JP5473587B2 - 磁気ディスク基板用研磨液組成物 - Google Patents

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本発明は、磁気ディスク基板用研磨液組成物、及びこれを用いた磁気ディスク基板の製造方法に関する。
近年、磁気ディスクドライブは小型化・大容量化が進み、高記録密度化が求められている。高記録密度化するために、単位記録面積を縮小し、弱くなった磁気信号の検出感度を向上させるため、磁気ヘッドの浮上高さをより低くするための技術開発が進められている。磁気ディスク基板には、磁気ヘッドの低浮上化と記録面積の確保に対応するため、平滑性・平坦性の向上(表面粗さ、うねり、端面ダレの低減)と欠陥低減(スクラッチ、突起、ピット等の低減)に対する要求が厳しくなっている。このような要求に対し、研磨粒子としてコロイダルシリカの粒径分布を規定した研磨液組成物やベンゾトリアゾール(BTA)のようなアゾール類を含有する研磨液組成物が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1には、特定の粒径分布を持つコロイダルシリカを用いた研磨液組成物が開示されており、この研磨液組成物によれば、コロイダルシリカの粒径を小さくし、その粒径分布をシャープにすることにより、メモリーハードディスク用基板の表面粗さを低減できることが記載されている。
特許文献2には、アゾール類を含有する研磨液組成物が開示されており、この研磨液組成物によれば、メモリーハードディスク用基板の基板表面上のスクラッチを低減できることが記載されている。
特開2004−204151号公報 特開2007−92064号公報
磁気ディスクドライブのさらなる大容量化を実現するためには、従来の研磨液組成物による表面粗さやスクラッチの低減だけでは不十分である。従来の課題に加えて、研磨後の基板表面のナノ突起欠陥をも低減する必要がある。
また、大容量化に伴い、磁気ディスクにおける記録方式が水平磁気記録方式から垂直磁気記録方式へと移行した。垂直磁気記録方式の磁気ディスクの製造工程では、水平磁気記録方式で磁化方向を揃えるために必要であったテクスチャ工程が不要となり、研磨後の基板表面に直接磁性層が形成される。そのため、テクスチャ工程で除かれていた研磨後の基板表面の欠陥を研磨工程において取り除く必要があり、研磨後の基板表面品質に対する要求特性はさらに厳しくなっている。従来の研磨液組成物では、垂直磁気記録方式の基板表面に求められるナノ突起欠陥及びスクラッチの要求レベルを十分に満足することができない。
そこで、本発明は、研磨後の基板表面のスクラッチ及びナノ突起欠陥の低減を実現できる磁気ディスク基板用研磨液組成物、及びこれを用いた磁気ディスク基板の製造方法を提供する。
本発明は、コロイダルシリカ、複素環内に窒素原子を2個以上含む複素環芳香族化合物、酸、酸化剤、及び水を含有する磁気ディスク基板用研磨液組成物であって、前記コロイダルシリカは、ΔCV値が0〜10%であり、CV90が1〜35%であり、かつ、平均粒径が1〜40nmであり、ここで、前記ΔCV値は、動的光散乱法による検出角30°における散乱強度分布に基づく標準偏差を前記散乱強度分布に基づく平均粒径で除して100を掛けた値(CV30)と、動的光散乱法による検出角90°における散乱強度分布に基づく標準偏差を前記散乱強度分布に基づく平均粒径で除して100を掛けた値(CV90)との差の値(ΔCV=CV30−CV90)であり、前記CV90は、動的光散乱法による検出角90°における散乱強度分布に基づく標準偏差を前記散乱強度分布に基づく平均粒径で除して100を掛けた値であり、前記平均粒径は、動的光散乱法による検出角90°における散乱強度分布に基づく平均粒径である磁気ディスク基板用研磨液組成物に関する。
また、本発明の磁気ディスク基板の製造方法は、本発明の磁気ディスク基板用研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む磁気ディスク基板の製造方法に関する。
本発明の磁気ディスク基板用研磨液組成物によれば、研磨後の基板表面のスクラッチに加えて、研磨後の基板表面のナノ突起欠陥が低減された磁気ディスク基板、特に垂直磁気記録方式の磁気ディスク基板を製造できるという効果が好ましくは奏される。
[ナノ突起欠陥]
本明細書において「ナノ突起欠陥」とは、磁気ディスク基板の製造工程における研磨後の基板表面の欠陥であって、光学的に検出され得る10nm未満程度の大きさの凸欠陥をいう。磁気ディスクの高密度化・大容量化のためには、磁気ヘッドと磁気ディスクとの間隔は10nm未満にする必要がある。研磨後の基板表面のナノ突起を低減することができれば、さらに磁気ヘッドの浮上量を低減できるため、より小さな磁気信号の検出が可能となる。つまり、ナノ突起を低減することで単位記録面積をより小さくして基板1枚当りの記録密度の向上が可能となる。
[スクラッチ]
本明細書において「スクラッチ」とは、深さが1nm以上、幅が100nm以上、長さが1000nm以上の基板表面の微細な傷で、光学式欠陥検出装置であるKLA Tencor社製のCandela6100シリーズや日立ハイテクノロジ−社製のNS1500シリーズで検出可能であり、スクラッチ数として定量評価できる。さらに、検出したスクラッチは原子間力顕微鏡(AFM)、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)で大きさや形状を解析することができる。
本発明は、コロイダルシリカ、酸、及び酸化剤を含有する磁気ディスク基板用研磨液組成物において、複素環内に窒素原子を2個以上含む複素環芳香族化合物と特定のコロイダルシリカとを併用することにより、研磨後の基板のスクラッチの低減のみならず、研磨後基板のナノ突起欠陥をも低減でき、記録容量の大容量化の要請に応え得る磁気ディスク基板を製造できるという知見に基づく。
具体的には、複素環内に窒素原子を2個以上含む複素環芳香族化合物と、平均粒径、粒径分布の広がりを示す変動係数の値(CV値)、及び動的光散乱法における散乱強度分布の角度依存性(ΔCV値)の3つのパラメータを用いるコロイダルシリカの制御を加えた。複素環内に窒素原子を2個以上含む複素環芳香族化合物とコロイダルシリカの前記制御との組合せにより、従来知られていたスクラッチの低減が促進され、さらに、ナノ突起欠陥が著しく低減されることが見出された。
