JP5478311B2 - 鞍乗型揺動四輪車両 - Google Patents

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Description

本発明は、鞍乗型揺動四輪車両に関する。
従来、四輪車両において、車体を傾斜させて旋回するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の四輪車は、バーハンドルの回動に合わせてシートを回動可能にして運転重心の移動を容易にしている。すなわち、特許文献1では、前後輪を備える下車体に対し、シートを備える上車体を揺動可能に構成されている。
特公平1−27910号公報
しかしながら、上記従来の四輪車両では、上記下車体にパワーユニットが設けられ、駆動輪である後輪が揺動しないため、後輪の駆動力を路面に効率良く伝達できるが、一方で、前輪が揺動せず旋回半径が大きくなるため、取り回し性に課題があった。このため、旋回半径を小さくして取り回し性を向上させ、車両の機動性を向上させることが望まれる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鞍乗型揺動四輪車両において、パワーユニットから後輪を経て路面に伝達される駆動力を効率良く伝達するとともに、旋回半径を小さくし、機動性を向上できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、ヘッドパイプ(13)を前方に備える車体フレーム(2)と、車両前方の左右にそれぞれ設けられる前輪(11、12)と、車両後方の左右にそれぞれ設けられる後輪(21、22)と、左右の前記前輪(11、12)を回転可能に支持する左右アーム部材(33、34)と、前記左右アーム部材(33、34)の上端部に回動可能に接続される上リンク部材(31)と、該上リンク部材(31)の下方で前記左右アーム部材(33、34)に回動可能に接続される下リンク部材(32)と、前記ヘッドパイプ(13)に回動可能に支持されるハンドル(19)に接続され、該ハンドル(19)の回動に合わせて前記左右アーム部材(33、34)を回転させる転舵伝達手段(70、71)とを備える鞍乗型揺動四輪車両において、前記後輪(21、22)を備える後車体(20)にパワーユニット(23)を設け、前記上リンク部材(31)及び前記下リンク部材(32)は前記ヘッドパイプ(13)の前方に回動可能に支持され、前記車体フレーム(2)は、前記後車体(20)に対して揺動可能に支持され、前記前輪(11、12)は、前記車体フレーム(2)の揺動に合わせて前記上リンク部材(31)及び前記下リンク部材(32)を介して揺動し、前記上リンク部材(31)及び前記下リンク部材(32)の回動軸線(F1、F2)は、側面視で、前記後車体(20)に対する前記車体フレーム(2)の揺動軸線(R1)に対して、略平行かつ上方にオフセットされていることを特徴とする。
この構成によれば、上リンク部材及び下リンク部材がヘッドパイプの前方に回動可能に支持されるとともに、車体フレームが後車体に対して揺動可能に支持されており、前輪及び車体フレームを揺動させることができるため、車両の旋回時の旋回半径を小さくして機動性を向上させることができる。また、後輪は揺動しないため、パワーユニットから後輪を経て路面に伝達される駆動力を効率良く伝達することができる。
また、上リンク部材及び下リンク部材の回動軸線が車体フレームの揺動軸線に対して略平行であり、前輪の揺動角と車体フレームの揺動角とが略同一となるため、車両の旋回時の走行フィーリングを良好にすることができる。
また、前記左右アーム部材(33、34)の下部に緩衝器(42)を取り付けた構成としても良い。
この場合、左右アーム部材の回動軸線の下部に緩衝器を設けるため、左右アーム部材の下方のスペースを有効に利用して緩衝器を設けることができるとともに、緩衝器のストローク量も確保し易くなる。
さらに、側面視で、前記左右アーム部材(33、34)の回動軸線(33A、34A)と地面(G)との交点(T1)が、前記前輪(11、12)の車軸(39)から前記地面(G)への垂線(39A)と地面(G)との交点(T2)に対して車両前方に設けられる構成としても良い。
この場合、左右アーム部材の回動軸線と地面との交点が、車軸から地面への垂線と地面との交点に対して車両前方に設けられており、前輪を直進させようとする力が作用するため、車両の直進性を向上させることができる。
本発明に係る鞍乗型揺動四輪車両では、前輪及び車体フレームを揺動させることができるため、車両の旋回時の重心移動を可能としつつ、旋回半径を小さくして機動性を向上させることができる。また、後輪は揺動しないため、パワーユニットから後輪を経て路面に伝達される駆動力を効率良く伝達することができる。また、接地面積が広くなる幅の広いタイヤを使用することも可能になる。
また、前輪の揺動角と車体フレームの揺動角とが略同一となるため、車両の旋回時の走行フィーリングを良好にすることができる。
左右アーム部材の回動軸線の下部に緩衝器を設けるため、左右アーム部材の下方のスペースを有効に利用して緩衝器を設けることができるとともに、緩衝器のストローク量も確保し易くなる。
