JP5486276B2 - 燃料電池セパレータ用樹脂組成物、燃料電池セパレータ成形用シート及び燃料電池セパレータ - Google Patents

燃料電池セパレータ用樹脂組成物、燃料電池セパレータ成形用シート及び燃料電池セパレータ Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池セパレータ用樹脂組成物、燃料電池セパレータ成形用シート及び燃料電池セパレータに関するものである。
一般に燃料電池は複数の単位セルを数十〜数百個直列に重ねて構成されるセルスタックから成り、これにより所定の電圧を得ている。
単位セルの最も基本的な構造は、「セパレータ/燃料電極(アノード)/電解質/酸化剤電極(カソード)/セパレータ」という構成を有している。この単位セルにおいては、電解質を介して対向する一対の電極のうち燃料電極に燃料を、酸化剤電極に酸化剤を供給して、電気化学反応により燃料を酸化させることにより、反応の化学エネルギーを直接電気化学エネルギーに変換するものである。
このような燃料電池は、電解質の種類によりいくつかのタイプに分類されるが、近年、高出力の燃料電池として、電解質として固体高分子電解質膜が用いられている固体高分子型燃料電池が注目されている。
図2は固体高分子型燃料電池の一例を示すものであり、左右両側面に複数個の凸部(リブ)1aが形成されている2枚の燃料電池セパレータ1,1の間に、固体高分子電解質膜4とガス拡散電極(燃料電極と酸化剤電極)3,3とを介在させて、単電池(単位セル)が構成され、この単位セルを数十個〜数百個並設して電池本体(セルスタック)が構成されている。前記凸部1aは、隣り合う凸部1a同士の間に、燃料である水素ガスと、酸化剤である酸素ガスの流路であるガス供給排出用溝2を構成する。
このようなセルスタックは、例えば家庭用定置型のものでは50〜100個の単位セルで構成され、また自動車積載用では400〜500個の単位セルで構成され、ノートパソコン搭載用では10〜20個の単位セルで構成される。
この固体高分子型燃料電池では、燃料電極に流体である水素ガスを、酸化剤電極に流体である酸素ガスを供給することにより、外部回路から電流を取り出すことができるようになるが、この際、各電極においては下記式に示したような反応が生じている。
燃料電極反応 : H→2H+2e…(1)
酸化剤電極反応 : 2H++2e+1/2O→HO…(2)
全体反応 : H+1/2O→H
即ち、燃料電極上で水素(H)はプロトン(H)となり、このプロトンが固体高分子電解質膜4中を酸化剤電極上まで移動し、酸化剤電極上で酸素(O)と反応して水(HO)を生ずる。従って、固体高分子型燃料電池の運転には、反応ガスの供給と排出、電流の取り出しが必要となる。
また、固体高分子型燃料電池は、通常、室温〜120℃以下の範囲での湿潤雰囲気下での運転が想定されており、そのため水を液体状態で扱うことが多くなるので、燃料電極への液体状態の水の補給管理と酸化剤電極からの液体状態の水の排出が必要となる。
また、固体高分子型燃料電池の一種であるメタノール直接型燃料電池(DMFC)では、燃料として水素の代わりにメタノール水溶液を供給しており、この場合、各電極においては下記式に示したような反応が生じている。空気極では酸素還元反応(水素を燃料とする場合と同じ反応)が起こっている。
燃料極反応 : CHOH+HO→CO+6H+6e…(1’)
空気極反応 : 3/2O+6H+6e→3HO…(2’)
全体反応 : CHOH+3/2O→CO+2H
メタノール直接型燃料電池(DMFC)と通常の固体高分子型燃料電池との全体反応同士を比較すると、メタノール直接型燃料電池では6倍の水が発生しているので、酸化剤電極からの液体状態の水の排出が更に重要となる。
このような燃料電池を構成する部品のうち、セパレータ1は、図2(a),(b)に示すように、薄肉の板状体の片面又は両面に複数個のガス供給排出用溝2を有する特異な形状を有しており、燃料電池内を流れる燃料ガス、酸化剤ガス及び冷却水が混合しないように分離する働きを有すると共に、燃料電池で発電した電気エネルギーを外部へ伝達したり、燃料電池で生じた熱を外部へ放熱するという重要な役割を担っている。
従来、セパレータ1を製造する方法として、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と黒鉛とを主成分とする樹脂組成物を圧縮成形や射出成形、あるいはトランスファー成形等により成形する方法が知られている(たとえば特許文献1−2参照)。しかし、これらの方法では、セパレータ1の薄型化には対応しにくいものであった。
そこで、セパレータ1の薄型化や軽量化、並びにそれによる低コスト化のために、樹脂組成物をロール成形法や押し出成形法などでシート状に成形し、このシートに対して更に圧縮成形、熱圧モールド成形等を施すことでセパレータ1を作製することも試みられている。しかしながら、この場合はシート化のためのロール成形や押し出成形の際に、組成物中の黒鉛粒子に大きな応力がかかることでこの黒鉛粒子が細粒化されてしまい、これによりセパレータ1の導電性が低下してしまうという問題があった。また薄型化によってセパレータ1の機械的強度が低下してしまうという問題があった。このため、このような手法によるセパレータ1の薄型化については、実用化への展望が見出せないものであった。
また、セパレータ1を作製するにあたっては、このセパレータ1を薄型化すればするほど、セパレータ1の全体厚みに対する厚み誤差の影響が大きくなる。例えばセパレータ1の全体厚みが2mmの場合と0.5mmの場合とでは、厚み誤差が同じ±30μm程度であっても、後者の方が厚み誤差の影響が大きくなる。このためセパレータ1の薄型化にあたっては実用上、厚み精度の更なる向上が求められる。また実用上、連続成形性が高いことも求められる。
