JP5493667B2 - シールリング付転がり軸受 - Google Patents

シールリング付転がり軸受 Download PDF

Info

Publication number
JP5493667B2
JP5493667B2 JP2009231156A JP2009231156A JP5493667B2 JP 5493667 B2 JP5493667 B2 JP 5493667B2 JP 2009231156 A JP2009231156 A JP 2009231156A JP 2009231156 A JP2009231156 A JP 2009231156A JP 5493667 B2 JP5493667 B2 JP 5493667B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
thickness
seal ring
seal
thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009231156A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011080497A (ja
Inventor
貴美子 中井
幸治 早坂
謹次 湯川
陽一 今村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2009231156A priority Critical patent/JP5493667B2/ja
Publication of JP2011080497A publication Critical patent/JP2011080497A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5493667B2 publication Critical patent/JP5493667B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/72Sealings
    • F16C33/76Sealings of ball or roller bearings
    • F16C33/78Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members
    • F16C33/7816Details of the sealing or parts thereof, e.g. geometry, material
    • F16C33/782Details of the sealing or parts thereof, e.g. geometry, material of the sealing region
    • F16C33/7823Details of the sealing or parts thereof, e.g. geometry, material of the sealing region of sealing lips
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/72Sealings
    • F16C33/76Sealings of ball or roller bearings
    • F16C33/78Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members
    • F16C33/784Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted to a groove in the inner surface of the outer race and extending toward the inner race
    • F16C33/7843Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted to a groove in the inner surface of the outer race and extending toward the inner race with a single annular sealing disc
    • F16C33/7853Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted to a groove in the inner surface of the outer race and extending toward the inner race with a single annular sealing disc with one or more sealing lips to contact the inner race
    • F16C33/7856Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted to a groove in the inner surface of the outer race and extending toward the inner race with a single annular sealing disc with one or more sealing lips to contact the inner race with a single sealing lip
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/04Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly
    • F16C19/06Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly with a single row or balls

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)

