JP5488283B2 - TiO2を含有するシリカガラスの成型方法 - Google Patents

TiO2を含有するシリカガラスの成型方法 Download PDF

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Description

本発明は、TiO2を含有するシリカガラスの成型方法に関する。
近年、光リソグラフィ技術においては、集積回路の高集積化および高機能化に伴い、集積回路の微細化が進み、露光装置には深い焦点深度で高解像度の回路パターンをウエハ面上に結像させることが求められている。このため、露光光源の短波長化が進められている。
露光光源としてEUV光(極端紫外光)のうち代表的には波長13.5nmの光を用いたリソグラフィ技術が、線幅が50nm以降の複数世代に渡って適用可能と見られ注目されている。EUVリソグラフィ(以下、「EUVL」と略する)の像形成原理は、投影光学系を用いてマスクパターンを転写する点では、従来のフォトリソグラフィーと同じである。しかし、EUV光のエネルギー領域では光を透過する材料が無いために、透過光学系は用いることができず、光学系はすべて反射光学系となる。
EUVLに用いられる露光装置光学部材は、
(1)基材
(2)基材上に形成された反射多層膜
(3)反射多層膜上に形成された吸収体層
から基本的に構成される。基材としては、EUV光照射の下においても歪みが生じないような低熱膨張係数を有する材料が必要とされ、低熱膨張係数を有する石英ガラス等が検討されている。
TiO2を含有するシリカガラス(以下、「TiO2−SiO2ガラス」と略する)は、シリカガラスよりも小さい熱膨張係数(Coefficient of Thermal Expansion;CTE)を有する超低熱膨張材料として知られ、またガラス中のTiO2含有量によって熱膨張係数を制御できるために、熱膨張係数が0に近いゼロ膨張ガラスが得られる。したがって、TiO2−SiO2ガラスはEUVL用光学部材に用いる材料としての可能性がある。米国特許出願には、TiO2−SiO2多孔質ガラス体を形成し、ガラス体にした後、マスク基板を得る方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
従来、TiO2−SiO2ガラスの作製方法は、直接法と呼ばれる方法が用いられている。直接法は、先ず、シリカ前駆体とチタニア前駆体をそれぞれ蒸気形態に転化させてこれらを混合する。この蒸気形態となった混合物は、バーナーに導入され熱分解することでTiO2−SiO2ガラス粒子となる。このTiO2−SiO2ガラス粒子は耐火性容器中に堆積され、堆積と同時にそこで溶融されてTiO2−SiO2ガラスの透明ガラス体となる。
また、TiO2−SiO2ガラスを、気相軸付け(VAD)法によって作製する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。VAD法は、先ず、チタニア前駆体とシリカ前駆体を火炎加水分解させて得られるTiO2−SiO2ガラス微粒子を基材に堆積、成長させて多孔質TiO2−SiO2ガラス体を形成させる。前記多孔質TiO2−SiO2ガラス体を緻密化温度まで昇温して、実質的に泡や気泡を含有しないTiO2−SiO2緻密体を得る。前記TiO2−SiO2緻密体をガラス化温度まで昇温して、実質的に内部に結晶成分を含有しない透明ガラス体を得る。
直接法やVAD法によると透明ガラス体を得られる。透明ガラス体は、成型により所望の形状、大きさの成型体とされる。例えば、透明ガラス体は、角柱あるいは円柱に成型され、所定の厚さにスライスされ所望のTiO2−SiO2ガラスの基板が得られる。
透明ガラス体の成型は透明ガラス体を成型容器内に収容して加熱した状態で、加圧板により加圧することにより行われ、成型体が得られる。ついで、成型容器内で成型体を徐冷し、更にアニール処理を行う場合もある。例えば、透明ガラス体をグラファイト製成型容器内に設置し、これを不活性雰囲気中で1600〜1700℃に加熱して加圧板等で加圧することによって所定形状に成型する方法が知られている(特許文献3参照。)。また、厚さ10〜1000μmのαもしくはβ−SiCを内面被覆したグラファイト製成型容器を使用する方法(特許文献4参照。)や、グラファイト製成型容器の表面にシリカゾールSiCスラリーを塗布した後、熱処理することにより、SiC層を形成させた成型容器を使用する方法(特許文献5参照。)も知られている。
