第1の発明は、有底円筒状に形成され衣類を収容するドラムと、前記ドラムを回転駆動する駆動モータと、前記ドラムを回転自在に内包する水槽と、前記水槽および前記ドラム内に乾燥用空気を送風する送風部と、前記水槽下部に設けられ前記水槽の変位量を検知する変位量検知部と、乾燥用空気を加熱する加熱部と、前記送風部と連通し前記ドラムの後部に開口した第1吹出口を有する第1風路と、前記送風部と連通するとともに前記ドラムの前部に開口し前記第1吹出口よりも空気通過断面積が小さい第2吹出口を有する第2風路と、前記第1風路と前記第2風路とを選択的に切り換える風路切換部と、前記風路切換部の制御や、前記送風部の制御を行ない、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の一連の行程を逐次制御する制御部とを備え、前記制御部は、脱水行程中に、前記変位量検知部が所定の変位量よりも大きい変位量を検知した時、脱水動作を一時停止し、前記第2風路を選択して所定時間送風した後、脱水動作を再開するよう構成したことにより、ドラムの衣類がアンバランス状態の時に、ドラム内の衣類に、高圧高速の空気が吹き付けることになり、水量を余分に使わず、短時間で衣類のアンバランスを解消することができ、消費エネルギーの増加を防ぐことが出来る。
第2の発明は、特に第1の発明の制御部は、脱水行程において、変位量検知部が所定の変位量よりも大きい変位量を検知した時、脱水動作を一時停止し、第2風路を選択して所定時間送風した後、送風を停止して脱水動作を再開すると共に、脱水行程終了直前に、風路切換部により第2風路を選択して送風するようしたことにより、空気を加熱して送風しない脱水行程においても、衣類をよりしわの少なく、からまりが少ない状態にすることができ、その後に使用者が衣類を取り出し、自然乾燥した時にも、しわの少ない、仕上がりの良い状態とすることができる。
以下、本発明の実施の形態にについて、添付図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態におけるドラム式洗濯乾燥機の概略縦断面図を示すものである。
図1において、有底円筒状のドラム1(収容部)は、筐体100内に揺動自在に配設された水槽2内に回転自在に配設されている。水槽2の背面には、ドラム1の回転軸を前上がりに傾斜して回転させる駆動モータ3(ドラム駆動部)が取り付けられており、駆動モータ3の駆動によりドラム1が回転し、ドラム1内に投入された衣類の撹拌たたき洗い、および乾燥動作などを行なう。
筐体100前部には、ドラム1の開口端側に対向させて扉体35が設けられており、使用者は、扉体35を開くことで、ドラム1に対して洗濯物(衣類)を出し入れすることができる。また、水槽2には、給水弁(図示せず)が設けられた給水管(図示せず)、および排水弁27が設けられた排水管40が接続されている。
水槽2の下方には、水槽2を支えるとともに、脱水時等のドラム1内の衣類の偏りなどで発生する水槽2の振動を減衰させるダンパ14が設けられている。このダンパ14には、支持する水槽2内の衣類などによる重量変化で、ダンパ14の軸が上下に変位する変位量を検知して衣類の量を検知するとともに、この変位量によってドラム1内の衣類のアンバランス状態の検知を行なうダンパ変位量検知部(変位量検知部)15が取り付けられている。
衣類を乾燥させるために、水槽2およびドラム1内の空気を送風部4によって循環させる構成となっているが、ドラム1内の洗濯物から水分を奪って多湿状態となった空気は、水槽2の側面上部に設けられた排出口5を通ってドラム1の外のヒートポンプ装置50部へと排出される。
このヒートポンプ装置50は、冷媒を圧縮する圧縮機16と、圧縮されて高温高圧となった冷媒の熱を放熱する加熱部(放熱器)17と、高圧の冷媒の圧力を減圧するための絞り部18と、減圧されて低圧となった冷媒によって周囲から熱を奪う除湿部(吸熱器)19と、これら4つの部材を連結して冷媒を循環させる管路20とを具備しており、排出された乾燥用空気は除湿部(吸熱器)19で除湿されて、加熱部(放熱器)17で加熱される。加熱された乾燥用空気は、送風部4から循環風路13を通り、送風部4の下流に位置する第1風路9または第2風路11のいずれかに導かれ、再びドラム1内に吹き出す。
ここで、第1風路9は、ドラム1の後方に開口した第1吹出口8を有する。一方、第2風路11は、ドラム1の前方上部に開口した第2吹出口10を有する。
