JP5477643B2 - カーボンナノチューブ、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、イオン液体及びポリマーから構成される電極膜、固体電解質膜、アクチュエータ素子 - Google Patents
カーボンナノチューブ、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、イオン液体及びポリマーから構成される電極膜、固体電解質膜、アクチュエータ素子 Download PDFInfo
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しかし、アクチュエータの高速応答性や伸縮率に問題があり、高キャパシタンスの電極膜、高導電率の固体電解質膜を作製する技術が必要であった。
項1. カーボンナノチューブ、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、イオン液体及びポリマーから構成される電極膜。
項2. アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、イオン液体及びポリマーから構成される固体電解質膜。
項3. 前記アルカリ金属塩がリチウム塩であり、前記アルカリ土類金属塩がカルシウム塩および/またはマグネシウム塩である、項1に記載の電極膜または項2に記載の固体電解質膜。
項4. 項1に記載の電極膜層と項2に記載の固体電解質膜層を有する積層体。
項5. 項4に記載の積層体を含むアクチュエータ素子。
項6. 項2に記載の固体電解質膜層の表面に、項1に記載の電極膜層が互いに絶縁状態で少なくとも2個形成され、当該電極膜層に電位差を与えることにより変形可能に構成されている項5に記載のアクチュエータ素子
項7. 以下の工程を含むことを特徴とするアクチュエータ素子の製造方法:
工程1:カーボンナノチューブ、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、イ
オン液体、ポリマーおよび溶媒を含む分散液を調製する工程;
工程2:ポリマーおよび溶媒、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、必要に応じてさらにイオン液体を含む溶液を調製する工程;
工程3:工程1の分散液を用いる電極膜の形成と工程2の溶液を用いる固体電解質膜の形成を同時にあるいは順次行い、電極膜と固体電解質膜の積層体を形成する工程。
項8. 以下の工程を含むことを特徴とするアクチュエータ素子の製造方法:
工程1:カーボンナノチューブ、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、イオン液体、ポリマーおよび溶媒を含む分散液を調製する工程;
工程2:ポリマーおよび溶媒、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、必要に応じてさらにイオン液体を含む溶液を調製する工程;
工程3:工程1の分散液を用いキャスト、印刷、塗布、押し出しまたは射出により、電極膜を形成、その後、必要に応じて、作製した電極膜の熱厚密化を行い、密度を大きくする工程、あるいは数枚の電極膜を熱圧着すると同時に厚密化し、密度を大きくする工程
工程4:工程2の分散液を用いキャスト、印刷、塗布、押し出しまたは射出により、固体電解質膜を形成する工程;
工程5:工程3で形成した電極膜と工程4で形成した固体電解質膜を、圧着により積層し、積層体を形成する工程。
項9. 以下の工程を含むことを特徴とするアクチュエータ素子の製造方法:
工程1:カーボンナノチューブ、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、イオン液体、ポリマーおよび溶媒を含む分散液を調製する工程;
工程2:ポリマーおよび溶媒、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、必要に応じてさらにイオン液体を含む溶液を調製する工程;
工程3:工程1の分散液を用いキャスト後加熱により、電極膜を形成する工程
工程4:工程2の分散液を用いキャスト後加熱により、固体電解質膜を形成する工程;