米国特許出願公開第2002/157421号明細書 特開2005−22954号公報 特開昭61−83638号公報 特開昭57−67031号公報 特公昭63−57367号公報
しかしながら、従来のグラファイト製成型容器を用いるシリカガラスの成型方法をTiO2−SiO2ガラスに適用すると、成型容器に用いられているグラファイトによって、TiO2−SiO2ガラス表面に存在するTiO2(IV)が還元されて、ゼロ膨張を示さない黒色の結晶(Ti23(III))を生じ、TiO2−SiO2ガラス成型体の内部異物となるという問題があった。
また、この反応の際に発生するCO、CO2等のガスによって、ガラス内にTi23(III)や泡の巻き込みが生じ、TiO2−SiO2ガラス成型体の歩留まりを低下させるという問題点があった。
本発明は、上記のようなTiO2−SiO2ガラスの成型における問題を解決する、TiO2−SiO2ガラスの成型方法を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明は、成型容器内にTiO2を含有するシリカガラスを設置し、前記成型容器内で前記TiO2を含有するシリカガラスを不活性雰囲気中で1500℃以上の温度で成型する成型工程を2回以上実施することにより、所望の形状の成型体を得るTiO2を含有するシリカガラスの成型方法であって、
前記成型工程間に、前記TiO2を含有するシリカガラスの少なくとも1つの表面を研削する研削工程を少なくとも1回実施することを特徴とするTiO2を含有するシリカガラスの成型方法(以下、本明細書において、「本発明のTiO2−SiO2ガラスの成型方法」という。)を提供する。
本発明のTiO2−SiO2ガラスの成型方法において、前記研削工程における研削量が1〜15mmであることが好ましい。
本発明のTiO2−SiO2ガラスの成型方法において、前記成型容器がグラファイト製成型容器であることが好ましい。
本発明のTiO2−SiO2ガラスの成型方法において、各成型工程における成型工程の前後の断面の面積比が2倍未満であることが好ましい。
本発明のTiO2−SiO2ガラスの成型方法において、成型前後のガラス体の断面の面積比が2〜10倍であることが好ましい。
本発明のTiO2−SiO2ガラスの成型方法によれば、グラファイト製成型容器の使用に起因するTi23(III)や泡の巻き込みが解消されたTiO2−SiO2ガラス成形体を得ることができるため。したがって、EUVL用光学部材に用いる材料の製造方法として好適である。
以下、本発明のTiO2−SiO2ガラスの成型方法について説明する。
本発明のTiO2−SiO2ガラスの成型方法では、成型容器内にTiO2−SiO2ガラスを設置し、該成型容器内で該TiO2−SiO2ガラスを、不活性雰囲気中で1500℃以上の温度で成型する成型工程を2回以上実施することにより所望の形状の成型体を得る。
成型容器としては、グラファイト製の成型容器が、耐熱性に優れる、熱衝撃に強い、安価である等の理由から好ましい。
グラファイト製の成型容器は、特許文献4,5に記載されているもののように、該成型容器の内面がSiCで被覆されているものであってもよい。
成型工程では、内部にTiO2−SiO2ガラスが設置された成型容器を炉内に設置し、不活性雰囲気中、例えば、Ar雰囲気中、で1500℃以上の温度で成型を行う。1500℃未満では、ガラスの粘度が高いため、実質的に成型を行うことができない。成型温度の上限は特に限定されないが、温度が高すぎると、SiO2の昇華が生じる可能性があるので、1800℃以下であることが好ましい。成型温度は、より好ましくは1600〜1770℃である。
炉内の雰囲気圧力が0.01MPa未満であるとSiO2の昇華が生じる可能性があるので、0.01MPa以上の不活性ガス雰囲気が好ましい。
本発明は、比較的細長い円柱形状のガラス体(TiO2−SiO2ガラス)、例えば、アスペクト比(ガラス体の高さ/径の比)が2〜10のガラス体を用いて、比較的アスペクト比が低いガラス体、例えば、アスペクト比が0.1〜2未満のガラス体に成型するのに適した方法である。ここで、ガラス体の径とは、ガラス体が円柱形状の場合、ガラス体底面の直径を指す。ガラス体が円柱以外の形状の場合、その形状に応じた径を指し、例えば、底面が正方形の形状をしたガラス体の場合、底面の正方形の対角線の長さを指す。
成型前後のガラス体の断面の面積比に着目した場合、本発明は、成型前のガラス体の断面の面積と、最終的に得られる成型体の断面の面積の面積比(以下、「成型前後の断面積比」という。)が、2〜10倍となるように成型する場合に適する。特に2〜6倍となるように、さらには2〜5倍になるように、さらには2〜3.5倍になるように成型する場合に適する。なお、ここで言う、ガラス体の断面とは、後述するTiO2−SiO2ガラスの上下面と同一方向の断面を指す。