さらに、左右アーム部材の回動軸線と地面との交点が、車軸から地面への垂線と地面との交点に対して車両前方に設けられており、前輪を直進させようとする力が作用するため、車両の直進性を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係るフロント2輪式鞍乗型車両を示す左側面図である。 フロント2輪式鞍乗型車両を前方から見た正面図である。 上リンク部材を上方から見た平面図である。 図2のIV−IV断面図である。 フロント2輪式鞍乗型車両を車両の左方向に傾斜させた状態を示す正面図である。 リンク機構の周辺の斜視図である。 ダンパー機構の一部破断拡大斜視図である。 樹脂ダンパーの側面断面図である。 樹脂ダンパーの正面断面図である。 樹脂ダンパーを下リンク部材側から見た平面図である。 ダンパー機構の取り付け状態を示す一部断面側面図である。 揺動ユニットの近傍の一部破断側面図である。 揺動ユニットの近傍を上方から見た一部破断平面図である。
以下、本発明の実施の形態に係るフロント2輪式鞍乗型車両について図面を参照して説明する。なお、以下の説明で、上下、前後、左右の方向は、車両の乗員から見た方向をいう。また、図面には、車両の前方をFr、後方をRr、左側をL,右側をRとして示す。
図1は、本発明の実施の形態に係るフロント2輪式鞍乗型車両を示す左側面図である。図2は、フロント2輪式鞍乗型車両を前方から見た正面図である。
フロント2輪式鞍乗型車両1(鞍乗型揺動四輪車両)は、車両の前部の左右にそれぞれ設けられる前輪11、12、及び、車両の後部の左右にそれぞれ設けられる後輪21、22を備えた鞍乗型四輪車両である。
フロント2輪式鞍乗型車両1は、前輪11、12及び車体フレーム2を備える前車体10と、後輪21、22及び車両の駆動力を発生させるパワーユニット23を備える後車体20とを連結して構成されている。なお、図2では、後輪21、22を除く後車体20の図示を省略している。
車体フレーム2は、車体フレーム2の前端に設けられるヘッドパイプ13と、ヘッドパイプ13から後下がりに延びるダウンフレーム14と、ダウンフレーム14の下端に連続して後方に略水平に延びるロアセンターパイプ15と、ダウンフレーム14の下端から左右に分岐して後方に延びる左右一対のロアサイドフレーム16と、ロアサイドフレーム16の後端から後上がりに車両後部へ延びる左右一対のリアフレーム17とを備えて構成されている。
また、ロアセンターパイプ15と、左右のロアサイドフレーム16との間には、車幅方向に延びる一対のクロスパイプ18が掛け渡されている。さらに、左右のリアフレーム17間には、リヤクッション56の上端を支持するクッション支持部17Aが設けられている。
ヘッドパイプ13には、ハンドル19がハンドルシャフト19Aを介して挿入されて回動自在に設けられている。また、ヘッドパイプ13の前方には、左右に揺動可能な上リンク部材31、及び、上リンク部材31の下方に位置し、左右に揺動可能な下リンク部材32が設けられている。上リンク部材31及び下リンク部材32は互いに略平行に設けられて車幅方向に延在し、上リンク部材31及び下リンク部材32の左右端には、左右の前輪11、12を回動可能に支持する左アーム部材33(左右アーム部材)及び右アーム部材34(左右アーム部材)がそれぞれ支持されている。また、上リンク部材31及び下リンク部材32は、左アーム部材33及び右アーム部材34に対して回動可能に接続されており、左アーム部材33及び右アーム部材34をヘッドパイプ13側に連結している。
左アーム部材33及び右アーム部材34は、上リンク部材31及び下リンク部材32に支持される左支持パイプ35及び右支持パイプ36と、左支持パイプ35及び右支持パイプ36の下端に連結され前方に延びるボトムブリッジ37と、各ボトムブリッジ37の前端に連結されるリンク式サスペンション機構38とを備えている。
リンク式サスペンション機構38は、前輪11、12の車軸39に連結される支持アーム40と、支持アーム40をボトムブリッジ37に接続するフォーク41と、油圧式の緩衝器42とを有している。支持アーム40の前端には、ボトムブリッジ37の前端から垂下されたフォーク41が回動可能に連結され、支持アーム40の後端は、車軸39に対し回動可能に連結されている。また、筒状の緩衝器42は、ボトムブリッジ37と支持アーム40の中間部との間に介装されている。このように、前車体10では、支持アーム40で前輪11、12を前方から引きずるように支持するトレーリングアーム方式の懸架装置が構成されている。
また、前輪11、12は、ブレーキディスク43、及び、ブレーキディスク43を制動するブレーキキャリパ44を備えている。
また、図1に示すように、左アーム部材33及び右アーム部材34の左支持パイプ35及び右支持パイプ36の軸線を延長した回動軸線33A、34A(左右アーム部材の回動軸線)と前輪11、12が接地する路面としての地面Gとの交点T1は、前輪11、12の車軸39から地面Gに下ろした垂線39Aと地面Gとの交点T2に対して車両の前方に設けられている。このように、交点T1を交点T2に対して車両の前方に設けたため、前輪11、12を直進させようとする力が作用し、車両の直進性を向上させることができる。
左右のロアサイドフレーム16の後部には、後車体20を揺動可能に支持する揺動ユニット50(揺動機構)が設けられている。左右のロアサイドフレーム16の後部には、下方に突出した一対のピボット部24が設けられており、揺動ユニット50は、その前端部及びピボット部24に挿通されるピボット軸25により軸支され、ピボット軸25を中心に上下に揺動可能である。
揺動ユニット50の後部とリアフレーム17のクッション支持部17Aとの間には、リヤクッション56が設けられている。リヤクッション56は、後車体20が受けた地面Gからの衝撃等を吸収する。
クッション支持部17Aの上方には、燃料タンク26が配置され、燃料タンク26の上方には、車両の乗員が着座するシート29が設けられている。
