JP5484965B2 - 車両用シートのシートクッション - Google Patents

Description

本発明は自動車用シートなどの車両用シートのシートクッションに関するものである。

自動車用シートのシートクッションには、枠状のフレームと、発泡体製パッドを支持するパネルとを有するものがある。

以上のパネルはその周囲をフレームに溶接したり、或いは、例えば特開２００７-９９１９５号公報に開示されているように、パネルをフレームにバネで吊り下げたものがある。
また、パネル全体をバネ性を有する部材で形成してたもの（例えば、特開２００５-２３７５１９号公報）…など種々のものが提案されている。

特開２００７−９９１９５号公報 特開２００５−２３７５１９号公報

以上のパネルをフレームに溶接したものはクッション性が不足するため、肉厚が厚いウレタンフォームなどのパッドを使用している。そのため、シートクッションの厚さが厚くなり車内のスペースが制約される。

一方、パネルをフレームにバネで吊り下げたものは、構造が複雑で組立工数が多くなる。

また、パネル全体をバネ性を有する部材で形成したものは、例えば、乗員の大腿部を支持する前部など、クッション性が要求されない部分もクッション性を有し、着座性が損なわれる。

そこで、本発明は以上の従来品の不具合を除去することを目的とする。

以上の目的を達成するための本発明に係る車両用シートのシートクッションはフレームと、発泡体製パッドを支持するパネルとを有する車両用シートのシートクッションにおいて、前記パネルは乗員の尻部を支持する尻部支持部と、この尻部支持部の前方に一体に設けて左右を前記フレームの左右に乗員の大腿部を支持する大腿部支持部と、前記尻部支持部の後方に延設して左右を左右のフレームに固設した後部連結部とから構成し、前記尻部支持部はその前方を左右のフレーム間に溶接すると共にビードによって形成した可撓部を設けて、尻部支持部に可撓性を付与してなることを特徴とする構成である。

以上の尻部支持部の可撓部は、断面略Ｕ字状に形成した平面側コ字状の凹溝からなるビードで、このビードに囲まれた部分が尻部支持部の他の部分に対してより可撓するように構成し、そのビードに囲まれた部分に、凸条からなる補強ビードを設けて補強するのが好ましい。

従って、大腿部支持部は可撓性を有しないが、尻部支持部の全体、特に前記ビードに囲まれた部分は可撓性を有する。

本発明によれば、ばね部材を用いることなく、クッション性が要求されるパネルの尻部支持部のみが可撓性を有するので、パネル上に載置される発泡体製パッドの厚みを薄くでき、前記従来品の不具合を除去できる。

本発明に係るシートクッションに使用するフレーム付パネルの平面図である。 図１のＩＩ−ＩＩ線断面図である。 図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図である。 図１の斜視図である。

以下、本発明に係るシートクッションの好適な一実施例を図面に基づいて説明する。図中１はパネルで、板厚が例えば0.8ミリ程度の金属板をプレス成形して、大腿部支持部
１１、後部支持部１０、後部連結部１２が一体に形成されている。

以上のパネル１は、大腿部支持部１１、後部支持部１２が、フレーム２の左右に溶接され、尻部支持部１０はその左右の端縁１００、１００が湾曲状に切欠されている。

従って、尻部支持部１０の左右幅は、左右のフレーム２、２間の幅より狭く形成されているため、フレーム２、２に対して独立状で、フレーム２、２には固定せず、可撓性を有するように形成され、その前方である大腿部支持部１１をフレーム２、２に溶接している。

なお、フレーム２、２、２´は、後部開放状のコ字状に形成され、左右のフレーム２、２の後端側に、前記後部連結部１２の左右端部が溶接されている。この後部連結部１２は尻部支持部１０に対して上方に湾曲状に立ち上げた形状に形成されている。

尻部支持部１０は図示するように、例えば５ミリ程度の深さを有する断面Ｕ字状の凹溝からなるビード１０Ａが、平面略コ字状に設けて、このビード１０Ａに囲まれた部分を可撓部イとし、この可撓部イは尻部支持部１０の他の部分に対して、可撓性に優れている。

そして、ビード１０Ａに囲まれた部分には、突条の補強ビード１０Ｂ、１０Ｂを設けて補強している。図中、１０Ｃは、前記ビード１０Ａに囲まれた部分の可撓性を向上させるために開孔した通孔を示す。

大腿部支持部１１は図３、４に示すように、左右方向の中央部がフレーム２´方向に向けて高く傾斜するように、また、左右が中央部に対して高くなるように湾曲状に形成して、左、右をフレーム２、２上に溶接している。

なお、図示するものは、以上の左、右のフレーム２、２に、リフター用の平行リンク４０、４０を設け、この平行リンク４０、４０をスライドレールのアッパーレール４１に連結している。図中４２はスライドレールのロアレール、５０、５０はフレーム２、２の後端に取付けるシートバックのバックフレームを示す。

以上の大腿部支持部１１、尻部支持部１０、後部連結部１２上には発泡体製パッド３が載置され、このパッド３は表皮材に被覆されてシートクッションを形成する。

このシートクッションに乗員が着座すると、パネル１の尻部支持部１０全体が可撓性を有し、更に、尻部支持部１０の中央に位置する可撓部イの可撓性が良いため、肉厚の薄い発泡体製パッド３を使用できる。

また、パネル２の大腿部支持部１１はフレーム２、２に溶接されているため、クッション性がなく、着座者の大腿部を確実に支持できる。

従って、パネル１のクッション性が要求される部分である尻部支持部１０のみがクッション性を有するので、パッド３全体の厚みを薄くでき、シートクッションの薄形化を図ることができるし、座り心地が良いシートクッションを提供できる。

１…パネル、１０…尻部支持部、１１…大腿部支持部、１２…後部連結部、イ…可撓部。

Claims (1)

1. フレームと、発泡体製パッドを支持するパネルとを有する車両用シートのシートクッションにおいて、
   前記パネルは乗員の尻部を支持する尻部支持部と、この尻部支持部の前方に一体に設けて左右を前記フレームの左右に乗員の大腿部を支持する大腿部支持部と、
   前記尻部支持部の後方に延設して左右を左右のフレームに固設した後部連結部とから構成し、
   前記尻部支持部はその前方を左右のフレーム間に溶接すると共にビードによって形成した可撓部を設けて、尻部支持部に可撓性を付与してなることを特徴とする車両用シートのシートクッション。