第1風路9の第1吹出口8は、第2吹出口10よりも空気通過断面積が大きくなるように形成されており、第2風路11に較べて圧力損失が少なく大風量の乾燥用空気をドラム1内に吹き出すことができるようになっている。
また、第2風路11の第2吹出口10は、第1吹出口8よりも空気通過断面積が小さくなっており、第1吹出口8に較べて高圧高速の乾燥用空気をドラム1内に吹き出すことができるようになっている。
通常、ドラム式洗濯乾燥機の場合、回転するドラム1の前方と水槽2との間の隙間は、衣類が噛み込まないように、可能な限り小さく形成されている。よって、この僅かな隙間に、広い開口で圧力損失の少ない吹出口を設けることはスペース的に困難であるが、空気通過断面積が比較的小さくて高圧高速の風を吹き出す第2吹出口10を設けることはできる。一方、ドラム1の後方奥の底面には、比較的大きな開口を有する第1吹出口8を設けるスペース的な余裕がある。そして、通風可能な多数の小径孔からなる開口率の大きなカバー26で第1吹出口8を覆えば、当該第1吹出口8に衣類が噛み込むことはない。よって、ドラム1後方の底面に、比較的圧力損失の少ない第1吹出口8を設けることができる。
風路切換部12は、送風部4の下流側に設けられている。この風路切換部12は、乾燥用空気の通過路を、第1風路9または第2風路11の何れかに切り換えるものである。
風路切換部12は、第1風路9と第2風路11との分岐部に回動可能に枢支された弁12aと、その弁12aを回動駆動する駆動部(図示せず)とを具備する。
そして、弁12aが回転して第2風路11を閉じると、第1風路9側が開となり、送風部4にて送風された乾燥用空気が第1風路9を通過するようになる。一方、弁12aが回転して第1風路9を閉じると、第2風路11側が開となり、送風部4にて送風された乾燥用空気が第2風路11を通過するようになる。
送風部4は、ヒートポンプ装置50の加熱部(放熱器)17と風路切換部12との間に設けられ、加熱部(放熱器)17で加熱された乾燥用空気を循環風路13の下流側へと送り出す。この送風部4は、送風用ファン4aと送風用ファンモータ4bとを具備している。
送風部4においては、風路切換部12により第1風路9に切り換えられた場合、第1風路9を通過する風量が、第2風路11の風量よりも多い所定風量になるように、送風用ファン4aを回転させる。
また、風路切換部12により第2風路11に切り換えられた場合、第2風路11の第2吹出口10を通過する風速が、第1吹出口8を通過する風速よりも速い所定風速になるように、送風用ファン4aを回転させる。例えば、第1吹出口8を通過する風速を10m/s程度とし、第2吹出口10を通過する風速を50m/s以上とする。
なお、第1吹出口8および第2吹出口10を通過する風速はこれに限定されるものではなく、第2吹出口10における風速が第1吹出口8における風速よりも速い条件を満たせば任意の風速に設定可能である。
排出口5は、相対的に、第1吹出口8からの距離が、第2吹出口10からの距離よりも遠い位置に配設されている。つまり、排出口5は、相対的に、第2吹出口10に近く第1吹出口8からは遠い位置にある。
なお、上述のように、本実施の形態では、ヒートポンプ方式の衣類乾燥で説明したが、ヒートポンプ方式に限定されるものではない。例えば、除湿部は乾燥用空気に直接水を噴霧する水冷式でもよく、また、加熱部はヒータであってもよい。
また、上述のように、本実施の形態では、第1風路9の第1吹出口8を1つだけ設けているが、第1吹出口8を複数とすることもできる。同様に、第2風路11の第2吹出口10を1つだけ設けた例を示しているが、第2吹出口10を複数とすることもできる。
図2は、概略構成を示すブロック図である。
図2において、制御部70は、入力設定部32を介して使用者から入力される設定情報と各部の動作状態監視とに基づいて、洗い、すすぎ、脱水、乾燥にわたる一連の運転動作を逐次制御する。
制御部70は、ダンパ変移量検知部15から入力される情報により、水槽2の振動量を測りつつ、モータ駆動回路22を介して駆動モータ3の回転を制御し、送風部4およびヒートポンプ装置50の動作を制御し、さらに、風路切換部12を制御して第1風路9と第2風路11とを切り換える。また、モータ回転数センサ80からの入力により、駆動モータ3の回転数を検知する。