すなわち、本発明は、一態様において、磁気ディスク基板用研磨液組成物であって、コロイダルシリカ、複素環内に窒素原子を2個以上含む複素環芳香族化合物、酸、酸化剤及び水を含有し、前記コロイダルシリカは、ΔCV値が0〜10%であり、CV90が1〜35%であり、かつ、平均粒径が1〜40nmであり、ここで、前記ΔCV値は、動的光散乱法による検出角30°における散乱強度分布に基づく標準偏差を前記散乱強度分布に基づく平均粒径で除して100を掛けた値(CV30)と、動的光散乱法による検出角90°における散乱強度分布に基づく標準偏差を前記散乱強度分布に基づく平均粒径で除して100を掛けた値(CV90)との差の値(ΔCV=CV30−CV90)であり、前記CV90は、動的光散乱法による検出角90°における散乱強度分布に基づく標準偏差を前記散乱強度分布に基づく平均粒径で除して100を掛けた値であり、前記平均粒径は、動的光散乱法による検出角90°における散乱強度分布に基づく平均粒径である磁気ディスク基板用研磨液組成物(以下、本発明の研磨液組成物ともいう)に関する。
本発明の研磨液組成物によれば、研磨後の基板において、スクラッチの低減のみならず、研磨後の基板表面のナノ突起欠陥を低減できるという効果を奏し得る。
本発明の研磨液組成物がスクラッチのみならず研磨後の基板表面のナノ突起欠陥を低減できるメカニズムの詳細は明らかでないが、研磨時において複素環芳香族化合物が被研磨基板上に保護膜を形成するとともに、コロイダルシリカの一次粒子が凝集して生じた50〜200nmのシリカ凝集体(非球状シリカ)が少ないコロイダルシリカを用いることによって、一層スクラッチを低減し、さらに、ナノ突起欠陥を低減することができると推定される。但し、本発明はこのメカニズムに限定されない。
[ΔCV値]
本明細書においてコロイダルシリカのΔCV値は、動的光散乱法により検出角30°(前方散乱)の散乱強度分布に基づき測定される粒径の標準偏差を、動的光散乱法により検出角30°の散乱強度分布に基づき測定される平均粒径で除して100を掛けた変動係数(CV)の値(CV30)と、動的光散乱法により検出角90°(側方散乱)の散乱強度分布に基づき測定される粒径の標準偏差を、動的光散乱法により検出角90°の散乱強度分布に基づき測定される平均粒径で除して100を掛けた変動係数の値(CV90)との差(ΔCV=CV30−CV90)をいい、動的光散乱法により測定される散乱強度分布の角度依存性を示す値をいう。ΔCV値は、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明者らは、コロイダルシリカのΔCV値とスクラッチ数との間には相関関係があること、及びコロイダルシリカのΔCV値と非球状シリカの含有量との間に相関関係があることを見出した。コロイダルシリカの一次粒子が凝集して生じた50〜200nmのシリカ凝集体(非球状シリカ)がスクラッチやナノ突起発生の原因物質であり、かかる凝集体が少ないためスクラッチ及びナノ突起が低減されると推定している。
すなわち、ΔCV値に着目することで、従来では検出することが困難であったコロイダルシリカ粒子分散液中の非球状粒子の存在を検出できるから、そのような非球状粒子を含む研磨液組成物を使用することを回避でき、その結果、スクラッチ及びナノ突起の低減を達成できると考えられる。
ここで、粒子分散液試料中の粒子が球状か非球状かは、一般に、動的散乱法により測定される拡散係数(D=Γ/q2)の角度依存性を指標とする方法(例えば、特開平10−195152号公報参照)により判断されている。具体的には散乱ベクトルq2に対するΓ/q2をプロットしたグラフにおいて示される角度依存性が小さいほどその分散液中の粒子の平均的な形状は真球状であると判断し、角度依存性が大きいほどその分散液中の粒子の平均的な形状は非球状であると判断される。すなわち、この、動的散乱法により測定される拡散係数の角度依存性を指標とする従来の方法は、系全体で均一の粒子が分散していると仮定して粒子の形状や粒径等を検出・測定する方法である。それゆえ、球状粒子が大勢を占める分散液試料中の一部に存在する非球状粒子は検出が困難となる。
一方、動的光散乱法では、原理的に200nm以下の真球状粒子分散溶液を測定した場合、散乱強度分布は検出角に関係なくほぼ一定の結果が得られるため測定結果は検出角に依存しない。しかし、非球状粒子を含む真球状粒子分散溶液の動的光散乱の散乱強度分布は非球状粒子の存在により検出角によって大きく変化し、低角の検出角ほど散乱強度分布は分布がブロードになる。そのため、動的光散乱の散乱強度分布の測定結果は検出角に依存することとなり、「動的光散乱法により測定される散乱強度分布の角度依存性」の指標の1つであるΔCV値を測定することで、球状粒子分散溶液中に存在するわずかな非球状粒子を測定できると考えられる。なお、本発明はこれらのメカニズムに限定されない。
[散乱強度分布]
本明細書において「散乱強度分布」とは、動的光散乱法(DLS:Dynamic Light Scattering)又は準弾性光散乱(QLS:Quasielastic Light Scattering)により求められるサブミクロン以下の粒子の3つの粒径分布(散乱強度、体積換算、個数換算)のうち散乱強度の粒径分布のことをいう。通常、サブミクロン以下の粒子は溶媒中でブラウン運動をしており、レーザー光を照射すると散乱光強度が時間的に変化する(ゆらぐ)。この散乱光強度のゆらぎを、例えば、光子相関法(JIS Z 8826)を用いて自己相関関数を求め、キュムラント(Cumulant)法解析により、ブラウン運動速度を示す拡散係数(D)を算出して、さらにアインシュタイン・ストークスの式を用い、平均粒径(d:流体力学的径)を求めることができる。また、粒径分布解析は、キュムラント法による多分散性指数(Polydispersity Index, PI)のほかに、ヒストグラム法(Marquardt法)、ラプラス逆変換法(CONTIN法)、非負最小2乗法(NNLS法)等がある。
