JP5476568B2 - チオフェン誘導体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、チオフェン誘導体の製造方法に関する。
ピロール誘導体、アニリン誘導体、チオフェン誘導体等に代表される芳香族モノマーは導電性高分子の製造に供され、実用化に向けさまざまな研究がなされてきた。特にチオフェン誘導体を原料とする高分子は高導電性に加えて高透明性を有することから、チオフェン誘導体は重要な芳香族モノマーである。
チオフェン誘導体の中でも3,4−エチレンジオキシチオフェンは固体電解コンデンサや導電性付与剤等の原料として実用化されている。
この3,4−エチレンジオキシチオフェンの製造方法として、3,4−ジメトキシチオフェンをp−トルエンスルホン酸の存在下、エチレングリコールと共にトルエン中で加熱還流させる製造方法が知られている(非特許文献1)。
一方、3,4−ジメトキシチオフェンは、3,4−ジブロモチオフェンをメタノール溶液中でヨウ化カリウムおよび酸化銅の存在下に金属ナトリウムと反応させる製造方法により得られることも知られている(非特許文献2)。
しかしながらこれらの製造方法により得られた3,4−エチレンジオキシチオフェンの純度は十分でないため、この3,4−エチレンジオキシチオフェンを原料として高分子を製造した場合、得られた高分子の導電性等の性能が十分ではないとの問題があった。
この改善策として、得られた3,4−エチレンジオキシチオフェンを精製する方法もあるが、最終的に得られる高純度の3,4−エチレンジオキシチオフェンの収率が低くなる等の問題があった。
Synthetic Communications,28(12),2237-2244(1998) Tetrahedron Letters,45,6049-6050(2004)
本発明の目的は、高純度のチオフェン誘導体を与える製造方法を提供することにあり、中でも高純度のチオフェン誘導体を高収率で与える製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため発明者らが鋭意検討した結果、アルコール系溶媒中でハロゲン化チオフェンとアルカリ金属アルコキシドとを反応させる工程に、アルコール系溶媒を系外へ留去する工程を含む下記の製造方法が本発明の目的に適うことを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
[1]一般式(1)

(式中のXはそれぞれ独立し、互いに同じであっても異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子のいずれかを表す。)
により表されるハロゲン化チオフェンと
アルカリ金属アルコキシドとを、アルコール系溶媒中で反応させる工程であって、アルコール系溶媒を反応系外へ留去する操作を含む工程により、
一般式(2)

(式中のRおよびRはそれぞれ独立し、互いに同じであっても異なっていてもよく、鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜20のアルキル基またはアリール基を表す。)
により表されるジアルコキシチオフェンを得る工程と、
前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンと
一般式(3)

(式中のZはそれぞれ独立して酸素原子またはイオウ原子であり、Rは鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜20のアルキレン基または炭素数が1〜20のアリーレン基を表す。)
により表される化合物とを、
一般式(4)

(式中のRおよびRはそれぞれ独立し、互いに同じであっても異なっていてもよく、鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜20のアルキル基またはアリール基を表す。)
により表される化合物を反応系外へ留去しながら反応させる工程と、
を含むことを特徴とする、
一般式(5)

(式中のZはそれぞれ独立して酸素原子またはイオウ原子であり、Rは鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜20のアルキレン基または炭素数が1〜20のアリーレン基を表す。)
により表されるチオフェン誘導体の製造方法を提供するものである。
また本発明は、
[2]前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンを得る工程が、
(a)アルコール系溶媒中で前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンとアルカリ金属アルコキシドとを混合し、次にアルコール系溶媒を反応系外へ留去する操作、
(b)アルコール系溶媒を反応系外へ留去しながらアルコール系溶媒中で前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンとアルカリ金属アルコキシドとを混合する操作、および
(c)アルカリ金属アルコキシドのアルコール系溶液からアルコール系溶媒を反応系外へ留去した後、アルコール溶液中で前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンとアルカリ金属アルコキシドとを混合する操作、
からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、上記[1]に記載のチオフェン誘導体の製造方法を提供するものである。
また本発明は、
[3]前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンを得る工程が、銅触媒の存在の下、反応前のアルカリ金属アルコキシドの全量を基準として、前記アルカリ金属アルコキシドのアルコール系溶媒に対する濃度が15重量%〜55重量%の範囲により実施される、上記[1]または[2]に記載のチオフェン誘導体の製造方法を提供するものである。
また本発明は、
[4]前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンを得る工程が、反応前のアルカリ金属アルコキシドの全量を基準として、前記アルカリ金属アルコキシドのアルコール系溶媒に対する濃度を15重量%から50重量%の範囲内で増加させながら、アルコール系溶媒を反応系外へ留去する操作を含む、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のチオフェン誘導体の製造方法を提供するものである。
また本発明は、
[5]前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンを得る工程が、反応前のアルカリ金属アルコキシドの全量を基準として、前記アルカリ金属アルコキシドのアルコール系溶媒に対する濃度が、反応終了時点で30重量%から50重量%の範囲である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のチオフェン誘導体の製造方法を提供するものである。
また本発明は、
[6]前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンと前記一般式(3)により表される化合物とを反応させる工程が、
一般式(6)

(式中、Rは鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜6のアルキル基を表す。)、
一般式(7)

(式中、RおよびRはそれぞれ独立し、互いに同じであっても異なっていてもよく、鎖状のまたは分岐鎖 状の炭素数が1〜6のアルキル基を表す。)および
一般式(8)

