JP5487676B2 - 活物質、これを含む電極、当該電極及びリチウム塩を含む電解質溶液を備える電気化学デバイス - Google Patents

活物質、これを含む電極、当該電極及びリチウム塩を含む電解質溶液を備える電気化学デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP5487676B2
JP5487676B2 JP2009082283A JP2009082283A JP5487676B2 JP 5487676 B2 JP5487676 B2 JP 5487676B2 JP 2009082283 A JP2009082283 A JP 2009082283A JP 2009082283 A JP2009082283 A JP 2009082283A JP 5487676 B2 JP5487676 B2 JP 5487676B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active material
electrode
electrolyte solution
lithium
composite oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009082283A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010238387A (ja
Inventor
佳太郎 大槻
篤史 佐野
長 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2009082283A priority Critical patent/JP5487676B2/ja
Publication of JP2010238387A publication Critical patent/JP2010238387A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5487676B2 publication Critical patent/JP5487676B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、活物質、これを含む電極、当該電極及びリチウム塩を含む電解質溶液を備える電気化学デバイス、に関する。
リチウムイオン二次電池の正極材料であるLiCoOの代替材料として、LiNiO、LiNiOのNiを他の金属元素で置換した複合酸化物等が注目されている。しかし、LiNiO、LiNiOのNiを他の金属元素で置換した複合酸化物といったLiNiO系材料は、吸湿性が高いことが知られている。
特許文献1には、LiNiO、LiNiOのNiを他の金属元素で置換した複合酸化物等のLiNiO系材料の製造方法が開示され、特に、LiNiO系材料の水分量を800ppm以下とすることにより使用時のガス発生を抑制できることが記載されている。この理由として、特許文献1によれば、LiNiO系材料の水分量が多いと、LiNiO系材料の表面に吸着する水が多くなり、この水の少なくとも一部が充電時に電気分解されてガスを発生させることが開示されている。
特開2003−17054号公報
しかしながら、LiNiO系材料の放電容量については、未だ改善の余地があった。
そこで本発明は、放電容量の高い、ニッケルを含むリチウム複合酸化物を主成分とする活物質、これを含む電極、当該電極及びリチウム塩を含む電解質溶液を備える電気化学デバイス、を提供することを目的とする。
本発明に係る活物質は、下記式(1)で表される複合酸化物を主成分とし、含水量が200〜350質量ppmである。
LiNi1−x…(1)
式(1)中、xは0.5≦x<1を満たし、Mは、1種以上の任意の金属元素である。
また、本発明に係る電極は、集電体と、上記活物質を含み集電体上に設けられた活物質層と、を備える。
また、本発明に係る電気化学デバイスは、上記電極及びリチウム塩を含む電解質溶液を備える。
本発明者らは、式(1)で表される複合酸化物を主成分とする活物質に含まれる水分量(含水量)が200〜350質量ppmの範囲内の値であると、この活物質を含む電極及びリチウム塩を含む電解質溶液を備える電気化学デバイスの放電容量が著しく向上することを見出した。理由は必ずしも明らかではないが、上記式(1)で表わされる複合酸化物を主成分とする活物質は、上記特定量の水分子の大部分を、結晶格子内に保持すると考えられる。充放電時における活物質へのLiイオンのインターカレート/デインターカレートは、活物質の結晶格子に対して膨張収縮をもたらすが、結晶格子中に水分子が存在することにより、結晶格子の膨張収縮にともなう活物質の変形が抑制され、Liイオンのインターカレート/デインターカレートが行われ易くなるものと考えられる。そして、水分量が多すぎる場合には、活物質の表面に吸着する水分子の量が増加し、水分と有機電解液との副反応(例えば、有機電解液の分解反応)等が増加することとなり、水分量が少なすぎる場合には、結晶格子内に保持される水分子が減少することとなり、いずれも放電容量を十分に向上させ難くなると考えられる。
ここで、本発明に係る活物質、含水量が233〜297質量ppmであることが好ましい。
