JP5493015B2 - クラッチ切替装置およびクラッチ切替装置を備えたツインクラッチ式変速機 - Google Patents
クラッチ切替装置およびクラッチ切替装置を備えたツインクラッチ式変速機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5493015B2 JP5493015B2 JP2012557771A JP2012557771A JP5493015B2 JP 5493015 B2 JP5493015 B2 JP 5493015B2 JP 2012557771 A JP2012557771 A JP 2012557771A JP 2012557771 A JP2012557771 A JP 2012557771A JP 5493015 B2 JP5493015 B2 JP 5493015B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- clutch
- slider
- switching device
- screw
- male screw
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D23/00—Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
- F16D23/12—Mechanical clutch-actuating mechanisms arranged outside the clutch as such
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D21/00—Systems comprising a plurality of actuated clutches
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D21/00—Systems comprising a plurality of actuated clutches
- F16D21/02—Systems comprising a plurality of actuated clutches for interconnecting three or more shafts or other transmission members in different ways
- F16D21/06—Systems comprising a plurality of actuated clutches for interconnecting three or more shafts or other transmission members in different ways at least two driving shafts or two driven shafts being concentric
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D28/00—Electrically-actuated clutches
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D21/00—Systems comprising a plurality of actuated clutches
- F16D21/02—Systems comprising a plurality of actuated clutches for interconnecting three or more shafts or other transmission members in different ways
- F16D21/06—Systems comprising a plurality of actuated clutches for interconnecting three or more shafts or other transmission members in different ways at least two driving shafts or two driven shafts being concentric
- F16D2021/0646—Electrically actuated clutch with two clutch plates
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D23/00—Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
- F16D23/12—Mechanical clutch-actuating mechanisms arranged outside the clutch as such
- F16D2023/123—Clutch actuation by cams, ramps or ball-screw mechanisms
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Electromagnetism (AREA)
- Mechanical Operated Clutches (AREA)
- Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
Description
本発明は、クラッチ切替装置およびツインクラッチ式変速機に関するものである。
従来、この種のクラッチ切替装置としては、特許文献1に開示されているように、第1クラッチに結合された第1レリーズベアリングと、第2クラッチに結合された第2レリーズベアリングと、第1クラッチが接続された第1入力軸と第2クラッチが接続された第2入力軸との両軸の外周に同軸的に配置され、かつ、変速機ハウジングに固定配置された固定スリーブと、固定スリーブの内周に回転可能に支持された第1駆動スリーブと、この第1駆動スリーブの内周側にネジ係合されると共に先端に第2レリーズベアリングが連結された第1被動スリーブと、固定スリーブの外周に回転可能に支持された第2駆動スリーブと、この第2駆動スリーブの外周側にネジ係合されると共に先端に第1レリーズベアリングが連結された第2被動スリーブと、第1駆動スリーブを駆動する第1モータと、第2駆動スリーブを駆動する第2モータと、を備えるものが提案されている。
この装置では、各モータにより第1駆動スリーブおよび第2駆動スリーブを独立に回転駆動するだけで、第1被動スリーブおよび第2被動スリーブを介して第1レリーズベアリングおよび第2レリーズベアリングに結合された第1クラッチおよび第2クラッチの入り切りを行う。
特開2009−281570号公報
この装置では、各モータにより第1駆動スリーブおよび第2駆動スリーブを独立に回転駆動するだけで、第1被動スリーブおよび第2被動スリーブを介して第1レリーズベアリングおよび第2レリーズベアリングに結合された第1クラッチおよび第2クラッチの入り切りを行う。
上記特許文献1に開示されているクラッチ切替装置では、各クラッチそれぞれに駆動スリーブ,被動スリーブが必要となる他、これらを回転可能に支持する固定スリーブが必要であり、部品点数が多くなってしまう。また、各駆動スリーブ,各被動スリーブおよび固定スリーブが径の太さの順に入れ子状に同軸配置される構成なので、径方向に大型化してしまうという問題点があった。
本発明のクラッチ切替装置は、部品点数を抑えて装置のコンパクト化を図ることを目的の一つとし、この目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のクラッチ切替装置は、部品点数を抑えて装置のコンパクト化を図ることを目的の一つとし、この目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のクラッチ切替装置は、
ケースに回転可能に支持された第1入力軸に動力を伝達可能な第1クラッチと、前記第1入力軸の外周に同軸配置されると共に前記ケースに回転可能に支持された第2入力軸に前記動力を伝達可能な第2クラッチと、を切替可能なクラッチ切替装置であって、
第1雄ネジが外周面に形成された中空軸部を有し、該中空軸部が前記第2入力軸の外周に同軸的に外挿されるよう前記ケースに取付固定された固定スリーブと、
前記第1雄ネジとネジ係合する第1雌ネジが内周面に形成されると共に第2雄ネジが外周面に形成され、前記固定スリーブに対して回転可能かつ軸方向移動可能に該固定スリーブにネジ係合された第1スライダと、
前記第2雄ネジとネジ係合する第2雌ネジが内周面に形成され、前記第1スライダに対して回転可能かつ軸方向移動可能に該第1スライダにネジ係合された第2スライダと、
前記第1クラッチを構成する第1クラッチ部材と前記第2スライダとの間に介在する第1レリーズベアリング部材と、
前記第2クラッチを構成する第2クラッチ部材と前記第1スライダとの間に介在する第2レリーズベアリング部材と、
前記第1スライダおよび前記第2スライダを回転可能なアクチュエータと、
を備えることを要旨とする。
本発明のクラッチ切替装置では、外周面に第1雄ネジが形成された中空軸部が第2入力軸の外周に同軸配置となるように固定スリーブをケースに取付固定し、第1雄ネジとネジ係合する第1雌ネジが内周面に形成されると共に第2雄ネジが外周面に形成された第1スライダを固定スリーブに対して回転可能かつ軸方向移動可能にネジ係合するとともに、第2雄ネジとネジ係合する第2雌ネジが内周面に形成された第2スライダを第1スライダに対して回転可能かつ軸方向移動可能にネジ係合して、アクチュエータによって第1スライダや第2スライダを回転することにより、第1レリーズベアリング部材や第2レリーズベアリング部材を介して第1クラッチや第2クラッチの開閉を行う。
各クラッチに対応する各スライダと、これらスライダを回転可能かつ軸方向移動に支持する固定スリーブとを設けるだけだから、部品点数を抑えることができる。この結果、装置のコンパクト化を図ることができる。
こうした本発明のクラッチ切替装置において、前記アクチュエータは、前記第1スライダを回転可能な第1電動機と、前記第2スライダを回転可能な第2電動機とを備えるものとすることもできる。
また、前記アクチュエータは、前記第1電動機の回転または前記第2電動機の回転を反転して前記第1スライダまたは前記第2スライダに伝達する反転機構を備えるものとすることもできる。
こうすれば、第1電動機の回転または第2電動機の回転を反転して第1スライダまたは第2スライダに伝達することができる。
また、本発明のクラッチ切替装置において、前記第1電動機および前記第2電動機を駆動制御する駆動制御手段を備え、該駆動制御手段は、前記第1クラッチと前記第2クラッチとを切替える切替指示がなされたとき、前記第1スライダの軸方向移動の移動方向と前記第2スライダの軸方向移動の移動方向とが互いに逆方向となるよう前記第1電動機および前記第2電動機を駆動制御する手段であるものとすることもできる。
こうすれば、第1スライダの軸方向移動の移動方向と第2スライダの軸方向移動の移動方向とが互いに逆方向となるように第1電動機と第2電動機とを駆動制御するだけで第1クラッチと第2クラッチとの切替えを行うことができる。
本発明のクラッチ切替装置において、前記アクチュエータは、前記第1スライダおよび第2スライダを回転可能な電動機と、該電動機の回転を反転して前記第1スライダまたは前記第2スライダに伝達する反転機構とを備えるものとすることもできる。
こうすれば、電動機の回転を反転して第1スライダまたは第2スライダに伝達することができる。
また、本発明のクラッチ切替装置において、前記第1雄ネジおよび前記第1雌ネジと前記第2雄ネジおよび前記第2雌ネジとは、リードが略同じに設定されてなるものとすることができる。
こうすれば、第1スライダが1回転したときに第1スライダが軸方向に移動する距離と、第2スライダが第1スライダ上を1回転したときに第2スライダが軸方向に移動する距離とを同じにすることができる。
また、前記第2雄ネジおよび前記第2雌ネジは、前記第1雄ネジおよび前記第1雌ネジよりも大きなリードに設定されてなるものとすることもできる。
こうすれば、第1スライダが一回転したときに第1スライダが軸方向に移動する距離よりも、第2スライダが第1スライダ上を1回転したときに第2スライダが軸方向に移動する距離の方を大きくすることができる。
さらに、本発明のクラッチ切替装置において、前記第2雄ネジおよび前記第2雌ネジのリードLは、該第2雄ネジおよび該第2雌ネジの有効ネジ径をd、該第2雄ネジと該第2雌ネジとの間の摩擦係数をμとしたときに式L<π・d・μを満足するものとすることもできる。
こうすれば、第2雄ネジと第2雌ネジとのネジ係合が自然に緩むことはない。即ち、第2スライダが第1スライダに対して自然に軸方向移動することはない。
本発明の第2のクラッチ切替装置は、
ケースに回転可能に支持された第1入力軸に動力を伝達可能な第1クラッチと、前記第1入力軸の外周に同軸配置されると共に前記ケースに回転可能に支持された第2入力軸に前記動力を伝達可能な第2クラッチと、を切替可能なクラッチ切替装置であって、
第1雄ネジが外周面に形成されるとともに第1雌ネジが内周面に形成され、回転のみ許容された状態で前記ケースに支持された駆動スリーブと、