Description

この発明は、自動車用変速機等、各種回転装置の回転支持部に組み込んだ状態で、回転軸等の回転部材を、ハウジング等の固定部分に回転自在に支持する為に利用する転がり軸受の開口部を塞ぐシールリングを組み込んだシールリング付転がり軸受の改良に関する。
各種回転支持部に組み込む為の軸受として、玉軸受、ころ軸受、円すいころ軸受等の、各種転がり軸受が広く使用されている。又、この様な転がり軸受として、端部開口をシールリングにより塞いだ、シールリング付転がり軸受も、例えば特許文献1〜7に記載される等により、従来から広く知られている。図6〜7は、このうちの特許文献5に記載された、シールリング付転がり軸受の従来構造の1例として、シールリング付の単列深溝型玉軸受を示している。先ず、この従来構造に就いて説明する。
外輪1の内周面中央部に形成した深溝型の外輪軌道2と、内輪3の外周面中央部に形成した深溝型の内輪軌道4との間に、それぞれが転動体である複数個の玉5を、保持器6で保持した状態で、転動自在に設ける事により、前記外輪1と前記内輪3とを、同心に、且つ、相対回転を自在に組み合わせている。又、これら外輪1の内周面と内輪3の外周面との間に存在し、前記各玉5を配置した軸受内部空間7の両端開口部を、それぞれ円輪状のシールリング8、8により塞いでいる。
これら両シールリング8、8はそれぞれ、芯金9と弾性材10とを備える。このうちの芯金9は、鋼板等の金属板に、打ち抜き、曲げ等のプレス加工を施す事により、全体を円輪状としている。又、前記弾性材10は、ゴムの如きエラストマー製で、前記芯金9を包埋した状態で円輪状に成形されて、この芯金9により補強されている。又、前記弾性材10の内外両周縁部のうちの外周縁部は、この芯金9の外周縁よりも径方向外方に少し突出させて、弾性係止部11としている。これに対して、前記弾性材10の内周縁部は、前記芯金9の内周縁よりも径方向内方に十分に突出させて、シールリップ12としている。このシールリップ12は、前記芯金9の内周縁寄り部分に存在する薄肉部13と、この薄肉部13を挟んでこの芯金9と反対側である内周縁部に存在する、この薄肉部13よりも厚肉の頭部14とを備える。尚、前記特許文献5に記載された構造の場合には、この薄肉部13の内側片面に、土手状の流体膜発生部を形成しているが、この様な構造を持たない薄肉部の形状に就いては、例えば特許文献6に記載されている。
上述の様なシールリング8、8を装着すべく、前記外輪1の内周面両端部に係止溝15、15を、それぞれ全周に亙って形成している。又、前記内輪3の外周面両端部に凹溝16、16を、それぞれ全周に亙って形成している。前記両シールリング8、8は、それぞれの外周縁部に設けた弾性係止部11を前記両係止溝15、15に係止すると共に、前記頭部14を前記両凹溝16、16内に進入させ、この頭部14の内側縁をこれら両凹溝16、16の内側面に全周に亙り摺接させた状態に組み立てる。この状態で、前記軸受内部空間7を、外部空間から遮断する。この様なシールリング付転がり軸受を、例えば自動車用変速機のケーシング内に設けた回転支持部に組み込んだ状態で、前記両シールリング8、8は、変速用のギヤの噛み合い部等で発生した摩耗粉等の異物が、前記軸受内部空間7内に入り込む事を防止する。そして、この異物により、前記外輪軌道2及び前記内輪軌道4と前記各玉5の転動面との転がり接触部が損傷する事を防止する。
ところで、近年に於ける省エネルギ化の流れにより、シールリング付転がり軸受の回転抵抗(動トルク)を低く抑える要求が強くなっている。一方、シールリング付転がり軸受の回転抵抗に前記両シールリング8、8の摩擦抵抗が占める割合は相当に大きい。従って、この回転抵抗を低減する為には、この摩擦抵抗を低減する事が効果がある。又、この摩擦抵抗を低くする為には、前記頭部14の内側縁が前記凹溝16の内側面に押し付けられる力を低く抑える事が効果がある。更に、この力を低く抑える為には、前記薄肉部13の厚さ寸法を小さくして、この薄肉部13の剛性を低く抑える事が効果がある。但し、この厚さ寸法を小さくし過ぎると、前記弾性材10の形状精度及び寸法精度の確保が難しくなるだけでなく、この弾性材10の成形時に、前記薄肉部13に欠肉等の欠陥を生じ易くなり、歩留まりの悪化により、シールリング8、8の製造コストが嵩む。即ち、前記弾性材10としては、各種合成ゴムが使用可能であり、そのうちでも、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレン系ゴムが、好ましく使用できる。そして、この様なゴム材料を金型のキャビティ内に送り込む成形により前記弾性材10を造るが、前記厚さ寸法を小さくし過ぎると、この弾性材10の形状精度及び寸法精度を確保しにくくなるだけでなく、前記成形時に前記キャビティ内に前記ゴム材料が行き渡りにくくなって、前記欠陥を生じ易くなる。
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、回転抵抗の低いシールリング付転がり軸受を、シールリングの歩留まりを悪化させる事なく実現すべく発明したものである。