また、本発明に係るリチウムイオン二次電池の製造方法は、下記式(1)で表される複合酸化物を主成分とする活物質の含水量を200〜350質量ppmとする水分調節工程を備える。
LiNi1−x…(1)
式(1)中、xは0.5≦x<1を満たし、Mは、任意の金属元素である。
これにより、上述した本発明に係る活物質を得ることができる。
本発明によれば、放電容量の高い、ニッケルを含むリチウム複合酸化物を主成分とする活物質、これを含む電極、当該電極及びリチウム塩を含む電解質溶液を備える電気化学デバイス、を提供することができる。
図1は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の模式断面図である。 図2は、実施例1〜10及び比較例1〜4において、横軸を活物質の水分含有量(ppm)、縦軸を評価セルの放電容量(mAh/g)としてプロットしたグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、参照する図面の寸法比率は、必ずしも実際の寸法比率とは一致するとは限らない。
<活物質>
本実施形態に係る活物質は、含水量が200〜350質量ppmであり、下記式(1)で表される複合酸化物を主成分とする。
LiNi1−x…(1)
式(1)中、xは0.5≦x<1を満たし、Mは、1種以上の任意の金属元素である。
式(1)中、放電容量をより向上させる観点から、xは0.7〜0.9であることが好ましい。
式(1)中、Mは、Co,Mn,Alからなる群より選ばれる1種以上の金属元素であることが好ましい。また、Mが1種である場合、Mは、Coであることが好ましく、2種である場合、CoとAlとの組み合わせ(モル比3:1)、CoとMnとの組み合わせ(モル比1:1)、であることが好ましい。
本発明において、「式(1)で表される複合酸化物を主成分とする」とは、活物質における式(1)で表される複合酸化物の量が、質量基準で90%以上、好ましくは95%以上であることを意味する。
活物質に含まれる水分量(含水量)は、200〜350質量ppmであり、放電容量を著しく増加させる観点から、233〜297質量ppmであることが好ましい。含水量は、カールフィッシャー法によって測定することができる。
活物質の形状は特に制限されないが、電極を作製する際に、活物質と混合する導電材及び、バインダーとの親和性、並びに、上記混合物の集電体への良好な塗布性の観点から、粒子状であることが好ましい。また、電解液との接触面積を向上させる観点から、累積率が10%である一次粒子径(D10)が1〜10μm、累積率が50%である一次粒子径(D50)が11〜20μm、累積率が90%である一次粒子径(D90)が21〜30μmであることが好ましく、D10が5〜8μm、D50が12〜16μm、D90が22〜26μmであることがさらに好ましい。なお、D10、D50及びD90は、公知のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置により、活物質に対して得られた体積基準の粒度分布に基づいて求めることができる。
<活物質の製造方法>
式(1)で表わされる複合酸化物の原料化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
リチウム源、すなわち、リチウム元素を含有する化合物としては、各種のリチウム化合物、例えば、LiCO、LiNO、LiOH、LiOH・HO、アルキルリチウム、酢酸リチウム等の有機リチウム化合物、LiCl、LiI等のリチウムハロゲン化物等の各種のリチウム化合物が挙げられる。
ニッケル源、すなわち、ニッケル元素を含有する化合物としては、Ni(OH)、NiO、NiOOH、NiCO・2Ni(OH)・4HO、Ni(NO・6HO、NiSO、NiSO・6HO、脂肪酸ニッケル、シュウ酸ニッケル等の有機ニッケル化合物、及びニッケルハロゲン化物等の各種のニッケル化合物が挙げられる。
M(金属元素)源、すなわち、M(金属元素)を含有する化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
Mがマンガンである場合、マンガン源としては、Mn、Mn、MnO、MnOOH、MnCO、Mn(NO、MnSO、有機マンガン化合物、マンガン水酸化物、及びマンガンハロゲン化物等の各種のマンガン化合物が挙げられる。
Mがコバルトである場合、コバルト源としては、Co(OH)、CoO、Co、Co、酢酸コバルト等の有機コバルト化合物、CoCl、Co(NO・6HO、及びCo(SO)・7HO等の各種のコバルト化合物等が挙げられる。
Mがアルミニウムである場合、アルミニウム源としては、AlOOH、Al、Al(OH)、AlCl、Al(NO・9HO、有機アルミニウム化合物及びAl(SO等の各種のアルミニウム化合物が挙げられる。
そして、これらの原料化合物を、例えばボールミルで混合し、混合物を焼成することにより所望の組成の複合酸化物を得ることができる。ここで、混合物の焼成条件は特に制限されないが、例えば、酸素含有ガス雰囲気下、700〜1050℃の温度で、0.5〜50時間焼成すればよい。焼成装置としては常用のものを用いればよく、例えば箱形炉、管状炉、トンネル炉、ロータリーキルン等を使用することができる。
