JP5489460B2 - 生分解性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、生分解性樹脂組成物、その製造方法、およびそれを用いた成形体に関する。
近年、環境保全の見地から、ポリ乳酸をはじめとする生分解性樹脂が注目されている。生分解性樹脂のうちでポリ乳酸は、透明性が良好であり、またトウモロコシやサツマイモなどの植物由来原料から大量生産可能なため、コストが低いうえに石油原料の使用量削減にも貢献できることから、有用性が高い。
しかし、ポリ乳酸などを含む生分解性樹脂は耐熱性が不十分である。例えば高分子論文集、2002年59号12巻760〜766頁では、この問題を改善するために層状珪酸塩を添加する方法が提案されている。ところが、生分解性樹脂に層状珪酸塩を添加すると、その分散性が十分でないために、凝集が起こりやすく、樹脂を用いた成形物の外観に問題が生じる可能性がある。このため、良好な外観を必要とすることが多い包装材料や容器に用いる樹脂組成物には、この方法は不適である。
この問題を解決する方法として、JP−A−2004−027136には、水又は水系溶媒で予め膨潤させた層状珪酸塩を用いてポリ乳酸の融点以下でこのポリ乳酸と混練することにより、分散性を高める方法が開示されている。しかしながら、この方法では、特殊な混練機が必要になり経済的に好ましくなく、また混練中に樹脂組成物の分子量が低下することにより成形時に熱劣化が生じる可能性がある。
JP−A−2004−323758には、層間にラクチドもしくは数平均分子量が50000以下の低分子量ポリ乳酸が挿入されて層間距離が拡大された層状珪酸塩を用いて、その分散性を向上させる方法が提示されている。しかし、この方法では、層状珪酸塩の分散性に関してはさらなる改善の余地がある。
JP−A−2003−261695には、アルキレンオキシド単位の繰返しからなる数平均分子量200〜50000の化合物によりポリ乳酸中に層状珪酸塩を分散させたフィルムが提示されている。しかし、アルキレンオキシド化合物は親水性が高く、耐熱性が高くないため、添加可能な量が限られてしまう。したがって、この方法でも、層状珪酸塩の分散性に関してはさらなる改善の余地がある。
本発明は、上記のような問題点を解決するものであり、耐熱性があるとともに、透明性が高く凝集物の少ない、すなわち良好な外観を維持した、生分解性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、生分解性ポリエステル樹脂に、層状珪酸塩と、糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルとを添加することにより、耐熱性があり、しかも層状珪酸塩の分散性を改善して透明性すなわち良好な外観を維持した樹脂組成物を提供できることを見出した。
本発明の要旨は、次のとおりである。
(1)α−および/またはβ−ヒドロキシカルボン酸単位とω−ヒドロキシアルカノエート単位とのいずれかを主成分とする生分解性ポリエステル樹脂と、層状珪酸塩と、糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルとを含有する生分解性樹脂組成物であり、生分解性ポリエステル樹脂が、ポリ乳酸を50質量%以上含有したものであり、層状珪酸塩が、層間に、1級〜4級アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、またはホスホニウムイオンが結合したものであり、糖アルコールが、ソルビトールであることを特徴とする生分解性樹脂組成物。
)生分解性ポリエステル樹脂100質量部あたり、層状珪酸塩が0.5〜10質量部含有されていることを特徴とする(1)の生分解性樹脂組成物。
)生分解性ポリエステル樹脂100質量部あたり、糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルが0.1〜15質量部含有されていることを特徴とする(1)または(2)の生分解性樹脂組成物。
)厚み1mmの成形体としたときのヘーズが60%以下であることを特徴とする(1)から()までのいずれかの生分解性樹脂組成物。
本発明によれば、α−および/またはβ−ヒドロキシカルボン酸単位とω−ヒドロキシアルカノエート単位とのいずれかを主成分とする生分解性ポリエステル樹脂に、層状珪酸塩と、糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルとを添加することにより、耐熱性と層状珪酸塩の分散性とが改善された生分解性樹脂組成物を提供することができる。特に層状珪酸塩は耐熱性の改善に有効であり、糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルは層状珪酸塩の分散性の改善に有効である。また、本発明の樹脂組成物は、生分解性を有することから、廃棄する際にはコンポスト化でき、廃棄物の減量化や、肥料としての再利用化が可能である。さらに、糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルは一般に植物に由来する原料から製造することが可能であり、安全性や衛生性も良く、生分解性ポリエステル樹脂として同様に植物由来であるポリ乳酸を使用した場合は、石油資源の枯渇防止に貢献し、環境にやさしい材料を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における生分解性ポリエステル樹脂は、α−および/またはβ−ヒドロキシカルボン酸単位と、ω−ヒドロキシアルカノエート単位とのいずれかを主成分とする生分解性ポリエステル樹脂である。