(式中、R、RおよびRはそれぞれ独立し、互いに同じであっても異なっていてもよく、鎖状のまたは 分岐鎖状の炭素数が1〜6のアルキル基を表す。)
からなる群より選ばれる少なくとも一つにより表される芳香族スルホン酸の存在下に実施される、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のチオフェン誘導体の製造方法を提供するものである。
また本発明は、
[7]前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンと前記一般式(3)により表される化合物とを反応させる工程が、
芳香族有機溶媒と共に前記一般式(4)により表される化合物を共沸させる工程と、
共沸した前記芳香族有機溶媒と前記一般式(4)により表される化合物とを冷却することにより、前記芳香族有機溶媒と前記一般式(4)により表される化合物との混合液を得る工程と、
前記混合液を水と接触させ、前記一般式(4)により表される化合物を除去する工程と、
を含む、上記[1]〜[6]のいずれかに記載のチオフェン誘導体の製造方法を提供するものである。
また本発明は、
[8]前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンと前記一般式(3)により表される化合物との反応溶液と、グリコール類とを混合する工程と、
前記反応溶液とグリコール類との混合液からグリコール類を分液除去する工程と、
を含む、上記[1]〜[7]のいずれかに記載のチオフェン誘導体の製造方法を提供するものである。
また本発明は、
[9]前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体を、ポリオール類の存在下に蒸留する工程を含む、上記[1]〜[8]のいずれかに記載のチオフェン誘導体の製造方法を提供するものである。
また本発明は、
[10]前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンを得る工程により得られた前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンに含まれる前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンの含有量が、0.05%以下である、上記[1]〜[9]のいずれかに記載のチオフェン誘導体の製造方法を提供するものである。
また本発明は、
[11]前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体に含まれる前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンの含有量が、0.05%以下である、上記[1]〜[10]のいずれかに記載のチオフェン誘導体の製造方法を提供するものである。
また本発明は、
[12]前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体が、3,4−エチレンジオキシチオフェンである、上記[1]〜[11]のいずれかに記載のチオフェン誘導体の製造方法を提供するものである。
また本発明は、
[13]一般式(1)

(式中のXはそれぞれ独立し、互いに同じであっても異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子のいずれかを表す。)
により表されるハロゲン化チオフェンとアルカリ金属アルコキシドとを、アルコール系溶媒中で反応させる方法であって、
反応前のアルカリ金属アルコキシドの全量を基準として、前記アルカリ金属アルコキシドのアルコール系溶媒に対する濃度を15重量%から50重量%の範囲内で増加させながら、アルコール系溶媒を反応系外へ留去する操作を含むことを特徴とする、
一般式(2)

(式中のRおよびRはそれぞれ独立し、互いに同じであっても異なっていてもよく、鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜20のアルキル基またはアリール基を表す。)
により表されるジアルコキシチオフェンの製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンが高純度で得られるため、前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体を製造する際に不純物が混入しない。この結果、高純度の一般式(5)により表されるチオフェン誘導体が高収率で得られ、中でもガスクロマトグラフィーによる純度が99.5%以上のチオフェン誘導体を与えることができる。
以下に本発明の製造方法について詳細に説明する。
まず本発明の製造方法に使用する一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンについて説明する。
一般式(1)

により表されるハロゲン化チオフェンは3位および4位の位置にハロゲン原子が置換したものであり、式中のXはそれぞれ独立し、互いに同じであっても異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子のいずれかである。
具体的には、例えば、3,4−ジフルオロチオフェン、3,4−ジクロロチオフェン、3,4−ジブロモチオフェン、3,4−ジヨードチオフェン、3−クロロ−4−フルオロチオフェン、3−ブロモ−4−フルオロチオフェン、3−ヨード−4−フルオロチオフェン、3−ブロモ−4−クロロチオフェン、3−クロロ−4−ヨードチオフェン、3−ブロモ−4−ヨードチオフェン等を挙げることができる。
これらの中でも価格や取扱の面で3,4−ジフルオロチオフェン、3,4−ジクロロチオフェン、3,4−ジブロモチオフェン、3,4−ジヨードチオフェン等が好ましく、3,4−ジブロモチオフェンであればさらに好ましい。
前記ハロゲン化チオフェンは一種もしくは二種以上を使用することができる。
また本発明に使用するアルカリ金属アルコキシドとしては、例えば、鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜20の水酸基含有脂肪族化合物とアルカリ金属とを反応させたもの、炭素数が1〜20の水酸基含有芳香族化合物等とアルカリ金属とを反応させたものであり、具体的には、例えば、炭素数が1〜20の脂肪族一級アルコールとアルカリ金属とを反応させて得られたもの、炭素数が1〜20の脂肪族二級アルコールとアルカリ金属とを反応させて得られたもの、炭素数が1〜20の脂肪族三級アルコールとアルカリ金属とを反応させて得られたもの、炭素数が1〜20の水酸基含有ベンゼン環含有化合物とアルカリ金属とを反応させて得られたもの等を挙げることができる。
さらに具体的には、例えば、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムプロポキシド、リチウムブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムプロポキシド、カリウムブトキシド、リチウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシド、カリウムフェノキシド等を挙げることができる。
これらの中でも取扱性の面でナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド等が好ましく、ナトリウムメトキシドであればさらに好ましい。
前記アルカリ金属アルコキシドは一種もしくは二種以上を使用することができる。
次に前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンとアルカリ金属アルコキシドとを反応させる工程について説明する。
前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンとアルカリ金属アルコキシドとを、アルコール溶液中で反応させる工程により、
一般式(2)