前記第1雌ネジとネジ係合する第2雄ネジが外周面に形成され、前記駆動スリーブに対して軸方向移動のみ許容された状態で前記駆動スリーブにネジ係合された第1スライダと、
前記第1雄ネジとネジ係合する第2雌ネジが内周面に形成され、前記駆動スリーブに対して回転可能かつ軸方向移動可能にネジ係合された第2スライダと、
前記第1クラッチを構成する第1クラッチ部材と前記第2スライダとの間に介在する第1レリーズベアリング部材と、
前記第2クラッチを構成する第2クラッチ部材と前記第1スライダとの間に介在する第2レリーズベアリング部材と、
前記駆動スリーブおよび前記第2スライダを回転可能なアクチュエータと、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第2のクラッチ切替装置では、第1雄ネジが外周面に形成されると共に第1雌ネジが内周面に形成された駆動スリーブを回転のみ許容された状態でケースに支持し、第1雌ネジとネジ係合する第2雄ネジが外周面に形成された第1スライダを駆動スリーブに対して軸方向移動のみ許容された状態でネジ係合するとともに、第1雄ネジとネジ係合する第2雌ネジが内周面に形成された第2スライダを駆動スリーブに対し回転可能かつ軸方向移動可能にネジ係合して、アクチュエータによって第1スライダや第2スライダを回転することにより、第1レリーズベアリング部材や第2レリーズベアリング部材を介して第1クラッチや第2クラッチの開閉を行う。
各クラッチに対応する各スライダと、これらスライダを回転可能かつ軸方向移動可能に支持する駆動スリーブとを設けるだけだから、部品点数を抑えることができる。この結果、装置のコンパクト化を図ることができる。
こうした本発明の第2のクラッチ切替装置において、前記アクチュエータは、前記駆動スリーブを回転可能な第1電動機と、前記第2スライダを回転可能な第2電動機を備えるものとすることもできる。
また、前記アクチュエータは、前記第1電動機の回転または前記第2電動機の回転を反転して前記駆動スリーブまたは前記第2スライダに伝達する反転機構を備えるものとすることもできる。
こうすれば、第1電動機の回転または第2電動機の回転を反転して駆動スリーブまたは第2スライダに伝達することができる。
また、本発明の第2のクラッチ切替装置において、前記第1雄ネジと前記第2雌ネジとは、ネジの巻き方向が前記第2雄ネジと前記第1雌ネジのネジの巻き方向とは逆のネジの巻き方向に形成されてなるものとすることもできる。
こうすれば、簡易な構成で第1スライダが軸方向移動する方向と第2スライダが軸方向移動する方向とを逆方向にすることができる。
また、本発明の第2のクラッチ切替装置において、前記第1電動機および前記第2電動機を駆動制御する駆動制御手段を備え、該駆動制御手段は、前記第1クラッチと前記第2クラッチとを切替える切替指示がなされたとき、前記第1スライダの軸方向移動の移動方向と前記第2スライダの軸方向移動の移動方向とが互いに逆方向となるよう前記第1電動機および前記第2電動機を駆動制御する手段であるものとすることもできる。
こうすれば、第1スライダの軸方向移動の移動方向と第2スライダの軸方向移動の移動方向とが互いに逆方向となるように第1電動機と第2電動機とを駆動制御するだけで第1クラッチと第2クラッチとの切替えを行うことができる。
本発明の第2のクラッチ切替装置において、前記アクチュエータは、前記駆動スリーブおよび第2スライダを回転可能な電動機を備えるものとすることもできる。
このアクチュエータが電動機を備える本発明の第2のクラッチ切替装置において、前記電動機は、前記第2スライダを前記駆動スリーブよりも高い回転数で回転してなるものとすることもできる。こうすれば、第2スライダを駆動スリーブよりも高い回転数で回転することができる。
また、本発明の第2のクラッチ切替装置において、前記アクチュエータは、前記電動機の回転を反転して前記駆動スリーブまたは前記第2スライダに伝達する反転機構を備えるものとすることもできる。
こうすれば、電動機の回転を反転して駆動スリーブまたは第2スライダに伝達することができる。
この場合、前記第1雄ネジと前記第2雌ネジとは、ネジの巻き方向が前記第2雄ネジと前記第1雌ネジのネジの巻き方向とは逆のネジの巻き方向に形成されてなるものとすることもできる。
さらに、本発明の第2のクラッチ切替装置において、前記第1雄ネジおよび前記第2雌ネジは、前記第2雄ネジおよび前記第1雌ネジよりも大きなリードに設定されてなるものとすることもできる。
こうすれば、駆動スリーブが一回転したときに第1スライダが軸方向に移動する距離よりも、第2スライダが駆動スリーブ上を1回転したときに第2スライダが軸方向に移動する距離の方を大きくすることができる。
本発明の第2のクラッチ切替装置において、前記第1雄ネジおよび前記第2雌ネジのリードLは、該第1雄ネジおよび該第2雌ネジの有効径をd、該第1雄ネジと該第2雌ネジとの間の摩擦係数をμとしたときに式L<π・d・μを満足するものとすることもできる。
こうすれば、第1雄ネジと第2雌ネジとのネジ係合が自然に緩むことはない。即ち、第2スライダが駆動スリーブに対して自然に軸方向移動することはない。
本発明のツインクラッチ式変速機は、前記第1入力軸に入力された動力を第1変速比に変速する第1動力伝達経路と、前記第2入力軸に入力された前記動力を第2変速比に変速する第2動力伝達経路と、を備えるツインクラッチ式変速機であって、上述した各態様のいずれかの本発明の第1または第2のクラッチ切替装置によって前記第1クラッチと前記第2クラッチとを切替えることにより、前記第1動力伝達経路と前記第2動力伝達経路とを切替えて前記動力を変速して出力軸に伝達してなることを要旨とする。
この本発明のツインクラッチ式変速機では、上述した各態様のいずれかの本発明の第1または第2のクラッチ切替装置によって第1クラッチと第2クラッチとを切替えることにより、第1動力伝達経路と第2動力伝達経路とを切替えて動力を変速して出力軸に伝達するから、本発明の第1または第2のクラッチ切替装置が奏する効果と同様の効果、例えば、部品点数を抑えて、装置のコンパクト化を図ることができる効果などを奏することができる。
ケースに回転可能に支持された第1入力軸に動力を伝達可能な第1クラッチと、前記第1入力軸の外周に同軸配置されると共に前記ケースに回転可能に支持された第2入力軸に前記動力を伝達可能な第2クラッチと、を切替可能なクラッチ切替装置であって、
第1雄ネジが外周面に形成された中空軸部を有し、該中空軸部が前記第2入力軸の外周に同軸的に外挿されるよう前記ケースに取付固定された固定スリーブと、
前記第1雄ネジとネジ係合する第1雌ネジが内周面に形成されると共に第2雄ネジが外周面に形成され、前記固定スリーブに対して回転可能かつ軸方向移動可能に該固定スリーブにネジ係合された第1スライダと、
前記第2雄ネジとネジ係合する第2雌ネジが内周面に形成され、前記第1スライダに対して回転可能かつ軸方向移動可能に該第1スライダにネジ係合された第2スライダと、
前記第1クラッチを構成する第1クラッチ部材と前記第2スライダとの間に介在する第1レリーズベアリング部材と、
前記第2クラッチを構成する第2クラッチ部材と前記第1スライダとの間に介在する第2レリーズベアリング部材と、
前記第1スライダおよび前記第2スライダを回転可能なアクチュエータと、
を備えることを要旨とする。
本発明のクラッチ切替装置では、外周面に第1雄ネジが形成された中空軸部が第2入力軸の外周に同軸配置となるように固定スリーブをケースに取付固定し、第1雄ネジとネジ係合する第1雌ネジが内周面に形成されると共に第2雄ネジが外周面に形成された第1スライダを固定スリーブに対して回転可能かつ軸方向移動可能にネジ係合するとともに、第2雄ネジとネジ係合する第2雌ネジが内周面に形成された第2スライダを第1スライダに対して回転可能かつ軸方向移動可能にネジ係合して、アクチュエータによって第1スライダや第2スライダを回転することにより、第1レリーズベアリング部材や第2レリーズベアリング部材を介して第1クラッチや第2クラッチの開閉を行う。
各クラッチに対応する各スライダと、これらスライダを回転可能かつ軸方向移動に支持する固定スリーブとを設けるだけだから、部品点数を抑えることができる。この結果、装置のコンパクト化を図ることができる。
こうした本発明のクラッチ切替装置において、前記アクチュエータは、前記第1スライダを回転可能な第1電動機と、前記第2スライダを回転可能な第2電動機とを備えるものとすることもできる。
また、前記アクチュエータは、前記第1電動機の回転または前記第2電動機の回転を反転して前記第1スライダまたは前記第2スライダに伝達する反転機構を備えるものとすることもできる。
こうすれば、第1電動機の回転または第2電動機の回転を反転して第1スライダまたは第2スライダに伝達することができる。
また、本発明のクラッチ切替装置において、前記第1電動機および前記第2電動機を駆動制御する駆動制御手段を備え、該駆動制御手段は、前記第1クラッチと前記第2クラッチとを切替える切替指示がなされたとき、前記第1スライダの軸方向移動の移動方向と前記第2スライダの軸方向移動の移動方向とが互いに逆方向となるよう前記第1電動機および前記第2電動機を駆動制御する手段であるものとすることもできる。
こうすれば、第1スライダの軸方向移動の移動方向と第2スライダの軸方向移動の移動方向とが互いに逆方向となるように第1電動機と第2電動機とを駆動制御するだけで第1クラッチと第2クラッチとの切替えを行うことができる。
本発明のクラッチ切替装置において、前記アクチュエータは、前記第1スライダおよび第2スライダを回転可能な電動機と、該電動機の回転を反転して前記第1スライダまたは前記第2スライダに伝達する反転機構とを備えるものとすることもできる。
こうすれば、電動機の回転を反転して第1スライダまたは第2スライダに伝達することができる。
また、本発明のクラッチ切替装置において、前記第1雄ネジおよび前記第1雌ネジと前記第2雄ネジおよび前記第2雌ネジとは、リードが略同じに設定されてなるものとすることができる。
こうすれば、第1スライダが1回転したときに第1スライダが軸方向に移動する距離と、第2スライダが第1スライダ上を1回転したときに第2スライダが軸方向に移動する距離とを同じにすることができる。
また、前記第2雄ネジおよび前記第2雌ネジは、前記第1雄ネジおよび前記第1雌ネジよりも大きなリードに設定されてなるものとすることもできる。
こうすれば、第1スライダが一回転したときに第1スライダが軸方向に移動する距離よりも、第2スライダが第1スライダ上を1回転したときに第2スライダが軸方向に移動する距離の方を大きくすることができる。
さらに、本発明のクラッチ切替装置において、前記第2雄ネジおよび前記第2雌ネジのリードLは、該第2雄ネジおよび該第2雌ネジの有効ネジ径をd、該第2雄ネジと該第2雌ネジとの間の摩擦係数をμとしたときに式L<π・d・μを満足するものとすることもできる。
こうすれば、第2雄ネジと第2雌ネジとのネジ係合が自然に緩むことはない。即ち、第2スライダが第1スライダに対して自然に軸方向移動することはない。
本発明の第2のクラッチ切替装置は、
ケースに回転可能に支持された第1入力軸に動力を伝達可能な第1クラッチと、前記第1入力軸の外周に同軸配置されると共に前記ケースに回転可能に支持された第2入力軸に前記動力を伝達可能な第2クラッチと、を切替可能なクラッチ切替装置であって、
第1雄ネジが外周面に形成されるとともに第1雌ネジが内周面に形成され、回転のみ許容された状態で前記ケースに支持された駆動スリーブと、
前記第1雌ネジとネジ係合する第2雄ネジが外周面に形成され、前記駆動スリーブに対して軸方向移動のみ許容された状態で前記駆動スリーブにネジ係合された第1スライダと、
前記第1雄ネジとネジ係合する第2雌ネジが内周面に形成され、前記駆動スリーブに対して回転可能かつ軸方向移動可能にネジ係合された第2スライダと、
前記第1クラッチを構成する第1クラッチ部材と前記第2スライダとの間に介在する第1レリーズベアリング部材と、
前記第2クラッチを構成する第2クラッチ部材と前記第1スライダとの間に介在する第2レリーズベアリング部材と、
前記駆動スリーブおよび前記第2スライダを回転可能なアクチュエータと、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第2のクラッチ切替装置では、第1雄ネジが外周面に形成されると共に第1雌ネジが内周面に形成された駆動スリーブを回転のみ許容された状態でケースに支持し、第1雌ネジとネジ係合する第2雄ネジが外周面に形成された第1スライダを駆動スリーブに対して軸方向移動のみ許容された状態でネジ係合するとともに、第1雄ネジとネジ係合する第2雌ネジが内周面に形成された第2スライダを駆動スリーブに対し回転可能かつ軸方向移動可能にネジ係合して、アクチュエータによって第1スライダや第2スライダを回転することにより、第1レリーズベアリング部材や第2レリーズベアリング部材を介して第1クラッチや第2クラッチの開閉を行う。
各クラッチに対応する各スライダと、これらスライダを回転可能かつ軸方向移動可能に支持する駆動スリーブとを設けるだけだから、部品点数を抑えることができる。この結果、装置のコンパクト化を図ることができる。
こうした本発明の第2のクラッチ切替装置において、前記アクチュエータは、前記駆動スリーブを回転可能な第1電動機と、前記第2スライダを回転可能な第2電動機を備えるものとすることもできる。
