以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。尚、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」や「右」などの方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、何ら本発明を限定するものではない。
(洗濯乾燥機の全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る乾燥処理装置として例示される洗濯乾燥機の概略的な斜視図である。本実施形態において、洗濯機能と乾燥機能とを兼ね備えた洗濯乾燥機が乾燥処理装置として例示される。代替的に、洗濯機能を備えない乾燥機が乾燥処理装置として用いられてもよい。
洗濯乾燥機100は、主筐体200と、扉体300とを備える。主筐体200は、略直方体形状に形成される。主筐体200は、上下方向に立設された正面壁210、正面壁210と反対側の背面壁220、正面壁210と背面壁220との間に配設されるとともに上下方向に立設された左側壁230及び右側壁240、主筐体200の上面を形成する天壁250並びに主筐体200の下面を形成する底壁260を含む。
正面壁210は、下方に配設される下部壁211と、下部壁211の上方に配設される主壁212と、主壁212の上方に配設される上部壁213とを含む。主壁212及び上部壁213は、上方に向かうにつれて背面壁220へ近づくように湾曲しつつ傾斜する。
主壁212は、略円板状の扉体300と略相補的な形状をなす凹領域を形成する環状の凹面214を含む。凹面214は、主壁212の略中央を貫通する投入口215を取り囲む。投入口215は、主筐体200の内部に収容された洗濯乾燥槽(後述される)に連通する。使用者は、投入口215を通じて、主筐体200の内外に衣類(衣服やこれに類する物)を出し入れすることができる。本実施形態において、正面壁210の外面は、投入面として例示される。
洗濯乾燥機100は、扉体300を主筐体200に回動可能に接続する蝶番構造330を備える。蝶番構造330によって、扉体300は、投入口215を閉塞する閉塞位置と、投入口215を開放する開放位置との間で回動することができる。閉塞位置に回動された扉体300は、凹面214に取り囲まれる凹領域に収容される。尚、図1に示される扉体300は開放位置に存する。
図2は、閉塞位置に存する扉体300を有する洗濯乾燥機100の概略的な断面図である。図2に示される主筐体200中の要素の配置、形状及び構造は、限定的に解釈されるべきではない。主筐体200内の要素の配置、形状及び構造は、乾燥処理装置の設計や機能に応じて適宜定められてもよい。図1及び図2を用いて、洗濯乾燥機100の全体構造が更に説明される。
図2に示される如く、主筐体200内に乾燥処理を行う処理装置400が構築される。本実施形態において、処理装置400は、乾燥処理に加えて、洗濯処理、すすぎ処理や脱水処理といった衣類Cの洗濯並びに乾燥に必要な処理を実行する。代替的に、洗濯機能を備えない乾燥機が、乾燥処理装置として用いられるならば、処理装置は、乾燥処理のみを実行してもよい。
処理装置400は、上述の洗濯乾燥槽410を備える。洗濯乾燥槽410は、主筐体200の内部で揺動自在に支持される一端有底円筒状の水槽420と、水槽420内で回転自在に支持される一端有底円筒状の回転ドラム440とを含む。処理装置400は、洗濯乾燥槽410を弾性的に支持するサスペンション490を備える。主筐体200の底壁260に接続されたサスペンション490は、上述の乾燥処理、洗濯処理、すすぎ処理や脱水処理といった様々な処理の間に生じた振動を適切に吸収する。処理装置400は、回転ドラム440を回転させるモータ430を更に含む。モータ430は、水槽420の底部外面に取り付けられる。乾燥処理、洗濯処理、すすぎ処理や脱水処理といった様々な処理の間、モータ430は回転ドラム440を回転させる。水槽420の開口部は、閉塞位置に存する扉体300に向けて突出する略円筒形状の筒口部421によって形成される。筒口部421に略円筒形状のシール部材422が嵌合される。本実施形態において、主筐体200の投入口215を通じて投入された衣類Cは、回転ドラム440内に収容される。