α−および/またはβ−ヒドロキシカルボン酸単位の例としては、D−乳酸、L−乳酸、これらの混合物、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシカプロン酸など、およびこれらの混合物、共重合体が挙げられる。D−乳酸、L−乳酸が特に好ましい。ω−ヒドロキシアルカノエート単位としては、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトンが挙げられる。なお、ポリエステル樹脂の生分解性を損なわない範囲であれば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、セバシン酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸や、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸が共重合されていてもよく、こうした共重合ポリエステルも本発明でいう生分解性ポリエステル樹脂に含まれる。
本発明の生分解性ポリエステル樹脂の具体例としては、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)のほか、ポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(3−ヒドロキシ吉草酸)などが挙げられ、またポリ(ε−カプロラクトン)やポリ(δ−バレロラクトン)に代表されるポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)などが挙げられる。これらの成分は、1種でも、2種以上用いてもよく、混合されていてもよいし、共重合されていてもよい。また、ポリ乳酸としては、L−乳酸、D−乳酸の含有比率は特に限定されないが、市販されているものとしては(L−乳酸/D−乳酸)=80/20〜99.95/0.05(モル比)の範囲のものが一般的であり制限なく使用できる。
中でも、植物由来度が高いことから環境への効果が高い上に、透明性、耐熱性とのバランスもとれるために、ポリ乳酸を50質量%以上含有している材料を用いることが必要である。ポリ乳酸の含有量は、好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上である。ポリ乳酸以外の生分解性樹脂が50質量%を超えると、ポリ乳酸を使用しているにもかかわらず、得られる生分解性樹脂組成物の機械的特性や透明性や耐熱性が不足する。
ポリ乳酸以外の原料として植物由来の原料を使用すると、植物由来の樹脂含量が増えることになり、石油資源の使用量の削減効果が大きくなる。植物由来原料からなる樹脂としては、ポリ乳酸のほか、ナイロン11、天然ゴムなどが挙げられる。
生分解性ポリエステル樹脂は、公知の溶融重合法で、あるいは必要に応じてさらに固相重合法を併用して、製造される。ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)およびポリ(3−ヒドロキシ吉草酸)などは、微生物による生産が可能である。
生分解性ポリエステル樹脂は、一部が架橋されていてもかまわない。また、エポキシ化合物などで修飾されていてもかまわない。
生分解性ポリエステル樹脂の耐久性を向上させるために、末端封鎖剤を添加して、樹脂の末端を封鎖することができる。末端封鎖剤としては、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物などが挙げられる。添加量は、特に限定されないが、樹脂100質量部に対し、0.1〜5質量部が好ましい。
生分解性ポリエステル樹脂の分子量は、特に限定されないが、その指標となる190℃、21.2N(2.16kgf)におけるメルトフローレート(MFR)が0.1〜50g/10minの範囲であれば、そのポリエステル樹脂を好ましく使用することができる。さらに好ましい範囲は、0.2〜40g/10minである。