により表されるジアルコキシチオフェンを得ることができる。
ここで式中のRおよびRはそれぞれ独立し、互いに同じであっても異なっていてもよく、鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜20のアルキル基またはアリール基を表すものである。
前記RおよびRは、具体的にはそれぞれメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基等を挙げることができる。
これらの中でも反応性や取扱性の面でメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が好ましく、メチル基であればさらに好ましい。
前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンとしては、具体的には、例えば3,4−ジメトキシチオフェン、3−メトキシ−4−エトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェン、3−メトキシ−4−プロポキシチオフェン、3−エトキシ−4−プロポキシチオフェン、3,4−ジプロポキシチオフェン、3−ブトキシ−4−メトキシチオフェン、3−ブトキシ−4−エトキシチオフェン、3−ブトキシ−4−プロポキシチオフェン、3,4−ジブトキシチオフェン等が挙げられる。
次に前記アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、メトキシメタノール、メトキシエタノール、メトキシプロパノール、メトキシブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等を挙げることができる。
前記アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が好ましく、メタノールであればさらに好ましい。
アルコール系溶媒は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンと前記アルカリ金属アルコキシドとをアルコール系溶媒中で反応させる工程は、前記アルコール系溶媒を反応系外へ留去する操作を含むものである。
前記アルコール系溶媒を反応系外へ留去する操作は、反応系を前記アルコール系溶媒の沸点以上の温度に加熱する方法、減圧下に反応系を前記アルコール系溶媒の沸点以上の温度に加熱する方法等により実施することができる。
また前記アルコール系溶媒を反応系外へ留去する操作は、前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンと前記アルカリ金属アルコキシドとをアルコール系溶媒中で混合してから実施してもよいし、前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンと前記アルカリ金属アルコキシドとをアルコール系溶媒中で混合しながら実施してもよい。
また反応容器内で前記アルカリ金属アルコキシドを前記アルコール系溶媒に溶解または懸濁させておき、前記アルコール系溶媒を反応系外へ留去する操作を実施してから前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンと前記アルカリ金属アルコキシドとをアルコール系溶媒中で混合してもよい。
前記アルコール系溶媒を反応系外へ留去する操作は、前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンと前記アルカリ金属アルコキシドとをアルコール系溶媒中で混合した後に実施するか、前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンと前記アルカリ金属アルコキシドとをアルコール系溶媒中で混合しながら実施することが好ましい。
前記アルコール系溶媒を反応系外へ留去する操作により、前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンと前記アルカリ金属アルコキシドとが速やかに反応するため、高純度の前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンを得ることができる。
前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンと前記アルカリ金属アルコキシドとの反応は、前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンと前記アルカリ金属アルコキシドとを混合することにより実施することができるが、具体的には、反応容器に前記アルコール系溶媒と前記アルカリ金属アルコキシドとを予め入れておき、前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンを連続的または断続的に加える操作、反応容器に前記アルコール系溶媒を入れておき、前記アルカリ金属アルコキシドと前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンとを連続的または断続的に反応容器に加える操作等により実施することができる。
また、前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンと前記アルカリ金属アルコキシドとの反応温度は、40〜200℃の範囲が好ましく、60〜150℃の範囲であればより好ましい。
前記反応温度は、前記アルコール系溶媒(溶質を含まない単体)の常温常圧下における沸点を超える温度で実施することがさらに好ましく、具体的には65〜130℃の範囲であることが最も好ましい。
また、前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンと前記アルカリ金属アルコキシドとの反応時間は、1〜20時間の範囲が好ましく、2〜8時間の範囲であればより好ましい。
本発明に使用するアルカリ金属アルコキシドのアルコール系溶媒に対する濃度は、反応前のアルカリ金属アルコキシドの全量を基準として、15〜55重量%の範囲であることが好ましく、20〜50重量%の範囲であればさらに好ましい。
前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンと前記アルカリ金属アルコキシドとをアルコール系溶媒中で混合する際には、前記アルコール系溶媒を反応系外へ留去しながら、アルカリ金属アルコキシドのアルコール系溶媒に対する濃度が、反応前のアルカリ金属アルコキシドの全量を基準として、15重量%から50重量%の範囲内で増加するように実施することが好ましく、20重量%から50重量%の範囲内で増加するように実施することが好ましい。
例えば、反応前のアルカリ金属アルコキシドの全量を基準として、反応前のアルカリ金属アルコキシドのアルコール系溶媒に対する濃度が30重量%であり、反応終了時点のアルカリ金属アルコキシドのアルコール系溶媒に対する濃度が40重量%であれば、アルカリ金属アルコキシドのアルコール系溶媒に対する濃度が15重量%から50重量%の範囲内で増加するように実施したことになる。
この様に前記アルコール系溶媒を反応系外へ留去しながら、アルカリ金属アルコキシドのアルコール系溶媒に対する濃度を増加させて前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンと前記アルカリ金属アルコキシドとをアルコール系溶媒中で混合することにより、高純度かつ高収率で前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンが得られる。
前記濃度を増加させる方法は、例えば、段階的に実施してもよいし、連続的に実施してもよい。
また前記アルカリ金属アルコキシドのアルコール系溶媒に対する濃度は、反応前のアルカリ金属アルコキシドの全量を基準として、反応終了時点で30重量%から50重量%の範囲であればさらに好ましい。
なお前記反応終了時点とは、反応混合物におけるガスクロマトグラフィーによる前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンの濃度が、前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンおよび前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンの合計に対して0.05%以下となったときをいうが、好ましくは0.001%未満となったときである。
また前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンと前記アルカリ金属アルコキシドとをアルコール系溶媒中で混合する際には、触媒を使用することができる。
前記触媒としては、例えば、フッ化銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅等のハロゲン化銅、酸化銅等の銅触媒等を挙げることができる。
反応終了後、例えば水等を加えて濾過した後、粗生成物を有機溶媒により抽出し、得られた有機溶液層を水洗し、乾燥させる。
前記有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族有機溶媒等が挙げられる。
前記粗生成物の有機溶液の乾燥としては、例えば、前記粗生成物の有機溶液を減圧下に加熱還流させ、共沸する水を分離除去する等の操作により実施することができる。
前記乾燥後、有機溶媒を留去することにより、前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンを得ることができる。
前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンを、例えば減圧蒸留する等の蒸留操作等により、前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンのガスクロマトグラフィーによる含有量が0.05%以下である前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンを得ることができる。
次に前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンと
一般式(3)
により表される化合物とを反応させる工程について説明する。
本発明に使用する前記一般式(3)により表される化合物としては、例えば、Zはそれぞれ独立して酸素原子またはイオウ原子であり、Rが、鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜20のアルキレン基、炭素数が1〜20のアリーレン基のもの等を挙げることができる。
具体的には、例えば、エチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,2−ジオール、ペンタン−1,2−ジオール、ブタン−2,3−ジオール、ペンタン−2,3−ジオール、ヘキサン−3,4−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ペンタン−1,3−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、1,2−ジヒドロキシベンゼン、 1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール等が挙げられる。
前記一般式(3)により表される化合物は一種もしくは二種以上を使用することができる。前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンについても同様である。
前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンと前記一般式(3)により表される化合物とを反応させる工程は、反応容器に予め入れておいた溶媒中で、前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンと前記一般式(3)により表される化合物とを混合すること等により実施することができる。
前記混合は、例えば、最初から反応容器内に一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンと一般式(3)により表される化合物とを入れておく操作、一般式(3)により表される化合物の溶液に一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンを断続的または連続的に滴下する操作等により実施することができる。
前記溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族有機溶媒を挙げることができる。
前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンと一般式(3)により表される化合物とを反応させる際には酸触媒を使用することが好ましい。
前記酸触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸、
メタンスルホン酸、ドデシルスルホン酸等のアルキル置換有機スルホン酸、
トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロエタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホニルイミド酸、トリフルオロメタンスルホニルメチド酸等のハロゲン化アルキル置換有機スルホン酸、
カンファースルホン酸等の環状スルホン酸、
ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、イソプロピルベンゼンスルホン酸等のアルキル置換ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アルキル置換ナフタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸、アルキル置換アントラセンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、ビフェニルスルホン酸、アルキルビフェニルスルホン酸、ビフェニルジスルホン酸等のアルキル置換もしくは無置換のビフェニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合体等の高分子スルホン酸等に例示される置換または無置換の芳香族スルホン酸が挙げられる。
前記芳香族スルホン酸としては、具体的には、
一般式(6)
(式中、Rは鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜6のアルキル基を表す。)、
一般式(7)
(式中、RおよびRはそれぞれ独立し、互いに同じであっても異なっていてもよく、鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜6のアルキル基を表す。)、
一般式(8)
(式中、R、RおよびRはそれぞれ独立し、互いに同じであっても異なっていてもよく、鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜6のアルキル基を表す。)等が好ましい。
前記芳香族スルホン酸として前記一般式(6)、(7)および(8)の少なくとも一つを使用した場合、前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンと一般式(3)により表される化合物とを反応させる際に生成する重合体等の生成を抑えることができ、高収率で前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体が得られる。
前記一般式(6)により表される芳香族スルホン酸の具体例としては、例えば、トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベンゼンスルホン酸、ヘキシルベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルベンゼンスルホン酸等(各種異性体を含む)が挙げられる。
前記一般式(6)により表される芳香族スルホン酸は、Rの炭素数が2〜6のものが好ましく、具体的にはエチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベンゼンスルホン酸、ヘキシルベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルベンゼンスルホン酸等(各種異性体を含む)が好ましい。
また前記一般式(7)により表される芳香族スルホン酸の具体例としては、例えば、ジメチルベンゼンスルホン酸、エチルメチルベンゼンスルホン酸、ジエチルベンゼンスルホン酸、メチルプロピルベンゼンスルホン酸、エチルプロピルベンゼンスルホン酸、ジプロピルベンゼンスルホン酸、ブチルメチルベンゼンスルホン酸、ブチルエチルベンゼンスルホン酸、ブチルプロピルベンゼンスルホン酸、ジブチルベンゼンスルホン酸、メチルペンチルベンゼンスルホン酸、エチルペンチルベンゼンスルホン酸、ペンチルプロピルベンゼンスルホン酸、ブチルペンチルベンゼンスルホン酸、ジペンチルベンゼンスルホン酸、ヘキシルメチルベンゼンスルホン酸、エチルヘキシルベンゼンスルホン酸、ヘキシルプロピルベンゼンスルホン酸、ブチルヘキシルベンゼンスルホン酸、ヘキシルペンチルベンゼンスルホン酸、ジヘキシルベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルメチルベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルエチルベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルプロピルベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルブチルベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルペンチルベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルヘキシルベンゼンスルホン酸、ジシクロヘキシルベンゼンスルホン酸等(各種異性体を含む)が挙げられる。
また前記一般式(8)により表される芳香族スルホン酸の具体例としては、例えば、トリメチルベンゼンスルホン酸、トリエチルベンゼンスルホン酸、トリプロピルベンゼンスルホン酸、トリブチルベンゼンスルホン酸、トリペンチルベンゼンスルホン酸、トリヘキシルベンゼンスルホン酸、トリシクロヘキシルベンゼンスルホン酸、ジメチルエチルベンゼンスルホン酸、ジメチルプロピルベンゼンスルホン酸、ジメチルブチルベンゼンスルホン酸、ジメチルペンチルベンゼンスルホン酸、ジメチルヘキシルベンゼンスルホン酸、ジメチルシクロヘキシルベンゼンスルホン酸等(各種異性体を含む)が挙げられる。
芳香族スルホン酸はp−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、クメンスルホン酸が好ましく、キシレンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、クメンスルホン酸であればさらに好ましい。
また芳香族スルホン酸は水和物が好ましく使用される。
前記酸触媒は一種もしくは二種以上を使用することができる。
次に前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンと前記一般式(3)により表される化合物とを反応させる際には、反応により副生する
一般式(4)

