JP5480487B2 - 保存性の改良された水性懸濁製剤包装物及び水性懸濁製剤の保存方法 - Google Patents

保存性の改良された水性懸濁製剤包装物及び水性懸濁製剤の保存方法 Download PDF

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Description

本発明は、保存性の改良された水性懸濁製剤包装物及び水性懸濁製剤の保存方法に関し、さらに詳しくは、本発明は、農薬活性成分と、溶剤とが含まれ、包装容器からの溶剤透過が抑制または防止され、農薬や溶剤が農作業者に接触しないような水性懸濁製剤をプラスチック容器、特にポリエチレン製包装容器に充填してなる水性懸濁製剤包装物に関する。
また、本発明は、農薬活性成分と、溶剤とが含まれた水性懸濁製剤を、プラスチック容器、特にポリエチレン製包装容器に充填し保存する場合に、包装容器からの溶剤透過が抑制または防止され、農薬や溶剤が農作業者に接触しないような水性懸濁製剤の保存方法に関する。
近年の農薬製剤の人畜、周辺環境に対する安全性への要求が高まる中、水田に施用される農薬製剤の主流は、増量剤に溶剤(特に油性溶剤)を用いて農薬活性成分を溶解させた形の乳剤から、増量剤に水を用いて農薬活性成分を懸濁分散させた形の水性懸濁製剤へと移行している。
この水性懸濁製剤は水を増量剤とするため、人畜、周辺環境に対する安全性という面では油性製剤と比較して利点を有する。
その一方で、水性懸濁製剤には、製剤中に分散している農薬活性成分が凝集、結晶析出、沈降等するという長期保存安定性に関わる問題、ならびに、油性製剤と比較して対象生物に対する効果が劣る等の問題がある。
従来、このような長期保存安定性、対象生物に対する効果に関わる問題を解決するため、保護コロイド剤および有機溶剤を用いた水性懸濁製剤について様々な研究がなされてきた。
特開昭55−36458号公報(特許文献1)では、常温で固体でありかつ20℃における水に対する溶解度が1重量%以下である農薬活性成分、HLBが5以下の界面活性剤、ポリビニルアルコール、エチレングリコール、流動パラフィンを必須成分として水中に微分散してなる安定な水性懸濁農薬組成物が提案されている。そして、該水性懸濁農薬組成物は、粒子成長が抑制され、かつ、懸濁安定性、有効成分安定性が向上されている旨記載されている。
特開昭60−214701号公報(特許文献2)では、ピラゾール系化合物、界面活性剤、保護コロイド剤、溶剤を用いて水中に懸濁させた、安定かつ飛躍的に向上した除草効果を有する省力施用型の懸濁状農薬組成物が提案されている。
特開昭61−180701号公報(特許文献3)では、室温で液体の水不溶性農薬活性成分、室温で固体もしくはペースト状の水不溶性農薬活性成分、ポリビニルアルコール、水溶性増粘剤、分散剤、水を必須成分として含有し、液体の水不溶性農薬活性成分のポリビニルアルコール乳化液に固体もしくはペースト状の農薬活性成分を分散させることを特徴とした、良好な乳化安定性、懸濁安定性を有する粘度上昇の抑制された水性懸濁状殺生剤組成物が提案されている。
特開平2−275803号公報(特許文献4)では、水難溶性の有害生物防除剤を一部
はカプセル化、一部は乳化分散させたことを特徴とする、良好な即効性、残効性を有する、毒性の低減された有害生物防除製剤が提案されている。
特開平4−327503号公報(特許文献5)では、粒子径が0.1〜250μmの水
難溶性農薬活性成分(固体もしくは液体)、脂肪族炭化水素もしくはグリセリド油(2〜
40重量%)が共懸濁され、さらに界面活性剤(3〜35重量%)、立体阻害剤(0.1
〜10重量%)、消泡剤(0.1〜5重量%)、懸濁剤(0.1〜5重量%)を含有することを特徴とする、水難溶性の農薬活性成分を環境に低負荷の溶剤を使用して安定に懸濁させた農薬組成物が提案されている。
特開平10−7504号公報(特許文献6)では、農薬活性成分、植物油脂肪酸アルキルエステル、水溶性高分子化合物、界面活性剤、水を含有し、25℃における製剤粘度が100〜1000mPa・sであることを特徴とした懸濁安定性、容器からの排出性、水中への再分散性にすぐれた水性懸濁状農薬が提案されている。
特開平10−175806号公報(特許文献7)では、手振り散布または機械散布により湛水下水田へ散布される、ピラゾール系化合物を界面活性剤により水中に懸濁させた、広葉雑草に対してきわめて高い雑草効果を有する懸濁状農薬組成物が提案されている。
特開平10−182302号公報(特許文献8)では、水、タンパク質、ポリビニルアルコール、界面活性剤(0.1〜20重量%)から選ばれる1種以上および液状の農薬活性成分を含有する乳化液と、水、タンパク質、ポリビニルアルコール及び界面活性剤から選ばれる1種以上及び固体の農薬活性成分を混合することにより製造されることを特徴とした、低温、高温、激しい振とう条件下でも粒子成長、品質劣化が抑制された水性懸濁状農薬組成物が提案されている。
なお、農薬活性成分としては、イマゾスルフロンやベンスリド等が挙げられ、また、上記水性懸濁状農薬組成物は、有機溶剤、無機塩類、有機酸類、リン脂質、エポキシ化植物油、フタル酸エステルを含有してもよい旨記載されている。
特開平10−251107号公報(特許文献9)では、スルホニルウレア系除草活性成分および/または殺ヒエ効果を有する除草成分、水溶性セルロースエーテル、水、高沸点溶剤を含有することを特徴とする、スルホニルウレア系除草成分の分解が抑制され、田面水中の除草活性成分の拡散性が良好であって、かつ稲への薬害が少なく、なおかつ除草効果の高い、湛水下水田の省力施用型水性懸濁製剤が提案されている。
特開平10−279406号公報(特許文献10)では、シハロホップブチル、ポリビニルアルコール、(鹸化度:78〜83mol%、重合度:1000以下)、高沸点溶剤(特定のブランチアルキルベンゼン2種、イソパラフィン系溶剤、フタル酸ジトリデシル
および米ヌカ油脂肪酸メチルエステルから選ばれた少なくとも1種以上)を含有することを特徴とした、スルホニルウレア系除草成分の分解が抑制され、田面水中の除草活性成分の拡散性および除草効果が良好であって、かつ発火、引火に対する危険性、毒性、刺激性が小さい省力施用型水性懸濁製剤が提案されている。
特開平10−287503号公報(特許文献11)では、スルホニルウレア系除草活性成分および/または除草成分、ポリビニルアルコール、(鹸化度:69〜90mol%、重合度:2000以下)、高沸点溶剤、水を含有することを特徴とした、田面水中の除草活性成分の拡散性が良好かつ稲への薬害が少なく、除草効果の高い、発火、引火に対する危険性、毒性、刺激性が小さい省力施用型水性懸濁製剤が提案されている。
特開平10−306001号公報(特許文献12)では、活性成分として、殺虫活性成分、殺菌活性成分もしくは防ばい活性成分から選ばれた1種以上、水溶性セルロースエーテル、高沸点溶剤を含有することを特徴とした、良好な懸濁安定性を有し、界面活性剤に由来する薬害の無い、防バイ効果の高い、発火、引火に対する危険性、毒性、刺激性が小さい水性懸濁製剤が提案されている。
特開平10−310501号公報(特許文献13)では、農薬活性成分、保護コロイド剤、増粘剤、水、高沸点溶剤を含有し、かつ20℃における製剤粘度が200〜1000mPa・s、SVI値が2〜10である水性懸濁製剤を、非透水性紙製の成型容器に充してなることを特徴とし、包装物に設けた細孔から水性懸濁製剤を直接湛水下水田に散布することができ、保存容器の変形が無く、粘度変化が小さい、容器からの排出性が良好な、低毒性かつ低刺激性の省力施用型水性懸濁製剤および処理が容易な包装物が提案されている。
特開平11−35408号公報(特許文献14)では、農薬活性成分(好ましくは固体1種以上と液状1種以上からなる)、ポリビニルアルコール(0.1〜2重量%)、界面活性剤、グリコール類(1〜30重量%)、尿素(1〜30重量%)、ベントナイト、ラテックス(1〜30重量%)を含有することを特徴とし、また、液状農薬活性成分のポリビニルアルコール乳化液(粒子径1.5〜10μm)、固体農薬活性成分の懸濁液(pH2〜6)、ラテックス、界面活性剤を混合して調製することを特徴とした、高低温の条件下でもクリーム化、粒子径変化を生じず、品質劣化が抑制された水性乳化懸濁状農薬組成物が提案されている。
特開平11−158006号公報(特許文献15)では、20℃における水溶解度1000ppm以下の除草活性成分、保護コロイド剤(鹸化度:69〜90mol%、重合度:2000以下のポリビニルアルコール、水溶性セルロースエーテル)、高沸点溶剤、水を含有することを特徴とした、田面水中の除草活性成分の拡散性、到達性が良好かつ稲への薬害が少なく、除草効果の高い、発火、引火に対する危険性、毒性、刺激性が小さい省力施用型水性懸濁製剤が提案されている。
特開2001−89307号公報(特許文献16)では、ピラゾレート、低融点除草活性成分、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、鹸化度:60〜90mol%、重合度:50〜2000のポリビニルアルコール、フェニルフェノールリン酸エステル及びポリオキシエチレンビススチリルフェニルエーテルからなる群から選ばれる1種又は2種以上)、有機酸エステル、水を含有することを特徴とした、懸濁安定性および田面水中の除草活性成分の拡散性が良好であり、かつ高融点除草活性成分と低融点除草活性成分の両者が物理化学的に安定化された湛水下水田の直接散布用水性懸濁製剤が提案されている。