本発明に用いられる層状珪酸塩は、膨潤性層状粘土鉱物の一種であり、具体的には、スメクタイト、バーミキュライト、膨潤性フッ素雲母などが挙げられる。スメクタイトの例としては、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイトなどが挙げられる。バーミキュライトの例としては、Na型バーミキュライト、Li型バーミキュライト、Mg型バーミキュライトなどが挙げられる。膨潤性フッ素雲母の例としては、Na型フッ素四ケイ素雲母、Na型テニオライト、Li型テニオライトなどが挙げられる。また上記の他に、カネマイト、マカタイト、マガディアイト、ケニアイトなどの、アルミニウムやマグネシウムを含まない層状珪酸塩を使用することもできる。好ましいものは、モンモリロナイト、膨潤性フッ素雲母などである。天然品以外に合成品でもよく、合成方法としては、溶融法、インターカレーション法、水熱法などが挙げられるが、いずれの方法であってもよい。これらの層状珪酸塩は単独で使用してもよいし、鉱物の種類、産地、粒径などが異なるものを2種類以上組み合わせて使用してもよい。
生分解性ポリエステル樹脂中での層状珪酸塩の分散性を向上させるために、層状珪酸塩の層間には、1級ないし4級アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオンまたはホスホニウムイオンがイオン結合していることが必要である。1級ないし3級アンモニウムイオンは、対応する1級ないし3級アミンがプロトン化したものである。1級アミンとしては、オクチルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミンなどが挙げられる。2級アミンとしては、ジオクチルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジオクタデシルアミンなどが挙げられる。3級アミンとしては、トリオクチルアミン、ジメチルドデシルアミン、ジドデシルモノメチルアミンなどが挙げられる。4級アンモニウムイオンとしては、ジヒドロキシエチルメチルオクタデシルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ヒドロキシエチルジメチルオクタデシルアンモニウム、ヒドロキシエチルジメチルドデシルアンモニウム、ベンジルジヒドロキシエチルドデシルアンモニウム、ベンジルジヒドロキシエチルオクタデシルアンモニウム、ドデシル(ジヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、オクタデシル(ジヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−(3’−ドデシルオキシ−2’−ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウム、メチルドデシルビス(ポリエチレングリコール)アンモニウム、メチルジエチル(ポリプロピレングリコール)アンモニウムなどが挙げられる。ピリジニウムイオンとしては、1−ドデシルピリジニウムなどが挙げられる。イミダゾリウムイオンとしては、1−エチルメチルイミダゾリウム、1−ヘプタデシル−2,2’−エチルヒドロキシエチルイミダゾリウムなどが挙げられる。ホスホニウムイオンとしては、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、ヘキサデシルトリブチルホスホニウム、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウムなどが挙げられる。これらのうち、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ジヒドロキシエチルメチルオクタデシルアンモニウム、ヒドロキシエチルジメチルオクタデシルアンモニウム、ヒドロキシエチルジメチルドデシルアンモニウム、ドデシル(ジヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、オクタデシル(ジヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−(3’−ドデシルオキシ−2’−ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウム、メチルドデシルビス(ポリエチレングリコール)アンモニウム、メチルジエチル(ポリプロピレングリコール)アンモニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウムなどの、分子内に1つ以上の水酸基を有するか、または炭素数12〜18のアルキル基を有するアンモニウムイオンやホスホニウムイオンで処理した層状珪酸塩は、生分解性ポリエステル樹脂との親和性が特に高く、層状珪酸塩の分散性が向上するため、特に好ましい。これらのイオン化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
