JP5468726B2 - 二次元格子校正装置、二次元格子校正プログラム、記録媒体 - Google Patents

二次元格子校正装置、二次元格子校正プログラム、記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、二次元格子校正装置に関する。例えば、標準計器となるアーティファクト(例えば、正方格子)のマークの位置を校正する二次元格子校正装置に関する。また、本発明は、二次元格子校正用プログラム及び当該プログラムを記録した記録媒体に関する。
例えばボールプレートやグリッドプレート等、正方格子状にマーク(測定点、ボールの中心位置等も含む)が並んだアーティファクトは、主に三次元測定機や画像測定機の校正のための標準として用いられている。従って、これらのアーティファクトは、マークの位置を十分に高精度としなければならない。
しかしながら、アーティファクトを高精度に製作することは、非常に困難である。そこで、アーティファクトを製作した後に、そのマーク位置の設計上の位置(ノミナル値)とのずれ量を測定及び計算し、校正することが行われている。ボールプレートの校正としては、例えば、反転法がある。
この手法では、ボールプレートをx,y及びzの各軸周りに180度ずつ回転させ、合計で4回測定を行うことで、連立方程式(連立式)のランクに応じた測定値を得て、校正を行う(図23)。
しかしながら、反転法では、アーティファクトを裏面から測定可能であることが測定条件となる。したがって、裏面からの測定が困難となる場合、反転法を用いて校正を行うことが困難である。例えば、画像測定機用のアーティファクトであるグリッドプレートは、表面からの測定と裏面からの測定とで条件が変化するため、反転法では、高精度な校正を行うことができない。
和合健、米倉勇雄:CMMによるボールプレートの値付け校正、岩手県工業技術センター研究報告 第12号(2005)、 http://www.pref.iwate.jp/~kiri/infor/theme/2004/pdf/H16-27-cmm.pdf
本発明の目的は、アーティファクトを裏面に裏返すことなく精度良く二次元の座標値の校正を行う二次元格子校正装置、二次元格子校正用プログラム、記録媒体を提供することにある。
本発明の二次元格子校正装置は、複数のマークを平面内に有する標準校正器としてのアーティファクトの前記マークが少なくとも一部で重なる複数の測定用配置毎に当該各マークの位置を測定する測定部と、前記測定部の測定座標系と前記アーティファクトのマーク位置を特定するアーティファクト座標系との関係を前記測定用配置毎に表す座標関係式が予め設定された座標設定部と、
前記各マークの測定値に基づいてアーティファクトの座標軸を設定する条件式と前記座標関係式とを使用して前記各マークのずれ量を求める連立式を生成する連立式生成部と、前記連立式生成部にて生成された前記連立式を解く連立式演算部と、を備え
前記アーティファクトの座標軸を設定する条件式は、前記各マークの測定値と設計値とのずれ量を最小にする条件のもとで求められる最小二乗直線式であり、この最小二乗直線を前記アーティファクトの座標軸とし、
前記座標関係式が、前記各測定用配置nの測定毎に異なる設置誤差として、原点のずれ量である原点誤差Anおよび設置回転誤差θnを含むとともに前記測定毎に異ならない誤差としてアーティファクト座標系の直角度誤差αおよび前記設計値からのずれ量δξ,δζを含み、前記最小二乗条件式が、前記設計値とずれ量とを加算した値の各平均値を最小にする条件式および前記ずれ量δξ,δζの各平均値を最小とする条件式を有し、前記連立式演算部が、当該演算部により計算されたアーティファクト座標系の直角度誤差αと、ずれ量δξ,δζとにより前記設計値を補正して、前記最小二乗直線を繰り返し算出する、
ことを特徴とする。
前記アーティファクトは、正方格子(グリットプレート)や、ボールプレートが例として挙げられる。これらの測定点を、ここではマークという。設計値(ノミナル値)は、各マークの位置の設計上の値である。各マークに補正値が定義されている際には、その補正値により補正された値を設計値としても良い。実際の位置は、設計値にずれ量を加算した値である。
最小二乗条件式には、最小二乗法を適用するための前提となる式や、最小二乗法により得られる直線を近似的に得るための算式を含む。ここでは、全部又は一部のマークのずれ量Dを最小とする直線を得るための条件式が、最小二乗直線となる。連立式の生成は、例えば、座標関係式を読み出し、測定値や設計値を与えることで連立式を生成する。この連立式の解法としては、正規方程式を行列の計算で解く手法や、ヤコビアン行列を得て、QR分解等をして一括して数値計算をする手法などがある。
このような構成によれば、座標設定部には、測定部の測定座標系と前記アーティファクトのマーク位置を特定するアーティファクト座標系との関係を前記測定用配置毎に表す座標関係式が予め設定されており、連立式生成部が、最小二乗条件式と、前記座標関係式とを使用して、前記各マークの実際の位置の設計値からの前記ずれ量を求める連立式を生成し、連立式演算部が、最小二乗直線を各軸とすることでずれ量Dの値を均質にした状態で、また、各座標間の関係と当該ずれ量とを分離した状態で、当該連立式を解くことができる。
なお、アーティファクト座標軸の座標系を設定するにあたっては、上記のように、測定値と設計値(ノミナル値)とのずれが最小になるようにしてもよいが、これに限られるものではない。
例えば、複数の測定用配置で同じアーティファクト上のマークを複数回測定しているところ、同じマークにつき複数個の測定値が得られるが、例えば、測定部が内部に備えるスケールが熱膨張等している場合には、同じマークを測定していても測定時の配置によって得られる測定値が異なってくることとなる。
そこで、このように同じマークにつき得られる複数の測定値に関し、ずれが最も少なくなるように座標軸を設定してもよい。
また、このような構成によれば、座標関係式として、設置誤差をずれ量と分離して定義することができ、さらに、連立式演算部は、アーティファクト座標の座標軸となる最小二乗直線を繰り返し算出することで、設置誤差及び測定誤差と分離されたずれ量を精度良く算出することができる。
さらに、本発明では、前記座標関係式が、前記測定毎に異ならない誤差として測定誤差e、前記測定座標系の直角度誤差βおよび前記測定座標系のスケール誤差γbを含み、前記最小二乗条件式が、前記ずれ量δξ,δζの各平均値を最小にする条件式および前記測定座標系のスケール誤差γbで補正した測定誤差eの平均値を最小とする条件式を含み、前記連立式演算部が、前記測定部のスケール誤差γbと前記測定座標系の直角度誤差βとを校正すると共に前記ずれ量δξ,δζを算出する、という構成を採用することもできる。
このような構成によれば、座標関係式として、測定部の誤差(測定誤差、直角度誤差及びスケール誤差)をずれ量と分離して定義することができ、そして、連立式演算部は、測定部の誤差と分離したずれ量を算出することができる。
本発明の二次元格子校正装置は、次の構成を採用することもできる。