特開2001−216976号公報 特開2002−114572号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、燃料電池セパレータの薄型化を可能とすると共に、この燃料電池セパレータの厚み精度と成形性を向上することができる燃料電池セパレータ用樹脂組成物、燃料電池セパレータ成形用シート及びこの燃料電池セパレータ用樹脂組成物及び燃料電池セパレータ成形用シートから形成される燃料電池セパレータを提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池セパレータ用樹脂組成物は、下記(A)成分と、熱硬化性樹脂中のエポキシ樹脂の少なくとも一部として下記(B)成分と、硬化剤の少なくとも一部として下記(C)成分と、硬化促進剤の少なくとも一部として下記(D)成分とを含有し、液状であることを特徴とする;
(A)100メッシュ篩(目開き150μm)を通過する粒径を有し、且つ平均粒径30〜70μmの黒鉛粒子、
(B)オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂からなり、或いはオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂と、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂から選択される少なくとも一種とからなるエポキシ樹脂成分、
(C)フェノール樹脂、及び
(D)測定開始温度30℃、昇温速度10℃/分、保持温度120℃、保持温度での保持時間30分の条件で加熱した場合の重量減少が5%以下であり、2位に炭化水素基を有する置換イミダゾール。
このため、本発明では、置換イミダゾールが硬化促進剤として作用し、またこの置換イミダゾールによって液状の樹脂組成物の保存安定性が高くなり、樹脂組成物からシートを形成する際の揮発性が低くなり、更に前記シートの平滑性などが良好となる。
本発明においては、燃料電池セパレータ用樹脂組成物は、更に次の(E)成分を含有することが好ましい;
(E)120〜190℃において熱硬化性樹脂及び硬化剤と相分離し、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、および長鎖脂肪酸系のワックスから選ばれる少なくとも1種の内部離型剤。
この場合、金型成形時の離形性が優れたものになり、連続成形性に優れる。
本発明においては、燃料電池セパレータ用樹脂組成物は、更に次の(F)成分を含有することも好ましい;
(F)エポキシシランカップリング剤。
この場合、(F)成分が液体であって、また組成物中の黒鉛粒子の分散性が向上して凝集の発生が抑制され、組成物の安定性が向上する。また、(F)成分が可塑剤的に作用することで、燃料電池セパレータ用樹脂組成物の成形性が更に向上する。
本発明においては、燃料電池セパレータ用樹脂組成物が前記(A)〜(F)成分を含有し、固形分中において
前記(A)成分の含有量が75〜85質量%、
前記熱硬化性樹脂と硬化剤の含有量の合計が14〜24.1質量%、
前記(D)成分の含有量が、前記熱硬化性樹脂と硬化剤の含有量の合計に対して0.5〜3質量%、
前記(E)成分の含有量が0.1〜1質量%、
前記(F)成分の含有量が0.5〜1.5質量%であることも好ましい。
固形分とは樹脂組成物中の溶剤を除く全成分であり、溶剤を含有しない場合には樹脂組成物の全成分である。
この場合、(F)成分が可塑剤として最適に作用し、燃料電池セパレータ用樹脂組成物の成形性が更に向上する。
本発明においては、前記エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対する、前記(C)成分の水酸基の当量が、0.8〜1.2の範囲であることが好ましい。
この場合、燃料電池セパレータ用樹脂組成物の成形性が更に向上する。特に、水酸基がやや過剰な方が成形性が良くなる。
本発明においては、前記(D)成分が、2位の炭化水素基の炭素数が6〜17の置換イミダゾールであることが好ましい。
この場合、樹脂組成物からシートを形成する際の揮発性が更に低くなり、これにより成形性が更に安定化する。
本発明においては、前記(D)成分が、2−ウンデシルイミダゾール及び2−ヘプタデシルイミダゾールから選択される少なくとも一種であることが好ましい。
この場合、樹脂組成物からシートを形成する際の揮発性が更に低くなる。また、これらの(D)成分は入手が容易でもある。
本発明に係る燃料電池セパレータ成形用シートは、前記燃料電池セパレータ用樹脂組成物をシート状に成形してなることを特徴とする。
本発明に係る燃料電池セパレータは、前記燃料電池セパレータ用樹脂組成物から形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、燃料電池セパレータ用樹脂組成物の保存安定性が高く、揮発がしにくく、シート状に成形する際の安定性が高くなり、厚み精度の高い薄型の燃料電池セパレータ成形用シートや燃料電池セパレータを作製することが可能となる。またこの燃料電池セパレータを用いて作製される燃料電池の発電特性を安定化することができる。また、本発明によれば、燃料電池セパレータを安定的に製造することができるようになる。
本発明の実施の形態の一例を示す、燃料電池セパレータの断面図である。 (a)は燃料電池の単位セルを、(b)は前記単位セルにおける燃料電池セパレータをそれぞれ示す概略の斜視図である。
以下本発明の実施の形態を説明する。
燃料電池セパレータ用樹脂組成物(樹脂組成物)は、(A)100メッシュ篩(目開き150μm)を通過する粒径を有し、且つ平均粒径30〜70μmの黒鉛粒子、(B)オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂から成り、或いはこのオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂と、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂から選択される少なくとも一種とからなるエポキシ樹脂成分、(C)フェノール樹脂、及び(D)測定開始温度30℃、昇温速度10℃/分、保持温度120℃、保持温度での保持時間30分の条件で加熱した場合の重量減少が5%以下である、2位に炭化水素基を有する置換イミダゾールを含有する。