また、制御部70は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)、プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、各種処理の実行時にプログラムやデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、入出力インタフェース及びこれらを接続するバスにより構成されている。
また、制御部70は、時間を計時するタイマ71を有している。このタイマ71としては、制御部70の動作上の内部機能として組み込まれている内部タイマを用いることができる。なお、タイマ71として、制御部70とは独立したタイマ装置を用いることもできる。
図3は、入力設定部32の一例を示す図である。
図3において、運転コースを選択するコーススイッチ325、洗濯行程や乾燥行程、あるいは洗濯から乾燥までの連続した行程を選択する洗乾切換スイッチ323、乾燥のみの行程中に、第2風路11の第2吹出口10からの高圧高速の風を利用するかどうかを設定する高速ジェットスイッチ321、のほかに多数のスイッチと、各運転コースの選択状況や進行状況をLEDで表示するコースLED326、洗乾LED324、高速ジェットLED322、のほかに多数の表示部によって構成されている。
以上のように構成されたドラム式洗濯乾燥機について、以下、その動作および作用を説明する。
乾燥行程においては、ドラム1の回転軸が前上がりに傾斜しているため、ドラム1を回転させて衣類を撹拌乾燥する場合、靴下、ハンカチ、ブリーフなどの小物衣類はドラム1の後方奥に偏り易い一方、長袖の肌着、ズボン下、長袖のカッターシャツ、長袖のパジャマなどの長物衣類は、ドラム1の前方に偏り易い。
従って、小物衣類および長物衣類が混在した状態で乾燥を行う場合、ドラム1の後方奥に位置する第1吹出口8から大風量の乾燥用空気を吹き出すと、ドラム1の奥に偏った小物衣類に乾燥用空気が先に接触する。さらに、この乾燥用空気は、小物衣類をすり抜けてドラム1前方の長物衣類にも到達する。よって、小物衣類および長物衣類ともに効率よく乾燥できる。
一方、乾燥中の撹拌で袖などがねじれ易い長物衣類については、ドラム1の前方に偏り易いため、ドラム1の前方に位置する第2吹出口10から乾燥用空気を当てる方がより乾燥速度が速くなる。さらに、この長物衣類に、第2吹出口10から噴出する高圧高速の乾燥用空気を当てることで、長物衣類が広がり易くなるとともに、風によって長物衣類がよく動くので、シワ低減効果が大きい。
なお、乾燥行程を乾燥率に基づいて領域区分すると、乾燥率90%前後までのシワが固着し難い乾燥序盤の領域、乾燥率90%前後から100%前後のシワが発生して固着が多くなり易い乾燥中盤の領域、および乾燥率が100%を超えてシワが発生し難くい乾燥終盤の領域となる。
本実施の形態では、洗濯から乾燥までの連続した行程を行なう場合、乾燥序盤の領域は、洗濯行程の最後に行なう脱水行程の途中から始まる。脱水行程で、ドラム1が高速回転することで内部の衣類を高速遠心脱水している制御と平行して、温風を循環させる制御を行うことで、衣類の温度をあらかじめ上げることにより乾燥完了までの運転時間を短縮させるためである。
図4は、洗濯行程から乾燥行程までの連続した行程を行なう場合の風路切換タイミングの一例を示すタイムチャートである。
図4において、洗濯行程における脱水行程の途中から乾燥運転動作が開始するが、乾燥運転を開始してから第1所定時間が経過するまでの乾燥序盤期間では、風路切換部12を制御して第1風路9側を開き、送風用ファンモータ4bの回転数を比較的低くして、ドラム1後方の、空気通過断面積が大きく圧力損失の少ない第1風路9の第1吹出口8から、低風速で、大風量の乾燥用空気をドラム1内に吹き出して衣類に当てる。なお、乾燥序盤の途中で脱水行程が終了し、乾燥行程となっていく。
そして、乾燥中盤期間においては、風路切換部12によって第2風路11に切り換え、送風用ファンモータ4bの回転数を上げる。これにより、乾燥中盤期間では、第1吹出口8よりも空気通過断面積が小さい第2吹出口10から、高圧で高速の乾燥用空気がドラム1内に吹き出される。この場合、高圧高速の風によってドラム1内の衣類が常時押し広げられるため、シワが低減する効果が発揮される。
さらに、第2所定時間経過後の乾燥終盤には、乾燥序盤期間と同様に、風路切換部12によって第1風路9に切り換える。乾燥終盤は、衣類に含まれる水分量が少なく、この少ない水分が乾燥用空気と接触して蒸発するには時間がかかる。この様な状態では、大風量の乾燥用空気をドラム1内に送風して水分と乾燥用空気とが接触する機会を多くすることが必要であり、低消費電力で大風量が得られることが望ましい。そこで、空気通過断面積が大きく圧力損失の少ない第1風路9を使用し、大風量の乾燥用空気をドラム1後方の第1吹出口8から吹き出して衣類に当てる。乾燥行程終了まで、この動作が継続される。