すなわち、二次元格子校正装置は、複数のマークを平面内に有する標準校正器としてのアーティファクトの前記マークが少なくとも一部で重なる複数の測定用配置毎に当該各マークの位置を測定する測定部と、前記測定部の測定座標系と前記アーティファクトのマーク位置を特定するアーティファクト座標系との関係を前記測定用配置毎に表す座標関係式が予め設定された座標設定部と、
前記各マークの測定値に基づいてアーティファクトの座標軸を設定する条件式と前記座標関係式とを使用して前記各マークのずれ量を求める連立式を生成する連立式生成部と、前記連立式生成部にて生成された前記連立式を解く連立式演算部と、を備え、
前記測定部が、第1の測定用配置として、前記各座標軸と前記各マークの点列方向を揃えて前記アーティファクトを配置し、第1の測定をし、第2の測定用配置として、前記第1の測定用配置に対して重心位置を略同一として前記アーティファクトを面内にて90度回転させて配置し、第2の測定をし、第3の測定用配置として、前記第1の測定用配置に対して重心位置を略同一として前記アーティファクトを面内にて180度回転させて配置し、第3の測定をし、第4の測定用配置として、前記第1の測定用配置に対して前記アーティファクトを前記マークの間隔分並進させて配置し、第4の測定をする、という構成を採用することもできる。
ここで、前記面内にて回転させた配置は、例えば、アーティファクトのマークを含む平面の法線方向に対する移動がない状態で、当該平面内でアーティファクトの中心位置を原点として所定角度回転させる配置とすると良い。マークの点列方向は、例えば正方格子であれば、マークの行の方向と、列の方向とである。
このような構成によれば、同一のマークについて、4つの測定値を得ることができる。これら4つの測定値を用いた連立方程式を解くことにより各マークについてノミナル値からのずれ量を求めることができる。
本発明の二次元格子校正装置は、次の構成を採用することもできる。
すなわち、二次元格子校正装置は、複数のマークを平面内に有する標準校正器としてのアーティファクトの前記マークが少なくとも一部で重なる複数の測定用配置毎に当該各マークの位置を測定する測定部と、前記各測定配置での測定毎の測定値m、予め定められた算式および前記各マークの設計上の位置であるノミナル値Nを記憶した記憶部と、前記記憶部に格納された所定の測定座標での前記測定値mおよび前記ノミナル値Nを使用して当該ノミナル値Nから実際の値Lへのずれ量Dを所定のアーティファクト座標にて前記予め定められた算式により計算する演算部と、を備える。
そして、前記アーティファクト座標は、前記アーティファクトのノミナル値と実際の位置とのずれ量Dをx軸およびy軸方向にてそれぞれ最小とする最小二乗直線である座標軸と、当該最小二乗直線の成す角と直角との角度差である直角度誤差αとを有する。
また、前記測定座標は、前記測定部の測定誤差eをx軸およびy軸方向にてそれぞれ最小とする最小二乗直線である座標軸と、当該各座標軸の成す角と直角との角度差である直角度誤差βとを有する。
この例では、さらに、前記記憶部は、測定値記憶部と、ノミナル値記憶部と、座標関係式記憶部と、最小二乗条件式記憶部とを備える。
測定値記憶部は、前記測定毎の測定値mを記憶する。
ノミナル値記憶部は、前記各マークの重心位置を原点として直交するx0軸及びy0軸を座標軸とするノミナル座標上において前記各マークの設計上の位置であるノミナル値Nを記憶する。
座標関係式記憶部は、前記アーティファクト座標における前記各マークの実際の値Lと前記測定座標における前記各マークの実際の値Gとが等しいとして当該各座標の原点の前記ノミナル座標原点からのずれ量である原点誤差A、前記各座標の直角度誤差α,β、前記測定用配置の設置回転誤差θによる回転誤差B、ノミナル値N、測定誤差eおよび測定値mの関係式を座標関係式として前記測定用配置毎に記憶する。
最小二乗条件式記憶部は、前記各座標の前記各軸を最小二乗直線とするための最小二乗条件式を記憶する。
この例では、さらに、前記演算部が、前記測定毎の測定値mと、前記ノミナル値Nとを読み出して、前記座標関係式記憶部に格納された測定用配置毎の前記座標関係式に代入するとともに、前記最小二乗条件式を読み出すことで、前記測定値mを使用して前記各マークのノミナル値Nから実際の位置Lまでのずれ量Dを求める連立式を生成する連立式生成部と、この生成された前記連立式を解く連立式演算部と、を備える。
このような構成によれば、測定値mは、測定座標で与えられ、測定座標の座標軸は測定誤差eを最小とする最小二乗直線であり、その直角度誤差βで特定される。ノミナル値及びずれ量は、アーティファクト座標で与えられ、アーティファクト座標の座標軸はずれ量Dを最小とする最小二乗直線であり、その直角度誤差αで特定される。
座標関係式記憶部は、アーティファクト座標での前記各マークの実際の値Lと、前記測定座標での前記各マークの実際の値Gとが等しいとして、当該各座標の原点の前記ノミナル座標原点からのずれ量である原点誤差Aと、前記各座標の直角度誤差α,β及び前記測定用配置の設置回転誤差θによる回転誤差Bと、ノミナル値Nと、測定誤差eと、測定値mとの関係式を座標関係式として前記測定用配置毎に記憶する。この座標関係式は、各測定用配置に依存しないα、β、e、N及びmと、各測定用配置に依存するA及びBとを分離しつつ関連付ける算式である。
連立式生成部は、測定値とノミナル値とを座標関係式に代入することで、連立式を生成し、さらに、最小二乗条件式を読み出すことで、連立式を生成する。
連立式演算部は、この連立式を解く。この連立式を解く手法としては、最小二乗直線を先に求める手法や、正規方程式を行列の計算により求める手法や、ヤコビアン行列を求めQR分解等により一括した数値計算を行う手法などがある。
この測定誤差を取り扱う二次元格子校正装置は、上述した二次元格子校正装置と同様の作用効果を奏する他、ずれ量Dと、測定誤差eと、設置誤差Aと、直角度誤差α及びβとを分離しつつ同時に求めることができる。従って、測定毎に変化する設置誤差Aの影響と、測定部による測定誤差eの影響とを分離して、アーティファクトのマーク位置のずれ量D及び直角度誤差αとを算出することができる。
本発明では、前記座標関係式記憶部が、前記回転誤差Bを一次で近似した座標関係式を記憶し、前記連立式生成部が、前記各座標の直角度誤差α,βと、前記設置回転誤差θとを測定用配置毎に加減算し、マーク毎のノミナル値との乗算により当該回転誤差Bを得る式を前記座標関係式記憶部から読み出して、各測定値mの式毎に当該測定値に対応するノミナル値Nを代入し、前記連立式演算部が、前記連立式を一次式として解くことが好ましい。
この例では、座標関係式中、二次の成分を不要として、座標関係式の全てを線形とすることができる。これにより、連立式を線形とすることができ、連立式が線形となると、不確かさの計算をすることができ、A、α、β及びθの誤差がずれ量Dやeにどのように伝搬しているかの誤算の伝搬を測定後に評価することもできる。
本発明では、前記連立式演算部が、前記座標関係式による連立式と、前記最小二乗条件式とを、一括して数値計算することが好ましい。