特開2002−293702号公報(特許文献17)では、変性ポリビニルアルコール(末端アルキル基変性型が好ましい)、除草活性成分(20℃における水溶解度は100ppm以下が好ましい)、高沸点溶剤、水を含有することを特徴とした、良好な懸濁安定性および凍結復元性を有し、田面水中の除草活性成分の拡散性、到達性が良好であってかつ稲への薬害が少なく、除草効果の高い、発火、引火に対する危険性、毒性、刺激性が小さい省力施用型水性懸濁製剤が提案されている。
特開2007−145754号公報(特許文献18)では、イミベンコナゾール、ナフテン系溶剤、ポリビニルアルコール(鹸化度:85mol%以上、重合度:1000以下が好ましい)、ソルビタン脂肪酸エステルを含有し、20℃における製剤粘度が100〜1000mPa・sであることを特徴とした、懸濁安定性および容器からの排出性が良好
な水性懸濁製剤が提案されている。
しかしながら、このような水性懸濁製剤を保存する場合、ある特定の包装容器を使用すると、溶剤の種類などによっては有機溶剤が該包装容器を透過(浸透)してしまうという問題が生じることがあるなど、長期保存安定性が一大問題として挙げられている。
より詳細には次のとおりである。
一般的に、水性懸濁製剤の保存容器としては、材質や成型にかかるコストが安価であることからポリエチレン製容器が使用されている。
一方、水性懸濁製剤の物理特性、対象生物への効果等の改良を目的として添加される有機溶剤として、炭化水素系溶剤、脂肪酸エステル系溶剤、植物油等が一般的に使用されている。
しかしながら、これらの溶剤を含有した水性懸濁製剤をポリエチレン製包装容器に保存した場合には、前述の有機溶剤が包装容器を透過してしまうという問題に関連した、いくつかの重大な問題が生じる。
例えば、農薬活性成分と溶剤を含有した農薬が包装容器を透過してしまうことにより、該農薬が作業者に接触したり、周辺環境へ揮散(ベーパードリフト)したりするという問題や、包装容器を透過した溶剤が該包装容器に添付されたラベルを汚染してしまう問題などが挙げられる。
上記問題については、使用する溶剤に合わせて、包装容器の材質や構造を選択あるいは設定するという観点に基づく研究が数多くなされているが、このような解決法にはコスト面での負担が大きいという問題がある。
また、使用しようとしている溶剤と相性の良い(上記問題を生じない)包装資材が無い場合はその溶剤を用いた製剤化は不可能となってしまう。
さらに、ポリエチレン製単層容器を透過してしまう溶剤を水性懸濁製剤に適用した場合に生じる上記透過現象を、製剤処方の面から抑制、防止した技術は無かった。
このため、ポリエチレン製包装容器を透過してしまう溶剤を含んでいても、包装容器からの該溶剤の透過が顕著に抑制または防止された水性懸濁製剤の開発が求められている。
なお、上記特許文献1には、流動パラフィン、ケロシンもしくは綿実油を含有する水性懸濁農薬組成物を用いて、室温で2年間保存して分散粒子の成長を評価した実施例が記載されている。
しかしながら該水性懸濁農薬組成物は、HLB値5以下の界面活性剤、ポリビニルアルコール、エチレングリコール及び流動パラフィンを必須成分とするものであり、必須成分の種類の数などが多くなり、コスト的に不利である。
加えて、必須成分の中には、ポリビニルアルコール、エチレングリコール、あるいは流動パラフィンといった物質に限定されている(特定の剤型や農薬活性成分の種類等と密接に関連した限定された)成分があり、特に、溶剤として流動パラフィンを必ず含まなければならないという点や特定の界面活性剤を必要とするという点を鑑みると、特許文献1に記載の水性懸濁農薬組成物は決して使い勝手のよいものではなかった。
そして、上記特許文献2〜18には、炭化水素系溶剤、脂肪酸エステル系溶剤、植物油等の溶剤が含まれる農薬組成物を、ポリエチレン製包装容器のような特定の包装容器で長
期保存すること(例えば室温(通常20〜25℃)で240日間)については何ら記載されていない。
特開昭55−36458号公報 特開昭60−214701号公報 特開昭61−180701号公報 特開平2−275803号公報 特開平4−327503号公報 特開平10−7504号公報 特開平10−175806号公報 特開平10−182302号公報 特開平10−251107号公報 特開平10−279406号公報 特開平10−287503号公報 特開平10−306001号公報 特開平10−310501号公報 特開平11−35408号公報 特開平11−158006号公報 特開2001−89307号公報 特開2002−293702号公報 特開2007−145754号公報
本発明の目的は、包装容器からの溶剤透過を抑制または防止することにより、該溶剤の揮散(ベーパードリフト)や、溶剤透過に起因する、農薬や溶剤の農作業者への接触などの問題を生じず、しかも、安価なポリエチレン包装容器を保存容器として使用し、かつ、環境安全衛生面、コスト面の両面においてもメリットを有する水性懸濁製剤包装物を提供することである。
また、本発明の目的は、本来であれば包装容器を透過してしまう溶剤が含まれた水性懸濁製剤を該包装容器に保存しても、該溶剤が該包装容器を透過することなく長期間保存すること(例えば室温(通常20〜25℃)で240日間)を可能とする保存方法を提供することにもある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した。
その結果、本発明者らは、上記問題を生じる溶媒はいずれも溶解度パラメータ(SP値)が6〜9であるものであることを見出した。
さらに、本発明者らは、上記溶媒と該溶媒が透過してしまう(プラスチック製の)包装容器の材質との間に、溶媒のSP値と包装容器の材質のSP値が比較的近いという関係が成立する場合に、上記透過現象が生じる傾向にあるということを見出した。
さらには、本発明者らは、水性懸濁製剤がSP値6〜9の溶剤を含有していても、保護コロイド剤が該溶剤に対して特定の量で含まれていると、前述の透過現象を抑制または防止することが可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の水性懸濁製剤包装物は、農薬活性成分(a)、保護コロイド剤(b)、溶解度パラメータ(以下「SP値」と称する、単位は[cal/mL]1/2)6〜9
の溶剤(c)および水を、保護コロイド剤(b)に対するSP値6〜9の溶剤(c)の重
量比が1〜20の範囲の量となるように混合してなる、水性懸濁製剤を、ポリエチレン包
装容器(Z)に充填してなることを特徴とする。
さらに、上記水性懸濁製剤包装物においては、上記保護コロイド剤(b)がポリビニルアルコールまたは水溶性セルロースエーテル類であることが、溶剤が包装容器を透過するのを防止する効果がより高いなどの点で好ましく、また、上記保護コロイド剤(b)に対する上記溶剤の重量比が、3〜15の範囲の量となるように混合してなることが、溶剤透過が防止または顕著に抑制されるために好ましい。
また、本発明に係る水性懸濁剤の保存方法は、農薬活性成分(a)、保護コロイド剤(b)、SP値6〜9の溶剤(c)および水を、保護コロイド剤(b)に対するSP値6〜9の溶剤(c)の重量比が1〜20の範囲となるように混合し、得られた水性懸濁製剤を
、ポリエチレン製包装容器に充填することを特徴とする。
さらに、上記水性懸濁製剤の保存方法においては、上記保護コロイド剤(b)がポリビニルアルコールまたは水溶性セルロースエーテル類であることが、溶剤が包装容器を透過するのを防止する効果がより高いなどの点で好ましく、また、上記保護コロイド剤(b)に対する上記溶剤の重量比が、3〜15の範囲の量となるように混合することが、溶剤透過が防止または顕著に抑制されるために好ましい。
本発明の水性懸濁製剤包装物は、プラスチック製保存容器、特にポリエチレン製包装容器に対して透過現象が発生する溶剤(SP値が6〜9の溶剤)が添加されているが、該溶剤に対して特定量の保護コロイド剤が含まれているため、ポリエチレン製包装容器で長期間保管しても溶剤の上記透過現象が発生しない。
このため、該溶剤の包装容器透過に起因する、農薬を含む溶剤の作業者への接触や周辺環境への揮散(ベーパードリフト)、あるいは農薬を含む溶剤によるラベルの汚染といった問題を回避することができる。
また、溶剤の種類に合わせた包装容器の材質、構造の改訂作業を行う必要もなく、コスト負担増の問題も回避されるという優れた効果を奏する。
さらには、本発明の水性懸濁製剤包装物では、上述の通り、包装容器に充填される水性懸濁製剤中に保護コロイド剤を添加し、かつ、水性懸濁製剤中の該保護コロイド剤と溶剤との重量比を制御することによって、上記溶剤の透過を防止または顕著に抑制しているため、界面活性剤などの成分を必ずしも必要としない。このため、本発明の水性懸濁製剤包装物は、安価に、しかも簡便に製造することが可能である。
そして、本発明の水性懸濁製剤の保存方法によれば、プラスチック製保存容器特に、ポリエチレン製包装容器を透過してしまう溶剤が含有されている水性懸濁製剤であっても、該溶剤が該包装容器を透過するという問題を生じずに該水性懸濁製剤を保存できるばかりでなく、長期間(例えば室温(通常20〜25℃)で240日間)の保存も可能となるという効果を奏することができる。
さらには、本発明の水性懸濁製剤の保存方法によって、従来ならポリエチレン製容器等を透過してしまう上記溶剤が含有されている水性懸濁製剤においても、安価なポリエチレン製包装容器を使用することが可能となり、しかも溶媒を透過することのない材料を探すことに手間をかける必要がないため、安価に、かつ、簡便に該水性懸濁製剤を長期間保存することが可能となるという効果も得られる。
