JP5476152B2 - 窒化シリコンのエッチング方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化シリコンをエッチングする方法及び装置に関し、特に、酸化シリコンからなる下地材に被膜された窒化シリコンに適したエッチング方法及び装置に関する。
酸化シリコンや窒化シリコン等のシリコン含有膜をエッチングする方法として、大気圧近傍プラズマを用いたプラズマエッチング方法が知られている(特許文献1〜3等参照)。例えば、CF等のフッ素系ガスに水(HO)を添加し、添加後のガスを大気圧近傍放電にてプラズマ化し、酸化シリコン等のシリコン含有膜に接触させる。上記プラズマ化によりHFが生成される(式1)。また、中間物質としてCOF等が生成される。COFは、ガス中の水と反応してHFに変換される(式2)。このHFが酸化シリコンと反応し、酸化シリコンがエッチングされる(式3)。
CF+2HO → 4HF+CO (式1)
COF+HO → CO+2HF (式2)
SiO+4HF → SiF+2HO (式3)
被処理膜が窒化シリコン膜の場合、HF含有ガスを接触させることにより、下記のようなエッチング反応が起きる(式4)。
Si+16HF → SiF+((NHSiF) (式4)
エッチング対象が窒化シリコン膜であり、かつその下地材が酸化シリコンである被処理基板にHF含有ガスを接触させた場合、式4にて示す窒化シリコンのエッチング反応だけでなく、式3にて示す酸化シリコンのエッチング反応も起き得る。したがって、HF含有ガスを用いて、下地の酸化シリコンをエッチングすることなく窒化シリコンをエッチングすることは容易でない。その解決手段として、特許文献3には、被処理基板の温度を90〜200℃にすることが記載されている。被処理基板の温度を上げていくと、酸化シリコンのエッチングレート(エッチング速度)が大きく低下する。しかし、窒化シリコンのエッチングレートは温度依存性があまりない。そのため、上記の温度範囲では、酸化シリコンのエッチングレートより窒化シリコンのエッチングレートが高くなり、高い選択比が得られる。窒化シリコンの選択比は次式で表される。
(窒化シリコンの選択比)=(窒化シリコンのエッチングレート)÷(酸化シリコンのエッチングレート) (式5)
特開2000−58508号公報 特開2002−270575号公報 特開2005−129662号公報
大気圧プラズマ等にて生成したHFを用いて、酸化シリコンからなる下地材上の窒化シリコン膜をエッチングする場合、特許文献3に記載された手法が有効である。一方、窒化シリコン膜のエッチングによりケイフッ化アンモニウムが生成される(式4)。ケイフッ化アンモニウムはエッチング反応を阻害する。特に窒化シリコンの膜厚が大きい場合、多量のケイフッ化アンモニウム結晶が生成、堆積され、そのケイフッ化アンモニウムがバリア層の役割をするため、エッチング反応がほとんど進まなくなってしまう。ケイフッ化アンモニウムは130℃以上で昇華するため、被処理基板を130℃以上に加熱しながらエッチング処理すれば、窒化シリコンの膜厚が大きくてもエッチング反応を進めることが可能である。しかし、被処理基板が、例えば有機ELパネル用基板、有機高分子材料のフレキシブルディスプレイ基板、有機半導体基板等の耐熱温度が低い基板であったり、フォトレジスト等の熱変性を来す材料が被膜されていたりした場合、加熱温度を130℃以上に設定できるとは限らない。一般的に、これらの基板又は膜材料の加熱可能な温度は130℃以下であり、好ましくは110℃以下であり、より好ましくは100℃以下である。
上記課題を解決するため、本発明方法は、酸化シリコンを含有する下地材にエッチング対象の窒化シリコン膜が被膜された被処理物を、フッ化水素及び凝縮性添加成分(水、アルコール(OH基含有化合物)、過酸化水素水等)を含有する処理ガスによってエッチングするエッチング方法であって、
前記被処理物の温度を室温近傍にして、前記処理ガスを前記被処理物に接触させる第1エッチング工程と、
前記第1エッチング工程の後、前記被処理物の温度を50℃〜130℃にして、前記処理ガスを前記被処理物に接触させる第2エッチング工程と、
を実行し、前記凝縮性添加成分が、水、OH基含有化合物、又は過酸化水素水であることを特徴とする。
処理ガスと被処理物との接触によって、窒化シリコン膜のエッチング反応が起きる(式4)。このとき、反応副生成物としてケイフッ化アンモニウム((NHSiF)が生成される。
第1エッチング工程においては、被処理物の温度を室温近傍にすることにより、窒化シリコン膜のエッチングレートを高くすることができる(図2、図4参照)。更に、処理ガス中の水等の凝縮性添加成分が被処理物の表面上で凝縮し、凝縮層が形成される。ケイフッ化アンモニウムは水等に可溶性であるため、上記凝縮層に上記反応副生成物のケイフッ化アンモニウムが溶解する。したがって、ケイフッ化アンモニウムが固形化して被処理物の表面に堆積するのを防止できる。よって、窒化シリコン膜のエッチング反応が阻害されるのを回避できる。
第2エッチング工程においては、被処理物の温度を50℃〜130℃にすることにより、窒化シリコンの酸化シリコンに対する選択比を十分に大きくすることができる(図2参照)。これにより、下地材のエッチングを抑制しながら、残りの窒化シリコン膜を確実にエッチングすることができる。
被処理物の温度を130℃以下に設定することによって、被処理物の基板が、有機ELパネル用基板、有機高分子材料のフレキシブルディスプレイ基板、有機半導体基板等の低耐熱性基板であったり、或いは、基板上にフォトレジスト等の熱変性ないし低耐熱性材料が被膜されていたりしたとしても、該基板や膜材料の熱損傷や熱変性を防止できる。
前記第1エッチング工程によって前記窒化シリコン膜の大半をエッチングし、前記第2エッチング工程によって前記窒化シリコン膜の残り分をエッチングすることが好ましい。より好ましくは、前記第1エッチング工程によって前記窒化シリコン膜のうち80%〜99%の膜厚分をエッチングし、前記第2エッチング工程によって前記窒化シリコン膜のうち残り1%〜20%の膜厚分をエッチングする。