これにより、正規方程式を解くことなく、全ての連立式を一体的に数値計算することで、各変数を等しい精度で計算し、全体として連立式を解く計算の精度を向上させることができる。
また、二次元格子校正プログラムは、望ましくは、複数のマークを平面内に有する標準校正器としてのアーティファクトの前記マークが少なくとも一部で重なる複数の測定用配置毎に当該各マークの位置を測定する測定部と、この測定部と接続され、当該測定用配置毎の測定値を用いて当該マークのずれ量を計算するコンピュータとを備え、このコンピュータを、上記測定誤差を取り扱う二次元格子校正装置として機能させる。
このような構成によるプログラムをコンピュータで実行することにより、上述した二次元格子校正装置を実現し、その作用効果を奏することができる。
また、本発明による二次元格子校正プログラムを記録した記録媒体は、このプログラムを記録し、CPUに接続されるハードディスク等の補助記憶装置(記憶部)に当該プログラムのファイルをインストールするための記録媒体である。記録媒体の例としては、CDやDVD等の光ディスクを挙げることができる。この例では、CPUに光ディスクドライブ(記録媒体の読取装置)を併設し、この読取装置から補助記憶装置にプログラムをインストールする。なお、プログラム又はそのファイルは、インターネット、LAN等のネットワークを介して、有線又は無線の通信によって伝送し、CPUを含むコンピュータに供給してインストールするようにしても良い。この場合、本発明による装置を変化させることなく、処理の内容を事後的に更新することができる。
さらに、コンピュータに各機能を実現させるようにプログラムを構成したため、各手順におけるパラメーターを入力手段からの入力や、予め定めた測定の態様に応じて容易に変更することができる。
以下、本発明の実施の形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
(実施形態)
図1に、本実施形態による二次元格子校正装置の構成例を示す。
二次元格子校正装置1は、アーティファクト9(図2参照)のマーク1aの少なくとも一部が重なる複数の測定用配置nに対応して、前記各マーク位置1aを当該測定用配置n毎に測定する測定部2と、解析部(コンピュータ)3とを備えている。
解析部3は、測定部2の測定座標系と前記アーティファクト9のマーク位置1aを特定するアーティファクト座標系との関係を前記測定用配置n毎に表す座標関係式が予め設定された座標設定部4を備えている。
座標関係式は、本実施形態では、例えば、後述する式1.5bから1.5eである。
すなわち、座標関係式は、前記各測定用配置nの測定毎に異なる設置誤差として、原点のずれ量である原点誤差Anと、設置回転誤差θnとを有し、前記測定毎に異ならない誤差として、アーティファクト座標系の直角度誤差αと、設計値(ノミナル値)Niからのずれ量δξ,δζとを有する。
また、コンピュータである解析部3は、前記マーク1aの測定値mn iに応じた実際の位置Liが予め定められたノミナル値Niからずれたずれ量Di[δξi δζi]を最小とする最小二乗直線を前記アーティファクト座標の前記所定の各軸ξ,ζとする最小二乗条件式と、前記座標関係式とを使用して、前記各マーク1aの実際の位置Liのノミナル値Niからの前記ずれ量Diを求める連立式を生成する連立式生成部5と、この生成された前記連立式を解く連立式演算部6と、を備えている。
前記最小二乗条件式は、本実施形態では、例えば、式1.2aから式1.3bであり、ノミナル値Niとずれ量Diとを加算(乗算としても良い)した値の各平均値を最小とする条件式と、前記ずれ量δξi,δζiの各平均値を最小とする条件式である。
また、連立式演算部6は、当該演算部により計算されたアーティファクト座標系の直角度誤差αと、ずれ量δξi,δζiとにより前記設計値を補正して、前記最小二乗直線を繰り返し算出するようにしても良い。
ここでは、L、G、D、N、B及びmは、ベクトルである。
なお、文章中は、太字や矢印の付加を省略している。
また、行列[x y]との表記は、与えられる算式との関係では、[x y]Tとなることもあるが、行列の乗算を説明するなど注意すべきもののみについて明記し、パラメーター名を説明する際には、このような表記を省略する。最小二乗条件式は、本実施形態では、式1.2aから1.2cや、式1.3a及び1.3bである。
図2に、測定部2の構成例を示す。
測定部2は、アーティファクト9の各マーク1aを撮像し画像データを出力する撮像手段2Aを備えている。
二次元格子校正では、撮像手段2Aの対物レンズの収差等の影響も考慮するため、撮像手段2Aはレンズや焦点距離毎に識別すると良い。
アーティファクト9は、撮像手段2Aの撮像面(測定面)と各マーク1aを含む面とが平行となるように設置される。
ステージ2Bは、外部からの指令に応じて、アーティファクト9の重心位置で回転させたり、並進させたりする機構を有しても良い。
図3に、アーティファクトの例を示す。図3(A)は、一般的に用いられているグリッドプレートやボールプレートであり、各マーク1aは、正方格子9を校正している。図3(A)等に示す例では、各マーク1aは正方に配置されており、5×5の数であるが、これに限定されるものではない。本実施形態及び実施例での校正手法では、マークの数によらず、校正を行うことができる。
図3(B)に、特殊な目的のために同心円上にマークを配置したアーティファクト9を示す。
図4に、マークの番号の一例を示す。
ここでは、図中左上を第1番のマークとし、右下のマークを第25番と設定している。
座標関係式では、マークの番号をiで表す。
測定用配置nは、アーティファクト9を回転させつつ、撮像面にて略同一位置に別のマーク1aが位置付けられる配置である。
図3(A)に示す例では、90度毎の回転や、図中上下左右方向への並進により、マーク1aの一部又は全部を重ねることができる。図3(B)に示す例では、45度の回転により重ね合わせをすることができる。この測定用配置は、連立式のランクとの関係にもよるが、マーク1aの一部又は全部の重ね合わせができる配置とする。
例えば、正方格子の場合、第13番のマーク1aの近傍を重心位置として、アーティファクト9を図中反時計回りに90度回転させると、第1番のマーク1aがあった位置に、第21番のマーク1aが位置する。これにより、同一のマーク1aについて、相互に独立した2つの測定値を得ることができる。図中、下方向に1格子分並進させると、第2番のマーク1aがあった位置に、第1番のマーク1aが位置する。
図5に、アーティファクト座標の一例を示す。説明のために、直交するx0軸とy0軸とを有するノミナル座標に重ねてアーティファクト座標を描いている。
アーティファクト座標は、前記マーク1aの測定値mによる実際の位置Liの前記ノミナル値Niからのずれ量Diを最小とする最小二乗直線であり、x0軸方向をξ軸、y0軸方向をζ軸とする。ξ軸とζ軸とが成す角と、直角との差がアーティファクト座標の直角度誤差αである。
図5中、黒丸は実際の位置Liを示し、+はノミナル値Niを示す。