また、前記アクチュエータは、前記第1電動機の回転または前記第2電動機の回転を反転して前記駆動スリーブまたは前記第2スライダに伝達する反転機構を備えるものとすることもできる。
こうすれば、第1電動機の回転または第2電動機の回転を反転して駆動スリーブまたは第2スライダに伝達することができる。
また、本発明の第2のクラッチ切替装置において、前記第1雄ネジと前記第2雌ネジとは、ネジの巻き方向が前記第2雄ネジと前記第1雌ネジのネジの巻き方向とは逆のネジの巻き方向に形成されてなるものとすることもできる。
こうすれば、簡易な構成で第1スライダが軸方向移動する方向と第2スライダが軸方向移動する方向とを逆方向にすることができる。
また、本発明の第2のクラッチ切替装置において、前記第1電動機および前記第2電動機を駆動制御する駆動制御手段を備え、該駆動制御手段は、前記第1クラッチと前記第2クラッチとを切替える切替指示がなされたとき、前記第1スライダの軸方向移動の移動方向と前記第2スライダの軸方向移動の移動方向とが互いに逆方向となるよう前記第1電動機および前記第2電動機を駆動制御する手段であるものとすることもできる。
こうすれば、第1スライダの軸方向移動の移動方向と第2スライダの軸方向移動の移動方向とが互いに逆方向となるように第1電動機と第2電動機とを駆動制御するだけで第1クラッチと第2クラッチとの切替えを行うことができる。
本発明の第2のクラッチ切替装置において、前記アクチュエータは、前記駆動スリーブおよび第2スライダを回転可能な電動機を備えるものとすることもできる。
このアクチュエータが電動機を備える本発明の第2のクラッチ切替装置において、前記電動機は、前記第2スライダを前記駆動スリーブよりも高い回転数で回転してなるものとすることもできる。こうすれば、第2スライダを駆動スリーブよりも高い回転数で回転することができる。
また、本発明の第2のクラッチ切替装置において、前記アクチュエータは、前記電動機の回転を反転して前記駆動スリーブまたは前記第2スライダに伝達する反転機構を備えるものとすることもできる。
こうすれば、電動機の回転を反転して駆動スリーブまたは第2スライダに伝達することができる。
この場合、前記第1雄ネジと前記第2雌ネジとは、ネジの巻き方向が前記第2雄ネジと前記第1雌ネジのネジの巻き方向とは逆のネジの巻き方向に形成されてなるものとすることもできる。
さらに、本発明の第2のクラッチ切替装置において、前記第1雄ネジおよび前記第2雌ネジは、前記第2雄ネジおよび前記第1雌ネジよりも大きなリードに設定されてなるものとすることもできる。
こうすれば、駆動スリーブが一回転したときに第1スライダが軸方向に移動する距離よりも、第2スライダが駆動スリーブ上を1回転したときに第2スライダが軸方向に移動する距離の方を大きくすることができる。
本発明の第2のクラッチ切替装置において、前記第1雄ネジおよび前記第2雌ネジのリードLは、該第1雄ネジおよび該第2雌ネジの有効径をd、該第1雄ネジと該第2雌ネジとの間の摩擦係数をμとしたときに式L<π・d・μを満足するものとすることもできる。
こうすれば、第1雄ネジと第2雌ネジとのネジ係合が自然に緩むことはない。即ち、第2スライダが駆動スリーブに対して自然に軸方向移動することはない。
本発明のツインクラッチ式変速機は、前記第1入力軸に入力された動力を第1変速比に変速する第1動力伝達経路と、前記第2入力軸に入力された前記動力を第2変速比に変速する第2動力伝達経路と、を備えるツインクラッチ式変速機であって、上述した各態様のいずれかの本発明の第1または第2のクラッチ切替装置によって前記第1クラッチと前記第2クラッチとを切替えることにより、前記第1動力伝達経路と前記第2動力伝達経路とを切替えて前記動力を変速して出力軸に伝達してなることを要旨とする。
この本発明のツインクラッチ式変速機では、上述した各態様のいずれかの本発明の第1または第2のクラッチ切替装置によって第1クラッチと第2クラッチとを切替えることにより、第1動力伝達経路と第2動力伝達経路とを切替えて動力を変速して出力軸に伝達するから、本発明の第1または第2のクラッチ切替装置が奏する効果と同様の効果、例えば、部品点数を抑えて、装置のコンパクト化を図ることができる効果などを奏することができる。
図1は、本発明の一実施例であるクラッチ切替装置を搭載したツインクラッチ式変速機1の構成の概略を示す構成図である。
図2は、実施例のツインクラッチ式変速機1の要部を拡大して示す要部拡大図である。
図3は、図2におけるクラッチ切替装置Cをクランク軸10側から見た正面図である。
図4は、クラッチ切替装置Cの要部を拡大して示す要部拡大図である。
図5は、第1クラッチ2aおよび第2クラッチ2bが切替わる状態を示す状態図である。
図6は、第2実施例のクラッチ切替装置CCの要部を拡大して示す要部拡大図である。
図7は、第1クラッチ2aおよび第2クラッチ2bが切替わる状態を示す状態図である。
図8は、変形例のクラッチ切替装置C’の要部を示す要部拡大図である。
図9は、変形例のクラッチ切替装置C’’の要部を示す要部拡大図である。
図2は、実施例のツインクラッチ式変速機1の要部を拡大して示す要部拡大図である。
図3は、図2におけるクラッチ切替装置Cをクランク軸10側から見た正面図である。
図4は、クラッチ切替装置Cの要部を拡大して示す要部拡大図である。
図5は、第1クラッチ2aおよび第2クラッチ2bが切替わる状態を示す状態図である。
図6は、第2実施例のクラッチ切替装置CCの要部を拡大して示す要部拡大図である。
図7は、第1クラッチ2aおよび第2クラッチ2bが切替わる状態を示す状態図である。
図8は、変形例のクラッチ切替装置C’の要部を示す要部拡大図である。
図9は、変形例のクラッチ切替装置C’’の要部を示す要部拡大図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例であるクラッチ切替装置を搭載したツインクラッチ式変速機1の構成の概略を示す構成図であり、図2は、実施例のツインクラッチ式変速機1の要部を拡大して示す要部拡大図である。
実施例のクラッチ切替装置を搭載したツインクラッチ式変速機1は、図1に示すように、第1クラッチ2aと、第2クラッチ2bと、第1クラッチ2aを介して内燃機関(図示せず)のクランクシャフト10に接続された第1入力軸3と、第2クラッチ2bを介して内燃機関(図示せず)のクランク軸10に接続されると共に第1入力軸3に同軸状に外嵌された第2入力軸4と、第1入力軸3および第2入力軸4と平行配置されると共に変速機構TMを介して第1入力軸3および第2入力軸4と接続された出力軸6と、第1クラッチ2aと第2クラッチ2bとの切替えを行う実施例のクラッチ切替装置Cと、これらを収容する変速機ケース1aとを備える。
第1クラッチ2aは、第1入力軸3にスプライン嵌合などによって取付けられた第1クラッチディスクと、この第1クラッチディスクの外周側に取付けられた摩擦材と、この摩擦材を挟み込むように配置されたミッドプレッシャプレート15および第1プレッシャプレート16と、作動板18を介して第1プレッシャプレート16と接続された第1ダイヤフラムスプリング20とから構成されている。
第2クラッチ2bは、第2入力軸4にスプライン嵌合などによって取付けられた第2クラッチディスクと、この第2クラッチディスクの外周側に取付けられた摩擦材と、この摩擦材を挟み込むように配置されたミッドプレッシャプレート15および第2プレッシャプレート17と、第2プレッシャプレート17と接続された第2ダイヤフラムスプリング21とから構成されている。
ミッドプレッシャプレート15は、クランク軸10に取付けられたカバープレート14と一体回転可能なように構成されており、クランク軸10からの動力がカバープレート14を介してミッドプレッシャプレート15に入力される。
作動板18のクランク軸10とは反対側の端部には、内周側に折り曲げられた折曲部19aが形成されている。また、作動板18の内周には、折曲部19aからクランク軸10寄りに離れた位置に折曲部材19bが設けられている。折曲部材19bは、クランク軸10側に突出する突出部19b’と、クランク軸10側とは反対側に突出する突出部19b’’とが、外周から内周に向かって順に形成された断面逆S字状をしており、折曲部19aの内面と折曲部材19bの突出部19b’’との間に第1ダイヤフラムスプリング20が、折曲部材19bの突出部19b’と第2プレッシャプレート17との間に第2ダイヤフラムスプリング21が当接配置している。なお、第2プレッシャプレート17と第2ダイヤフラムスプリング21とは、突出部19b’よりも径方向内側において当接する。
変速機構TMは、第1入力軸3に固定配置された駆動歯車51(1速用),53(3速用)およびリバースドライブギヤ5Rと、第2入力軸4に固定配置された駆動歯車52(2速用),54(4速用)と、これら駆動歯車51,52,53,54およびリバースドライブギヤ5Rと噛合すると共に出力軸6に遊転配置された被駆動歯車71(1速用),72(2速用),73(3速用),74(4速用)およびリバースドリブンギヤ(図示せず)と、出力軸6上であって被駆動歯車71,73間および被駆動歯車72,74間に固定配置された同期装置81,82と、変速機ケース1a内に固定されたリバースアイドラ軸11上を摺動自在に配置されたリバースアイドラギヤ12とから構成されている。
即ち、変速機構TMにより、第1入力軸3に入力された動力の回転速度を奇数変速段(1速,3速)で構成される変速比に変速して出力軸6に伝達する第1動力伝達経路9aと、第2入力軸4に入力された動力の回転速度を偶数変速段(2速,4速)で構成される変速比に変速して出力軸6に伝達する第2動力伝達経路9bとが形成される。
図3は、図2におけるクラッチ切替装置Cをクランク軸10側から見た正面図であり、図4は、クラッチ切替装置Cの要部を拡大して示す要部拡大図である。
クラッチ切替装置Cは、図3および図4に示すように、変速機ケース1aに固定ボルト30により固定取付けされた固定スリーブ22と、固定スリーブ22の外周上にネジ係合された第1スライダ23と、第1スライダ23の外周上にネジ係合された第2スライダ24と、アイドラギヤ機構29を介して第1スライダ23に接続された第1電動機27と、第2スライダ24に接続された第2電動機28と、第1スライダ23と第2ダイヤフラムスプリング21とを連結する第2レリーズベアリング26と、第2スライダ24と第1ダイヤフラムスプリング20とを連結する第1レリーズベアリング25と、クラッチ切替装置Cをコントロールするクラッチ切替用電子制御ユニット13とを備える。
固定スリーブ22は、変速機ケース1aへの取付部としてフランジ状に形成された固定部22aと、固定部22aから突出状に一体形成された内部が中空の中空軸部22bとから構成されており、変速機ケース1aに取付けられた際に中空軸部22bが第2入力軸4の外周に同軸的に配置される。中空軸部22bの外周面には、第1雄ネジ22cが形成されている。
第1スライダ23は、内周面に第1雄ネジ22cとネジ係合する第1雌ネジ23aが形成されると共に外周面に第2雄ネジ23bが形成された筒状軸部230aと、筒状軸部230aの一方の端部に一体形成されたギヤ部230bとから構成されており、ギヤ部230bにはアイドラギヤ機構29の後述するアイドラギヤ29aを介して第1電動機27のピニオンギヤ27aが噛合している。
ここで、第1雄ネジ22cおよび第1雌ネジ23aのリードL1は、実施例では、第1雄ネジ22cおよび第1雌ネジ23aの有効ネジ径をd1、第1雄ネジ22cと第1雌ネジ23aとの間の摩擦係数をμ1としたときに、L1<π・d1・μ1の式を満足するように設定するものとした。なお、第2雄ネジ23bのリードL2は、第1雄ネジ22cのリードL1よりも大きく設定されている(例えば、L2=2×L1)。
第2スライダ24は、内周面に第2雄ネジ23bとネジ係合する第2雌ネジ24aが形成された筒状軸部240aと、筒状軸部240aに一体形成されたギヤ部240bとから構成されており、ギヤ部240bには第2電動機28のピニオンギヤ28aが噛合している。筒状軸部240aのギヤ部240bが形成された側とは反対側端面であって第2雌ネジ部24aよりも径方向外方の位置には、環状溝24bが形成されている。
ここで、第2雄ネジ23bおよび第2雌ネジ24aのリードL2は、実施例では、第2雄ネジ23bおよび第2雌ネジ24aの有効ネジ径をd2、第2雄ネジ23bと第2雌ネジ24aとの間の摩擦係数をμ2としたときに、L2<π・d2・μ2の式を満足するように設定するものとした。なお、第2雌ネジ24aのリードL2は、第1雌ネジ23aのリードL1よりも大きいリード、例えば、L2=2×L1に設定されている。
アイドラギヤ機構29は、変速機ケース1aに固定された固定軸29bと、固定軸29bに回転可能に支持されたアイドラギヤ29aとから構成されており、第1電動機27の回転数を減速するとともに回転方向を反転して第1スライダ23に伝達する。アイドラギヤ機構29により、第1ピニオンギヤ27aからアイドラギヤ29aを介してギヤ部230bに伝達される電動機27の回転数と、第2ピニオンギヤ28aからギヤ部240bに伝達される電動機28の回転数との関係の調整がし易くなる。
