JP5471282B2 - ピニオン軸の回転支持装置 - Google Patents
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Description
又、本発明を実施する場合には、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記単列玉軸受を構成する各玉のピッチ円直径を、前記反ピニオンギヤ側の転がり軸受を構成する各転動体のピッチ円直径よりも大きくする事ができる。
又、この場合には、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記単列玉軸受を構成する内輪軌道の最小径部の直径を、前記ピニオン軸のうち、前記反ピニオンギヤ側の転がり軸受を構成する内輪を外嵌した部分の直径と等しくする(完全に等しくする場合に限らず、実質的に等しくする場合も含む。)事ができる。
尚、前記単列玉軸受として、内輪軌道を、ピニオン軸に外嵌固定した別体の内輪の外周面に形成する構造を採用すると、この内輪軌道の最小径部の小径化を図った場合に、この内輪のうちこの最小径部に対応する部分が薄肉化して、当該部分の強度(耐久性)を確保する事が難しくなると言った不具合が生じる。これに対し、本発明の場合には、前記単列玉軸受の内輪軌道を、前記ピニオン軸の外周面に直接形成する構造を採用している為、その様な不具合が生じる事はない。
図1は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、トランスファー装置を構成するピニオン軸3bを支持する1対の転がり軸受のうち、ピニオンギヤ10a側(図1の右側)の転がり軸受の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図8に示した従来構造の場合とほぼ同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
図2は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、反ピニオンギヤ10a側(図2の左側)の転がり軸受として、反ピニオンギヤ10a側からピニオンギヤ10a側(図2の右側)に向かってピニオン軸3bに作用するアキシアル荷重を支承可能な、タンデム型の複列アンギュラ玉軸受23を使用している。このタンデム型の複列アンギュラ玉軸受23は、外輪24の内周面に形成した、それぞれがアンギュラ型である複列の外輪軌道25a、25bと、内輪26の外周面に形成した、それぞれがアンギュラ型である複列の内輪軌道27a、27bとの間に、両列毎に複数個ずつの玉28、28を、両列同士で互いに同じ向きの接触角を付与した状態で配置して成り、且つ、反ピニオンギヤ10a側の玉列のピッチ円直径を、ピニオンギヤ10a側の玉列のピッチ円直径よりも大きくしている。この様な本例の場合には、反ピニオンギヤ10a側の転がり軸受として、従来の単列円すいころ軸受4d(図8参照)の代わりに、タンデム型の複列アンギュラ玉軸受23を使用している為、回転トルクを低減できる。その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
図3は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、ピニオンギヤ10a側(図3の右側)の転がり軸受を、ピニオンギヤ10a側から反ピニオンギヤ10a側(図3の左側)に向かってピニオン軸3bに作用するアキシアル荷重を支承可能な、単列アンギュラ玉軸受29としている。この単列アンギュラ玉軸受29は、外輪13aの内周面に形成したアンギュラ型の外輪軌道14aと、前記ピニオン軸3bの外周面の前端寄り部分に直接形成したアンギュラ型の内輪軌道15aとの間に、複数個の玉16、16を、接触角を付与した状態で転動自在に設けて成る。又、本例の場合、前記外輪13aの内周面のうち、前記外輪軌道14aの後端側には肩部30が存在するが、前端側には肩部が存在しない。この為、前記単列アンギュラ玉軸受29の組み立てを容易に行える。又、この単列アンギュラ玉軸受29に組み込む玉16、16の数を多くできる。即ち、本例の場合には、前記内輪軌道15aの周囲に前記各玉16、16を(図示しない保持器やグリース等により)保持した状態で、これら各玉16、16を前記外輪軌道14aの内側に、前記外輪13aの前端側から軸方向に挿入する事によって、より多くの玉16、16を有する前記単列アンギュラ玉軸受29を、容易に組み立てる事ができる。その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の各例の場合と同様である。