により表される化合物を反応系外へ留去しながら行う。
ここでRおよびRはそれぞれ独立し、互いに同じであっても異なっていてもよく、鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜20のアルキル基またはアリール基を表すものである。
前記一般式(4)により表される化合物としては、例えば、鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜20の水酸基含有脂肪族化合物、炭素数が1〜20の水酸基含有芳香族化合物等であり、
具体的には、例えば、炭素数が1〜20の脂肪族一級アルコール、炭素数が1〜20の脂肪族二級アルコール、炭素数が1〜20の脂肪族三級アルコール、炭素数が1〜20の水酸基含有ベンゼン環含有化合物等を挙げることができる。
さらに具体的には、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等を挙げることができる。
前記一般式(4)により表される化合物を反応系外へ留去する際には、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族有機溶媒と前記一般式(4)により表される化合物とを共沸させて反応系外へ留去させることが好ましい。
前記芳香族有機溶媒と前記一般式(4)により表される化合物との共沸混合蒸気を反応系外で冷却することにより、前記芳香族有機溶媒と前記一般式(4)により表される化合物との混合液が得られる。
この混合液を水洗することにより、前記一般式(4)により表される化合物を除去することができる。
次に水洗後の混合液を反応系内に戻すことにより、効率よく前記一般式(4)により表される化合物を反応系外へ留去することができる。
エーテル交換反応により生じた前記一般式(4)により表される化合物を反応系外へ留去することにより、前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンから、
一般式(5)