図5は、洗濯行程から乾燥行程までの連続した行程を行なう場合の、アンバランス検知をした時の風路切換タイミングの一例を示すタイムチャートであり、前述の図4における脱水行程部分を主体的に、より詳細に示している。
図5において、制御部70は、モータ駆動回路22を制御してドラム1の回転数を上昇させつつ、ダンパ変移量検知部15からの入力から、アンバランス状態となっていないかを確認する。ドラム1を内包する水槽2の振動はその固有振動数などにより、ドラム1の回転数に応じて刻々変化するため、ドラム1の回転数を一気に上昇させることはせず、まず80r/minで定常回転させ、その後120r/min、330r/min、400r/minと特定の回転数で一定時間定常回転させつつ、徐々に上昇させていく。
脱水の途中で、ドラム1の回転数が80r/minを超えた段階で、乾燥運転も開始する。前述のように、乾燥運転開始時点では、乾燥序盤の状態であるので、制御部70は風路切換部12によって第1風路9を開状態とし、送風用ファンモータ4bの回転数は比較的低いため、ドラムに吹き込む温風は、第1吹出し口8からの低風速だが、大風量なものとする。
制御部70は、脱水行程運転中に、ダンパ変移量検知部15からの入力により、ドラム1を内包する水槽2の振動による変移量を常に監視しているが、変位量が所定の値を超えていることを検知した場合は、ドラム1内の衣類がアンバランス状態となっていることと判定し、モータ駆動回路22を介して駆動モータ3を停止させ、遠心脱水を一時中断し、アンバランスの解消動作を行なう。
遠心脱水の一時中断後、制御部70は、風路切換部12によって第2風路11に切り換え、送風用ファンモータ4bの回転数を上げる。これにより高圧高速の温風が第2風路11の第2吹出口10からドラム1内の衣類に吹き付けられ、ドラムに貼り付いた衣類をはがしつつ、かつその衣類を引き伸ばしつつ、かつ衣類の位置の入れ替わりを促進することができ、衣類のアンバランス状態が解消される。
さらに、制御部70は、ドラム駆動回路22を制御することにより、ドラム1の回転方向を順じ切換えながら、ドラム1を約45r/minの低速で間欠回転させる。低速で回転させるのは、衣類の撹拌が起こり、衣類の位置の入れ替わりで、更なるアンバランス状態の改善がなされるためである。所定の時間、この第2風路11の第2吹出口10からの高圧高速の温風を吹き付けつつのドラム1の間欠回転動作を行った後、再度脱水を再開する。脱水を再開するのに応じて、制御部70は、風路切換部12によって、循環経路を第1風路9に切換え、大風量の乾燥運転を再開する。なお、あわせて送風用ファンモータ4bの回転数も下げる。
アンバランス状態を、高圧高速の風を衣類にふきつけることで解消することができるので、再開した脱水は目標の最高回転数1600r/minに到達する。
この脱水行程が終了すると、前述の図4で説明のように、乾燥行程が所定時間実施される。
図6は、洗濯行程における脱水行程で、アンバランス検知をした時の風路切換タイミングの一例を示すタイムチャートである。
使用者が、洗乾切換スイッチ323での洗乾のモードで、洗濯のみの動作を選択した場合には、洗い、すすぎ、脱水を行なう洗濯行程のみの動作であるので、動作は脱水行程が終了した段階で終了し、乾燥行程は行わない。
制御部70は、脱水中のドラム1の回転数の上昇中に、ダンパ変移量検知部15の入力により、ドラム1を内包する水槽2の振動による変移量が所定の値を越えていることを検知した場合は、アンバランス状態であると判定し、モータ駆動回路22を介して駆動モータ3を停止させ、遠心脱水を一時中断し、アンバランスの解消動作を行なう。
まず、風路切換部12によって、風路として第2風路11を選択し、送風用ファンモータ4bの運転を開始する。乾燥ではないので、ヒートポンプ装置50の駆動は行わない。これにより、高圧高速の風が第2風路11の第2吹出口10からドラム1内の衣類に吹き付けられ、ドラム1に貼り付いた衣類をはがしつつ、かつ、その衣類を引き伸ばし、かつ、衣類の位置の入れ替わりを促進することができ、衣類のアンバランス状態が解消される。