高速エッチング可能な第1エッチング工程によって窒化シリコン膜の大半、例えば80%〜99%をエッチングすることにより、全体の処理時間を短くすることができる。窒化シリコン膜が例えば1%〜20%程度残っている段階で第1エッチング工程を終えることで、下地材へのダメージを確実に回避できる。
第2エッチング工程では、エッチングすべき窒化シリコン膜の残厚を小さくできるから、ケイフッ化アンモニウムによるエッチングストップが起きないうちに処理を終えることができる。第2エッチング工程でエッチングすべき窒化シリコン膜の残厚は、1μm以下であることが好ましい。これにより、第2エッチング工程のエッチング速度が比較的大きいうちに処理を確実に終えることができる(図3参照)。
前記第1エッチング工程と前記第2エッチング工程との間に、前記被処理物を洗浄する洗浄工程を介在させることが好ましい。
洗浄によって、残渣状のケイフッ化アンモニウム結晶や、上記凝縮層に溶解したケイフッ化アンモニウムを被処理物の表面から除去できる。上記凝縮層を除去しておくことによって、その後の第2エッチング工程において被処理物の温度を高くしたとき、上記凝縮層が乾燥してケイフッ化アンモニウムが析出するのを回避できる。これによって、第2エッチング工程におけるエッチング反応を進みやすくすることができる(図4参照)。
特に第1エッチング工程でエッチング除去する膜厚が4μm以上ある場合、残渣となるケイフッ化アンモニウムが多量に生成されるため、洗浄工程を介在させることがより好ましい。
洗浄方法として、例えば洗浄剤を被処理物に接触させる。洗浄剤は、流体であることが好ましく、ケイフッ化アンモニウムを溶解させ得る液体であることがより好ましい。上記液体として、水、アルコール等が挙げられる。ケイフッ化アンモニウムの溶解性及びコスト等の観点からは、洗浄剤として水を用いることが好ましい。固形のケイフッ化アンモニウム結晶は、水に簡単に溶解させて除去できる。水等の液体洗浄剤をシャワー状にして被処理物にかけてもよく、容器に溜めた液体洗浄剤に被処理物を漬けてもよい。
布やハケ等を用いて被処理物の表面を掃除する等、物理的な手段で洗浄を行なってもよい。
本発明において、前記窒化シリコン膜の初期膜厚は、1μm以上であってもよく、2.5μm以上であってもよい。窒化シリコン膜の初期膜厚が1μm以上であっても、短時間でエッチングできる。更には、窒化シリコン膜の初期膜厚が2.5μm以上であっても確実にエッチングできる。
これに対し、エッチング処理を初めから室温近傍より高温の温度条件下で行なった場合、エッチング量が1μm以上になるとケイフッ化アンモニウムからなるバリア層によってエッチング速度が遅くなる(図3参照)。更には、エッチング量が2.5μm〜2.7μm付近になるとエッチング反応が進まなくなる(図3参照)。
前記第1エッチング工程における前記被処理物の温度すなわち室温近傍とは、好ましくは10℃〜40℃であり、より好ましくは20℃〜30℃である。
これにより、第1エッチング工程において、窒化シリコン膜を確実に高速でエッチングできる。
前記第2エッチング工程における前記被処理物の温度は、好ましくは60℃〜110℃であり、より好ましくは70℃〜100℃である。
第2エッチング工程における前記被処理物の温度を好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上にすることによって、下地材にエッチングダメージを確実に与えることなく、窒化シリコン膜を確実に選択的にエッチングできる(図2参照)。
第2エッチング工程における前記被処理物の温度をの温度を好ましくは110℃以下、より好ましくは100℃以下に設定することによって、被処理物の基板が、有機ELパネル用基板、有機高分子材料のフレキシブルディスプレイ基板、有機半導体基板等の低耐熱性基板であったり、或いは、基板にフォトレジスト等の熱変性ないし低耐熱性材料が被膜されていたりしたとしても、該基板や膜材料の熱損傷や熱変性を確実に防止できる。
下地材は、基板に被膜された酸化シリコン膜に限られない。例えば、基板がガラス基板からなる場合、このガラス基板が下地材を構成していてもよく、ガラス基板上にエッチング対象の窒化シリコン膜が被膜されていてもよい。
エッチング対象の窒化シリコン膜は、ケイ素及び窒素を含有する化合物であればよく、SiNxに限られず、SiON(酸化窒化シリコン)であってもよく、SiCN(炭化窒化シリコン)であってもよい。
前記処理ガスは、水を添加したフッ素系原料ガスをプラズマ化(分解、励起、活性化、ラジカル化、イオン化等を含む。)することによって生成できる。前記フッ素系原料ガスとしては、パーフルオロカーボン(PFC)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、SF、NF、XeF等が挙げられる。PFCとしては、CF、C、C、C等が挙げられる。HFCとしては、CHF、C、CHF等が挙げられる。
前記フッ素系原料ガスを希釈ガスにて希釈してもよい。前記希釈ガスとしては、Ar、He等の希ガスの他、N等が挙げられる。
フッ素系原料ガスへの添加成分は、室温近傍で凝縮可能かつケイフッ化アンモニウムを溶解可能であればよく、水の他、OH基含有化合物や過酸化水素であってもよく、これらの混合物でもよい。OH基含有化合物として、アルコールが挙げられる。
前記プラズマ化並びに前記第1エッチング工程及び前記第2エッチング工程は、大気圧近傍下で行なうことが好ましい。
ここで、大気圧近傍とは、1.013×10〜50.663×10Paの範囲を言い、圧力調整の容易化や装置構成の簡便化を考慮すると、1.333×10〜10.664×10Paが好ましく、9.331×10〜10.397×10Paがより好ましい。
また、前記処理ガスは、フッ素系原料ガスに酸素を添加した混合ガスをプラズマ化した後に、水などの凝縮性添加成分を添加、混合したガスであってもよい。