(A)成分の黒鉛粒子としては、高い導電性を示すものであれば制限なく用いることができ、例えば、メソカーボンマイクロビーズなどの炭素質を黒鉛化したもの、石炭系コークスや石油系コークスを黒鉛化したものの他、黒鉛電極や特殊炭素材料の加工粉、天然黒鉛、キッシュ黒鉛、膨張黒鉛等のような、適宜のものを用いることできる。このような黒鉛粒子は、一種のみを用いるほか、複数種を併用することもできる。
黒鉛粒子は、人造黒鉛粉、天然黒鉛粉のいずれでもよい。天然黒鉛粉は導電性が高いという利点を有し、また人造黒鉛粉は天然黒鉛粉に比べて導電性は多少劣るものの、異方性が少ないという利点がある。
また、黒鉛粒子は、天然黒鉛粉、人造黒鉛粉のいずれの場合であっても、精製されたものであることが好ましく、この場合は、灰分やイオン性不純物が低いため、成形品である燃料電池セパレータ1(セパレータ1)からの不純物の溶出を抑制することができる。
ここで、黒鉛粒子における灰分は0.05質量%以下であることが好ましく、灰分が0.05質量%を超えると燃料電池として特性低下が発生する恐れがある。
この黒鉛粒子の平均粒径は30〜70μmの範囲である。平均粒径が30μm以上であることで樹脂組成物の成形性が優れたものとなり、またこれが70μm以下であることでセパレータ1の表面平滑性が向上する。
また、この黒鉛粒子中に100メッシュ篩を通過しない粒子が含まれていると、樹脂組成物中に粒径の大きい黒鉛粒子が混入してしまい、特に樹脂組成物を薄型のシート状に成形する際の成形性が低下してしまう。
また、黒鉛粒子のアスペクト比が10以下であることが好ましく、この場合、セパレータ1に異方性が生じることを防止すると共に反りなどの変形が生じることも防ぐことができる。
尚、セパレータ1の異方性の低減に関しては、セパレータ1における成形時の樹脂組成物の流動方向と、この流動方向と直交する方向との間での接触抵抗の比が、2以下となることが好ましい。
また、この黒鉛粒子としては、特に2種以上の粒度分布を有するもの、すなわち平均粒径の異なる2種以上の粒子群を混合したものを用いることも好ましい。この場合、特に平均粒径1〜50μmの範囲のものと、平均粒径30〜100μmのものとを混合することで、全体の平均粒径が30〜70μmの範囲となったものであることが好ましい。このような粒度分布を有する黒鉛粒子を用いると、粒径の大きい粒子は表面積が小さいため、少量の樹脂量でも混練を可能とすることが期待され、更に粒径の小さい粒子によって、黒鉛粒子同士の接触性を高める一方、成形品の強度を高めることが期待され、これにより、セパレータ1の嵩密度の向上、導電性の向上、ガス不透過性の向上、強度の向上等といった、性能の向上を図ることができる。このとき、平均粒径1〜50μmの粒子と平均粒径30〜100μmとの粒子の混合比は、適宜調整されるものであるが、特に前者対後者の混合比が、質量比で40:60〜90:10、特に65:35〜85:15であることが好ましい。
尚、黒鉛粒子の平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒度分析計(日機装株式会社製のマイクロトラックMT3000IIシリーズなど)でレーザー回折散乱法により測定される体積平均粒径である。
黒鉛粒子は、セパレータ1の電気比抵抗を低減して、セパレータ1の導電性を向上させるために使用される。樹脂組成物の固形分中の(A)成分の黒鉛粒子の含有量は、樹脂組成物全量に対して75〜85質量%の範囲であることが好ましい。このように黒鉛粒子の割合が75質量%以上となるとセパレータ1に充分に優れた導電性が付与されるようになり、また85質量%以下とすることで樹脂組成物に充分に優れた成形性が付与されると共にセパレータ1に充分に優れたガス透過性が付与されるようになる。
(B)成分のエポキシ樹脂成分は、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のみからなり、或いはオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂と、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂から選択される少なくとも一種とからなる。このオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂は、良好な溶融粘度を有すると共に不純物が少なく、特にイオン性不純物が少ない点で優れている。
特に(B)成分においてオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が必須の成分であるため、樹脂組成物が成形性に優れると共に、セパレータ1が耐熱性に優れたものとなる。また、製造コストの低減も可能になる。成分中のオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の割合は、前記成形性の向上、セパレータ1が耐熱性の向上、製造コストの低減の観点から、50〜100質量%の範囲であることが好ましく、特に50〜70質量%の範囲であることが好ましい。
また、溶融粘度の更なる低減や、薄型のセパレータ1の靱性向上のために、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂と共に、ビスフェノール型エポキシ樹脂やビフェニル型エポキシ樹脂やビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂を併用することも好ましい。
特にビスフェノールF型エポキシ樹脂を使用すると、樹脂組成物の粘度を低減し、成形性の特に高い樹脂組成物を得ることができる。この場合の(B)成分中におけるビスフェノールF型エポキシ樹脂の含有量は30〜50質量%の範囲であることが好ましい。
また、ビフェニル型エポキシ樹脂を使用すると、このビフェニル型樹脂は溶融粘度が低く、樹脂組成物の流動性を著しく向上することができて薄型成形性が特に向上する。この場合の(B)成分中におけるビフェニル型エポキシ樹脂の含有量は30〜50質量%の範囲であることが好ましい。