図1に示される如く、扉体300は、略一端有底台形円錐形状の透明な窓部310と、窓部310を支持する略円板形状の支持枠320とを含む。図2に示される如く、扉体300が閉塞位置に配設されると、窓部310は、主筐体200に形成された投入口215内に挿入され、水槽420に取り付けられたシール部材422に圧接される。かくして、水槽420と窓部310との間で、水密シール構造が形成される。扉体300が閉塞位置に存する間、使用者は、透明な窓部310を通じて、洗濯乾燥槽410内の衣類Cを視認することができる。
図2に示される如く、水槽420には、洗濯液を排出するための排出口423と、洗濯液が流入する流入口424が形成される。洗濯に用いられる洗濯液は、排出口423と流入口424との間で循環して使用される。洗濯乾燥機100は、排出口423と流入口424との間の洗濯液の循環経路を規定する管路425を備える。管路425は、上流管路426と下流管路427とを含む。上流管路426の一端部は、排出口423に接続される。上流管路426の他端部は、主筐体200の底壁260に接続される。下流管路427の一端部は、上流管路426の途中部に接続される。下流管路427の他端部は、流入口424に接続される。
洗濯乾燥機100は、排出口423と流入口424との間での洗濯液の循環を生じさせる循環ポンプ428と、主筐体200外への洗濯液の排出を制御する排出弁429とを備える。循環ポンプ428及び排出弁429はともに、上流管路426に取り付けられる。循環ポンプ428は、上流管路426と下流管路427との間の接続部よりも上流に配置される。排出弁429は、循環ポンプ428よりも下流に配設される。洗濯乾燥機100が洗濯乾燥槽410中における所定量の貯水が要求される処理(例えば、洗濯処理やすすぎ処理)を実行している間、排出弁429は閉じられる。この間、循環ポンプ428は、必要に応じて作動し、排出口423と流入口424との間での洗濯液の循環を生じさせる。一方、洗濯乾燥機100が洗濯乾燥槽410中の貯水が不要となる処理(例えば、脱水処理や乾燥処理)を行うとき、排出弁429は開かれる。この結果、洗濯乾燥槽410中の洗濯液は、上流管路426を通じて、底壁260から主筐体200外へ排出される。
図3は、洗濯乾燥機100の内部構造を概略的に示す背面図である。尚、図3に示される洗濯乾燥機100から、図2に示される主筐体200の背面壁220は除去されている。図2及び図3を用いて、洗濯乾燥機100の全体構造が更に説明される。
図2に示される如く、洗濯乾燥機100は、回転ドラム440中に収容された衣類Cを乾燥させるための乾燥空気を循環させる循環機構600を備える。水槽420の周壁には、排気口601が形成される。主筐体200内で乾燥空気を循環させる循環機構600は、排気口601から水槽420の周壁に対して略直角に延出する第1管路610を含む。第1管路610は、水槽420の周壁に対して略直角に延出する延出管部611と、主筐体200の天壁250の内面に沿って略水平方向に延びる導入管部612とを含む。
循環機構600は、導入管部612を横切るように配設されるフィルタ装置700を備える。乾燥空気は、排気口601に流入する前に、回転ドラム440中の衣類Cに吹き付けられる。この結果、乾燥空気は、衣類Cを乾燥する一方で、衣類Cから分離したリント(糸くず)を含むこととなる。後述されるように、フィルタ装置700は、導入管部612に沿って流れる乾燥空気からリントを除去するように形成される。本実施形態において、フィルタ装置700は、除去装置として例示される。
循環機構600は、第1管路610に接続される上端部を有する第2管路620と、第2管路620の上端部に取り付けられる送風機621とを備える。第2管路620は鉛直に延びる。送風機621は、第2管路620内に配設された羽根部622と、第2管路620外に取り付けられたモータ623とを含む。モータ623は、羽根部622を回転させる。この結果、回転ドラム440中の乾燥空気は、排気口601を介して、第1管路610に引き込まれる。その後、乾燥空気は、第2管路620の下端部に向けて送り出される。
図2及び図3に示される如く、第2管路620の下端部は、上端部と較べて大きな容積を有する。第2管路620は、主筐体200の内部空間の下部に配設された熱交換管路639を含む。熱交換管路639は、背面壁220に沿って左右に延びる。循環機構600は、熱交換管路639内に配設されたヒートポンプ630を備える。