さらに、前記処理ガスは、プラズマ化して生成したガスの代わりに、フッ酸水から得られるフッ酸蒸気であってもよい。フッ酸蒸気は例えば、フッ酸水を貯めた容器にキャリアガスを通過させることで得られる。
本発明装置は、酸化シリコンを含有する下地材にエッチング対象の窒化シリコン膜が被膜された被処理物を、フッ化水素及び凝縮性添加成分を含有する処理ガスによってエッチングするエッチング装置であって、
前記被処理物を支持する支持部と、
前記処理ガスを前記被処理物に接触させる処理ガス供給系と、
前記窒化シリコン膜の大半がエッチングされる迄、前記被処理物の設定温度を室温近傍にし、前記窒化シリコン膜の残り分をエッチングするとき、前記設定温度を50℃〜130℃にするように、前記エッチングの途中の、前記窒化シリコン膜が残っている段階で前記設定温度を切り替える温度調節部と、
を備え、前記凝縮性添加成分が、水、OH基含有化合物、又は過酸化水素水であることを特徴とする。
エッチングの前半ないしは初期及び中期には、被処理物の温度を室温近傍に維持することにより、窒化シリコン膜のエッチングレートを高くすることができ、ひいては全体の処理時間を短くすることができる(図2、図4参照)。更に、処理ガス中の水等の凝縮性添加成分が被処理物の表面上で凝縮し、凝縮層が形成され、この凝縮層にケイフッ化アンモニウムが溶解する。したがって、ケイフッ化アンモニウム結晶によりエッチング反応が阻害されるのを回避できる。窒化シリコン膜が残っている段階で、前記温度調節部による被処理物の設定温度を高温に切り替えることで、下地材へのダメージを確実に回避できる。そして、被処理物の温度を50℃〜130℃にすることにより、窒化シリコンの酸化シリコンに対する選択比を十分に大きくすることができる(図2参照)。これにより、下地材のエッチングを抑制しながら、残りの窒化シリコン膜を確実にエッチングすることができる。被処理物の温度を130℃以下に設定することによって、被処理物の基板が低耐熱性基板であったり、被処理物に熱変性ないし低耐熱性の膜が設けられていても、該基板や膜の熱損傷や熱変性を防止できる。高温条件下(50℃〜130℃)でエッチングすべき窒化シリコン膜の残厚を小さくできるから、ケイフッ化アンモニウムによるエッチングストップが起きないうちに処理を終えることができる。
本発明によれば、窒化シリコン膜を高速でエッチングでき、かつ酸化シリコンからなる下地材のエッチングを抑制できる。被処理基板が、有機ELパネル用基板、有機高分子材料のフレキシブルディスプレイ基板、有機半導体基板等の低耐熱性基板であったり、フォトレジスト等の熱変性を来し易い膜や低耐熱性の膜が被膜されていたとしたも、これら基板又は膜の耐熱温度より低い温度で処理でき、これら基板又は膜の熱損傷や熱変性を防止できる。
本発明の一実施形態に係るプラズマエッチング装置の概略構成を示す解説図である。 参考例1における、窒化シリコン及び酸化シリコンのエッチング速度の基板温度依存性の測定結果を示すグラフである。 参考例2における、基板温度に応じた窒化シリコンのエッチング深さの経時変化の測定結果を示すグラフである。 実施例1、2における、エッチング深さの経時変化の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。 本発明は、下地材に窒化シリコン膜が被膜された被処理物に適用される。被処理物としては、有機ELパネル、フレキシブルディスプレイ、半導体ウェハ、フラットパネルディスプレイ、その他の種々の半導体装置が挙げられる。特に、本発明は、被処理物の基板が、有機ELパネル用基板、有機高分子材料からなるフレキシブルディスプレイ基板、有機半導体基板等の低耐熱性基板である場合に有効である。また、フォトレジスト等の熱変性膜ないしは低耐熱性膜を含む被処理物にも有効である。勿論、被処理物の基板は、低耐熱性基板に限られるものではなく、液晶表示パネルやプラズマディスプレイパネル用のガラス基板でもよく、半導体ウェハでもよい。被処理物に熱変性ないしは低耐熱性膜が設けられていなくてもよい。
図1に示すように、被処理物90の基板91上に酸化シリコン膜92と窒化シリコン膜93が順次積層され、上記酸化シリコン膜92が下地材を構成していてもよい。被処理物の基板そのものが酸化シリコンを含有して下地材を構成していてもよく、該基板上に窒化シリコン膜が直接被膜されていてもよい。それ自体が酸化シリコンからなる下地材を構成する基板として、例えばガラス基板が挙げられる。
本発明のエッチング対象は、被処理物の下地材上に被膜された窒化シリコン膜である。窒化シリコン膜上にフォトレジスト等のレジストパターンが設けられていてもよい。その場合、窒化シリコン膜のうち、レジストパターンが被膜されずに露出した部分だけが、エッチングの対象になる。
本発明は、窒化シリコン膜の膜厚が大きいほど有効であり、例えば窒化シリコンの膜厚が1μm以上、更には2.5μm以上のとき有効である。
図1は、被処理物90のエッチングに用いる大気圧プラズマエッチング装置1を示したものである。装置1は、処理ガス供給系10と、基板支持部30を備えている。処理ガス供給系10は、原料ガス供給ライン11と、プラズマ生成部20を含む。
原料ガス供給ライン11の上流端にフッ素原料ガス供給部12が設けられている。フッ素原料ガス供給部12は、エッチング用の処理ガスとなる原料ガスを供給する。原料ガスは、フッ素含有ガスとキャリアガスを含む。フッ素含有ガスとして、CFが用いられている。フッ素含有ガスとしてCFに代えて、C、C、C等の他のPFC(パーフルオロカーボン)を用いてもよく、CHF、CH、CHF等のHFC(ハイドロフルオロカーボン)を用いてもよく、SF、NF、XeF等のPFC及びHFC以外のフッ素含有化合物を用いてもよい。