層状珪酸塩を上記1級ないし4級アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ホスホニウムイオンで処理する方法は、特に制限はない。例えば、まず層状珪酸塩を水またはアルコール中に分散させ、ここへ上記1級ないし3級アミンと酸(塩酸など)、または4級アンモニウム塩もしくはホスホニウム塩を添加して撹拌混合することにより、層状珪酸塩の層間の無機イオンを上記アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンとイオン交換させた後、濾別・洗浄・乾燥する方法が挙げられる。
層状珪酸塩の配合量は、生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して0.5〜10質量部とすることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部、いっそう好ましくは2〜5質量部である。0.1質量部未満では、本発明の目的とする物性の向上効果を得にくく、また10質量部を超える場合には、外観の悪化や、分子量低下などによる成形加工性の悪化が生じる傾向がある。
本発明に用いられる糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルで使用される糖アルコールとは、糖のアルデヒド基およびケトン基を還元して各々第一、第二アルコール基としたものに相当する多価アルコールのことである
糖アルコールは、炭素数が6のヘキシトールであるD,L−ソルビトールであることが必要である。糖アルコールは、相当する糖をナトリウムアマルガム、電気分解、高圧接触法などの公知の方法で還元することにより合成することができる。これらの糖アルコールは、光学異性体の種類や、天然品または合成品に関わらず使用することができる。また、これらは単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい
糖アルコールおよび糖アルコールの脱水縮合物は、日本国において食品添加物として認可されており、安全性が高く、包装材料や容器に好適に用いることができる。ソルビトールの脱水縮合物であるソルビタンは、工業的に広く使われていることから、コスト面でも有用性が高い。例えばソルビトールの脱水縮合物としては、1分子脱水物である1,4−ソルビタン、3,6−ソルビタン、あるいは1,5−ソルビタンが挙げられ、また2分子脱水物である1,4,3,6−ソルビドが挙げられる。
本発明で用いられる、糖アルコールの脱水縮合物とによって脂肪酸エステルを形成するのに適当な脂肪酸は、炭素原子を3〜36個、好ましくは8〜22個、殊に好ましくは10〜20個有する、飽和または単不飽和または多価不飽和の、非分枝鎖状または分枝鎖状カルボン酸である。具体的な脂肪酸としては、カプリル酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リグノセリン酸などの飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸が挙げられる。
特に好ましい脂肪酸エステルは、上記脂肪酸を有するソルビタンのモノ−、ジ−およびトリエステルであり、殊に具体的にはソルビタンモノカプレート、ソルビタンジカプレート、ソルビタントリカプレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンジラウレート、ソルビタントリラウレート、ソルビタンモノミスチレート、ソルビタンジミスチレート、ソルビタントリミスチレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタントリパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノリグノセレート、ソルビタンジリグノセレート、ソルビタントリリグノセレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンジオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンモノリノレート、ソルビタンジリノレート、ソルビタントリリノレート、ソルビタンモノリノレネート、ソルビタンジリノレネート、ソルビタントリリノレネートなどが挙げられる。これらの脂肪酸エステルは単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルの製造方法は、特に限定されることはなく、公知の方法を用いてよい。また糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルとして、公知の方法を用いて製造された市販品を用いてもよい。