後車体20は、パワーユニット23を、パワーユニット23の下方に設けられる支持プレート28により支持して構成されている。パワーユニット23は、後輪21、22の間に設けられており、エンジン51と、エンジン51の後部に一体的に設けられエンジン51の出力を後輪21、22に伝達する伝動機構52とを有している。後輪21、22は、伝動機構52に設けられた車軸53に支持されて伝動機構52の左右側面の外側に位置し、エンジン51の駆動力によって駆動される。
支持プレート28は、パワーユニット23の左右に一対で設けられ、左右の支持プレート28の間には、前後方向に延びる後部シャフト55が固定されている。後車体20は、後部シャフト55が揺動ユニット50に連結されることで前車体10に一体に接続されている。ここで、後部シャフト55と揺動ユニット50とは、後部シャフト55の軸線R1(車体フレームの揺動軸線)を中心に相対回転可能に連結されている。すなわち、前車体10は、後輪21、22が接地した状態の後車体20に対し、軸線R1を中心として左右に揺動可能となっている。フロント2輪式鞍乗型車両1は、4つの車輪を備えると共に前車体10が左右に揺動可能な鞍乗型揺動四輪車両である。
図3は、上リンク部材31を上方から見た平面図である。
ヘッドパイプ13には、上リンク部材31を支持するシャフト一体ブラケット57が抱締め固定されており、シャフト一体ブラケット57は、車両前後方向に沿ってヘッドパイプ13に直交するように前方に突出するアッパーセンタージョイント軸58を有している。アッパーセンタージョイント軸58の軸線F1(上リンク部材の回動軸線)は、側面視(図1)では、ヘッドパイプ13の傾斜に対応し、僅かに前上がりに傾斜している。
上リンク部材31は、左右に分割して構成されており、ヘッドパイプ13から左支持パイプ35側に延びる上左アーム61と、ヘッドパイプ13から右支持パイプ36側に延びる上右アーム62とを有している。
上左アーム61及び上右アーム62は、各基端部に形成された支持孔61A、62Aにアッパーセンタージョイント軸58が挿通されて軸支されており、アッパーセンタージョイント軸58を中心に回動自在である。
ここで、上左アーム61はアッパーセンタージョイント軸58の基端側に支持され、上右アーム62は先端側に支持されている。すなわち、上左アーム61及び上右アーム62の基端部は前後にオフセットされて重ねて配置されている。また、上右アーム62は、上左アーム61よりも後方に大きく湾曲して形成されており、上左アーム61及び上右アーム62の先端部の前後方向の位置は略一致している。
上左アーム61及び上右アーム62の先端部には、左支持パイプ35及び右支持パイプ36の上端部を回動自在に支持するパイプ支持部63がそれぞれ設けられている。
また、図3に示すように、平面視において、下リンク部材32は、上リンク部材31の下方で上リンク部材31に重なるように配置されている。図2に示すように、下リンク部材32は、長手方向の中間部64が、ヘッドパイプ13の前方に設けられた中間回動軸65によって回動可能に支持されている。中間回動軸65は、アッパーセンタージョイント軸58と略平行に設けられ前後に延在している。中間回動軸65の軸線F2(下リンク部材の回動軸線)は、側面視(図1)では、アッパーセンタージョイント軸58の軸線F1と略平行に設けられている。
下リンク部材32の左右の両端に設けられたパイプ支持部66には、左支持パイプ35及び右支持パイプ36の中間部が回動自在にそれぞれ支持されている。
図4は、図2のIV−IV断面図である。なお、IV−IV断面は左支持パイプ35の断面であるが、右支持パイプ36も左支持パイプ35と同様に構成されている。
図4に示すように、左支持パイプ35及び右支持パイプ36の外周面には、車両前後方向に突出するアッパーサイドジョイント軸67と、アッパーサイドジョイント軸67の下方で前後方向に突出するロアサイドジョイント軸68が形成されている。
アッパーサイドジョイント軸67は、ベアリング67Aを介して上左アーム61及び上右アーム62のパイプ支持部63に嵌合しており、上左アーム61及び上右アーム62は、アッパーサイドジョイント軸67を中心にして回動自在である。
また、ロアサイドジョイント軸68は、ベアリング68Aを介して下リンク部材32のパイプ支持部66に嵌合しており、下リンク部材32は、ロアサイドジョイント軸68を中心にして回動自在である。
左支持パイプ35及び右支持パイプ36内には、左支持パイプ35及び右支持パイプ36内で回動自在なステアリングシャフト69が収容されている。ステアリングシャフト69は、左支持パイプ35及び右支持パイプ36の上端及び下端に設けられたベアリング78を介して支持されており、ステアリングシャフト69の下端には、ボトムブリッジ37がステアリングシャフト69と一体に固定されている。すなわち、ボトムブリッジ37は、ステアリングシャフト69を軸にして回動可能である。ステアリングシャフト69の軸線と左アーム部材33及び右アーム部材34の回動軸線33A、34Aとは一致している。
また、緩衝器42は、図1に示すように、左アーム部材33及び右アーム部材34の下部であるボトムブリッジ37の下方に設けられている。このため、左アーム部材33及び右アーム部材34の下方のスペースを有効に利用して緩衝器42を設けることができるとともに、緩衝器42のストローク量も確保し易くなる。