キャリアガスは、フッ素含有ガスを搬送する機能の他、フッ素含有ガスを希釈する希釈ガスとしての機能、後記プラズマ放電を生成する放電ガスとしての機能等を有している。キャリアガスとしては、好ましくは不活性ガスを用いる。キャリアガスとなる不活性ガスとして、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等の希ガスや窒素が挙げられる。ここでは、キャリアガスとして、例えばアルゴン(Ar)が用いられている。フッ素含有ガスとキャリアガスとの流量比(CF:Ar)は、1:9〜9:1が好ましい。キャリアガスを省略してもよい。
原料ガス供給ライン11の中途部に水添加部13が設けられている。水添加部13は、例えば加湿器にて構成され、上記原料ガス(CF+Ar)に水(HO)を添加し、原料ガスを加湿する。この水添加量を調節することによって、原料ガスひいては処理ガスの水含有量を調節する。加湿器13は、恒温槽等のタンクを備えている。このタンク内に液体の水が蓄えられている。フッ素原料ガス供給部12からの原料ガスが、上記タンクの水面より上側部分に供給され、上記上側部分の飽和水蒸気と混合される。或いは、フッ素原料ガス供給部12からの原料ガスを上記タンク内の水中にバブリングすることによって、原料ガスに水蒸気を添加してもよい。上記タンクを温度調節することによって蒸気圧を調節し、これにより水添加量を調節してもよい。水添加量は、添加後の原料ガスの露点が6℃〜20℃になるように設定することが好ましい。
原料ガス供給ライン11は、プラズマ生成部20へ延びている。プラズマ生成部20は、一対の電極21,21を含む。少なくとも1つの電極21の対向面に固体誘電体層(図示省略)が設けられている。一方の電極21に電源(図示省略)が接続されている。他方の電極21が電気的に接地されている。一対の電極21,21間に略大気圧のプラズマ放電空間22が生成される。原料ガス供給ライン11が、放電空間22の上流端に連なっている。
放電空間22の下流端が吹出口23に連なっている。吹出口23は、プラズマ生成部20の例えば底部に設けられている。上記処理ガスが吹出口23から下方へ吹き出される。
プラズマ生成部20の底部に処理済みのガスを吸引する吸引ノズルを設けてもよい。
プラズマ生成部20の下方に、支持部30が配置されている。支持部30によって被処理物90が支持される。支持部30は、例えば平板状のステージにて構成されている。ステージ30の上面に被処理物90が載置されている。
なお、プラズマ生成部20と被処理物90の配置関係が上下に反転していてもよい。被処理物90が垂直又は斜めに支持されるようになっていてもよい。
ステージ30は、移動機構40に接続されている。移動機構40によって、ステージ30ひいては被処理物90が例えば図1の左右方向に往復移動(スキャン)される。移動速度は、0.1m/min〜10m/min程度が好ましい。移動機構40がプラズマ生成部20に接続されていてもよく、プラズマ生成部20が移動されるようになっていてもよい。移動機構40として、リニアガイド機構、ベルト・プーリ機構、流体圧シリンダ機構等を用いることができる。移動機構40がローラコンベア等にて構成され、被処理物90の支持部を兼ねていてもよい。
移動機構40を省略してもよい。プラズマ生成部20と被処理物90の相対位置を互いに固定した状態で、処理を行なうことにしてもよい。
ステージ30に温度調節部50が設けられている。温度調節部50によって、ステージ30が温度調節され、ひいては被処理物90が温度調節される。温度調節部50の温度調節可能範囲は、10℃〜130℃程度が好ましい。温度調節部50は、電熱ヒータにて構成されていてもよく、輻射ヒータにて構成されていてもよく、温調流路にて構成されていてもよい。温調流路には、温調された水等の温調媒体が通される。温調媒体は、室温より高温に加温されるのに限られず、室温より低温になるよう冷却されるようになっていてもよい。温度調節部50が、被処理物90を室温近傍(室温を含む)に維持してもよく、被処理物90を室温より低温になるよう温度調節してもよい。
上記構成の大気圧プラズマエッチング装置1を用いて、被処理物90の窒化シリコン膜93をエッチングする方法を説明する。
本発明では、エッチングを2段階に分けて実行する。エッチングの前半(又は初期から中期まで)は第1エッチング工程を実行し、後半(又は終期)には第2エッチング工程を実行する。
[第1エッチング工程]
処理すべき被処理物90をステージ30にセットする。
フッ素原料ガス供給部12からの原料ガス(CF+Ar)を原料ガス供給ライン11に導出する。この原料ガスに加湿器13にて水蒸気(HO)を添加する。これにより、加湿原料ガス(CF+Ar+HO)を得る。この加湿原料ガスを供給ライン11を経てプラズマ生成部20の放電空間22に導入してプラズマ化する。これにより、原料ガス成分が分解されて、フッ化水素(HF)、COF等のフッ素系反応成分を含む処理ガスが生成される(式1等)。処理ガスは、フッ素系反応成分の他、未分解の原料ガス成分(CF、Ar、HO)をも含む。上記フッ素系反応成分のうちCOFは、更に水と反応してフッ化水素に変換される(式2)。この処理ガスを吹出口23から吹き出す。
処理ガスは、被処理物90に吹き付けられ、窒化シリコン膜93に接触する。これにより、処理ガス中のHFと窒化シリコンとのエッチング反応が起きる(式4)。反応副生成物としてケイフッ化アンモニウム((NHSiF)が生成される(式4)。
上記の処理ガス吹き付けと併行して、移動機構40にてステージ30ひいては被処理物90を、吹出口23の下方を往復するように移動(スキャン)させてもよい。或いは、移動機構40を停止し、被処理物90を吹出口23の直下に静止させた状態で処理ガスの吹き付けを行なってもよい。
更に、温度調節部50にて被処理物90を温調する。第1エッチング工程では、被処理物90の温度を室温近傍に維持する。好ましくは、被処理物90の設定温度を10℃〜40℃とし、より好ましくは20℃〜30℃とする。これにより、窒化シリコン膜93のエッチングレートを比較的高くできる(図2、図4参照)。この段階では、窒化シリコン膜93が酸化シリコン膜92を十分に覆っているため、酸化シリコン膜92がエッチングされるのを防止できる。