次に、焼成後の複合酸化物から不純物を除去するために、得られた複合酸化物を水等の洗浄液で洗浄する。例えば、得られた複合酸化物と蒸留水とを容器中で十分に攪拌し、その後、ろ過等により複合酸化物を回収すればよい。洗浄条件も特に限定されない。ここで不純物とは、例えば、複合酸化物の生成に寄与しなかった原料化合物のことである。
次に、洗浄後に洗浄液から回収された複合酸化物を乾燥し、この際に、活物質に含まれる水分量(含水量)を、200〜350質量ppmとする。乾燥方法は特に限定されず、加熱、真空排気、所定の水分含有量の雰囲気中への放置等があげられる。乾燥条件も特に限定されず、乾燥前の活物質に含まれる水分量、及び、適用する乾燥方法に応じて、適宜設定できる。例えば、加熱と真空排気とを組み合わせた乾燥は、比較的短時間で水分量の調整が可能となるため好ましい。乾燥方法として具体的には、例えば、まず、水により複合酸化物を洗浄、又は、複合酸化物へ水を添加し、次に、70〜100℃程度の大気雰囲気とされた恒温槽内で予備乾燥を行う。その後、真空排気しながら70〜100℃程度で本乾燥を行う方法が挙げられる。予備乾燥の温度及び時間と、本乾燥の温度及び時間とを適宜調整することによって、乾燥後の活物質に含まれる水分量を200〜350質量ppmの範囲とすることができる。なお、予備乾燥の前に、エチルアルコール又はイソプロピルアルコール等による置換乾燥を行ってもよい。また、予備乾燥は、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
また、水以外の洗浄液を使用する場合等、洗浄方法によっては、水分調節前の活物質の含水量が200〜350質量ppm未満となる場合も有るが、この場合には、所定の水分を含有する雰囲気中に放置する等により活物質に対して加湿処理を行い、含水量を上記の範囲に調節すればよい。
<正極(電極)>
続いて、本実施形態に係る正極(電極)10について図1を参照して説明する。
本実施形態に係る正極10は、集電体12と、上述のように水分量が調節された活物質を含み集電体12上に設けられた正極活物質層14と、を備える。
正極10の集電体12としては、例えば、アルミニウム箔等の金属箔を使用できる。集電体12上に設けられる正極活物質層14は、上述の活物質、バインダー、及び、必要に応じた量の導電材を含む層である。
バインダーは、上記の活物質と導電材とを集電体に結着することができれば特に限定されず、公知のバインダーを使用できる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ化ビニリデン―ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素樹脂が挙げられる。このバインダーは、活物質や導電材等の構成材料同士を結着するのみならず、それらの構成材料と集電体との結着にも寄与している。更に、上記の他に、バインダーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等を用いてもよい。また、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、その水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子を用いてもよい。更に、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン(炭素数2〜12)共重合体等を用いてもよい。また、導電性高分子を用いてもよい。
導電材は、特に限定されず、公知の導電材を使用できる。例えば、カーボンブラック類、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属粉、炭素材料及び金属粉の混合物、ITOのような導電性酸化物が挙げられる。
<正極の製造方法>
上述した正極10は、例えば、上述の活物質、バインダー、及び、必要に応じた量の導電材を、それらの種類に応じた溶媒、例えばPVDFの場合はN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒に添加してスラリーを作成し、このスラリーを集電体12の表面に塗布し、乾燥させることにより製造できる。
上記工程は、活物質の含水量を200〜350質量ppmに維持するために、露点が−40℃以下のドライルームで行うことが好ましい。
<リチウムイオン二次電池>
続いて、上述した活物質を含む電極を備えるリチウムイオン二次電池について図1を参照して簡単に説明する。
リチウムイオン二次電池100は、主として、積層体30、積層体30を密閉した状態で収容する外装体50、及び積層体30に接続された一対のリード60,62を備えている。
積層体30は、一対の正極10、負極20がセパレータ18を挟んで対向配置されたものである。正極10は、上述のとおりである。負極20は、負極集電体22上に負極活物質層24が設けられた物である。正極活物質層14及び負極活物質層24がセパレータ18の両側にそれぞれ接触している。正極集電体12及び負極集電体22の端部には、それぞれリード60,62が接続されており、リード60,62の端部は外装体50の外部にまで延びている。
負極集電体22としては、銅箔等を使用できる。また、負極活物質層24としては、負極活物質、バインダー、及び、必要に応じた量の導電材を含むものを使用できる。バインダー及び導電材については、正極で例示したものを利用できる。
