JP5494060B2 - スチールコード被覆用ゴム組成物 - Google Patents

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本発明は、スチールコード被覆用ゴム組成物に関し、さらに詳しくは、成形加工性を低下させることなく、かつ老化防止性能とスチールコードとの接着性とを共に向上するようにしたスチールコード被覆用ゴム組成物に関する。
近年、地球環境への配慮及び資源の有効利用の観点から空気入りタイヤを長寿命化すること、すなわちタイヤ耐久性を向上することが求められている。このためタイヤを構成する部材の耐久性を向上すると共に、各部材間の接着性を向上し構造的な破壊を防止することが要求されている。
一般に、空気入りタイヤのベルト層やカーカス層にスチールコードを使用するとき、そのスチールコード被覆用ゴム組成物としては、スチールコードに対する接着性を高くするため、有機酸コバルト塩を配合したものが使用されている(例えば特許文献1参照)。このスチールコード被覆用ゴム組成物は、老化防止性能を高くすることにより耐久性を向上し長寿命化することができる。しかし、ゴム組成物の老化防止性能を高くするためアミン系老化防止剤などの老化防止剤の配合量を増加すると、ゴム組成物とスチールコードとの接着性が低下するという問題があった。このため、被覆用ゴム組成物の長寿命化と接着性とを共に向上することは困難であった。
また、ゴム組成物にナフテン酸コバルトやネオデカン酸コバルトなどの有機酸コバルト塩を配合すると、ゴム粘度が高くなるため成形加工性が悪化するという問題があった。成形加工性は、空気入りタイヤの品質の安定性に影響を及ぼすため耐久性にも大きく関わるので、ゴム粘度が低く成形加工性に優れた被覆用ゴム組成物が求められていた。
特開2005−53953号公報
本発明の目的は、成形加工性を低下させることなく、かつ老化防止性能とスチールコードとの接着性とを共に向上するようにしたスチールコード被覆用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100重量部に対し、有機酸コバルト塩をコバルト量として0.1〜0.3重量部、カテキンを含む茶抽出物を0.01〜5重量部配合すると共に、前記茶抽出物がカテキン及びカテキン以外の茶ポリフェノールを含むことを特徴とする。
前記茶抽出物としては、カテキンを1重量%以上含むものが好ましい。また、前記有機酸コバルト塩は、ホウ素を含むものが好ましい。
このスチールコード被覆用ゴム組成物は、空気入りタイヤに使用するのに好適である。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100重量部に対し、有機酸コバルト塩をコバルト量として0.1〜0.3重量部、カテキン及びカテキン以外の茶ポリフェノールを含む茶抽出物を0.01〜5重量部配合したので、この茶抽出物により、有機酸コバルト塩に基づいて得られる被覆用ゴム組成物とスチールコードとの高いレベルの接着性を阻害することなく、ゴム組成物の老化防止性能を向上することができる。特に、茶抽出物としてカテキン及びカテキン以外の茶ポリフェノールを含むことにより、カテキンだけを配合したときよりもゴム中へのカテキンの分散性を良好にし、カテキンの抗酸化効果をより高くする効果が得られる。また、茶抽出物を配合することにより、有機酸コバルト塩を配合したときに起こるゴム組成物の粘度上昇を抑制するため、成形加工性を向上することができる。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物において、ゴム成分はジエン系ゴムとし、そのジエン系ゴムは、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム及びこれらのゴムを末端変性した変性ゴムから選ばれる少なくとも1種であるようにする。末端変性する官能基としては、例えばカルボニル基、エポキシ基、アミン基、水酸基、アルコキシ基、シリケート等を例示することができる。ジエン系ゴムとしては、好ましくは天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴムがよい。なかでも天然ゴムを用いることにより、ゴム組成物の強度を高くするのでスチールコードとの接着性を高くすることができる。このようなジエン系ゴムは、単独又は複数のブレンドとして使用することができる。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、有機酸コバルト塩を配合することにより、スチールコードに対する接着性を高くする。有機酸コバルト塩の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し、コバルト量として0.1〜0.3重量部、好ましくは0.15〜0.25重量部にする。有機酸コバルト塩のコバルト量としての配合量が、0.1重量部未満であると、初期接着性、老化接着性を十分に向上することができない。また、コバルト量としての配合量が0.3重量部を超えると、ゴム組成物の老化防止性能が悪化すると共に、スチールコードに対する老化接着性が低下する。