上述したように、処理ガスにはフッ化水素の他、水蒸気(HO)が含まれている。被処理物90を室温近傍に保持することにより、処理ガス中の水蒸気が、被処理物90の表面上で凝縮し、凝縮層を形成する。この凝縮層に処理ガス中のフッ化水素が溶解することで、被処理物90とフッ化水素との接触、ひいては窒化シリコン膜93のエッチング反応を確保できる。更に、上記凝縮層に、反応副生成物のケイフッ化アンモニウム((NHSiF)が溶解する。したがって、被処理物90の表面上にケイフッ化アンモニウム結晶が堆積するのを防止でき、窒化シリコン膜93のエッチング反応が阻害されるのを回避できる。よって、窒化シリコン膜93の初期膜厚が比較的大きくても、窒化シリコン膜93のエッチング反応を確実に維持できる(図3参照)。例えば、窒化シリコン膜93の初期膜厚が1μm以上であっても、更には2.5μm以上であったとしても、確実にエッチングすることができる。
第1エッチング工程に於いては、窒化シリコンの大半をエッチングする。例えば、窒化シリコン膜93のうち80%〜99%の膜厚分をエッチングする。すなわち、窒化シリコン膜93の膜厚が初期膜厚の約1%〜20%になるまで第1エッチング工程を実行する。膜厚測定器にて窒化シリコン膜93の膜厚を測定することで、窒化シリコン膜93のエッチングの進行度を管理してもよい。予め、同一の処理条件下での窒化シリコン膜93のエッチングレート(例えばステージ30の1スキャンあたりのエッチング量)を測定しておき、そのエッチングレートから換算したエッチング時間又はスキャン回数が、上記所定(80%〜99%程度)のエッチング厚さに対応する値に達したか否かによって、窒化シリコン膜93のエッチングの進行度を管理してもよい。ここで、1スキャンとは、移動機構40によるステージ30の片道1回の移動を言う。窒化シリコン膜93の膜厚が初期膜厚の約1%〜20%になった時、第1エッチング工程を終了する。窒化シリコン膜を少し残すことによって、下地の酸化シリコン膜92がエッチングダメージを受けるのを確実に回避できる。
[洗浄工程]
次に、被処理物90を洗浄する。例えば、洗浄剤として水を用いる。水をシャワー状にして被処理物90に散布する。これにより、被処理物90の表面から上記凝縮層を除去でき、ひいては上記凝縮層に溶解したケイフッ化アンモニウムを除去できる。更には、固形のケイフッ化アンモニウムが水(洗浄剤)に溶解して除去される。
洗浄容器に洗浄剤として水を入れ、この水に被処理物90を漬けて洗うことにしてもよい。
洗浄剤は、ケイフッ化アンモニウムを溶解させ得るものであればよく、水の他、アルコールを用いてもよい。
洗浄工程を省略してもよい。
[第2エッチング工程]
次に、第2エッチング工程を実行する。第2エッチング工程では、温度調節部50によって被処理物90の温度を第1エッチング工程における温度(室温近傍)より高温にする。具体的には、被処理物90の温度を50℃〜130℃、好ましくは60℃〜110℃、より好ましくは70℃〜100℃に調節する。
被処理物90の温度を130℃以下、好ましくは110℃以下、より好ましくは100℃以下に設定することによって、ガラス基板91が、有機ELパネル用基板、有機高分子材料のフレキシブルディスプレイ基板、有機半導体基板等の低耐熱性基板であったり、或いは、被処理物90にフォトレジスト等の熱変性ないし低耐熱性材料が被膜されていたりしたとしても、該基板や膜材料の熱損傷や熱変性を確実に防止できる。
第2エッチング工程における被処理物90の設定温度及び処理時間以外の処理条件(原料ガスの流量及び成分比、プラズマ生成条件等)は、第1エッチング工程と同じにする。これによって、残り1%〜20%の膜厚分の窒化シリコン膜93をエッチングする。第1エッチング工程で生成されたケイフッ化アンモニウムは、上記洗浄工程によって被処理物90の表面上から除去されているため、窒化シリコン膜93のエッチングを良好に行なうことができる。被処理物90の温度を第1エッチング工程より高温にしたとしても、第1エッチング工程で生成された凝縮層が上記洗浄工程で除去されているから、該凝縮層中のケイフッ化アンモニウムが被処理物90の表面上に析出することがなく、該析出体によってエッチングが阻害されることはない。
一方、窒化シリコン膜93のエッチングによって、新たなケイフッ化アンモニウムが生成される。第2エッチング工程では、被処理物90が第1エッチング工程より高温であるため、凝縮層が形成されにくい。したがって、第2エッチング工程で新たに生じたケイフッ化アンモニウムが結晶化して被処理物90の表面上に堆積しやすい。しかし、窒化シリコン膜93の残り厚さが小さいから、ケイフッ化アンモニウム結晶の堆積によるエッチングストップが起きる前にエッチング工程を終了できる。第1エッチング工程終了時の窒化シリコン膜93の残り厚さが1μm以下であれば、エッチング速度が低下していく前に確実にエッチング工程を終了できる。
窒化シリコン膜93のエッチングが終盤になると、酸化シリコン膜92が露出し始める。したがって、窒化シリコン膜93のエッチング反応(式4)だけでなく、酸化シリコン膜92のエッチング反応(式3)も起き得る。このとき、上述した被処理物90の温度設定によって、窒化シリコン膜93のエッチングレートを酸化シリコン膜92のエッチングレートより大きくすることができる。すなわち、窒化シリコン膜93の酸化シリコン膜92に対する選択比を十分に大きくすることができる(参考例1参照)。したがって、酸化シリコン膜92のエッチングを抑制しながら、残りの窒化シリコン膜93を除去することができる。被処理物90の温度を50℃以上、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上にすることによって、酸化シリコン膜92へのエッチングダメージを確実に回避しながら、窒化シリコン膜93を確実に選択的にエッチングできる(図2参照)。