図2に示すように、ハンドルシャフト19Aはヘッドパイプ13を貫通して下方に延び、ハンドルシャフト19Aの下端には、ハンドルシャフト19Aと一体に回転するタイロッド連結部70が設けられている。ハンドルシャフト19Aと左右のボトムブリッジ37とを連結する左右一対のタイロッド71は、タイロッド連結部70とボトムブリッジ37の後部との間に設けられている。
ハンドル19が転舵されると、タイロッド連結部70を介してボトムブリッジ37がステアリングシャフト69を軸に回動され、これに伴い、前輪11、12は、ハンドル19が転舵された方向に操作される。つまり、タイロッド71及びタイロッド連結部70は、転舵伝達手段を構成している。
本実施の形態では、下リンク部材32を中間回動軸65で回動自在に支持し、上左アーム61及び上右アーム62をアッパーセンタージョイント軸58で回動自在に支持し、アッパーサイドジョイント軸67及びロアサイドジョイント軸68によって左支持パイプ35及び右支持パイプ36をそれぞれ回動自在に支持することで、前車体10にリンク機構72を構成している。
すなわち、リンク機構72は、ヘッドパイプ13、下リンク部材32、上左アーム61、上右アーム62、左支持パイプ35及び右支持パイプ36のそれぞれを節(リンク)とし、中間回動軸65、アッパーセンタージョイント軸58、各アッパーサイドジョイント軸67及び各ロアサイドジョイント軸68を回り対偶とした多節リンク機構である。
図5は、フロント2輪式鞍乗型車両1を車両の左方向に傾斜させた状態を示す正面図である。
フロント2輪式鞍乗型車両1は、ハンドル19の転舵操作、及び、乗員による重心移動等により、傾斜した状態で旋回する。詳細には、図5に示すように、フロント2輪式鞍乗型車両1が傾斜する際には、中間回動軸65を中心にしてヘッドパイプ13が傾斜するとともに、リンク機構72を介して左アーム部材33及び右アーム部材34が傾斜させられ、前輪11、12は傾斜した状態で地面Gに密着する。すなわち、前輪11、12は、車体フレーム2の揺動に合わせて、上リンク部材31及び下リンク部材32を介して揺動させられる。この状態では、上リンク部材31及び下リンク部材32は、地面Gに対して略水平を保ったまま傾斜方向にずれ、ヘッドパイプ13は、左アーム部材33及び右アーム部材34と略同一の角度で傾斜している。つまり、フロント2輪式鞍乗型車両1が傾斜する状態では、前車体10は、上リンク部材31及び下リンク部材32を除く全体が一体に傾斜する。
また、フロント2輪式鞍乗型車両1では、上述のように、前車体10は、後輪21、22が接地した状態の後車体20に対し軸線R1(図1)を中心として左右に揺動自在であるため、後車体20は、前車体10が傾斜した状態においても略直立を保ち、後輪21、22は地面Gに対して略直立の状態で走行する。このように、前車体10が傾斜した状態においても後輪21、22が略直立状態であるため、後輪21、22のグリップ力を高く維持できるとともに、エンジン51の駆動力を効率良く地面Gに伝達できる。
また、後輪21、22を左右に備えるため、乗員に安心感を与えることができる。さらに、後輪21、22を駆動するパワーユニット23が後車体20にあるため、駆動力を効率良く後輪21、22に伝達することができる。
図6は、リンク機構72の周辺の斜視図である。
図2、図5及び図6に示すように、リンク機構72の下リンク部材32の中間部64には、下リンク部材32の動作を抑制するダンパー機構80が設けられている。
ダンパー機構80は、樹脂製の弾性体を内部に備える樹脂ダンパー81と、樹脂ダンパー81に連結される左右一対の液圧式ダンパー91と、樹脂ダンパー81及び液圧式ダンパー91をリンク機構72に接続するダンパーブラケット82と、中間回動軸65とを備えて構成されている。
図7は、ダンパー機構80の一部破断拡大斜視図である。図8は、樹脂ダンパー81の側面断面図である。図9は、樹脂ダンパー81の正面断面図である。
図6〜図9に示すように、樹脂ダンパー81は、箱型のダンパーケース83を備え、ダンパーケース83内に、中間回動軸65と、中間回動軸65と一体に回転するローター84と、円柱状のダンパー体85とを有している。
ダンパーケース83は左右2分割で設けられたケース83A、83Bの分割面同士を合わせて、上下の締結部でボルト止めして形成されている。ダンパーケース83の内部には、ダンパー体85を収容するダンパー室86が設けられている。
中間回動軸65は、ダンパーケース83の矩形の前面部76の中央に配置され、ダンパーケース83及びダンパー室86を下リンク部材32側まで前後に貫通して設けられている。
図9に示すように、ローター84は、断面略矩形のダンパー室86よりも小さな略矩形断面を有するブロック状に形成され、中間回動軸65を中心にダンパー室86内で回転可能に設けられている。ダンパー室86内の四隅と、ローター84の各側面84Aとの間には、ダンパー体85を収容可能な空間が形成されており、ダンパー体85は、ダンパー室86の四隅の内壁とローター84の各側面84Aとの間に挟まれるようにして4箇所に設けられている。ここで、ダンパー体85はゴムにより構成されており、ローター84の回転に伴ってローター84とダンパー室86内の四隅との間に挟まれて変形する。
樹脂ダンパー81は、中間回動軸65の回動方向に設けられており、ダンパー体85がローター84に変形させられる際に生じる変形抵抗によってダンパーとして機能する。