そして、本発明の水性懸濁製剤の保存方法では、上述の通り、農薬活性成分と容器透過性の溶剤とが含まれた従来の水性懸濁製剤中に保護コロイド剤を添加し、かつ、該保護コロイド剤と溶剤との重量比を制御することによって、該溶剤が包装容器を透過する現象を防止、または顕著に抑制し、これにより該水性懸濁製剤をポリエチレン製包装容器中で長期保存することを可能としているため、低コストで、しかも簡便な作業で、上記効果を得ることができる。
以下、本発明の水性懸濁製剤包装物および水性懸濁製剤の保存方法について具体的に説明する。
<水性懸濁製剤包装物>
本発明に係る水性懸濁製剤包装物は、水性懸濁製剤を、プラスチック製容器、特にポリエチレン製包装容器に充填してなるが、
この水性懸濁製剤は、(a)農薬活性成分、(b)保護コロイド剤、(c)溶解度パラメータが6〜9[cal/mL]1/2の溶剤および水を混合して得られる。
しかも、この水性懸濁製剤中には、上記保護コロイド剤(b)に対する上記溶剤(c)の重量比[(c)/(b)]が1〜20、好ましくは、3〜15の範囲の量となるように含
まれていることが、溶剤透過を防止または顕著に抑制できる点で望ましい。
(a)農薬活性成分
本発明で、水性懸濁製剤の調製の際に用いられる農薬活性成分(a)は、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物生長調節剤などの一般的に農薬の活性成分として使用されるものであれば特に限定されず、このような農薬活性成分(a)としては次のものが挙げられる。
例えば、殺虫剤として有機リン系(MEP(O,O−ジメチル−O−4−ニトロ−m−トリル−6−メチルピリミジン−4−イルチオホスフェート)など)、カーバメート系(BPMC(2−セコンダリーブチルフェニル−N−メチルカーバメート)など)、ピレスロイド系(ペルメトリン((R,S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1RS,3RS)−(1RS,3SR)−3−(2、2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)など)、ベンゾイルヒドラジド系、ネオニコチノイド系、トリアジン系、チオウレア系、オキサダイアジン系、フェニルピラゾール系、ネライストキシン系およびベンゾイルフェニル尿素系の殺虫剤、昆虫成長制御剤(ブプロフェジン(2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−チアジアジナン−4−オン)など)天然殺虫剤、生物農薬、殺ダニ剤および殺線虫剤などが挙げられる。
殺菌剤としては、例えば、無機銅類、有機銅類、無機硫黄剤、有機硫黄剤や、有機リン系、ベンゾイミダゾール系、ジカルボキシイミド系、酸アミド系、トリアゾール系(テトラコナゾール((±)−2−(2,4-ジクロロフェニル)−3−(1H−1,2,4−
トリアゾール−1−イル)プロピル=1,1,2,2−テトラフルオロエチル=エーテル
))、イミベンコナゾール(4−クロロベンジル=N−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(1H−1,2、4−トリアゾール−1−イル)チオアセトイミダート)など)、イミダゾール系、ピペラジン系、メトキシアクリレート系、オキサゾリジンジオン系、ストロビルリン系、アニリノピリミジン系、ジチオラン系、キノキサリン系、アミノピリミジン系、フェニルピロール系、トリアジン系、シアノアセトアミド系、グアニジン系、フタリド系(フサライド(4,5,6,7−テトラクロロフタリド)など)の殺菌剤、抗生物質系殺菌剤(カスガマイシン([5−アミノ−2−メチル−6−(2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシ−シクロへキシロキシ)テトラヒドロピラン−3−イル]アミノ−α−イミノ酢酸)など)、天然物殺菌剤および生物農薬などが挙げられる。
除草剤としては、例えば、フェノキシ酸系(MCPAチオエチル(S−エチル=2−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)チオアセタート)など)、カーバメート系、酸アミド系(テニルクロール(2−クロロ−N−(3−メトキシ−2−テニル)−2',6'−ジメチルアセトアニリド)、ブタクロール(2−クロロ−2’,6’−ジエチル−N−(ブトキシメチル)アセトアニリド)など)、アセトアニリド系、尿素系、スルホニル尿素系、ピリミジルオキシ安息香酸系、トリアジン系(シメトリン(2−メチルチオ−4,6−ビス(エチルアミノ)−S−トリアジン)など)、ダイアジン系、ダイアゾール系(ピラゾレート(4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イル−トルエン−4−スルホネート)など)、ビピリジリウム系、ジニトロアニリン系、芳香族カルボン酸系、イミダゾリノン系、脂肪酸系、有機リン系、アミノ酸系、ジフェニルエーテル系(ビフェノックス(5−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2−ニトロ安息香酸メチル))など)、ニトリル系、シクロヘキサンジオン系、フェニルフタルイミド系、シネオール系、インダンジオン系、ベンゾフラン系、トリアゾロピリミジン系、オキサジノン系、アリルトリアゾリノン系、イソウラゾール系、ピリミジニルチオフタリド系、トリアゾリノン系、無機除草剤、生物農薬などが挙げられる。
植物生長調節剤としては、例えば、エチレン系、オーキシン系、サイトカイニン系、ジベレリン系などが挙げられる。
上記農薬活性成分(a)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
なお、これらに含まれる個々の具体的な農薬活性成分は、例えば「農薬ハンドブック2005年版」(財団法人 日本植物防疫協会、平成17年10月11日発行)、「SHIBUYA INDEX 9th Edition」(SHIBUYA INDEX研究会、平
成13年12月15日発行)、「The Pesticide Manual Eleventh Edition」(British Crop Protection Council 発行)などに記載されている。
また、本発明において使用される農薬活性成分(a)としては、本発明と同様の目的を果たし、水性懸濁製剤として適用されるものであるならば、上記以外の従来公知の農薬活性成分も適用することができる。
上記農薬活性成分(a)は、水性懸濁製剤の全量100重量%中に、通常0.01〜60重量%、好ましくは0.1〜50重量%の量で添加(含有)されていることが望ましい。
(b)保護コロイド剤
本発明では、水性懸濁製剤の調製の際においては、保護コロイド剤(b)は、溶剤の乳化分散剤として機能し、農薬溶液よりなる油滴粒子の保護コロイド剤などとしても機能している。
保護コロイド剤を添加すると、(農薬溶液あるいは)溶剤よりなる油滴粒子の周囲が保護コロイド剤分子にて保護されて、油滴粒子とポリエチレン製容器内壁部との接触が防止される。これにより、溶剤がポリエチレン製容器を透過することを防止できる。
これに対して、保護コロイド剤を使用せず、界面活性剤等を用いて乳化分散させた場合には、該界面活性剤等の分散効果により油滴粒子は分散するが、油滴粒子をポリエチレン製包装容器壁面との接触から保護[阻止(防止)]する作用は働かず、該溶剤がポリエチレン製包装容器を透過してしまう。
本発明で用いられる保護コロイド剤(b)としては、例えば、ポリビニルアルコール、
アラビアガム、ゼラチン、アルブミンのほか、水溶性セルロースエーテル類、水溶性大豆多糖類(商品名「ソヤファイブ」、不二製油社製)、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限られるものではない。
上記保護コロイド剤の中でも、ポリビニルアルコール、水溶性セルロースエーテル類は、溶剤が包装容器を透過するのを防止する効果がより高く、かつ、水性懸濁製剤の包装容器からの排出性がより良好であることから好ましい。
なお、排出性は、水性懸濁製剤等を容器に充填(充填量:Xg)した後、容器を傾ける
などして容器中の水性懸濁製剤を取出(排出量:Yg)した後に、容器中に残存・付着している水性懸濁製剤量の多寡を、(Y/X)×100%で評価するもので、この値が大きいほど、水性懸濁製剤は容器中に僅少量しか残存付着せず、排出性が良いことを意味している。
上記のポリビニルアルコールとしては、例えば、クラレポバールPVA−405(商品名、株式会社クラレ製、平均重合度500、鹸化度80〜83mol%)、クラレポバールPVA−210(商品名、株式会社クラレ製、平均重合度1000、鹸化度87〜89mol%)、クラレポバールPVA−420(商品名、株式会社クラレ製、平均重合度2000、鹸化度78〜81mol%)、クラレポバールL−8(商品名、株式会社クラレ製、平均重合度1000以下、鹸化度69.5〜72.5mol%)などが挙げられる。
また、これらのポリビニルアルコール以外にも、以下に示すような変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
例えば、末端アルキル基変性型のポリビニルアルコールとして、クラレポバールMP−203(株式会社クラレ製の商品名、平均重合度300、鹸化度86.5〜89.5mol%)、クラレポバールMP−103(商品名、株式会社クラレ製、平均重合度300、鹸化度98.0〜99.0mol%)、側鎖アルキル基変性型のポリビニルアルコールとして、信越ポバールCOTP−2000(商品名、信越化学工業株式会社製、鹸化度86〜90mol%)、カルボキシル基変性ポリビニルアルコールとして、クラレポバールPVA KL−506(商品名、株式会社クラレ製、平均重合度600、鹸化度74.0〜