例えば市販品としては、ソルビタンラウレート(理研ビタミン社製 リケマールL−250A; 花王社製 レオドールSP−L10、レオドールスーパーSP−L10)、ソルビタンパルミテート(理研ビタミン社製 リケマールP−300、リケマールSP−250、リケマールAF−004; 花王社製 レオドールSP−P10)、ソルビタンステアレート(理研ビタミン社製 リケマールS−300W、ポエムS−60; 花王社製 レオドールSP−S10V、レオドールAS−10V)、ソルビタントリステアレート(理研ビタミン社製 ポエムS−65V; 花王社製 レオドールSP−S30V)、ソルビタンオレート(理研ビタミン社製 ポエムO−80V; 花王社製 レオドールSP−O10V、レオドールAO−10V)、ソルビタントリオレート(理研ビタミン社製 リケマールOR−85; 花王社製 レオドールSP−O30V)、ソルビタントリベヘネート(理研ビタミン社製 リケマールB−150)、ソルビタンカプリレート(理研ビタミン社製 リケマールC−250)、ソルビタンセスキオレエート(花王社製 レオドールAO−15V)などが挙げられる。
糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルの添加量は、生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して0.1〜15質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましく、特に好ましくは0.5〜8質量部である。0.1質量部未満では本発明の目的とする透明性が得られず、15質量部を超えると基材の樹脂の物性や成形性が低下する。
本発明の樹脂組成物は、透明性や層状珪酸塩の分散性などに優れることにより外観に優れ、厚み1mmの成形体としたときのヘーズを60%以下とすることができる。ヘーズがこの値より大きいものでは、透明性が不十分である場合や、たとえヘーズがこの値をそれほど大きくは超えない場合でも粗大な凝集物が見られるために、商品価値が低くなる場合がある。ここでいうヘーズとは、濁度計で測定した濁度のことをいう。ヘーズが大きいほど濁度は強く、ヘーズが小さいほど、濁度が弱く透明であることを示す。厚み1mmの成形体で、好ましくは上述のようにヘーズが60%以下であり、より好ましくはヘーズが50%以下であり、さらに好ましくはヘーズが35%以下であり、最も好ましくはヘーズが25%以下である。
本発明の樹脂組成物の製造方法に関し、層状珪酸塩、および糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルの添加方法としては、生分解性樹脂の重合時に添加する方法、溶融混練時に添加する方法、成形時に添加する方法などが挙げられる。なかでも、製造工程が簡略化できる、あるいは、層状珪酸塩や、糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルや、それらを添加した樹脂組成物の熱劣化を少しでも低減するという理由により、溶融混練時または成形時に添加することが好ましい。溶融混練時や成形時に添加する添加方法としては、樹脂と、層状珪酸塩と、糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルとを予めドライブレンドしておいてから一般的な混練機や成形機に供給する方法や、サイドフィーダーを利用して混練の途中から添加する方法や、液体の場合には定量供給ポンプを用いて液注する方法などが挙げられる。層状珪酸塩と、糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルとは、同時に供給してもよいし、別々に供給しても構わない。しかし、層状珪酸塩の分散性を向上させるという目的からは、同時に、あるいは糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルを先に、樹脂中へ添加することが好ましい。
溶融混練に際しては、単軸押出機、二軸押出機、ロール混練機、ブラベンダーなどの一般的な混練機を使用することができ、添加剤の分散性向上のためには二軸押出機を使用することが好ましい。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、結晶核剤、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、染料、耐光剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、充填材、本発明で規定した以外の分散剤、末端封鎖剤などを添加してもよい。結晶核剤としては、有機アミド化合物、有機ヒドラジド化合物、カルボン酸エステル系化合物、有機スルホン酸塩、フタロシアニン系化合物、メラニン系化合物、あるいは有機ホスホン酸塩などが挙げられる。熱安定剤や酸化防止剤としては、たとえばホスファイト系有機化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ヒンダードアミン系化合物、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物を使用することができる。これらの添加剤は一般に溶融混練時あるいは重合時に加えられる。