JP5482347B2 - フォトマスク及び露光装置 - Google Patents
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Description
ペリクル付きフォトマスクとしては、例えば特許文献1に記載の技術がある。この技術は、ペリクル膜を保持し、該ペリクル膜とフォトマスク基板との間を封じるペリクルフレームの上端面及び下端面のうち少なくとも一つの端面の全周に、連続して凹状の溝を設けるものである。これにより、ペリクル膜と膜接着剤との接着力を向上させ、ペリクル膜内の局所的なシワやパーティクルの発生を防止する。
そこで、本発明は、露光機内のマスクステージにマスクを装着した状態でペリクル付きフォトマスクの異物検査を行うことができるフォトマスク及び露光装置を提供することを課題としている。
さらに、請求項3に係るフォトマスクは、請求項1又は2に係る発明において、前記マスク基板の表面における前記ペリクルフレームで区画された領域外に、前記弾性表面波素子の入出力端子を設置することを特徴としている。
また、請求項4に係るフォトマスクは、請求項1〜3の何れかに係る発明において、前記弾性表面波素子を、前記マスク基板の表面に複数備えることを特徴としている。
また、請求項6に係る露光装置は、請求項5に係る発明において、前記フォトマスク台は、真空環境に配置されていることを特徴としている。
さらに、請求項3に係る発明によれば、弾性表面波素子の入出力端子をペリクルフレームで区画された領域外に設けるので、ペリクル装着状態で容易に弾性表面波素子を駆動させることができる。
さらにまた、請求項5に係る発明によれば、マスクステージにマスクを装着した状態で異物検査を行うので、従来のように異物検査機にマスクを移送する行程を別途設ける必要がなく、効率が良い。
また、請求項6に係る発明によれば、マスクステージを真空環境に設けるので、異物の侵入を抑制した環境で異物検査及び露光転写を行うことができる。
本発明に係るフォトマスクは、半導体やLCD等の露光工程で使用されるフォトマスクであり、レチクルなどを含むものとする。
(第1の実施形態)
(構成)
図1は、本発明におけるフォトマスクの構造を示す断面図である。また、図2は、本発明におけるフォトマスクの構造を示す平面図である。
図中、符号1はフォトマスクである。フォトマスク1は、マスク基板(石英基板)10とペリクル50とを備える。ペリクル50は、ペリクル膜51と、ペリクルフレーム52と、絶縁性粘着剤53とで構成する。
すなわち、ペリクル膜51は、マスク基板10のパターン面とペリクルフレーム52の高さに相当する間隔をおいて張設されている。また、ペリクルフレーム52は、ペリクル膜51を保持すると共に、ペリクル膜51とマスク基板10との間を封じる構成となっている。
この電極23から弾性表面波素子20Aへの電気信号供給を行い、電極24から弾性表面波素子20Bの電気信号出力を得るようになっている。つまり、電極23及び24は、弾性表面波素子20A及び20Bの入出力端子として機能する。電極23には、電源60から信号線61を介して電気信号が印加される。
このような構成により、電極23から弾性表面波素子20Aの櫛歯電極22に高周波電力を印加すると、弾性表面波素子20Aの櫛歯電極22A,22B間に電界が発生し、弾性表面波が励起する。この弾性表面波は弾性表面波素子20Aからマスク基板10の表面上を伝搬して弾性表面波素子20Bに到達する。すると、弾性表面波素子20Bの櫛歯電極22により、この弾性表面波が電気信号に変換される。このようにして得られた電気信号出力に基づいて、半導体回路パターン41上に存在する異物Dを検知可能となっている。
先ず、電源60から信号線61を介して電極23A、23Bへ電極周期長に相当する周波数を有する電気信号(電力)を印加する。すると、圧電効果により、弾性表面波素子20Aの櫛歯電極22A、22B間に互いに逆位相の歪が生じ、弾性表面波が励起される。この弾性表面波は、図1及び図2の矢印で示す方向に、マスク基板10及び半導体パターン41の表面上を伝搬する。
このとき、弾性表面波のマスク基板10表面上の矢印で示す伝搬経路上に異物Dが存在すると、その振幅の減衰や異物の物質密度に伴う位相変化が生じる。つまり、受信側素子からは、結果として異物Dが存在しない場合とは異なる電気信号が得られる。したがって、得られた電気信号により異物Dの有無が検知できる。
これに対して、本実施形態では、マスク表面の異物検査を、マスク表面に設けた弾性表面波素子を用いて行うので、ペリクル付きフォトマスクの異物検査を適切に行うことができる。
このように、第1の実施形態では、マスク基板の表面に、マスク基板の表面上を伝搬する弾性表面波を発生させると共にこれを受信可能な弾性表面波素子を備えるので、当該弾性表面波によってマスク表面上の異物の有無を検査することができる。
また、弾性表面波素子をマスク基板の表面のペリクルフレームで区画された領域内に設けるので、ペリクルをマスク基板に装着した状態で異物検査を行うことができる。したがって、一旦ペリクルを撤去し、異物検査後に再度ペリクルを貼り直すなどの作業が不要となる。