80.0mol%)、カチオン変性型のポリビニルアルコールとして、クラレポバールPVA C−506(商品名、株式会社クラレ製、平均重合度600、鹸化度74.0〜8
0.0mol%)、ケイ素含有変性型のポリビニルアルコールとして、クラレポバール
R−2105(商品名、株式会社クラレ製、平均重合度500、鹸化度98.0〜99.0mol%)、スルホン酸基変性型のポリビニルアルコールとして、ゴーセランL−0301(商品名、日本合成化学工業株式会社製)、アセトアセチル基変性型のポリビニルアルコールとして、ゴーセファイマーZ−200(商品名、日本合成化学工業株式会社製、鹸化度99.0mol%以上)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、上記の水溶性セルロースエーテル類としては、セルロース中に含まれる1つのグルコース残基中の3個のOH基のうち2個がメトキシ基で置換され、その分子中にメトキシ基を27〜32重量%含有しているメチルセルロース、あるいは、メチルセルロースのメトキシ基の一部が更にヒドロキシプロポキシ基で置換されたヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
例えば、メチルセルロースとしては、「マーポローズM」(商品名、松本油脂製薬株式会社製、メトキシ基置換率27.5〜31.5%、熱ゲル化温度50〜55℃)、「メトローズSM」(商品名、信越化学工業株式会社製、メトキシ基置換率27.5〜31.5%、熱ゲル化温度約52℃)などがあり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、「マーポローズ60MP」(商品名、松本油脂製薬株式会社製、メトキシ基置換率28〜30%、ヒドロキシプロポキシ基置換率7〜12%、熱ゲル化温度58〜64℃)、「
マーポローズ65MP」(商品名、松本油脂製薬株式会社製、メトキシ基置換率27〜30%、ヒドロキシプロポキシ基置換率4〜7.5%、熱ゲル化温度62〜68℃)、「マーポローズ90MP」(商品名、松本油脂製薬株式会社製、メトキシ基置換率19〜25%、ヒドロキシプロポキシ基置換率4〜12%、熱ゲル化温度70〜90℃)、「マーポローズMP」(商品名、松本油脂製薬株式会社製、メトキシ基置換率16.5〜20%、ヒドロキシプロポキシ基置換率60〜70%、熱ゲル化温度60〜70℃)などが挙げられる。
また、これら以外の水溶性セルロースエーテル類としては次のものが挙げられる。
例えば、セルロースに酸化エチレンを反応させて得られるヒドロキシエチルセルロース、セルロースに酸化プロピレンを反応させて得られるヒドロキシプロピルセルロース、セルロースに苛性ソーダを反応させて得られたアルカリセルロースにモノクロル酢酸を反応させ、セルロースの水酸基の一部をカルボキシル基で置換したカルボキシメチルセルロースなどである。
これら水溶性セルロースエーテルは、各種市販されており、例えば下記市販品を用いてもよい。
例えば、ヒドロキシエチルセルロースとしては、HECダイセル(商品名、ダイセル化学工業株式会社製)、フジヘック(商品名、フジケミカル株式会社製)、NATROSOL(商品名、日商岩井株式会社製)などがあり、ヒドロキシプロピルセルロースとしては、日曹HPC(商品名、日本曹達株式会社製)などがあり、カルボキシメチルセルロースとしては、サンローズ(商品名、日本製紙株式会社製)、CMCニッポン(商品名、日本CMC株式会社製)、セロゲン(商品名、第一工業製薬株式会社製)、CMCダイセル(商品名、ダイセル化学工業株式会社製)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの保護コロイド剤(b)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
上記保護コロイド剤(b)は、水性懸濁製剤中に、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%の量で含有されていることが望ましい。
(c)溶剤
本発明で、水性懸濁製剤の調製に使用される溶剤(c)は、農薬活性成分のエマルション化、結晶析出防止、また生物効果や水田での拡展性の向上を目的として使用され、通常6〜9のSP値を有する溶剤を使用する。
また、本発明で使用する溶剤は、SP値が通常6〜9であり、ポリエチレン製容器を透過する性質を有するため、前記保護コロイド剤(b)により乳化分散し、かつ、該保護コロイド剤(b)で保護することにより、ポリエチレン製容器表面との直接接触を阻止し、該容器からの透過を阻止する必要がある。
なお、本発明で使用する溶剤のSP値を通常6〜9とする理由は、ポリエチレン製容器を透過する溶剤のSP値は通常6〜9であり、SP値が6を下回る溶剤、および9を上回る溶剤は、通常、ポリエチレン製容器を実質上透過しないことから、本発明の技術を適用して本発明の効果を得る必要性が乏しいためである。
なお、本発明において使用される溶剤のSP値は、R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.,14,147(1974)に開示されている凝集エネルギー値を用いて算出するものである。
具体的には、凝集エネルギーをEcoh[cal/mol]とし、モル体積をV[mL/m
ol]とし、さらに、SP値の算出対象となる化合物(すなわち、本発明が適用される溶
剤において、当該化合物に含まれる全ての基の凝集エネルギーEcohの和をΣEco
hとし、当該化合物に含まれる全ての基のモル体積Vの和をΣVとすれば、SP値δv[
cal/mL]1/2は次式から算出される。
Figure 0005480487
また、算出対象となる化合物に含まれる基の凝集エネルギーEcohおよびモル体積Vの
具体的な値は、公知の文献(例えば、Van Krevelen,D.W.“Cohesive Properties and Solubility”;In Proper
ties of Polymers,Elsevier Scientific Publishing,Netherlands,Chapter 7(1997)等)に記載されている数値を利用することができる。
本発明に使用できるSP値6〜9の溶剤としては、例えば、キシレン(SP値8.7)、アルケンL(SP値7.6)、アルケン200P(SP値7.3)(以上、何れも商品名、日本石油化学株式会社製)などの芳香族炭化水素系溶剤;
IPソルベント2028(SP値7.0)、IPソルベント2835(SP値6.2)(以上、何れも商品名、出光興産株式会社製)などのパラフィン系溶剤;
ナフテゾール160(SP値7.7)、ナフテゾール220(SP値8.0)(以上、何れも商品名、日本石油化学株式会社製)などのナフテン系溶剤;
フタル酸ジトリデシル(SP値9.0)、アジピン酸ジイソブチル(SP値8.7)、パルミチン酸イソプロピル(SP値8.4)、ステアリン酸イソトリデシル(SP値7.8)、ミリスチン酸イソプロピル(SP値8.1)、トリメリット酸トリイソデシル(SP値8.3)などの脂肪酸エステル系溶剤;
オレイン酸メチル(SP値7.6)、米ヌカ油脂肪酸メチルエステル(SP値8.1)などの植物油脂肪酸エステル;
オレイン酸(SP値8.5)、リノール酸(SP値9.0)などの植物油;
等を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、SP値6〜9の範囲に該当する溶剤であれば何ら制限されることなく使用することができる。
また、これら溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
SP値6〜9の溶剤(c)は、水性懸濁製剤中に、1〜60重量%、好ましくは5〜50重量%の量で含有されていることが望ましい。
なお、水は、任意量で配合可能であり、例えば、水性懸濁製剤中に、40〜95重量%程度の量で含有されていることが多い。
(d)保護コロイド剤と溶剤の混合比率(重量比)
本発明の水性懸濁製剤包装物におけるSP値6〜9の溶剤の保護コロイド剤に対する混合比率は、重量比で1〜20の範囲であることが必須である。
保護コロイド剤に対して重量比が1を下回る比率でSP値6〜9の溶剤を添加した場合
には、溶剤透過の防止作用は頭打ち傾向になるだけでなく、コスト面でも不利となる。さらに、包装容器からの水性懸濁製剤の排出性が著しく低下してしまう。
逆に、保護コロイド剤に対して重量比が20を超える比率でSP値6〜9の溶剤を添加した場合には、乳化安定性が低下し、保護コロイド効果による溶剤透過の防止が期待できない。
さらに、溶剤透過の防止作用と保護コロイド剤の添加量に由来するコスト、水性懸濁製剤の包装容器からの排出性を考慮に入れると、SP値6〜9の溶剤の好ましい添加比率は保護コロイド剤に対して3〜15倍である。
(Z)包装容器
本発明においては、SP値が6〜9の溶剤と、該溶剤が透過することのできる材質よりなる包装容器(一般には溶剤のSP値に近いSP値を有する高分子化合物など)とを組み合わせて用いる態様であれば、溶剤が包装容器から透過することを防止でき、また顕著に抑制するという効果を得ることができるが、より好ましい包装容器は次の通りである。
本発明の水性懸濁製剤包装物の包装容器(Z)としては、ポリエチレン製包装容器が挙げ
られる。
より詳しくは、ポリエチレン製であり、外圧や温度条件により容易に変形せず、形状が特異的でなく低成型コストであり、なおかつ包装容器からの水性懸濁製剤の散布作業や移し替え作業に適した形態の包装容器であれば何らかまわない。
このような条件を満足した包装容器としては高密度ポリエチレン製単層容器等が挙げられる。