第1レリーズベアリング25は、アウターレースと、インナーレースと、アウターレースとインナーレースとの間に介在するボールとから構成されており、第2スライダ24と第1ダイヤフラムスプリング20とを相対回転を許容した状態で連結する。なお、第2スライダ24の筒状軸部240aに形成された環状溝24bの径方向外方側の内壁がアウターレースを構成しており、インナーレースと第1ダイヤフラムスプリング20内周端とが当接する。
第2レリーズベアリング26は、アウターレースと、インナーレースと、アウターレースとインナーレースとの間に介在するボールとから構成されており、第1スライダ23と第2ダイヤフラムスプリング21とを相対回転を許容した状態で連結する。なお、アウターレースが第1スライダ23の筒状軸部230aの先端に取付固定され、インナーレースは第2ダイヤフラムスプリング21の内周端と当接する。
クラッチ切替用電子制御ユニット13は、CPU13aを中心とするマイクロプロセッサにより構成されており、CPU13aの他に処理プログラムやデータなどを記憶するROM13cや一時的にデータを記憶するRAM13bや図示しない入出力ポートおよび通信ポートを備えている。
クラッチ切替用電子制御ユニット13には、第1電動機27および第2電動機28の状態を検出するセンサからの信号が図示しない入力ポートを介して入力されている。例えば、クラッチ切替用電子制御ユニット13には、第1電動機27および第2電動機28の回転数を検出する回転数センサからの電動機軸回転数が図示しない入力ポートを介して入力されている。また、クラッチ切替用電子制御ユニット13からは、第1電動機27および第2電動機28への駆動信号などが図示しない出力ポートを介して出力されている。
次に、こうして構成された実施例のツインクラッチ式変速機1の動作、特に、クラッチ切替装置Cにより第1クラッチ2aおよび第2クラッチ2bが切替えられる際の動作について説明する。
図5は、第1クラッチ2aおよび第2クラッチ2bが切替わる状態を示す状態図である。まず、車両の発進時におけるクラッチの切替えについて説明する。なお、車両が停車時においては両クラッチ2a,2bともに接続が解除されているものとする。
発進時においては、クラッチ切替用電子制御ユニット13は、第2電動機28を駆動制御して第2スライダ24を回転駆動すると共に、第1スライダ23が回転駆動しないように第1電動機27を駆動制御する。
第2スライダ24が回転すると、第2スライダ24は回転が止められている第1スライダ23上を回転しながら両クラッチ2a,2b側(図5中右方向)に軸方向移動して、第1ダイヤフラムスプリング20の内周端を第1レリーズベアリング25を介してバネ力に抗しながら両クラッチ2a,2b側(図5中右方向)に押圧する。
これにより、第1ダイヤフラムスプリング20は、折曲部材19の突出部19b’’を支点に外周側が両クラッチ2a,2b側から離れる方向(図5中左方向)に移動するよう変形し、これに伴い作動板18を介して第1プレッシャプレート16が第1クラッチ2aの第1クラッチディスク側に移動する。こうして、第1クラッチ2aの摩擦材が第1プレッシャプレート16とミッドプレッシャプレート15との間に挟み込まれて、クランク軸10からの動力が第1クラッチ2aを介して第1入力軸3に入力される。
ここで、第1雄ネジ22cおよび第1雌ネジ23aのリードL1と、第2雄ネジ23bおよび第2雌ネジ24aのリードL2とが、L1<π・d1・μ1およびL2<π・d2・μ2の式を満足するような値に設定されているので、第1クラッチ2aの接続が完了した時点で第1電動機27および第2電動機28への通電を止めても、第1スライダ23や第2スライダ24が自然に軸方向移動してクラッチ2a,2bが自然に切替わることはない。この結果、消費電力を節約することができる。
次に、第1クラッチ2aの接続を解除して第2クラッチ2bを接続する際の第1クラッチ2aと第2クラッチ2bとの切替えについて説明する。
第1クラッチ2aの接続を解除して第2クラッチ2bを接続する際には、クラッチ切替用電子制御ユニット13は、第2電動機28を停止あるいは発進時とは逆方向に回転するように駆動制御して、第2スライダ24を発進時とは逆方向に回転駆動すると共に、第1電動機27を第2電動機28と同方向に回転するように駆動制御して第1スライダ23を第2スライダ24とは逆方向に回転駆動する。
これにより、第2スライダ24は第2スライダ24とは逆回転している第1スライダ23上を回転しながら両クラッチ2a,2b側とは反対側(図5中左方向)に軸方向移動し、第1スライダ23は変速機ケース1aに固定された固定スリーブ22上を回転しながら両クラッチ2a,2b側(図5中右方向)に軸方向移動する。ここで、第2雄ネジ23bおよび第2雌ネジ24aのリードL2は、第1雄ネジ22cおよび第1雌ネジ23aのリードL1よりも大きく設定されているので、第2電動機28を停止あるいは第1電動機27よりも小さい電力によって発進時とは逆方向に回転するだけで、第2スライダ24は両クラッチ2a,2b側とは反対側(図5中左方向)に軸方向移動する。
第2スライダ24が両クラッチ2a,2b側とは反対側(図5中左方向)に軸方向移動することにより、第1ダイヤフラムスプリング20の変形が初期状態に戻り、これに伴い作動板18を介して第1プレッシャプレート16が第1クラッチ2aの第1クラッチディスク側から離れて、第1クラッチ2aの接続が解除される。一方、第1スライダ23が両クラッチ2a,2b側(図5中右方向)に軸方向移動することにより、第1スライダ23は第2ダイヤフラムスプリング21の内周端を第2レリーズベアリング26を介してバネ力に抗しながら両クラッチ2a,2b側(図5中右方向)に押圧する。
これにより、第2ダイヤフラムスプリング21は、折曲部材19の突出部19b’を支点にして第2プレッシャプレート17を第2クラッチ2bの第2クラッチディスク側(図5中右方向)に移動する。こうして、第2クラッチ2bの摩擦材が第2プレッシャプレート17とミッドプレッシャプレート15との間に挟み込まれて、クランク軸10からの動力が第2クラッチ2bを介して第2入力軸4に入力される。
続いて、第2クラッチ2bの接続を解除して第1クラッチ2aを接続する際の第1クラッチ2aと第2クラッチ2bとの切替えについて説明する。
第2クラッチ2bの接続を解除して第1クラッチ2aを接続する際には、クラッチ切替用電子制御ユニット13は、第2電動機28を停止あるいは発進時と同じ方向に回転するように駆動制御して第2スライダ24を発進時と同方向に回転駆動すると共に、第1電動機27を第2電動機28と同方向に回転するように駆動制御して第1スライダ23を第2スライダ24とは逆方向に回転駆動する。これにより、第1スライダ23と第2スライダ24とが、上述した第1クラッチ2aの接続を解除して第2クラッチ2bを接続する際とは逆方向に軸方向移動して、第2クラッチ2bの接続が解除されると共に、第1クラッチ2aが接続される。
以上説明した実施例のクラッチ切替装置Cによれば、各クラッチ2a,2bを切替えるために、第2レリーズベアリング26を介して第2クラッチ2bに接続した第1スライダ23を、変速機ケース1aに取付固定した固定スリーブ22上にネジ係合すると共に、第1レリーズベアリング25を介して第1クラッチ2aに接続した第2スライダ24を、第1スライダ23上にネジ係合し、第1電動機27により第1スライダ23を回転駆動すると共に第2電動機28により第2スライダ24を回転駆動して、第1クラッチ2aと第2クラッチ2bとの切替えを行うから、各クラッチ2a,2bを切替えるための部品点数を抑えることができる。この結果、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
また、実施例のクラッチ切替装置によれば、第2雄ネジ23bおよび第2雌ネジ24aのリードL2を、第1雄ネジ22cおよび第1雌ネジ23aのリードL1よりも大きく設定するから、各リードL1,L2を同じ値に設定したときよりも第2電動機28の駆動電力を小さくできる。この結果、消費電力を節約できエネルギー効率を向上することができる。
さらに、実施例のクラッチ切替装置によれば、第1雄ネジ22cおよび第1雌ネジ23aのリードL1と、第2雄ネジ23bおよび第2雌ネジ24aのリードL2とが、L1<π・d1・μ1,L2<π・d2・μ2の式を満足するような値に設定するから、第1クラッチ2aおよび第2クラッチ2bの駆動制御後に第1電動機27および第2電動機28への通電を止めても、第1スライダ23や第2スライダ24が自然に軸方向移動することはない。この結果、消費電力を節約できエネルギー効率を向上することができる。
実施例のクラッチ切替装置Cでは、第2雄ネジ23bおよび第2雌ネジ24aのリードL2は、第1雄ネジ22cおよび第1雌ネジ23aのリードL1よりも大きく設定するものとしたが、第2雄ネジ23bおよび第2雌ネジ24aのリードL2と第1雄ネジ22cおよび第1雌ネジ23aのリードL1とは同じに設定しても構わない。
実施例のクラッチ切替装置Cでは、第1クラッチ2aおよび第2クラッチ2bの駆動制御後、即ち、クラッチ切替動作完了後は、第1電動機27および第2電動機28への通電を止めるものとしたが、クラッチ切替動作完了後も第1電動機27および第2電動機28への通電を継続するものとしても構わない。
実施例のクラッチ切替装置を搭載したツインクラッチ式変速機1は、図1に示すように、第1クラッチ2aと、第2クラッチ2bと、第1クラッチ2aを介して内燃機関(図示せず)のクランクシャフト10に接続された第1入力軸3と、第2クラッチ2bを介して内燃機関(図示せず)のクランク軸10に接続されると共に第1入力軸3に同軸状に外嵌された第2入力軸4と、第1入力軸3および第2入力軸4と平行配置されると共に変速機構TMを介して第1入力軸3および第2入力軸4と接続された出力軸6と、第1クラッチ2aと第2クラッチ2bとの切替えを行う実施例のクラッチ切替装置Cと、これらを収容する変速機ケース1aとを備える。
第1クラッチ2aは、第1入力軸3にスプライン嵌合などによって取付けられた第1クラッチディスクと、この第1クラッチディスクの外周側に取付けられた摩擦材と、この摩擦材を挟み込むように配置されたミッドプレッシャプレート15および第1プレッシャプレート16と、作動板18を介して第1プレッシャプレート16と接続された第1ダイヤフラムスプリング20とから構成されている。
第2クラッチ2bは、第2入力軸4にスプライン嵌合などによって取付けられた第2クラッチディスクと、この第2クラッチディスクの外周側に取付けられた摩擦材と、この摩擦材を挟み込むように配置されたミッドプレッシャプレート15および第2プレッシャプレート17と、第2プレッシャプレート17と接続された第2ダイヤフラムスプリング21とから構成されている。
ミッドプレッシャプレート15は、クランク軸10に取付けられたカバープレート14と一体回転可能なように構成されており、クランク軸10からの動力がカバープレート14を介してミッドプレッシャプレート15に入力される。
作動板18のクランク軸10とは反対側の端部には、内周側に折り曲げられた折曲部19aが形成されている。また、作動板18の内周には、折曲部19aからクランク軸10寄りに離れた位置に折曲部材19bが設けられている。折曲部材19bは、クランク軸10側に突出する突出部19b’と、クランク軸10側とは反対側に突出する突出部19b’’とが、外周から内周に向かって順に形成された断面逆S字状をしており、折曲部19aの内面と折曲部材19bの突出部19b’’との間に第1ダイヤフラムスプリング20が、折曲部材19bの突出部19b’と第2プレッシャプレート17との間に第2ダイヤフラムスプリング21が当接配置している。なお、第2プレッシャプレート17と第2ダイヤフラムスプリング21とは、突出部19b’よりも径方向内側において当接する。
変速機構TMは、第1入力軸3に固定配置された駆動歯車51(1速用),53(3速用)およびリバースドライブギヤ5Rと、第2入力軸4に固定配置された駆動歯車52(2速用),54(4速用)と、これら駆動歯車51,52,53,54およびリバースドライブギヤ5Rと噛合すると共に出力軸6に遊転配置された被駆動歯車71(1速用),72(2速用),73(3速用),74(4速用)およびリバースドリブンギヤ(図示せず)と、出力軸6上であって被駆動歯車71,73間および被駆動歯車72,74間に固定配置された同期装置81,82と、変速機ケース1a内に固定されたリバースアイドラ軸11上を摺動自在に配置されたリバースアイドラギヤ12とから構成されている。
即ち、変速機構TMにより、第1入力軸3に入力された動力の回転速度を奇数変速段(1速,3速)で構成される変速比に変速して出力軸6に伝達する第1動力伝達経路9aと、第2入力軸4に入力された動力の回転速度を偶数変速段(2速,4速)で構成される変速比に変速して出力軸6に伝達する第2動力伝達経路9bとが形成される。
図3は、図2におけるクラッチ切替装置Cをクランク軸10側から見た正面図であり、図4は、クラッチ切替装置Cの要部を拡大して示す要部拡大図である。
クラッチ切替装置Cは、図3および図4に示すように、変速機ケース1aに固定ボルト30により固定取付けされた固定スリーブ22と、固定スリーブ22の外周上にネジ係合された第1スライダ23と、第1スライダ23の外周上にネジ係合された第2スライダ24と、アイドラギヤ機構29を介して第1スライダ23に接続された第1電動機27と、第2スライダ24に接続された第2電動機28と、第1スライダ23と第2ダイヤフラムスプリング21とを連結する第2レリーズベアリング26と、第2スライダ24と第1ダイヤフラムスプリング20とを連結する第1レリーズベアリング25と、クラッチ切替装置Cをコントロールするクラッチ切替用電子制御ユニット13とを備える。