図5に示す例では、x0軸とξ軸とが重なっており、ノミナル座標軸x0,y0は直交するため、y0軸とζ軸との成す角が直角度誤差αとなっている。
式1.1aに示すように、各マーク1aのノミナル値をNi、ずれ量をDiとすると、各マークの実際の位置Liは、式1.1bで示される。
この関係の一例を図6に示す。
Figure 0005468726
図7に、アーティファクト座標の座標軸の一例を示す。
式1.2a及び1.2bに示すように、ずれ量δξi及びδζiには偏りがなく、それぞれの平均値は0であるとする。
そして、図7に示す例では、式1.2c及び1.2dに示すように、ノミナル値ξ0iと、δξiを加算した値ξiを全てのiについて平均したものが最小値(ここでは、0)となることを最小二乗条件とする。
ζについても同様とする。算式中、<>は平均を示す。
Figure 0005468726
図7(A)に示す例では、例えば、マーク番号1のξ1と、マーク番号5のξ5とを加算すると、正負が相殺してy0軸に近い値となる。図7に示す例では、マークの位置及び数はy0軸に対して対称であるから、図7(A)に示すように、y0軸に近い位置にマーク1aが集まる。
そして、このマーク群をデータとしてζiの値をそのままとして、最小二乗法により最小二乗直線を求めると、図7(A)に示すζ軸となる。δζiについても、平均により、図7(B)に示すように、x0軸に対応した最小二乗直線であるξ軸が得られる。
このように、ξ軸及びζ軸は、ずれ量δξi及びδζoをノミナル座標の軸y0,x0それぞれの方向の成分に分離した際の各方向一次平均線である。すなわち、「最小二乗直線」は、一次平均線である。y0軸とζ軸の角度差がα1、x0軸とξ軸の角度差がα2であり、ξ軸とζ軸の直角度誤差がαである。α1とα2を加算するとαとなる。αは、角度が小さくなる方向を正にとる。
図7(A)及び(B)に示す例では、説明のために、ξ軸とζ軸との交点は、ノミナル座標の原点と同一としている。
実際には、図7(C)に誇張して示すように、ノミナル座標の原点と、アーティファクト座標の原点とには若干のずれがある場合もある。
この原点誤差をAaとするとき、アーティファクト座標の座標値にAaを加算すると、ノミナル座標原点からの値となる。
最小二乗条件式としては、式1.3a及び式1.3bに示すように、最小二乗条件式をベクトル表記した際の偏微分方程式としても良い。すなわち、ζ軸のy0軸に対する傾き(tanα1)及びx0軸との交点(ζx0)の変化に対して、ずれ量δζの二乗が0となるように、当該傾き(tanα1)と交点(ζx0)とを求めれば良い。この偏微分方程式は、正規方程式により行列の演算として解くことができる。なお、式1.3bでは、ξについて、x0軸を水平として表している。
また、図7(A)及び(B)に示す例では、5×5の全てのマークのずれ量を用いてアーティファクト座標の座標軸である最小二乗直線(ξ軸及びζ軸)を求めているが、ζ軸について、第3番、第8番、第13番、第18番及び第23番のδζの値を用い、ξ軸について、第11番から第15番の値を用いるようにしてもよい。
このアーティファクトと座標の各軸を最小二乗直線とするのは、ξ軸及びζ軸については、各δξi及びδζiをできるだけ小さくし、このずれ量Dを測定毎の誤差(原点誤差Aや設置誤差θ)やアーティファクト全体の回転誤差Bと分離し、かつ、各iの測定値mni等の桁数の差が生じないようにすることが主たる意義であるため、最小二乗直線そのものでなくとも、近似的な算式により求めても良い。
例えば、δξiについて多数のデータを得ていても、値の大きい方から3データを得て、この3データを直線近似することで、最小二乗直線を近似的に求めても良い。
すなわち、「最小二乗条件式」というときには、式1.2c及び1.2dのような算式や、より簡略化した近似式を含む。
また、最小二乗法を適用するための前提となる式1.2a及び1.2bについても、ここでは、「最小二乗条件式」の一部として、最小二乗条件式に含めて解釈される。
アーティファクト座標のξ軸と、ζ軸とを、ずれ量Dを最小とする最小二乗直線とすることで、全てのマークについてのずれ量Dの値を最大限近い値とすることができる。
これにより、数値計算での桁落ち等の精度低下要因を最小とすることができる。
最小二乗直線は、ζ軸については、図7(A)に示すα1(傾き)と、図7(C)に示すζx0(x0軸との交点)とをパラメーターとしてノミナル座標上唯一に特定することができる。
ξ軸についても、α2と、ξy0とにより特定することができる。
実際の数値計算に際しては、正規方程式を解くアプローチでは、この最小二乗直線を先に求め、その一次方程式を用いて測定値を補正等した後に、連立方程式を解くようにしてもよい。
一方、ヤコビアン行列から解くと、正規方程式を使用せずに数値計算することができ、この場合、このα等を推定対象のパラメーターとしつつ、ずれ量Dとαとを同時に一括して求めることができる。
この後者の数値計算では、最小二乗条件での最適化を最大限ずれ量Diの値に影響させることができ、数値計算の精度を極めて高くすることができる。
正規方程式を解く手法でも、一括計算する手法でも、算出されたαとずれ量Dとによりノミナル値を補正して新たなノミナル値とした上で、再度最小二乗直線等を算出することで、より算出精度を向上させることができる。
図8及び図9に、測定用配置nの例を示す。
この例では、4回の測定を行う。
図中、x軸とy軸を有する測定座標と、当該測定座標の直角度誤差βについては、後述する実施例にて説明する。
図8及び図9に示す本実施形態では、ノミナル座標のx0軸と、ξ軸との成す角のうち、アーティファクト9の設置により生じる設置回転誤差をθnとする。
ノミナル座標の座標軸y0軸及びx0軸については、通常の矢印で示し、アーティファクト座標の座標軸ξ軸及びζ軸については、1つの三角形を有する矢印で示す。なお、測定座標については2つの三角形を塗りつぶした2つの矢印で示す。
軸の名称を括弧で示すのは、参照のための平行な直線である。
点線は、ξ軸に直交する直線である。
また、図示の都合上、ノミナル座標及び測定座標の座標軸は、重心位置を通らないが、実際には、すべての座標軸はアーティファクトの重心位置近傍を通る。
図8(A)に示すように、測定部2は、第1の測定用配置として、前記各座標軸と前記各マークの点列方向を揃えて配置し、第1の測定をする。点列方向は、ノミナル座標の座標軸x0,y0の方向であり、この第1の測定用配置にて、x0軸とξ軸を揃え、y0軸とζ軸とを揃える。
この配置に際しての設置回転誤差はθ1である。
なお、αは、図8(A)に示すように、図7に示す最小二乗直線ξ軸とζ軸との成す角の直角度誤差であり、θnとは独立している。
1及びY1は、本実施形態では、ノミナル座標の原点と、アーティファクト座標の原点とのずれを示す。
この原点の誤差には、測定用配置n=1での設置上の誤差Asと、最小二乗直線の交点(アーティファクト座標の原点)のノミナル座標原点からのずれAaとを含む。
n及びYnと、θnとは、測定用配置nに依存して定まる。