(e)その他成分
本発明の水性懸濁製剤包装物は、上記した必須成分の他に補助剤として、本発明の効果を失わない程度であれば以下のような成分を添加してもかまわない。
例えば、(e-1)界面活性剤(但し、保護コロイド剤(b)に該当するものは除く。)としては、非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤および両性界面活性剤などが挙げられる。
非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル等が挙げられ、
陰イオン系界面活性剤としては、アルキルアリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネート、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩等が挙げられ、
陽イオン系界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等が挙げられ、
両性界面活性剤としては、ジアルキルアミノエチルベタイン、アルキルジメチルベンジルベタイン等が挙げられる。
ただし、非イオン系界面活性剤についてはHLB5を上回るものに限定される。HLBが5以下では本発明の水性懸濁製剤の長期保存に対する懸濁安定性の劣化や分散粒子の凝集、合一現象が顕著であり、実用上の問題が生じる。
なお、本発明では、保護コロイド剤(b)が乳化分散作用を有することから、界面活性剤を配合せずとも充分な効果が得られるため、界面活性剤を必ずとも必要としない(水性懸濁製剤中に界面活性剤を含まなくともよい)。
このように界面活性剤を使用しない(水性懸濁製剤が界面活性剤を含まない)場合には、安価にかつ簡便に本発明の水性懸濁製剤を製造することができる。
本発明で使用できる界面活性剤としてはこれらの例示に限られるものではなく、また、
該界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
水性懸濁製剤中の界面活性剤の含有量は0〜20重量%が好ましく、0.1〜20重量%がより好ましい。
(e-2)増粘剤(保護コロイド剤(b)に該当するものは除く)としては、例えば、キサンタンガム、ウエランガム、ラムザンガムなどのヘテロポリサッカライド、デキストリン、リン酸デンプンなどのデンプン誘導体、トラガントガム、カゼイン、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム、コロイド性含水ケイ酸マグネシウム、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、二酸化ケイ素などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これら増粘剤は1種単独で用いてもよく2種以上を併用して用いてもよい。
水性懸濁製剤中の増粘剤の含有量は0.1〜10重量%が好ましい。
(e-3)消泡剤としては、シリコーン系、脂肪酸系物質などが挙げられ、
(e-4)凍結防止剤としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどが挙げられ、
(e-5)防腐防バイ剤としては、ソルビン酸カリウム、p−クロロ−m−キシレノール、p−オキシ安息香酸ブチルなどが挙げられ、
(e-6)pH調整剤としては、クエン酸、リン酸、炭酸マグネシウムなどが挙げられ、
(e-7)農薬活性成分の安定化剤としては、酸化防止剤、紫外線防止剤、結晶析出防止剤などが挙げられる。
本発明では、これらの任意成分(補助剤)を適宜添加してもよいが、ここに例示した補助剤に限定されるものではない。
上記補助剤は、(e-1)〜(e-7)の何れか1種単独または2種以上を併用して用いてもよく、また、何れか1種に属する補助剤を単独で、あるいは2種以上併用して用いてもよい。
<水性懸濁製剤包装物の調製方法>
本発明の水性懸濁製剤包装物の調製方法は特に限定されないが、例えば次の方法によって調製できる。
(水性懸濁製剤の調製段階)
保護コロイド剤(b)、および必要に応じてその他の補助剤(e)を、水に添加後、SP値6〜9の溶剤(c)を添加し、乳化液(i)とする。
必要に応じて農薬活性成分(a)をSP値6〜9の溶剤(c)に溶解したプレミックス物を保護コロイド剤(b)で乳化して用いてもかまわない(乳化液(ii))。
この乳化液(i)または(ii)に、予めJet粉砕機などで微粉砕化した農薬活性成分(a
)ならびにその他の補助剤(e)を溶解もしくは分散させて水性懸濁製剤を調製する方法;
(なお、この乳化液(ii)を用いる場合は、この乳化液(ii)と、必要に応じてその他の補助剤(e)と、水などとを混合して水性懸濁製剤を調製すればよい。)
または、
乳化液(i)または(ii)に、農薬活性成分(a)および必要に応じてその他の補助剤(e
)を水に添加後、ガラスビーズなどを用いて湿式粉砕することにより水性懸濁製剤を調製する方法;あるいは
農薬活性成分(a)および必要に応じてその他の補助剤(e)を水に添加後、ガラスビーズなどを用いて湿式粉砕した分散液と、予め調製しておいた乳化液(i)または(ii)を混
合することにより水性懸濁製剤を調製する方法;
の何れを採用してもよい。
(水性懸濁製剤包装物の調製段階)
次いで、本発明では、上記のようにして調製された水性懸濁製剤を、(合成)樹脂容器、特に安価で汎用性の高い点で望ましいポリエチレン製包装容器(Z)に充填することにより
、本発明の水性懸濁製剤包装物を調製している。
容器の寸法、形状は特に限定されない。
本発明では、水性懸濁製剤を収容(充填)する容器としては、ポリエチレン(PE)製容器が好適であるが、これに限定されず、SP値6〜9の溶剤が透過してしまう材質の容器にも適用可能であり、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、天然ゴム、ポリジメチルシロキサンなどを用いてもよい。
<水性懸濁製剤の使用形態(使用方法)>
上記方法により調製した水性懸濁製剤は、例えば、原液のままで、もしくは水で1.5〜5倍程度に希釈して水田に直接散布する方法、あるいは、
原液のままで、もしくは水で50〜5000倍程度に希釈した液を、噴霧機などを用いて作物や雑草に茎葉散布する方法、あるいは空中からヘリコプターなどを使用して、原液のまま、または水で2〜100倍程度に希釈して散布する方法で除草、殺虫等に適用できるが、これらに限定されるわけではない。
<水性懸濁製剤包装物の保存方法>
本発明では、農薬活性成分(a)、保護コロイド剤(b)、溶解度パラメータ(以下「SP値」と称する、単位は[cal/mL]1/2)が6〜9[cal/mL]1/2の溶剤(c)および水を、上記保護コロイド剤(b)に対する上記溶剤(c)の重量比[(c)/(b)]が1〜20の範囲となるように混合し、得られた水性懸濁製剤を、ポリエチレン包
装容器(Z)に任意量で充填することにより水性懸濁製剤を保存する。
このように、本発明に係る水性懸濁製剤には、必須成分としての保護コロイド剤(b)が配合され、かつ、SP値が6〜9の溶剤(c)を該保護コロイド剤(b)に対して重量比で1〜20、好ましくは3〜15となるように配合されているので、従来であればポリエチレン製包装容器を透過してしまうSP値が6〜9である溶剤が水性懸濁製剤に含まれているにも拘らず、本発明では該溶剤(c)が保護コロイド剤(b)に保護されるため、該溶剤(c)のポリエチレン製包装容器(Z)の壁面への接触を防止または顕著に抑制する
ことができる。
これにより、合成樹脂容器、特にポリエチレン製包装容器(Z)を用いても、上記溶剤(
c)を含有した水性懸濁製剤を長期間保存することが可能となる。しかも、このような容器に保存された水性懸濁製剤は、該包装容器(Z)からの排出性にも優れている。
なお、本発明における「長期保存」とは、室温(通常20〜25℃)〜40℃においては例えば少なくとも240日間(好ましくは少なくとも3年間)の期間、40℃を越えて50℃以下の保存温度下においては、例えば少なくとも90日間(室温保存の3年間分に相当)(好ましくは少なくとも120日間)の期間、高温(50℃)と低温(−10℃)を往復するサイクル条件(サイクル1周期を50℃、7日間保管後、−10℃、7日間保管とする)においてはサイクル6周期(室温保存の3年間に相当)(好ましくは少なくとも8周期)の期間、上記溶剤(c)が上記包装容器を透過せず、かつ保存後の排出性を損なうことなく保存できることをいう。
以下、本発明の好適態様について、実施例に基づいて本発明の包装容器からの溶剤透過が抑制または防止された水性懸濁製剤包装物およびポリエチレン包装容器での水性懸濁製剤の保存方法を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例、比較例中の「部」とあるのは、すべて重量部を示す。
[実施例1]
水44.9部にヒドロキシプロピルメチルセルロース2部を溶解した。
この溶液中に、
カスガマイシン原体(抗生物質系殺菌剤)0.6部、
プロピレングリコール5部、
MEP原体(有機リン系殺虫剤)25部とオレイン酸メチル(SP値7.6)12部を混合溶解したプレミックス、
Jet−O−mizer(セイシン企業株式会社製)を用い平均粒子径3.0μmに微粉砕したフサライド原体(フタリド系殺菌剤)10部、
コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.3部を添加し、
TKホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて5000rpmで10分間攪拌混合した。
