1を、下記の方法に従って形成したアンカー層8に変更した以外は同様にして、アンカー層付基板8を作製した。
上記アンカー層1の形成において、アンカー層1の形成条件と同様にしてUV照射ランプによる照射を行って、アンカー層を硬化させた後、更に100℃で1時間の加熱処理(ポストキュア)を施した以外は同様にして、アンカー層8を形成した。この形成方法を、条件Hと称す。上記方法で測定したアンカー層8のゲル分率は、97%であった。
上記アンカー層付基板1の作製において、アンカー層1を、下記の方法に従って形成したアンカー層9に変更した以外は同様にして、アンカー層付基板9を作製した。
上記アンカー層1の形成において、アンカー層1の形成条件と同様にしてUV照射ランプによる照射を行って、アンカー層を硬化させた後、更に100℃で5時間の加熱処理(ポストキュア)を施した以外は同様にして、アンカー層9を形成した。この形成方法を、条件Iと称す。上記方法で測定したアンカー層9のゲル分率は、97%であった。
上記アンカー層付基板1の作製において、アンカー層1を、下記の方法に従って形成したアンカー層10に変更した以外は同様にして、アンカー層付基板10を作製した。
上記アンカー層1の形成において、アンカー層1の形成条件と同様にしてUV照射ランプによる照射を行って、アンカー層を硬化させた後、更に100℃で10時間の加熱処理(ポストキュア)を施した以外は同様にして、アンカー層10を形成した。この形成方法を、条件Jと称す。上記方法で測定したアンカー層10のゲル分率は、97%であった。
〔金属パターン1の作製〕
上記作製したアンカー層付基板1を用いて、下記の金属パターンの形成工程に従って、金属パターン1を作製した。
1:触媒インクの付与工程
2:乾燥工程
3:表面処理工程
4:活性化工程
5:無電解めっき工程
6:電気めっき工程
(1:触媒インクの付与工程)
〈触媒インク1の調製〉
下記の各添加剤を混合して、触媒インク1を調製した。
2酢酸エチレン 79.95質量%
t−ブチルアルコール 20質量%
〈触媒インク1の付与〉
上記調製した触媒インク1を、インクジェット記録ヘッドを用いて、前記形成したアンカー層付基板1のアンカー層上に、75μm、100μm、150μm、200μmの各ライン&スペースのパターン描画を行って、試料1を作製した。
上記触媒インク1を付与した後、50℃の温風を、触媒インク付与面へ10分間吹き付けて、乾燥した。
乾燥を行った上記試料1に対し、下記の方法に従って、表面処理方法を施した。
ノニオン性界面活性剤含有のメッキコンディショナー(商品名:PC−321、メルタック社製)の10質量%溶液に、上記試料1を60℃で、5分間浸漬させて、表面処理を施した。
次いで、表面処理を施した試料1に対し、下記の活性化液に35℃で10分間浸漬して、活性化処理を施した。
アルカップMRD2−A(上村工業社製) 18ml
アルカップMRD2−C(上村工業社製) 60ml
純水で1000mlに仕上げた。
下記の無電解銅めっき溶液を、水酸化ナトリウムで、pHを13.0に調整した後、50℃の温度で、5:活性化処理を施した試料1に無電解めっき処理を行い、約0.2μmの膜厚の銅メッキ層を形成した。
メルプレートCU−5100A(メルテックス社製) 60ml
メルプレートCU−5100B(メルテックス社製) 55ml
メルプレートCU−5100C(メルテックス社製) 20ml
メルプレートCU−5100M(メルテックス社製) 40ml
純水で1000mlに仕上げた。
上記無電解めっき処理を施した試料1を電気めっき浴に浸漬し、陽極として銅板を用い、電流密度1.5A/dm2で電気めっきを行い、約15μmの銅膜を形成して、金属パターン1を作製した。
硫酸銅五水塩 60g
硫酸 190g
塩素イオン 50mg
カッパーグリームPCM(メルテックス社製) 5ml
純水で1000mlに仕上げた。
上記金属パターン1の形成において、アンカー層付基板1に代えて、それぞれアンカー層付基板2〜10を用いた以外は同様にして、金属パターン2〜10を作製した。
上記作製した各金属パターンについて、下記の各評価を行った。
各金属パターンの無電解めっき工程まで処理を行った試料について、無電解めっきで形成される銅膜厚が0.3μmに成長するまでの時間を計測し、下記の基準に従って、めっき感度を評価した。
○:0.3μmの銅膜厚の形成が、5分以上、10分未満である
△:0.3μmの銅膜厚の形成が、10分以上、20分未満である
×:0.3μmの銅膜厚の形成が、20分以上もしくは形成できない
〔めっき品質の評価〕
各金属パターンの無電解めっき工程まで処理を行った試料の描画した75μm、100μm、150μm、200μmのライン&スペースパターンについて目視観察し、下記の基準に従って画像品質の評価を行った。
△:無電解めっき終了後のライン&スペースパターンでは、印字部外への異常析出が僅かに発生するが、めっきの光沢低下やクラック等は認められない
×:無電解めっき終了後のライン&スペースパターンでは、印字部外への異常析出、めっきの光沢低下、クラックの発生のいずれか1つが発生している
〔高温・高湿環境下での耐久性(密着耐性)の評価〕