負極活物質としては、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出(インターカレート・デインターカレート、或いはドーピング・脱ドーピング)可能な黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、Al、Si、Sn等のリチウムと化合することのできる金属、SiO2、SnO2等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi512)等を含む粒子が挙げられる。
負極20の製造方法は、正極10の製造方法と同様にスラリーを調整して集電体に塗布すればよい。
電解質溶液は、正極活物質層14、負極活物質層24、及び、セパレータ18の内部に含有させるものである。電解質溶液としては、特に限定されず、例えば、本実施形態では、リチウム塩を含む電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液)を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いことにより、充電時の耐用電圧が低く制限されるので、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。電解質溶液としては、リチウム塩を非水溶媒(有機溶媒)に溶解したものが好適に使用される。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiCF3、CF2SO3、LiC(CF3SO23、LiN(CF3SO22、LiN(CF3CF2SO22、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiN(CF3CF2CO)2、LiBOB(リチウムビス(オキサラート)ボレート)等の塩が使用できる。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、及び、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等が好ましく挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
なお、本実施形態において、電解質溶液は液状以外にゲル化剤を添加することにより得られるゲル状電解質であってもよい。また、電解質溶液に代えて、固体電解質(固体高分子電解質又はイオン伝導性無機材料からなる電解質)が含有されていてもよい。
また、セパレータ18も、電気絶縁性の多孔質構造から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
外装体50は、その内部に積層体30及び電解液を密封するものである。外装体50は、電解液の外部への漏出や、外部からのリチウムイオン二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。例えば、外装体50として、図1に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、合成樹脂膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン、ポリプロピレン等が好ましい。
リード60,62は、アルミ等の導電材料から形成されている。
<リチウムイオン二次電池の製造方法>
続いて、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の製造方法は、上述した活物質を含む正極10と、負極20と、正極と負極との間に介在するセパレータ18と、リチウム塩を含む非水電解質溶液と、を外装体50内に封入する工程を備える。
例えば、上述した活物質を含む正極10と、上記負極20と、上記セパレータ18とを積層し、正極10及び負極20を、積層方向に対して垂直な方向から、プレス器具で加熱加圧し、正極10、セパレータ18、及び負極20を密着させる。そして、例えば、予め作製した袋状の外装体50に、上記積層体30を入れ、上記リチウム塩を含む非水電解質溶液を注入することにより、リチウムイオン二次電池を作製することができる。なお、外装体に上記リチウム塩を含む非水電解質溶液を注入するのではなく、積層体30を予め上記リチウム塩を含む非水電解質溶液に含浸させてもよい。
上記工程は、正極10中の活物質の含水量を200〜350質量ppmに維持するために、露点−40℃以下のドライルームで行うことが好ましい。
本実施形態によれば、正極10の活物質の含水量が200〜350質量ppmであり、さらにこの活物質は式(1)で表される複合酸化物を主成分とする。このような活物質を含むリチウムイオン二次電池は、放電容量が従来に比して極めて高くなる。理由は必ずしも明らかではないが、式(1)で表わされる複合酸化物を主成分とする活物質は、上記特定量の水分子の大部分を結晶格子内に保持すると考えられる。そして、この水分子の存在により、放電時におけるLiイオンの活物質へのインターカレートは行われ易くなるものと考えられる。そして、活物質に含まれる水分量が多すぎる場合には、活物質の表面に吸着する水分子の量が増加し、水分と有機電解液との反応が増加することとなり、水分量が少なすぎる場合には、結晶格子内に保持される水分子が減少することとなり、いずれも放電容量を十分に向上させることができないと考えられる。また、このような活物質は、LiCoOのようにCoを多く含まないため、従来よりも、安価にリチウムイオン二次電池を得ることができる。