充填材のうち、無機充填材としては、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられる。有機充填材としては、単糖類、でんぷんなどの多糖類、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ、ケナフなどの天然に存在するポリマーやこれらの変性品が挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない限り、脂肪族ジカルボン酸および/または芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとからなるポリエステル、ポリエステルアミド、ポリエステルカーボネート、ポリアミド(ナイロン)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリル酸エステル)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(メタクリル酸エステル)、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレートおよびそれらの共重合体などの、非生分解性樹脂を添加してもよい。
本発明の樹脂組成物は、射出成形、ブロー成形、押出成形などの公知の成形方法により、各種成形体とすることができる。
射出成形法としては、一般的な射出成形法のほか、ガス射出成形法、射出プレス成形法などを採用できる。射出成形時のシリンダ温度は、樹脂組成物の融点(Tm)または流動開始温度以上であることが必要であり、好ましくは180〜230℃、さらに好ましくは190〜220℃の範囲である。成形温度が低すぎると、樹脂の流動性の低下により成形不良や装置の過負荷に陥りやすい。逆に成形温度が高すぎると、生分解性ポリエステル樹脂が分解し、成形体の強度低下、着色などの問題が発生する。一方、金型温度に関しては、樹脂組成物のTg(ガラス転移温度)以下とする場合には、好ましくは(Tg−10℃)以下である。また、剛性、耐熱性向上を目的として樹脂組成物の結晶化を促進するために、金型温度を、Tg以上かつ(Tm−30℃)以下とすることもできる。
ブロー成形法としては、例えば原料チップから直接成形を行うダイレクトブロー法や、まず射出成形で予備成形体(有底パリソン)を成形後にブロー成形を行う射出ブロー成形法などが挙げられる。また予備成形体の成形後に連続してブロー成形を行うホットパリソン法、いったん予備成形体を冷却し取り出してから再度加熱してブロー成形を行うコールドパリソン法のいずれの方法も採用できる。
押出成形法としては、Tダイ法、丸ダイ法などを適用することができる。押出成形温度は樹脂組成物の融点(Tm)以上または流動開始温度以上であることが必要であり、好ましくは180〜230℃、さらに好ましくは190〜220℃の範囲である。成形温度が低すぎると、操業が不安定になったり、過負荷に陥ったりしやすい。逆に成形温度が高すぎると、生分解性ポリエステル成分が分解し、押出成形体の強度低下や着色などの問題が発生する。押出成形により、シートやパイプなどを作製することができる。
押出成形法により得られたシートまたはパイプの具体的用途としては、深絞り成形用原反シート、バッチ式発泡用原反シート、クレジットカードなどのカード類、下敷き、クリアファイル、ストロー、農業・園芸用硬質パイプなどが挙げられる。また、シートに、さらに、真空成形や、圧空成形や、真空圧空成形などの深絞り成形を行うことで、食品用容器、農業・園芸用容器、ブリスターパック容器、プレススルーパック容器などを製造することができる。深絞り成形温度および熱処理温度は、(Tg+20℃)〜(Tg+100℃)であることが好ましい。深絞り温度が(Tg+20℃)未満では深絞りが困難になり、逆に深絞り温度が(Tg+100℃)を超えると、生分解性ポリエステル成分が分解して、偏肉が生じたり、配向がくずれて耐衝撃性が低下したりする場合がある。食品用容器、農業・園芸用容器、ブリスターパック容器、プレススルーパック容器の形態は、特に限定されないが、食品、物品、薬品などを収容するためには、深さ2mm以上に深絞りされていることが好ましい。容器の厚さは、特に限定されないが、強力の点から、50μm以上であることが好ましく、150〜500μmであることがより好ましい。食品用容器の具体例としては、生鮮食品のトレー、インスタント食品容器、ファーストフード容器、弁当箱などが挙げられる。農業・園芸用容器の具体例としては、育苗ポットなどが挙げられる。ブリスターパック容器の具体例としては、食品以外にも事務用品、玩具、乾電池などの多様な商品群の包装容器が挙げられる。
本発明の樹脂組成物を用いて製造されるその他の成形品としては、皿、椀、鉢、箸、スプーン、フォーク、ナイフなどの食器、流動体用容器、容器用キャップ、定規、筆記具、クリアケース、CDケースなどの事務用品、台所用三角コーナー、ゴミ箱、洗面器、歯ブラシ、櫛、ハンガーなどの日用品、プラモデルなどの各種玩具類、エアコンパネル、各種筐体などの電化製品用樹脂部品、バンパー、インパネ、ドアトリムなどの自動車用樹脂部品などが挙げられる。