工程5:工程3で形成した電極膜と工程4で形成した固体電解質膜を、圧着により積層し、積層体を形成する工程。
ノチューブ(MWNT)とに大別され、また、グラフェンシートの構造の違いからカイラル(らせん)型、ジグザグ型、およびアームチェア型に分けられるなど、各種のものが知られている。本発明には、このような所謂カーボンナノチューブと称されるものであれば、いずれのタイプのカーボンナノチューブも用いることができる。
は50μm以上、さらに好ましくは200μm以上、特に500μm以上である。カーボンナノチューブの長さの上限は、特に限定されないが、例えば3mm程度である。
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン((CF3SO2)2N-)、ビス(フルオロメタンスルホニル)イミドイオン((FSO2)2N-)、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドイオン((CF3CF2SO2)2N-)、過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)炭素酸イオン(CF3SO2)3C-)、トリフルオロメタンスルホン酸イオン
(CF3SO3 -)、ジシアンアミドイオン((CN)2N-)、トリフルオロ酢酸イオン(CF3COO-)
、有機カルボン酸イオンおよびハロゲンイオンが例示できる。
[PRxH4−x]+ (IV)
ここで、pは1〜4の整数、qは1〜4の整数、R2はCH3又はC2H5を表す)が挙げられる
。
タンスルホニル)イミドイオン((CF3SO2)2N-)、ビス(フルオロメタンスルホニル)イミドイオン((FSO2)2N-)、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドイオン((CF3CF2SO2)2N-)、過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)炭素酸イオン(CF3SO2)3C-)、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CF3SO3 -)、ジシアンアミドイオン((CN)2N-)、トリフルオロ酢酸イオン(CF3COO-)、有機カルボン酸イオンおよびハロゲンイオンが例示できる。
ものであれば、使用可能である。
レート類、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)などが挙げられる。
カーボンナノチューブ:
1〜98重量部、好ましくは33〜66重量部、より好ましくは17〜50重量部;
イオン液体:
1〜98重量部、好ましくは17〜50重量部、より好ましくは17〜50重量部;
アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩:
1〜98重量部、好ましくは33〜66重量部、より好ましくは5〜30重量部;
ポリマー:1〜98重量部、好ましくは33〜66重量部、より好ましくは17〜50重量部;
である。
カリ土類金属塩、イオン液体、ポリマーを任意の割合で混合して実施することが可能である。得られた電極膜の強度の問題から、CNTは一定以上含まれるのがよい。
意の割合で攪拌などにより混合し、超音波処理を行うのが好ましい。超音波処理時間は、30分から15時間程度、好ましくは1時間〜7時間程度が挙げられる。
その両側から、カーボンナノチューブとイオン液体とポリマー及びアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩を含む電極膜層(電極膜)2,2で挟んだ3層構造のものが挙
げられる(図2A) 。また、電極の表面伝導性を増すために、電極膜層2,2の外側にさらに固体電解質膜層3,3が形成された5層構造のアクチュエータ素子であってもよい(図2B) 。
固体電解質膜層の厚さは、5〜200μmであるのが好ましく、10〜100μmであるのがより
好ましい。電極膜層の厚さは、10〜500μmであるのが好ましく、50〜300μmであるのがより好ましい。また、各層の製膜にあたっては、スピンコート、印刷、スプレー等も用いることができる。さらに、押し出し法、射出法等も用いることができる。
および/またはアルカリ土類金属塩、イオン液体、ポリマーを構成される複数の薄膜を熱圧着などにより積層することもでき、1枚の薄膜からなっていてもよい。