により表されるチオフェン誘導体への転化率が向上する。これにより高純度、高収率で前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体が得られる。
なお、Zはそれぞれ独立して酸素原子またはイオウ原子であり、Rは鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜20のアルキレン基、炭素数が1〜20のアリーレン基を表すものである。
また本発明における前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンと一般式(3)により表される化合物との反応温度は、40〜200℃の範囲が好ましく、80〜150℃の範囲であればより好ましい。
また、前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンと一般式(3)により表される化合物との反応時間は、1〜20時間の範囲が好ましく、2〜8時間の範囲であればより好ましい。
反応終了後、例えば水等を反応溶液に加えて濾過等を行う。
前記反応溶液中に反応溶液に溶解しない不溶成分が生じる場合がある。この場合には、反応溶液にグリコール類を添加することにより、前記不溶成分をグリコール類に溶解させることができる。前記グリコール類は反応溶液と分離するため、前記不溶成分を溶解させたグリコール類を分液除去することにより、前記不溶成分を反応溶液から除去することができる。
また前記グリコール類は水に溶解するため、反応溶液を水洗することにより前記グリコール類を反応溶液から除去することができる。
前記グリコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等を挙げることができる。
前記グリコール類は、エチレングリコール、プロピレングリコールであることが好ましく、エチレングリコールであればさらに好ましい。
次に水洗後の反応溶液を乾燥させる。
前記水洗後の反応溶液の乾燥方法としては、例えば、前記水洗後の反応溶液を減圧下に加熱還流させ、共沸する水を分離除去する等の操作により実施することができる。
前記乾燥後、溶媒を留去することにより、前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体を得ることができる。
前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体を蒸留することにより前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体を精製することができる。
前記蒸留操作の際には、前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体とポリオール類との混合液から前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体を蒸留することが好ましい。
この蒸留操作の際に前記ポリオール類を使用することにより、蒸留残渣が反応容器内部に固化することを防ぐことができる。
前記ポリオール類としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等を挙げることができる。
前記ポリオール類は、数平均分子量が200〜1000の範囲のものが好ましく、300〜600の範囲のものであればさらに好ましい。
使用する前記ポリオール類は、前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体100重量部に対して1〜100重量部の範囲が好ましく、5〜20重量部の範囲であればさらに好ましい。
蒸留後の前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体に含まれる前記ポリオール類は前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体を水洗することにより除去することができる。
前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体を、例えば減圧蒸留する等の蒸留操作等により、前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンのガスクロマトグラフィーによる含有量が0.05%以下である、前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体を得ることができる。
前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体としては、例えば、以下のもの等を挙げることができる。
本発明により得られた前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体はガスクロマトグラフィーによる純度が99.5%以上、好ましくは99.8%以上であり、高機能高分子の原料として広く応用することができる。
次に本発明について実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
[3,4−ジブロモチオフェンから3,4−ジメトキシチオフェンの製造]
100ml四つ口フラスコにナトリウムメトキシド 21g、メタノール 72gを入れ(ナトリウムメトキシドのメタノール溶媒に対する濃度は、反応前のナトリウムメトキシドの全量を基準として22.6重量%)、アルゴン雰囲気下で70℃にて溶解させた。
臭化第一銅 0.83gを入れた後、3,4−ジブロモチオフェン 15gを滴下すると反応液は無色透明から黒色となった。滴下終了後、メタノール 50gを留去し(ナトリウムメトキシドのメタノール溶媒に対する濃度は、反応前のナトリウムメトキシドの全量を基準として48.8重量%)、97℃にて加熱還流を行い反応を継続した。ガスクロマトグラフィーにより反応を追跡したところ、還流開始5時間で3,4−ジブロモチオフェンおよび3−ブロモ−4−メトキシチオフェンが検出限界以下となった。
反応混合物に水を加えて濾過した後、トルエンにて粗生成物を抽出し、トルエン層を水洗後、トルエン層を硫酸マグネシウムにより乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去した後、トルエン層をロータリーエバボレーターにて濃縮した後、減圧蒸留を行い、3,4−ジメトキシチオフェンを7.28g(収率81.5%)得た。この3,4−ジメトキシチオフェンの純度はガスクロマトグラフィーにより98.01%であった。
なお、本発明におけるガスクロマトグラフィーによる純度(濃度)は、Aglient Technologies社製のAgilent 6890NネットワークGCを使用し、FIDによる検出装置により得られたピーク面積の面積比により表示した。
[3,4−ジブロモチオフェンから3,4−ジメトキシチオフェンの製造]
実施例1の場合で3,4−ジブロモチオフェンの滴下終了後、メタノール 33gを留去し(ナトリウムメトキシドのメタノール溶媒に対する濃度は、反応前のナトリウムメトキシドの全量を基準として35.0重量%)、加熱還流を行い反応を継続した。ガスクロマトグラフィーにより反応を追跡したところ、還流開始5時間で3,4−ジブロモチオフェンおよび3−ブロモ−4−メトキシチオフェンが検出限界以下となった。