有機酸コバルト塩としては、例えばナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ロジン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、トール油酸コバルト、ホウ酸ネオデカン酸コバルト、アセチルアセトナートコバルト等を例示することができる。また、これらの有機酸コバルト塩のなかでも、ホウ素を含む有機酸コバルト塩が好ましく、例えば有機酸の一部をホウ酸等で置き換えた複合塩であるとよい。ホウ素を含有する有機酸コバルト塩はコバルト含量が20〜23重量%であるオルトホウ酸コバルトが好ましい。ホウ素を含有する有機酸コバルト塩としては、例えばローディア社製マノボンドC22.5及びマノボンド680C、Jhepherd社製CoMend A及びCoMend B、大日本インキ化学工業社製YYNBC−II等を例示することができる。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物に配合するカテキン及びカテキン以外の茶ポリフェノールを含む茶抽出物は、酸化防止剤として機能し、ゴム組成物の老化防止性能を、アミン系老化防止剤を配合した場合と同等レベル以上にすることができる。また、カテキンを含む茶抽出物は、アミン系老化防止剤とは異なり、上述した有機酸コバルト塩がゴム組成物とスチールコードとの接着性を高くする作用を阻害することがない。このため、スチールコード被覆用ゴム組成物の老化防止性能を向上すると共に、スチールコードとゴム組成物との接着性を維持・向上することができる。
また、このカテキンを含む茶抽出物は、有機酸コバルト塩を配合したときに起こるゴム組成物のゴム粘度の上昇を抑制し、さらにゴム粘度を低減することがあるため、スチールコード被覆用ゴム組成物の成形加工性を維持・向上することができる。一般に、有機酸コバルト塩を配合したゴム組成物は、混練・混合時に炭素ラジカルが発生しやすいため、ゲル化を起こしやすくなる。このためゴム組成物の粘度が増大して成形加工性が悪化する。これに対し、本発明のゴム組成物は、有機酸コバルト塩と共に、カテキンを含む茶抽出物を配合するようにしたので、カテキンを含む茶抽出物が、混練・混合時に発生する炭素ラジカルを瞬時にトラップすることにより、ゲル化を抑制し、ゴム組成物の粘度上昇を抑制することができる。また、カテキン及びカテキン以外の茶ポリフェノールを含む茶抽出物を配合することにより、ゴム組成物の混練・混合時の分散性を改善するため、ゴム粘度を低減する場合がある。
カテキン及びカテキン以外の茶ポリフェノールを含む茶抽出物の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し0.01〜5重量部、好ましくは0.015〜5重量部、より好ましくは0.05〜3重量部、さらに好ましくは0.1〜2.5重量部である。茶抽出物の配合量が0.01重量部未満であると、老化防止性能を向上しゴム粘度を低くする効果を得ることができない。また、茶抽出物の配合量が5重量部を超えると、老化防止効果及びゴム粘度低減効果が飽和状態になると共にコストが高くなり好ましくない。また配合量が多すぎると混合性が悪化し、カーボンブラックや補強性フィラーの分散性を悪化させるので好ましくない。
本発明で使用する茶抽出物は、茶由来のポリフェノール類を含む。このポリフェノール類はフラボノイドを主成分とし、フラボノイドはフラボン、フラボノール、フラバノール、フラボン配糖体などが例示される。また、複数のフラボノイドが結合することにより縮合型タンニンが生成する。フラボノイドのうちフラバノールが、フラバン−3−オール骨格を有するカテキン類である。
本明細書において、茶抽出物に含まれるポリフェノール類をカテキン及びカテキン以外の茶ポリフェノール類に大別するものとする。本発明のカテキンを含む茶抽出物は、カテキン及びカテキン以外の茶ポリフェノールを含むものである。カテキンとしては、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、遊離型テアフラビン、テアフラビンモノガレートA、テアフラビンジガレートなどが例示される。好ましくは(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピカテキンガレート及び(−)−エピガロカテキンガレートからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むとよい。
また、カテキン以外の茶ポリフェノール類としては、カテキン以外の茶由来のフラボノイド類及びフラボノイド類以外の茶ポリフェノール類であるものとする。これら茶ポリフェノール類を含有することにより、カテキンだけを配合した場合よりもゴム中へのカテキンの分散性を良好にする。このためカテキンの抗酸化効果をより高くすると共に、茶ポリフェノール類の抗酸化効果との相乗効果が期待できる。
本発明において、茶抽出物中のカテキンの含有量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは2〜70重量%、さらに好ましくは5〜50重量%にするとよい。カテキンの含有量が1重量%未満であると、老化防止性能及びゴム粘度を低減する効果を十分に得ることができない。
本発明で使用する茶抽出物は、緑茶、烏龍茶、紅茶から選ばれる少なくとも1種からの抽出物であり、これらの茶葉又は茶葉の粉砕物から、水若しくは熱水、有機溶剤を抽出剤とし5〜60℃の抽出温度で抽出するとよい。有機溶剤としては例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、グリセリンなどが例示される。これらの抽出剤は単独で使用してもよいし、複数を組み合わせて使用してもよい。