動的光散乱法の粒径分布解析では、通常、キュムラント法による多分散性指数(Polydispersity Index, PI)が広く用いられている。しかしながら、粒子分散液中にわずかに存在する非球状粒子の検出を可能とする検出方法においては、ヒストグラム法(Marquardt法)やラプラス逆変換法(CONTIN法)による粒径分布解析から平均粒径(d50)と標準偏差を求め、CV値(Coefficient of variation:標準偏差を平均粒径で割って100をかけた数値)を算出し、その角度依存性(ΔCV値)を用いることが好ましい。
(参考資料)
第12回散乱研究会(2000年11月22日開催)テキスト、1.散乱基礎講座「動的光散乱法」(東京大学 柴山充弘)
第20回散乱研究会(2008年12月4日開催)テキスト、5.動的光散乱によるナノ粒子の粒径分布測定(同志社大学 森康維)
[散乱強度分布の角度依存性]
本明細書において「粒子分散液の散乱強度分布の角度依存性」とは、動的光散乱法により異なる検出角で前記粒子分散液の散乱強度分布を測定した場合の、散乱角度に応じた散乱強度分布の変動の大きさをいう。例えば、検出角30°と検出角90°とでの散乱強度分布の差が大きければ、その粒子分散液の散乱強度分布の角度依存性は大きいといえる。よって、本明細書において、散乱強度分布の角度依存性の測定は、異なる2つの検出角で測定した散乱強度分布に基づく測定値の差(ΔCV値)を求めることを含む。
散乱強度分布の角度依存性の測定で用いる2つの検出角の組合せとしては、非球状粒子の検出の確度向上の点からは、前方散乱と側方若しくは後方散乱との組合せが好ましい。前記前方散乱の検出角としては、同様の観点から、0〜80°が好ましく、0〜60°がより好ましく、10〜50°がさらに好ましく、20〜40°がさらにより好ましい。前記側方若しくは後方散乱の検出角としては、同様の観点から、80〜180°が好ましく、85〜175°がより好ましい。本発明においては、ΔCV値を求める2つの検出角として30°と90°を使用している。
[コロイダルシリカ]
本発明の研磨液組成物に用いられるコロイダルシリカは、ケイ酸水溶液から生成させる公知の製造方法等により得られたものでもよい。シリカ粒子の使用形態としては、操作性の観点からスラリー状であることが好ましい。
〔ΔCV値〕
本発明に使用されるコロイダルシリカのΔCV値は、研磨後の基板表面のスクラッチ及びナノ突起欠陥を低減する観点から、0〜10%であり、好ましくは0〜8%、より好ましくは0〜6%、さらにより好ましくは0〜5%である。また、研磨液組成物の生産性向上の観点からは、ΔCV値は、0.001%以上であることが好ましく、0.01%以上であることがより好ましい。
〔CV値〕
本発明に使用されるコロイダルシリカのCV値(CV90)は、研磨後の基板表面のスクラッチ及びナノ突起欠陥を低減する観点から、1〜35%であり、好ましくは5〜34%、より好ましくは10〜33%である。ここで、CV値とは、動的光散乱法において散乱強度分布に基づく標準偏差を平均粒径で除して100を掛けた変動係数の値であって、本明細書では特に、検出角90°(側方散乱)で測定されるCV値をCV90、検出角30°(前方散乱)で測定されるCV値をCV30という。コロイダルシリカのCV値は、具体的には実施例に記載の方法により得ることができる。
〔平均粒径〕
本発明における「コロイダルシリカの平均粒径」とは、動的光散乱法により測定される散乱強度分布に基づく平均粒径をいい、特に言及のない場合、「コロイダルシリカの平均粒径」とは、動的光散乱法において検出角90°で測定される散乱強度分布に基づく平均粒径をいう。本発明におけるコロイダルシリカの平均粒径は、具体的には実施例に記載の方法により得ることができる。
本発明に使用されるコロイダルシリカの平均粒径は、研磨後の基板表面のスクラッチ及びナノ突起欠陥を低減する観点から、1〜40nmであり、好ましくは5〜37nm、より好ましくは10〜35nmである。
コロイダルシリカのΔCV値の調整方法としては、研磨液組成物の調製で50〜200nmのシリカ凝集物(非球状シリカ)を生成しないようにする下記の方法が挙げられる。
A)研磨液組成物のろ過による方法
B)コロイダルシリカ製造時の工程管理による方法
上記A)では、例えば、遠心分離や精密フィルターろ過(特開2006‐102829及び特開2006‐136996)により、50〜200nmのシリカ凝集体を除去することでΔCVを低減できる。具体的には、シリカ濃度20重量%以下になるように適度に希釈したコロイダルシリカ水溶液を、stokesの式より算出した50nm粒子が除去できる条件(例えば、10,000G以上、遠沈管高さ約10cm、2時間以上)で遠心分離する方法や、孔径が0.05μmまたは0.1μmのメンブランフィルター(例えば、アドバンテック、住友3M、Millipore)を用いて加圧ろ過する方法等によりΔCVを低減できる。
また、コロイダルシリカ粒子は、通常、1)10重量%未満の3号ケイ酸ソーダと種粒子(小粒径シリカ)の混合液(シード液)を反応層に入れ、60℃以上に加熱し、2)そこに3号ケイ酸ソーダを陽イオン交換樹脂に通した酸性の活性ケイ酸水溶液とアルカリ(アルカリ金属または第4級アンモニウム)とを滴下してpHを一定にして球状の粒子を成長させ、3)熟成後に蒸発法や限外ろ過法で濃縮することで得られる(特開昭47−1964、特公平1−23412、特公平4−55125、特公平4−55127)。しかし、同じ製造プロセスで少し工程を変えると非球状粒子の製造も可能であることが多く報告されている。たとえば、活性ケイ酸は非常に不安定なため意図的にCaやMgなどの多価金属イオンを添加すると細長い形状のシリカゾルを製造できる。さらに、反応層の温度(水の沸点を越えると蒸発し気液界面でシリカが乾燥)、反応層のpH(9以下ではシリカ粒子の連結が起きやすい)、反応層のSiO2/M2O(Mはアルカリ金属または第4級アンモニウム)、及びモル比(30〜60で非球状シリカを選択的に生成)などを変えることで非球状シリカが製造できる(特公平8−5657、特許2803134、特開2006−80406、特開2007−153671)。したがって、上記B)では、公知の球状コロイダルシリカ製造プロセスにおいて、局部的に非球状シリカが生成する条件にならないように工程管理を行うことでΔCVを小さく調整することができる。