[3,4−ジブロモチオフェンから3,4−ジメトキシチオフェンの製造]
実施例1の場合で3,4−ジブロモチオフェンの滴下終了後、メタノール 40.5gを留去し(ナトリウムメトキシドのメタノール溶媒に対する濃度は、反応前のナトリウムメトキシドの全量を基準として40.0重量%)、加熱還流を行い反応を継続した。ガスクロマトグラフィーにより反応を追跡したところ、還流開始2時間で3,4−ジブロモチオフェンおよび3−ブロモ−4−メトキシチオフェンが検出限界以下となった。
[比較例1]
[3,4−ジブロモチオフェンから3,4−ジメトキシチオフェンの製造]
200ml四つ口フラスコにナトリウムメトキシド 28.1g、メタノール 97gを入れ(ナトリウムメトキシドのメタノール溶媒に対する濃度は、反応前のナトリウムメトキシドの全量を基準として22.5重量%)、アルゴン雰囲気下で50℃にて溶解させた。
臭化第一銅 1.0gを入れた後、3,4−ジブロモチオフェン 20gを滴下すると反応液は無色透明から黒色となった。滴下終了後、77℃にて加熱還流を行い反応を継続した。ガスクロマトグラフィーにより反応を追跡しながら、反応を13時間継続した。
反応混合物に水を加えて濾過した後、トルエンにて粗生成物を抽出し、トルエン層を水洗後、トルエン層を硫酸マグネシウムにより乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去した後、トルエン層をロータリーエバボレーターにて濃縮した後、減圧蒸留を行い、3,4−ジメトキシチオフェンを9.64g(収率81.0%)得た。この3,4−ジメトキシチオフェンの純度はガスクロマトグラフィーにより61.42%であった。
[比較例2]
[3,4−ジブロモチオフェンから3,4−ジメトキシチオフェンの製造]
比較例1の場合でメタノール 72.3g(ナトリウムメトキシドのメタノール溶媒に対する濃度は、反応前のナトリウムメトキシドの全量を基準として28.0重量%)とした以外は比較例1の場合と全く同様に操作を行った。加熱還流を行い反応を継続したが、還流開始から9時間の時点で、反応溶液中の3,4−ジブロモチオフェン(DBrT)および3−ブロモ−4−メトキシチオフェン(Br−MEOT)のガスクロマトグラフィーの濃度はそれぞれ0.20%および3.29%であった。
[3,4−ジメトキシチオフェンから3,4−エチレンジオキシチオフェンの製造]
先の実施例2と全く同じ製造方法により得られた3,4−ジメトキシチオフェンを用いて以下の製造を行った。以下に説明する実施例5〜9ならびに比較例3〜9についても同様である。
まず100ml四つ口フラスコに3,4−ジメトキシチオフェン 10.1g、エチレングリコール 6.74g、p−トルエンスルホン酸1水和物 1.1gおよびトルエン76.6gを入れ、アルゴン雰囲気下で加熱攪拌した。
95℃でメタノールを留去させながら100℃まで加熱した。100℃にてメタノールの留去が終了し、トルエンの還流が始まった。
反応溶液中の組成変化をN,N−ジメチルホルムアミドを内部標準としてガスクロマトグラフィーにより追跡したところ、還流開始3時間で3,4−ジメトキシチオフェンが検出限界以下となった。トルエンの還流開始からの時間と各成分の濃度との関係を表1にまとめた。表1中のEDOT、DMEOT、一置換体および二置換体はそれぞれ3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェンの一方のメトキシ基がエチレングリコールで置換されたもの、および3,4−ジメトキシチオフェンの両方のメトキシ基がエチレングリコールで置換されたものを示す。
なお表中の転化率(%)はN,N−ジメチルホルムアミドを内部標準としてガスクロマトグラフィーにより測定した場合の、理論上の3,4−エチレンジオキシチオフェン量に対する、反応溶液中の実際の3,4−エチレンジオキシチオフェン量の割合を示す。
また残存率(%)は、同様に理論上の3,4−ジメトキシチオフェン量に対する、反応溶液中の実際の3,4−ジメトキシチオフェン量の割合を示す。
反応混合物を水で希釈してから不溶物を濾過により除き、トルエンにて粗生成物を抽出し、トルエン層を水洗後、炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄してから硫酸マグネシウムにより乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去した後、トルエン層をロータリーエバボレーターにて濃縮して粗生成物を得た。
前記粗生成物の収率は6.78g(68.1%)、純度はガスクロマトグラフィーにより98.69%であった。
前記粗生成物を用いて減圧蒸留を行い、3,4−エチレンジオキシチオフェンを4.65g(収率46.7%)得た。この3,4−エチレンジオキシチオフェンの純度はガスクロマトグラフィーにより99.64%であった。
[比較例3]
[3,4−ジメトキシチオフェンから3,4−エチレンジオキシチオフェンの製造]
100ml四つ口フラスコに3,4−ジメトキシチオフェン 2.01g、エチレングリコール 1.34g、p−トルエンスルホン酸1水和物 0.2gおよびトルエン11.83gを入れ、大気雰囲気下で加熱攪拌し、トルエンを還流させた。
ガスクロマトグラフィーにより反応を追跡したところ、還流開始14時間で3,4−ジメトキシチオフェンが0.32%となったので反応を終了した。
反応混合物を水で希釈してから不溶物を濾過により除き、トルエンにて粗生成物を抽出し、トルエン層を水洗後、炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄してから硫酸マグネシウムにより乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去した後、トルエン層をロータリーエバボレーターにて濃縮して粗生成物を得た。
前記粗生成物の収率は1.28g(64.7%)、純度はガスクロマトグラフィーにより85.94%であった。
前記粗生成物を用いて減圧蒸留を行い、3,4−エチレンジオキシチオフェンを0.87g(収率44.0%)得た。この3,4−エチレンジオキシチオフェンの純度はガスクロマトグラフィーにより96.28%であった。
[3,4−ジメトキシチオフェンから3,4−エチレンジオキシチオフェンの製造]
実施例4のp−トルエンスルホン酸一水和物に変えて同じ物質量(モル数)のクメンスルホン酸一水和物を使用した他は実施例4と全く同様の操作を行い、反応溶液中の組成変化をN,N−ジメチルホルムアミドを内部標準としてガスクロマトグラフィーにより追跡した。トルエンの還流開始からの時間と各成分の濃度との関係を表2にまとめた。
実施例4の場合と全く同様の操作により得られた粗生成物を用いて減圧蒸留を行い、3
,4−エチレンジオキシチオフェンを6.49g(収率65.2%)得た。この3,4−エチレンジオキシチオフェンの純度はガスクロマトグラフィーにより99.86%であった。
[3,4−ジメトキシチオフェンから3,4−エチレンジオキシチオフェンの製造]
実施例5のクメンスルホン酸一水和物に変えて同じ物質量(モル数)のm−キシレン−4−スルホン酸一水和物を使用した他は実施例5と全く同様の操作を行い、反応溶液中の組成変化をN,N−ジメチルホルムアミドを内部標準としてガスクロマトグラフィーにより追跡した。トルエンの還流開始からの時間と各成分の濃度との関係を表3にまとめた。