上記作製した各金属パターンを、80℃、90%RHの高温・高湿環境下で7日間保存した後、直ちに、240℃、260℃のホットプレート上で加熱処理を行い、基板と銅めっきパターン間の密着性(ブリスターの発生の有無)を目視観察し、下記の基準に従って、耐久性(密着耐性)の評価を行った。
△:ホットプレート上で240℃に加熱しても、基板と銅めっきパターン間でのブリスターの発生は認められないが、260℃の加熱では、ややブリスターの発生が認められる
×:ホットプレート上で240℃に加熱すると、明らかに基板と銅めっきパターン間でのブリスターの発生は認められる
以上により得られた結果を、表1に示す。
《アンカー層付基板の作製》
(アンカー層付基板11の作製)
〈アンカー層塗布液11の調製〉
下記の各添加剤を混合、溶解して、固形分量が20質量%のアンカー層塗布液11を調製した。
硬化剤:アミン化合物1(4,4−ジアミノフェニルメタン) 2.0質量%
ポリマー:SG−P3(エポシキ基含有アクリル共重合体、ナガセケムテックス社製)
12質量%
メチルエチルケトン 40質量%
トルエン 40質量%
〈アンカー層11の形成〉
基板として、ポリイミドフィルム(東レフィルム加工(株)、カプトン100EN 膜厚25μm)を用い、その表面を酸素プラズマ処理した後、アンカー層塗布液11を、乾燥後の膜厚が5.0μmとなるように、ワイヤーバー塗布方式で塗布し、次いで150℃で1時間の加熱処理を施して、アンカー層を硬化した。
〈アンカー層塗布液12〜20の調製〉
上記アンカー層塗布液11の調製において、エポキシ樹脂の添加量、アミン化合物の種類と添加量、潜在性触媒の種類と添加量、ポリマーの添加量を、それぞれ表2に記載の様に変更した以外は同様にして、アンカー層塗布液12〜20を調製した。
828EL:エピコート828EL(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量186g/eq、ジャパンエポキシレジン社製)
〈硬化剤〉
アミン化合物1:4,4−ジアミノフェニルメタン
アミン化合物2:ジシアンジアミド
〈潜在性触媒〉
潜在性触媒1:2−エチル−4−メチルイミダゾール
潜在性触媒2:2−フェニルイミダゾール
〈ポリマー〉
SG−P3:エポシキ基含有アクリル共重合体、ナガセケムテックス社製
〈アンカー層付基板の作製〉
上記アンカー層付基板11の作製において、アンカー層塗布液11に代えて、それぞれアンカー層塗布液12〜20を用いた以外は同様にして、アンカー層付基板12〜20を作製した。
実施例1に記載の金属パターン1の作製において、アンカー層付基板1に代えて、上記作製したアンカー層付基板11〜20を用いた以外は同様にして、金属パターン11〜20を作製した。
各アンカー層付基板を構成するアンカー層について、実施例1に記載の方法と同様にして、ゲル分率を測定し、得られた結果を、表3に示す。
上記作製した各金属パターンについて、実施例1に記載の方法と同様にして、めっき感度の評価、めっき品質の評価、及び高温・高湿環境下での耐久性(密着耐性)の評価を行い、得られた結果を表3に示す。
Claims (6)
- 基板上にアンカー層を形成し、該アンカー層上に無電解めっきの触媒またはその前駆体を含有するインクを付与した後、無電解めっき処理によって金属パターンを形成する金属パターンの製造方法において、
該アンカー層は、重合性組成物を該基板上に付与した後、該重合性組成物を光重合法または熱重合法により重合して形成され、該アンカー層のアセトン抽出法によるゲル分率が95%以上であり、
前記アンカー層上に前記インクを付与したときに、該インクにより該アンカー層を膨潤あるいは溶解させることを特徴とする金属パターンの製造方法。 - 前記インクとして、前記アンカー層を該インクに25℃で3分間浸漬させた後に、該アンカー層の体積増加若しくは白濁を生じるインク、又は、該アンカー層の質量を減少するインクを用いることを特徴とする請求項1に記載の金属パターンの製造方法。
- 前記インクは、有機溶媒を70質量%以上含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の金属パターンの製造方法。
- 前記重合性組成物は、重合性基としてエポキシ基を有する重合性モノマーと、潜在性触媒とを含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の金属パターンの製造方法。
- 前記重合性組成物は、重合性基としてエチレン性の不飽和基を有する重合性モノマーを含有し、前記基板上に付与した後、100℃以上の温度で、1分以上の加熱を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の金属パターンの製造方法。
- 前記基板上にアンカー層を形成する工程と、無電解めっき処理を行う工程との間に、前記無電解めっきの触媒またはその前駆体を活性化する活性化工程を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の金属パターンの製造方法。
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