茶抽出物は、上記の抽出剤で抽出した画分を使用する。水若しくは熱水、有機溶剤で抽出したときは、その抽出液を茶抽出物としてそのまま使用してもよいが、取扱い性の観点からは、抽出液から噴霧乾燥や凍結乾燥等により水分を除去して粉末状にして使用するとよい。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物に使用する茶抽出物は、上述した茶抽出物をそのまま使用してもよいし、他の天然化合物及び/又は界面活性剤を添加した混合物からなる酸化防止剤として使用してもよい。天然化合物としては、例えばトコフェロール、アスコルビン酸、茶由来のポリフェノールを除いたポリフェノール、植物油、動物油、水等を例示することができる。界面活性剤としては、特に制限されるものではないが、例えばエチレングリコール、グリセリン酸エステル、プロピレングリコール、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合脂肪酸エステル等が好ましく例示される。
このような酸化防止剤は市販されており、例えば太陽化学社製サンフェノンDK(茶由来ポリフェノールが92重量%、ミネラル、灰分などを8重量%含む茶抽出物であり、この茶由来ポリフェノールは茶カテキン74重量%とカテキン以外の茶ポリフェノール類を含む)、サンフラボンHG(茶由来ポリフェノールが89重量%、ミネラル、灰分などを11重量%含む茶抽出物であり、この茶由来ポリフェノールは茶カテキン73重量%とカテキン以外の茶ポリフェノール類を含む)、サンカトールNo1(茶由来ポリフェノールを10重量%含有し、これを界面活性剤で処理したものであり、この茶由来ポリフェノールは茶カテキン70重量%とカテキン以外の茶ポリフェノール類を含む)等を例示することができる。
本発明において、ゴム組成物の老化防止性能とスチールコードとの接着性とを高いレベルで両立するためには、アミン系老化防止剤を配合しないことが好ましい。しかし、ゴム組成物とスチールコードとの初期接着性及び老化接着性を阻害しない限りにおいて、アミン系老化防止剤等の金属被覆用ゴム組成物に一般的に使用される各種老化防止剤を配合してもよい。
スチールコード被覆用ゴム組成物には、カーボンブラックや補強剤(補強性フィラー)、加硫又は架橋剤、可塑剤、カップリング剤などの金属被覆用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、ブラスめっきが施されたスチールコードの被覆ゴムとして好適に使用することができる。特に、このスチールコード被覆用ゴム組成物は、空気入りタイヤのベルト層用、ビードワイヤインシュレーション用、スチール補強層用のブラスめっきされたスチールコードの被覆ゴムに使用される。また、ゴム組成物の粘度を低減する効果を有するため空気入りタイヤの成形加工性が優れる。
このため、本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、優れた成形加工性により品質が安定した製品が得られると共に、被覆ゴムの老化防止性能及びスチールコードと被覆ゴムとの接着性(初期接着性及び老化接着性)が優れるため、タイヤ耐久性を向上するので、タイヤ寿命を長期化することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1,2に示す配合からなる10種類のスチールコード被覆用ゴム組成物(実施例1〜5、比較例1〜5)を、硫黄及び加硫促進剤を除く成分を1.8Lの密閉型ミキサーで3〜5分間混練し、放出したマスターバッチに、硫黄及び加硫促進剤を加えて8インチのオープンロールで混練してスチールコード被覆用ゴム組成物を得た。なお、表1,2において、ジエン系ゴム100重量部に対する各有機酸コバルト塩のコバルト量としての配合量を「Co含有量」の欄に記載すると共に、ジエン系ゴム100重量部に対するカテキンの配合量を「カテキン含有量」の欄に記載した。
得られたスチールコード被覆用ゴム組成物の一部を下記に示すムーニー粘度試験に供した。次いで、ゴム組成物を所定金型で加硫したゴム試験片の老化防止性能、スチールコードを被覆し加硫したときの老化接着性及びベルト層の被覆ゴムとして空気入りタイヤ(サイズ195/65R15)を製作したときの高速耐久性を、それぞれ下記に示す試験方法で評価した。
ムーニー粘度
スチールコード被覆用ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4)を、JIS K6300に準拠してムーニー粘度計にてL型ロータを使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、温度100℃、2rpmの条件で測定した。得られた結果は、比較例1を100とする指数として表1,2に示した。この「ムーニー粘度」の指数が小さいほどゴム粘度が低く、成形加工性が優れることを意味する。
老化防止性能
スチールコード被覆用ゴム組成物を150mm×150mm×2mmの金型中で、160℃、20分間プレス加硫して試験片を作製し、JIS K6251に準拠して、3号型ダンベル試験片を打抜き成形した。各ダンベル試験片を2群に分けその一方の群を70℃で96時間加熱(老化処理)を行った。老化処理前後のダンベル試験片を用いて、温度20℃、引張り速度500mm/分の条件で引張り試験を行ない50%伸張時の引張り応力を測定した。得られた結果は、[(老化処理後の引張り応力−老化処理前の引張り応力)/老化処理前の引張り応力×100]により引張り応力の変化率(%)を算出し、比較例1を100とする指数として表1,2の「老化防止性能」に示した。この指数が小さいほど老化防止性能が優れることを意味する。