図8に示すように、中間回動軸65は、ダンパーケース83を前後に貫通して設けられ、ダンパーケース83の前部に設けられたベアリング87Aに回転自在に軸支される前端部65Aと、ダンパーケース83の後部に設けられたベアリング87Bに回転自在に軸支される後端部65Bと、ローター84が固定される中間部65Cとを有している。後端部65Bの内側は中空に形成されており、後端部65Bの内径部65Dには、中間回動軸65と同軸に設けられるベアリング87Cのアウターレースが固定されている。ベアリング87Cのインナーレースには、下リンク部材32側に延びる支持軸88が固定されており、支持軸88は、ベアリング87Cを介して中間回動軸65の後端部65Bの内側に回転可能に設けられている。
図10は、樹脂ダンパー81を下リンク部材32側から見た平面図である。
図7及び図10に示すように、ダンパーブラケット82は、樹脂ダンパー81を下リンク部材32に連結するリンク側ブラケット89と、樹脂ダンパー81をヘッドパイプ13に連結するフレーム側ブラケット90とを有している。
図8及び図10に示すように、リンク側ブラケット89は、車幅方向に延びる板状に形成されており、樹脂ダンパー81の後部に突出した中間回動軸65の後端部65Bに固定されている。リンク側ブラケット89の長手方向の両端には、下リンク部材32の前面に締結される固定孔89Aが形成されており、リンク側ブラケット89は、固定孔89Aに挿通されるボルト75(図7参照)を介して下リンク部材32に固定される。
リンク側ブラケット89の長手方向の中間部には、後端部65Bに固定される軸固定孔89Bが形成されている。詳細には、リンク側ブラケット89は、軸固定孔89Bに係合された後端部65Bの外周部が軸固定孔89Bに溶接されることで中間回動軸65に一体に固定されている。すなわち、リンク側ブラケット89は、図10に2点鎖線で示すように、中間回動軸65と一体に回動可能であり、樹脂ダンパー81と共に下リンク部材32に固定された状態では、ダンパーケース83が、中間回動軸65を中心にして下リンク部材32に対し相対回転可能となる。
図7、図8及び図10に示すように、フレーム側ブラケット90は、板状に形成されており、フレーム側ブラケット90の下部を貫通する複数のボルト92Aによってダンパーケース83の後面に締結されている。また、ヘッドパイプ13の前面には、前方へ延びるブロック状のステー部13Aが設けられており、フレーム側ブラケット90は、フレーム側ブラケット90の上部を貫通する複数のボルト92Bによって、ステー部13Aの前端に締結されている。すなわち、ダンパーケース83は、フレーム側ブラケット90及びステー部13Aを介してヘッドパイプ13に連結されており、図5に示すように、ヘッドパイプ13が傾斜する際には、ヘッドパイプ13と一体に中間回動軸65を中心にして回動する。
また、中間回動軸65は、フレーム側ブラケット90及びダンパーケース83を介して下リンク部材32の前方に支持されており、下リンク部材32は、リンク側ブラケット89を介して中間回動軸65に回動自在に支持されている。すなわち、樹脂ダンパー81のローター84を支持する中間回動軸65を下リンク部材32の支持軸と兼用したため、下リンク部材32を回動自在に支持するための専用の軸を設ける必要が無い。このため、リンク機構72を簡単な構造にすることができる。
図6、図7及び図10に示すように、ダンパーケース83の前面部76には、車幅方向へ左右に延びる液圧ダンパー連結棒93がそれぞれ設けられている。液圧ダンパー連結棒93は、中間回動軸65に連続するように前面部76の中央からダンパーケース83の左右の各側面77と略直交して左右に延び、各側面77の外側に突出している。液圧ダンパー連結棒93はダンパーケース83に一体に設けられており、ダンパーケース83が回動する際には、ダンパーケース83と一体に中間回動軸65を中心にして回動する。
また、リンク側ブラケット89の長手方向の両端部には、前方に突出した液圧ダンパーステー79がそれぞれ形成されている。液圧ダンパーステー79は、液圧ダンパー連結棒93よりも外側に位置している。
図11は、ダンパー機構80の取り付け状態を示す一部断面側面図である。
図11も合わせて参照し、液圧式ダンパー91は、前後に延びる筒状に形成されており、円筒状のシリンダ部96と、シリンダ部96内を摺動するピストン97と、ピストン97に連結されるピストンロッド98とを備えて構成されている。
シリンダ部96の前端には、ボールジョイントにより構成される自在軸継手部99が設けられている。また、ピストンロッド98はピストン97の底面から自在軸継手部99とは反対側のシリンダ部96の外側に延び、ピストンロッド98の先端には、ボールジョイントにより構成される自在軸継手部100が設けられている。
シリンダ部96内には、ピストン97及びピストンロッド98を収容する流体室101が形成されており、流体室101内には、ピストン97の動きを減衰する流体としてのオイルが封入されている。流体室101内は、ピストン97によって、自在軸継手部99側の第1流体室101Aと、自在軸継手部100側の第2流体室101Bとに仕切られている。
ピストン97には、ピストン97の軸方向にオイルが通過可能なオイル流路97Aが形成されている。液圧式ダンパー91は、ピストン97の流体室101内での移動に伴ってオイル流路97Aで生じるオイルの抵抗によって、ピストン97の動きが抑制されることでダンパーとして機能する。すなわち、ピストン97がピストンロッド98に引っ張られて液圧式ダンパー91が伸びる際には、第2流体室101B側からオイル流路97Aを介して第1流体室101Aに流れるオイルによってダンパー作用が生じる。また、ピストン97がピストンロッド98に押されて液圧式ダンパー91が縮む際には、第1流体室101A側からオイル流路97Aを介して第2流体室101Bに流れるオイルによってダンパー作用が生じる。