なお、流動体用容器の形態は、特に限定されないが、流動体を収容するためには深さ20mm以上に成形されていることが好ましい。容器の厚さは、特に限定されないが、強力の点から、0.1mm以上であることが好ましく、0.1〜5mmであることがより好ましい。流動体用容器の具体例としては、乳製品や清涼飲料水や酒類などのための飲料用コップおよび飲料用ボトル、醤油、ソース、マヨネーズ、ケチャップ、食用油などの調味料の一時保存容器、シャンプー、リンスなどの容器、化粧品用容器、農薬用容器などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、繊維とすることもできる。その製造方法は、特に限定されないが、溶融紡糸し、延伸する方法が好ましい。溶融紡糸温度としては、160℃〜260℃が好ましい。160℃未満では溶融押出しが困難となる傾向にあり、一方、250℃を超えると分解が顕著となって、高強度の繊維を得られ難くなる傾向にある。溶融紡糸した繊維糸条は、目的とする繊維径となるようにTg以上の温度で延伸させるとよい。
上記方法により得られた繊維は、衣料用繊維、産業資材用繊維、短繊維不織布などとして利用される。
本発明の樹脂組成物は、長繊維不織布に展開することもできる。その製造方法は、特に限定されないが、樹脂組成物を高速紡糸法により紡糸して得られる繊維を堆積した後ウェッブ化し、さらに熱圧接などの手段を用いて布帛化する方法を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。ただし、本発明は下記の実施例のみに限定されるものではない。
下記の実施例および比較例の評価に用いた方法は、次のとおりである。
(1)透明性
・ヘーズ
JIS K−7136に従い、樹脂組成物にて形成された厚さ1mmのプレスシートに対して測定を行った。詳細には、樹脂組成物にテスター産業社製の卓上テストプレス機を使用し、190℃で約3分間プレスして、成形体として厚さ1mmのプレスシートを作製した。このプレスシートについて、日本電色工業社製 NDH−2000型 濁度・曇り度計を用いて、測定を行った。ヘーズが60%以下の場合を良好、60%より大きい場合を不良とした。
・外観評価
厚み1mmのプレスシートとした成形体の目視評価を行い、凝集物があるものを不良(×)、凝集物がほとんど無いものを良(○)、凝集物が全く確認できないものを最良(◎)とした。
(2)ブローボトルの成形性および耐熱性
樹脂組成物を用いて、高温金型での成形性にもとづき評価した。すなわち、金型温度120℃でブローボトルの作製を試み、容器が変形せずに取り出せたものを耐熱性良好(○)と評価し、変形や歪みが生じたものを耐熱性不良(×)と評価した。
(3)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210にしたがい、付属書A表1のDの条件(190℃、21.2N[2.16kgf])にて測定した。
(4)総合評価
透明性が良好でかつ耐熱性を有する樹脂組成物を良好(○)、透明性あるいは耐熱性の少なくともどちらかを満たさない場合には不良(×)とした。
[原料]
下記の実施例、比較例において用いた各種原料を示す。
(1)生分解性樹脂
樹脂A:ポリ乳酸(カーギルダウ社製、NatureWorks、重量平均分子量(MW)=190000、融点=170℃、D体含有率=1.3モル%、MFR=2.5g/10min)
(2)層状珪酸塩
層状珪酸塩B:層間イオンがジオクタデシルジメチルアンモニウムイオンで置換されたモンモリロナイト(ホージュン社製、エスベンW)
層状珪酸塩C:層間イオンがジヒドロキシエチルメチルドデシルアンモニウムイオンで置換された膨潤性合成フッ素雲母(コープケミカル社製、ソマシフMEE、平均粒径6.2μm)
層状珪酸塩D:層間イオンがメチルトリオクチルアンモニウムイオンで置換された膨潤性合成フッ素雲母(コープケミカル社製、ソマシフMTE)
(3)糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなるエステル
E:ソルビタンステアレート(理研ビタミン社製、ポエムS−300W)
F:ソルビタントリステアレート(理研ビタミン社製、ポエムS−65V)
G:ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(東邦化学工業社製、ソルボンT−80)
H:ポリオキシエチレンソルビタントリオレート(東邦化学工業社製、ソルボンT−85)
(4)その他の脂肪酸エステル
I:プロピレングリコールモノベヘネート(理研ビタミン社製、PB−100)
J:アセチルクエン酸トリブチル(田岡化学社製、ATBC)
[樹脂の製造]