図4は、ヒートポンプ630の概略的な構成を示す模式図である。図2乃至図4を用いて、洗濯乾燥機100の全体構造が更に説明される。
図4に示される如く、ヒートポンプ630は、循環パイプ631を備える。循環パイプ631中を冷媒が流動する。閉ループを描く循環パイプ631の途中部に、冷媒を圧縮する圧縮機632が配設される。
圧縮機632から送り出された冷媒が流動する循環パイプ631は、第2管路620中に突出し、放熱器633を形成する。圧縮機632による圧縮により加熱された冷媒の熱を放熱する放熱器633は、第2管路620中で蛇行する循環パイプ631と、当該循環パイプ631に取り付けられたフィン638とを含む。送風機621によって、洗濯乾燥槽410から第1管路610を通じて、第2管路620へ送られた乾燥空気は、放熱器633によって加熱される。
ヒートポンプ630は、圧縮機632によって高圧化された冷媒を減圧する減圧器634を備える。放熱器633を通過した冷媒は、減圧器634によって減圧されると同時に冷却される。
減圧器634を通過した冷媒が流動する循環パイプ631は、再度、第2管路620中に突出し、送風機621と放熱器633の間の吸熱器635を形成する。減圧器634による減圧により冷却された冷媒を用いて吸熱する吸熱器635は、第2管路620中で蛇行する循環パイプ631と、当該循環パイプ631に取り付けられたフィン636とを含む。送風機621によって、洗濯乾燥槽410から第1管路610を通じて、第2管路620へ送られた乾燥空気は、吸熱器635によって吸熱される。この結果、乾燥空気は除湿される。
図3及び図4に示される如く、循環機構600は、熱交換管路639の下流端に接続された切替弁640と、切替弁640から水槽420の底部に接続される第3管路641と、切替弁640から天壁250に向けて延びる第4管路642とを備える。切替弁640は、第3管路641と第4管路642のうち一方を開き、他方を閉じるように形成される。
図3に示される如く、第4管路642の端部は、天壁250上で開口部644を形成する。したがって、切替弁640が第4管路642への流路を開くとき、乾燥空気は、主筐体200外へ排出される。
水槽420の底部には、第3管路641に沿って流れる乾燥空気が導入される吸気口643が形成される。したがって、切替弁640が第3管路641への流路を開くとき、乾燥空気は、水槽420内へ導入される。その後、乾燥空気は、回転ドラム440内に流入し、衣類Cを乾燥させる。
(外気導入機構)
図1及び図2を用いて、ヒートポンプ630を冷却するための外気導入機構が説明される。
本実施形態において、上述のヒートポンプ630の熱交換効率を維持するために、主筐体200内部に主筐体200外の外部空気が冷却空気として導入される。尚、以下に説明される原理は、ヒートポンプ630を冷却するために乾燥空気よりも低温に設定された他の気体の導入にも適用可能である。
図2に示される如く、外気導入機構150は、上述のフィルタ装置700とフィルタ装置700の上方に配設されるカバー機構800とを備える。図1に示される如く、カバー機構800は、主筐体200の天壁250に取り付けられる。
図5は、天壁250の拡大斜視図である。図1、図2及び図5を用いて、外気導入機構150が更に説明される。
天壁250には、略矩形状に開口した取出口251が形成される。取出口251は、フィルタ装置700を主筐体200の内外に出し入れするために形成される。後述される如く、カバー機構800は、フィルタ装置700に接続される。したがって、使用者は、カバー機構800を取出口251から取り外すことにより、フィルタ装置700を主筐体200外に取り出すことができる。また、使用者は、カバー機構800をフィルタ装置700に接続させ、カバー機構800を取出口251に取り付けることにより、フィルタ装置700を衣類Cが収容される主筐体200内の適所に配設することができる。本実施形態において、天壁250の外面は、取出面として例示される。