本発明のシールリング付転がり軸受は、内周面に外輪軌道を有し、使用時にも回転しない外輪と、外周面に内輪軌道を有し使用時に回転する内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、前記外輪の内周面と前記内輪の外周面との間に存在してこれら各転動体を設置した空間の端部開口を塞ぐシールリングとを備える。
又、このシールリングは、その外周縁部が、前記外輪の端部内周面に係止固定されており、前述した従来から知られている転がり軸受用シールリングと同様に、円輪状の芯金と、この芯金により補強された円輪状の弾性材とを備える。そして、この弾性材の内周縁部を、前記芯金の周縁よりも径方向内方に突出させると共に、突出した部分をシールリップとしている。このシールリップは、前記芯金の周縁寄り部分に存在する薄肉部と、この薄肉部を挟んでこの芯金と反対側の端縁部に存在する、この薄肉部よりも厚肉の頭部とを備える。
特に、本発明のシールリング付転がり軸受に於いては、前記シールリップの薄肉部の厚さTが、200μm≦T≦1mmである。又、前記シールリップの頭部の厚さが、この薄肉部の厚さTの2倍以上である。又、この薄肉部の内外両周縁部のうちの前記頭部と反対側の周縁部と、前記弾性材のうちでこの薄肉部よりも前記芯金に近い部分に存在する基部との連続部が、この薄肉部の表面側と裏面側とで、径方向にずれており、このずれの量がこの薄肉部の厚さT以上(≧T)である。更に、この薄肉部の内外両側面に沿った方向の長さをLとした場合に、前記厚さTとこの長さLとの比T/Lが、0.25≦T/L≦0.50を満たす。尚、この薄肉部の長さLとは、この薄肉部の厚さTがほぼ一定の部分の、この薄肉部の内外(表裏)両側面に沿った方向の長さを言う。この薄肉部が、中心軸に直交する仮想平面に対し、角度θ(例えば10〜45度)だけ傾斜している場合、前記長さLは、径方向長さLを、この角度θの余弦で除した値(L=L/cosθ)を言う。又、前記薄肉部の内外両周縁部には、それぞれ径方向に隣接する部分とを滑らかに連続させる為の曲面部が存在し、これら各曲面部で厚さが漸次変化するが、前記長さLは、この曲面部のうちで、厚さが一定の部分の厚さの1.2倍以下(≦1.2T)の部分の長さを含む。
尚、前記頭部の厚さを、薄肉部の厚さの2倍以上、5倍以下とし、且つ、この頭部を進入させる凹溝の反対側面に接触しない大きさとする事が好ましい。この頭部の厚さが前記薄肉部の厚さの5倍を越えると、この頭部と凹溝の内面との摺接状態が不安定になる可能性がある。
又、本発明のシールリング付転がり軸受を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、前記シールリングの外周縁部を、外輪の端部内周面に形成した係止溝に係止固定する。又、このシールリングの内周縁部に設けられたシールリップの頭部のうちで少なくとも軸方向の厚さが最も大きくなった部分を、内輪の端部外周面に設けられた凹溝内に、全周に亙って進入させる。
更に、前記外輪及び前記内輪の軸方向に関して、前記シールリップを構成する前記頭部の一側縁を前記凹溝の片側内面に、全周に亙って摺接させる。同じくこの頭部の他側縁をこの凹溝の他側内面に、近接対向させる。
上述の様に構成する本発明によれば、回転抵抗の低いシールリング付転がり軸受を、シールリングの歩留まりを悪化させる事なく実現できる。
即ち、シールリップの基端寄り部分に存在する薄肉部の厚さTと長さLとの比T/Lを、0.50以下としているので、この薄肉部の剛性を低く抑え、前記シールリップの頭部を相手面に押し付ける力(緊迫力)を低く抑えられる。そして、これら頭部と相手面との摩擦係合部に作用する摩擦力を低く抑えて、シールリング付転がり軸受の回転抵抗を低く抑えられる。
しかも、前記比T/Lを0.25以上確保している為、前記薄肉部を含む弾性材の成形時に、この弾性材の形状精度及び寸法精度を確保し易くなるだけでなく、前記薄肉部に欠肉等の欠陥を生じにくくして、シールリングの歩留まりを確保する事により、このシールリングを組み込んだシールリング付転がり軸受の製造コストを抑えられる。
尚、前記薄肉部の厚さTが200μm未満(T<200μm)の場合には、0.25≦T/Lを満たしても、薄肉部に欠肉等の欠陥が発生し易くなる。これに対して、前記厚さTが1mmを超える(T>1mm)と、0.25>T/L≦0.50の場合でも、緊迫力を低く抑えにくくなる場合がある。
又、前記頭部の厚さを、薄肉部の厚さTの2倍以上確保している為、この頭部の強度及び剛性、特に、直径を変化させる方向の力に対する強度及び剛性を確保できる。そして、前記緊迫力を低く抑えるべく、前記薄肉部の厚さTと長さLとの比T/Lを0.25〜0.50の間に規制している為、この薄肉部(特に基端部)と前記頭部との間で、強度並びに剛性のバランスが良好となる。又、前記頭部の厚さを大きくする事により、前記シールリップの頭部の側縁と、内輪の外周面に形成した凹溝の側面との間にラビリンスシールを形成し易くして、シール性能向上の為の設計の自由度が向上する。