以上、活物質、これを含む電極、当該電極を備えるリチウムイオン二次電池、並びに当該電極を備えるリチウムイオン二次電池の製造方法の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態に係る活物質は、リチウムイオン二次電池以外の電気化学素子の電極材料としても用いることができる。このような、電気化学素子としては、金属リチウム二次電池(カソードに本発明の活物質を含む電極を用い、アノードに金属リチウムを用いたもの)等のリチウムイオン二次電池以外の二次電池や、リチウム塩を含む電解質溶液を備えるリチウムキャパシタ等の電気化学キャパシタ等が挙げられる。これらの電気化学素子は、自走式のマイクロマシン、ICカードなどの電源や、プリント基板上又はプリント基板内に配置される分散電源の用途に使用することが可能である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<活物質の作製>
LiOH・HO、Ni(OH)、Co(OH)、AlOOHを、Li:Ni:Co:Al=1.05:0.8:0.15:0.05(原子比)となるように配合し、ボールミルで混合した。この混合物を、大気雰囲気中、850℃で10時間焼成して、LiNi0.8Co0.15Al0.05の焼成物を得た。そして、焼成終了後、得られた複合酸化物を粉砕した。
(複合酸化物の洗浄工程)
その後、1000mlのビーカー中に、得られた複合酸化物70gと蒸留水600mlとを入れ、攪拌器で15分間攪拌後、吸引濾過器に移し、60分で脱水し、複合酸化物の洗浄を行った。
(複合酸化物の乾燥工程)
次に、濾紙上に残った複合酸化物を90℃に保った恒温槽に入れ、24時間の予備乾燥を行い、その後恒温槽内を真空排気しながら(排気開始後の定常圧力:13.33kPa)、80℃で48時間の本乾燥を行い、実施例1の活物質を得た。この活物質に残留した水分の量(含水量)を、カールフィッシャー法のうち、電量滴定法により測定すると、309質量ppmであった。
<放電容量の測定>
実施例1の活物質と、バインダーであるポリフッ化ビニリデン(PVDF)とアセチレンブラックを混合したものを、溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。なお、スラリーにおいて活物質とアセチレンブラックとPVDFとの重量比が90:5:5となるように、スラリーを調製した。このスラリーを集電体であるアルミニウム箔上に塗布し、乾燥させた後、圧延を行い、実施例1の活物質を含む活物質層が形成された電極(正極)を得た。
次に、得られた電極と、その対極であるLi箔とを、それらの間にポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを挟んで積層し、積層体(素体)を得た。この積層体を、アルミラミネーターパックに入れ、このアルミラミネートパックに、電解液として1MのLiPF溶液を注入した後、真空シールし、実施例1の評価用セルを作製した。
実施例1の評価用セルを用いて、放電レートを0.1C(25℃で定電流放電を行ったときに10時間で放電終了となる電流値)とした場合の放電容量(単位:mAh/g)を測定した。0.1Cでの放電容量は、196mAh/gであった。
(実施例2〜10、比較例1〜4)
恒温槽内での乾燥について、予備乾燥条件及び本乾燥条件を、下記表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2〜10、比較例1〜4の活物質を得た。この活物質に残留した水分の量(含水量)及び、これらの活物質を用いた評価用セルの放電容量を表1に示す。
Figure 0005487676
図2は、横軸を活物質の含水量(ppm)、縦軸を評価用セルの放電容量(mAh/g)としてプロットしたグラフである。活物質の含水量が200〜350質量ppmの範囲内である実施例1〜10の活物質は、いずれも放電容量が190mAh/g(閾値A)より大きかった。また、活物質の含水量が233〜297質量ppmの範囲内である実施例2,3,4,6,8,の活物質は、いずれも放電容量が200mAh/g(閾値B)より大きく、極めて高い放電容量が得られた。
以上より、本発明の活物質を含む電極を備えたリチウムイオン二次電池によれば、高い放電容量を得ることができる。

Claims (4)

  1. 結晶格子中に水分子が存在する下記式(1)で表される複合酸化物を主成分とし、含水量が200〜350質量ppmである活物質。
    LiNi1−x・・・(1)
    [式(1)中、xは0.5≦x<1を満たし、Mは、1種以上の任意の金属元素である。
  2. 前記含水量が233〜297質量ppmである、請求項1記載の活物質
  3. 集電体と、請求項1又は2に記載の活物質を含み、前記集電体上に設けられた活物質層と、を備える電極