一方、αは、測定用配置に依存せず、同一の値となる。
測定部2は、図8(B)に示すように、第2の測定用配置として、前記第1の測定用配置に対して重心位置を略同一として面内にて90度回転させて配置し、第2の測定をする。
「面内にて回転」は、アーティファクト9の表面で各マークを含む平面と測定部2の撮像面との平行を維持しつつ、アーティファクト9を回転させるものである。
図8(B)に示す例では、アーティファクト9は、反時計回りに90度回転されている。
このため、第1番のマーク1aは、図8(A)に示す第5番のマークの位置に移動している。
0軸と、ξ軸とのなす角は、π/2+θ2となる。
測定部2は、図9(A)に示すように、第3の測定用配置として、前記第1の測定用配置に対して重心位置を略同一として面内にて180度回転させて配置し、第3の測定をする。
この180度回転させた測定により、ずれ量Diの偶数成分を分離取得することができる。
0軸と、ξ軸とのなす角は、π+θ3となる。
続いて、測定部2は、図9(B)に示すように、第4の測定用配置として、前記第1の測定用配置に対して前記マークの間隔Δ分並進させて配置し、第4の測定をする。
この並進の前後で、設置に際して回転誤差が生じることがある。
このため、θ1とθ4は別途の変数となる。図9(B)に示す例では、図中下方向に、マーク1つ分並進させている。このため、第1番のマーク1aは、図9(A)に示す第2番のマーク位置1aに移動する。この並進による測定では、第5番のマーク1aの行は測定用配置1から3までの測定範囲の外側となる。連立式の立て方にもよるが、一般的には、並進により測定範囲外となる行又は列については、測定をしない。従って、1マーク間分の並進では、1行又は1列分測定値が減少する。もちろん、測定範囲を広くし全てのマークを測定するようにしても良い。
本実施形態では、このような回転及び並進により4回の測定をすることで、同一のマークについて少なくとも3つの測定値を得る。各回転に際しては、アーティファクト座標がその回転に追従して回転する。
Figure 0005468726
図10に、測定用配置1での座標関係式の各パラメーターの関係を示す。
nは原点誤差、Bnは回転誤差、Niはノミナル値、Diはノミナル値から実際の位置Liまでのずれ量、Giは、式1.4aに示すように、測定値mn iから測定誤差eを減算した実際の値である。
本実施形態では、測定誤差eは既知とする。例えば、測定値から測定誤差を除去するための補正式や補正値が既知であるとする(測定誤差eを同時に校正する手法は実施例として後述する)。
そして、ノミナル座標のLiと、アーティファクト座標のGiとが等しくなるように、その他の誤差An及びBnを加減算する。
アーティファクト座標のGiは、図10に示すように、アーティファクト座標の原点にAnを加算することで、アーティファクト座標とノミナル座標との原点を等しくし、設置原点誤差Asの影響を除去し、この補正された原点からノミナル値Niを加算し、これにθn及びαによる回転誤差Bを加算し、そして、ノミナル値Niからのずれ量Diを加算することで、Li= Giを得る。
この関係は式1.4bにより与えられる。
原点誤差Anには、座標間の原点の誤差Aa(実施例では、さらに、Am)と、各測定用配置nでの設置による中心位置の差である設置原点誤差Asnとを含む。
回転誤差Bnは、各測定用配置nでの設置による設置角度誤差θnと、最小二乗直線の傾きに応じたαとによる誤差であり、各測定用配置n毎に求められる。
式1.4dに示すように、θとα(実施例では、さらに、β)を加減算した角度誤差φn,ψnに、ノミナル値Niを掛けることで、回転誤差Bを得る(実際には、ノミナル値ではなく、実際の値Li= [ξi ζi]を掛けるが、実施例で後述するように、Diは十分に小さいため、座標関係式の展開上、ノミナル値Niを掛けている )。
この式1.4dの角度誤差φn,ψnは、測定用配置の座標関係によって予め定義することができる。
α、β(後述)は直角度誤差と定義されるが、十分小さい際には回転誤差として取り扱うことができる。
Figure 0005468726
式1.5bに示すように、測定用配置1でのφ1は、マイナスθ1+αであり、ψ1は、θ1である。
測定用配置2から4について、それぞれ式1.5cから1.5eに示す。
このφ及びψの詳細な導出については、実施例にて説明する。
再度図1を参照すると、座標設定部4には、座標関係式が予め設定されている。
座標関係式は、本実施形態では、式1.5bから1.5eである。設置誤差が影響する誤差は、原点誤差Anと、回転誤差Bnである。回転誤差Bnは、直角度誤差αと、設置回転誤差θnとを各測定用配置での座標の関係に応じて加減算した回転誤差成分φ,ψによる誤差である。
連立式生成部5は、前記マーク1aの測定値mn iによる実際の位置Giの前記ノミナル値Niからのずれ量Diを最小とする最小二乗直線を前記アーティファクト座標の前記所定の各軸ξ,ζとする最小二乗条件式(式1.2又は1.3)と、前記座標関係式(式1.5)とを使用して、前記各マーク1aの実際の位置Gi= Liのノミナル値からの前記ずれ量Diを求める連立式を生成する。
連立式生成部5は、式1.5を使用して、測定用配置1での測定値mn iから各測定誤差eとノミナル値Niとを減算し、式1.5bの左辺に代入する。また、右辺第2項のBnに、ノミナル値Niを代入する。これにより、マーク1aの数と同数の一次式を得る。同様に、測定用配置2から4についての連立式を立てる。続いて、連立式生成部5は、最小二乗条件式1.2を読み出す。
また、連立式生成部5は、ランクの調整や精度向上などの必要に応じて、各マーク間の距離Δが等しいとするような条件式などを追加的に読み出すようにしても良い。
連立式演算部5は、この連立式生成部5によって生成された連立式を解く。
本実施形態では、連立式は全て一次式であるため、一般的な行列の解法を用いて計算をすることができる。
アーティファクト座標の軸である最小二乗直線ξ及びζを特定するためのパラメーターを先に算出するようにしても良いし、この最小二乗直線の特定を含めて、正規方程式を解くことなく、QR分解等により、全てを一括して数値計算により求めるようにしても良い。
図11及び図12に、重心位置近傍のずれ量Diと測定誤差ejとの関係を示す。
図中、jは、測定部側での位置を示す(実施例では、測定領域の番号となる)。
図11(A)は測定用配置1であり、jの番号と、iの番号とは一致する。
図11(B)は、測定用配置2であり、測定用配置でj=17の位置にて測定したずれ量D17は、j=7の位置で測定されている。
これにより、D17の値(ベクトルであるずれ量)がほぼ等しいとすると、測定方向を90度回転させて測定することができる。
一方、測定誤差eは、測定部側の位置jに依存するため、図11(A)に示すj=7の位置のe7と、図11(B)に示すj=7の位置のe7とが等しい。
このように、回転及び並進した測定により、iとjとの関係を固定化することなく、別々の組み合わせにて測定用配置毎の測定値mに含めることができる。
これにより、Diとejとを完全に分離することができる。