さらに、弾性表面波素子の入出力端子をマスク基板の表面のペリクルフレームで区画された領域外に設けるので、ペリクルをマスク基板に装着した状態で確実に弾性表面波素子を駆動させることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態において、マスク基板上に弾性表面波素子を1組のみ設置しているのに対し、マスク基板上に複数組の弾性表面波素子を設置し、半導体回路パターン上に発生した異物の位置を特定可能とするようにしたものである。
図3は、第2の実施形態のフォトマスク1及びフォトマスク1の異物検査部の構造を示す図である。この図3では、平面視におけるフォトマスク1を示している。
図3に示すように、複数組の弾性表面波素子20A,20Bを、X,Y方向にそれぞれ設置する。ここでは、X,Y方向にそれぞれn組の弾性表面波素子20A,20Bを設置した場合について説明する。なお、弾性表面波素子20A,20Bの組数は、X方向とY方向とで異なる数としてもよい。
図4は、CPU81で実行するマップ作成処理手順を示すフローチャートである。
この異物検査処理では、先ずステップS1で、CPU81は、カウント値Nを初期値=1にセットし、ステップS2に移行する。
ステップS3では、CPU81は、電源60に対して電力供給指令を出力しステップS4に移行する。これにより、電源60から供給された電気信号(電力)が前記ステップS2でオン状態としたスイッチXiNを介して当該スイッチXiNに接続された電極23に印加される。
次に、ステップS6では、CPU81は、カウント値NをインクリメントしてからステップS7に移行し、このステップS7でカウント値Nがスイッチアレイ65に設けたスイッチXiの数nを超えたか否かを判定する。そして、N≦nである場合には前記ステップS2に移行し、N>nである場合にはステップS8に移行する。
ステップS9では、CPU81は、カウント値Nに応じて、スイッチアレイ63のスイッチYiNとスイッチアレイ64のスイッチYoNとをオン状態とし、ステップS10に移行する。
ステップS11では、CPU81は、Y増幅器68に対して電流増幅指令を出力する。これにより、前記ステップS9でオン状態としたスイッチYoNを介して当該スイッチYoNに接続された電極24に発生した電流を増幅する。増幅した電流はY検波器70で受信し、その後A/Dコンバータ92で信号レベルを階調化した数値に変換する。このとき、CPU81は、A/Dコンバータ92から出力する数値データを取得する。
次に、ステップS13では、CPU81は、カウント値NをインクリメントしてからステップS14に移行し、このステップS14でカウント値Nがスイッチアレイ63に設けたスイッチYiの数nを超えたか否かを判定する。そして、N≦nである場合には前記ステップS9に移行し、N>nである場合にはステップS15に移行する。
CPU81は、図4に示すマップ作成処理を、ある一定期間を経てマスク検査を所望する時期に再度実行する。このとき、前記ステップS5及びS12では、データをメモリ83Bに蓄積する。また、前記ステップS15では、メモリ83Bに蓄積されたA/Dコンバータ91及び92で階調化した信号レベルを、X,Yマップに展開し、これをメモリ83Bに格納する。
この異物検査処理では、ステップS21で、CPU81は、メモリ83Aに格納された図6(a)に示すX,Yマップを読み出し、ステップS22に移行する。
ステップS22では、CPU81は、メモリ83Bに格納された図6(b)に示すX,Yマップを読み出し、ステップS23に移行する。
そして、ステップS24に移行して、CPU81は、前記ステップS23で作成した差分マップCをもとに異物の有無判断を行って異物検査処理を終了する。ここでは、差分マップCにおいてゼロ以外を示す座標が存在するか否かを確認し、ゼロ以外を示した座標から半導体回路パターン41上で欠陥が発生した位置を特定する。
次に、第2の実施形態の動作について説明する。
先ず、CPU81は、信号線72を介してオン/オフ制御指令を出力することで、スイッチアレイ65の1組目のスイッチXi1及びスイッチアレイ66の1組目のスイッチXo1をオン状態とする(図4のステップS2)。続いてCPU81は、電源60に対して電力供給指令を出力する(ステップS3)。このとき、スイッチXi1に接続された1組目の弾性表面波素子20Aが発振し、弾性表面波が対向する1組目の弾性表面波素子20Bに到達して、電荷が発生する。
その後、ある一定期間を経たとき、CPU81は図4のマップ作成処理を再度実行する。その際にも、先ずX方向について1組目からn組目まで順次弾性表面波素子20Aを発振し、励起された弾性表面波を対向する1組目からn組目までの弾性表面波素子20Bへ順次伝搬する。そして、そのときA/Dコンバータ91から得られた信号レベルをメモリ83Bに蓄積していく。
一方、半導体回路パターン41上に異物等の欠陥が発生している場合、差分マップCでゼロ以外を示す座標が確認される。したがって、その座標から欠陥が発生した位置を特定できる(ステップS24)。
このように、第2の実施形態では、弾性表面波素子をマスク基板上に複数組設置する。このとき、弾性表面波の伝搬方向が互いに直交する2方向となるように、弾性表面波素子をX方向とY方向とに並設するので、半導体回路パターン上に異物等の欠陥が発生している場合には、その位置を確実に特定することができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態は、フォトマスク1の異物検査ユニットを露光機に搭載し、露光機のマスクステージにフォトマスク1を載置した状態で異物検査を行えるようにしたものである。