次いで、この混合物中に、キサンタンガム0.2部を添加し、スリーワンモーター(HEIDON社製)で均一に混合して水性懸濁製剤を得た。
この水性懸濁製剤450mLを農薬包装資材規格表の農薬容器表示要領で指定されている高密度ポリエチレン製単層容器(500mL容量)に充填し、容器を密封して水性懸濁製剤包装物を得た。
[実施例2]
実施例1において、製剤組成をカスガマイシン原体(抗生物質系殺菌剤)0.6部、フサライド原体(フタリド系殺菌剤)10部、MEP原体(有機リン系殺虫剤)25部、クラレポバールPVA−405(商品名、株式会社クラレ製、平均重合度500、鹸化度80〜83mol%)1部、ラウリン酸メチル(SP値8.2)16部、含水ケイ酸アルミニウム0.3部、キサンタンガム0.2部、プロピレングリコール5部、水41.9部とした以外は実施例1と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[実施例3]
水63.95部にアルギン酸ナトリウム0.55部を溶解し、この中にプロピレングリコール5部、アルケンL(SP値7.6)(商品名、日本石油化学株式会社製)10部、ブプロフェジン原体(昆虫成長制御剤)20部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.3部を添加し、ダイノミルKDL型(Willy A.Bachofen AG製)にて粉砕液の平均粒子径が2.5μmになるように微粉砕した。
ここでいう粉砕液とは、農薬活性成分の粉砕粒子と、溶剤の乳化粒子が合わさった液を指しており、平均粒子径は粉砕粒子と乳化粒子の混合物の平均粒径を指す。
このとき粉砕液の温度が20℃を超えないように冷却しながら粉砕を行った。なお、粉採用メディアとしては直径0.7〜1.2mmの硬質ガラスビーズを用いた。
この粉砕液にキサンタンガム0.2部を添加し、スリーワンモーター(HEIDON社製)で均一に混合して水性懸濁製剤を得た。
この水性懸濁製剤450mLを農薬包装資材規格表の農薬容器表示要領で指定されている高密度ポリエチレン製単層容器(500mL容量)に充填し、容器を密封して水性懸濁製剤包装物を得た。
[実施例4]
実施例3において、製剤組成をブプロフェジン原体(昆虫成長制御剤)20部、クラレポバールL−8(株式会社クラレの商品名、平均重合度1000以下、鹸化度69.5〜72.5mol%)4部、オレイン酸メチル(SP値7.6)10部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.3部、キサンタンガム0.2部、プロピレングリコール5部、水6
0.5部とした以外は実施例3と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[実施例5]
水55.9部にアラビアガム1.5部を溶解し、この中にプロピレングリコール5部、米ヌカ油脂肪酸メチルエステル(SP値8.1)12部とBPMC原体(カーバメート系殺虫剤)10部とMEP原体(有機リン系殺虫剤)15部を混合溶解したプレミックス、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.4部を添加し、TKホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて5000rpmで10分間攪拌混合した。
更に、キサンタンガム0.2部を添加し、スリーワンモーター(HEIDON社製)で均一に混合して水性懸濁製剤を得た。
この水性懸濁製剤450mLを農薬包装資材規格表の農薬容器表示要領で指定されている高密度ポリエチレン製単層容器(500mL容量)に充填し、容器を密封して水性懸濁製剤包装物を得た。
[実施例6]
実施例5において、製剤組成をBPMC原体(カーバメート系殺虫剤)10部、MEP原体(有機リン系殺虫剤)15部、カルボキシメチルセルロース2部、アジピン酸イソブチル(SP値8.7)18部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.3部、キサンタンガム0.25部、プロピレングリコール5部、水49.45部とした以外は実施例5と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[実施例7]
実施例5において、製剤組成をペルメトリン原体(ピレスロイド系殺虫剤)10部、アラビアガム5部、ナフテゾール220(SP値8.0)(商品名、日本石油化学株式会社製)10部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.2部、キサンタンガム0.2部、プロピレングリコール5部、水69.6部とした以外は実施例5と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[実施例8]
実施例3において、製剤組成をテトラコナゾール原体(トリアゾール系殺菌剤)12部、ヒドロキシエチルセルロース7部、IPソルベント2835(SP値6.2)(商品名、出光興産株式会社製)10部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.3部、キサンタンガム0.2部、プロピレングリコール5部、水65.5部とした以外は実施例3と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[実施例9]
実施例3において、製剤組成をテトラコナゾール原体(トリアゾール系殺菌剤)12部、クラレポバールMP−203(商品名、株式会社クラレ製、平均重合度300、鹸化度86.5〜89.5mol%)1.7部、トリメリット酸トリイソデシル(SP値8.3)24部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.3部、キサンタンガム0.2部、プロピレングリコール5部、水56.8部とした以外は実施例3と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[実施例10]
実施例1において、製剤組成をカスガマイシン原体(抗生物質系殺菌剤)1.2部、フサライド原体(フタリド系殺菌剤)15部、アラビアガム1.2部、リノール酸(SP値9.0)15部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.3部、キサンタンガム0.25部、プロピレングリコール5部、水62.05部とした以外は実施例1と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[実施例11]
実施例1において、製剤組成をイミベンコナゾール原体(トリアゾール系殺菌剤)10部、メチルセルロース1.7部、ステアリン酸イソトリデシル(SP値7.8)30部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.25部、キサンタンガム0.2部、プロピレングリコール5部、水52.85部とした以外は実施例1と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[実施例12]
実施例1において、製剤組成をイミベンコナゾール原体(トリアゾール系殺菌剤)10部、クラレポバールPVA−205(商品名、株式会社クラレ製、平均重合度500、鹸化度87〜89mol%)4.5部、米ヌカ油脂肪酸メチルエステル(SP値8.1)16部、コロイド性含水ケイ酸マグネシウム0.4部、キサンタンガム0.2部、プロピレングリコール5部、水63.9部とした以外は実施例1と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[実施例13]
実施例3において、製剤組成をテニルクロール原体(酸アミド系除草剤)5部、アラビアガム6部、トリメリット酸トリイソデシル(SP値8.3)7.5部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.3部、キサンタンガム0.2部、プロピレングリコール5部、水76部とした以外は実施例3と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[実施例14]
実施例3において、製剤組成をテニルクロール原体(酸アミド系除草剤)5部、クラレポバールPVA−210(株式会社クラレの商品名、平均重合度1000、鹸化度87〜89mol%)5部、IPソルベント2028(SP値7.0)(商品名、出光興産株式会社製)14部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.3部、ウエランガム0.3部、プロピレングリコール5部、水70.4部とした以外は実施例3と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[実施例15]
製剤組成をシメトリン原体(トリアジン系除草剤)5部、アルギン酸ナトリウム4部、ミリスチン酸イソプロピル(SP値8.1)14部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.2部、キサンタンガム0.3部、プロピレングリコール5部、水71.5部とした以外は実施例1と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[実施例16]