さらに、制御部70は、ドラム駆動回路22を制御することにより、ドラム1の回転方向を順次切換ながら、ドラム1を約35r/minの低速で間欠回転させる。低速で回転させるのは、衣類の撹拌が起こり、衣類の位置の入れ替わりで、更なるアンバランス状態の改善がなされるためである。所定の時間、この第2風路11の第2吹出口10からの高圧高速の風を吹き付けつつのドラム1の間欠回転動作を行った後、再度脱水を再開する。脱水の再開の際には、送風用ファンモータ4bの運転を停止する。
そして、所定時間経過後、脱水運転が停止すると、ドラム1の内周壁には高速遠心脱水により衣類が固く貼り付いた状態となる。そこで、制御部70は、風路切換部12によって風路として第2風路11を選択し、送風用ファンモータ4bの運転を開始する。乾燥ではないので、ヒートポンプ装置50の駆動は行わない。
これにより、高圧高速の風が、第2風路11の第2吹出口10からドラム1内の衣類に吹き付けられ、ドラムに1に貼り付いた衣類をはがしつつ、かつ、その衣類を引き伸ばし、かつ、衣類の位置の入れ替わりを促進することができる。
さらに、制御部70は、ドラム駆動回路22を制御することにより、ドラム1の回転方向を順次切換えながら、ドラム1を約35r/minの低速で間欠回転させる。低速で回転させるのは、ドラムに1に貼り付いた衣類を、更にはがし、衣類の位置の入れ替わりを促進するためである。所定の時間、この第2風路11の第2吹出口10からの高圧高速の風を吹き付けつつ、ドラムの間欠回転動作を行った後、脱水行程が終了する。
所定時間が経過して、脱水運転停止後に、高圧高速の風を衣類に吹き付けてドラムからはがして伸ばすことにより、そのまま放置する従来の例と比較して、衣類をよりしわの少なく、からまりが少ない状態にすることができ、その後に使用者が衣類を取り出し、自然乾燥した時にも、しわの少ない、仕上がりの良い状態になる。
なお、脱水中に、アンバランスの解消動作を行なった時間は、脱水行程の所定の時間に含め、アンバランス解消動作が無い場合と同じになるように制御している。
なお、アンバランスが発生した際のドラム1の回転制御を、回転方向を順次切り替えながら間欠回転させるとしたが、一定方向への回転としても良い。機体構造から制限される第2吹出口10の方向により、衣類に対してより効果的な回転にすることができる。
なお、脱水動作は、すすぎ行程中にも中間脱水としてあるが、この中間脱水時においても、衣類のアンバランスを検知した場合は、前述のアンバランス解消動作を行なうことができる。
なお、実施の形態においては、脱水時のアンバランスを検知する手段として、ダンパ変移量検知部15によりアンバランス発生時の振動によるドラム1の変移量を利用するものとしたが、これに限定されるものではない。水槽2などに加速度センサを設置し、脱水中の加速度を測定することで、水槽2の振動度合いを判定する方式としても良い。または、磁気センサと磁石を水槽2と水槽2近傍の固定位置にそれぞれ設置し、水槽2の変移量を判定する方式としても良い。または、ドラムが一回転する間のドラム回転数の時間変動のばらつきによりアンバランスを判定する方式でも良い。または、ドラムが一回転する間のモータ駆動回路で消費される電流値の時間変動のばらつきによりアンバランスを判定する方式でも良い。
以上のように、本実施の形態においては、脱水から乾燥まで連続して行う行程において、第1風路を選択した脱水行程中に、ダンパ変位量検知部が所定の変位量よりも大きい変位量を検知した時に、脱水動作を一時停止して、風路切換部により、第2風路に切り換えて所定時間送風した後、脱水動作を再開すると共に、第1風路を選択するよう構成したことにより、ドラムの衣類がアンバランス状態の時に、ドラム内の衣類に、高圧高速の空気が吹き付けることになり、水量を余分に使わず、短時間で衣類のアンバランスを解消することができ、消費エネルギーの増加を防ぐことが出来る。
また、乾燥行程と連続しない脱水行程において、送風用ファンモータを停止して脱水動作を行ない、ダンパ変位量検知部が所定の変位量よりも大きい変位量を検知した時に、脱水動作を一時停止して、風路切換部により第2風路を選択して、送風用ファンモータを動作させて所定時間送風した後、送風用ファンモータを停止して脱水動作を再開すると共に、脱水動作が停止した後の脱水行程終了直前に、風路切換部により第2風路を選択して、送風用ファンモータを動作させ送風を行なうようしたことにより、空気を加熱して送風しない脱水行程においても、衣類をよりしわの少なく、からまりが少ない状態にすることができ、その後に使用者が衣類を取り出し、自然乾燥した時にも、しわの少ない、仕上がりの良い状態とすることができる。