固定スリーブ22は、変速機ケース1aへの取付部としてフランジ状に形成された固定部22aと、固定部22aから突出状に一体形成された内部が中空の中空軸部22bとから構成されており、変速機ケース1aに取付けられた際に中空軸部22bが第2入力軸4の外周に同軸的に配置される。中空軸部22bの外周面には、第1雄ネジ22cが形成されている。
第1スライダ23は、内周面に第1雄ネジ22cとネジ係合する第1雌ネジ23aが形成されると共に外周面に第2雄ネジ23bが形成された筒状軸部230aと、筒状軸部230aの一方の端部に一体形成されたギヤ部230bとから構成されており、ギヤ部230bにはアイドラギヤ機構29の後述するアイドラギヤ29aを介して第1電動機27のピニオンギヤ27aが噛合している。
ここで、第1雄ネジ22cおよび第1雌ネジ23aのリードL1は、実施例では、第1雄ネジ22cおよび第1雌ネジ23aの有効ネジ径をd1、第1雄ネジ22cと第1雌ネジ23aとの間の摩擦係数をμ1としたときに、L1<π・d1・μ1の式を満足するように設定するものとした。なお、第2雄ネジ23bのリードL2は、第1雄ネジ22cのリードL1よりも大きく設定されている(例えば、L2=2×L1)。
第2スライダ24は、内周面に第2雄ネジ23bとネジ係合する第2雌ネジ24aが形成された筒状軸部240aと、筒状軸部240aに一体形成されたギヤ部240bとから構成されており、ギヤ部240bには第2電動機28のピニオンギヤ28aが噛合している。筒状軸部240aのギヤ部240bが形成された側とは反対側端面であって第2雌ネジ部24aよりも径方向外方の位置には、環状溝24bが形成されている。
ここで、第2雄ネジ23bおよび第2雌ネジ24aのリードL2は、実施例では、第2雄ネジ23bおよび第2雌ネジ24aの有効ネジ径をd2、第2雄ネジ23bと第2雌ネジ24aとの間の摩擦係数をμ2としたときに、L2<π・d2・μ2の式を満足するように設定するものとした。なお、第2雌ネジ24aのリードL2は、第1雌ネジ23aのリードL1よりも大きいリード、例えば、L2=2×L1に設定されている。
アイドラギヤ機構29は、変速機ケース1aに固定された固定軸29bと、固定軸29bに回転可能に支持されたアイドラギヤ29aとから構成されており、第1電動機27の回転数を減速するとともに回転方向を反転して第1スライダ23に伝達する。アイドラギヤ機構29により、第1ピニオンギヤ27aからアイドラギヤ29aを介してギヤ部230bに伝達される電動機27の回転数と、第2ピニオンギヤ28aからギヤ部240bに伝達される電動機28の回転数との関係の調整がし易くなる。
第1レリーズベアリング25は、アウターレースと、インナーレースと、アウターレースとインナーレースとの間に介在するボールとから構成されており、第2スライダ24と第1ダイヤフラムスプリング20とを相対回転を許容した状態で連結する。なお、第2スライダ24の筒状軸部240aに形成された環状溝24bの径方向外方側の内壁がアウターレースを構成しており、インナーレースと第1ダイヤフラムスプリング20内周端とが当接する。
第2レリーズベアリング26は、アウターレースと、インナーレースと、アウターレースとインナーレースとの間に介在するボールとから構成されており、第1スライダ23と第2ダイヤフラムスプリング21とを相対回転を許容した状態で連結する。なお、アウターレースが第1スライダ23の筒状軸部230aの先端に取付固定され、インナーレースは第2ダイヤフラムスプリング21の内周端と当接する。
クラッチ切替用電子制御ユニット13は、CPU13aを中心とするマイクロプロセッサにより構成されており、CPU13aの他に処理プログラムやデータなどを記憶するROM13cや一時的にデータを記憶するRAM13bや図示しない入出力ポートおよび通信ポートを備えている。
クラッチ切替用電子制御ユニット13には、第1電動機27および第2電動機28の状態を検出するセンサからの信号が図示しない入力ポートを介して入力されている。例えば、クラッチ切替用電子制御ユニット13には、第1電動機27および第2電動機28の回転数を検出する回転数センサからの電動機軸回転数が図示しない入力ポートを介して入力されている。また、クラッチ切替用電子制御ユニット13からは、第1電動機27および第2電動機28への駆動信号などが図示しない出力ポートを介して出力されている。
次に、こうして構成された実施例のツインクラッチ式変速機1の動作、特に、クラッチ切替装置Cにより第1クラッチ2aおよび第2クラッチ2bが切替えられる際の動作について説明する。
図5は、第1クラッチ2aおよび第2クラッチ2bが切替わる状態を示す状態図である。まず、車両の発進時におけるクラッチの切替えについて説明する。なお、車両が停車時においては両クラッチ2a,2bともに接続が解除されているものとする。
発進時においては、クラッチ切替用電子制御ユニット13は、第2電動機28を駆動制御して第2スライダ24を回転駆動すると共に、第1スライダ23が回転駆動しないように第1電動機27を駆動制御する。
第2スライダ24が回転すると、第2スライダ24は回転が止められている第1スライダ23上を回転しながら両クラッチ2a,2b側(図5中右方向)に軸方向移動して、第1ダイヤフラムスプリング20の内周端を第1レリーズベアリング25を介してバネ力に抗しながら両クラッチ2a,2b側(図5中右方向)に押圧する。
これにより、第1ダイヤフラムスプリング20は、折曲部材19の突出部19b’’を支点に外周側が両クラッチ2a,2b側から離れる方向(図5中左方向)に移動するよう変形し、これに伴い作動板18を介して第1プレッシャプレート16が第1クラッチ2aの第1クラッチディスク側に移動する。こうして、第1クラッチ2aの摩擦材が第1プレッシャプレート16とミッドプレッシャプレート15との間に挟み込まれて、クランク軸10からの動力が第1クラッチ2aを介して第1入力軸3に入力される。
ここで、第1雄ネジ22cおよび第1雌ネジ23aのリードL1と、第2雄ネジ23bおよび第2雌ネジ24aのリードL2とが、L1<π・d1・μ1およびL2<π・d2・μ2の式を満足するような値に設定されているので、第1クラッチ2aの接続が完了した時点で第1電動機27および第2電動機28への通電を止めても、第1スライダ23や第2スライダ24が自然に軸方向移動してクラッチ2a,2bが自然に切替わることはない。この結果、消費電力を節約することができる。
次に、第1クラッチ2aの接続を解除して第2クラッチ2bを接続する際の第1クラッチ2aと第2クラッチ2bとの切替えについて説明する。
第1クラッチ2aの接続を解除して第2クラッチ2bを接続する際には、クラッチ切替用電子制御ユニット13は、第2電動機28を停止あるいは発進時とは逆方向に回転するように駆動制御して、第2スライダ24を発進時とは逆方向に回転駆動すると共に、第1電動機27を第2電動機28と同方向に回転するように駆動制御して第1スライダ23を第2スライダ24とは逆方向に回転駆動する。
これにより、第2スライダ24は第2スライダ24とは逆回転している第1スライダ23上を回転しながら両クラッチ2a,2b側とは反対側(図5中左方向)に軸方向移動し、第1スライダ23は変速機ケース1aに固定された固定スリーブ22上を回転しながら両クラッチ2a,2b側(図5中右方向)に軸方向移動する。ここで、第2雄ネジ23bおよび第2雌ネジ24aのリードL2は、第1雄ネジ22cおよび第1雌ネジ23aのリードL1よりも大きく設定されているので、第2電動機28を停止あるいは第1電動機27よりも小さい電力によって発進時とは逆方向に回転するだけで、第2スライダ24は両クラッチ2a,2b側とは反対側(図5中左方向)に軸方向移動する。
第2スライダ24が両クラッチ2a,2b側とは反対側(図5中左方向)に軸方向移動することにより、第1ダイヤフラムスプリング20の変形が初期状態に戻り、これに伴い作動板18を介して第1プレッシャプレート16が第1クラッチ2aの第1クラッチディスク側から離れて、第1クラッチ2aの接続が解除される。一方、第1スライダ23が両クラッチ2a,2b側(図5中右方向)に軸方向移動することにより、第1スライダ23は第2ダイヤフラムスプリング21の内周端を第2レリーズベアリング26を介してバネ力に抗しながら両クラッチ2a,2b側(図5中右方向)に押圧する。
これにより、第2ダイヤフラムスプリング21は、折曲部材19の突出部19b’を支点にして第2プレッシャプレート17を第2クラッチ2bの第2クラッチディスク側(図5中右方向)に移動する。こうして、第2クラッチ2bの摩擦材が第2プレッシャプレート17とミッドプレッシャプレート15との間に挟み込まれて、クランク軸10からの動力が第2クラッチ2bを介して第2入力軸4に入力される。
続いて、第2クラッチ2bの接続を解除して第1クラッチ2aを接続する際の第1クラッチ2aと第2クラッチ2bとの切替えについて説明する。
第2クラッチ2bの接続を解除して第1クラッチ2aを接続する際には、クラッチ切替用電子制御ユニット13は、第2電動機28を停止あるいは発進時と同じ方向に回転するように駆動制御して第2スライダ24を発進時と同方向に回転駆動すると共に、第1電動機27を第2電動機28と同方向に回転するように駆動制御して第1スライダ23を第2スライダ24とは逆方向に回転駆動する。これにより、第1スライダ23と第2スライダ24とが、上述した第1クラッチ2aの接続を解除して第2クラッチ2bを接続する際とは逆方向に軸方向移動して、第2クラッチ2bの接続が解除されると共に、第1クラッチ2aが接続される。
以上説明した実施例のクラッチ切替装置Cによれば、各クラッチ2a,2bを切替えるために、第2レリーズベアリング26を介して第2クラッチ2bに接続した第1スライダ23を、変速機ケース1aに取付固定した固定スリーブ22上にネジ係合すると共に、第1レリーズベアリング25を介して第1クラッチ2aに接続した第2スライダ24を、第1スライダ23上にネジ係合し、第1電動機27により第1スライダ23を回転駆動すると共に第2電動機28により第2スライダ24を回転駆動して、第1クラッチ2aと第2クラッチ2bとの切替えを行うから、各クラッチ2a,2bを切替えるための部品点数を抑えることができる。この結果、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
また、実施例のクラッチ切替装置によれば、第2雄ネジ23bおよび第2雌ネジ24aのリードL2を、第1雄ネジ22cおよび第1雌ネジ23aのリードL1よりも大きく設定するから、各リードL1,L2を同じ値に設定したときよりも第2電動機28の駆動電力を小さくできる。この結果、消費電力を節約できエネルギー効率を向上することができる。
さらに、実施例のクラッチ切替装置によれば、第1雄ネジ22cおよび第1雌ネジ23aのリードL1と、第2雄ネジ23bおよび第2雌ネジ24aのリードL2とが、L1<π・d1・μ1,L2<π・d2・μ2の式を満足するような値に設定するから、第1クラッチ2aおよび第2クラッチ2bの駆動制御後に第1電動機27および第2電動機28への通電を止めても、第1スライダ23や第2スライダ24が自然に軸方向移動することはない。この結果、消費電力を節約できエネルギー効率を向上することができる。
実施例のクラッチ切替装置Cでは、第2雄ネジ23bおよび第2雌ネジ24aのリードL2は、第1雄ネジ22cおよび第1雌ネジ23aのリードL1よりも大きく設定するものとしたが、第2雄ネジ23bおよび第2雌ネジ24aのリードL2と第1雄ネジ22cおよび第1雌ネジ23aのリードL1とは同じに設定しても構わない。
実施例のクラッチ切替装置Cでは、第1クラッチ2aおよび第2クラッチ2bの駆動制御後、即ち、クラッチ切替動作完了後は、第1電動機27および第2電動機28への通電を止めるものとしたが、クラッチ切替動作完了後も第1電動機27および第2電動機28への通電を継続するものとしても構わない。
次に、本発明の第2の実施例としてのクラッチ切替装置CCについて説明する。
図6は、第2実施例のクラッチ切替装置CCの要部を拡大して示す要部拡大図である。第2実施例のクラッチ切替装置CCは、図示するように、固定スリーブ22を駆動スリーブ31に変えた点、第1スライダ23を第1スライダ33に変えた点および変速機ケース1aを変速機ケース1a’に変えた点を除いて第1実施例のクラッチ切替装置Cと同一の構成をしている。したがって、第2実施例のクラッチ切替装置CCの構成のうち第1実施例のクラッチ切替装置Cの構成と同一の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第2実施例のクラッチ切替装置CCは、図6に示すように、変速機ケース1a’に形成されたスリーブ部1a’’に軸受32を介して回転のみ許容された状態で支持された駆動スリーブ31と、軸方向移動のみ許容された状態でスリーブ1a’’上に外挿配置されると共に駆動スリーブ31の内周にネジ係合された第1スライダ33と、駆動スリーブ31の外周上にネジ係合された第2スライダ24と、アイドラギヤ機構29を介して駆動スリーブ31に接続された第1電動機27と、第2スライダ24に接続された第2電動機28と、第1スライダ33と第2ダイヤフラムスプリング21とを連結する第2レリーズベアリング26と、第2スライダ24と第1ダイヤフラムスプリング20とを連結する第1レリーズベアリング25と、クラッチ切替装置CCをコントロールするクラッチ切替用電子制御ユニット13とを備える。