また、同一のずれ量Diについて、測定用配置1から4にて4回測定することができる(i=5の行は3回)。
一方、設置誤差については、原点誤差As nと、設置回転誤差θnによる誤差とについては、それぞれの測定用配置nで同一となる。すなわち、特定の測定用配置nで測定する全てのマークの測定値に影響する。3回又は4回の冗長した測定にて、ずれ量Dの値を求めつつ、そのずれ量Dの値から、各測定用配置n毎の誤差を求めることができる。逆に、各測定用配置でのn毎の誤差から、ずれ量Dを求めることができる。
そして、設置誤差のうち、実際に測定用配置毎に相違するのは、原点誤差Aについては、As nであり、回転誤差Bについてはθnのみである。すなわち、直角度誤差αや、各座標間の原点誤差Aaについては、各測定用配置の設置誤差によらず一定として座標関係式を定義することができ、これにより、設置誤差Asn及びθnを他の誤差から良好に分離することができる。
図12(A)に示すように、好ましくは、アーティファクト9を180度回転させた状態で測定値mを得る。
これにより、ノミナル座標にて偶数成分となる誤差を良好に測定値に含めることができる。
この180度回転させた測定を含めることで、奇数成分のみならず、偶数成分の誤差の影響を含めた補正値(ずれ量)Dをマーク毎に得ることができる。
上述したように、本実施形態によると、座標関係式と、設置誤差とを分離して連立式を定義し、測定値mn iと測定誤差eiとノミナル値Niとを用いて連立式を導出し、これを計算するため、設置誤差の成分を良好に除去することができる。そして、最小二乗直線を用いて実際の位置Giの座標値を定めるため、各マークでのずれ量の大きさの差を小さくすることができ、これにより、桁落ちによる精度悪化をもたらすことなく、安定した数値計算を可能とする。
さらに、180度の回転を含めた4回の測定による例では、誤差の偶数成分の影響を良好に除去し、原点誤差、回転誤差、測定誤差及びずれ量を良好に分離することができる。
このように、本実施形態によると、測定時の設置誤差の影響を最小とする状態で、各マーク近傍で数値計算をすることができる。そして、アーティファクトのマークの系統誤差Diを、アーティファクトの設置誤差を含む原点誤差Anや回転誤差Bnと分離して取得することができる。
これらにより、アーティファクトの同一平面を測定しながら、精度良い補正値を得ることができる。
(実施例)
次に、本発明による二次元格子校正装置等の実施例を説明する。
本実施例では、上述した実施形態の特徴を含む他、測定部の誤差ejと、測定座標の直角度誤差βとを同時に解くものである。
まず、本実施例で使用する用語を定義する。
(1)番号
測定番号n:測定用配置(各測定)の番号。
マーク番号i:アーティファクトの各マーク(例えば、正方格子)の番号。
測定領域番号j:測定部の各測定領域(例えば、測定格子)の番号。
(2)座標、座標軸及び座標値
(2.1)ノミナル座標。
ノミナル座標:アーティファクト座標と測定座標を説明するための座標で、原点を通り直交するx0軸及びy0軸の2軸を有する。原点誤差と直角度誤差αが補正されたアーティファクト座標はノミナル座標と一致する。同様に、原点誤差と直角度誤差βが補正された測定座標はノミナル座標と一致する。
ノミナル座標軸:原点を通り直交するx0軸及びy0軸の2軸。
ノミナル座標原点:x0軸及びy0軸の交点。
ノミナル値Ni:ノミナル座標での各マークの座標値[ξ0 i ζ0 i]。
ノミナル補正後座標値:アーティファクトに補正値Cがある際、その補正値により補正した後の各マーク位置の座標値。補正値は、例えば前回の校正によるズレ量D。
(2.2)アーティファクト座標。
アーティファクト座標:x0方向及びy0方向にて各マークのノミナル値Niと実際の位置Liとの差(ズレ量)を最小とする最小二乗直線を軸とする座標。
アーティファクト座標軸:x0軸に対応するξ軸と、y0軸に対応するζ軸との2軸。
ξ軸及びζ軸:ノミナル座標で表した各マークの位置誤差(測定誤差を除く)を最小とする最小二乗直線(一次平均線)。
アーティファクト座標原点:各マークの点列の重心位置で、ξ軸とζ軸の交点。
直角度誤差α:ξ軸とζ軸の成す角と直角との差。角度が小さくなる方向を正とする。
実際の位置Li:アーティファクト座標での各マークの実際の座標値[ξi ζi]。
ずれ量D:各マークの実際の座標値Li=[ξi ζi]とノミナル値Ni=[ξ0i ζ0 i]との差D=[δξi δζi]。本実施例では、アーティファクトのスケール誤差γaを含む場合もある。
(2.3)測定座標
測定座標:各マークの測定値mn iとその測定誤差ej(本実施例では、スケール誤差γbを含む場合もある)とを含む各測定領域jの座標で、x方向及びy方向にて各測定誤差を最小とする最小二乗直線を軸とする座標。
測定座標軸:x0軸に対応するx軸と、y0軸に対応するy軸との2軸。
x軸及びy軸:ノミナル座標で表した測定値mn iの測定誤差e(スケール誤差γbを除く)を最小とする最小二乗直線(各方向の一次平均線)。
測定座標原点:測定領域の点列の重心位置で、x軸とy軸との交点。
測定領域:各マークの測定値mと、測定値の測定機誤差eと、(ノミナル値Nと)を含む測定座標上のj個の領域。
直角度誤差β:x軸とy軸の成す角と、直角との差。角度が小さくなる方向を正とする。
設置回転誤差θn :測定座標のx軸とアーティファクト座標のξ軸との成す角。
(3)各座標値及びベクトル
以下、座標関係式は、式1.7である。
(3.1)原点誤差:各測定番号nの座標関係式の右辺第1項。
a:アーティファクト座標からノミナル座標原点までのずれ量で、アーティファクトのマークの重心位置(正方格子座標の原点)のずれ。
m:測定座標原点からノミナル座標原点までのズレ量で、測定領域の重心位置(測定機座標の原点)のずれ。
s n:各測定用配置nでの設置原点誤差。
n = [Xn,Yn]:Am+Aa+Asで、Gi= Li としたときの測定値mn iが含む原点誤差。測定値にAnを加算すると、回転誤差を除いて測定値をノミナル座標での値として扱うことができる。
(3.2)回転誤差:各測定番号の座標関係式の右辺第2項。
n :(α+β+θn)にノミナル値Niを掛けた値であり、角度誤差の総和による各マークの回転誤差。
(3.3)アーティファクト座標関係:各測定番号i毎の算式の右辺第3項。
i = [ξci,ζci]:アーティファクトの各マークの補正値(既知)。
i = [ξ0i,ζ0i]:各マークのノミナル値(既知)。
i = [δξi,δζi]:実際の位置と、各ノミナル値とのずれ。
i = [ξi,ζi]:各マークの実際の各格子位置。
(3.4)測定座標関係:各測定番号j毎の算式の右辺第4項。
i = [xi,yi]:測定座標系での各マークの実際の位置で、測定誤差eの影響を除去した位置。
ni = [mni,mni]:測定座標での各マークの測定値。
j = [exi(xi,yi),eyi(xi,yi)]:測定部による測定値の誤差。
次に、図13を参照して、本実施例の構成例を説明する。