コロイダルシリカの粒径分布を調整する方法は、特に限定されないが、その製造段階における粒子の成長過程で新たな核となる粒子を加えることにより所望の粒径分布を持たせる方法や、異なる粒径分布を有する2種以上のシリカ粒子を混合して所望の粒径分布を持たせる方法等が挙げられる。
本発明の研磨液組成物中におけるコロイダルシリカの含有量は、研磨速度を向上させる観点から、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは3重量%以上、さらにより好ましくは4重量%以上であり、また、基板表面の平坦性をより向上させる観点から、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは13重量%以下、さらにより好ましくは10重量%以下である。すなわち、上記シリカ粒子の含有量は、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、さらに好ましくは3〜13重量%、さらにより好ましくは4〜10重量%である。
[複素環芳香族化合物]
本発明の研磨液組成物に含有される複素環芳香族化合物は、研磨後の基板のスクラッチ及びナノ突起欠陥の低減の観点から、複素環内に窒素原子を2個以上含む複素環芳香族化合物であり、複素環内に窒素原子を3個以上有することが好ましく、3〜9個がより好ましく、3〜5個がさらに好ましく、3又は4個がさらにより好ましい。
本発明の研磨液組成物に含有される複素環芳香族化合物は、研磨後の基板のスクラッチ及びナノ突起欠陥の低減の観点から、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,5−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、3-アミノピラゾール、4−アミノピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、ピラゾール、2−アミノイミダゾール、4−アミノイミダゾール、5−アミノイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、1,2,3−トリアゾール、4−アミノー1,2,3−トリアゾール、5−アミノー1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノー1,2,4−トリアゾール、5−アミノー1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1H−テトラゾール、5−アミノテトラゾール、1H−ベンゾトリアゾール、1H−トリルトリアゾール、2−アミノベンゾトリアゾール、3−アミノベンゾトリアゾール、又はこられのアルキル置換体若しくはアミン置換体が好ましく、1H−ベンゾトリアゾール、1H−トリルトリアゾールがより好ましく、1H−ベンゾトリアゾールがさらに好ましい。前記アルキル置換体のアルキル基としては例えば、炭素数1〜4の低級アルキル基が挙げられ、より具体的にはメチル基、エチル基が挙げられる。また、前記アミン置換体としては1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチレン)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチレン)アミノメチル]トリルトリアゾールが挙げられる。
本発明の研磨液組成物における複素環芳香族化合物の含有量は、研磨後の基板のスクラッチ及びナノ突起欠陥の低減の観点から、研磨液組成物全体の重量に対して0.01〜10重量%であることが好ましく、0.05〜5重量%がより好ましく、0.1〜1重量%がさらに好ましい。なお、研磨液組成物中の複素環芳香族化合物は1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
また、研磨液組成物中における、コロイダルシリカと複素環芳香族化合物との濃度比[コロイダルシリカの濃度(重量%)/複素環芳香族化合物の濃度(重量%)]は、研磨後の基板表面のスクラッチ及びナノ突起欠陥の低減の観点から、2〜100が好ましく、5〜50がより好ましく、10〜25がさらに好ましい。
[酸]
本発明の研磨液組成物は、研磨速度を向上させる観点から、酸を含有する。本明細書において、酸の使用は、酸及び又はその塩の使用を含む。本発明の研磨液組成物に使用される酸としては、研磨速度の向上の観点から、その酸のpK1が2以下の化合物が好ましく、スクラッチを低減する観点から、好ましくはpK1が1.5以下、より好ましくは1以下、さらに好ましくはpK1で表せない程の強い酸性を示す化合物である。好ましい酸は、硝酸、硫酸、亜硫酸、過硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、アミド硫酸等の無機酸、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1,−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等の有機ホスホン酸、グルタミン酸、ピコリン酸、アスパラギン酸等のアミノカルボン酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、ニトロ酢酸、マレイン酸、オキサロ酢酸等のカルボン酸等が挙げられる。中でも、スクラッチ低減の観点から、無機酸、カルボン酸、有機ホスホン酸が好ましく、酸化剤の安定性向上及び廃液処理性向上の観点から、さらに無機酸、有機ホスホン酸が好ましい。また、無機酸の中では、硝酸、硫酸、塩酸、過塩素酸がより好ましく、リン酸、硫酸がさらに好ましい。カルボン酸の中では、クエン酸、酒石酸、マレイン酸がより好ましく、クエン酸がさらに好ましい。有機ホスホン酸の中では、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びそれらの塩がより好ましく、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)がさらに好ましい。これらの酸及びその塩は単独で又は2種以上を混合して用いてもよいが、研磨速度の向上、ナノ突起低減及び基板の洗浄性向上の観点から、2種以上を混合して用いることが好ましく、リン酸、硫酸、クエン酸及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸からなる群から選択される2種以上の酸を混合して用いることがさらに好ましい。ここで、pK1とは有機化合物または無機化合物の第一酸解離定数(25℃)の逆数の対数値である。各化合物のpK1は例えば改訂4版化学便覧(基礎編)II、pp316−325(日本化学会編)等に記載されている。