また、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂を使用すると、セパレータ1の強度及び靱性を向上することができ、更にセパレータ1の吸湿性を低減することができる。このため、セパレータ1の機械的特性、導電性、長期使用時の特性の安定性が優れたものとなる。この場合の(B)成分中におけるビフェニル型エポキシ樹脂、
ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂の割合は、30〜50質量%の範囲であることが好ましい。
また、樹脂組成物中の熱硬化性樹脂全量に対する(B)成分の含有量は50〜100質量%の範囲にあることが好ましい。
(B)成分は常温で固形状であることが好ましく、特にその融点が70〜90℃の範囲であることが好ましい。この場合、樹脂組成物中の成分の凝集が抑制されて材料の変化が少なくなり、成形時の取り扱い性が向上する。また、(B)成分として溶融粘度が低粘度の樹脂を選択すれば、樹脂組成物の成形性を維持しつつ、樹脂組成物及びセパレータ1中に黒鉛粒子を高充填することができる。尚、前記作用が発揮される範囲内で(B)成分の一部が液状であってもよい。
(B)成分は熱硬化性樹脂中のエポキシ樹脂の少なくとも一部として樹脂組成物中に含有される。この(B)成分以外に他の熱硬化性樹脂を併用する場合は、例えば(B)成分以外のエポキシ樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等から選択される一種又は複数種の樹脂を用いることができる。但し、エステル結合を含む樹脂は耐酸性環境下で加水分解する恐れがあるため、使用しないことが望ましい。
また、熱硬化性樹脂として、セパレータ1の耐熱性や耐酸性の向上に寄与する点で、ポリイミド樹脂を用いることも適している。このようなポリイミド樹脂としては、特にビスマレイミド樹脂などを用いることも好ましく、例えば、4,4−ジアミノジフェニルビスマレイミドが挙げられる。これを併用することで成形品の耐熱性を更に高めることができる。
(C)成分のフェノール樹脂は、エポキシ樹脂((B)成分)の硬化剤である。このフェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型フェノール樹脂、多官能フェノール樹脂、アラルキル変性フェノール樹脂等が挙げられる。
(C)成分は硬化剤の少なくとも一部として樹脂組成物中に含有される。硬化剤全量に対するフェノール樹脂の含有量は、エポキシ樹脂の使用量に依存して決定される。また、硬化剤がフェノール樹脂のみであれば特に好ましい。
また、樹脂組成物の固形分中の熱硬化性樹脂と硬化剤の含有量は、その合計量が14〜24.1質量%の範囲であることが好ましい。
また、樹脂組成物中のエポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対する、(C)成分のフェノール樹脂の水酸基の当量は、0.8〜1.2の範囲であることが好ましい。
(D)成分の、測定開始温度30℃、昇温速度10℃/分、保持温度120℃、保持温度での保持時間30分の条件で加熱した場合の重量減少が5%以下である、2位に炭化水素基を有する置換イミダゾールは、エポキシ樹脂の硬化触媒(硬化促進剤)として作用する。硬化促進剤としてこのような置換イミダゾールを使用すると、液状(ワニス状又はスラリー状)の樹脂組成物の保存安定性、樹脂組成物からシートを形成する際の揮発性、前記シートの平滑性などが良好となる。この置換イミダゾールとして、特に2位の炭化水素基の炭素数が6〜17の置換イミダゾールを使用することが好ましい。
この2位に炭化水素基を有する置換イミダゾールの具体例としては、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。このうち、2−ウンデシルイミダゾール及び2−ヘプタデシルイミダゾールが好適である。これらの化合物は一種単独で用いられ、或いは二種以上が併用される。
また、硬化促進剤として、2位に炭化水素基を有する置換イミダゾールと共に、他のイミダゾール化合物、トリフェニルホスフィン等のリン系化合物等の適宜の化合物を併用することもできる。リン系化合物を使用すると、成形品であるセパレータ1からの塩素イオンの溶出を抑制することができる。
このような(D)成分の含有量は適宜調整され、それにより成形硬化時間を調整することができる。この(D)成分の含有量は好ましくは樹脂組成物中の熱硬化性樹脂と硬化剤の合計量に対して、0.5〜3質量%の範囲となるようにする。
また、樹脂組成物中には、必要に応じてワックス(内部離型剤)、カップリング剤等の添加剤を含有させることができる。
内部離型剤としては適宜のものが用いられるが、特に(E)成分である、120〜190℃において、樹脂組成物中の熱硬化性樹脂及び硬化剤と相溶せずに相分離する内部離型剤であって、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、および長鎖脂肪酸系のワックスから選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。
このように(E)成分が120〜190℃において、樹脂組成物中の熱硬化性樹脂及び硬化剤と相分離すると、樹脂組成物の成形過程で熱硬化性樹脂及び硬化剤と(E)成分とが相分離し、このため樹脂組成物の成形過程で(E)成分による離型性向上作用が良好に発揮される。
また、この(E)成分の内部離型剤の含有量はセパレータ1の形状の複雑さ、溝深さ、抜き勾配など金型面との離形性の容易さなどに応じて適宜設定されるが、樹脂組成物の固形分中の含有量が0.1〜1質量%の範囲であることが好ましく、この含有量が0.1質量%以上であることで金型成形時に十分な離型性を発揮し、またこの含有量が1質量%以下であることで内部離型剤によってセパレータ1の親水性が阻害されることが十分に抑制される。