シリンダ部96の側部には、液圧式ダンパー91のダンパー作用の大きさを調整する調整機構部102が、シリンダ部96と一体に設けられている。調整機構部102は、オイルに対する抵抗を変化させる調整機構102Aを有し、調整機構102Aは、流路102B、102Cを介して第1流体室101A及び第2流体室101Bに接続されている。調整機構部102は、シリンダ部96の上部側面に設けられている。
また、シリンダ部96の側部には、オイルの圧力の変動を吸収する吸収機構部103が、シリンダ部96と一体に設けられている。吸収機構部103は、流路103Aを介して第1流体室101Aに連通する吸収室104と、吸収室104内を摺動する吸収ピストン105と、吸収ピストン105をオイルの圧力に抗して付勢するばね106とを備えている。吸収機構部103は、ピストンロッド98の移動に伴う流体室101内の圧力の変動を、オイルの圧力に応じて移動して吸収室104の容積を変化させる吸収ピストン105によって吸収する。吸収機構部103は、シリンダ部96の下部側面に設けられている。
図7及び図11に示すように、左右の各液圧式ダンパー91は、ピストンロッド98の自在軸継手部100が下リンク部材32の液圧ダンパーステー79に連結されるとともに、シリンダ部96の自在軸継手部99が液圧ダンパー連結棒93の先端に連結されることでリンク機構72に接続されている。すなわち、液圧式ダンパー91は、ボールジョイントである自在軸継手部99、100を介して接続されているため、自在軸継手部99、100を中心にして回動自在である。
左右の各液圧式ダンパー91は、中間回動軸65の左右に位置するようにダンパーケース83の各側面77の側方に並べて配置されている。このように、液圧式ダンパー91を左右に振り分けて配置することで、ダンパー機構80の大型化を抑制できる。
また、液圧式ダンパー91は、側面視において、シリンダ部96の軸線96Aが、中間回動軸65の軸線F2に略一致し、かつ、軸線F2と略平行になるように中間回動軸65に対して重なって設けられており、中間回動軸65と略平行に配置されている。このため、液圧式ダンパー91を最小限のスペースで配置でき、ダンパー機構80の大型化を抑制できる。
さらに、下リンク部材32が、中間部64に設けられる中間回動軸65によって回動可能に支持され、ダンパー機構80が中間部64に設けられるため、ダンパー機構80の減衰力を左アーム部材33及び右アーム部材34に対して均等に作用させることができる。また、ダンパー機構80が下リンク部材32に設けられているため、低重心化を図ることができる。
また、図8及び図11に示すように、中間回動軸65の後端部65Bから延びる支持軸88は、下リンク部材32の前面に締結されている。このように、中間回動軸65を、リンク側ブラケット89に加えて、支持軸88によっても下リンク部材32に連結するため、下リンク部材32によって中間回動軸65を安定的に支持できる。
次に、ダンパー機構80の動作について説明する。
図5に示すように、前車体10が、一例として、車両左側に傾斜する場合、前車体10の傾斜動作は、ダンパー機構80によって抑制され、急激に傾斜することが防止される。ここで、傾斜動作とは、中間回動軸65及び後部シャフト55を軸とした、前車体10の車両左右方向への揺動を指している。
前車体10が車両左側に傾斜する場合、樹脂ダンパー81では、フレーム側ブラケット90を介してヘッドパイプ13と連結されたダンパーケース83がヘッドパイプ13と一体に左側に回転し、略水平状態を維持している下リンク部材32と一体の中間回動軸65に設けられたローター84に対して、ダンパーケース83が相対回転する。すなわち、ダンパーケース83がローター84に対して車両左側に回転することで、ダンパーケース83とローター84との間でダンパー体85が圧縮変形させられ、この際の変形抵抗によって前車体10の傾斜動作が抑制される。
また、前車体10が車両左側に傾斜してダンパーケース83が車両左側に回転すると、液圧ダンパー連結棒93がダンパーケース83と一体に車両左側に回転し、これに伴い、車両左側の液圧式ダンパー91は自在軸継手部99が下方に引っ張られて伸び、車両右側の液圧式ダンパー91は自在軸継手部99が上方に引っ張られて伸びる。
詳細には、各液圧式ダンパー91が伸びる際には、図11に示すように、シリンダ部96が第2流体室101Bの容積を小さくするように移動し、第2流体室101Bからオイル流路97Aを介して第1流体室101Aにオイルが流入し、この際のオイルの流れの抵抗により前車体10の傾斜動作が抑制される。また、前車体10が傾斜状態から元の直立状態に戻る際には、液圧式ダンパー91は縮み、第1流体室101Aからオイル流路97Aを介して第2流体室101Bに流れるオイルの流れの抵抗により、前車体10の傾斜動作が抑制される。すなわち、液圧式ダンパー91は、前車体10が傾斜していく場合、及び、傾斜状態から直立状態へ戻る場合の両方において前車体10の傾斜動作を減衰することができる。
本実施の形態では、リンク機構72に、樹脂ダンパー81及び一対の液圧式ダンパー91が設けられており、左アーム部材33及び右アーム部材34に接続される上リンク部材31及び下リンク部材32の動作をダンパー機構80によって抑制できる。このため、前輪11、12の一方が受けた地面Gからの影響が、左アーム部材33、右アーム部材34及びリンク機構72を介して前輪11、12の他方に伝達されることを抑制でき、乗員に対し滑らかな走行フィーリング与えることが可能な車両を提供できる。