又、薄肉部の周縁部と基部との連続部を、この薄肉部の両面同士の間で径方向にずらせている為、この連続部に応力が集中する事を防止して、シールリングの耐久性確保を図れる。
本発明の実施の形態の1例を示す、シールリング付転がり軸受の部分断面図。 シールリングを取り出した状態で示す、部分拡大断面図。 図1のX部拡大図。 シールリングの薄肉部の厚さTと長さLとの比T/Lが、緊迫力に及ぼす影響を示す線図。 シールリングの薄肉部の厚さTと長さLとの比T/Lが、緊迫力及びシールリングの寿命に及ぼす影響を示す線図。 従来から知られているシールリング付転がり軸受の1例を示す部分断面図。 同じくシールリングを取り出して示す部分拡大断面図。
図1〜3は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例の特徴は、回転抵抗の低いシールリング付転がり軸受を、シールリングの歩留まりを悪化させる事なく実現すべく、このシールリングの内周縁部に設けたシールリップ12aの形状及び寸法を工夫した点にある。その他の部分の構成及び作用は、前述の図6〜7に示した、従来から知られているシールリング付の単列深溝型の玉軸受と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例のシールリング付転がり軸受を構成するシールリング8aは、円輪状の芯金9aと、この芯金9aにより補強された円輪状の弾性材10aとを備える。そして、この弾性材10aの外周縁部を前記芯金9aの外周縁よりも径方向外方に少し突出させて弾性係止部11aとしている。これに対して、前記弾性材10aの内周縁部を、前記芯金9aの内周縁よりも径方向内方に十分に突出させて、突出した部分を前記シールリップ12aとしている。このシールリップ12aは、薄肉部13aと頭部14aとを備える。このうちの薄肉部13aは、このシールリップ12aのうちで、前記芯金9aの内周縁寄り部分である、径方向外半部に存在する。これに対して前記頭部14aは、前記薄肉部13aを挟んで前記芯金9aと反対側である、径方向内端縁部に存在する。
このうちの薄肉部13aは、全長に亙りほぼ一定の厚さTを有する。又、前記シールリップ12aの自由状態で、この薄肉部13aは、前記シールリング8aの中心軸に直交する仮想平面αに対し、角度θ分、径方向内方に向かう程外輪1及び内輪3の軸方向中央部に向かう方向に傾斜している。前記シールリング8aを、これら外輪1の端部内周面と内輪3の端部外周面との間に装着した状態で、前記シールリップ12aは、前記頭部14aの内側縁が前記内輪3の表面に押付けられ、前記仮想平面αに対する傾斜角度を小さくする方向に弾性変形する。前記角度θは、この状態での、前記頭部14aの内側縁と前記内輪3の表面との当接圧に影響する。そこで、前記シールリップ12aの自由状態での前記角度θを、10〜45度の範囲に設定する。この角度θが10度未満の場合には、前記当接圧を確保する事が難しくなる(当接圧が不十分となり、シール性能が不足する)。これに対して、前記角度θが45度を超えると、前記当接圧が過大になり易く、シールリング付転がり軸受の回転抵抗を低く抑えにくくなる。又、前記シールリップ12a部分の軸方向寸法が嵩んで、シールリング付転がり軸受の小型化の妨げとなる。
上述の様なシールリップ12aの薄肉部13aの厚さTは、内周縁部から外周縁部までの全長に亙ってほぼ(内外両周縁部と他の部分とを滑らかに連続させる為の曲面部を除き)一定である。この様な薄肉部13aの厚さTと長さLとの比T/Lを、0.25≦T/L≦0.50の範囲に規制している。言い換えれば、前記薄肉部13aの長さLを、厚さTの2〜4倍の範囲に収め{L=(2〜4)Tとし}ている。尚、この薄肉部13aの長さLとは、この薄肉部13aの厚さTがほぼ一定の部分の、この薄肉部13aの内外両側面に沿った方向の長さを言う。本例の場合には、前述した通り、この薄肉部13aが、前記仮想平面αに対し、角度θだけ傾斜している。従って、前記長さLは、この薄肉部13aの径方向長さLを、この角度θの余弦で除した値(L=L/cosθ)を言う。
尚、前記薄肉部13aの内外両周縁部には、それぞれ径方向に隣接する部分とを滑らかに連続させる為の曲面部17a〜17d(図3参照)が存在し、これら各曲面部17a〜17d部分で厚さが漸次変化する。前記長さLは、前記薄肉部13aのうちで厚さTが変化しない(一定の)部分だけでなく、前記各曲面部17a〜17dのうちで、厚さが一定の部分の厚さの1.2倍以下(≦1.2T)の部分の長さを含む。
一方、前記頭部14aの厚さT14は、前記薄肉部13aの厚さTの2倍以上、5倍以下{T14=(2〜5)T}に規制している。
又、本例の場合には、前記薄肉部13aの外周縁部と、前記弾性材10aのうちで前記芯金9aの内周縁近傍部分に存在する基部18との連続部(曲面部17a、17b)を、前記薄肉部13aの表面側と裏面側とで径方向にずらせている。即ち、この薄肉部13aの表面側と前記基部18の外半部とを連続させる曲面部17aを、この薄肉部13aの裏面側とこの基部18の内半部とを連続させる曲面部17bよりも、径方向内方に、長さL17分だけずらせて位置させている。この様に、これら両曲面部17a、17bを径方向にずらせる量(長さL17)は、前記薄肉部13aの厚さTの2倍以上、5倍以下{L17=(2〜5)T}としている。