図4は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合、ピニオンギヤ10a側(図4の右側)の転がり軸受である単列アンギュラ玉軸受29aに関して、外輪13bの内周面の後端部に存在する肩部30aの高さHを、各玉16、16の直径dの1/2よりも大きく(H>d/2)している。又、本例の場合には、前記単列アンギュラ玉軸受29aを構成する内輪軌道15aの反ピニオンギヤ10a側(図4の左側)にも、肩部が存在しない。又、本例の場合には、この内輪軌道15aと前記ピニオンギヤ10aの端面とを、曲面部31を介して滑らかに連続させる事により、このピニオンギヤ10aの付け根部分の強度及び剛性を向上させている。又、本例の場合も、反ピニオンギヤ10a側の転がり軸受として、前述の図2に示した実施の形態の第2例の場合と同様の、タンデム型の複列アンギュラ玉軸受23を使用している。
図5は、本発明に関連する参考例の第1例を示している。本参考例の場合には、ピニオンギヤ10a側(図5の右側)の転がり軸受として、ピニオンギヤ10a側から反ピニオンギヤ10a側(図5の左側)に向かってピニオン軸3bに作用するアキシアル荷重を支承可能な、タンデム型の複列アンギュラ玉軸受23aを使用している。このタンデム型の複列アンギュラ玉軸受23aは、外輪24aの内周面に形成した、それぞれがアンギュラ型である複列の外輪軌道25c、25dと、ピニオン軸3bの外周面の前端寄り部分に直接形成した、それぞれがアンギュラ型である複列の内輪軌道27c、27dとの間に、両列毎に複数個ずつの玉28、28を、両列同士で互いに同じ向きの接触角を付与した状態で配置して成り、且つ、ピニオンギヤ10a側の玉列のピッチ円直径を、反ピニオンギヤ10a側の玉列のピッチ円直径よりも大きくしている。又、本参考例の場合も、反ピニオンギヤ10a側の転がり軸受として、前述の図2に示した実施の形態の第2例の場合と同様の、タンデム型の複列アンギュラ玉軸受23を使用している。
図6は、本発明に関連する参考例の第2例を示している。本参考例の場合には、ピニオンギヤ10a側(図6の右側)の転がり軸受を、ピニオンギヤ10a側から反ピニオンギヤ10a側(図6の左側)に向かってピニオン軸3dに作用するアキシアル荷重を支承可能な、単列円すいころ軸受4eとしている。この単列円すいころ軸受4eは、外輪5cの内周面に形成した円すい凹面状の外輪軌道32と、ピニオン軸3dの外周面の前端寄り部分に直接形成した円すい凸面状の内輪軌道33との間に、複数個の円すいころ7c、7cを転動自在に設けて成り、且つ、前記内輪軌道33の大径側端部に鍔部を有していない。
2a〜2d 環状壁
3、3a〜3d ピニオン軸
4a〜4e 単列円すいころ軸受
5a〜5d 外輪
6a〜6d 内輪
7a〜7d 円すいころ
8、8a 環状体
9、9a 結合フランジ
10、10a ピニオンギヤ
11、11a リングギヤ
12 単列深溝玉軸受
13、13a、13b 外輪
14、14a 外輪軌道
15、15a 内輪軌道
16 玉
17 内輪軌道
18 筒状部材
19 段差面
20 段差面
21 段差面
22 スペーサ
23、23a 複列アンギュラ玉軸受
24、24a 外輪
25a〜25d 外輪軌道
26 内輪
27a〜27d 内輪軌道
28 玉
29、29a 単列アンギュラ玉軸受
30、30a 肩部
31 曲面部
32 外輪軌道
33 内輪軌道
34 鍔部
Claims (3)
- 一端部にピニオンギヤを設けたピニオン軸をハウジングの内側に、軸方向に離隔して設けた1対の転がり軸受によって、回転自在に、且つ、両方向のアキシアル荷重を支承可能に支持して成るピニオン軸の回転支持装置に於いて、前記両転がり軸受のうち、ピニオンギヤ側の転がり軸受が、ピニオンギヤ側から反ピニオンギヤ側に向かって前記ピニオン軸に作用するアキシアル荷重を支承可能な単列玉軸受であり、この単列玉軸受を構成する内輪軌道が前記ピニオン軸の外周面に直接形成されていると共に、この内輪軌道の最小径部の直径が、前記反ピニオンギヤ側の転がり軸受を構成する、前記ピニオン軸に外嵌固定した内輪の外周面に形成した内輪軌道の最小径部の直径よりも小さい事を特徴とするピニオン軸の回転支持装置。
- 前記単列玉軸受を構成する各玉のピッチ円直径が、前記反ピニオンギヤ側の転がり軸受を構成する各転動体のピッチ円直径よりも大きい、請求項1に記載したピニオン軸の回転支持装置。
- 前記単列玉軸受を構成する内輪軌道の最小径部の直径が、前記ピニオン軸のうち、前記反ピニオンギヤ側の転がり軸受を構成する内輪を外嵌した部分の直径と等しい、請求項2に記載したピニオン軸の回転支持装置。
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