これらの酸の塩を用いる場合の対イオンとしては、特に限定はなく、具体的には、金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム等のイオンが挙げられる。上記金属の具体例としては、周期律表(長周期型)1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、6A、7A又は8族に属する金属が挙げられる。これらの中でも、スクラッチ低減の観点から1A族に属する金属又はアンモニウムとの塩が好ましい。
研磨液組成物中における前記酸の含有量は、研磨速度向上及び作業環境の安全性向上の観点から、0.001〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜4重量%であり、さらに好ましくは0.05〜3重量%、さらにより好ましくは0.1〜2.0重量%である。
[酸化剤]
本発明の研磨液組成物は、研磨速度向上の観点から、酸化剤を含有する。本発明の研磨液組成物に使用できる酸化剤としては、研磨速度を向上させる観点から、過酸化物、過マンガン酸又はその塩、クロム酸又はその塩、ペルオキソ酸又はその塩、酸素酸又はその塩、金属塩類、硝酸類、硫酸類等が挙げられる。
前記過酸化物としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム等が挙げられ、過マンガン酸又はその塩としては、過マンガン酸カリウム等が挙げられ、クロム酸又はその塩としては、クロム酸金属塩、重クロム酸金属塩等が挙げられ、ペルオキソ酸又はその塩としては、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸金属塩、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸ナトリウム、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸等が挙げられ、酸素酸又はその塩としては、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム等が挙げられ、金属塩類としては、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、クエン酸鉄(III)、硫酸アンモニウム鉄(III)等が挙げられる。
好ましい酸化剤としては、過酸化水素、硝酸鉄(III)、過酢酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、硫酸鉄(III)及び硫酸アンモニウム鉄(III)等が挙げられる。より好ましい酸化剤としては、表面に金属イオンが付着せず汎用に使用され安価であるという観点から過酸化水素が挙げられる。これらの酸化剤は、単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
研磨液組成物中における前記酸化剤の含有量は、研磨速度向上の観点から、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.1重量%以上であり、基板の表面粗さ低減の観点から、好ましくは4重量%以下、より好ましくは2重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下である。従って、表面品質を保ちつつ研磨速度を向上させるためには、上記含有量は、好ましくは0.01〜4重量%、より好ましくは0.05〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%である。
[水]
本発明の研磨液組成物は、媒体として水を含む。前記水としては蒸留水、イオン交換水、超純水等が挙げられる。被研磨基板の表面清浄性の観点からイオン交換水及び超純水が好ましく、超純水がより好ましい。研磨液組成物中の水の含有量は、60〜99.4重量%が好ましく、70〜98.9重量%がより好ましい。また、本発明の効果を阻害しない範囲内でアルコール等の有機溶剤を配合してもよい。
[その他の成分]
本発明の研磨液組成物には、必要に応じて他の成分を配合することができる。他の成分としては、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、界面活性剤等が挙げられる。研磨液組成物中のこれら他の任意成分の含有量は、0〜10重量%が好ましく、0〜5重量%がより好ましい。
[研磨液組成物のpH]
本発明の研磨液組成物のpHは、研磨速度向上の観点から3.0以下が好ましく、より好ましくは2.5以下、さらに好ましくは2.0以下、さらにより好ましくは1.8以下である。また、基板の表面粗さ低減及び作業環境の安全性向上の観点から、0.5以上が好ましく、より好ましくは0.8以上、さらに好ましくは1.0以上、さらにより好ましくは1.2以上である。また、研磨液組成物の廃液pHは、研磨速度向上の観点から3以下が好ましく、より好ましくは2.5以下、さらに好ましくは2.2以下、さらにより好ましくは2.0以下である。また、基板の表面粗さ低減、作業環境の安全性向上及び環境保護の観点から、研磨液組成物の廃液pHは、0.8以上が好ましく、より好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.2以上、さらにより好ましくは1.5以上である。なお、廃液pHとは、研磨液組成物を用いた研磨工程における研磨廃液、即ち、研磨機より排出された直後の研磨液組成物のpHをいう。
[研磨液組成物の調製方法]