図1に示される如く、カバー機構800は、取出口251に相補的な外面813を有するカバー板810と、カバー板810に回動可能に取り付けられたレバー板820とを含む。カバー板810は、取出口251を適切に閉塞する。したがって、主筐体200内で発生した機械音や流動音の漏出が適切に抑制される。後述されるように、カバー板810とレバー板820との間に主筐体200内へ外部空気を導入するための吸引口が形成される。また、フィルタ装置700には、吸引口に連通するように形成された導入口が形成される。フィルタ装置700の導入口を通じて主筐体200内に取り込まれた外部空気は、上述のヒートポンプ630の冷却に用いられる。本実施形態において、カバー機構800は、カバー要素として例示される。また、カバー板810の外面813は第1外面として例示される。
図6は、外気導入機構150の正面図である。図7は、図6に示されるA−A線に沿う外気導入機構150の断面図である。図8は、カバー板810の平面図である。図1、図6乃至図8を用いて、カバー板810とレバー板820との間に形成される吸引口が説明される。
図6及び図7に示される如く、カバー機構800のカバー板810は、フィルタ装置700の上部に取り付けられる。図8に示される如く、カバー板810は、レバー板820に相補的な取付口811を形成する取付縁812を含む。本実施形態において、取付縁812は、略矩形状の閉ループを描く。図1に示される如く、レバー板820は、取付口811を塞ぐように取り付けられる。
図7に示される如く、レバー板820は、洗濯乾燥機100の背面側に位置する基端縁821と、基端縁821の反対側(即ち、正面側)に位置する先端縁822と、基端縁821と先端縁822との間で延びる外面823とを含む。本実施形態において、レバー板820の外面823は第2外面として例示される。基端縁821は、レバー板820の回動軸に沿う。
レバー板820は、基端縁821の近傍の回動軸周りに上下に回動する。したがって、使用者は、レバー板820を押し下げて、カバー板810を掴むことができる。先端縁822は、取付縁812の下方(即ち、主筐体200の内方)に位置する。
レバー板820の外面823は、基端縁821からカバー板810の外面813に沿って正面方向に延びる基面824と、先端縁822から基面824に向けて傾斜して延びる湾曲した傾斜面825とを含む。傾斜面825と取付縁812との間に形成された空間は、外部空気を吸引するための吸引口830として用いられる。吸引口830は、正面壁210と反対方向に(即ち、背面壁220に向けて)開口する。斜め上方に開口した吸引口830は、主に、背面方向に主筐体200内で発生した音の伝達方向を規定するので、正面壁210近傍で作業する使用者への音の伝達が好適に抑制される。
図7及び図8に示される如く、取付縁812は、上方に***した***縁814を含む。***縁814は、レバー板820の先端縁822の上方に位置する。***縁814は、例えば、使用者が天壁250上に載置した洗濯物から滴り落ちた水が吸引口830へ流入することを好適に抑制する。
図9は、カバー機構800の底面図である。図7及び図9を用いて、レバー板820の回動が説明される。
レバー板820は、基端縁821の近傍に配設される第1シャフト片826及び第2シャフト片827を備える。第1シャフト片826及び第2シャフト片827は、レバー板820の底面から下方に突出する。第1シャフト片826は、略円柱形状の第1シャフト828を含む。第2シャフト片827は、第1シャフト828よりも短い略円柱形状の第2シャフト829を含む。第1シャフト828及び第2シャフト829は、基端縁821に沿って延びる。
カバー板810は、略矩形状のループを描くように延びる取付壁815を備える。取付壁815は、カバー板810の底面から下方に突出する。取付壁815は、第1シャフト828を回転可能に支持する第1軸受片816と、第2シャフト829を回転可能に支持する第2軸受片817とを含む。第1軸受片816及び第2軸受片817は、レバー板820の基端縁821に隣接する取付壁815の内面から正面方向へ突出する。かくして、レバー板820は、カバー板810に回動可能に取り付けられる。レバー板820の基端縁821に沿って整列された第1シャフト828及び第2シャフト829は、レバー板820の回動軸を規定する。
カバー機構800は、第1シャフト828を取り巻く捻りコイルバネ840を備える。捻りコイルバネ840の一端部は、カバー板810の底面に接続される。捻りコイルバネ840の他端部は、レバー板820の底面に接続される。かくして、捻りコイルバネ840は、レバー板820の先端縁822を上方に押し上げるように、レバー板820を付勢する。本実施形態において、捻りコイルバネ840は、付勢機構として例示される。