使用されるカップリング剤の例としては、シリコン系のシラン化合物、チタネート系、アルミニウム系のカップリング剤が挙げられる。特にシリコン系のカップリング剤のうち、(F)成分であるエポキシシランカップリング剤が適している。カップリング剤は黒鉛粒子の表面に予め噴霧等により付着させておいてもよい。
この(F)成分のエポキシシランカップリング剤の使用量は、樹脂組成物の固形分中の含有量が0.5〜1.5質量%の範囲であることが好ましい。この範囲において、カップリング剤がセパレータ1表面にブリードすることを充分に抑制することができる。
また、樹脂組成物には溶媒を含有させることで、この樹脂組成物を液状(ワニス状及びスラリー状を含む)に調製することが好ましい。溶媒としては、たとえばメチルエチルケトン、メトキシプロパノール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒を用いることが好ましい。また溶媒は一種のみを用いるほか、二種以上を併用してもよい。溶媒の使用量は、樹脂組成物から成形用シートを製造する際の成形性を考慮して適宜設定されるが、好ましくは樹脂組成物の粘度が1000〜5000cpsの範囲となるように使用量が設定される。
尚、溶媒は必要に応じて使用すればよく、樹脂組成物に液状樹脂を配合する場合等のように、溶媒を用いなくても樹脂組成物を液状に調製できる場合には、溶媒を使用しなくてもよい。
また、セパレータ1中のイオン性不純物の含有量が、質量比率でナトリウム含量5ppm以下、塩素含量5ppm以下となるようにすることが好ましく、そのためには、樹脂組成物は、この樹脂組成物中のイオン性不純物の含有量が、樹脂組成物の固形分全量に対して質量比率でナトリウム含量5ppm以下、塩素含量5ppm以下となるように調製されることが好ましい。この場合、セパレータ1からのイオン性不純物の溶出を抑制することができ、不純物の溶出による燃料電池の起動電圧低下等の特性低下を抑制することができる。
セパレータ1及び樹脂組成物のイオン性不純物の含有量を上記のように低減するためには、樹脂組成物を構成する熱硬化性樹脂、硬化剤、黒鉛、その他添加剤等の各成分として、それぞれイオン性不純物の含有量が、各成分に対して質量比率でナトリウム含量5ppm以下、塩素含量5ppm以下である成分を用いることが好ましい。
ここで、イオン性不純物の含有量は、対象物の抽出水中のイオン性不純物の量に基づいて導出される。前記抽出水は、対象物10gに対してイオン交換水100mlの割合で、イオン交換水中に対象物を投入し、90℃で50時間処理することで得られる。また抽出水中のイオン性不純物は、イオンクロマトグラフィにて評価される。そして、抽出水中のイオン性不純物量に基づいて、対象物中のイオン性不純物の量を、対象物に対する質量比に換算して導出するものである。
また、樹脂組成物は、この樹脂組成物で形成されるセパレータ1のTOC(total organic carbon)が100ppm以下となるように調製されることが好ましい。
ここで、TOCは、セパレータ1の質量10gに対してイオン交換水100mlの割合で、イオン交換水中にセパレータ1を投入し、90℃で50時間処理した後の水溶液を用いて測定した数値である。このようなTOCは、例えばJIS K0102に準拠して島津製全有機炭素分析装置「TOC−50」などで測定することができる。測定にあたっては、サンプルの燃焼により発生したCO2濃度を非分散型赤外線ガス分析法で測定して、サンプル中の炭素濃度を定量する。炭素濃度を測定することによって、間接的に含有している有機物質濃度を測定でき、サンプル中の無機炭素(IC)、全炭素(TC)を測定し、全炭素と無機炭素の差(TC−IC)から全有機炭素(TOC)を計測する。
上記のTOCが100ppm以下となると、燃料電池としての特性低下を更に抑制することができる。
TOCの値は、樹脂組成物を構成する各成分として高純度のものを選択したり、更に樹脂の当量比を調整したり、成形時に後硬化処理をおこなったりすることで低減することができる。
樹脂組成物は、上記のような各成分を混合することで調製される。この樹脂組成物を成形して、セパレータ1を作製することができる。セパレータ1には例えば図1に示すように、左右両側面に複数個の凸部(リブ)1aを形成することで、隣り合う凸部1a同士の間に、燃料である水素ガスと、酸化剤である酸素ガスの流路であるガス供給排出用溝2を形成する。
セパレータ1を作製するにあたっては、まず樹脂組成物をシート状に成形して、燃料電池セパレータ成形用シート(成形用シート)を得る。樹脂組成物は、例えばキャスティング(展進)成形によりシート状に成形される。この際には、複数種の膜厚調節手段を用いることができる。このような複数種の膜厚調節手段を用いるキャスティング法は、例えばすでに実用化されているマルチコータを用いることによって実現することができる。キャスティングのための膜厚調節手段としては、スリットダイとともに、ドクターナイフおよびワイヤーバーの少なくともいずれか、すなわちいずれか一方もしくは両方を用いることが好ましい。このようにして樹脂組成物から形成される成形用シートの厚みは、0.05mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であれば更に好ましい。また、この厚みは0.5mm以下であることが好ましく、0.3mm以下であれば更に好ましい。このように成形用シートの厚みを0.5mm以下とすることで、セパレータ1の薄型化や軽量化、並びにそれによる低コスト化を達成することができ、特に厚みが0.3mm以下であれば溶媒を使用する場合の成形用シート内部の溶媒の残存を効果的に抑制することができる。またこの厚みが0.05mm未満の場合にはセパレータ1の製造としての有利さが低くなり、特に成形性を考慮すると0.1mm以上であることが好ましい。
この成形用シートを、キャスティングにともなう乾燥によって半硬化(Bステージ)状態とし、これを圧縮・熱硬化成形するなどして、両面に複数個の凸部(リブ)1aを形成すると共にこの凸部(リブ)1a間にガス供給排出用溝2を形成し、セパレータ1を形成することができる。このとき、セパレータ1を図1に示すように波板状に形成することで、一面側の凸部1aの裏側に他面側のガス供給排出用溝2が形成されるようにすると、薄型でありながら両面に複数個の凸部(リブ)1aを有すると共にこの凸部(リブ)1a間にガス供給排出用溝2を有するセパレータ1を得ることができる。