成型前のガラス体としては、例えば直径100〜400mm、好ましくは130〜350mmであり、高さ300〜1200mmの円柱形状のものが好ましい。最終的に得られる成型体としては、たとえば円柱形状の場合は、直径150〜1000mm、より好ましくは165mm〜800mmであり、高さ50〜500mm、より好ましくは50〜350mmであることが好ましい。また、形状が異なる場合は、底面の面積が同等となる。たとえば、底面が130mm□〜900mm□、より好ましくは145mm□〜700mm□であり、高さ50〜500mm、より好ましくは50〜350mmである角柱であることが好ましい。最終的に得られる成型体の形状は、円柱形状、角柱、板形状が好ましい。
上記の点において、本発明は、VAD法、すなわち、回転するガラス心棒(基材)を軸方向に引き上げながら、当該ガラス心棒の先端から軸方向に、チタニア前駆体とシリカ前駆体を火炎加水分解させて得られるTiO2−SiO2ガラス微粒子を略円柱状に堆積させる方法により得られた多孔質母材(多孔質TiO2−SiO2ガラス体)を用い、仮焼工程(多孔質TiO2−SiO2ガラス体を緻密化温度まで昇温させてTiO2−SiO2緻密体を得る工程)を経て、透明ガラス化して得られる透明ガラス体(TiO2−SiO2ガラス)を成型するのに適した方法である。VAD法によって得られるガラス体は比較的細長い円柱形状のガラス体、(例えば、アスペクト比が2以上のガラス体)となるため、本発明の方法を用いて成型することが好ましい。
成型前後の断面積比が2倍以上となるように成型する際に、1回の成型工程で成型を行った場合、ガラス体(TiO2−SiO2ガラス)が倒れたり、外周部でのTi23(III)や泡の巻き込みが頻発し歩留まりが悪化する傾向がある。また、VAD法により透明ガラス体(TiO2−SiO2ガラス)を製造した際、該透明ガラス体の軸に対して対称な組成分布(軸を中心とする周方向の組成分布)を生じる場合があるが、1回の成型工程で成型前後の断面積比が2倍以上となるように成型すると、ガラス体が傾いたり、倒れることによって、軸に対して非対称な組成分布となる傾向がある。
このため、成型前後の断面積比が2倍以上となるように成型する際には、成型工程を2回以上実施することが求められる。
成型工程の回数は、2回以上である限り特に限定されず、所望形状の成型体を得るのに十分な回数であればよい。
成型は、TiO2−SiO2ガラスの平行な面を上下面として型枠にセットして行う。1回の成型工程において、成型工程前のTiO2−SiO2ガラスの上下面の面積と、成型工程後の成型体の上下面の面積と、の面積比(成型工程の前後の上下面の面積比)が2倍未満になるように成型を実施することが好ましい。面積比が2倍以上になると、TiO2−SiO2ガラスが倒れたり、外周部でのTi23(III)や泡の巻き込みが頻発し歩留まりが悪化する。また、TiO2−SiO2ガラスに組成分布(軸に対して対称な組成分布)を生じている場合に、ガラス体が傾いたり、倒れることによって、軸に対して非対称な組成分布となるため問題である。
TiO2−SiO2ガラスの上下面の面積は通常同一であるので、上下面のうちいずれかの一方の面積について、成型工程の前後の上下面の面積比を評価すればよい。なお、TiO2−SiO2ガラスの上下面の面積は、TiO2−SiO2ガラスの断面積と通常同一である。したがって、成型工程の前後のTiO2−SiO2ガラスの断面積の比が2倍未満になるように成型を実施することが好ましいと言うこともできる。
好ましくは、成型工程の前後の上下面の面積比(すなわち、断面積の比)が1.1〜1.8、より好ましくは1.1〜1.7、さらに好ましくは1.1〜1.5となるように成型を実施する。
なお、成型工程前のTiO2−SiO2ガラスの平行な面の面積と、最終的な所望形状の成型体の平行な面の面積と、の面積比(あるいは、上記した成型前後のガラス体の断面の面積比)で成型回数は決定されることが好ましい。たとえば、150mmφの円柱のインゴットを、最終的に350mmφの円盤に成型する場合は、面積比は5.5倍になるので、成型回数は3回以上であることが好ましい。
上述したように、TiO2−SiO2ガラスの成型にグラファイト製成型容器を用いた場合、成型容器に用いられているグラファイトによって、TiO2−SiO2ガラス表面に存在するTiO2(IV)が還元されて、ゼロ膨張を示さない黒色の結晶(Ti23(III))を生じる。また、この反応の際に発生するCO、CO2等のガスによって、TiO2−SiO2ガラス内にTi23(III)や泡の巻き込みが生じる。