レバー板820は、略U型の位置決め片891を含む。位置決め片891は、先端縁822及びレバー板820の側縁の一部を形成する。位置決め片891は、カバー板810と部分的に重なり合う。かくして、位置決め片891は、捻りコイルバネ840の付勢によるレバー板820の上方への回動を適切に規制する。
図10は、フィルタ装置700の平面図である。図1、図2、図6、図7、図9及び図10を用いて、カバー機構800とフィルタ装置700との接続が説明される。
図6、図7及び図10に示される如く、フィルタ装置700は、筐体710を備える。筐体710には、空気を導入するための導入口711が形成される。導入口711は、乾燥空気が導入される第1導入口712と、後述される第2導入口725とを含む。尚、第2導入口725には、上述の吸引口830から吸引された外部空気が導入される。筐体710には、第1導入口712と対向して、排出口713が形成される。排出口713には、直角格子状の支持部714が形成される。支持部714に沿って、フィルタメッシュ720(図7参照)が取り付けられる。
図2に関連して説明された導入管部612は、フィルタ装置700の上流に配設される上流管部613と、フィルタ装置700の下流に配設される下流管部614とを含む。上流管部613は、上述の第1導入口712に接続される。上流管部613中の乾燥空気は、第1導入口712を介して、筐体710内に導入される。その後、乾燥空気は、第1導入口712に対向して形成された排出口713から排出される。乾燥空気が排出口713を通過するとき、フィルタメッシュ720は、乾燥空気を漉す。この結果、フィルタメッシュ720は、乾燥空気に含まれるリントを好適に捕捉することができる。排出口713は、下流管部614に接続される。したがって、リントの除去処理がなされた乾燥空気がヒートポンプ630へ送り出される。本実施形態において、フィルタメッシュ720は、フィルタ要素として例示される。また、第1導入口712から排出口713に向かう乾燥空気の流れ方向(即ち、正面壁210から背面壁220へ向かう方向)は、第1方向として例示される。
筐体710は、第1導入口712が形成された第1筐体壁715と、排出口713が形成された第2筐体壁716とを含む。第1筐体壁715は、カバー機構800との接続に用いられる略U型の断面を有する接続壁717を含む。図7に示される如く、下方に湾曲した接続壁717と平板状のカバー板810との間には、レバー板820が回動するための空間R1が形成される。
図7に示される如く、接続壁717は、上方に***した突条718を含む。突条718は、接続壁717の背面側の縁部に沿って形成される。接続壁717を覆うように配設されたカバー板810の取付壁815は、突条718に隣接する。取付壁815と突条718は、ねじやビスといった適切な固定具を用いて接続される。本実施形態において、取付壁815は接続部として例示される。
図11は、図10に示されるB−B線に沿うフィルタ装置700の断面図である。図1、図7、図10及び図11を用いて、筐体710内への外部空気の導入が説明される。
図7に関連して説明された如く、略平板状のカバー板810と下方に湾曲した接続壁717との間には、空間が形成される。図10及び図11に示される如く、第1筐体壁715は、第1方向に延びる仕切壁719を備える。仕切壁719は、カバー板810と接続壁717との間の空間をレバー板820が回動される空間R1と外部空気が流入される空間R2とに部分的に区画する。空間R2は、仕切壁719の上縁とカバー板810との間の間隙を介して、吸引口830に連通する。
空間R2を規定する接続壁717には、略矩形状に開口した第2導入口725が形成される。吸引口830と第2導入口725との間の空間(即ち、カバー板810と接続壁717との間の空間)は、接続壁717の上面から上方に突出する仕切壁719によって部分的に仕切られる。仕切壁719は、吸引口830から接続壁717上に流下した液体の第2導入口725への流入を好適に抑制する。