駆動スリーブ31は、アイドラギヤ29aと噛合するギヤ部310aと、ギヤ部310aから突出状に一体形成された内部が中空の中空軸部310bとから構成されている。中空軸部310bには、内周面に第1雌ネジ31aが形成されており、外周面には第1雄ネジ31bが形成されている。第1雌ネジ31aと第1雄ネジ31bとは、ネジの巻き方向が互いに逆方向に形成されている。即ち、第1雌ネジ31aは、第1雄ネジ31bに対して逆ネジの関係に形成されている。
第1スライダ33は、筒状に形成されており、内周面にスリーブ1a’’の外周面に形成されたスプライン突条に対応するスプライン凹条が形成されると共に、外周面に第1雌ネジ31aとネジ係合する第2雄ネジ33aが形成されている。
ここで、第2雄ネジ33aおよび第1雌ネジ31aのリードL1は、実施例では、第2雄ネジ33aおよび第1雌ネジ31aの有効ネジ径をd1、第2雄ネジ33aと第1雌ネジ31aとの間の摩擦係数をμ1としたときに、L1<π・d1・μ1の式を満足するように設定するものとし、第1雄ネジ31bおよび第2雌ネジ24aのリードL2は、実施例では、第1雄ネジ31bおよび第2雌ネジ24aの有効ネジ径をd2、第1雄ネジ31bと第2雌ネジ24aとの間の摩擦係数をμ2としたときに、L2<π・d2・μ2の式を満足するように設定するものとした。なお、第1雄ネジ31bおよび第2雌ネジ24aのリードL2は、第2雄ネジ33aおよび第1雌ネジ31aのリードL1よりも大きく設定されている(例えば、L2=2×L1)。
第2レリーズベアリング26は、アウターレースが第1スライダ33の先端に取付固定され、インナーレースは第2ダイヤフラムスプリング21の内周端と当接されて、第1スライダ33と第2ダイヤフラムスプリング21とを相対回転を許容した状態で連結する。
次に、こうして構成された第2実施例のクラッチ切替装置CCにより第1クラッチ2aおよび第2クラッチ2bが切替えられる際の動作について説明する。
図7は、第1クラッチ2aおよび第2クラッチ2bが切替わる状態を示す状態図である。
まず、車両の発進時におけるクラッチの切替えについて説明する。なお、車両が停車時においては両クラッチ2a,2bともに接続が解除されているものとする。
発進時においては、クラッチ切替用電子制御ユニット13は、第2電動機28を駆動制御して第2スライダ24を回転駆動すると共に、駆動スリーブ31が回転しないように第1電動機27を駆動制御する。
第2スライダ24が回転すると、第2スライダ24は回転が止められている駆動スリーブ31上を回転しながら両クラッチ2a,2b側(図7中右方向)に軸方向移動して、第1ダイヤフラムスプリング20の内周端を第1レリーズベアリング25を介してバネ力に抗しながら両クラッチ2a,2b側(図5中右方向)に押圧する。
これにより、第1ダイヤフラムスプリング20は、折曲部材19の突出部19b’’を支点に外周側が両クラッチ2a,2b側から離れる方向(図7中左方向)に移動するよう変形し、これに伴い作動板18を介して第1プレッシャプレート16が第1クラッチ2aの第1クラッチディスク側に移動する。こうして、第1クラッチ2aの摩擦材が第1プレッシャプレート16とミッドプレッシャプレート15との間に挟み込まれて、クランク軸10からの動力が第1クラッチ2aを介して第1入力軸3に入力される。
ここで、第2雄ネジ33aおよび第1雌ネジ31aのリードL1と、第1雄ネジ31bおよび第2雌ネジ24aのリードL2とが、L1<π・d1・μ1およびL2<π・d2・μ2の式を満足するような値に設定されているので、第1クラッチ2aの接続が完了した時点で第1電動機27および第2電動機28への通電を止めても、第1スライダ33や第2スライダ24が自然に軸方向移動してクラッチ2a,2bが自然に切替わることはない。この結果、消費電力を節約することができる。
次に、第1クラッチ2aの接続を解除して第2クラッチ2bを接続する際の第1クラッチ2aと第2クラッチ2bとの切替えについて説明する。
第1クラッチ2aの接続を解除して第2クラッチ2bを接続する際には、クラッチ切替用電子制御ユニット13は、第2電動機28を停止あるいは発進時とは逆方向に回転するように駆動制御して第2スライダ24を発進時とは逆方向に回転駆動すると共に、第1電動機27を第2電動機28と同方向に回転するように駆動制御して第1スライダ33を駆動スリーブ31を介して第2スライダ24とは逆方向に回転駆動する。
これにより、第2スライダ24は第2スライダ24とは逆回転している駆動スリーブ31上を両クラッチ2a,2b側とは反対側(図7中左方向)に軸方向移動し、第1スライダ33は変速機ケース1a’のスリーブ1a’’上を摺動して両クラッチ2a,2b側(図7中右方向)に軸方向移動する。
ここで、第2雄ネジ33aおよび第1雌ネジ31aと第1雄ネジ31bおよび第2雌ネジ24aとは、ネジの巻き方向が互いに逆方向に形成されているので、第2電動機28を停止あるいは第1電動機27よりも小さい電力によって発進時とは逆方向に回転するだけで、第2スライダ24は両クラッチ2a,2b側とは反対側(図7中左方向)に軸方向移動する。
第2スライダ24が両クラッチ2a,2b側とは反対側(図7中左方向)に軸方向移動することにより、第1ダイヤフラムスプリング20の変形が初期状態に戻り、これに伴い作動板18を介して第1プレッシャプレート16が第1クラッチ2aの第1クラッチディスク側から離れて、第1クラッチ2aの接続が解除される。一方、第1スライダ33が両クラッチ2a,2b側(図7中右方向)に軸方向移動することにより、第1スライダ33は第2ダイヤフラムスプリング21の内周端を第2レリーズベアリング26を介してバネ力に抗しながら両クラッチ2a,2b側(図7中右方向)に押圧する。
これにより、第2ダイヤフラムスプリング21は、折曲部材19の突出部19b’を支点にして第2プレッシャプレート17を第2クラッチ2bの第2クラッチディスク側(図7中右方向)に移動する。こうして、第2クラッチ2bの摩擦材が第2プレッシャプレート17とミッドプレッシャプレート15との間に挟み込まれて、クランク軸10からの動力が第2クラッチ2bを介して第2入力軸4に入力される。
続いて、第2クラッチ2bの接続を解除して第1クラッチ2aを接続する際の第1クラッチ2aと第2クラッチ2bとの切替えについて説明する。
第2クラッチ2bの接続を解除して第1クラッチ2aを接続する際には、クラッチ切替用電子制御ユニット13は、第2電動機28を停止あるいは発進時と同じ方向に回転するように駆動制御して第2スライダ24を発進時と同方向に回転駆動すると共に、第1電動機27を第2電動機28と同方向に回転するように駆動制御して第1スライダ33を駆動スリーブ31を介して第2スライダ28とは逆方向に回転駆動する。
これにより、第1スライダ33と第2スライダ24とが、上述した第1クラッチ2aの接続を解除して第2クラッチ2bを接続する際とは逆方向に軸方向移動して、第2クラッチ2bの接続が解除されると共に、第1クラッチ2aが接続される。
以上説明した第2実施例のクラッチ切替装置CCでも、第1実施例のクラッチ切替装置Cと同様、各クラッチ2a,2bを切替えるための部品点数を抑えることができ、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
第2実施例のクラッチ切替装置CCでは、第2雄ネジ33aおよび第1雌ネジ31aと第1雄ネジ31bおよび第2雌ネジ24aとは、ネジの巻き方向が互いに逆方向に形成するものとしたが、ネジの巻き方向は互いに同じ方向に形成するものとしても構わない。この場合、第2雄ネジ33aおよび第1雌ネジ31aのリードL1と第1雄ネジ31bおよび第2雌ネジ24aのリードL2とは、同じに設定すると共に、第2電動機28を第1電動機27とは逆方向かつ2倍の回転速度で駆動制御して、第1クラッチ2aと第2クラッチ2bとを切替えるものとすれば良い。
各実施例のクラッチ切替装置C,CCでは、第1電動機27と第2電動機28とにより、第1スライダ23や第2スライダ24、あるいは、駆動スリーブ31や第2スライダ24を回転駆動するものとしたが、図8や図9の変形例のクラッチ切替装置C’,CC’に例示するように、1つの電動機270により第1スライダ23や第2スライダ24、あるいは、駆動スリーブ31や第2スライダ24を回転駆動するものとしても構わない。
即ち、図8および図9に示すように、1つの電動機270の回転軸に第1ピニオンギヤ270aと第2ピニオンギヤ270bとを設け、第1ピニオンギヤ270aにはアイドラギヤ機構29のアイドラギヤ29aを介して第1スライダ23のギヤ部230bあるいは駆動スリーブ31のギヤ部310aを噛合させ、第2ピニオンギヤ270bには第2スライダ24のギヤ部240bを噛合させる。
また、図9において、第1雄ネジ31bおよび第2雌ネジ24aのネジの巻き方向と、第2雄ネジ33aおよび第1雌ネジ31aのネジの巻き方向とを、同じ方向に形成するものとした場合には、アイドラギヤ機構29を削除して、第1ピニオンギヤ270aとギヤ部310aとを直接噛合させると共に、第1ピニオンギヤ270aからギヤ部310aに伝達される電動機270の回転数を、第2ピニオンギヤ270bからギヤ部240bに伝達される電動機270の回転数よりも大きくなるようなギヤ比関係に設定すれば良い。こうすれば、駆動スリーブ31の回転数を第2スライダ24の回転数よりも遅くすることができるから、第1スライダ33が軸方向へ移動する方向と、第2スライダ24が軸方向に移動する方向とを逆方向にすることができる。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
図6は、第2実施例のクラッチ切替装置CCの要部を拡大して示す要部拡大図である。第2実施例のクラッチ切替装置CCは、図示するように、固定スリーブ22を駆動スリーブ31に変えた点、第1スライダ23を第1スライダ33に変えた点および変速機ケース1aを変速機ケース1a’に変えた点を除いて第1実施例のクラッチ切替装置Cと同一の構成をしている。したがって、第2実施例のクラッチ切替装置CCの構成のうち第1実施例のクラッチ切替装置Cの構成と同一の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第2実施例のクラッチ切替装置CCは、図6に示すように、変速機ケース1a’に形成されたスリーブ部1a’’に軸受32を介して回転のみ許容された状態で支持された駆動スリーブ31と、軸方向移動のみ許容された状態でスリーブ1a’’上に外挿配置されると共に駆動スリーブ31の内周にネジ係合された第1スライダ33と、駆動スリーブ31の外周上にネジ係合された第2スライダ24と、アイドラギヤ機構29を介して駆動スリーブ31に接続された第1電動機27と、第2スライダ24に接続された第2電動機28と、第1スライダ33と第2ダイヤフラムスプリング21とを連結する第2レリーズベアリング26と、第2スライダ24と第1ダイヤフラムスプリング20とを連結する第1レリーズベアリング25と、クラッチ切替装置CCをコントロールするクラッチ切替用電子制御ユニット13とを備える。
駆動スリーブ31は、アイドラギヤ29aと噛合するギヤ部310aと、ギヤ部310aから突出状に一体形成された内部が中空の中空軸部310bとから構成されている。中空軸部310bには、内周面に第1雌ネジ31aが形成されており、外周面には第1雄ネジ31bが形成されている。第1雌ネジ31aと第1雄ネジ31bとは、ネジの巻き方向が互いに逆方向に形成されている。即ち、第1雌ネジ31aは、第1雄ネジ31bに対して逆ネジの関係に形成されている。
第1スライダ33は、筒状に形成されており、内周面にスリーブ1a’’の外周面に形成されたスプライン突条に対応するスプライン凹条が形成されると共に、外周面に第1雌ネジ31aとネジ係合する第2雄ネジ33aが形成されている。
ここで、第2雄ネジ33aおよび第1雌ネジ31aのリードL1は、実施例では、第2雄ネジ33aおよび第1雌ネジ31aの有効ネジ径をd1、第2雄ネジ33aと第1雌ネジ31aとの間の摩擦係数をμ1としたときに、L1<π・d1・μ1の式を満足するように設定するものとし、第1雄ネジ31bおよび第2雌ネジ24aのリードL2は、実施例では、第1雄ネジ31bおよび第2雌ネジ24aの有効ネジ径をd2、第1雄ネジ31bと第2雌ネジ24aとの間の摩擦係数をμ2としたときに、L2<π・d2・μ2の式を満足するように設定するものとした。なお、第1雄ネジ31bおよび第2雌ネジ24aのリードL2は、第2雄ネジ33aおよび第1雌ネジ31aのリードL1よりも大きく設定されている(例えば、L2=2×L1)。
第2レリーズベアリング26は、アウターレースが第1スライダ33の先端に取付固定され、インナーレースは第2ダイヤフラムスプリング21の内周端と当接されて、第1スライダ33と第2ダイヤフラムスプリング21とを相対回転を許容した状態で連結する。
次に、こうして構成された第2実施例のクラッチ切替装置CCにより第1クラッチ2aおよび第2クラッチ2bが切替えられる際の動作について説明する。