実施例1において、製剤組成をシメトリン原体(トリアジン系除草剤)5部、アラビアガム0.8部、IPソルベント2835(SP値6.2)(商品名、出光興産株式会社製)13部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.2部、キサンタンガム0.3部、プロピレングリコール5部、水75.7部とした以外は実施例1と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[実施例17]
実施例5において、製剤組成をブタクロール原体(酸アミド系除草剤)12部、アルギン酸ナトリウム5部、アジピン酸イソブチル(SP値8.7)14部、コロイド性含水ケイ酸マグネシウム0.4部、キサンタンガム0.2部、プロピレングリコール5部、水63.4部とした以外は実施例5と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[実施例18]
実施例5において、製剤組成をブタクロール原体(酸アミド系除草剤)12部、クラレポバールPVA−420(商品名、株式会社クラレ製、平均重合度2000、鹸化度80〜83mol%)1.5部、IPソルベント2028(SP値7.0)(商品名、出光興産株式会社製)28.5部、コロイド性含水ケイ酸マグネシウム0.4部、キサンタンガム0.2部、プロピレングリコール5部、水52.4部とした以外は実施例5と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[比較例1]
実施例5において、製剤組成をBPMC原体(カーバメート系殺虫剤)10部、MEP原体(有機リン系殺虫剤)15部、アルギン酸ナトリウム0.4部、米ヌカ油脂肪酸メチルエステル(SP値8.1)20部、含水ケイ酸アルミニウム0.3部、キサンタンガム0.2部、プロピレングリコール5部、水49.1部とした以外は実施例5と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[比較例2]
実施例5において、製剤組成をBPMC原体(カーバメート系殺虫剤)10部、MEP
原体(有機リン系殺虫剤)15部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル15部、オレイン酸メチル(SP値7.6)10部、含水ケイ酸アルミニウム0.3部、キサンタンガム0.2部、プロピレングリコール5部、水44.5部とした以外は実施例5と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[比較例3]
実施例3において、製剤組成をブプロフェジン原体(昆虫成長制御剤)20部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル5部、トリメリット酸トリイソデシル(SP値8.3)10部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.3部、キサンタンガム0.2部、プロピレングリコール5部、水59.5部とした以外は実施例3と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[比較例4]
実施例3において、製剤組成をブプロフェジン原体(昆虫成長制御剤)20部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート12部、オレイン酸(SP値8.5)20部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.2部、ウエランガム0.3部、プロピレングリコール5部、水42.5部とした以外は実施例3と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[比較例5]
実施例5において、製剤組成をペルメトリン原体(ピレスロイド系殺虫剤)10部、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.5部、IPソルベント2028(SP値7.0)(商品名、出光興産株式会社製)15部、コロイド性含水ケイ酸マグネシウム0.4部、キサンタンガム0.2部、プロピレングリコール5部、水68.9部とした以外は実施例5と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[比較例6]
実施例3において、製剤組成をテトラコナゾール原体(トリアゾール系殺菌剤)12部、アラビアガム8.3部、デカヒドロナフタリン(SP値8.3)5部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.3部、ウエランガム0.3部、プロピレングリコール5部、水69.1部とした以外は実施例3と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[比較例7]
実施例1において、製剤組成をカスガマイシン原体(抗生物質系殺菌剤)1.2部、フサライド原体(フタリド系殺菌剤)15部、クラレポバールPVA−420(商品名、株式会社クラレ製、平均重合度2000、鹸化度80〜83mol%)0.8部、米ヌカ油脂肪酸メチルエステル(SP値8.1)30部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.3部、キサンタンガム0.3部、プロピレングリコール5部、水47.4部とした以外は実施例1と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[比較例8]
実施例1において、製剤組成をイミベンコナゾール原体(トリアゾール系殺菌剤)10部、ヒドロキシエチルセルロース8部、アルケンL(SP値7.6)(商品名、出光興産株式会社製)4部、コロイド性含水ケイ酸マグネシウム0.4部、キサンタンガム0.2部、プロピレングリコール5部、水72.4部とした以外は実施例1と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[比較例9]
実施例3において、製剤組成をテニルクロール原体(酸アミド系除草剤)5部、メチルセルロース0.5部、ラウリン酸メチル(SP値8.2)20部、コロイド性含水ケイ酸マグネシウム0.4部、キサンタンガム0.2部、プロピレングリコール5部、水68.9部とした以外は実施例3と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[比較例10]
実施例3において、製剤組成をテニルクロール原体(酸アミド系除草剤)5部、カルボキシメチルセルロース12.5部、米ヌカ油脂肪酸メチルエステル(SP値8.1)10部、コロイド性含水ケイ酸マグネシウム0.4部、キサンタンガム0.2部、プロピレングリコール5部、水66.9部とした以外は実施例3と同様にして水性懸濁製剤包装物を
得た。
[比較例11]
実施例1において、製剤組成をシメトリン原体(トリアジン系除草剤)5部、クラレポバールPVA−210(商品名、株式会社クラレ製、平均重合度1000、鹸化度87〜89mol%)10部、アジピン酸イソブチル(SP値8.7)5部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.3部、ウエランガム0.3部、プロピレングリコール5部、水74.4部とした以外は実施例1と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[比較例12]
実施例1において、製剤組成をシメトリン原体(トリアジン系除草剤)5部、クラレポバールPVA−210(商品名、株式会社クラレ製、平均重合度1000、鹸化度87〜89mol%)9部、ナフテゾール220(SP値8.0)(商品名、日本石油化学株式会社製)8部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.3部、キサンタンガム0.3部、プロピレングリコール5部、水72.4部とした以外は実施例1と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[比較例13]
実施例5において、製剤組成をブタクロール原体(酸アミド系除草剤)12部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート4部、IPソルベント2835(SP値6.2)(商品名、出光興産株式会社製)15部、コロイド性含水ケイ酸マグネシウム0.4部、キサンタンガム0.2部、プロピレングリコール5部、水63.4部とした以外は実施例5と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[比較例14]
実施例5において、製剤組成をブタクロール原体(酸アミド系除草剤)12部、クラレポバールMP−203(商品名、株式会社クラレ製、平均重合度300、鹸化度86.5〜89.5mol%)1.2部、ステアリン酸2−エチルへキシル(SP値7.6)30部、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム0.3部、キサンタンガム0.2部、プロピレングリコール5部、水51.3部とした以外は実施例5と同様にして水性懸濁製剤包装物を得た。
[試験例1(透過性試験)]
農薬包装資材規格表の農薬容器表示要領で指定されている高密度ポリエチレン製単層容器(500mL容量)にラベルを貼付してなるラベル付包装容器に、上記各実施例、比較例で調製直後の水性懸濁製剤を450mL充填し、得られた水性懸濁製剤包装物を、20℃で240日、40℃で90日、50℃で90日静置保管しその後、保管サンプルを取り出し、容器やラベルへの溶剤付着の有無、程度について評価を行った。