溶融混練には、池貝社製PCM−30型二軸押出機を用いた。スクリュー径は30mmφ、平均溝深さは2.5mmであった。
実施例1
100質量部の樹脂Aと、2.5質量部の層状珪酸塩Bと、1質量部の脂肪酸エステルFとをドライブレンドし、上記の押出機を用いて、190℃、スクリュー回転数200rpm(=3.3rps)、滞留時間1.6分で溶融混練を行い、押出し、ペレット状に加工し、乾燥して、樹脂組成物を得た。得られた組成物をプレスシートに成形して、透明性の評価、すなわちヘーズの評価と外観評価とを行った。
次いで、射出ブロー成形機(日精ASB機械社製「ASB−50TH」、ホットパリソン法)を用いて、樹脂組成物をシリンダ設定温度200℃で溶融して10℃の金型に充填し、10秒間冷却して5mm厚の予備成形体(有底パリソン)を得た。これを120℃のヒーターで加熱した後、120℃に設定された高温金型に入れ、圧力空気3.5MPaの条件下でブロー成形し、内容積130ミリリットル、厚み1.1mmのボトル容器を作製し、成形時の状況を確認した。
その結果を表1に示す。
Figure 0005489460
実施例2〜10、参考例1〜2
実施例1に比べて、樹脂組成物の組成を表1に示すように変更した。それ以外は実施例1と同様として、各種評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例1
層状珪酸塩と、糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルとを添加せずに、生分解性ポリエステル樹脂のみを用い、成形体を得て評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例2
層状珪酸塩を添加せずに、生分解性ポリエステル樹脂に糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルを添加したのみで同様の混練を行い、成形体を得て評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例3
実施例1に比べ、糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルを添加せずに、生分解性ポリエステル樹脂に層状珪酸塩を添加したのみで同様の混練を行い、成形体を得て評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例4、比較例7〜8
実施例2に比べ、糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルを添加せずに、生分解性ポリエステル樹脂に層状珪酸塩を添加したのみで同様の混練を行い、成形体を得て評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例5〜6
実施例2に比べ、糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルの代わりに、他の脂肪酸エステルを添加して、同様の混練を行い、成形体を得て評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1〜10、参考例1〜2の樹脂組成物は、凝集物が少なく良好な外観を示しており、すなわち透明性が良好であり、さらに高温金型でのブロー成形が可能で、透明性と耐熱性を併せ持っていた。
それに対し比較例1〜8の樹脂組成物は、透明性、耐熱性を併せ持つものはなかった。

Claims (4)

  1. α−および/またはβ−ヒドロキシカルボン酸単位とω−ヒドロキシアルカノエート単位とのいずれかを主成分とする生分解性ポリエステル樹脂と、層状珪酸塩と、糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルとを含有する生分解性樹脂組成物であり、生分解性ポリエステル樹脂が、ポリ乳酸を50質量%以上含有したものであり、層状珪酸塩が、層間に、1級〜4級アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、またはホスホニウムイオンが結合したものであり、糖アルコールが、ソルビトールであることを特徴とする生分解性樹脂組成物。
  2. 生分解性ポリエステル樹脂100質量部あたり、層状珪酸塩が0.5〜10質量部含有されていることを特徴とする請求項1記載の生分解性樹脂組成物。
  3. 生分解性ポリエステル樹脂100質量部あたり、糖アルコールの脱水縮合物と脂肪酸とからなる脂肪酸エステルが0.1〜15質量部含有されていることを特徴とする請求項1または2記載の生分解性樹脂組成物。
  4. 厚み1mmの成形体としたときのヘーズが60%以下であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の生分解性樹脂組成物。
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