第2エッチング工程の処理時間(又はスキャン回数)は、第1エッチング工程終了時の窒化シリコン膜93の残り厚さに対応する所要値を少し上回るようにするのが好ましい。すなわち、過処理ぎみになるよう設定するのが好ましい。これによって、窒化シリコン膜93の全体を残すことなく確実にエッチングして除去できる。酸化シリコン膜92については、エッチングレートが低いから、過処理になっても殆どエッチングされることはない。したがって、第2エッチング工程の処理時間(又はスキャン回数)をある程度の幅をもって設定でき、時間管理を容易化できる。
もちろん、第2エッチング工程の処理時間(又はスキャン回数)を上記所要値に設定してもよい。
第2エッチング工程の処理時間は、第1エッチング工程の処理時間より短くてもよく、第1エッチング工程の処理時間より長くてもよく、第1エッチング工程の処理時間と同じであってもよい。
以上のように、高速エッチング可能な第1エッチング工程によって窒化シリコン膜93の大半(例えば80〜99%の膜厚分)をエッチングし、第2エッチング工程によって残部(例えば1%〜20%の膜厚分)をエッチングすることにより、全体の処理時間を短縮できる。はじめに第1エッチング工程を行ない、次に、窒化シリコンの選択性が高い第2エッチング工程を行なうことによって、窒化シリコン93をきれいにエッチングできる一方、下地材の酸化シリコン膜92にエッチングダメージが及ぶのを防止できる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、第2エッチング工程における被処理物90の設定温度及び処理時間以外の処理条件を第1エッチング工程に対し変更してもよい。例えば、第2エッチング工程においては、原料ガスへの水の添加率ひいては処理ガス中の水分含有率を、第1エッチング工程における値より低くしてもよい。或いは、第2エッチング工程における原料ガス成分の流量又は流量比を第1エッチング工程とは異ならせてもよい。例えば、第2エッチング工程においては、Ar(希釈ガス)の流量を第1エッチング工程における値より増大させてもよい。
原料ガスに添加する凝縮性添加成分ひいては処理ガスの含有成分として、水(HO)に代えて、OH基含有化合物、過酸化水素(H)、過酸化水素水等を用いてもよい。OH基含有化合物として、エタノールやメタノール等のアルコールが挙げられる。
エッチング対象膜の窒化シリコンは、SiNxに限られず、SiON(酸化窒化シリコン)、SiCN(炭化窒化シリコン)でもよい。
図1の装置1は、被処理物90がプラズマ空間22から離れて配置される所謂リモート式のプラズマ処理装置であったが、本発明のエッチング装置は、上記に限られず、被処理物90をプラズマ空間22の内部に配置する所謂リモート式のプラズマ処理装置であってもよい。
処理ガスは、フッ素含有ガスをプラズマ化して生成するものに限られず、例えばフッ酸ベーパーを用いてもよい。
[参考例及び実施例]
以下、参考例及び実施例を説明する。本発明が、以下の参考例及び実施例に限定されるものではないことは当然である。
[参考例1]
参考例1では、窒化シリコン及び酸化シリコンのエッチング速度の基板温度依存性を調べた。ガラス基板に窒化シリコンを被膜した第1のサンプルと、ガラス基板に酸化シリコンを被膜した第2のサンプルとを用意した。第1のサンプルの窒化シリコンの初期膜厚は、1μmであった。第2のサンプルの酸化シリコンの初期膜厚は、1μmであった。
第1、第2のサンプルの大きは共に以下の通りであった。
ステージ30の移動方向に沿う長さ寸法: 200mm
ステージ30の移動方向と直交する幅方向の寸法: 200mm
処理ガス用の原料ガスとして、CFとArと水(HO)の混合ガスを用いた。CF及びArの供給流量は以下の通りとした。
CF: 0.1SLM
Ar: 1SLM
加湿器13によって、原料ガスの露点が18℃程度になるよう、水分を添加した。
上記原料ガスを大気圧の放電空間22にて活性化し、処理ガスを生成した。プラズマ放電条件は以下の通りとした。
放電空間22の厚さ(電極21,21間の間隔): 1mm
電極21,21間の印加電圧: Vpp=13kV
印加電圧の周波数: 40kHz(パルス波)
上記の処理ガスを幅方向(図1の紙面と直交する方向)に均一な流れ分布になるようにして吹出口23から吹き出し、ステージ30上のサンプルに吹き付けた。併行して、ステージ30を往復移動(スキャン)させた。移動速度は、4m/minとした。ステージ30のスキャン回数は10回とした。なお、1スキャンは、片道1回の移動を言う。1往復は2スキャンである。
第1、第2の各サンプルの基板温度(被処理物温度)を27℃(室温)〜80℃の範囲で変えてエッチングを行なった。各温度条件におけるエッチング終了後のエッチング量を測定し、この測定値をスキャン回数(10回)で割って、1スキャン当たりのエッチングレートを算出した。更に、同一温度条件における第1のサンプルのエッチングレートを第2のサンプルのエッチングレートで割り、窒化シリコンの酸化シリコンに対する選択比を算出した。
結果を図2に示す。
窒化シリコンのエッチング速度及び酸化シリコンのエッチング速度は、共に、基板温度が低温であるほど速く、高温になるにしたがって遅くなった。したがって、エッチング速度を重視した第1エッチング工程では、室温近傍の低温条件でエッチングを行なうとよいことが確認された。
一方、室温近傍の低温条件では、酸化シリコンのエッチング速度が窒化シリコンのエッチング速度を上回った。したがって、酸化シリコンからなる下地材上に窒化シリコンが被膜されている場合、低温条件のままで窒化シリコン膜を最後までエッチングすると、下地の酸化シリコンを大きくエッチングしてしまうことになる。