また、上記と同様にして得られた水性懸濁製剤包装物を、6サイクル(1サイクルを50℃7日保管後、−10℃7日の保管条件とする)条件にて静置保管した。
その後、保管サンプルを取り出し、上記と同様に、容器やラベルへの溶剤付着の有無、程度について評価を行った。
評価基準は以下の通りである。
「−」:透過なし。
「±」:微量の透過が認められる(実用上問題なし)。
「+」:明瞭な透過が認められる(実用上問題あり)。
「++」:周囲への付着の危険あり(実用上問題あり)。
結果を表1、2に記載した。
[試験例2(排出性試験)]
農薬包装資材規格表の農薬容器表示要領で指定されている高密度ポリエチレン製単層容器(500mL容量)に上記各実施例、比較例で調製直後の水性懸濁製剤を450mL充填し、25℃で1日間静置後に容器の倒立を20回繰り返した後、容器を逆さにし、水性
懸濁製剤を排出した。
容器の口より薬剤の滴下間隔が10秒以上になった時を終点とした。
この時点で排出した薬剤の重量をはかり、容器に充填した薬剤の重量に対する割合を排出性(%)として評価した。
排出性の算出式は以下の通りである。
Figure 0005480487
排出性(%)の値が大きいほど水性懸濁製剤の取扱性が良好であると評価できる。
結果を表1、2に記載した。
Figure 0005480487
Figure 0005480487
[表の説明]
表1、2に記載された試験結果は、20℃、40℃、50℃、サイクル保管の各保管条件における溶剤透過性および包装容器からの排出性において、実施例1〜18は比較例1〜14と比較して明らかにすぐれていることを示唆している。
実施例1〜18は、透過性試験、排出性試験のいずれにおいても良好な結果を示した。
水性懸濁製剤が保護コロイド剤としてポリビニルアルコールまたは水溶性セルロースエーテル類を含有している実施例に着目すると、水性懸濁製剤がSP値6〜9の溶剤を保護コロイド剤に対して重量比で3〜15の範囲の量で含有している実施例1、6、9、12については、非常に良好な排出性を維持したまま、各種温度条件において溶剤透過を完全に防止するというすぐれた結果を示した。
水性懸濁製剤がSP値6〜9の溶剤を保護コロイド剤に対して重量比で1〜3の範囲の量で含有している実施例4、8、14については若干排出性が低下するものの、溶剤粒子に対する保護コロイド剤の添加量は充分量であり、各種温度条件において溶剤透過を防止する結果を示した。
水性懸濁製剤がSP値6〜9の溶剤を保護コロイド剤に対して重量比で15〜20の範囲の量で含有している実施例2、11、18については非常に良好な排出性を示したが、保護コロイド剤の溶剤粒子に対する保護作用が若干弱く、50℃条件において微量透過が確認されたが実用上問題ないレベルだった。
また、水性懸濁製剤がポリビニルアルコールまたは水溶性セルロースエーテル類以外の保護コロイド剤を含有している実施例に着目すると、水性懸濁製剤がSP値6〜9の溶剤を保護コロイド剤に対して重量比で3〜15の範囲の量で含有している実施例5、10、15については、非常に良好な排出性を維持したまま、20℃、40℃、50℃条件において溶剤透過を完全に防止した一方で、高温と凍結条件を往来するサイクル条件に対して微量透過が確認されたが実用上問題ないレベルだった。
水性懸濁製剤がSP値6〜9の溶剤を保護コロイド剤に対して重量比で1〜3の範囲の量で含有している実施例7、13、17は若干排出性が低下するものの、20℃、40℃、50℃条件において溶剤透過を完全に防止し、サイクル条件において微量透過が確認されたが実用上問題ないレベルであった。
水性懸濁製剤がSP値6〜9の溶剤を保護コロイド剤に対して重量比で15〜20の範囲の量で含有している実施例3、16は非常に良好な排出性を示した一方で、保護コロイド剤による溶剤粒子の保護作用が若干弱く、50℃条件において微弱な透過が確認されたが実用上問題ないレベルだった。
なお、保護コロイド剤としてポリビニルアルコールを用いた実施例2、4、9、12、14、18の透過性試験結果は、溶剤の透過性に寄与する因子が保護コロイド剤とSP値6〜9の溶剤の混合比率であり、ポリビニルアルコールの鹸化度、重合度には影響されないことを示唆している。
同様に、水性懸濁製剤が保護コロイド剤として水溶性セルロースエーテル類を用いた実施例1、6、8、11の透過性試験結果もまた溶剤の透過性に寄与する因子が保護コロイド剤とSP値6〜9の溶剤の混合比率であり、水溶性セルロースエーテル類の種類には影響されないことを示唆している。
また、SP値6〜9の溶剤と保護コロイド剤の混合比率が同程度の場合において、保護コロイド剤がポリビニルアルコール、水溶性セルロースエーテル類とそれ以外の場合を比較すると、サイクル条件における溶剤透過抑制効果においてはポリビニルアルコール、水溶性セルロースエーテル類が完全に溶剤透過を防止しており、これら2種の保護コロイド剤が特に広い温度条件で効果的に透過防止効果を有することを示唆している。
一方、比較例1〜14では、透過性試験、排出性試験のいずれにおいても実施例と比較して大きく劣る結果を示した。
水性懸濁製剤が保護コロイド剤を含有しない比較例2、3、4、13については、SP値6〜9の溶剤に対して乳化分散に用いる界面活性剤の種類、添加量を変更しても排出性は良好だが、溶剤透過性については全保存条件において著しい溶剤透過が確認されており、実用上非常に問題のある製剤となった。
また、水性懸濁製剤が保護コロイド剤としてポリビニルアルコールまたは水溶性セルロースエーテル類を含有している比較例に着目すると、水性懸濁製剤がSP値6〜9の溶剤を保護コロイド剤に対して重量比で1未満の範囲の量で含有している比較例8、10、11、12については各種温度条件において溶剤透過を防止したが、包装容器からの排出性が70%近辺、80%近辺と非常に悪く、実用上非常に問題のあるレベルだった。
一方、水性懸濁製剤がSP値6〜9の溶剤を保護コロイド剤に対して重量比で20を超える範囲の量で含有している比較例5、7、9、14は非常に良好な排出性を示したが、保護コロイド剤による溶剤粒子の保護作用が弱く、20℃条件では実用上問題は無かったが、40℃条件では明瞭な溶剤透過、50℃、サイクル保管条件では周囲を侵すほどの溶剤透過が確認され、総合的には実用上非常に問題のあるレベルだった。
また、水性懸濁製剤がポリビニルアルコールまたは水溶性セルロースエーテル類以外の保護コロイド剤を含有している実施例に着目すると、SP値6〜9の溶剤を保護コロイド剤に対して重量比で1未満の範囲の量で含有している比較例6については20℃、40℃、50℃条件において溶剤透過を防止し、サイクル条件においても実用上問題の無いレベルであったが、包装容器からの排出性が69%と非常に悪く、実用上非常に問題のあるレベルだった。
一方、水性懸濁製剤がSP値6〜9の溶剤を保護コロイド剤に対して重量比で20を超える範囲の量で含有している比較例1は非常に良好な排出性を示したが、保護コロイド剤の溶剤粒子に対する保護作用が弱く、20℃条件では明瞭な溶剤透過が確認され、40℃、50℃、サイクル保管条件では周囲を侵すほどの溶剤透過が確認され、実用上非常に問題のある製剤だった。
上記各実施例、比較例における試験例1、2の試験結果は、SP値6〜9を有する溶剤を含有する水性懸濁製剤をポリエチレン製容器に保存した場合、溶剤透過の抑制、防止には(1)保護コロイド剤を含有すること、(2)保護コロイド剤に対するSP値6〜9の溶剤の混合比が重量比で1〜20の範囲であることが必須条件であり、さらには(3)保護コロイド剤がポリビニルアルコールまたは水溶性セルロースエーテル類であること、(4)保護コロイド剤に対するSP値6〜9の溶剤の混合比が重量比で3〜15の範囲であることがより効果的に溶剤透過を防止する条件であることを示唆している。

Claims (4)

  1. (a)農薬活性成分、(b)保護コロイド剤、(c)溶解度パラメータ(SP値)が6〜9[cal/mL]1/2の溶剤および水を、
    上記保護コロイド剤(b)に対する上記溶剤(c)の重量比[(c)/(b)]が1〜20の範囲の量となるように混合してなる、水性懸濁製剤を、
    (Z)ポリエチレン製包装容器に充填してなり、
    上記ポリエチレン製包装容器(Z)が、高密度ポリエチレン製単層容器であり、
    上記保護コロイド剤(b)が、ポリビニルアルコール、アラビアガム、水溶性セルロースエーテル類およびアルギン酸ナトリウムから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする水性懸濁製剤包装物。
  2. 上記保護コロイド剤(b)に対する上記溶剤(c)を、上記重量比が3〜15の範囲の量となるように混合してなることを特徴とする請求項1に記載の水性懸濁製剤包装物。
  3. (a)農薬活性成分、(b)ポリビニルアルコール、アラビアガム、水溶性セルロースエーテル類およびアルギン酸ナトリウムから選ばれた1種または2種以上の保護コロイド剤、(c)溶解度パラメータ(SP値)が6〜9[cal/mL]1/2の溶剤および水を、上記保護コロイド剤(b)に対する上記溶剤(c)の重量比が1〜20の範囲の量となるように混合し、
    得られた水性懸濁製剤を、高密度ポリエチレン製単層容器である(Z)ポリエチレン製包装容器に充填することを特徴とする水性懸濁製剤の保存方法。
  4. 上記保護コロイド剤(b)に対する上記溶剤(c)の重量比が、3〜15の範囲の量となるように混合することを特徴とする請求項に記載の水性懸濁製剤の保存方法。
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