  4. 請求項3に記載の電極及びリチウム塩を含む電解質溶液を備える電気化学デバイス。
JP2009082283A 2009-03-30 2009-03-30 活物質、これを含む電極、当該電極及びリチウム塩を含む電解質溶液を備える電気化学デバイス Active JP5487676B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009082283A JP5487676B2 (ja) 2009-03-30 2009-03-30 活物質、これを含む電極、当該電極及びリチウム塩を含む電解質溶液を備える電気化学デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009082283A JP5487676B2 (ja) 2009-03-30 2009-03-30 活物質、これを含む電極、当該電極及びリチウム塩を含む電解質溶液を備える電気化学デバイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010238387A JP2010238387A (ja) 2010-10-21
JP5487676B2 true JP5487676B2 (ja) 2014-05-07

Family

ID=43092554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009082283A Active JP5487676B2 (ja) 2009-03-30 2009-03-30 活物質、これを含む電極、当該電極及びリチウム塩を含む電解質溶液を備える電気化学デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5487676B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101521158B1 (ko) 2007-06-22 2015-05-18 보스톤-파워, 인크. 리튬-이온 전지에 대한 cid 보유 장치
JP5858687B2 (ja) * 2011-08-26 2016-02-10 株式会社東芝 非水電解質二次電池及びその製造方法
CN103210529B (zh) 2011-02-18 2016-03-02 株式会社东芝 非水电解质二次电池及其制造方法
JP5813336B2 (ja) * 2011-02-18 2015-11-17 株式会社東芝 非水電解質二次電池
DE102011012713A1 (de) * 2011-03-01 2012-09-06 Süd-Chemie AG Lithium-Titan-Mischoxid
JP5917049B2 (ja) * 2011-08-26 2016-05-11 株式会社東芝 非水電解質二次電池及びその製造方法
JP2014194868A (ja) * 2013-03-28 2014-10-09 Jx Nippon Mining & Metals Corp リチウムイオン電池用正極活物質、リチウムイオン電池用正極、及び、リチウムイオン電池
JP2016177901A (ja) * 2015-03-18 2016-10-06 株式会社東芝 二次電池用正極活物質、二次電池、及び、二次電池用正極活物質の製造方法
JP6580886B2 (ja) 2015-06-30 2019-09-25 株式会社エンビジョンAescジャパン リチウムイオン二次電池
JP6986879B2 (ja) * 2016-07-12 2021-12-22 Basf戸田バッテリーマテリアルズ合同会社 非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池
JP2017041457A (ja) * 2016-11-30 2017-02-23 Jx金属株式会社 リチウムイオン電池用正極活物質、リチウムイオン電池用正極、及び、リチウムイオン電池
JP6254732B1 (ja) * 2017-03-13 2017-12-27 Basf戸田バッテリーマテリアルズ合同会社 非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法及び非水電解質二次電池の製造方法
JP7014674B2 (ja) * 2018-05-21 2022-02-01 Jx金属株式会社 リチウムイオン電池用正極活物質、リチウムイオン電池用正極、及び、リチウムイオン電池
WO2021241418A1 (ja) * 2020-05-27 2021-12-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 正極活物質、正極材料、電池、および正極活物質の製造方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0982325A (ja) * 1995-09-08 1997-03-28 Sony Corp 正極活物質の製造方法
JP4171848B2 (ja) * 1998-06-02 2008-10-29 宇部興産株式会社 リチウムイオン非水電解質二次電池
JP4106644B2 (ja) * 2000-04-04 2008-06-25 ソニー株式会社 電池およびその製造方法