上述の様なシールリング8aは、外周縁部に設けた弾性係止部11aを外輪1の端部内周面に設けた係止溝15aに係止すると共に、前記頭部14aを、内輪3の端部外周面に設けた凹溝16a内に、全周に亙って進入させる。この状態で、前記頭部14aの内側縁を、この凹溝16aのうちの内側内面に全周に亙って摺接させると共に、この頭部14aの外側縁を、この凹溝16aのうちの外側内面に、全周に亙って近接対向させる。又、前記基部18の一部にこの頭部14aの外側に隣接して設けた、突条19の先端縁(内周縁)を、前記内輪3のうちで前記凹溝16aの外側に隣接した部分の外周面に、全周に亙って近接対向させている。そして、これら2箇所の近接対向させた部分を、それぞれラビリンスシールとしている。
上述の様に構成する本例の構造によれば、回転抵抗の低いシールリング付転がり軸受を、前述した理由により、シールリング8aの歩留まりを悪化させる事なく実現できる。
又、前記頭部14aの厚さを適切に規制しているので、シールリップ12aの強度並びに剛性のバランスが良好になると共に、シール性能向上の為の設計の自由度の向上を図れる。
又、前記薄肉部13aの外周縁部と前記基部18との連続部である曲面部17a、17bを、この薄肉部13aの両面同士の間で径方向にずらせているので、この連続部に応力が集中する事を防止し、この連続部に亀裂等の損傷が発生しにくくして、前記シールリング8aの耐久性確保を図れる。
更に、前記頭部14aを前記凹溝16a内に、全周に亙って進入させる事により、前記シールリング8aの内径寄り部分がこの凹溝16aの内側側面から離れる方向に変位する事を抑えて、このシールリング8aの姿勢を安定させ、このシールリング8aによるシール性能を、良好に、且つ、安定させられる。更に、前記両部にラビリンスシールを構成して、このシール性能のより一層の向上を図れる。
本発明の効果を確認する為に行った実験に就いて、図4〜5により説明する。第一の実験では、シールリング付転がり軸受に組み込むシールリングを構成するシールリップの基半部に存在する薄肉部の厚さTと長さLとの比T/Lが、このシールリップの先半部に存在する頭部の相手面に対する緊迫力の大きさに及ぼす影響を測定した。前記薄肉部としては、長さLが600μmのものと300μmのものとの、2種類を用意した。又、何れの場合も、前記頭部と相手面との接触部の締め代(この頭部の側縁部分での前記シールリップの弾性変形量。初期値)は、150μm、250μm、350μmの3段階に変化させた。
この様にして行った実験の結果を、図4の(A)(B)に示す。このうちの(A)は前記長さLが600μmの場合に就いて、(B)は同じく300μmの場合に就いて、それぞれ示している。これら図4の(A)(B)に示した6種類の曲線は、何れも、横軸に表した比T/Lが0.5以下となる部分に変曲点が存在する。この事から、この比T/Lを0.5以下に抑えれば、前記緊迫力の増大を抑えられる事が分かる。又、この比T/Lを0.5以下に抑えれば、締め代の変化量に対する緊迫力の変化量を低く抑えられて、この締め代を厳密に規制しなくても、所望の緊迫力、延いては所望のシール性能を得られる事も分かる。
又、第二の実験では、前記比T/Lが、このシールリップの先半部に存在する頭部の相手面に対する緊迫力の大きさに及ぼす影響と共に、このシールリップの寿命に及ぼす影響に就いて測定した。前記薄肉部としては、長さLが600μmのものと300μmのものとの、2種類を用意した。但し、寿命に就いては、この長さLが600μmのもののみに就いて測定した。又、何れの場合も、前記頭部と相手面との接触部の締め代は、250μmとした。実験結果を示す図5から明らかな通り、前記比T/Lを0.25以上確保すれば、前記シールリップの寿命を十分に確保できる。
本発明は、シールリングを構成するシールリップの薄肉部の厚さが200μm〜1mm程度である、小型のシールリングを組み込んだシールリング付転がり軸受に適用した場合に、特段の効果を得られる。従って、転がり軸受としては、小型の玉軸受が主となるが、ころ軸受、円すいころ軸受等、他の型式の転がり軸受への適用を排除するものではない。
1 外輪
2 外輪軌道
3 内輪
4 内輪軌道
5 玉
6 保持器
7 軸受内部空間
8、8a シールリング
9、9a 芯金
10、10a 弾性材
11、11a 弾性係止部
12、12a シールリップ
13、13a 薄肉部
14、14a 頭部
15、15a 係止溝
16、16a 凹溝
17a、17b、17c、17d 曲面部
18 基部
19 突条
特開平7−139553号公報 特開平10−339329号公報 特開2001−140907号公報 特開2001−200857号公報 特開2004−257421号公報 特開2005−54909号公報 特開2007−132428号公報