側に曲がるのは、量子化学的効果により、カーボンナノチューブがマイナス極側でより大きくのびる効果があることと、現在よく用いられるイオン液体では、カチオン4のイオン半径が大きく、その立体効果によりマイナス極側がより大きくのびるからであると考えられる。図3において、4はイオン液体のカチオンを示し、5はイオン液体のアニオンを示
す。
のある素子を得ることができる。しかも、構造が簡単で、小型化が容易であり、小電力で作動することができる。
に示すように、平面状の固体電解質膜層1の表面に多数の電極膜層2を配置することにより、複雑な動きをさせることも可能である。このような素子により、蠕動運動による運搬や、マイクロマニピュレータなどを実現可能である。また、本発明のアクチュエータ素子の形状は、平面状とは限らず、任意の形状の素子が容易に製造可能である。例えば、図4に示すものは、径が1mm程度の固体電解質膜層1のロッドの周囲に4本の電極膜層2を形成したものである。この素子により、細管内に挿入できるようなアクチュエータが実現可能である。
1. 使用した薬品、材料
エチルメチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(EMITFSI)エチルメチルイミダゾリウム テトラフルオロボレート(EMIBF4)
実施例および比較例で用いたカーボンナノチューブは、一酸化炭素を原料として比較的量産が可能なHiPco(カーボン・ナノテクノロジー・インコーポレーテッド社製)も使
用した。
使用したイオン伝導体用ベースポリマー:ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF(HFP)) (III)
N,N’-ジメチルアセトアミド(DMAc)
プロピレンカーボネート(PC)
メチルペンタノン(MP)
アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩:
Li[BF4], Li[TFSI], Mg[TFSI], Ca[TFSI]
法
加えた時の5mmの位置の変位を測定した。また伸縮率(ε)は
D:素子の厚さ
δ:変位
作成した固体電解質膜を直径7mmに切り取り、ステンレス製の電極で挟み込んで、インピーダンス測定を行った。
4.キャパシタンス測定
電極フィルム中のカーボンナノチューブのグラム当りの容量値として(Fg-1)表した。
作成した電極フィルム、固体電解質膜、およびそれらの積層体からなるアクチュエータ素子フィルムの厚みは、マイクロメーターを用いて測定した。
電極膜の作製
CNT50mg、 PVdF(HFP) 80 mg EMIBF4 120 mg LiBF45.68mgを試料瓶にとり、溶媒DMAc 4mlを入れマグネティックスターラーで撹拌を3日間行う。さらに試料瓶を超音波分散(20KHz)1時間、その後、溶媒DMAc 5mlを入れマグネティックスターラーで撹拌を1日間行
い、超音波分散(20KHz)4時間してキャスト液を得た。その後、試料瓶を逆さまにしても
流れない程度に固化した。CNTが分散し、ネットワークを作ることによってゲル状になり
、固化したものと思われる。25mm角のテフロン(登録商標)型に上記キャスト液をそれぞれ2.4mlキャストし、温度55℃で一昼夜乾燥した。その後、温度を80℃にして減圧乾燥一
昼夜行い、電極膜を得た。
固体電解質膜の作製
PVdF(HFP) 200 mg EMIBF4 200 mg, LiBF4 9.47mgを試料瓶にとり、溶媒PC 500mg, MP 6mlを入れ、80℃で、撹拌を3時間行い、キャスト液を得た。25mm角のテフロン(
登録商標)型に上記キャスト液をそれぞれ0.5mlキャストし、室温で一昼夜乾燥した。そ
の後、温度を80℃にして減圧乾燥一昼夜行い、電解質膜を得た。共通実験法に従い測定した。この膜の特性を表1に示す。固体電解質膜は比較例1と比べて、導電率が飛躍的に上昇していることがわかる。
り、電極/固体電解質/電極複合体素子を作成した。電極間に周波数の異なる±2.0Vの三角波電圧を加えた時に観測された変位を表2に示す。また素子のキャパシタンスの結果を表1に示す。素子のキャパシタンス及び応答性能(高速応答)は比較例1と比べて飛躍的に上昇していることがわかる。
電極膜の作製