[3,4−ジメトキシチオフェンから3,4−エチレンジオキシチオフェンの製造]
実施例5のクメンスルホン酸一水和物に変えて同じ物質量(モル数)のメシチレンスルホン酸一水和物を使用した他は実施例5と全く同様の操作を行い、反応溶液中の組成変化をN,N−ジメチルホルムアミドを内部標準としてガスクロマトグラフィーにより追跡した。トルエンの還流開始からの時間と各成分の濃度との関係を表4にまとめた。
[比較例4]
[3,4−ジメトキシチオフェンから3,4−エチレンジオキシチオフェンの製造]
実施例5のクメンスルホン酸一水和物に変えて同じ物質量(モル数)の2−ナフタレンスルホン酸一水和物を使用した他は実施例5と全く同様の操作を行い、反応溶液中の組成変化をN,N−ジメチルホルムアミドを内部標準としてガスクロマトグラフィーにより追跡した。トルエンの還流開始からの時間と各成分の濃度との関係を表5にまとめた。
[比較例5]
[3,4−ジメトキシチオフェンから3,4−エチレンジオキシチオフェンの製造]
実施例5のクメンスルホン酸一水和物に変えて同じ物質量(モル数)のドデシルベンゼンスルホン酸一水和物を使用した他は実施例5と全く同様の操作を行い、反応溶液中の組成変化をN,N−ジメチルホルムアミドを内部標準としてガスクロマトグラフィーにより追跡した。トルエンの還流開始からの時間と各成分の濃度との関係を表6にまとめた。
なおドデシルベンゼンスルホン酸一水和物を使用した場合、反応の終了後、反応混合物を水で希釈してから不溶物を濾過により除き、トルエンにて粗生成物を抽出し、トルエン層を水洗しようとしたところトルエン層と水層とを分液することができなかった。
[比較例6]
[3,4−ジメトキシチオフェンから3,4−エチレンジオキシチオフェンの製造]
実施例5のクメンスルホン酸一水和物に変えて同じ物質量(モル数)の(+)−10−カンファースルホン酸一水和物を使用した他は実施例5と全く同様の操作を行い、反応溶液中の組成変化をN,N−ジメチルホルムアミドを内部標準としてガスクロマトグラフィーにより追跡した。トルエンの還流開始からの時間と各成分の濃度との関係を表7にまとめた。
[比較例7]
[3,4−ジメトキシチオフェンから3,4−エチレンジオキシチオフェンの製造]
実施例5のクメンスルホン酸一水和物に変えて同じ物質量(モル数)の2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸一水和物を使用した他は実施例5と全く同様の操作を行い、反応溶液中の組成変化をN,N−ジメチルホルムアミドを内部標準としてガスクロマトグラフィーにより追跡した。トルエンの還流開始からの時間と各成分の濃度との関係を表8にまとめた。
[比較例8]
[3,4−ジメトキシチオフェンから3,4−エチレンジオキシチオフェンの製造]
実施例5のクメンスルホン酸一水和物に変えて同じ物質量(モル数)のサリチル酸を使用した他は実施例5と全く同様の操作を行い、反応溶液中の組成変化をN,N−ジメチルホルムアミドを内部標準としてガスクロマトグラフィーにより追跡した。トルエンの還流開始からの時間と各成分の濃度との関係を表9にまとめた。
[3,4−ジメトキシチオフェンから3,4−エチレンジオキシチオフェンの製造]
実施例4では100ml四つ口フラスコを使用した場合について説明したが、実施例8では300L反応槽を使用する場合について説明する。操作の手順、量比関係等は実施例4の場合と同様である。
図1は、3,4−ジメトキシチオフェンとエチレングリコールとを反応させる反応装置を表した模式図である。
300L反応槽1内部で3,4−ジメトキシチオフェンとエチレングリコールとが反応することにより、3,4−エチレンジオキシチオフェンが生成すると共にメタノールが副生する。反応溶液20中のメタノールはトルエンと共沸して、蒸留塔2を通って冷却器3により冷却されメタノールとトルエンの混合液となる。なお前記冷却塔3は内部蒸気を冷却水により冷却できる構造となっている。
メタノールとトルエンの混合液40はバルブ10、配管4およびバルブ11を経由して水洗槽5に送られる。
前記水洗槽5には水30が入れられていて、前記メタノールとトルエンの混合液40は水30と接触した後に前記水洗槽5の上層に送られる。
前記メタノールとトルエンの混合液40が水30と接触することにより、前記メタノールとトルエンの混合液40に含まれるメタノールは水30に溶ける。
前記水洗槽5の上層に送られた水洗後のトルエン溶液41が、送液ポンプ6により配管7および8を経由して冷却塔3に送られる。
冷却塔3に送られた水洗後のトルエン溶液41が、メタノールとトルエンの混合液40に接触する。この結果、300L反応槽1に戻されるメタノールとトルエンの混合液40中のメタノールの濃度は時間の経過と共に少なくなっていく。
この様に反応系外にメタノールを除去することにより、反応スケールを300Lに拡張した場合でも、3,4−ジメトキシチオフェンから3,4−エチレンジオキシチオフェンを得るまでの反応時間を5時間以内に保つことができる。
なお、実施例8の場合には水洗後のトルエン溶液41を冷却塔3に循環させる場合を示しているが、水洗後のトルエン溶液41に代えて、水30を冷却塔3に循環させることもできる。この場合でも3,4−ジメトキシチオフェンから3,4−エチレンジオキシチオフェンを得るまでの反応時間を5時間以内に保つことができる。
[3,4−ジメトキシチオフェンから3,4−エチレンジオキシチオフェンの製造]
実施例4の場合で得られた3,4−エチレンジオキシチオフェンの粗生成物を蒸留する際に、数平均分子量400のポリエチレングリコールを前記粗生成物の1/10の重量を加えて蒸留を行った。
100ml四つ口フラスコに全く付着物がなく、粗生成物の重量に対して93重量%の3,4−エチレンジオキシチオフェンを得ることができた。
次にこの3,4−エチレンジオキシチオフェンを水洗した後、再度3,4−エチレンジオキシチオフェンを蒸留したところ、この3,4−エチレンジオキシチオフェンの純度はガスクロマトグラフィーにより99.80%であった。
[比較例9]
[3,4−ジメトキシチオフェンから3,4−エチレンジオキシチオフェンの製造]
実施例9の場合で、数平均分子量400のポリエチレングリコールに代えてプロピレンカーボネートを使用して3,4−エチレンジオキシチオフェンの粗生成物を蒸留したところ、ガスクロマトグラフィーにより、プロピレンカーボネートが10%程度混入していることが確認された。
次にこの3,4−エチレンジオキシチオフェンを水洗したが、ガスクロマトグラフィーにより、プロピレンカーボネートが3%程度混入していることが確認された。
プロピレンカーボネートに代えてエチレンカーボネート、スルホランをそれぞれ使用した場合も同様の結果であった。
本出願は平成20年1月16日に日本国に特許出願された出願番号特願2008−006448に基づくものであり、その出願の全体は参照することにより本出願に含まれ、本明細書の一部を構成する。
3,4−ジメトキシチオフェンとエチレングリコールとを反応させる反応装置を表した模式図である。
符号の説明
1 300L反応槽
2 蒸留塔
3 冷却器
4,7,8,9 配管
5 水洗槽
6 送液ポンプ
10,11 バルブ
20 反応溶液
30 水
40 メタノールとトルエンの混合液
41 水洗後のトルエン溶液
50 攪拌翼