Claims (2)

  1. 内周面に外輪軌道を有し、使用時にも回転しない外輪と、外周面に内輪軌道を有し使用時に回転する内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、前記外輪の内周面と前記内輪の外周面との間に存在してこれら各転動体を設置した空間の端部開口を塞ぐシールリングとを備えており、
    このシールリングは、その外周縁部が、前記外輪の端部内周面に係止固定されており、円輪状の芯金と、この芯金により補強された円輪状の弾性材とを備え、この弾性材の内周縁部を、前記芯金の周縁よりも径方向内方に突出させると共に、突出した部分を、この芯金の周縁寄り部分に存在する薄肉部と、この薄肉部を挟んでこの芯金と反対側の端縁部に存在する、この薄肉部よりも厚肉の頭部とを備えたシールリップとしたものであるシールリング付転がり軸受に於いて
    前記シールリップの薄肉部の厚さTが、200μm≦T≦1mmであり、
    前記頭部の厚さが、前記薄肉部の厚さTの2倍以上であり、
    この薄肉部の内外両周縁部のうちの前記頭部と反対側の周縁部と、前記弾性材のうちでこの薄肉部よりも前記芯金に近い部分に存在する基部との連続部が、この薄肉部の表面側と裏面側とで、径方向にずれており、このずれの量が薄肉部の厚さT以上であり、
    この薄肉部の内外両側面に沿った方向の長さをLとした場合に、前記厚さTとこの長さLとの比T/Lが、0.25≦T/L≦0.50を満たす事を特徴とするシールリング付転がり軸受
  2. シールリングの外周縁部が、外輪の端部内周面に形成された係止溝に係止固定されており、このシールリングの内周縁部に設けられたシールリップの頭部のうちで少なくとも軸方向の厚さが最も大きくなった部分が、内輪の端部外周面に設けられた凹溝内に、全周に亙って進入しており、
    前記外輪及び前記内輪の軸方向に関して、前記シールリップを構成する前記頭部の一側縁が凹溝の片側内面に、全周に亙って摺接しており、同じくこの頭部の他側縁がこの凹溝の他側内面に、近接対向している、請求項1に記載したシールリング付転がり軸受。
JP2009231156A 2009-10-05 2009-10-05 シールリング付転がり軸受 Active JP5493667B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009231156A JP5493667B2 (ja) 2009-10-05 2009-10-05 シールリング付転がり軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009231156A JP5493667B2 (ja) 2009-10-05 2009-10-05 シールリング付転がり軸受