実施例1のうち、LiBF4 5.68mgを28.4mgに変更して行った。
固体電解質膜の作製
実施例1のうち、LiBF4 9.47mgを47.4mgに変更して行った。この膜の特性を表3に示す。固体電解質膜の導電率は比較例1と比べて、飛躍的に大きくなっていることがわかる。
電極間に周波数の異なる±2.0Vの三角波電圧を加えた時に観測された変位を表4に示す。また素子のキャパシタンスの結果を表3に示す。素子のキャパシタンス及び応答性能(高速応答)が比較例1と比べて飛躍的に上昇していることがわかる。
電極膜の作製
実施例1のうち、LiBF4 5.68mgを56.8mgに変更して行った。
固体電解質膜の作製
実施例1のうち、LiBF4 9.47mgを94.7mgに変更して行った。
電極間に周波数の異なる±2.0Vの三角波電圧を加えた時に観測された変位を表6に示す。また素子のキャパシタンスの結果を表5に示す。素子のキャパシタンス及び応答性能が比較例1と比べて飛躍的に上昇していることがわかる。
電極膜の作製
実施例1のうち、LiBF4 5.68mgを0mgに変更して行った。
固体電解質膜の作製
実施例1のうち、LiBF4 9.47mgを0mgに変更して行った。この膜の特性を表7に示
す。実施例1―2の結果から、比較例1と比べ導電率が飛躍的も大きくなっていることがわかる。
電極間に周波数の異なる±2.0Vの三角波電圧を加えた時に観測された変位を表8に示す。また素子のキャパシタンスの結果を表7に示す。実施例1―2の結果から、素子のキャパシタンス及び応答性能(高速応答)が飛躍的に上昇していることがわかる。また実施例3の結果から、比較例1と比べて素子のキャパシタンス及び応答性能が飛躍的に上昇していることがわかる。
電極膜の作製
CNT50mg、 PVdF(HFP) 80 mg EMITFSI 237.2 mg LiTFSI 17.4mgを試料瓶にとり、
溶媒DMAc4mlを入れマグネティックスターラーで撹拌を3日間行った。さらに試料瓶を超音波分散(20KHz)1時間、その後、溶媒DMAc5mlを入れマグネティックスターラーで撹拌を1
日間行い、超音波分散(20KHz)4時間してキャスト液を得た。その後、試料瓶を逆さまに
しても流れない程度に固化した。CNTが分散し、ネットワークを作ることによってゲル状
になり、固化したものと思われる。25mm角のテフロン(登録商標)型に上記キャスト液をそれぞれ2.4mlキャストし、温度55℃で一昼夜乾燥した。その後、温度を80℃にして減圧
乾燥一昼夜行い、電極膜を得た。
固体電解質膜の作製
PVdF(HFP) 200 mg EMITFSI 395.3 mg LiTFSI 29.0mgを試料瓶にとり、溶媒PC 500mg, MP 6mlを入れ、80℃で、撹拌を3時間行い、キャスト液を得た。25mm角のテフロン(登録
商標)型に上記キャスト液をそれぞれ0.5mlキャストし、室温で一昼夜乾燥した。その後
、温度を80℃にして減圧乾燥一昼夜行い、電解質膜を得た。共通実験法に従い測定した、この膜の特性を表9に示す。固体電解質膜は比較例2と比べて、導電率が飛躍的に大きく
なっていることがわかる。
より、電極/固体電解質/電極複合体素子を作成した。電極間に周波数の異なる±2.0Vの三角波電圧を加えた時に観測された変位を表10に示す。また素子のキャパシタンスの結果を表9に示す。また素子のキャパシタンス及び応答性能(高速応答)が比較例2と比べて飛躍的に上昇していることがわかる。
電極膜の作製
実施例4のうち、LiTFSI 17.4mgを52.2mgに変更して行った。
固体電解質膜の作製
実施例4のうち、LiTFSI 29.0mgを87.0mgに変更して行った。この膜の特性を表11に
示す。電解質膜は比較例2と比べて、導電率が飛躍的に大きくなっていることがわかる。電極間に周波数の異なる±2.0Vの三角波電圧を加えた時に観測された変位を表12に示す。また素子のキャパシタンスの結果を表11に示す。素子のキャパシタンス及び応答性能(高速応答)が飛躍的に上昇していることがわかる。
電極膜の作製
実施例4のうち、LiTFSI 17.4mgを87.0mgに変更して行った。
固体電解質膜の作製
実施例4のうち、LiTFSI 29.0mgを145.0mgに変更して行った。