図7は、第3の実施形態の露光機100及び異物検査ユニット200を示す構成図である。
この図7に示すように、露光機100は、光源101と、集光光学系102と、マスクステージ103と、投影光学系104と、ウェハステージ105と、を含んで構成される。
光源101は、露光光を集光光学系102に対して照射する。この光源101としては、例えば波長257nmのKrFレーザー、193nmのArFレーザー、157nmのF2レーザー,13.5nmのEUV放射光源などを用いることができる。
マスクステージ103の下方には投影光学系104を配置し、投影光学系104の下方にはウェハステージ105を配置する。ウェハステージ105には、ウェハが載置される。フォトマスク1を経た光は、投影光学系104によりウェハに、例えば4分の1で縮小投影される。
マスクステージ103の一部には前述したスイッチアレイ63〜66を形成する。これらスイッチアレイ63〜66は、フォトマスク1をマスクステージ103に載置した際に、フォトマスク1上のX,Y方向にそれぞれ配置された弾性表面波素子20A及び20Bの電極23及び24に、それぞれ接続可能となっている。
なお、光源101が露光光源に対応し、マスクステージ103がフォトマスク台に対応し、スイッチアレイ63〜66が駆動手段に対応し、図4及び図5の処理が異物検査手段に対応している。
次に、第3の実施形態について説明する。
先ず、露光機100のマスクステージ103にフォトマスク1を載置する。次に、ウェハステージ105にウェハを載置し、露光を開始する。ここでは、光源101から露光光を照射することで、フォトマスク1に形成された半導体回路パターン41をウェハに転写する。
なお、弾性表面波は大気中のみならず、真空中でもマスク基板10表面上を伝搬する。したがって、フォトマスク1が真空環境に保持される波長13.5nmを用いたEUV露光機中でも使用が可能である。
本実施形態では、露光機100のマスクステージ103にフォトマスク1を装着した状態でペリクルフレーム52内部の半導体回路パターン41上に発生した異物を検査することができるので、上記のように半導体回路の断線が発生する前に異物が有ることを検知し、適切に対処することができる。
このように、第3の実施形態では、露光機のマスクステージにフォトマスクを載置した状態で異物検査を行うことが可能である。そのため、一連の露光転写動作において異物検査を行うことができる。そのため、従来のように、フォトマスクをマスクステージとは異なる検査スペースに移送し、異物検査を行ってからフォトマスクをマスクステージに載置して露光転写を行う必要がなく、効率化が図れる。
また、真空環境にマスクステージを設置した露光機においても、マスクステージにフォトマスクを載置した状態で異物検査を行うことができるので、異物の侵入を抑制した状態で異物検査及び露光転写を行うことができる。
なお、上記第3の実施形態においては、異物検査ユニット200を露光機100の外部に設ける場合について説明したが、露光機100の内部にその一機能として包含することもできる。
また、上記第3の実施形態においては、露光機100は、フォトマスク1を透過する屈折光学系とした構造とする場合について説明したが、反射系の構造とすることもできる。
Claims (6)
- 転写用パターンが形成されたマスク基板と、前記マスク基板の表面と所定間隔をおいて張設されたペリクル膜と、前記ペリクル膜を保持し、当該ペリクル膜と前記マスク基板との間を封じるペリクルフレームと、を備えるフォトマスクであって、
前記マスク基板の表面に、弾性表面波を励起し当該マスク基板の表面上を伝搬させる第1櫛歯電極と、前記第1櫛歯電極によって励起された弾性表面波を受信し該弾性表面波に応じた信号を出力する第2櫛歯電極とを対向配置した弾性表面波素子を備えることを特徴とするフォトマスク。 - 前記弾性表面波素子は、前記マスク基板の表面における前記ペリクルフレームで区画された領域内に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスク。
- 前記マスク基板の表面における前記ペリクルフレームで区画された領域外に、前記弾性表面波素子の入出力端子を設置することを特徴とする請求項1又は2に記載のフォトマスク。
- 前記弾性表面波素子を、前記マスク基板の表面に複数備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のフォトマスク。
- 露光光を照射する露光光源と、
前記露光光源からの露光光を受ける位置に配置され、前記請求項1〜4の何れか1項に記載のフォトマスクを載置するためのフォトマスク台と、
前記フォトマスクを前記フォトマスク台に載置した状態で、前記弾性表面波素子を駆動する駆動手段と、
前記駆動手段で前記弾性表面波素子を駆動したときに前記弾性表面波素子が出力する信号に基づいて、前記マスク基板の表面上の異物検査を行う異物検査手段と、を備えることを特徴とする露光装置。 - 前記フォトマスク台は、真空環境に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
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