また、前輪11、12のように、左右に前輪を有する車両では、内輪と外輪との旋回半径の違いに起因して、前輪の接地荷重が左右で同一になる状態が常に維持されるわけではなく、接地荷重の強い方から弱い方へとリンク機構72等を介して地面Gからの荷重が伝達され、旋回中に左右の前輪で交互に荷重が移り変わる現象が起こる。本実施の形態によれば、樹脂ダンパー81及び液圧式ダンパー91によってリンク機構72の動作を抑制し、前輪11と前輪12との間で交互に接地荷重が移り変わることを抑制できるため、車両の旋回時のフィーリングを向上でき、乗員に安心感を与えることができる。
さらに、図2及び図5に示すように、上リンク部材31が、上左アーム61と上右アーム62とに分割されているため、上左アーム61及び上右アーム62の長さ及び取り付け角度を変更することでリンク機構72のジオメトリーを容易に変更できる。このため、車両の旋回時において、前輪11、12の内輪及び外輪の傾斜角を変更することができる。
図12は、揺動ユニット50の近傍の一部破断側面図である。図13は、揺動ユニット50の近傍を上方から見た一部破断平面図である。
図12及び図13に示すように、パワーユニット23を支持する左右一対の支持プレート28は、後部シャフト55を左右の側面から挟むように配置され、支持プレート28を貫通する複数のボルト28Aによって後部シャフト55に締結されている。すなわち、後部シャフト55は、パワーユニット23に一体に連結されており、前車体10が傾斜する際にも回転しないシャフトである。
揺動ユニット50には、ダンパー機構80と同様に構成される後部ダンパー機構110が設けられており、後車体20に対する前車体10の車体フレーム2の揺動は、後部ダンパー機構110によって抑制される。
後部ダンパー機構110は、後部シャフト55に接続される後部樹脂ダンパー111と、揺動ユニット50と後車体20との間に掛け渡される左右一対の液圧式ダンパー91とを有している。後部ダンパー機構110に設けられる液圧式ダンパー91は、前車体の液圧式ダンパー91と同一部品である。ここで、図12では、液圧式ダンパー91は外形のみを2点鎖線で示している。
揺動ユニット50は、ピボット軸25に軸支されるユニットケース112を備え、ユニットケース112内に、後部シャフト55と、後部樹脂ダンパー111とを収容して構成されている。
後部シャフト55には、後部シャフト55と一体に設けられたローター114が設けられており、ユニットケース112内には、ローター114を収容するダンパー室116が形成されている。ダンパー室116は、ユニットケース112と一体に設けられており、ユニットケース112と一体に回転する。また、ローター114とダンパー室116の内壁との間には、ゴムにより構成される円柱状のダンパー体115が複数設けられており、後部樹脂ダンパー111は、ダンパー室116の回転に伴ってダンパー室116の内壁部とローター114との間に挟まれて圧縮変形させられるダンパー体115の変形抵抗によってダンパーとして機能する。
ユニットケース112内には、ダンパー室116を挟んで前後に複数のベアリング117が配置されており、後部シャフト55は、ベアリング117によって軸支されている。すなわち、ユニットケース112は、ベアリング117を介して後部シャフト55に対し相対回転する。
ユニットケース112の後部には、車幅方向へ左右に突出したダンパーステー118がそれぞれ形成されている。また、支持プレート28の前端には、左右のダンパーステー118の幅と略同一の幅に屈曲したダンパー連結部28Bが形成されている。
後部ダンパー機構110の液圧式ダンパー91は、自在軸継手部99がダンパーステー118に連結され、自在軸継手部100がダンパー連結部28Bに連結されることで、揺動ユニット50と後車体20との間に設けられている。また、後部ダンパー機構110の液圧式ダンパー91は、側面視において、シリンダ部96の軸線96Aが、後部シャフト55の軸線R1に略一致し、かつ、軸線R1と略平行になるように後部シャフト55に対して重なって設けられており、後部シャフト55と略平行に配置されている。このため、液圧式ダンパー91を最小限のスペースで配置でき、後部ダンパー機構110の大型化を抑制できる。
前車体10の傾斜に伴ってユニットケース112が回動する際には、ダンパー室116とローター114との間で変形するダンパー体115の変形抵抗によって前車体10の傾斜動作が抑制される。また、ユニットケース112が回動すると、左右のダンパーステー118は後部シャフト55を軸にユニットケース112と一体に回転し、液圧式ダンパー91がダンパーステー118を介して伸ばされ、液圧式ダンパー91は、前車体10の傾斜動作を抑制するダンパー作用を発生させる。また、液圧式ダンパー91は、前車体10が傾斜状態から直立状態に復帰する方向に揺動する場合にも、ダンパー作用を発生させる。
このように、前車体10と後車体20との間に後部樹脂ダンパー111及び液圧式ダンパー91を設けたため、前車体10の傾斜動作を減衰させることができ、前車体10の傾斜動作を滑らかにすることができる。
また、本実施の形態では、前車体10にダンパー機構80を設けると共に、後車体20側にも後部ダンパー機構110を設けたため、車両の前後でバランス良く前車体10の傾斜動作を抑制でき、前車体10の傾斜動作を滑らかにすることができる。