Claims (13)

  1. 一般式(1)
    (式中のXはそれぞれ独立し、互いに同じであっても異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子のいずれかを表す。)
    により表されるハロゲン化チオフェンと
    アルカリ金属アルコキシドとを、アルコール系溶媒中で反応させる工程であって、前記アルコール系溶媒を反応系外へ留去する操作を含む工程により、
    一般式(2)
    (式中のRおよびRはそれぞれ独立し、互いに同じであっても異なっていてもよく、鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜20のアルキル基またはアリール基を表す。)
    により表されるジアルコキシチオフェンを得る工程と、
    前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンと
    一般式(3)
    (式中のZはそれぞれ独立して酸素原子またはイオウ原子であり、Rは鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜20のアルキレン基または炭素数が1〜20のアリーレン基を表す。)
    により表される化合物とを、
    一般式(4)
    (式中のRおよびRはそれぞれ独立し、互いに同じであっても異なっていてもよく、鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜20のアルキル基またはアリール基を表す。)
    により表される化合物を反応系外へ留去しながら反応させる工程と、
    を含むことを特徴とする、
    一般式(5)
    (式中のZはそれぞれ独立して酸素原子またはイオウ原子であり、Rは鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜20のアルキレン基、炭素数が1〜20のアリーレン基を表す。)
    により表されるチオフェン誘導体の製造方法であって、
    前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体を、ポリオール類の存在下に蒸留する工程をさらに含む、前記製造方法
  2. 前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンを得る工程が、
    (a)アルコール系溶媒中で前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンとアルカリ金属アルコキシドとを混合し、次にアルコール系溶媒を反応系外へ留去する操作、
    (b)アルコール系溶媒を反応系外へ留去しながらアルコール系溶媒中で前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンとアルカリ金属アルコキシドとを混合する操作、および
    (c)アルカリ金属アルコキシドのアルコール系溶液からアルコール系溶媒を反応系外へ留去し、次にアルコール系溶液中で前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンとアルカリ金属アルコキシドとを混合する操作、
    からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、請求項1に記載のチオフェン誘導体の製造方法。
  3. 前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンを得る工程が、銅触媒の存在の下、反応前のアルカリ金属アルコキシドの全量を基準として、前記アルカリ金属アルコキシドのアルコール系溶媒に対する濃度が15重量%〜55重量%の範囲により実施される、請求項1に記載のチオフェン誘導体の製造方法。
  4. 前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンを得る工程が、反応前のアルカリ金属アルコキシドの全量を基準として、前記アルカリ金属アルコキシドのアルコール系溶媒に対する濃度を15重量%から50重量%の範囲内で増加させながら、アルコール系溶媒を反応系外へ留去する操作を含む、請求項1に記載のチオフェン誘導体の製造方法。
  5. 前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンを得る工程が、反応前のアルカリ金属アルコキシドの全量を基準として、前記アルカリ金属アルコキシドのアルコール系溶媒に対する濃度が、反応終了時点で30重量%から50重量%の範囲である、請求項1に記載のチオフェン誘導体の製造方法。
  6. 前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンと前記一般式(3)により表される化合物とを反応させる工程が、
    一般式(6)
    (式中、Rは鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜6のアルキル基を表す。)、
    一般式(7)
    (式中、RおよびRはそれぞれ独立し、互いに同じであっても異なっていてもよく、鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜6のアルキル基を表す。)および
    一般式(8)
    (式中、R、RおよびRはそれぞれ独立し、互いに同じであっても異なっていてもよく、鎖状のまたは分岐鎖状の炭素数が1〜6のアルキル基を表す。)
    からなる群より選ばれる少なくとも一つにより表される芳香族スルホン酸の存在下に実施される、請求項1に記載のチオフェン誘導体の製造方法。
  7. 前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンと前記一般式(3)により表される化合物とを反応させる工程が、
    芳香族有機溶媒と共に前記一般式(4)により表される化合物を共沸させる工程と、
    共沸した前記芳香族有機溶媒と前記一般式(4)により表される化合物とを冷却することにより、前記芳香族有機溶媒と前記一般式(4)により表される化合物との混合液を得る工程と、
    前記混合液を水と接触させ、前記一般式(4)により表される化合物を除去する工程と、
    を含む、請求項1に記載のチオフェン誘導体の製造方法。
  8. 前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンと前記一般式(3)により表される化合物との反応溶液とグリコール類とを混合する工程と、
    前記反応溶液とグリコール類との混合液からグリコール類を分液除去する工程と、
    を含む、請求項1に記載のチオフェン誘導体の製造方法。
  9. 前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体を、ポリオール類の存在下に蒸留する上記工程において、前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体100重量部に対して5〜20重量部のポリオール類を使用する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のチオフェン誘導体の製造方法。
  10. 前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンを得る工程により得られた前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンに含まれる前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンの含有量が、0.05%以下である、請求項1に記載のチオフェン誘導体の製造方法。
  11. 前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体に含まれる前記一般式(2)により表されるジアルコキシチオフェンの含有量が、0.05%以下である、請求項1に記載のチオフェン誘導体の製造方法。
  12. 前記一般式(5)により表されるチオフェン誘導体が、3,4−エチレンジオキシチオフェンである、請求項1に記載のチオフェン誘導体の製造方法。
  13. 前記一般式(1)により表されるハロゲン化チオフェンと前記アルカリ金属アルコキシドとを反応させる上記工程における反応温度が65〜130℃の範囲である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のチオフェン誘導体の製造方法
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