図7は、第1クラッチ2aおよび第2クラッチ2bが切替わる状態を示す状態図である。
まず、車両の発進時におけるクラッチの切替えについて説明する。なお、車両が停車時においては両クラッチ2a,2bともに接続が解除されているものとする。
発進時においては、クラッチ切替用電子制御ユニット13は、第2電動機28を駆動制御して第2スライダ24を回転駆動すると共に、駆動スリーブ31が回転しないように第1電動機27を駆動制御する。
第2スライダ24が回転すると、第2スライダ24は回転が止められている駆動スリーブ31上を回転しながら両クラッチ2a,2b側(図7中右方向)に軸方向移動して、第1ダイヤフラムスプリング20の内周端を第1レリーズベアリング25を介してバネ力に抗しながら両クラッチ2a,2b側(図5中右方向)に押圧する。
これにより、第1ダイヤフラムスプリング20は、折曲部材19の突出部19b’’を支点に外周側が両クラッチ2a,2b側から離れる方向(図7中左方向)に移動するよう変形し、これに伴い作動板18を介して第1プレッシャプレート16が第1クラッチ2aの第1クラッチディスク側に移動する。こうして、第1クラッチ2aの摩擦材が第1プレッシャプレート16とミッドプレッシャプレート15との間に挟み込まれて、クランク軸10からの動力が第1クラッチ2aを介して第1入力軸3に入力される。
ここで、第2雄ネジ33aおよび第1雌ネジ31aのリードL1と、第1雄ネジ31bおよび第2雌ネジ24aのリードL2とが、L1<π・d1・μ1およびL2<π・d2・μ2の式を満足するような値に設定されているので、第1クラッチ2aの接続が完了した時点で第1電動機27および第2電動機28への通電を止めても、第1スライダ33や第2スライダ24が自然に軸方向移動してクラッチ2a,2bが自然に切替わることはない。この結果、消費電力を節約することができる。
次に、第1クラッチ2aの接続を解除して第2クラッチ2bを接続する際の第1クラッチ2aと第2クラッチ2bとの切替えについて説明する。
第1クラッチ2aの接続を解除して第2クラッチ2bを接続する際には、クラッチ切替用電子制御ユニット13は、第2電動機28を停止あるいは発進時とは逆方向に回転するように駆動制御して第2スライダ24を発進時とは逆方向に回転駆動すると共に、第1電動機27を第2電動機28と同方向に回転するように駆動制御して第1スライダ33を駆動スリーブ31を介して第2スライダ24とは逆方向に回転駆動する。
これにより、第2スライダ24は第2スライダ24とは逆回転している駆動スリーブ31上を両クラッチ2a,2b側とは反対側(図7中左方向)に軸方向移動し、第1スライダ33は変速機ケース1a’のスリーブ1a’’上を摺動して両クラッチ2a,2b側(図7中右方向)に軸方向移動する。
ここで、第2雄ネジ33aおよび第1雌ネジ31aと第1雄ネジ31bおよび第2雌ネジ24aとは、ネジの巻き方向が互いに逆方向に形成されているので、第2電動機28を停止あるいは第1電動機27よりも小さい電力によって発進時とは逆方向に回転するだけで、第2スライダ24は両クラッチ2a,2b側とは反対側(図7中左方向)に軸方向移動する。
第2スライダ24が両クラッチ2a,2b側とは反対側(図7中左方向)に軸方向移動することにより、第1ダイヤフラムスプリング20の変形が初期状態に戻り、これに伴い作動板18を介して第1プレッシャプレート16が第1クラッチ2aの第1クラッチディスク側から離れて、第1クラッチ2aの接続が解除される。一方、第1スライダ33が両クラッチ2a,2b側(図7中右方向)に軸方向移動することにより、第1スライダ33は第2ダイヤフラムスプリング21の内周端を第2レリーズベアリング26を介してバネ力に抗しながら両クラッチ2a,2b側(図7中右方向)に押圧する。
これにより、第2ダイヤフラムスプリング21は、折曲部材19の突出部19b’を支点にして第2プレッシャプレート17を第2クラッチ2bの第2クラッチディスク側(図7中右方向)に移動する。こうして、第2クラッチ2bの摩擦材が第2プレッシャプレート17とミッドプレッシャプレート15との間に挟み込まれて、クランク軸10からの動力が第2クラッチ2bを介して第2入力軸4に入力される。
続いて、第2クラッチ2bの接続を解除して第1クラッチ2aを接続する際の第1クラッチ2aと第2クラッチ2bとの切替えについて説明する。
第2クラッチ2bの接続を解除して第1クラッチ2aを接続する際には、クラッチ切替用電子制御ユニット13は、第2電動機28を停止あるいは発進時と同じ方向に回転するように駆動制御して第2スライダ24を発進時と同方向に回転駆動すると共に、第1電動機27を第2電動機28と同方向に回転するように駆動制御して第1スライダ33を駆動スリーブ31を介して第2スライダ28とは逆方向に回転駆動する。
これにより、第1スライダ33と第2スライダ24とが、上述した第1クラッチ2aの接続を解除して第2クラッチ2bを接続する際とは逆方向に軸方向移動して、第2クラッチ2bの接続が解除されると共に、第1クラッチ2aが接続される。
以上説明した第2実施例のクラッチ切替装置CCでも、第1実施例のクラッチ切替装置Cと同様、各クラッチ2a,2bを切替えるための部品点数を抑えることができ、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
第2実施例のクラッチ切替装置CCでは、第2雄ネジ33aおよび第1雌ネジ31aと第1雄ネジ31bおよび第2雌ネジ24aとは、ネジの巻き方向が互いに逆方向に形成するものとしたが、ネジの巻き方向は互いに同じ方向に形成するものとしても構わない。この場合、第2雄ネジ33aおよび第1雌ネジ31aのリードL1と第1雄ネジ31bおよび第2雌ネジ24aのリードL2とは、同じに設定すると共に、第2電動機28を第1電動機27とは逆方向かつ2倍の回転速度で駆動制御して、第1クラッチ2aと第2クラッチ2bとを切替えるものとすれば良い。
各実施例のクラッチ切替装置C,CCでは、第1電動機27と第2電動機28とにより、第1スライダ23や第2スライダ24、あるいは、駆動スリーブ31や第2スライダ24を回転駆動するものとしたが、図8や図9の変形例のクラッチ切替装置C’,CC’に例示するように、1つの電動機270により第1スライダ23や第2スライダ24、あるいは、駆動スリーブ31や第2スライダ24を回転駆動するものとしても構わない。
即ち、図8および図9に示すように、1つの電動機270の回転軸に第1ピニオンギヤ270aと第2ピニオンギヤ270bとを設け、第1ピニオンギヤ270aにはアイドラギヤ機構29のアイドラギヤ29aを介して第1スライダ23のギヤ部230bあるいは駆動スリーブ31のギヤ部310aを噛合させ、第2ピニオンギヤ270bには第2スライダ24のギヤ部240bを噛合させる。
また、図9において、第1雄ネジ31bおよび第2雌ネジ24aのネジの巻き方向と、第2雄ネジ33aおよび第1雌ネジ31aのネジの巻き方向とを、同じ方向に形成するものとした場合には、アイドラギヤ機構29を削除して、第1ピニオンギヤ270aとギヤ部310aとを直接噛合させると共に、第1ピニオンギヤ270aからギヤ部310aに伝達される電動機270の回転数を、第2ピニオンギヤ270bからギヤ部240bに伝達される電動機270の回転数よりも大きくなるようなギヤ比関係に設定すれば良い。こうすれば、駆動スリーブ31の回転数を第2スライダ24の回転数よりも遅くすることができるから、第1スライダ33が軸方向へ移動する方向と、第2スライダ24が軸方向に移動する方向とを逆方向にすることができる。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
Claims (20)
- ケースに回転可能に支持された第1入力軸に動力を伝達可能な第1クラッチと、前記第1入力軸の外周に同軸配置されると共に前記ケースに回転可能に支持された第2入力軸に前記動力を伝達可能な第2クラッチと、を切替可能なクラッチ切替装置であって、
第1雄ネジが外周面に形成された中空軸部を有し、該中空軸部が前記第2入力軸の外周に同軸的に外挿されるよう前記ケースに取付固定された固定スリーブと、
前記第1雄ネジとネジ係合する第1雌ネジが内周面に形成されると共に第2雄ネジが外周面に形成され、前記固定スリーブに対して回転可能かつ軸方向移動可能に該固定スリーブにネジ係合された第1スライダと、
前記第2雄ネジとネジ係合する第2雌ネジが内周面に形成され、前記第1スライダに対して回転可能かつ軸方向移動可能に該第1スライダにネジ係合された第2スライダと、
前記第1クラッチを構成する第1クラッチ部材と前記第2スライダとの間に介在する第1レリーズベアリング部材と、
前記第2クラッチを構成する第2クラッチ部材と前記第1スライダとの間に介在する第2レリーズベアリング部材と、
前記第1スライダおよび前記第2スライダを回転可能なアクチュエータと、
を備えるクラッチ切替装置。 - 前記アクチュエータは、前記第1スライダを回転可能な第1電動機と、前記第2スライダを回転可能な第2電動機とを備える請求項1記載のクラッチ切替装置。
- 前記アクチュエータは、前記第1電動機の回転または前記第2電動機の回転を反転して前記第1スライダまたは前記第2スライダに伝達する反転機構を備える請求項2記載のクラッチ切替装置。
- 前記第1電動機および前記第2電動機を駆動制御する駆動制御手段を備え、
該駆動制御手段は、前記第1クラッチと前記第2クラッチとを切替える切替指示がなされたとき、前記第1スライダの軸方向移動の移動方向と前記第2スライダの軸方向移動の移動方向とが互いに逆方向となるよう前記第1電動機および前記第2電動機を駆動制御する手段である請求項1ないし3いずれか記載のクラッチ切替装置。 - 前記アクチュエータは、前記第1スライダおよび第2スライダを回転可能な電動機と、該電動機の回転を反転して前記第1スライダまたは前記第2スライダに伝達する反転機構とを備える請求項1記載のクラッチ切替装置。
- 前記第1雄ネジおよび前記第1雌ネジと前記第2雄ネジおよび前記第2雌ネジとは、リードが略同じに設定されてなる請求項1ないし5いずれか記載のクラッチ切替装置。
- 前記第2雄ネジおよび前記第2雌ネジは、前記第1雄ネジおよび前記第1雌ネジよりも大きなリードに設定されてなる請求項1ないし5いずれか記載のクラッチ切替装置。
- 前記第2雄ネジおよび前記第2雌ネジのリードLは、該第2雄ネジおよび該第2雌ネジの有効ネジ径をd、該第2雄ネジと該第2雌ネジとの間の摩擦係数をμとしたときに次式で示されてなる請求項1ないし7記載のクラッチ切替装置。
L<π・d・μ - ケースに回転可能に支持された第1入力軸に動力を伝達可能な第1クラッチと、前記第1入力軸の外周に同軸配置されると共に前記ケースに回転可能に支持された第2入力軸に前記動力を伝達可能な第2クラッチと、を切替可能なクラッチ切替装置であって、
第1雄ネジが外周面に形成されるとともに第1雌ネジが内周面に形成され、回転のみ許容された状態で前記ケースに支持された駆動スリーブと、
前記第1雌ネジとネジ係合する第2雄ネジが外周面に形成され、前記駆動スリーブに対して軸方向移動のみ許容された状態で前記駆動スリーブにネジ係合された第1スライダと、
前記第1雄ネジとネジ係合する第2雌ネジが内周面に形成され、前記駆動スリーブに対して回転可能かつ軸方向移動可能にネジ係合された第2スライダと、
前記第1クラッチを構成する第1クラッチ部材と前記第2スライダとの間に介在する第1レリーズベアリング部材と、
前記第2クラッチを構成する第2クラッチ部材と前記第1スライダとの間に介在する第2レリーズベアリング部材と、
前記駆動スリーブおよび前記第2スライダを回転可能なアクチュエータと、
を備えるクラッチ切替装置。 - 前記アクチュエータは、前記駆動スリーブを回転可能な第1電動機と、前記第2スライダを回転可能な第2電動機を備える請求項9記載のクラッチ切替装置。
- 前記アクチュエータは、前記第1電動機の回転または前記第2電動機の回転を反転して前記第駆動スリーブまたは前記第2スライダに伝達する反転機構を備える請求項10記載のクラッチ切替装置。
- 前記第1雄ネジと前記第2雌ネジとは、ネジの巻き方向が前記第2雄ネジと前記第1雌ネジのネジの巻き方向とは逆のネジの巻き方向に形成されてなる請求項10または11記載のクラッチ切替装置。
- 前記第1電動機および前記第2電動機を駆動制御する駆動制御手段を備え、
該駆動制御手段は、前記第1クラッチと前記第2クラッチとを切替える切替指示がなされたとき、前記第1スライダの軸方向移動の移動方向と前記第2スライダの軸方向移動の移動方向とが互いに逆方向となるよう前記第1電動機および前記第2電動機を駆動制御する手段である請求項11ないし12記載のクラッチ切替装置。 - 前記アクチュエータは、前記駆動スリーブおよび第2スライダを回転可能な電動機を備える請求項10記載のクラッチ切替装置。
- 前記電動機は、前記第2スライダを前記駆動スリーブよりも高い回転数で回転してなる請求項14記載のクラッチ切替装置。
- 前記アクチュエータは、前記電動機の回転を反転して前記駆動スリーブまたは前記第2スライダに伝達する反転機構を備える請求項14記載のクラッチ切替装置。
- 前記第1雄ネジと前記第2雌ネジとは、ネジの巻き方向が前記第2雄ネジと前記第1雌ネジのネジの巻き方向とは逆のネジの巻き方向に形成されてなる請求項16記載のクラッチ切替装置。