図10及び図11に示される如く、フィルタ装置700は、第2導入口725を開閉する開閉機構730を含む。開閉機構730は、弁片735を含む。弁片735は、第2導入口725に隣接して形成された開口部に嵌入される基部731と、第2導入口725を閉塞する閉塞位置と第2導入口725を開放する開放位置との間で変位するプラグ部732と、基部731とプラグ部732との間に形成される薄肉部733とを含む。本実施形態において、弁片735は、弁要素として例示される。尚、図11において、開放位置に存するプラグ部732は、点線で描かれている。略直方体形状に形成された基部731は、固定的に接続壁717に取り付けられる。略直方体形状に形成されたプラグ部732は、第2導入口725を通じて、筐体710の内部空間に部分的に突出する。プラグ部732は、薄肉部733周りに開放位置と閉塞位置との間で回動する。プラグ部732が開放位置に存する間、吸引口830を介して、主筐体200の外部に連通する第2導入口725を通じて、外部空気は筐体710内に流入する。本実施形態において、薄肉部733はヒンジ部として例示される。
図12は、図11に示されるC−C線に沿うフィルタ装置700の断面図である。図7、図11及び図12を用いて、開閉機構730が説明される。
図12に示される如く、筐体710の内壁面726は、略円柱形状の内部空間を形成する。内壁面726が形成する内部空間は、第1方向に略直交する第2方向に延びる。筐体710は、第2方向に延びる内部空間を第1室727と第2室728とに仕切る環状の仕切板729を備える。第1室727は、第1導入口712と連通する。したがって、第1室727内で乾燥空気が流動する。図11に示される如く、第2室728は、第2導入口725と連通する。したがって、プラグ部732が開放位置に存する間、第2室728内で外部空気が流動する。
フィルタ装置700は、筐体710内で回転する回転シャフト740を含む。第1筐体壁715は、第1導入口712と排出口713との間で延びる第1側壁736及び第2側壁737を含む。第1側壁736の外面にギア738が取り付けられる。ギア738は、第1側壁736に形成された貫通穴に挿通されるギアシャフト739を備える。ギアシャフト739は、回転シャフト740の一端部に形成された凹部に挿入される。ねじやビスといった適切な固定具は、ギアシャフト739及び回転シャフト740の長手方向軸に沿って螺通される。かくして、ギア738及び回転シャフト740は、適切に接続される。ギア738には、モータ或いは他の適切な駆動源が接続される。ギア738への駆動力の伝達により、回転シャフト740は、筐体710内で適切に回転される。第2側壁737は、回転シャフト740の他端部に形成された凹部に挿入されるボス741を含む。ボス741は、回転シャフト740を回転可能に支持する。
開閉機構730は、第2室728内の回転シャフト740の周面から突出するカム片745を含む。回転シャフト740とともに回転するカム片745は、閉塞位置に存するプラグ部732と接触するように形成される。カム片745と接触したプラグ部732は、上方に押し上げられる。かくして、プラグ部732は、薄肉部733周りに上方に回動し、開放位置に変位する。その後、カム片745との接触が解除されたプラグ部732は、自重により、ヒンジ部周りに下方に回動し、閉塞位置へ変位する。かくして、開閉機構730は、回転シャフト740の回転に連動して、第2導入口725を開閉することができる。
仕切板729は、筐体710の内壁面726に接続される外縁746と、回転シャフト740が挿通される開口部を形成する内縁747とを含む。回転シャフト740は、内縁747が形成する開口部を横切る。内縁747と回転シャフト740との間には、第1室727と第2室728とを連通させるための環状の空隙部が形成される。
第1導入口712から排出口713へ向けて流れる乾燥空気の流動は、第2室728を負圧にする。この結果、カム片745によって、プラグ部732が押し上げられると、吸引口830から外部空気が第2室728内へ流入する。
図12に示される如く、排出口713は、第1導入口712から第1室727内に流入した乾燥空気を筐体710外へ排出するための第1排出口748と、第2室728内に流入した外部空気を筐体710外へ排出するための第2排出口749とを含む。また、フィルタメッシュ720は、第1排出口748を覆う第1フィルタ部751(図7参照)と、第2排出口749を覆う第2フィルタ部752(図11参照)とを含む。第1フィルタ部751を第1導入口712から流入した乾燥空気を漉し、乾燥空気に含まれるリントを除去するために用いられる。第2フィルタ部752は、第2導入口725から流入した外部空気を漉し、外部空気に含まれる異物(例えば、埃)を除去するために用いられる。