本実施例による二次元格子校正装置1は、アーティファクト9のマーク1aの少なくとも一部が重なる複数の測定用配置に対応して前記各マーク位置1aを当該測定用配置毎に測定する測定部20と、前記測定配置毎の測定値mn i、予め定められた算式および前記各マーク1aのノミナル値Niを記憶した記憶部30と、前記記憶部30に格納された測定値mniおよびノミナル値Niを使用して当該ノミナル値Niから実際の値へのずれ量Dを前記予め定められた算式により計算する演算部40と、を備えている。
前記記憶部30は、前記測定部20の測定誤差ejを最小とする最小二乗直線が成す角と直角との差を直角度誤差βとする測定座標での前記測定配置毎の測定値mを記憶する測定値記憶部30と、ノミナル座標での前記各マークのノミナル値Niを記憶するノミナル値記憶部32とを備えている。
ノミナル値Ni(補正値Cがある際には、補正値Cを加減算した値)は既知である。測定値mn iは、各測定用配置での測定完了後に既知となる。記憶する測定値mniは、直角度誤差βで補正後の値としても良いし、測定部2のそのままの測定値としても良い。
記憶部30は、さらに、座標関係式を測定用配置n毎に記憶した座標関係式記憶部33を備えている。
座標関係式は、アーティファクト座標での各マークの実際の値Lと、測定座標での各マークの実際の値Gとが等しいとして予め導出されたものである。
アーティファクト座標は、前記アーティファクト9aでのノミナル値Niと実際の位置Liとのずれ量Dを最小とする最小二乗直線(ξ軸及びζ軸)が成す角と直角との差を直角度誤差αとする座標である。
座標関係式は、当該各座標(アーティファクト座標と測定座標)の原点の前記ノミナル座標原点からのずれ量である原点誤差Anと、前記各座標の直角度誤差α,β及び前記測定用配置の設置回転誤差θnによる回転誤差Bnと、ノミナル値Niと、測定誤差ejと、測定値mniとの関係式である。すなわち、座標関係式は、測定用配置毎に、Anと、Bnと、Niと、mniと、ejとの関係を与える式である。
記憶部30は、さらに、前記各座標の前記各軸を最小二乗直線とするための最小二乗条件式を記憶した最小二乗条件式記憶部34と、未知数の数に応じて追加するランク調整式を記憶したランク調整式記憶部35とを備えている。すなわち、記憶部30が予め記憶した算式は、座標関係式と、最小二乗条件式と、必要なランク調整式である。
そして、前記演算部40は、連立式生成部41と、この連立式生成部41によって生成される連立式を解く連立式演算部6とを備えている。連立式生成部41は、前記測定用配置n毎の各マークの測定値mniと、前記ノミナル値Niとを読み出して、前記座標関係式記憶部33に格納された測定用配置毎の前記座標関係式に代入するとともに、前記最小二乗条件式を読み出すことで、前記測定値mniを使用して前記各マークのノミナル値Niから実際の位置Liまでのずれ量Diを求める連立式を生成する。
本実施例による二次元格子校正装置は、上述した実施形態での作用効果を奏する他、測定誤差ejを分離取得でき、そして、測定機の予備校正を不要とし、測定値のずれ量と測定誤差とを一体的に分離して測定することができる。
図14は、測定座標の一例を示す図である。
図14に示すように、測定部2についても、座標系を定義する。
ただし、アーティファクトを置いた時に各マークが位置する領域1bのみに着目する。
この測定座標の各測定領域1bにおいてのみ測定誤差ejを考え、アーティファクト座標の場合と同様に、原点と、x軸及びy軸を定義し、両軸の直角度誤差をβとする。すなわち、x軸及びy軸は、それぞれ、測定誤差ejの値を最小とする最小二乗直線(一次平均直線)とする。そして、ここでは、測定誤差ejには、スケール誤差γbは含まれない。このβは、αと同様に、角度が小さくなる方向を正にとる。また、測定機上の格子にも、j=1から25を与える。
スケール誤差γについては、ejの測定後に別途算出するか、スケール誤差について予め校正をし測定値の補正をするか、または、式1.7にてejにスケール誤差γbを乗算しておき、ejの校正と同時に校正すると良い。
図15は、測定領域1bの一例を示す。測定部2での測定値mn i(または、スケール誤差を補正した後の測定値)は、測定部2側の誤差ejを含む。測定値mniにこのejを加算すると、原点誤差An及び回転誤差Bnの影響を除去した上で、ノミナル値Niにずれ量Diを加算した実際の値Lとなる。測定用配置1から4の測定にて、各格子の位置は、設置誤差やマークの誤差により厳密には重ならないが、測定部の誤差がほとんど変化しないと見なせる範囲内にマーク位置が位置していれば良い。
図16に、ノミナル座標と、測定座標と、アーティファクト座標との関係を示す。図16に示す例では、説明を容易とするために、測定座標とノミナル座標との原点を等しくしている。また、ノミナル座標のx0軸と、アーティファクト座標のx軸とには角度誤差がないとしている。
次に、座標計算式を説明する。図17(A)に示すように、Gi=Liとする座標関係式を導出するためには、異なる座標間での原点誤差An及び回転誤差Bnの影響を除去しなければならない。
測定座標のGiと、アーティファクト座標のLiとを等しいとする。そして、このGi=Liは、原点のずれ(ベクトルA,原点誤差)、両座標の直角度誤差α、β及と、設置角度誤差θnとによるずれ(ベクトルB,回転誤差)、ノミナル値(ベクトルN,既知)、ノミナル値と実際の位置とのずれ(ベクトルD,ずれ量)との総和により表される。
従って、その関係は、図17(A)にも示す式1.6aにて与えられる。
Figure 0005468726
測定値mn iは、Gi+ejであるため、式1.6bのようにGiはmniからejを減算したものとなる。そして、既知を左辺に移項すると、図17(B)にも示す式1.7aとなる。
n i-Ni = An(右辺第1項)+Bn(右辺第2項)+Di(右辺第3項)+ej(右辺第4項)
測定用配置1から4の座標関係式(式1.7bから1.7e)は、全てこの形となる。
座標関係式記憶部33は、この式1.7bから1.7eを記憶する。
測定部2は、各測定値を測定番号nと、マーク番号iとを用いて識別する。
連立式生成部41は、測定番号毎の測定値をマーク番号に従って順次左辺に代入し、マーク番号に従ってノミナル値を左辺及び右辺第2項に代入して、各測定番号分で、各マーク分の連立式を生成する。
本実施例では、上述した実施形態と同様に、回転誤差Bについては一次で近似している。
すなわち、前記座標関係式記憶部33は、前記回転誤差Bを一次で近似した座標関係式を記憶している。
前記連立式生成部41は、前記各座標の直角度誤差α,βと、前記設置角度誤差θnとを測定用配置毎に加減算し、各マーク1a毎のノミナル値Niとの乗算により当該回転誤差Bnを得る式を前記座標関係式記憶部33から読み出して、各測定値mniの式毎に当該測定値に対応するノミナル値Niを代入する。
前記連立式演算部6が、前記連立式を一次式として解く。
このように、回転誤差Bnを一次で近似することにより、二次の成分を不要とし、座標関係式全体を線形とすることができる。これにより、各誤差を評価し、不確かさの計算をすることができる。