この成形用シートの圧縮・熱硬化成形時には、まず成形用シートを必要に応じて所定の平面寸法にカット(切断)もしくは打ち抜き、これを金型内において圧縮成形機で熱硬化させる。この圧縮・熱硬化成形の条件は、樹脂組成物の組成、導電性基材の種類、成形厚みなどにもよるが、加熱温度を120〜190℃の範囲、圧縮圧力を1〜40MPaの範囲で設定することが好ましい。
セパレータ1の製造にあたっては、一枚の成形用シートを成形してセパレータ1を製造してもよく、また成形用シートを複数枚重ねて成形してセパレータ1を製造してもよい。
このように成形用シートを成形することで、薄型のセパレータ1、特に厚み0.2〜1.0mmの範囲のセパレータ1を製造することができる。このようにセパレータ1の製造時に成形用シートを使用することで、薄型のセパレータ1を製造する場合でも成形材料を薄く且つ均一に配置して成形することが容易となり、成形性や厚み精度が高くなる。
尚、セパレータ1の製造時には、成形用シートと適宜の導電性基材とを積層して成形してもよい。導電性基材を用いると、セパレータ1の機械的強度を向上することができる。導電性基材を用いる場合には、導電性基材の両側にそれぞれ成形用シート(複数枚の成形用シートの積層物を含む)を積層した状態で圧縮・熱硬化成形することができ、或いは成形用シート(複数枚の成形用シートの積層物を含む)の両側にそれぞれ導電性基材を積層した状態で圧縮・熱硬化成形することができる。
前記導電性基材としては、たとえば、カーボンペーパー、カーボンプリプレグ、カーボンフェルト等を例示することができる。また、これらの導電性基材は、導電性を損なわない範囲で、ガラス、樹脂等の基材成分を含有してもよい。導電性基材の厚みは、0.03〜0.5mmの範囲が好ましく、0.05〜0.2mmの範囲がより好ましい。
また、この樹脂組成物は、上記のような成形用シートの作製を経て薄型のセパレータ1を製造するためだけでなく、射出成形や圧縮成形など適宜の手法により成形用シートの作製を経ることなくセパレータ1を製造するためにも有用である。これにより、樹脂組成物の保存安定性や成形性が優れたものになる。この場合、セパレータ1の厚みは0.5〜2.5mmの範囲であることが好ましく、0.8〜2.5mmの範囲であればより好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
(実施例1〜28、比較例1〜5)
<1>燃料電池セパレータ成形用樹脂組成物
各実施例及び比較例につき、表1,2に示す成分、並びに溶媒(メチルエチルケトン)を攪拌混合機(ダルトン製「5XDMV−rr型」)に表1,2に示す組成となるように入れて攪拌混合し、粘度1000−5000cpsの範囲のスラリー状の樹脂組成物を得た。
尚、表1,2中の各成分の配合量は、断りのない限り、溶媒を除く全成分(固形分)を基準にした配合量である。
<2>燃料電池セパレータ成形用シートの製造
前記樹脂組成物から、シート製造のための装置としてマルチコータ(ヒラノテクシード社製、品番M−400)を用いて成形用シートを製造した。この装置では、スリットダイとともに、ドクターナイフ並びにワイヤーバーによるキャスティングと2段階での膜厚調節が行われる。各段階での膜厚調節後には乾燥ゾーンにおいて93℃、10分(第1乾燥ゾーン)、128℃、10分(第2乾燥ゾーン)の乾燥過熱が施される。
<3>燃料電池セパレータの製造と評価
上記<2>において製造した厚み0.1mmの成形用シート2枚、厚み0.2mmの成形用シート1枚、厚み0.3mmの成形用シート1枚、厚み0.3mmの成形用シート2枚を用いて圧縮成形機により次の条件:170℃、20MPa、5分間;により熱硬化させた。得られた成形品に表面ブラスト処理を施して表面粗さを調整した。これにより、平面視寸法100mm×100mm(100口)、厚みが各々0.2mm、0.2mm、0.3mm、0.6mmのセパレータ1を得た。
(ワニス安定性)
各実施例及び比較例で得られた樹脂組成物を調製後、25℃で240時間保管した後、この樹脂組成物を目視で観察した。その結果、黒鉛粒子の沈殿が認められない場合を「○」、沈殿が認められた場合を「×」と評価した。
(シート製造安定性)
各実施例及び比較例で得られた成形用シートの表面を観察し、スジ及びムラが認められない場合を「○」、スジ又はムラが認められた場合を「×」と評価した。
(薄型成形性)
各実施例及び比較例において厚み0.1mmの成形用シートを用いて、厚み0.5mmのセパレータ1を20枚作製した。このセパレータ1を目視で観察し、20枚のセパレータ1のうち、かすれ、未充填の不良が認められたセパレータ1の数(不良数)で、薄型成形性を評価した。
(厚み精度)
各実施例及び比較例で得られたセパレータ1の厚みをマイクロメータで、一つのセパレータ1につき異なる12箇所の位置で測定した。各実施例及び比較例につき20個のサンプルについて測定をおこない、厚みのばらつきが±15μmを超えるサンプル数で、厚み精度を評価した。表1,2により、各実施例では薄型成形性が良好であって、厚み精度が良いことがわかる。
(屈曲性)
各実施例及び比較例において、厚み0.1mmの成形用シートを用いて、厚み0.5mmのセパレータ1を作製し、このセパレータ1の屈曲性を、JIS K5400に準拠して屈曲試験機を用いて測定した。その結果、30°屈曲を2回繰り返し、2回目の屈曲後も割れが生じない場合を「◎」、2回目の屈曲後で割れが生じるが1回目の屈曲では割れが生じない場合を「○」、1回目の屈曲で割れが生じた場合を「×」と評価した。
(体積抵抗率)
各実施例及び比較例において、厚み0.1mmの成形用シートを用いて、厚み0.5mmのセパレータ1を作製し、このセパレータ1の体積抵抗率をJIS K7194に従って評価した。表1,2により、各実施例では導電性に優れていることがわかる。
(接触抵抗評価)