本発明の研磨液組成物は、例えば、水と、コロイダルシリカと、複素環芳香族化合物と、酸と、酸化剤と、さらに所望により、他の成分とを公知の方法で混合することにより調製できる。この際、コロイダルシリカは、濃縮されたスラリーの状態で混合されてもよいし、水等で希釈してから混合されてもよい。本発明の研磨液組成物中における各成分の含有量や濃度は、上述した範囲であるが、その他の態様として、本発明の研磨液組成物を濃縮物として調製してもよい。
本発明は、その他の態様として、コロイダルシリカ、複素環芳香族化合物、酸、酸化剤及び水を含有する磁気ディスク基板用研磨液組成物の調製方法であって、ΔCV値が0〜10%であり、CV90が1〜35%であり、かつ、平均粒径が1〜40nmであるコロイダルシリカを選択及び又は確認して使用することを含む磁気ディスク基板用研磨液組成物の調製方法を提供し得る。上記コロイダルシリカを用いた磁気ディスク基板用研磨液組成物であれば、研磨後の基板表面のスクラッチ及びナノ突起欠陥を低減できる。当然に、この磁気ディスク基板用研磨液組成物の調製方法であれば、本発明の研磨液組成物も製造することができる。
[磁気ディスク基板の製造方法]
本発明は、その他の態様として、磁気ディスク基板の製造方法(以下、本発明の製造方法ともいう。)に関する。本発明の製造方法は、上述した本発明の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程(以下、本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程ともいう。)を含む磁気ディスク基板の製造方法である。これにより、研磨速度の低下を抑制でき、生産性及び研磨後の基板の表面粗さを大きく損なうことなく、研磨後の基板表面のスクラッチ及びナノ突起欠陥が低減された磁気ディスク基板を好ましくは提供できる。本発明の製造方法は、とりわけ、垂直磁気記録方式用磁気ディスク基板の製造方法に適している。よって、本発明の製造方法は、その他の態様として、本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程を含む垂直磁気記録方式用磁気ディスク基板の製造方法である。
本発明の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する方法の具体例としては、不織布状の有機高分子系研磨布等の研磨パッドを貼り付けた定盤で被研磨基板を挟み込み、本発明の研磨液組成物を研磨機に供給しながら、定盤や被研磨基板を動かして被研磨基板を研磨する方法が挙げられる。
被研磨基板の研磨工程が多段階で行われる場合は、本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程は2段階目以降に行われるのが好ましく、最終研磨工程で行われるのがより好ましい。その際、前工程の研磨材や研磨液組成物の混入を避けるために、それぞれ別の研磨機を使用してもよく、またそれぞれ別の研磨機を使用した場合では、研磨工程毎に被研磨基板を洗浄することが好ましい。また使用した研磨液を再利用する循環研磨においても、本発明の研磨液組成物は使用できる。なお、研磨機としては、特に限定されず、磁気ディスク基板研磨用の公知の研磨機が使用できる。
[研磨パッド]
本発明で使用される研磨パッドとしては、特に制限はなく、スエードタイプ、不織布タイプ、ポリウレタン独立発泡タイプ、又はこれらを積層した二層タイプ等の研磨パッドを使用することができるが、研磨速度の観点から、スエードタイプの研磨パッドが好ましい。
研磨パッドの表面部材の平均気孔径は、研磨後の基板表面のスクラッチ及びナノ突起欠陥の低減及びパッド寿命の観点から、50μm以下が好ましく、より好ましくは45μm以下、さらに好ましくは40μm以下、さらにより好ましくは35μm以下である。パッドの研磨液保持性の観点から、気孔で研磨液を保持し液切れを起こさないようにするために、平均気孔径は0.01μm以上が好ましく、より好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは1μm以上、さらにより好ましくは10μm以上である。また、研磨パッドの気孔径の最大値は、研磨速度維持の観点から、100μm以下が好ましく、より好ましくは70μm以下、さらに好ましくは60μm以下、特に好ましくは50μm以下である。
[研磨荷重]
本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程における研磨荷重は、好ましくは5.9kPa以上、より好ましくは6.9kPa以上、さらに好ましくは7.5kPa以上である。これにより、研磨速度の低下を抑制できるため、生産性の向上が可能となる。なお、本発明の製造方法において研磨荷重とは、研磨時に被研磨基板の研磨面に加えられる定盤の圧力をいう。また、本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程において、研磨荷重は20kPa以下が好ましく、より好ましくは18kPa以下、さらに好ましくは16kPa以下である。これにより、スクラッチ及びナノ突起欠陥の発生を抑制することができる。したがって、本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程において研磨荷重は5.9〜20kPaが好ましく、6.9〜18kPaがより好ましく、7.5〜16kPaがさらに好ましい。研磨荷重の調整は、定盤及び被研磨基板のうち少なくとも一方に空気圧や重りを負荷することにより行うことができる。
[研磨液組成物の供給]
本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程における本発明の研磨液組成物の供給速度は、研磨後の基板表面のスクラッチ及びナノ突起欠陥の低減の観点から、被研磨基板1cm2当たり、好ましくは0.05〜15mL/分であり、より好ましくは0.06〜10mL/分であり、さらに好ましくは0.07〜1mL/分、さらにより好ましくは0.08〜0.5mL/分、さらにより好ましくは0.12〜0.5mL/分である。