電極間に周波数の異なる±2.0Vの三角波電圧を加えた時に観測された変位を表14に示す。また素子のキャパシタンスの結果を表13に示す。素子のキャパシタンス及び応答性能が比較例2と比べて飛躍的に上昇していることがわかる。
電極膜の作製
実施例4のうち、LiTFSI 17.4mgを174.0mgに変更して行った。
固体電解質膜の作製
実施例4のうち、LiTFSI 29.0mgを290.0mgに変更して行った。
電極間に周波数の異なる±2.0Vの三角波電圧を加えた時に観測された変位を表16に示す。また素子のキャパシタンスの結果を表15に示す。素子のキャパシタンス及び応答性能が比較例2と比べて飛躍的に上昇していることがわかる。
電極膜の作製
実施例2のうち、LiTFSI 17.4mgを0mgに変更して行った。
固体電解質膜の作製
実施例2のうち、LiTFSI 29.0mgを0mgに変更して行った。
この膜の特性を表17に示す。実施例4―5の結果から、固体電解質導電率が飛躍的も大きくなっていることがわかる。
実施例5の結果から、素子のキャパシタンス及び応答性能(高速応答)が飛躍的に上昇していることがわかる。また実施例6−7の結果から、素子のキャパシタンス及び応答性能が飛躍的に上昇していることがわかる。
電極膜の作製
CNT50mg、 PVdF(HFP) 80 mg EMITFSI 237.2 mg MgTFSI 35.4mgを試料瓶にとり、
溶媒DMAc4mlを入れマグネティックスターラーで撹拌を3日間行った。さらに試料瓶を超音波分散(20KHz)1時間、その後、溶媒DMAc5mlを入れマグネティックスターラーで撹拌を1
日間行い、超音波分散(20KHz)4時間してキャスト液を得た。その後、試料瓶を逆さまに
しても流れない程度に固化した。CNTが分散し、ネットワークを作ることによってゲル状
になり、固化したものと思われる。25mm角のテフロン(登録商標)型に上記キャスト液をそれぞれ2.4mlキャストし、温度55℃で一昼夜乾燥した。その後、温度を80℃にして減圧
乾燥一昼夜行い、電極膜を得た。
固体電解質膜の作製
PVdF(HFP) 200 mg EMITFSI 395.3 mg MgTFSI 59.1mgを試料瓶にとり、溶媒PC 500mg, MP 6mlを入れ、80℃で、撹拌を3時間行い、キャスト液を得た。25mm角のテフロン(登録
商標)型に上記キャスト液をそれぞれ0.5mlキャストし、室温で一昼夜乾燥した。その後
、温度を80℃にして減圧乾燥一昼夜行い、固体電解質膜を得た。共通実験法に従い測定した、この膜の特性を表19にまとめる。固体電解質膜は比較例2と比べて、導電率が飛躍
的も大きくなっていることがわかる。
より、電極/電解質/電極複合体素子を作成した。電極間に周波数の異なる±2.0Vの三角波電圧を加えた時に観測された変位を表20にまとめる。また素子のキャパシタンス及び応答性能(高速応答を含む)が比較例2と比べて飛躍的に上昇していることわかる。
電極膜の作製
CNT50mg、 PVdF(HFP) 80 mg EMITFSI 237.2 mg CaTFSI 18.2mgを試料瓶にとり、
溶媒DMAc4mlを入れマグネティックスターラーで撹拌を3日間行った。さらに試料瓶を超音波分散(20KHz)1時間、その後、溶媒DMAc5mlを入れマグネティックスターラーで撹拌を1
日間行い、超音波分散(20KHz)4時間してキャスト液を得た。その後、試料瓶を逆さまに
しても流れない程度に固化した。CNTが分散し、ネットワークを作ることによってゲル状
になり、固化したものと思われる。25mm角のテフロン(登録商標)型に上記キャスト液をそれぞれ2.4mlキャストし、温度55℃で一昼夜乾燥した。その後、温度を80℃にして減圧
乾燥一昼夜行い、電極膜を得た。
固体電解質膜の作製
PVdF(HFP) 200 mg EMITFSI 395.3 mg CaTFSI 30.3mgを試料瓶にとり、溶媒PC 500mg, MP 6mlを入れ、80℃で、撹拌を3時間行い、キャスト液を得た。25mm角のテフロン(登録
商標)型に上記キャスト液をそれぞれ0.5mlキャストし、室温で一昼夜乾燥した。その後
、温度を80℃にして減圧乾燥一昼夜行い、固体電解質膜を得た。共通実験法に従い測定した。この膜の特性を表21にまとめる。固体電解質膜は比較例2と比べて、導電率が飛躍
的も大きくなっていることがわかる。