グラファイト製成型容器の内面がSiCで被覆されている場合であっても、粉体のSiCを成形容器の内面に塗布することによって被覆層を形成しているため、被覆層の隙間を介して揮発したカーボンが透過し、Ti23や泡の巻き込みが発生することを回避できない。
本発明のTiO2−SiO2ガラスの成型方法では、2回以上実施する成型工程間にTiO2−SiO2ガラスの表面を研削する研削工程を実施することにより、TiO2−SiO2ガラスのうち、Ti23や泡の巻き込みが生じた表層部分を除去する。
すなわち、本発明のTiO2−SiO2ガラスの成型方法における研削工程は、研削対象となる面を研削することで、Ti23や泡の巻き込みが生じた表層部分を除去する目的で実施するものであり、TiO2−SiO2ガラスを特定の形状に加工するための研削、例えば、くり抜き加工を目的とする研削とは異なる。
上記の目的を達成するためには、研削工程における研削量が1〜15mmであることが好ましい。研削量が少なすぎると、Ti23や泡の巻き込みが生じた表層部分を除去するのに不十分である。研削量が多すぎると、Ti23や泡の巻き込みが生じた表層部分を除去にはもはや寄与せず、TiO2−SiO2ガラスの歩留まりにつながるおそれがある。また、研削ムラによってTiO2−SiO2ガラスの表面に過度の変形を生じるおそれがある。
研削量が、1〜10mmであることがより好ましく、1〜5mmであることがさらに好ましい。
本発明のTiO2−SiO2ガラスの成型方法では、研削工程実施後のTiO2−SiO2ガラスに対して、さらに成型工程を実施するので、TiO2−SiO2ガラスの研削面にはある程度の凹凸が存在しても特に問題とならない。むしろ、研削工程に使用する装置は、研削面の仕上げ状態よりも、単位時間当たりの研削量(すなわち、研削レート)のほうが重視される。このため、研削工程には、研削レートが高くすることができることから、グラインダ、ウォータージェット、サンダー、リューターが好ましく使用される。
これらの中でも、装置コストが低い、ガラスの研削装置として広く用いられていることから十分な知見がある、局所的なTi23(III)や泡の巻き込みを選択的に研削ができる等の理由からハンディグラインダが特に好ましい。
本発明のTiO2−SiO2ガラスの成型方法では、成形工程実施後のTiO2−SiO2ガラスの全ての表面を研削することは必ずしも要求されない。TiO2−SiO2ガラスにおけるTi23や泡の巻き込みの発生しやすさは、ガラスの部位によって異なる。例えば、成形工程実施時にTiO2−SiO2ガラスの上面となる部位は、成形工程実施時に広がっていくため、Ti23や泡の巻き込みが発生しにくい。このようなTi23や泡の巻き込みが発生しにくいことが明らかな面は研削しなくてもよい。一方、成形工程実施時にTiO2−SiO2ガラスの側面となる部位、および、底面となる部位は、Ti23や泡の巻き込みが発生しやすいので、研削を行うことが好ましい。
本発明のTiO2−SiO2ガラスの成型方法では、2回以上実施する成型工程間に少なくとも1回研削工程を実施すればよく、全ての成型工程間で研削工程を実施することは必ずしも要求されない。たとえば、成型工程を3回実施する場合に、1回目と2回目の成型工程の間には研削工程を実施せず、2回目と3回目の成型工程の間に研削工程を実施してもよい。また、成型工程を4回実施する場合に、1回目と2回目の成型工程の間、および、2回目と3回目の成型工程の間には研削工程を実施せず、3回目と4回目の成型工程の間にのみ研削工程を実施してもよい。但し、研削工程の目的がTi23や泡の巻き込みが生じた表層部分の除去であることを考慮すると、複数回実施する成型工程のうち、最後に行う成型工程と、その一つ前に行う研削工程との間には研削工程を行うことが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、例1〜4は実施例、例5〜6は比較例、例7は参考例である。
(例1)
VAD法で得られた直径130mm、高さ280mmの円柱形状のTiO2−SiO2ガラスをグラファイト製成型容器内に設置した。次いでグラファイト製成型容器を炉内に設置し、不活性雰囲気中(Ar雰囲気0.005MPa)、1725℃で第1の成型工程を実施し、直径165mm、高さ170mmの円柱形状の第1の成型体を得た。成型工程の前後の断面の面積比は1.61である。