- 前記第1雄ネジおよび前記第2雌ネジは、前記第2雄ネジおよび前記第1雌ネジよりも大きなリードに設定されてなる請求項9ないし17いずれか記載のクラッチ切替装置。
- 前記第1雄ネジおよび前記第2雌ネジのリードLは、該第1雄ネジおよび該第2雌ネジの有効径をd、該第1雄ネジと該第2雌ネジとの間の摩擦係数をμとしたときに次式で示されてなる請求項9ないし18いずれか記載のクラッチ切替装置。
L<π・d・μ - 前記第1入力軸に入力された動力を第1変速比に変速する第1動力伝達経路と、前記第2入力軸に入力された前記動力を第2変速比に変速する第2動力伝達経路と、を備えるツインクラッチ式変速機であって、
請求項1ないし19いずれか記載のクラッチ切替装置によって前記第1クラッチと前記第2クラッチとを切替えることにより、前記第1動力伝達経路と前記第2動力伝達経路とを切替えて前記動力を変速して出力軸に伝達してなるツインクラッチ式変速機。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2011/053598 WO2012111165A1 (ja) | 2011-02-14 | 2011-02-14 | クラッチ切替装置およびクラッチ切替装置を備えたツインクラッチ式変速機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP5493015B2 true JP5493015B2 (ja) | 2014-05-14 |
JPWO2012111165A1 JPWO2012111165A1 (ja) | 2014-07-03 |
Family
ID=46672124
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012557771A Expired - Fee Related JP5493015B2 (ja) | 2011-02-14 | 2011-02-14 | クラッチ切替装置およびクラッチ切替装置を備えたツインクラッチ式変速機 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9068606B2 (ja) |
EP (1) | EP2677190B1 (ja) |
JP (1) | JP5493015B2 (ja) |
WO (1) | WO2012111165A1 (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5492801B2 (ja) * | 2011-01-31 | 2014-05-14 | 愛知機械工業株式会社 | クラッチ切替装置およびクラッチ切替装置を備えたツインクラッチ式変速機 |
FR3008755B1 (fr) * | 2013-07-16 | 2016-11-04 | Renault Sa | Commande mecanique compacte pour double embrayage |
EP2905493B1 (de) * | 2014-02-08 | 2019-01-09 | Andreas Stihl AG & Co. KG | Arbeitsgerät mit einer Kupplung |
US9988249B2 (en) * | 2015-05-19 | 2018-06-05 | Goodrich Corporation | Clutch for a winch or hoist |
DE102016210572A1 (de) * | 2016-06-14 | 2017-12-14 | Zf Friedrichshafen Ag | Doppelkupplungsgetriebevorrichtung sowie Kraftfahrzeug |
CN107327512A (zh) * | 2017-06-05 | 2017-11-07 | 嘉善睿逸电子科技有限公司 | 一种双离合器 |
TR201714404A1 (tr) | 2017-09-27 | 2019-04-22 | Ford Otomotiv Sanayi As | Çi̇ft kavramali debri̇yaj si̇stemi̇ |
DE102019201980A1 (de) | 2019-02-14 | 2020-08-20 | Robert Bosch Gmbh | Doppelkupplungsgetriebe für ein Elektrofahrzeug und Antriebseinheit für ein Elektrofahrzeug |
CN110131327B (zh) * | 2019-05-29 | 2021-06-22 | 浙江吉利控股集团有限公司 | 一种汽车离合器的螺旋式致动器 |
CN110171286A (zh) * | 2019-05-29 | 2019-08-27 | 浙江吉利控股集团有限公司 | 一种紧凑型双电机多模式混合动力*** |
CN112443588B (zh) * | 2019-08-30 | 2022-03-15 | 比亚迪股份有限公司 | 离合器控制机构及车辆 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001065600A (ja) * | 1999-08-02 | 2001-03-16 | Luk Lamellen & Kupplungsbau Gmbh | 操作装置 |
JP2003097597A (ja) * | 2001-09-27 | 2003-04-03 | Nsk Ltd | 自動クラッチレリーズ装置及びクラッチ装置 |
JP2004308709A (ja) * | 2003-04-03 | 2004-11-04 | Exedy Corp | クラッチ操作機構 |
JP2009527708A (ja) * | 2006-02-22 | 2009-07-30 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | ダブルクラッチ変速機のためのダブルクラッチ |
JP2009281570A (ja) * | 2008-05-26 | 2009-12-03 | Aisin Ai Co Ltd | デュアルクラッチの操作装置 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1302688A3 (de) * | 2001-10-09 | 2004-07-28 | ZF Sachs AG | Betätigungseinrichtung für eine Reibungskupplungseinrichtung, gegebenenfalls Doppel- oder Mehrfach- Reibungskupplungseinrichtung |
DE102008012894A1 (de) * | 2008-03-06 | 2009-09-10 | Zf Friedrichshafen Ag | Betätigungseinrichtung für eine Reibungskupplungseinrichtung und von diesen gebildete Drehmomentübertragungseinrichtung |
DE102009050333A1 (de) * | 2009-10-22 | 2011-05-12 | GM Global Technology Operations LLC, Detroit | Aktorsystem für eine Doppelkupplung, Doppelkupplungssystem und Kraftfahrzeug mit einem Doppelkupplungssystem |
-
2011
- 2011-02-14 US US13/982,324 patent/US9068606B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2011-02-14 WO PCT/JP2011/053598 patent/WO2012111165A1/ja active Application Filing
- 2011-02-14 EP EP11858771.6A patent/EP2677190B1/en not_active Not-in-force
- 2011-02-14 JP JP2012557771A patent/JP5493015B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001065600A (ja) * | 1999-08-02 | 2001-03-16 | Luk Lamellen & Kupplungsbau Gmbh | 操作装置 |
JP2003097597A (ja) * | 2001-09-27 | 2003-04-03 | Nsk Ltd | 自動クラッチレリーズ装置及びクラッチ装置 |
JP2004308709A (ja) * | 2003-04-03 | 2004-11-04 | Exedy Corp | クラッチ操作機構 |
JP2009527708A (ja) * | 2006-02-22 | 2009-07-30 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | ダブルクラッチ変速機のためのダブルクラッチ |
JP2009281570A (ja) * | 2008-05-26 | 2009-12-03 | Aisin Ai Co Ltd | デュアルクラッチの操作装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP2677190B1 (en) | 2015-12-09 |
US9068606B2 (en) | 2015-06-30 |
US20130306424A1 (en) | 2013-11-21 |
EP2677190A1 (en) | 2013-12-25 |
WO2012111165A1 (ja) | 2012-08-23 |
JPWO2012111165A1 (ja) | 2014-07-03 |
EP2677190A4 (en) | 2014-08-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5493015B2 (ja) | クラッチ切替装置およびクラッチ切替装置を備えたツインクラッチ式変速機 | |
JP5751932B2 (ja) | 手動変速機用変速操作機構 | |
EP2738421B1 (en) | Transmission and electric vehicle comprising same | |
WO2007092328A3 (en) | Spiral cam clutch actuation system for two-speed transfer case | |
US20100273598A1 (en) | Electromagnetic clutch | |
JP2009299738A (ja) | デュアルクラッチの操作装置 | |
JP2011185398A (ja) | 変速機駆動装置 | |
EP2011999B1 (en) | Speed reduction type starter for engines | |
JP2011510236A (ja) | メインカム及び補助カムを有する回転ドラムが設けられた車両用変速機のためのギヤ切替制御装置。 | |
TWI650266B (zh) | 自行車的變速裝置 | |
JP5474456B2 (ja) | 車両用モータ駆動装置および自動車 | |
JP2007078134A (ja) | 駆動力配分装置 | |
JP5492801B2 (ja) | クラッチ切替装置およびクラッチ切替装置を備えたツインクラッチ式変速機 | |
JP2011033071A (ja) | 車両用電動モータ駆動装置 | |
JP5800081B2 (ja) | 動力伝達装置 | |
JP6052133B2 (ja) | 変速機のシフト機構 | |
KR101637513B1 (ko) | 듀얼 클러치 변속기의 구동장치 | |
WO2015060209A1 (ja) | 無段変速機の変速制御装置 | |
KR101470028B1 (ko) | Dct의 클러치 작동장치 | |
JP2003278808A (ja) | 自動変速装置 | |
JP2001132779A (ja) | 自動クラッチ装置 | |
WO2013122179A1 (ja) | ツインクラッチ装置用アクチュエータ | |
JP2010190359A (ja) | 電動アクチュエータ及び変速機用電動アクチュエータ | |
JP2012112501A (ja) | 係合装置 | |
JP2020186752A (ja) | 噛合式係合装置および制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140218 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140303 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5493015 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |