JP5480479B2 - 形状測定装置および形状測定装置の校正方法 - Google Patents

形状測定装置および形状測定装置の校正方法 Download PDF

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Description

本発明は、形状測定装置および形状測定装置の校正方法に関する。
従来、測定対象物に対して光を直角方向に照射して、測定対象物からの反射光である試料光と、参照面からの反射光である参照光とを干渉させ、発生する干渉縞を解析することで測定対象物の表面形状を測定する形状測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、測定対象物に対して光を斜め方向に照射することによって、光を直角方向に照射する場合よりも測定範囲を広げることができ、うねりの大きな面や粗面の平面度などを測定できる形状測定装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。この測定装置は斜入射干渉計とも呼ばれている。
これらの干渉縞の解析方法としては、従来、参照面を変位させるなどの方法で干渉縞の位相をシフトさせて、取得された複数枚の干渉縞から表面形状を測定する位相シフト法が一般的に用いられる。
しかし、このような位相シフト法では、複数枚の干渉縞を取得する間に参照面を変位させるなどの動作があるため、測定時間が長くなるという問題があった。
これに対して、発明者らは、特許文献1、2に記載の形状測定装置において、試料光と参照光とを重ね合わせた測定光をプリズムで3分割し、各分割光の位相を偏光板で光学的にシフトさせて、光学的に異なる位相差を付与された3枚の干渉縞を同時に発生させた。そして、3つの撮像素子を用いて3枚の干渉縞を同時に撮影できるようにした。
この手法によれば、位相シフト法で演算処理するために必要な複数枚の干渉縞を瞬時に取り込むことで、形状測定の高速化を図ることができる。
特許第3766319号公報 特開2008−32690号公報
前記特許文献1、2に記載の形状測定装置では、測定光は、プリズムの光源側に配置された4分の1波長板を通ってプリズムで3分割され、そして、分割された各分割光は、透過軸の方向が互いに異なる3つの偏光板をそれぞれ通過する。この際、各分割光にて発生する干渉縞の各対応点どうしが等しい強度を有することと、設計値どおりに付与された位相シフト量を有することとを条件として、測定対象物の形状測定が行われる。
しかしながら、実際には、プリズムの分割強度誤差や、4分の1波長板の進相軸および遅相軸の設置誤差などにより、3枚の干渉縞のバイアスおよび振幅はそれぞれ異なっている。また、偏光板の透過軸の設置角度の誤差により、光学的に付与される位相シフト量は設計値どおりとなっていない。
従って、取得される3枚の干渉縞は、原理に則した設計値どおりに位相シフトされた干渉縞ではなく、バイアス、振幅および位相シフト量などのパラメータが異なる干渉縞となっており、これらの干渉縞をそのまま用いると測定精度が低下してしまうという第1の課題があった。
これに対して、パラメータの誤差を小さくするために、精度の高い光学部品を使用して、かつ、高度な調整を行うことで、設計値に則した測定装置を製作する方法も考えられるが、高価な装置となってしまうという第2の課題がある。
一方、干渉縞の強度や分布状態は、構成された光学系に固有のものであるが、例えば、測定を繰り返すうちに光軸が僅かにずれたりすると、干渉縞の強度および分布が変化してしまう。その他、測定装置の筐体の経時変化による幾何学的な寸法変化や、温度変化による光学部品の性能の変化などによっても、干渉縞の強度や分布状態が変化してしまう。また、異なる面性状(材質など)の測定対象物を測定する場合、干渉縞の強度や分布状態が変化してしまう。これに対して、測定装置の製作時に設定された初期のパラメータを使用し続けると、干渉縞の強度や分布状態の変化による測定精度の低下が生じてしまう。従って、干渉縞のパラメータを、定期的に、あるいは測定の直前に校正する必要がある。その際、ユーザが使用環境において容易に校正でき、測定精度を維持することが望まれている(第3の課題)。
本発明の目的は、前述の第1から第3の課題を解決できる形状測定装置であって、高価な装置を用いずに、干渉縞のバイアス、振幅および位相の情報を校正することが可能で、かつ、ユーザが使用環境において容易に校正でき、測定精度を向上させることができる形状測定装置、および、形状測定装置の校正方法を提供することである。
本発明の形状測定装置は、測定対象物を照射する光を発するとともに、前記光の一部が前記測定対象物に照射されずに参照光となる光源と、前記測定対象物から反射される試料光および前記参照光を重ね合わせて測定光とする合成部と、前記測定光を複数に分割して分割測定光とする測定光分割部と、前記分割測定光の光軸上にそれぞれ設けられ、当該分割測定光に異なる位相差を付与して干渉縞を発生させる偏光部と、前記分割測定光ごとに前記干渉縞を撮像する複数の撮像部と、撮像された前記複数の干渉縞に基づき、前記撮像部ごとに予め校正された干渉縞のバイアス、振幅および位相の各情報を用いて、前記測定対象物の形状を測定する測定制御部と、を備える形状測定装置であって、前記光源は、発する光の波長を変えられる波長可変光源であり、前記測定制御部は、前記光源からの光の波長を変化させる光源制御部と、前記干渉縞のバイアス、振幅および位相の各情報を予め校正する際に、前記撮像部ごとに前記光源の波長を変化させて取得された複数の干渉縞に基づき、当該バイアス、振幅および位相の各情報を校正する校正用制御部と、前記測定対象物の形状を測定する際に、前記撮像部で同時に取得され異なる位相差を付与された複数の干渉縞と、予め校正された前記バイアス、振幅および位相の各情報とに基づいて、前記測定対象物の形状情報を解析する解析部と、を有して構成され、当該形状測定装置は、前記参照光の光路長と前記試料光の光路長との光路差(Δl)を調整可能な光路差調整機構を備え、前記光路差(Δl)は、前記光源の波長(λ)を変化量(Δλ)だけ変化させた際の前記干渉縞の位相シフト量(2π/λ ×ΔlΔλ)が2π以上となるように、設定されている
ことを特徴とする。
ここで、本発明は、異なる位相差が付与された干渉縞を複数の撮像部で同時に撮像する同時撮像型の形状測定装置に関するものであり、形状測定装置としては、測定対象物に対して光を直角方向に照射するものでもよく、あるいは測定対象物に対して斜め方向から所定の入射角度で光を照射する、いわゆる斜入射干渉計でもよい。
この構成によれば、異なる位相差が付与された複数の干渉縞におけるバイアス、振幅および位相の各情報を、校正用のパラメータとして容易に取得することができ、異なる位相差が付与された干渉縞間のバイアスおよび振幅のばらつきや、干渉縞間の位相シフト量の設計値に対する偏差により発生する誤差を低減させて、測定精度の向上を図ることができ、第1の課題を解決できる。
具体的には、複数の撮像部で取得される干渉縞は、それぞれ異なるバイアス、振幅および位相の特性を有しているので、撮像部ごとに、異なる波長の光による複数の干渉縞を取得することによって、干渉縞のバイアス、振幅および位相の各情報をそれぞれ個別に算出することができる。この際、光の波長を変えられる波長可変光源を用いているので、ユーザが、波長の変化量を適宜設定するだけで、バイアス、振幅および位相のパラメータを容易に校正できる。バイアス、振幅のばらつき、および、位相シフト量の偏差を小さくするのではないため、高精度な光学素子を用いて干渉光学系を構成しなくて済み、高価な装置を必要としない。また、高度な調整も必要としないので、第2の課題を解決できる。従って、高精度な測定装置において必要となる定期的な再調整作業を、ユーザ自身が実施できるようになり、再調整作業にかかる時間や費用を低減できる。
また、形状測定装置の経時変化や温度変化が生じた場合、あるいは、異なる面性状(材質など)の測定対象物を測定する場合に、新たに、干渉縞間のバイアスおよび振幅のばらつきや、干渉縞間の位相シフト量の偏差による誤差が生じたとしても、ユーザが使用環境において、定期的に、あるいは測定の直前に、パラメータの校正を容易に実施することができるので、測定精度を維持することができ、第3の課題を解決できる。
本発明の形状測定装置では、前記光源から前記測定対象物に照射される光の入射角を変更できる入射角度可変機構を備えていることが好ましい。
この構成によれば、入射角度可変機構によって、測定対象物に照射される光の入射角を変更できるので、撮像される干渉縞における隣り合う縞が表す高さ(縞感度)を変えることができ、測定対象物の形状に応じた測定を実施することができる。なお、入射角を変化させる際、測定対象物の測定面を光源からの光に対して所定角度だけ傾けてもよく、あるいは、測定対象物をそのままにして光源、撮像部などの干渉光学系を移動させてもよい。この際、入射角に応じて測定対象物からの試料光の強度が変化して、バイアスおよび振幅のばらつきや、干渉縞間の位相シフト量の偏差による誤差が生じる可能性がある。このような場合であっても、パラメータを容易に校正できるので、高精度な測定を維持できる。
本発明の形状測定装置では、前記参照光の光路長と前記試料光の光路長との光路差(Δl)は、前記光源の波長(λ)を変化量(Δλ)だけ変化させた際の前記干渉縞の位相シフト量(2π/λ×ΔlΔλ)が2π以上となるように、設定されていることが好ましい。
ここで、波長を変化させて得られる干渉縞の位相シフト量の範囲が2π以上であれば、校正の際の干渉縞の位相を1周期ぶん以上に変化させることができ、1周期ぶんの位相の範囲内で位相差の異なる複数の干渉縞を取得することができ、校正用のパラメータを最小2乗法により精度よく算出することができる。
この構成によれば、干渉縞の位相シフト量が2π以上となるように、光路差(Δl)を設定することで、波長可変光源として、例えば、比較的安価な半導体レーザを採用することができる。なお、半導体レーザを採用する際には、波長の変化による発光強度の変化を所定範囲内に抑えるため、波長の可変範囲を比較的狭くしなければならない点に注意を要する。しかし、このように使用可能な波長(λ)の変化量(Δλ)に制限がある場合であっても、干渉光学系の光路差(Δl)を適宜設定することで、干渉縞の位相シフト量(2π/λ×ΔlΔλ)を2π以上にすることができ、測定装置の校正を実施できる。従って、波長の変化による発光強度の変化の影響を受けずに、比較的安価な半導体レーザを採用できる。
本発明の形状測定装置では、前記光路差を調整可能な光路差調整機構を備えていることが好ましい。
ここで、光路差調整機構としては、参照光または試料光の光路長を可変とする機構を用いてもよく、あるいは、参照光または試料光の光路上に光の速度を変化させる媒体を設置することで光路差を調整する機構でもよい。
この構成によれば、光路差調整機構によって、光路差を任意の長さに調整することができる。光路差が一定の場合には、使用可能な波長可変光源が限定されたり、あるいは、使用する光源に対して構成する干渉光学系の設計上の制約が生じたりする場合があるが、本発明によれば、使用する光源の波長の変化量に応じて光路差を調整することによって、必要な干渉縞の位相シフト量(2π/λ×ΔlΔλ)が得られるので、波長可変光源の選択の自由度を高めることができる。
本発明の形状測定装置では、前記校正用制御部は、前記測定対象物を用いて取得される干渉縞に基づいて、前記バイアス、振幅および位相の各情報を予め校正することが好ましい。
この構成によれば、測定対象物を用いてパラメータの校正をするので、同じ形状の複数の測定対象物を連続して測定する場合、1回目の形状測定の際に、形状の値および校正用のパラメータを同時に取得しておけば、その後の形状測定では、取得したパラメータをそのまま使用して、一度の同時撮像による形状測定を実施できる。
本発明の形状測定装置では、前記校正用制御部は、前記測定対象物と同じ材質の校正用基板を用いて取得される干渉縞に基づいて、前記バイアス、振幅および位相の各情報を予め校正することが好ましい。
この構成によれば、測定対象物と同じ材質の校正用基板を用いてパラメータの校正をするので、より精度の高い校正を実施できる。
本発明の形状測定装置の校正方法では、測定対象物を照射する光を発するとともに、前記光の一部が前記測定対象物に照射されずに参照光となる光源と、前記参照光の光路長と前記試料光の光路長との光路差(Δl)を調整可能な光路差調整機構と、前記測定対象物から反射される試料光および前記参照光を重ね合わせて測定光とする合成部と、前記測定光を複数に分割して分割測定光とする測定光分割部と、前記分割測定光の光軸上にそれぞれ設けられ、当該分割測定光に異なる位相差を付与して干渉縞を発生させる偏光部と、前記分割測定光ごとに前記干渉縞を撮像する複数の撮像部と、撮像された前記複数の干渉縞に基づき、前記撮像部ごとに予め校正された干渉縞のバイアス、振幅および位相の各情報を用いて、前記測定対象物の形状を測定する測定制御部と、を備える形状測定装置における前記バイアス、振幅および位相の各情報の校正方法であって、前記光源は、発する光の波長を変えられる波長可変光源であり、前記光路差(Δl)は、前記光源の波長(λ)を変化量(Δλ)だけ変化させた際の前記干渉縞の位相シフト量(2π/λ ×ΔlΔλ)が2π以上となるように、設定されており、前記光源からの光の波長の変化量を設定する設定工程と、設定された前記変化量で前記測定対象物を照射する照射工程と、前記波長の変化量ごとに発生する干渉縞を、前記複数の撮像部でそれぞれ撮像する撮像工程と、撮像された前記干渉縞に基づいて前記バイアス、振幅および位相の各情報を算出する算出工程と、を有して構成されることを特徴とする。
この構成によれば、前述と同様に、高価な装置を用いずに、干渉縞のバイアス、振幅および位相の情報を校正することが可能で、かつ、ユーザが使用環境において容易に校正でき、測定精度を向上させることができる。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、後述する第2実施形態以降において、以下に説明する第1実施形態での構成部材と同じ構成部材および同様な機能を有する構成部材には同一符号を付し、説明を簡単にあるいは省略する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の形状測定装置1の全体構成図である。
図1に示すように、形状測定装置1は、主に、照射部10、検出部30および測定制御部40を備えて構成された、いわゆる斜入射干渉計である。
[干渉光学系の全体構成]
照射部10は、光源11と、レンズ12,13と、光束分割素子14と、偏光面を回転させる光学素子である1/2波長板15と、光束合成素子(合成部)16とを備える。ここで、光源11からの一部の光は、レンズ12,13、及び光束分割素子14を介して、測定対象物20の測定面の法線方向に所定角度をもって、照射されるように配置されている。第1実施形態においては、光源11から発せられる光Bの一部は、光束分割素子14で進路を変えて透過し、1/2波長板15に照射される。このように測定対象物20に照射されない光を参照光B1と呼ぶ。一方、光源からの光Bの一部は、光束分割素子14で進路を変えることなく透過し、測定対象物20に照射される。この測定対象物20からの反射光を試料光B2と呼ぶ。
検出部30は、1/4波長板31と、レンズ32と、三分割プリズム(測定光分割部)33と、複数の偏光板(偏光部)34A〜34Cと、複数の撮像部35A〜35Cとを備える。
光源11から照射された光Bは、レンズ12,13を介して、平行光束として光束分割素子14に入射し、2つの光束に分割される。この分割された光束の一方は、測定対象物20の測定面に斜め方向から照射される。一方、光束分割素子14により分割された光束の他方(参照光B1)は、1/2波長板15により、通過前の偏光成分に直交する偏光成分に変換される。そして、この測定対象物20から反射された試料光B2と、光束分割素子14により分割された参照光B1とを光束合成素子16により重ね合わせる。ここで合成された光束を測定光B3と呼ぶ。測定光B3は、1/4波長板31により、右回り及び左回りの円偏光に変換される。円偏光となった測定光B3は、三分割プリズム33により3方向に分割される。ここで3方向に分割された光束を分割測定光と呼ぶ。分割測定光は、透過軸の方向を互いに異ならせて分割測定光の各光軸上に配置された偏光板34A〜34Cを通過して、互いに異なる位相差を付与される。この偏光板34A〜34Cにより、各分割測定光は、異なる位相差を付与(位相シフト)された干渉縞を発生する。この位相シフトされた干渉縞は、干渉縞画像として各撮像部35A〜35Cで撮像される。
そして、測定制御部は、撮像部35A〜35Cで取得される干渉縞画像に基づき測定対象物20の表面形状を測定する。
以上のような干渉光学系の構成において、光源11には、異なる波長光を発する波長可変光源が採用されている。
[制御系の全体構成]
図2は、形状測定装置1の制御系の全体構成を示すブロック図である。
図2に示すように、測定制御部40は、主に、光源制御部41、校正用制御部42、パラメータ記憶部43、干渉縞解析部(解析部)44、および、解析された測定値を表示する測定データ表示部45を備えて構成されている。
光源制御部41は、光源11から発せられる光の波長を変化量Δλだけ変化させる。
校正用制御部42は、測定対象物20として所定の校正用基板20Aを用いて予め干渉縞のバイアス、振幅および位相の各情報を校正する際に、各撮像部35A〜35Cで取得された干渉縞の強度情報に基づき、干渉縞のバイアス、振幅および位相の各情報を各撮像部35A〜35Cの画素ごとに算出して、校正用のパラメータとしてパラメータ記憶部43に出力する。校正用基板20Aには、測定対象物20と同じ材質のものを用いる。なお、校正用制御部42は、光源11の波長をN回分変化させて、各所定の変化量Δλごとに干渉縞の強度情報を取得する。
パラメータ記憶部43は、算出されたパラメータの補正テーブルを作成して各撮像部35A〜35Cの画素ごとに記憶する。
干渉縞解析部44は、形状測定の際に、撮像部35A〜35Cで取得された干渉縞の強度情報に基づき、パラメータ記憶部43のパラメータを参照して、位相シフト法に準じた演算処理を実施し、測定対象物20の表面形状情報を解析する。そして、解析された測定データを測定データ表示部45へ出力する。
以上のような、制御系における干渉縞の撮像については、図1に示す電子計算機40Aおよび制御装置40Bを用いて光源11および撮像部35A〜35Cを操作するプログラムを実行することで、自動操作できるようになっている。
[パラメータの算出方法]
撮像部35A〜35Cで取得された干渉縞の強度情報に基づき、形状測定装置1のパラメータ(バイアス、振幅、位相シフト量)を算出する方法について説明する。
取得される干渉縞強度Ii(x,y,λ)は、式(1)により示される。なお、数式中の(x,y)の表示は、撮像部35A〜35Cの画素に対応する点をX-Y座標で表示したもので、この(x,y)が付された変数は、画素ごとの数値を示すものとする。また、λは、光源11の光の波長を表示し、iは、複数の撮像部35A〜35Cを区別する番号を示す。本実施形態では3台の撮像部35A〜35Cをi=1,2,3で示している。
Figure 0005480479
ここで、Bi(x,y)は各画素のバイアス、Ai(x,y)は各画素の振幅を表している。Δl(x,y)については、図3を用いて説明する。
図3は、図1の部分拡大図である。上記の式(1)におけるΔl(x,y)は光路差を示し、図3にて光束分割素子14で分割されてから光束合成素子16で再び重ね合わされるまでの参照光B1の光路長l1と、試料光B2の光路長l2と(ここで、l2=l21+l22)との差を示す。δφi(x,y)は光学的に付与される干渉縞の位相シフト量で、本実施形態では三分割プリズム33と撮像部35A〜35Cとの間に配置される偏光板34A〜34Cによって付与される位相シフト量を表す。
波長λを変化量Δλjだけ僅かに変化させた際の干渉縞強度Iij(x,y,Δλj)は、式(2)により示される。
Figure 0005480479
ここで、jは、波長λを変化させる回数を示す。本実施形態では波長λをN回変化させてN枚の干渉縞を取得する。このN回の変化をj=1,2,…,Nで示している。
式(2)は、測定光B3の位相Fi(x,y)、および、波長λを所定単位量だけ変化させた場合の位相変化率G(x,y)を用いて、式(3)のように示すことができる。なお、測定光B3の位相Fi(x,y)は、光路差Δl(x,y)に基づく位相に位相シフト量δφi(x,y)を加算したものである。また、波長λの変化に基づく位相シフト量は、G(x,y)Δλjで表される。
Figure 0005480479
式(3)において、波長λを変化量Δλjだけ変化させると、干渉縞の位相がG(x,y)Δλjだけシフトするので、位相シフトさせた複数の干渉縞強度Iij(x,y,Δλj)を取得すれば、位相Fi(x,y)を算出することができる。このような方法を位相シフト法と呼んでいる。すなわち、撮像部35A〜35Cごとに複数の位相シフトされた干渉縞を取得すれば、各撮像部35A〜35Cごとの測定光B3における位相Fi(x,y)、バイアスBi(x,y)および振幅Ai(x,y)をそれぞれ独立に求めることができる。また、位相Fi(x,y)の相対的な位相シフト量を予め算出しておけば、個々の位相シフト量δφi(x,y)を容易に算出することもできる。
次に、干渉縞のバイアスBi(x,y)、振幅Ai(x,y)および位相Fi(x,y)の具体的な算出方法を示す。
本発明では、波長λを変化させて、撮像部35A〜35Cごとに3枚以上の位相シフトされた干渉縞を取得すればよいが、本実施形態では、一例として、式(4)に示すように、波長λの変化に基づく位相シフト量G(x,y)Δλjが干渉縞の位相1周期分(2π)を等分割したN個の各点の値となるように設定された場合を説明する。
Figure 0005480479
式(4)の条件の下、以下の計算を行うことにより、バイアスBi(x,y)、振幅Ai(x,y)および位相Fi(x,y)がそれぞれ算出される。以下の数式は、誤差による影響を抑え、測定精度を高めることを目的とした最小二乗法に基づくものである。
Figure 0005480479
ここで、i=1の撮像部35Aにより取得される干渉縞の位相F(x,y)を測定対象物20の形状を算出するための基準位相とする。そして、形状測定装置1内にて光学的に付与される位相シフト量δφ(x,y),δφ(x,y)の代わりに位相F(x,y)と位相F(x,y)との差、および、位相F(x,y)と位相F(x,y)との差を算出し、i=1の撮像部35Aに対するi=2,3の撮像部35B,35Cの相対的な位相シフト量α(x,y),β(x,y)とする。
Figure 0005480479
ここで、位相シフト量δφ(x,y),δφ(x,y)の代わりに、相対的な位相シフト量α(x,y),β(x,y)を用いた場合には、位相シフト法により算出される位相F(x,y)に定数的に加算されるだけである。例えば、参照面に対する測定対象物20の相対形状を測定する場合には、その性質上、何ら問題が生じない。
以上のようにして、測定装置のパラメータ(バイアスBi(x,y)、振幅Ai(x,y)、相対的な位相シフト量α(x,y),β(x,y))が算出される。このようなパラメータを算出することを校正と呼び、以降、具体的な形状測定装置1の校正方法について説明する。
[形状測定装置1の校正方法]
例えば、形状測定装置1においてパラメータの再測定が必要になった際、あるいは、定期的に校正を実施する際、次のようにしてパラメータの校正を行う。ここでは、測定対象物として校正用基板20A(図1)を用いる場合を説明する。
図4は、校正の手順を示すフローチャートである。
まず、校正用制御部42にて波長λの変化量Δλjを設定する(Δλjの設定工程、ステップ11、以下ステップを「S」と略す)。そして、光源制御部が変化量Δλjに応じて光源11を制御して、変化量Δλjの光を校正用基板20Aに照射する(照射工程S12)。
次に、発生した異なる位相差を付与された3枚の干渉縞を撮像部35A〜35Cが撮像する(撮像工程S13)。そして、干渉縞強度を検出し、校正用制御部42に出力する(強度情報の検出工程S14)。校正用制御部42にて次の変化量Δλjがあるかどうかを判定し(S15)、設定されたすべての変化量Δλjにて、Δλjの設定工程S11から強度情報の検出工程S14までを繰り返し実行する。このようにして、所定の波長λの変化量Δλjごとに、N枚の干渉縞を取得する。
次に、校正用制御部42にて取得した複数の干渉縞強度情報からパラメータを算出し(パラメータ算出工程S16)、パラメータ記憶部43に記憶させる(パラメータの記憶工程S17)。
これにより、パラメータの校正が完了する。
[測定対象物の形状の測定方法]
校正用基板20Aの代わりに測定対象物20を設置して、干渉縞の測定を以下の手順で実施する。
図5は、形状測定の手順を示すフローチャートである。
まず、所定の波長λの光を測定対象物20に照射する(照射工程S21)。
次に、発生した異なる位相差を付与された3枚の干渉縞を撮像部35A〜35Cが撮像する(撮像工程S22)。そして、干渉縞強度を検出し、干渉縞解析部44に出力する(強度情報の検出工程S23)。
次に、干渉縞解析部44にて取得した3枚の干渉縞強度情報を、予め記憶してあるパラメータを参照して(パラメータの参照工程S24)、解析し、測定対象物20の形状情報となる光路差Δl(x,y)を算出する(形状算出工程S25)。
これにより、測定対象物20を形状測定が完了する。
なお、形状の具体的な演算方法については、特許第3766319号公報に記載されている方法を採用できる。
また、本実施形態の形状測定装置1には、光源11から測定対象物20に照射される光の入射角を変更できる入射角度可変機構(不図示)を備えている。この入射角度可変機構によって、測定対象物20に照射される光の入射角を変更できるので、撮像される干渉縞における隣り合う縞が表す高さ(縞感度)を変えることができ、測定対象物20の形状に応じた測定を実施することができる。なお、入射角を変化させる際、測定対象物20をそのままにして光源11、撮像部35A〜35Cなどの干渉光学系を移動させればよい。この際、入射角に応じて測定対象物20からの試料光B2の強度が変化して、バイアスおよび振幅のばらつきや、干渉縞間の位相シフト量の偏差による誤差が生じる可能性がある。このような場合であっても、パラメータを容易に校正できるので、高精度な測定を維持できる。
[光源および干渉光学系における光路差の選定について]
次に、本実施形態に適用可能な波長可変光源(光源11)および光路差Δlの選定方法について説明する。
光源11には、一般的に波長λの発振波長域と、その波長λの微小な変化量Δλの可変範囲である波長可変範囲との性能条件において種々のものがある。
本実施形態では、図3に示す所定の光路差Δl(x,y)の光学系に所定仕様の光源11を用いている。すなわち、波長λおよび変化量Δλを調整することによって、位相シフト量G(x,y)Δλを干渉縞の1周期分以上(2π以上)に設定可能な光源11を選定している。具体的には、式(6),式(7)中の正弦、余弦関数内の位相項である位相シフト量G(x,y)Δλ(=−2π/λ×Δl(x,y)Δλ)が、干渉縞の1周期分以上の位相(2π以上)になる発振波長域および波長可変範囲の性能を備えた光源11を、光路差Δl(x,y)に合わせて選定したものである。
一方、使用する光源11の性能に合わせて干渉光学系を設計してもよい。例えば、光源11の性能に応じた光路差Δlを設定して、その光路差Δlを有する干渉光学系を形成してもよい。このようにすれば、既存の光源11を用いて本実施形態の形状測定装置1を構成することができる。
適用可能な光源11の特性、および、適用可能な光路差Δlの設定値についての具体的な選定方法を図6〜図8を参照して説明する。
図6〜図8は、光源11の波長λを450,650,780nmとした場合の、光路差Δl(x,y)ごとの波長λの変化量Δλに対する干渉縞の位相(位相シフト量G(x,y)Δλ)の関係を示すグラフである。
これらの図中において、位相シフト量G(x,y)Δλが2π以上変化するような、光源11あるいは光路差Δlを有する干渉光学系を選定すれば、式(4)を満たす位相シフト量G(x,y)Δλjを設定でき、本実施形態の方法での校正を実施できる。
例えば、図6において、光路差Δlが5mmの干渉光学系を用いる場合、波長の変化量Δλが略0.042nm以上である光源を選定すればよい。これに対して、光路差Δlが20mmの干渉光学系であれば、波長λの変化量Δλが略0.01nm以上である光源を選定すればよい。図6〜図8を比較すると分かるように、光源の波長λが大きいほど、同じ光路差Δlを用いる場合に必要な光源の波長λの変化量Δλが大きくなり、変化量Δλの可変範囲の大きい光源が必要となる。
本実施形態では、光源11として比較的安価に入手できる半導体レーザを用いている。半導体レーザは、負荷電流を可変にするだけで発振波長を変えられる簡単な装置構成である。しかし、半導体レーザでは、発光強度が大きく変化しないですむ波長λの可変範囲は、比較的狭く、例えば、波長λが686nmの場合に、0.005nm〜0.01nm程度である。光源11の波長λの変化量Δλが0.005nm〜0.01nm程度である場合に、式(4)を満たす光路差Δlは、47mm〜94mm程度となる。従って、光路差Δlが47mm〜94mm以上となるように干渉光学系を設定すれば、半導体レーザの負荷電流を適度に変化させるだけで、必要な位相シフト量G(x,y)Δλjが得られ、前述の位相シフト法による形状測定装置1の校正を簡単に実施できる。
また、半導体レーザは、発振波長の温度依存特性を有しており、温度変化に対する波長λの変化量Δλは、例えば、半導体ダイオードDL-6148-030(鳥取三洋電機株式会社製)の場合、約0.15nm/℃となっている。温度変化によって波長λが変化した場合でも、発光強度を所定範囲の変化量内に抑えることができるので、半導体レーザに温度変化を与えて波長λを変化させる方法を本実施形態の校正方法に適用させることができる。
具体的には、波長λが638nmの半導体レーザを使用する場合、半導体レーザの温度を0.5℃だけ変化させれば、波長λが0.075nmぶん変化する。波長λの変化量Δλを0.075nmの場合に、位相シフト量G(x,y)Δλを2π以上にするには、光路差Δlを5.4mmに設定する必要がある。従って、図3に示す参照光B1の光路長lと試料光B2の光路長lとを調整して光路差Δlが5.4mmとなる干渉光学系を構成することで、温度変化によって波長λを変化させる方法を実施できる。
なお、光源11としては半導体レーザに限定されるものではなく、外部共振器型の波長可変レーザなどを採用してもよい。外部共振器型の波長可変レーザでは、例えば、TLB-6300シリーズ(New Focus社製)を採用することができ、レーザ光の波長λが638nmで、波長の変化量Δλが0.1nmであれば、位相シフト量G(x,y)Δλを2π以上にするには、光路差Δlを4.2mmに設定する必要がある。
[本実施形態による効果]
本実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)異なる位相差(位相シフト量δφ)が付与された複数の干渉縞におけるバイアス、振幅および位相の各情報を、校正用のパラメータとして容易に取得することができ、干渉縞間のバイアスおよび振幅のばらつきや、干渉縞間の位相シフト量の設計値に対する偏差により発生する誤差を低減させて、測定精度の向上を図ることができる。具体的には、撮像部35A〜35Cごとに、異なる波長λの光による複数の干渉縞を取得することによって、干渉縞のバイアス、振幅および位相の各情報をそれぞれ個別に算出することができる。この際、光の波長λを変えられる波長可変光源を用いているので、バイアス、振幅および位相のパラメータを容易に校正できる。よって、高精度な光学素子を用いて干渉光学系を構成しなくて済み、高価な装置を必要とせず、また、高度な調整も必要としない。従って、高精度な測定装置において必要となる定期的な再調整作業を、ユーザ自身が実施できるようになり、また、再調整(校正)のためだけに必要な装置を用意する必要がなく、再調整作業にかかる時間や費用を低減できる。
(2)形状測定装置1の経時変化や測定環境の温度変化が生じた場合、あるいは、異なる面性状(材質など)の測定対象物20を測定する場合に、新たに、干渉縞間のバイアスおよび振幅のばらつきや、干渉縞間の位相シフト量の偏差による誤差が生じたとしても、ユーザが使用環境において、定期的に、あるいは測定の直前に、パラメータの校正を容易に実施することができるので、測定精度を維持することができる。
(3)使用可能な波長λの変化量Δλに制限がある場合であっても、干渉光学系の光路差Δlを適宜設定することで、干渉縞の位相シフト量(2π/λ×ΔlΔλ)を2π以上にすることができ、形状測定装置1の校正を実施できる。従って、波長λの変化による発光強度の変化の影響を受けずに、比較的安価な半導体レーザを採用できる。
(4)測定対象物20と同じ材質の校正用基板20Aを用いてパラメータの校正をするので、より精度の高い校正を実施できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る形状測定装置1Aについて図面に基づいて説明する。前述の第1実施形態の形状測定装置1では、構成した干渉光学系(光路差Δlなど)に対して使用可能な波長可変光源11が限定されたり、あるいは、使用する光源11に対して構成する干渉光学系の設計上の制約が生じたりする場合がある。これに対して本実施形態の形状測定装置1Aでは、使用する光源11の波長λの変化量Δλに応じて、光路差Δlが調整可能に構成されており、使用可能な波長可変光源11の選択の自由度を高めることができるようになっている。
図9は、形状測定装置1Aを示す全体構成図である。
図9に示すように、参照光B1の光軸上に、光路差調整機構としての光路長可変部50が設けられている。光路長可変部50は、一対のミラー51,52および可動型直角ミラー53を有する。可動型直角ミラー53は、直交する2枚の反射面を有し、入射光に対し平行な反射光を形成するようになっている。光源側の光束分割素子14からの参照光B1は、一方のミラー51により可動型直角ミラー53へ反射され、さらに可動型直角ミラー53にて他方のミラー52に向かって反射される。そして他方のミラー52で反射された参照光B1は、光束合成素子16に入射する。このように光路長可変部50によって参照光B1の遅延光路が形成され、かつ、遅延光路の光路長を可変にすることができる。つまり、可動型直角ミラー53を任意の位置に移動させることで、光路差Δlを任意の長さに調整することができる。
なお、光路長可変部50を試料光B2の光路上に配置しても同様の効果が得られる。
このような本実施形態によれば、前記(1)〜(4)の効果と略同様の効果に加えて以下の効果を奏することができる。
(5)形状測定装置1Aが光路長可変部50を備えることで、光路差Δlを任意の長さに調整することができ、光源11において使用可能な波長λの変化量Δλに制限がある場合であっても、干渉光学系の光路差Δlを適宜変更することで、干渉縞の位相シフト量(2π/λ×ΔlΔλ)を2π以上にすることができ、形状測定装置1Aの校正を実施できる。例えば、一旦構成した干渉光学系に対して、使用可能な波長可変光源11の選択の自由度を高めることができる。
[本発明の変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、パラメータ(バイアス、振幅、位相シフト量)の情報を予め算出する際に、測定対象物の代わりに校正用基板を使用する方法を説明したが、測定対象物をそのまま使用してパラメータを算出しても構わない。
また、同じ測定対象物を複数回測定する場合、あるいは同じ形状の複数の測定対象物を連続して測定する場合、1回目の形状測定の際に、形状の値および校正用のパラメータを同時に取得しておけば、その後の形状測定では、取得したパラメータをそのまま使用して、一度の同時撮像による形状測定を実施できる。
また、前記各実施形態では、波長可変光源として半導体レーザ、外部共振器型の波長可変レーザなどを説明したが、波長の変化量Δλおよび光路差Δlの設定によって、位相シフト量G(x,y)Δλを2π以上に調整できる光源であればよく、発振および波長可変の原理や方法に限定されるものではない。
また、前記各実施形態では、式(4)に示すように、波長の変化に基づく位相シフト量が干渉縞の位相1周期分を等分割したN個の各点の値となるように設定された場合を説明したが、少なくとも3個の点を設定し、少なくとも3枚の位相シフトされた干渉縞を取得すれば、パラメータを算出できる。また、波長の変化に基づく位相シフト量としては、干渉縞の位相1周期分を等分割する場合に限らず、少なくとも位相1周期分の中の任意の3点を設定すればよい。
本発明の形状測定装置としては、斜入射干渉計に限らず、測定対象物に直角方向に光を照射する干渉計でもよい。
また、前記各実施形態では、入射角度可変機構を備えた形状測定装置について説明したが、本発明の形状測定装置としては、必ずしも、入射角度可変機構を必要としない。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質等を限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質等の限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明は、同時撮像型干渉計を用いた形状測定装置に利用できる。
本発明の第1実施形態に係る形状測定装置を示す全体構成図。 前記形状測定装置の制御系の全体構成を示すブロック図。 図1における前記形状測定装置の部分拡大図。 前記形状測定装置の校正の手順を示すフローチャート。 前記形状測定装置の形状測定の手順を示すフローチャート。 前記形状測定装置の光源の波長を450nmとした場合の、波長の変化量に対する干渉縞の位相シフト量の関係を示すグラフ。 図6において光源の波長を650nmとした場合のグラフ。 図7において光源の波長を780nmとした場合のグラフ。 本発明の第2実施形態に係る形状測定装置を示す全体構成図。
符号の説明
1,1A…形状測定装置
11…光源(波長可変光源)
16…光束合成素子(合成部)
20…測定対象物
20A…校正用基板
33…三分割プリズム(測定光分割部)
34A〜34C…偏光板(偏光部)
35A〜35C…撮像部
40…測定制御部
41…光源制御部
42…校正用制御部
44…干渉縞解析部(解析部)
50…光路長可変部(光路差調整機構)。

Claims (5)

  1. 測定対象物を照射する光を発するとともに、前記光の一部が前記測定対象物に照射されずに参照光となる光源と、
    前記測定対象物から反射される試料光および前記参照光を重ね合わせて測定光とする合成部と、
    前記測定光を複数に分割して分割測定光とする測定光分割部と、
    前記分割測定光の光軸上にそれぞれ設けられ、当該分割測定光に異なる位相差を付与して干渉縞を発生させる偏光部と、
    前記分割測定光ごとに前記干渉縞を撮像する複数の撮像部と、
    撮像された前記複数の干渉縞に基づき、前記撮像部ごとに予め校正された干渉縞のバイアス、振幅および位相の各情報を用いて、前記測定対象物の形状を測定する測定制御部と、を備える形状測定装置であって、
    前記光源は、発する光の波長を変えられる波長可変光源であり、
    前記測定制御部は、
    前記光源からの光の波長を変化させる光源制御部と、
    前記干渉縞のバイアス、振幅および位相の各情報を予め校正する際に、前記撮像部ごとに前記光源の波長を変化させて取得された複数の干渉縞に基づき、当該バイアス、振幅および位相の各情報を校正する校正用制御部と、
    前記測定対象物の形状を測定する際に、前記撮像部で同時に取得され異なる位相差を付与された複数の干渉縞と、予め校正された前記バイアス、振幅および位相の各情報とに基づいて、前記測定対象物の形状情報を解析する解析部と、を有して構成され、
    当該形状測定装置は、前記参照光の光路長と前記試料光の光路長との光路差(Δl)を調整可能な光路差調整機構を備え、
    前記光路差(Δl)は、前記光源の波長(λ)を変化量(Δλ)だけ変化させた際の前記干渉縞の位相シフト量(2π/λ ×ΔlΔλ)が2π以上となるように、設定されている
    ことを特徴とする形状測定装置。
  2. 請求項1に記載の形状測定装置において、
    前記光源から前記測定対象物に照射される光の入射角を変更できる入射角度可変機構を備えていることを特徴とする形状測定装置。
  3. 請求項1または請求項に記載の形状測定装置において、
    前記校正用制御部は、前記測定対象物を用いて取得される干渉縞に基づいて、前記バイアス、振幅および位相の各情報を予め校正することを特徴とする形状測定装置。
  4. 請求項1から請求項のいずれかに記載の形状測定装置において、
    前記校正用制御部は、前記測定対象物と同じ材質の校正用基板を用いて取得される干渉縞に基づいて、前記バイアス、振幅および位相の各情報を予め校正する
    ことを特徴とする形状測定装置。
  5. 測定対象物を照射する光を発するとともに、前記光の一部が前記測定対象物に照射されずに参照光となる光源と、
    前記参照光の光路長と前記試料光の光路長との光路差(Δl)を調整可能な光路差調整機構と、
    前記測定対象物から反射される試料光および前記参照光を重ね合わせて測定光とする合成部と、
    前記測定光を複数に分割して分割測定光とする測定光分割部と、
    前記分割測定光の光軸上にそれぞれ設けられ、当該分割測定光に異なる位相差を付与して干渉縞を発生させる偏光部と、
    前記分割測定光ごとに前記干渉縞を撮像する複数の撮像部と、
    撮像された前記複数の干渉縞に基づき、前記撮像部ごとに予め校正された干渉縞のバイアス、振幅および位相の各情報を用いて、前記測定対象物の形状を測定する測定制御部と、を備える形状測定装置における前記バイアス、振幅および位相の各情報の校正方法であって、
    前記光源は、発する光の波長を変えられる波長可変光源であり、
    前記光路差(Δl)は、前記光源の波長(λ)を変化量(Δλ)だけ変化させた際の前記干渉縞の位相シフト量(2π/λ ×ΔlΔλ)が2π以上となるように、設定されており、
    前記光源からの光の波長の変化量を設定する設定工程と、
    設定された前記変化量で前記測定対象物を照射する照射工程と、
    前記波長の変化量ごとに発生する干渉縞を、前記複数の撮像部でそれぞれ撮像する撮像工程と、
    撮像された前記干渉縞に基づいて前記バイアス、振幅および位相の各情報を算出する算出工程と、を有して構成されることを特徴とする形状測定装置の校正方法。
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