本発明の研磨液組成物を研磨機へ供給する方法としては、例えばポンプ等を用いて連続的に供給を行う方法が挙げられる。研磨液組成物を研磨機へ供給する際は、全ての成分を含んだ1液で供給する方法の他、研磨液組成物の安定性等を考慮して、複数の配合用成分液に分け、2液以上で供給することもできる。後者の場合、例えば供給配管中又は被研磨基板上で、上記複数の配合用成分液が混合され、本発明の研磨液組成物となる。
[被研磨基板]
本発明において好適に使用される被研磨基板の材質としては、例えばシリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン等の金属若しくは半金属、又はこれらの合金や、ガラス、ガラス状カーボン、アモルファスカーボン等のガラス状物質や、アルミナ、二酸化珪素、窒化珪素、窒化タンタル、炭化チタン等のセラミック材料や、ポリイミド樹脂等の樹脂等が挙げられる。中でも、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅等の金属や、これらの金属を主成分とする合金を含有する被研磨基板が好適である。特にNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板や、結晶化ガラス、強化ガラス等のガラス基板に適しており、中でもNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板が適している。
また、本発明によれば、研磨後の基板表面のスクラッチに加えて、研磨後の基板表面のナノ突起欠陥が低減された磁気ディスク基板を提供できるため、高度の表面平滑性が要求される垂直磁気記録方式の磁気ディスク基板の研磨に好適に用いることができる。
上記被研磨基板の形状には特に制限はなく、例えば、ディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状であればよい。中でも、ディスク状の被研磨基板が適している。ディスク状の被研磨基板の場合、その外径は例えば2〜95mm程度であり、その厚みは例えば0.5〜2mm程度である。
[研磨方法]
本発明は、その他の態様として、上述した研磨液組成物を研磨パッドに接触させながら被研磨基板を研磨することを含む被研磨基板の研磨方法に関する。本発明の研磨方法を使用することにより、研磨後の基板表面のスクラッチに加えて、研磨後の基板表面のナノ突起欠陥が低減された磁気ディスク基板、特に垂直磁気記録方式の磁気ディスク基板が好ましくは提供される。本発明の研磨方法における前記被研磨基板としては、上述のとおり、磁気ディスク基板や磁気記録用媒体の基板の製造に使用されるものが挙げられ、なかでも、垂直磁気記録方式用磁気ディスク基板の製造に用いる基板が好ましい。なお、具体的な研磨の方法及び条件は、上述のとおりとすることができる。
下記のように実施例1〜5及び比較例1〜8の研磨液組成物を調製して被研磨基板の研磨を行い、研磨後の基板のスクラッチ及びナノ突起欠陥並びに研磨速度を評価した。評価結果を下記表1に示す。研磨液組成物の調製方法、各パラメータの測定方法、研磨条件(研磨方法)及び評価方法は以下のとおりである。
[研磨液組成物の調製方法]
コロイダルシリカ(シリカA〜G:日揮触媒化成社製、シリカH〜I:DAナノマテリアルズ社製)、複素環芳香族化合物(1H−ベンゾトリアゾール(BTA))、酸(硫酸)、及び酸化剤(過酸化水素)を用いて実施例1〜5及び比較例1〜8の研磨液組成物を調製した。実施例1〜5、比較例1〜3、6〜8の各成分の濃度は、コロイダルシリカ5重量%、硫酸0.4重量%、過酸化水素0.4重量%、ベンゾトリアゾール0.1重量%、残部イオン交換水とした。なお、比較例4ではコロイダルシリカ5重量%、リン酸2重量%、過酸化水素0.62重量%、ベンゾトリアゾール0.1重量%、K2HPO40.8重量%、残部イオン交換水とした。比較例5ではコロイダルシリカ5重量%、マレイン酸1%、過酸化水素0.62重量%、ベンゾトリアゾール0.1重量%、K2HPO40.8%を使用した。
[動的光散乱法で測定されるシリカ粒子の平均粒径、CV90、ΔCV値の測定方法]
〔平均粒径及びCV90〕
コロイダルシリカと、硫酸と、過酸化水素水とをイオン交換水に添加し、これらを混合することにより、標準試料を作製した。標準試料中におけるコロイダルシリカ、硫酸、過酸化水素の含有量は、それぞれ5重量%、0.4重量%、0.4重量%であった。この標準試料を大塚電子社製動的光散乱装置DLS−6500により、同メーカーが添付した説明書に従って、200回積算した際の検出角90°におけるMarquardt法によって得られる散乱強度分布の面積が全体の50%となる粒径を求め、シリカ粒子の平均粒径とした。また、検出角90°におけるコロイダルシリカのCV値(CV90)を、上記測定法に従って測定した散乱強度分布における標準偏差を前記平均粒径で除して100をかけた値として算出した。
〔ΔCV値〕
上記CV90の測定法と同様に、検出角30°におけるコロイダルシリカのCV値(CV30)を測定し、CV30からCV90を引いた値を求め、シリカ粒子のΔCV値とした。
(DLS−6500の測定条件)
検出角:90°
Sampling time : 4(μm)
Correlation Channel : 256(ch)
Correlation Method : TI
Sampling temperature: 26.0(℃)
検出角:30°
Sampling time : 10(μm)
Correlation Channel : 1024(ch)
Correlation Method : TI
Sampling temperature: 26.0(℃)
[研磨]
[被研磨基板]
被研磨基板としては、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板を予めアルミナ研磨材を含有する研磨液組成物で粗研磨した基板を用いた。なお、この被研磨基板は、厚さが1.27mm、外径が95mm、内径が25mmであり、AFM(Digital Instrument NanoScope IIIa Multi Mode AFM)により測定した中心線平均粗さRaが1nm、長波長うねり(波長0.4〜2mm)の振幅は2nm、短波長うねり(波長50〜400μm)の振幅は2nmであった。
[研磨条件]