これに対し、基板温度の上昇に伴い、40℃弱で窒化シリコンのエッチング速度と酸化シリコンのエッチング速度とが逆転した。基板温度を40℃以上にすると、窒化シリコンのエッチング速度が酸化シリコンのエッチング速度より速くなり、選択比が確実に1を上回った。基板温度を50℃以上にすると、選択比が5以上になり、かつ酸化シリコンのエッチング速度が十分に遅くなった。基板温度を60℃以上にすると、選択比が10以上になり、かつ酸化シリコンのエッチング速度が更に遅くなった。基板温度を70℃以上にすると、選択比が20以上になり、かつ酸化シリコンがほとんどエッチングされなくなった。したがって、エッチング処理の終期に第1エッチング工程から第2エッチング工程に切り替え、基板温度を50℃以上、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上にすることによって、窒化シリコン膜を確実に選択的にエッチングできることが示された。そして、下地の酸化シリコンを殆どエッチングすることなく、窒化シリコン膜全体のエッチングを終了できることが示された。
[参考例2]
参考例2では、基板温度に応じた窒化シリコンのエッチング深さの経時変化を調べた。図1に示す被処理物90と同様の構造のサンプルを用いた。すなわち、ガラス基板上に酸化シリコンが被膜され、その上に窒化シリコンが被膜されたサンプルを用いた。ガラス基板の寸法は参考例1と同じであった。酸化シリコンの膜厚は、約1μmであった。窒化シリコンの初期膜厚は、約6μmであった。上記のサンプルをステージ30に載置し、かつプラズマ生成部20の直下に位置決めした。
処理ガス用の原料ガスとして、CFとArと水(HO)の混合ガスを用いた。CF及びArの供給流量は以下の通りとした。
CF: 0.1SLM
Ar: 1SLM
加湿器13によって、原料ガスの露点が18℃程度になるよう、水分を添加した。
上記原料ガスを大気圧の放電空間22にて活性化し、処理ガスを生成した。プラズマ放電条件は以下の通りとした。
放電空間22の厚さ(電極21,21間の間隔): 1mm
電極21,21間の印加電圧: Vpp=13kV
印加電圧の周波数: 40kHz(パルス波)
上記の処理ガスを幅方向(図1の紙面と直交する方向)に均一な流れ分布になるようにして吹出口23から吹き出し、サンプルに吹き付けてエッチングを行なった。エッチング処理期間中、ステージ30の移動は行なわず、サンプルを吹出口23の直下の位置に静止させた。
基板温度は、室温(27℃)と80℃との2通りとした。
これら2通りの温度条件下でそれぞれエッチング処理を行ない、処理開始時からのエッチング量を時間を追って測定した。
結果を図3に示す。
基板温度が室温のときは、エッチング量が時間とともにほぼ直線状に、かつ急勾配で増加した。処理開始から15秒程度で深さ5μm近くまでエッチングでき、20秒程度で深さ6μm近くまでエッチングできた。したがって、室温条件では、窒化シリコンの膜厚が大きくても、ケイフッ化アンモニウム等の影響をほとんど受けることがなく高速でエッチングできることが確認された。
これに対し、基板温度が80℃のときは、深さ1μm付近までは処理開始から約20秒で到達し、そこそこのエッチング速度を示したが、1μmを超えるとエッチング速度が次第に遅くなった。そして、エッチング深さが2.5μm〜2.7μm付近になるとエッチング量が横這いになり、エッチング反応がほとんど進まなくなった。これは、固形のケイフッ化アンモニウムが漸次堆積したためと考えられる。
以上の結果から、本発明によれば、初期膜厚が1μm以上、更には2.5μm以上の窒化シリコンをエッチングするのに有効であることが確認された。すなわち、エッチング開始時から高温条件にしたのでは、窒化シリコンの初期膜厚が1μm以上の場合、エッチングに長時間を要し、しかも、深さ2.5μm以上はエッチング不能になる。これに対し、本発明では、エッチング開始から終期近くまでは基板を室温近傍にすることで、エッチング深さが1μmは勿論、2.5μmを超えても十分にエッチングでき、かつ高速でエッチングできる。
実施例1では、図1に示す被処理物90と同様の構造のサンプルに対し、大気圧プラズマエッチング装置1を用いて、第1エッチング工程及び第2エッチング工程を順次実行した。ガラス基板91の寸法は参考例1と同じであった。酸化シリコン92の膜厚は、約1μmであった。窒化シリコン93の初期膜厚は、約5.5μmであった。
[第1エッチング工程]
上記の被処理物90を大気圧プラズマエッチング装置1のステージ30に載置し、かつプラズマ生成部20の直下に位置決めした。
被処理物90の温度は、室温(27℃)とした。
第1エッチング工程の処理ガス用の原料ガスとして、CFとArと水(HO)の混合ガスを用いた。CF及びArの供給流量は以下の通りとした。
CF: 0.1SLM
Ar: 1SLM
加湿器13によって、原料ガスの露点が18℃程度になるよう、水分を添加した。
上記原料ガスを大気圧の放電空間22にて活性化し、処理ガスを生成した。プラズマ放電条件は以下の通りとした。
放電空間22の厚さ(電極21,21間の間隔): 1mm
電極21,21間の印加電圧: Vpp=13kV
印加電圧の周波数: 40kHz(パルス波)
上記の処理ガスを幅方向(図1の紙面と直交する方向)に均一な流れ分布になるようにして吹出口23から吹き出し、被処理物90に吹き付けて、第1エッチング工程を行なった。第1エッチング工程の処理時間は、約15秒間であった。
第1エッチング工程の期間中、ステージ30の移動は行なわず、被処理物90を吹出口23の直下の位置に静止させた。
図4に示すように、第1エッチング工程によって、窒化シリコン膜93を約4.5μmの深さまでエッチングした。したがって、第1エッチング工程における窒化シリコン膜93のエッチング割合は全膜厚の約82%であった。第1エッチング工程の終了時点の窒化シリコン膜93の残り厚さは、約1μmであった。
[洗浄工程]
続いて、被処理物90をステージ30から取り外して、洗浄工程を行なった。洗浄剤として水を用いた。シャワーノズルから水を被処理物90に供給し、被処理物90の表面を水洗した。
なお、図4の横軸の処理時間には、洗浄工程にかかった時間が省かれている。
[第2エッチング工程]