JP2001297750A (ja) * 2000-04-11 2001-10-26 Yuasa Corp リチウム二次電池用発電要素およびそれを用いたリチウム二次電池
JP3532139B2 (ja) * 2000-05-22 2004-05-31 日本電信電話株式会社 ニッケル含有酸化物電極材料の製造方法及びその電極材料を用いる電池
JP2003017054A (ja) * 2001-06-29 2003-01-17 Sony Corp 正極活物質及び非水電解質電池の製造方法
JP4427314B2 (ja) * 2002-12-20 2010-03-03 住友金属鉱山株式会社 非水系電解質二次電池用正極活物質及びその製造方法、それを用いた非水系電解質二次電池およびその製造方法
JP5115781B2 (ja) * 2006-10-23 2013-01-09 トヨタ自動車株式会社 リチウム二次電池およびその製造方法
JP2009140909A (ja) * 2007-11-13 2009-06-25 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池用正極の製造方法及び非水電解質二次電池の製造方法
JP2009129747A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Nec Corp 二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010238387A (ja) 2010-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5487676B2 (ja) 活物質、これを含む電極、当該電極及びリチウム塩を含む電解質溶液を備える電気化学デバイス
JP4317571B2 (ja) 活物質、電極、電池、及び活物質の製造方法
US11569492B2 (en) Positive-electrode active material and battery
US10062925B2 (en) Electrolyte solution for lithium secondary battery and lithium secondary battery
JP5811269B2 (ja) 非水電解液二次電池
WO2016103657A1 (ja) 非水電解質二次電池
JP6353310B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP5664685B2 (ja) 非水電解質溶液およびリチウムイオン二次電池
KR20160007464A (ko) 이차전지용 전해액 및 이를 포함하는 리튬 이차전지
KR101629489B1 (ko) 불소 고분자를 이용하여 표면처리한 리튬 이차전지용 양극 활물질 및 이의 제조방법
JP2011049114A (ja) リチウムイオン二次電池
JP7321932B2 (ja) 電力機器を始動するためのバッテリーモジュール
JP6697377B2 (ja) リチウムイオン二次電池
KR101511022B1 (ko) 수분 제한 전극 활물질, 수분 제한 전극 및 이를 포함하는 리튬 이차전지
KR101572074B1 (ko) 용량이 향상된 음극 활물질 및 이를 포함하는 리튬 이차전지
TWI600195B (zh) 非水電解質二次電池及使用其之組電池
JP2011049102A (ja) 活物質、これを含む電極、当該電極を備えるリチウム二次電池、及び活物質の製造方法
JP6613952B2 (ja) 正極活物質、及びそれを用いた正極ならびにリチウムイオン二次電池
CN108695513A (zh) 锂离子二次电池用正极活性物质、正极及锂离子二次电池
JP7491303B2 (ja) 集電体、導電性層形成用ペースト、電極、及び蓄電素子
JP2014007016A (ja) 非水電解液二次電池用正極および非水電解液二次電池
JP2018116903A (ja) 正極活物質、これを用いた正極及びリチウムイオン二次電池
JP2017152119A (ja) 正極活物質、及びそれを用いた正極ならびにリチウムイオン二次電池
JP2017103135A (ja) 負極活物質、それを用いた負極及びリチウムイオン二次電池
KR101478880B1 (ko) 리튬이차전지용 양극활물질, 이것의 제조방법 및 이를 포함하는 리튬이차전지

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111227

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20130424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130730

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131022

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5487676

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150