図13は、主筐体200内での外部空気の流動を概略的に示す模式図である。図13を用いて、ヒートポンプ630の冷却が説明される。
上述の如く、外部空気は、吸引口830を介して、主筐体200内に流入する。その後、第2導入口725を通じて、フィルタ装置700の筐体710内に形成された第2室728内に流入する。その後、第2排出口749から排出される。第2排出口749は、第1管路610、第2管路620及び第3管路641によって規定される循環経路外の主筐体200の内部空間に連通する。したがって、外部空気は、循環機構600外からヒートポンプ630を適切に冷却する。かくして、ヒートポンプ630の熱交換率が適切に維持される。
第1導入口712から第1室727内に流入した乾燥空気は、第1排出口748を介して、第2管路620に流入する。かくして、乾燥空気は、循環機構600によって主筐体200内で循環される。
(清浄機構)
図7及び図12を用いて、乾燥空気中のリントを捕捉した第1フィルタ部751を清浄化するための清浄機構が説明される。
フィルタ装置700は、乾燥空気中のリントを捕捉した第1フィルタ部751を清浄化するための清浄機構760を備える。清浄機構760は、略平板状のブラシ板761を含む。ブラシ板761は、第2方向に延びる回転シャフト740の回転に伴って第1フィルタ部751(図7参照)に摺接されるブラシ部762と、ブラシ部762を保持する第1縁763と回転シャフト740に接続される第2縁764とを含む略矩形板状の保持片765とを備える。本実施形態において、ブラシ板761は、ブラシ要素として例示される。
図12に示される如く、第1縁763は、第2方向に沿って連設された突出部766を含む。突出部766は、第1フィルタ部751(図7参照)に向けて突出する。本実施形態において、図12中、左から2番目に形成される突出部766は、第1突出部766aとして例示される。また、第1突出部766aに隣接して形成された突出部766は、第2突出部766bとして例示される。尚、第1突出部766aの選択は、説明の明瞭化を目的とするものである。したがって、他の突出部766が第1突出部766aとして例示されてもよい。また、第1突出部766aとして選択された突出部766に隣接して形成された突出部766が第2突出部766bとして例示されてもよい。
ブラシ部762は、第1突出部766a及び第2突出部766bに保持される第1ブラシ束767と、第1突出部766aと第2突出部766bとの間の凹部に保持される第2ブラシ束768とを含む。第1ブラシ束767は、第2ブラシ束768よりも短い。したがって、第1ブラシ束767は、第2ブラシ束768よりも強い力で第1フィルタ部751に摺接される。
図14及び図15は、回転シャフト740周りのブラシ板761の周回を示す。図14(a)及び図15(a)は、第1方向に略平行な基準位置に配設されたブラシ板761を備えるフィルタ装置700を示す概略的な断面図である。図14(b)は、基準位置から下方に周回されたブラシ板761を備えるフィルタ装置700を示す概略的な断面図である。図15(b)は、基準位置から上方に周回されたブラシ板761を備えるフィルタ装置700を示す概略的な断面図である。図12、図14及び図15を用いて、清浄機構760の動作が説明される。
図14(a)及び図15(a)に示される如く、基準位置に存するブラシ板761は、第1方向に沿うので、保持片765は、第1方向の乾燥空気の流れにほとんど干渉しない。図14(b)及び図15(b)に示される如く、回転シャフト740は、ブラシ板761を基準位置から下方へ周回させる第1回転方向及びブラシ板761を基準位置から上方に周回させる第2回転方向に回転する。
保持片765は、第1面771と、第1縁763と第2縁764との間で延びる第1面771と反対側の第2面772とを含む。ブラシ板761が基準位置に存するとき、第1面771は、第2面772の下方に位置する。