第1の成型工程実施後、室温まで冷却した後、グラファイト製成型容器から第1の成型体を取り出し、第1の成型体の表面を研削量が15mmとなるようにグラインダで研削した(研削工程)。
次に、研削後の第1の成型体をグラファイト製成型容器内に設置した後、第1の成型工程と同様の条件で第2の成型工程を実施し、底面175mm×175mm、高さ120 mmの直方体形状の第2の成型体を得た。成型工程の前後の断面の面積比は1.43である。また、成型前後のガラス体の断面の面積比は2.31である。
第2の成型工程実施後、室温まで冷却した後、グラファイト製成型容器から第2の成型体を取り出してTiO2−SiO2ガラスを得た。TiO2−SiO2ガラスへのTi23(III)や泡の巻き込みの有無を肉眼で観察した。その結果、第2の成型工程実施後のTiO2−SiO2ガラスには、肉眼で確認できるTi23(III)や泡の巻き込みは認められなかった。また成型途中でのTiO2−SiO2ガラスの倒れ込みはなかった。
(例2)
第1の成型工程実施後の第1の成型体の研削量を1mmとした点を除いて、例1と同様の手順を実施した。その結果、第2の成型工程実施後のTiO2−SiO2ガラスには、肉眼で確認できるTi23(III)と泡の巻き込みがわずかに認められた。成型途中でのTiO2−SiO2ガラスの倒れ込みはなかった。
(例3)
内面がSiC粉体で被覆されたグラファイト製成型容器を用いた点を除いて、例2と同様の手順を実施した。その結果、第2の成型工程実施後のTiO2−SiO2ガラスには、肉眼で確認できるTi23(III)と泡の巻き込みがわずかに認められた。成型途中でのTiO2−SiO2ガラスの倒れ込みはなかった。
(例4)
第1の成型工程実施後の第1の成型体の研削量を2mmとした点を除いて、例1と同様の手順を実施した。その結果、第2の成型工程実施後のTiO2−SiO2ガラスには、肉眼で確認できるTi23(III)と泡の巻き込みがわずかに認められた。成型途中でのTiO2−SiO2ガラスの倒れ込みはなかった。
(例5)
第1の成型工程と、第2の研削工程と、の間に研削工程を実施しなかった点を除いて、例1と同様の手順を実施した。その結果、第2の成型工程実施後のTiO2−SiO2ガラスには、肉眼で確認できるTi23(III)と泡の巻き込みが顕著に認められた。成型途中でのTiO2−SiO2ガラスの倒れ込みはなかった。
(例6)
第1の成型工程と、第2の研削工程と、の間に研削工程を実施しなかった点を除いて、例3と同様の手順を実施した。その結果、第2の成型工程実施後のTiO2−SiO2ガラスには、肉眼で確認できるTi23(III)と泡の巻き込みが顕著に認められた。成型途中でのTiO2−SiO2ガラスの倒れ込みはなかった。
(例7)
第1の成型工程の前に、TiO2−SiO2ガラスの表面を研削量が15mmとなるようにグラインダで研削し(研削工程)、その後、第1の成型工程を行い、底面175mm×175mm、高さ120mmの直方体形状の第1の成型体を得た。成型工程の前後の断面の面積比は2.31である。
第1の成型工程実施後、室温まで冷却した後、グラファイト製成型容器から第1の成型体を取り出して、Ti23(III)や泡の巻き込みの有無を肉眼で観察した。その結果、肉眼で確認できるTi23(III)と泡の巻き込みの問題があった。また、成型途中でのTiO2−SiO2ガラスの倒れ込みが起こった。

Claims (5)

  1. 成型容器内にTiO2を含有するシリカガラスを設置し、前記成型容器内で前記TiO2を含有するシリカガラスを不活性雰囲気中で1500℃以上の温度で成型する成型工程を2回以上実施することにより、所望の形状の成型体を得るTiO2を含有するシリカガラスの成型方法であって、
    前記成型工程間に、前記TiO2を含有するシリカガラスの少なくとも1つの表面を研削する研削工程を少なくとも1回実施することを特徴とするTiO2を含有するシリカガラスの成型方法。
  2. 前記研削工程における研削量が1〜15mmである、請求項1に記載のTiO2を含有するシリカガラスの成型方法。
  3. 前記成型容器がグラファイト製成型容器である、請求項1または2に記載のTiO2を含有するシリカガラスの成型方法。
  4. 各成型工程において、成型工程の前後の断面の面積比が2倍未満である請求項1〜3のいずれかに記載のTiO2を含有するシリカガラスの成型方法。
  5. 成型前後のガラス体の断面の面積比が、2〜10倍である請求項1〜4のいずれかに記載のTiO2を含有するシリカガラスの成型方法。
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