各実施例及び比較例において、厚み0.1mmの成形用シートを用いて、厚み0.5mmのセパレータ1を作製した。このセパレータ1の上下にカーボンペーパーを配置し、更にその上下に銅板を配置し、上下方向に面圧1MPaの圧力をかけた。そして、2枚のカーボンペーパー間の電圧を電圧計で測定すると共に2枚の銅板間の電流を電流計で測定し、その結果から抵抗(平均値)を計算した。なお、使用したカーボンペーパーは、東レ社製のTGP−H−Mシリーズ(090M:厚さ0.28mm、120M:厚さ0.38mm)である。
(TOC評価)
各実施例及び比較例において、厚み0.1mmの成形用シートを用いて、厚み0.5mmのセパレータ1を作製した。JIS K0551−4.3に準拠し、前記セパレータ1をメタノールで1分間洗浄した後、イオン交換水にて1分間洗浄した。次いで、ガラス製容器中にセパレータ1とイオン交換水とを、セパレータ1の質量10gに対してイオン交換水が100mlとなるように入れ、90℃で50時間処理した。処理後のイオン交換水中に燐酸を添加してpH2以下に調整した後、湿式酸化−赤外線式TOC測定法(東レエンジニアリング社製「東レアストロTOC自動分析計MODEL1800」を使用)にて、有機炭酸量を測定した。
(表面粗さ測定)
各実施例及び比較例において、厚み0.1mmの成形用シートを用いて、厚み0.5mmのセパレータ1を作製した。このセパレータ1の算術表面粗さRaを、プローブ先端径5μmの表面粗さ計を用いて測定した。
(水溶性イオン分析)
各実施例及び比較例において、厚み0.1mmの成形用シートを用いて、厚み0.5mmのセパレータ1を作製した。このセパレータ1をメタノールにて1分間洗浄した後、イオン交換水で1分間洗浄した。次いで、ポリエチレン製容器中にセパレータ1とイオン交換水とを、セパレータ1の質量10gに対してイオン交換水が100mlとなるように入れ、90℃で50時間処理した。処理後のイオン交換水(抽出水)をイオンクロマトグラフィ(島津製作所社製「CDD−6A」)で測定した。
(電気伝導度評価)
各実施例及び比較例において、厚み0.1mmの成形用シートを用いて、厚み0.5mmのセパレータ1を作製した。このセパレータ1をメタノールにて1分間洗浄した後、イオン交換水で1分間洗浄した。次いで、ポリエチレン製容器中にセパレータ1とイオン交換水とを、セパレータ1の質量10gに対してイオン交換水が100mlとなるように入れ、90℃で50時間処理した。処理後のイオン交換水(抽出水)を導電率計で測定した。
(燃料電池の起電圧変動評価)
各実施例及び比較例において、厚み0.1mmの成形用シートを用いて、厚み0.5mmのセパレータ1を作製した。このセパレータ1の両面に、ブラスト処理機を用いてアルミナ粒子によるブラスト処理を施すことで、表面スキン層を除去すると共に表面の算術平均粗さRaを0.6μmに調整した。このセパレータ1,1の間に、固体高分子電解質膜4とガス拡散電極(燃料電極と酸化剤電極)3,3とを介在させて、図1に示す構造の燃料電池を作製した。そして、外部回路を接続した状態でこれらの燃料電池1を1000時間連続的に動作させ、起電圧(V)の経時的な変動の様子をそれぞれ調査した。その結果を、変動後の起電圧の、初期値に対する百分率、すなわち変動後の起電圧をE1、初期の起電圧をE0として、(E1/E0)×100(%)の値で表示した。
表中の各成分の詳細は次の通りである。
・エポキシ樹脂A:オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製「EOCN−1020−75」、エポキシ当量199、融点75℃)
・エポキシ樹脂B:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製「830CRP」、エポキシ当量171、25℃で液状)
・エポキシ樹脂C;ビフェニル型エポキシ樹脂(E−2:ジャパンエポキシレジン(株)製、YX−4000、エポキシ当量190、融点105℃)
・エポキシ樹脂D:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂(E−3:日本化薬(株)製、NC3000、軟化点58℃、エポキシ当量274)
・硬化剤A:ノボラック型フェノール樹脂(群栄化学社製「PSM6200」、OH当量105)
・硬化剤B:多官能フェノール樹脂(明和化成株式会社製「MEH−7500」、OH当量100)
・硬化剤C:フェノールアラルキル樹脂(H−2:三井化学(株)製、XLC−4L、軟化点62℃、水酸基当量168)
・硬化剤D:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂(H−3:明和化成(株)製、MEH−7851SS、軟化点65℃、水酸基当量203)
・硬化促進剤A:2−ヘプタデシルイミダゾール(四国化成工業)、重量減少3.1%
・硬化促進剤B:2−ウンデシルイミダゾール(四国化成工業)、重量減少3.2%
・硬化促進剤C:2−エチル−4メチルイミダゾール(四国化成工業)、重量減少11.6%
・硬化促進剤D:2−メチルイミダゾール(四国化成工業)、重量減少15.6%
・天然黒鉛A:中越黒鉛工業所社製「WR30A」を100メッシュ篩(目開き150μm)にかけることにより得られた分級品、平均粒径30μm、灰分0.05%、ナトリウムイオン4ppm、塩化物イオン2ppm
・天然黒鉛B:中越黒鉛工業所社製「WR50A」を100メッシュ篩(目開き150μm)にかけることにより得られた分級品、平均粒径50μm、灰分0.05%、ナトリウムイオン4ppm、塩化物イオン2ppm
・天然黒鉛C:上記天然黒鉛Bを分級機で粒度調整した分級品、平均粒径70μm、100メッシュ篩(目開き150μm)パス品
・人造黒鉛A:エスイーシー社製の人造黒鉛(「SGP100」、平均粒径100μm、灰分0.05%、ナトリウムイオン3ppm、塩化物イオン1ppm)を分級機で粒度調整した分級品、平均粒径30μmで100メッシュ篩(目開き150μm)をパスしたもの