筐体710は、内壁面726から突出する第1ピン773及び第2ピン774を含む。第1ピン773は第2ピン774よりも下方に形成される。図14(b)に示される如く、回転シャフト740が第1回転方向に回転すると、第1面771は第1ピン773に接触する。かくして、第1ピン773は、第1回転方向への回転シャフト740の回転に伴うブラシ板761の周回範囲を規定する。図15(b)に示される如く、回転シャフト740が第1回転方向に回転すると、第2面772は第2ピン774に接触する。かくして、第2ピン774は、第2回転方向への回転シャフト740の回転に伴うブラシ板761の周回範囲を規定する。本実施形態において、第1ピン773及び第2ピン774は、位置決め要素として例示される。
第1ピン773は、カム片745がプラグ部732と接触した後、第1回転方向への回転シャフト740の回転に伴うブラシ板761の周回を停止させる。保持片765の第1面771が第1ピン773と接触している間、プラグ部732は開放位置に保たれる。
図12に示される如く、第1排出口748は、第2方向において、第1導入口712よりも長く形成される。保持片765の第1面771が第1ピン773と接触している間、ブラシ板761は、第1方向に沿う姿勢となる。したがって、保持片765は、第1導入口712から導入された乾燥空気の流れとほとんど干渉しない。この結果、第1導入口712から導入された乾燥空気のほとんどは、第1方向に流れ、第2室728に向かう乾燥空気の流れ(即ち、第2方向の乾燥空気の流れ)はほとんど生じない。本実施形態において、保持片765の第1面771が第1ピン773と接触している間のブラシ板761の姿勢は、第1姿勢として例示される。
その後、回転シャフト740が、ブラシ板761が第2ピン774へ向かうように回転すると、プラグ部732は、自重により、閉塞位置に変位する。ブラシ板761が下方に延びる位置まで回転シャフト740が回転すると、第1導入口712から流入した第1方向の乾燥空気の流れは、保持片765によって大きく妨げられる。この結果、第2方向への乾燥空気の流れが発生する。
更に、回転シャフト740が、ブラシ板761が第2ピン774へ向かうように回転すると、ブラシ部762は、第1フィルタ部751に摺接されながら上方へ移動する。この結果、第1フィルタ部751に付着したリントが好適に掻き取られる。ブラシ部762によって掻き取られたリントは、ブラシ板761が基準位置に近づくにつれて徐々に小さくなる第2方向への乾燥空気の流れによって、仕切板729に向けて押し流される。
基準位置から第2ピン774に向けてブラシ板761が周回されると、第2方向へ向かう乾燥空気の流れは徐々に大きくなる。第2ピン774は、カム片745が閉塞位置に存するプラグ部732と接触する前に、保持片765の第2面772に当接する。保持片765の第2面772に当接している間、保持片765は、第1方向への乾燥空気の流れに抗する姿勢を保つ。本実施形態において、保持片765の第2面772が第2ピン774と接触している間のブラシ板761の姿勢は、第2姿勢として例示される。
図16は、回転シャフト740の長手方向軸に沿うフィルタ装置700の断面図である。図16を用いて、回転シャフト740が説明される。
上述の如く、仕切板729の内縁747は、第1室727と第2室728とを連通させる開口部を形成する。回転シャフト740は、内縁747によって規定される開口部に隣接する環状突出部775を含む。開口部と略等しい大きさに形成された環状突出部775は、仕切板729の内縁747に沿う周縁776を含む。したがって、環状突出部775は、第2方向への乾燥空気の流れに乗ったリントが第1室727から第2室728へ進入することを好適に抑制する。尚、仕切板729と環状突出部775との間には、若干の隙間が形成される。仕切板729と環状突出部775との間の隙間によって、第1室727と第2室728との間の連通が保たれる。
図17は、フィルタ装置700の筐体710を示す概略的な断面図である。図17(a)は、使用時における筐体710を示す。図17(b)は、分解時における筐体710を示す。図17を用いて、筐体710が説明される。
第2筐体壁716は、第1筐体壁715に対して回動可能に取り付けられる。第1筐体壁715の接続壁717の下方に、第1筐体壁715と第2筐体壁716との間の接続部780が設けられる。第2筐体壁716は、例えば、接続壁717の直下に配設される接続板781と、接続板781から突出するピン782とを含む。接続壁717は、ピン782を回転可能に保持するように形成される。使用者は、第2筐体壁716を回動させることにより、筐体710内で蓄積されたリントを好適に除去することができる。