研磨試験機:スピードファム社製「両面9B研磨機」
研磨パッド:フジボウ社製スエードタイプ(厚さ0.9mm、平均開孔径30μm)
研磨液組成物供給量:100mL/分(被研磨基板1cm2あたりの供給速度:0.072mL/分)
下定盤回転数:32.5rpm
研磨荷重:7.9kPa
研磨時間:5分間
[研磨速度の測定方法]
研磨前後の各基板の重さを重量計(Sartorius社製「BP−210S」)を用いて測定し、各基板の重量変化を求め、10枚の平均値を重量減少量とし、それを研磨時間で割った値を重量減少速度とした。この重量減少速度を下記の式に導入し、研磨速度(μm/min)に変換した。
研磨速度(μm/min)=重量減少速度(g/min)/基板片面面積(mm2)/Ni−Pメッキ密度(g/cm3)×106
(基板片面面積:6597mm2、Ni−Pメッキ密度:7.99g/cm3として算出)
[ナノ突起欠陥及びスクラッチの評価方法]
測定機器:KLA Tencor社製、OSA6100
評価:研磨試験機に投入した基板の中、無作為に4枚を選択し、各々の基板を10000rpmにてレーザーを照射してナノ突起欠陥及びスクラッチを測定した。その4枚の基板の各々両面にあるスクラッチ数(本)の合計を8で除して、基板面当たりのナノ突起欠陥及びスクラッチの数を算出した。その結果を、下記表1に、比較例1を100とした相対値として示す。
Figure 0005473587
上記表1に示すように、実施例1〜5の研磨液組成物を用いると、比較例1〜8に比べ、研磨後の基板のスクラッチに加えて、基板表面のナノ突起を低減できた。
本発明によれば、例えば、高記録密度化に適した磁気ディスク基板を提供できる。

Claims (6)

  1. コロイダルシリカ、複素環内に窒素原子を2個以上含む複素環芳香族化合物、酸、酸化剤及び水を含有する磁気ディスク基板用研磨液組成物であって、
    前記コロイダルシリカは、ΔCV値が0〜10%であり、CV90が1〜35%であり、かつ、平均粒径が1〜40nmであり、
    ここで、前記ΔCV値は、動的光散乱法による検出角30°における散乱強度分布に基づく標準偏差を前記散乱強度分布に基づく平均粒径で除して100を掛けた値(CV30)と、動的光散乱法による検出角90°における散乱強度分布に基づく標準偏差を前記散乱強度分布に基づく平均粒径で除して100を掛けた値(CV90)との差の値(ΔCV=CV30−CV90)であり、
    前記CV90は、動的光散乱法による検出角90°における散乱強度分布に基づく標準偏差を前記散乱強度分布に基づく平均粒径で除して100を掛けた値であり、
    前記平均粒径は、動的光散乱法による検出角90°における散乱強度分布に基づく平均粒径である、磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  2. 前記複素環芳香族化合物が、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,5−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、3-アミノピラゾール、4−アミノピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、ピラゾール、2−アミノイミダゾール、4−アミノイミダゾール、5−アミノイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、1,2,3−トリアゾール、4−アミノー1,2,3−トリアゾール、5−アミノー1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノー1,2,4−トリアゾール、5−アミノー1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1H−テトラゾール、5−アミノテトラゾール、1H−ベンゾトリアゾール、1H−トリルトリアゾール、2−アミノベンゾトリアゾール、3−アミノベンゾトリアゾール及びこられのアルキル置換体又はアミン置換体からなる群から選択される、請求項1記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  3. 前記複素環芳香族化合物が、1H−ベンゾトリアゾールである、請求項1記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  4. 酸のpK1が2以下である、請求項1〜3のいずれかの項に記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法。
  6. コロイダルシリカ、複素環内に窒素原子を2個以上含む複素環芳香族化合物、酸、酸化剤及び水を含有する磁気ディスク基板用研磨液組成物の製造方法であって、
    前記コロイダルシリカは、ΔCV値が0〜10%であり、CV90が1〜35%であり、かつ、平均粒径が1〜40nmであり、
    ここで、前記ΔCV値は、動的光散乱法による検出角30°における散乱強度分布に基づく標準偏差を前記散乱強度分布に基づく平均粒径で除して100を掛けた値(CV30)と、動的光散乱法による検出角90°における散乱強度分布に基づく標準偏差を前記散乱強度分布に基づく平均粒径で除して100を掛けた値(CV90)との差の値(ΔCV=CV30−CV90)であり、
    前記CV90は、動的光散乱法による検出角90°における散乱強度分布に基づく標準偏差を前記散乱強度分布に基づく平均粒径で除して100を掛けた値であり、
    前記平均粒径は、動的光散乱法による検出角90°における散乱強度分布に基づく平均粒径であり、
    コロイダルシリカと、複素環芳香族化合物と、酸と、酸化剤と、水とを混合する混合工程を含み、
    コロイダルシリカ製造プロセス中にコロイダルシリカのΔCV値を0〜10%に調整する工程、又は前記混合工程で得られた混合液を濾過することによりコロイダルシリカのΔCV値を0〜10%に調整する工程を含む、磁気ディスク基板用研磨液組成物の製造方法。
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