・人造黒鉛B:エスイーシー社製の人造黒鉛(「SGP100」、平均粒径100μm、灰分0.05%、ナトリウムイオン3ppm、塩化物イオン1ppm)を分級機で粒度調整した分級品、平均粒径70μmで100メッシュ篩(目開き150μm)をパスしたもの
・天然黒鉛D:上記天然黒鉛Bを分級機で粒度調整した分級品、平均粒径20μm、100メッシュ篩(目開き150μm)パス品
・天然黒鉛E:上記天然黒鉛Bを分級機で粒度調整した分級品、平均粒径80μm、100メッシュ篩(目開き150μm)パス品
・天然黒鉛F:100メッシュ篩(目開き150μm)をパスしない粒子を含む天然黒鉛、中越黒鉛工業所社製「WR50A」、平均粒径50μm、灰分0.05%、ナトリウムイオン4ppm、塩化物イオン2ppm
・カップリング剤:エポキシシラン(日本ユニカー社製「A187」)
・ワックスA:天然カルナバワックス(大日化学社製「H1−100」、融点83℃)
・ワックスB:モンタン酸ビスアマイド(大日化学社製「J−900」、融点123℃)
尚、硬化促進剤A〜Dにおける重量減少は、各硬化促進剤を、測定開始温度30℃、昇温速度10℃/分、保持温度120℃、保持温度での保持時間30分の条件で加熱した場合の、開始時からの重量減少である。測定は、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA;セイコーインスツル株式会社製のTG/DTA7000シリーズ)を用いて空気中でおこなった。
また、前記ワックスA及びワックスBは、各実施例の樹脂組成物中のエポキシ樹脂及びフェノール樹脂と、120〜190℃において相分離する。この相分離は、次のようにして確認した。まず各実施例で使用されるエポキシ樹脂及びフェノール樹脂を融点以上120℃以下の温度で所定の当量比率で3分間混合した後、ワックスA又はワックスBを1質量%添加し、更に3分間攪拌した。これを冷却した後、加熱可能なステージを備える顕微鏡を用いて、加熱すると共にその加熱温度を120〜190℃範囲で変化させながら、光学顕微鏡で400倍の倍率で観察し、相溶状態を確認した。
Figure 0005486276
Figure 0005486276
尚、実施例9では樹脂組成物中に内部離型剤を配合せず、それに代えて成形用シートの圧縮成形時に外部離型剤を使用した。
また、薄型成形性及び厚み精度の悪い比較例1〜3,5については、体積抵抗率以降の評価試験をおこなっていない。
実施例1〜28ではいずれもシート製造安定性、薄型成形性、厚み精度が高く、薄型のセパレータ1を製造する際の成形性が高かった。特にエポキシ樹脂Cが使用されている実施例16,25,26では、成形用シートの表面外観が特に優れたものとなり、また、厚み精度のばらつきも他の実施例と比べて小さく、成形性が特に高かった。
1 燃料電池セパレータ(セパレータ)

Claims (7)

  1. 下記(A)成分と、熱硬化性樹脂中のエポキシ樹脂の少なくとも一部として下記(B)成分と、硬化剤の少なくとも一部として下記(C)成分と、硬化促進剤の少なくとも一部として下記(D)成分とを含有し、液状であることを特徴とする燃料電池セパレータ用樹脂組成物;
    (A)100メッシュ篩を通過する粒径を有し、且つ平均粒径30〜70μmの黒鉛粒子、
    (B)オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂からなり、或いはオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂と、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂から選択される少なくとも一種とからなるエポキシ樹脂成分、
    (C)フェノール樹脂、及び
    (D)2−ウンデシルイミダゾール及び2−ヘプタデシルイミダゾールから選択される少なくとも一種の置換イミダゾール。
  2. 次の(E)成分を含有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セパレータ用樹脂組成物;
    (E)120〜190℃において熱硬化性樹脂及び硬化剤と相分離し、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、および長鎖脂肪酸系のワックスから選ばれる少なくとも1種の内部離型剤。
  3. 次の(F)成分を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池セパレータ用樹脂組成物;
    (F)エポキシシランカップリング剤。
  4. 前記(A)〜(F)成分を含有し、固形分中において
    前記(A)成分の含有量が75〜85質量%、
    前記熱硬化性樹脂と硬化剤の含有量の合計が14〜24.1質量%、
    前記(D)成分の含有量が、前記熱硬化性樹脂と硬化剤の含有量の合計に対して0.5〜3質量%、
    前記(E)成分の含有量が0.1〜1質量%、
    前記(F)成分の含有量が0.5〜1.5質量%であることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池セパレータ用樹脂組成物。
  5. 前記エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対する、前記(C)成分の水酸基の当量が、0.8〜1.2の範囲であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の燃料電池セパレータ用樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の燃料電池セパレータ用樹脂組成物をシート状に成形してなることを特徴とする燃料電池セパレータ成形用シート。
  7. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の燃料電池セパレータ用樹脂組成物から形成されたことを特徴とする燃料電池セパレータ。
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