極複合体素子を作成した。電極間に周波数の異なる±2.0Vの方形波電圧を加えた時に観測された変位を表22にまとめる。また素子のキャパシタンスの結果を表21に示す。素子のキャパシタンス及び応答性能(高速応答を含む)が比較例2と比べて飛躍的に上昇していることがわかる。
電極膜の作製
実施例9のうち、CaTFSI 18.2mgを36.4mgに変更して行った。
電解質膜の作製
実施例9のうち、CaTFSI 30.3mgを60.6mgに変更して行った。この膜の特性を表23に
まとめる。電解質膜は比較例2と比べて、導電率が飛躍的に大きくなっていることがわかる。
電極間に周波数の異なる±2.0Vの方形波電圧を加えた時に観測された変位を表24にまとめる。また素子のキャパシタンスの結果を表23に示す。素子のキャパシタンス及び応答性能(高速応答を含む)が比較例2と比べて飛躍的に上昇していることがわかる。
Claims (7)
- カーボンナノチューブ、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、イオン液体及びポリマーから構成される電極膜であって、前記アルカリ金属塩がリチウム塩であり、前記アルカリ土類金属塩がカルシウム塩および/またはマグネシウム塩であり、イオン液体のアニオン成分とアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩のアニオン成分は同一であり、前記アニオン成分は、BF 4 - 、BF 3 CF 3 - 、BF 3 C 2 F 5 - 、BF 3 C 3 F 7 - 、BF 3 C 4 F 9 - 、PF 6 - 、(CF 3 SO 2 ) 2 N - 、(FSO 2 ) 2 N - 、(CF 3 CF 2 SO 2 ) 2 N - 、ClO 4 - 、CF 3 SO 2 ) 3 C - 、CF 3 SO 3 - 、(CN) 2 N - 、CF 3 COO - 及びハロゲンイオンからなる群から選ばれる、電極膜。
- 請求項1に記載の電極膜層とアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、イオン液体及びポリマーから構成される固体電解質膜を有する積層体であって、前記アルカリ土類金属塩がカルシウム塩および/またはマグネシウム塩であり、イオン液体のアニオン成分とアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩のアニオン成分は同一であり、前記アニオン成分は、BF 4 - 、BF 3 CF 3 - 、BF 3 C 2 F 5 - 、BF 3 C 3 F 7 - 、BF 3 C 4 F 9 - 、PF 6 - 、(CF 3 SO 2 ) 2 N - 、(FSO 2 ) 2 N - 、(CF 3 CF 2 SO 2 ) 2 N - 、ClO 4 - 、CF 3 SO 2 ) 3 C - 、CF 3 SO 3 - 、(CN) 2 N - 、CF 3 COO - 及びハロゲンイオンからなる群から選ばれる、積層体。
- 請求項2に記載の積層体を含むアクチュエータ素子。
- 請求項2に記載の固体電解質膜層の表面に、請求項1に記載の電極膜層が互いに絶縁状態で少なくとも2個形成され、当該電極膜層に電位差を与えることにより変形可能に構成されている、請求項3に記載のアクチュエータ素子。
- 以下の工程:
工程1:カーボンナノチューブ、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、イオン液体、ポリマーおよび溶媒を含む分散液を調製する工程;
工程2:ポリマーおよび溶媒、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、必要に応じてさらにイオン液体を含む溶液を調製する工程;
工程3:工程1の分散液を用いる電極膜の形成と工程2の溶液を用いる固体電解質膜の形成を同時にあるいは順次行い、電極膜と固体電解質膜の積層体を形成する工程、
を含むことを特徴とするアクチュエータ素子の製造方法であって、前記アルカリ金属塩がリチウム塩であり、前記アルカリ土類金属塩がカルシウム塩および/またはマグネシウム塩であり、イオン液体のアニオン成分とアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩のアニオン
成分は同一であり、前記アニオン成分は、BF 4 - 、BF 3 CF 3 - 、BF 3 C 2 F 5 - 、BF 3 C 3 F 7 - 、BF 3 C 4 F 9 - 、PF 6 - 、(CF 3 SO 2 ) 2 N - 、(FSO 2 ) 2 N - 、(CF 3 CF 2 SO 2 ) 2 N - 、ClO 4 - 、CF 3 SO 2 ) 3 C - 、CF 3 SO 3 - 、(CN) 2 N - 、CF 3 COO - 及びハロゲンイオンからなる群から選ばれる、アクチュエータ素子の製造方法。 - 以下の工程:
工程1:カーボンナノチューブ、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、イオン液体、ポリマーおよび溶媒を含む分散液を調製する工程;
工程2:ポリマーおよび溶媒、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、必要に応じてさらにイオン液体を含む溶液を調製する工程;
工程3:工程1の分散液を用いキャスト、印刷、塗布、押し出しまたは射出により、電極膜を形成、その後、必要に応じて、作製した電極膜の熱厚密化を行い、密度を大きくする工程、あるいは数枚の電極膜を熱圧着すると同時に厚密化し、密度を大きくする工程
工程4:工程2の分散液を用いキャスト、印刷、塗布、押し出しまたは射出により、固体電解質膜を形成する工程;
工程5:工程3で形成した電極膜と工程4で形成した固体電解質膜を、圧着により積層し、積層体を形成する工程、
を含むことを特徴とするアクチュエータ素子の製造方法であって、前記アルカリ金属塩がリチウム塩であり、前記アルカリ土類金属塩がカルシウム塩および/またはマグネシウム塩であり、イオン液体のアニオン成分とアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩のアニオン成分は同一であり、前記アニオン成分は、BF 4 - 、BF 3 CF 3 - 、BF 3 C 2 F 5 - 、BF 3 C 3 F 7 - 、BF 3 C 4 F 9 - 、PF 6 - 、(CF 3 SO 2 ) 2 N - 、(FSO 2 ) 2 N - 、(CF 3 CF 2 SO 2 ) 2 N - 、ClO 4 - 、CF 3 SO 2 ) 3 C - 、CF 3 SO 3 - 、(CN) 2 N - 、CF 3 COO - 及びハロゲンイオンからなる群から選ばれる、アクチュエータ素子の製造方法。 - 以下の工程:
工程1:カーボンナノチューブ、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、イオン液体、ポリマーおよび溶媒を含む分散液を調製する工程;
工程2:ポリマーおよび溶媒、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩、必要に応じてさらにイオン液体を含む溶液を調製する工程;
工程3:工程1の分散液を用いキャスト後加熱により、電極膜を形成する工程
工程4:工程2の分散液を用いキャスト後加熱により、固体電解質膜を形成する工程;
工程5:工程3で形成した電極膜と工程4で形成した固体電解質膜を、圧着により積層し、積層体を形成する工程、
を含むことを特徴とするアクチュエータ素子の製造方法であって、前記アルカリ金属塩がリチウム塩であり、前記アルカリ土類金属塩がカルシウム塩および/またはマグネシウム塩であり、イオン液体のアニオン成分とアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩のアニオン成分は同一であり、前記アニオン成分は、BF 4 - 、BF 3 CF 3 - 、BF 3 C 2 F 5 - 、BF 3 C 3 F 7 - 、BF 3 C 4 F 9 - 、PF 6 - 、(CF 3 SO 2 ) 2 N - 、(FSO 2 ) 2 N - 、(CF 3 CF 2 SO 2 ) 2 N - 、ClO 4 - 、CF 3 SO 2 ) 3 C - 、CF 3 SO 3 - 、(CN) 2 N - 、CF 3 COO - 及びハロゲンイオンからなる群から選ばれる、アクチュエータ素子の製造方法。
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