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011080497A JP2011080497A (ja) 2011-04-21
JP5493667B2 true JP5493667B2 (ja) 2014-05-14

Family

ID=44074759

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009231156A Active JP5493667B2 (ja) 2009-10-05 2009-10-05 シールリング付転がり軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5493667B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6331754B2 (ja) 2013-07-09 2018-05-30 日本精工株式会社 シールリング付玉軸受
JP6504060B2 (ja) * 2014-02-17 2019-04-24 日本精工株式会社 クリーナ用単列玉軸受
JP6501823B2 (ja) 2017-05-23 2019-04-17 Ntn株式会社 軸受シール構造、プーリ軸受、および軸受シールの設計方法
CN109624327A (zh) * 2018-12-19 2019-04-16 上海汉邦联航激光科技有限公司 3d打印薄壁零件的支撑结构

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59112028U (ja) * 1983-12-27 1984-07-28 日本精工株式会社 ころがり軸受の密封装置
JP3062673B2 (ja) * 1993-11-19 2000-07-12 光洋精工株式会社 外輪回転転がり軸受の密封装置
JP2003322163A (ja) * 2002-04-30 2003-11-14 Nok Corp 動圧流体軸受用シール
JP2006336734A (ja) * 2005-06-01 2006-12-14 Nsk Ltd 密封装置付き転がり軸受
DE102005029936B4 (de) * 2005-06-28 2016-01-07 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Abgedichtetes Wälzlager
JP2007132428A (ja) * 2005-11-10 2007-05-31 Nachi Fujikoshi Corp 転がり軸受

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011080497A (ja) 2011-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2128501B1 (en) Hermetic sealing device
JP5920443B2 (ja) シールリング付き転がり軸受
JPWO2003069177A1 (ja) 密封装置とこれを組み込んだ転がり軸受及びハブユニット
US9850955B2 (en) Outer race rotation bearing
WO2018216494A1 (ja) 軸受シール構造、プーリ、および軸受シールの設計方法
JP4953022B2 (ja) 軸受用密封装置
EP2469110B1 (en) Sealing device and rolling bearing device provided with sealing device
JP5493667B2 (ja) シールリング付転がり軸受
JP5471265B2 (ja) シールリング付転がり軸受
JP6532651B2 (ja) シールリング付転がり軸受
JP6930027B2 (ja) 密封装置
JP2009074589A (ja) 密封装置
JP2006214533A (ja) スラスト円筒ころ軸受
JP2009216140A (ja) 軸受用密封装置
JP2019157884A (ja) オイルシール及びシール付軸受
JP4506262B2 (ja) 転がり軸受ユニットの密封手段転がり軸受ユニット
WO2022065194A1 (ja) 玉軸受及びプーリ
WO2016175027A1 (ja) 密封形転がり軸受
JP7137310B2 (ja) 転がり軸受およびその設計方法
JP2004144107A (ja) 転がり軸受密封装置
JP2013036493A (ja) 転がり軸受
JP2006022867A (ja) 密封板付転がり軸受
JP2006161876A (ja) 転がり軸受
JP2004183686A (ja) 転がり軸受及びシール装置
JP2005265083A (ja) 玉軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120815

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130409

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130702

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130830

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5493667

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250