洗浄後の被処理物90を再び上記大気圧プラズマエッチング装置1のステージ30にセットし、プラズマ生成部20の直下に位置決めした。
第2エッチング工程では、温度調節部50にて被処理物90の温度を80℃になるよう調節した。
第2エッチング工程における原料ガスの組成及び供給流量、並びにプラズマ放電条件は第1エッチング工程と同じとし、第1エッチング工程と同様の処理ガスを生成した。上記処理ガスを幅方向(図1の紙面と直交する方向)に均一な流れ分布になるようにして吹出口23から吹き出し、被処理物90に吹き付けて、第2エッチング工程を行なった。第2エッチング工程の処理時間は、約15秒間であった。
第2エッチング工程の期間中、ステージ30の移動は行なわず、被処理物90を吹出口23の直下の位置に静止させた。
図4において「実施例1」の実線に示すように、第2エッチング工程によって、窒化シリコンの残膜約1μmを完全にエッチングすることができた。第2エッチング工程における窒化シリコン膜のエッチング割合は全膜厚の約18%であった。
第2エッチング工程の終了後、露出した酸化シリコン膜92のエッチング量を測定したところ、約5nmであった。したがって、酸化シリコン膜92に殆どエッチングダメージを与えることなく、窒化シリコン膜93のエッチング処理を行なうことができた。
図4から明らかな通り、第1エッチング工程のエッチング速度は、第2エッチング工程のエッチング速度より大きい。したがって、本発明によれば、第1エッチング工程によって窒化シリコン膜の大半を高速でエッチングできる。、その後、第2エッチング工程によって、下地の酸化シリコンを殆どエッチングすることなく、窒化シリコン膜の残部をきれいにエッチングすることができる。
実施例2では、洗浄工程を省略した。すなわち、第1エッチング工程の後、洗浄工程を経ずに、第2エッチング工程に移行した。それ以外の処理条件及び内容は、実施例1と同一とした。
図4に示すように、洗浄工程を行なわなかった場合(同図の二点鎖線)の第2エッチング工程におけるエッチング速度は、洗浄工程を行なった場合(同図の実線)より遅くなった。これは、第1エッチング工程で生じたケイフッ化アンモニウムによる影響と考えられる。
実施例1及び実施例2より、洗浄工程を介在させることで、第2エッチング工程を短縮できることが示された。
本発明は、例えばフラットパネルディスプレイ(FPD)や半導体ウェハの製造に適用可能である。
1 大気圧プラズマエッチング装置
10 処理ガス供給系
11 原料ガス供給ライン
12 フッ素原料ガス供給部
13 加湿器(水添加部)
20 プラズマ生成部
21 電極
22 放電空間
23 吹出口
30 ステージ(基板支持部)
40 移動機構
50 温度調節部
90 被処理物
91 ガラス基板
92 酸化シリコン膜(下地材)
93 窒化シリコン膜

Claims (9)

  1. 酸化シリコンを含有する下地材にエッチング対象の窒化シリコン膜が被膜された被処理物を、フッ化水素及び凝縮性添加成分を含有する処理ガスによってエッチングするエッチング方法であって、
    前記被処理物の温度を室温近傍にして、前記処理ガスを前記被処理物に接触させる第1エッチング工程と、
    前記第1エッチング工程の後、前記被処理物の温度を50℃〜130℃にして、前記処理ガスを前記被処理物に接触させる第2エッチング工程と、
    を実行し、前記凝縮性添加成分が、水、OH基含有化合物、又は過酸化水素水であることを特徴とする窒化シリコンのエッチング方法。
  2. 前記第1エッチング工程によって前記窒化シリコン膜のうち80%〜99%の膜厚分をエッチングし、前記第2エッチング工程によって前記窒化シリコン膜のうち残り1%〜20%の膜厚分をエッチングすることを特徴とする請求項1に記載のエッチング方法。
  3. 前記第1エッチング工程と前記第2エッチング工程との間に、前記被処理物を洗浄する洗浄工程を介在させることを特徴とする請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  4. 前記洗浄工程において、前記被処理物に水を接触させることを特徴とする請求項3に記載のエッチング方法。
  5. 前記窒化シリコン膜の初期膜厚が、2.5μm以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のエッチング方法。
  6. 前記第1エッチング工程における前記被処理物の温度を20℃〜30℃に調節することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のエッチング方法。
  7. 前記第2エッチング工程における前記被処理物の温度を60℃〜110℃に調節することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のエッチング方法。
  8. 前記第2エッチング工程における前記被処理物の温度を70℃〜100℃に調節することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のエッチング方法。
  9. 酸化シリコンを含有する下地材にエッチング対象の窒化シリコン膜が被膜された被処理物を、フッ化水素及び凝縮性添加成分を含有する処理ガスによってエッチングするエッチング装置であって、
    前記被処理物を支持する支持部と、
    前記処理ガスを前記被処理物に接触させる処理ガス供給系と、
    前記窒化シリコン膜の大半がエッチングされる迄、前記被処理物の設定温度を室温近傍にし、前記窒化シリコン膜の残り分をエッチングするとき、前記設定温度を50℃〜130℃にするように、前記エッチングの途中の、前記窒化シリコン膜が残っている段階で前記設定温度を切り替える温度調節部と、
    を備え、前記凝縮性添加成分が、水、OH基含有化合物、又は過酸化水素水であることを特徴とする窒化シリコンのエッチング装置。
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