老化接着性
得られたスチールコード被覆用ゴム組成物を用いて、厚さ12.5mm、幅12.5mmの未加硫シートを成形した。この未加硫シートの長手方向とブラスめっき処理されたスチールコード(1×6構造、東京製綱社製)とが直交するように、スチールコードを未加硫シートでサンドイッチし、160℃、20分間の条件で加硫し、ASTM D2229に準拠する接着試験片を作製した。各接着試験片を2群に分けその一方の群を70℃で96時間加熱(老化処理)を行った。老化処理前後の接着試験片から、スチールコードを引き抜くときの引抜き力を、ASTM D2229に準拠する条件でスチールコードの引抜き試験を行ない、引抜き力(N)を測定した。得られた結果は、(老化処理後の引抜き力/老化処理前の引抜き力×100)により引抜き力の保持率(%)を算出し、比較例1の値を100とする指数として表1,2の「老化接着性」に示した。この指数が大きいほど老化接着性が優れることを意味する。
高速耐久性
得られた空気入りタイヤをリム(15×6JJ)に装着し、酸素を350kPaの圧力で充填し、80℃で5日間老化させた。その後、空気圧200kPaの空気を充填して、ドラム径1707mmで、JIS D4230に準拠する室内ドラム試験機にかけて、荷重3600Nを負荷し、速度80km/hで2時間走行させた後、速度を120km/hに上げて24時間走行させた。その後、24時間走行する毎に速度を10km/hずつ上げ、タイヤ故障を起こすまでの走行距離を測定した。得られた結果は、比較例1の値を100とする指数として表1,2の「高速耐久性」に示した。この指数が大きいほど高速耐久性が優れることを意味する。
Figure 0005494060
Figure 0005494060
なお、表1,2において使用した原材料の種類を下記に示す。
NR:天然ゴム、TSR−20
カーボンブラック:HAF級カーボンブラック、東海カーボン社製シースト300
亜鉛華:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸YR
老化防止剤:フレキシス社製サントフレックス6PPD
茶抽出物:太陽化学社製サンカトールNo1、茶由来ポリフェノールを10重量%含有しこれを界面活性剤で処理したものであり、その茶由来ポリフェノールが茶カテキン70重量%とカテキン以外の茶ポリフェノール類を含むもの
エピカテキン:ナカライデスク社製(−)−エピカテキン、カテキン99重量%
有機酸Co−1:ナフテン酸コバルト、コバルト含量10重量%、大日本インキ化学工業社製
有機酸Co−2:ステアリン酸コバルト、コバルト含量8重量%、大日本インキ化学工業社製
有機酸Co−3:オルトホウ酸コバルト、コバルト含量22重量%、ローディア社製マノボンドC22.5
不溶性硫黄:四国化成工業社製ミュークロンOT−20(硫黄分80%)
加硫促進剤:大内新興化学工業社製ノクセラーDZ−G
表2から明らかなように、本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物からなる実施例1〜5のゴム組成物は、ムーニー粘度が低く成形加工性が優れると共に、老化防止性能及び老化接着性が優れたものである。またこれらのスチールコード被覆用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、高速耐久性が向上しスチールコードとの接着性が向上したことが認められた。
これに対し、表1から明らかなように、本発明のようにカテキン及びカテキン以外の茶ポリフェノールを含む茶抽出物を配合しなかった比較例1〜5のゴム組成物は、ムーニー粘度、老化防止性能及び老化接着性のいずれかが劣り、またこれらのゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、高速耐久性を改良する効果が得られなかった。特に比較例5で調製したゴム組成物は、エピカテキン(カテキン99重量%)を配合したものであるが、カテキンとカテキン以外の茶ポリフェノールとを共に含む茶抽出物を配合したものではないため、ゴム中へのカテキンの分散性が悪く、ムーニー粘度を低減する効果や抗酸化効果をより高くする効果が得られなかった。

Claims (4)

  1. ジエン系ゴム100重量部に対し、有機酸コバルト塩をコバルト量として0.1〜0.3重量部、カテキンを含む茶抽出物を0.01〜5重量部配合すると共に、前記茶抽出物がカテキン及びカテキン以外の茶ポリフェノールを含むことを特徴とするスチールコード被覆用ゴム組成物。
  2. 前記茶抽出物がカテキンを1重量%以上含むものである請求項1に記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
  3. 前記有機酸コバルト塩がホウ素を含む請求項1又は2に記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
  4. 請求項1,2又は3に記載のスチールコード被覆用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
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