さらに、フロント2輪式鞍乗型車両1では、上リンク部材31及び下リンク部材32がヘッドパイプ13の前方に回動可能に支持されるとともに、車体フレーム2が後車体20に対して後部シャフト55を介して揺動可能に支持されており、前輪11、12及び車体フレーム2を揺動させることができるため、車両の旋回時の旋回半径を小さくして機動性を向上させることができる。また、後輪21、22は揺動しないため、パワーユニット23から後輪21、22を経て地面Gに伝達される駆動力を効率良く伝達することができる。
また、図1に示すように、アッパーセンタージョイント軸58の軸線F1及び中間回動軸65の軸線F2は、側面視で、車体フレーム2の揺動軸線である後部シャフト55の軸線R1に対して、略平行かつ上方にオフセットされている。このように、上リンク部材31の回動軸線となる軸線F1、及び、下リンク部材32の回動軸線となる軸線F2が軸線R1に対して略平行であり、前輪11、12の揺動角と車体フレーム2の揺動角とを略同一とすることができるため、車両の旋回時の走行フィーリングを良好にすることができる。
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、上リンク部材31及び下リンク部材32がヘッドパイプ13の前方に回動可能に支持されるとともに、車体フレーム2が後車体20に対して揺動可能に支持されており、前輪11、12及び車体フレーム2を揺動させることができるため、車両の旋回時の重心移動を可能としつつ、旋回半径を小さくして機動性を向上させることができる。また、後輪21、22は揺動しないため、パワーユニット23から後輪21、22を経て地面Gに伝達される駆動力を効率良く伝達することができる。また、後輪21、22が揺動しないため、接地面積が広くなる幅の広いタイヤを使用することも可能になる。
また、上リンク部材31及び下リンク部材32の回動軸線に対応する軸線F1、F2が車体フレーム2の揺動軸線に対応する軸線R1対して略平行であり、前輪11、12の揺動角と車体フレーム2の揺動角とが略同一となるため、車両の旋回時の走行フィーリングを良好にすることができる。
また、左アーム部材33及び右アーム部材34の下部に緩衝器42を設けるため、左アーム部材33及び右アーム部材34の下方のスペースを有効に利用して緩衝器42を設けることができるとともに、緩衝器42のストローク量も確保し易くなる。
さらに、左アーム部材33及び右アーム部材34の回動軸線33A、34Aと地面Gとの交点T1が、前輪11、12の車軸39から地面Gへの垂線39Aと地面Gとの交点T2に対して車両前方に設けられており、前輪11、12を直進させようとする力が作用するため、フロント2輪式鞍乗型車両1の直進性を向上させることができる。
また、上記の実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。フロント2輪式鞍乗型車両1の細部構成については任意に変更可能であることは勿論である。
1 フロント2輪式鞍乗型車両(鞍乗型揺動四輪車両)
2 車体フレーム
10 前車体
11、12 前輪
13 ヘッドパイプ
19 ハンドル
20 後車体
21、22 後輪
23 パワーユニット
31 上リンク部材
32 下リンク部材
33 左アーム部材(左右アーム部材)
34 右アーム部材(左右アーム部材)
33A、34A 回動軸線(左右アーム部材の回動軸線)
39 車軸
39A 垂線
42 緩衝器
F1 軸線(上リンク部材の回動軸線)
F2 軸線(下リンク部材の回動軸線)
G 地面
R1 軸線(車体フレームの揺動軸線)
T1 交点
T2 交点

Claims (3)

  1. ヘッドパイプ(13)を前方に備える車体フレーム(2)と、車両前方の左右にそれぞれ設けられる前輪(11、12)と、車両後方の左右にそれぞれ設けられる後輪(21、22)と、左右の前記前輪(11、12)を回転可能に支持する左右アーム部材(33、34)と、前記左右アーム部材(33、34)の上端部に回動可能に接続される上リンク部材(31)と、該上リンク部材(31)の下方で前記左右アーム部材(33、34)に回動可能に接続される下リンク部材(32)と、前記ヘッドパイプ(13)に回動可能に支持されるハンドル(19)に接続され、該ハンドル(19)の回動に合わせて前記左右アーム部材(33、34)を回転させる転舵伝達手段(70、71)とを備える鞍乗型揺動四輪車両において、
    前記後輪(21、22)を備える後車体(20)にパワーユニット(23)を設け、前記上リンク部材(31)及び前記下リンク部材(32)は前記ヘッドパイプ(13)の前方に回動可能に支持され、前記車体フレーム(2)は、前記後車体(20)に対して揺動可能に支持され、前記前輪(11、12)は、前記車体フレーム(2)の揺動に合わせて前記上リンク部材(31)及び前記下リンク部材(32)を介して揺動し、
    前記上リンク部材(31)及び前記下リンク部材(32)の回動軸線(F1、F2)は、側面視で、前記後車体(20)に対する前記車体フレーム(2)の揺動軸線(R1)に対して、略平行かつ上方にオフセットされていることを特徴とする鞍乗型揺動四輪車両。
  2. 前記左右アーム部材(33、34)の下部に緩衝器(42)を取り付けたことを特徴とする請求項記載の鞍乗型揺動四輪車両。
  3. 側面視で、前記左右アーム部材(33、34)の回動軸線(33A、34A)と地面(G)との交点(T1)が、前記前輪(11、12)の車軸(39)から前記地面(G)への垂線(39A)と地面(G)との交点(T2)に対して車両前方に設けられることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗型揺動四輪車両。
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