また、前記連立式演算部6が、前記座標関係式による連立式と、最小二乗条件式と、必要なランク調整式とを、正規方程式を解くことなく一括して数値計算するようにしても良い。
この一括した数値計算によると、正規方程式の解法による場合と比較して、連立式演算部6の限られた有効桁数内で、精度のよい計算を行うことができる。
次に、測定用配置から座標関係式を導出する。
<測定1>
測定用配置1では、測定部のx,y軸に方向を合わせアーティファクトを設置方向に対して原点中心でz軸周りに90度回転させて、各マークの位置を測定する。
測定機の座標系に対する、マーク1aの実際の位置をLi = [ξi ζi]、ノミナル値をNi= [ξ0i ζ0i]、格子位置のノミナル値からのずれをDi = [δξi δζi]とすると、マーク1aの実際の位置は、式(2.1)で表される。
Figure 0005468726
また、測定部2のステージにアーティファクトを置いたときの測定座標系における各マーク1aの位置をGi = [xi,yi],i = 1から25とし、測定部2による測定値mをベクトルm1i = [m1i1i]、ベクトルGiにおける測定機の系統誤差をベクトルei= [exi(xi,yi),eyi(xi,yi)]とする。
ここで、eiは、測定機の座標値をパラメーターとするため、測定機の格子番号であるパラメーターjを用いて、式2.2のように表記することができる。
従って、測定1の測定値は、式2.3で表すことができる。
測定1では、i = jとなるが、その他の測定においては、測定用配置により回転又は並進するため、i≠jである。
Figure 0005468726
次に、測定座標の原点を(X1,Y1)、測定部のX軸と正方格子のξ軸との成す角を設置回転誤差θ1とすると、測定座標での各マーク位置の座標Gは、次式2.4で表すことができる。
回転誤差Bは、実際の値Li=[ξi ζi]とが回転したものである。
この回転誤差Bnの回転誤差成分φ及びψの内容については、後述する。
そして、式2.4に式2.1を代入すると、式2.5aとなる。
2.5aを展開すると、式2.5bとなり、δξiやδζiの乗算については微少であるとして省略すると、式2.5cに近似できる。
また、測定値は式2.3により与えられるから、これを式2.6aとして式2.5cを代入すると、式2.6bとなる。
式2.6bの第2項のノミナル値Nを左辺に移項し、ずれ量Dを右辺第3項とすると、式2.6cが得られる。
この式2.6cは、上述した式1.7bである。
<測定2>
測定用配置2では、アーティファクトを、設置位置を変えずに、測定用配置1の設置方向に対して原点中心でz軸周りに90度回転させて、各マーク位置を測定する。
測定2についても、測定1と同様に、式2.7aから式2.7bを導出することができる。
式2.7bは、上述した式1.7cである。
Figure 0005468726
<測定3>
測定用配置3では、アーティファクトを、設置位置を変えずに、測定用配置1の設置方向に対して原点中心でz軸周りに180度回転させて、各マーク位置を測定する。
測定3についても、同様に、次式2.8bを導出することができる。この式2.8bは、上述した式1.7dである。
Figure 0005468726
<測定4>
測定用配置4では、アーティファクトを、測定方向を変えずに、測定用配置1の設置位置に対して、1格子分(Δ)、x方向にシフトさせて、各マーク位置の測定を行う。測定4についても、同様に、次式2.9bを導出することができる。式2.9bは、上述した式1.7eである。
Figure 0005468726
<最小二乗条件式>
次に、各座標の各軸を最小二乗直線とするための条件式を導入する。ここでは、式3.1a及び3.1bがアーティファクト座標の座標軸を最小二乗直線とする条件式であり、式3.2a及び3.2bが測定座標の座標軸を最小二乗直線とする条件式である。
Figure 0005468726
<ランク調整式>
また、ここでは、連立式の変数の数と連立式の数とを調整するために、測定機のスケール誤差が補正されているものとする条件式4.1及び4.2を使用する。
これらから、連立方程式を解くことにより、ずれ量Dと測定誤差eを同時に校正することができる。
Figure 0005468726
この例では、測定部2のスケール誤差γbは、予め校正しておくものとする。
ただし、スケール誤差γbを未校正の測定機を使用しても、最後に長さの転写を行うことにより、最終段でスケール誤差の補正を行うことも可能である。
スケール誤差γbを測定誤差eと同時に校正するには、いくつかの手法があるが、式1.7bから式1.7eのexj, eyjにγbを乗算し、ランク調整式を増加させるのが簡易である。まず、スケール誤差を式1.7bから式1.7eに反映させるには、左辺にスケールの係数となる対角行列を左から掛けることとなる。このスケール対角行列を右辺に移項すると、右辺全体に対角行列の逆行列を左から掛けることとなる。しかし、原点誤差Aや、回転誤差Bは、スケールの影響がほとんどない。そして、ずれ量Dは測定部のスケール誤差γbの影響を排除すべきである。従って、測定誤差eにのみスケールに応じた係数であるスケール誤差γbを影響させれば良い。
スケール誤差γbを測定誤差e等と同時に校正(計算)する例では、座標関係式が、前記測定毎に異ならない誤差として、測定誤差eと、前記測定座標系の直角度誤差βと、前記測定座標系のスケール誤差γbとを有する。さらに、前記最小二乗条件式が、前記ずれ量δξ,δζの各平均値と、前記測定座標系のスケール誤差γbで補正した測定誤差eの平均値とを最小とする条件式を有する。そして、前記連立式演算部6が、前記測定部のスケール誤差γbと、前記測定座標系の直角度誤差βとを校正すると共に前記ずれ量δξ,δζを算出すると良い。
また、同様に、ずれ量Dにアーティファクトのスケール誤差γaを乗算すると、アーティファクトのスケール誤差γaをずれ量Dから分離することができる。
ここで、各式は線形化されているため、最小二乗法等を用いて容易に最適解としてパラメーターを推定することができ、誤差の伝搬を考慮することも容易である。
また、条件式に関しては、連立方程式のランクが落ちなければ、他の式を用いることもできる。例えば、いくつかの点をピックアップして、その点にのみ着目して座標軸固定のための条件や、スケール誤差補正の条件式を加えることもできる。
<回転誤差>
図18を参照して、測定用配置1でのα、β及びθ1による回転誤差Bを説明する。
図18に示す例では、ノミナル座標の原点p0と、測定座標の原点とは等しいとする。
1は、式5.1aに示すように、G[xii] = L[ξi ζi]の点である。
ξ軸上の点p2は、点p1を通り、ξ軸に直交する線と、当該ξ軸との交点である。
ξ軸とξ軸とが直交するアーティファクト座標の原点から、点p2までの長さr1は、式5.1bで与えられる。
また、点p1から点p2までの長さr2は、式5.1cで与えられる。
Figure 0005468726
次に、点p3を検討する。p3は、点p1を通り測定座標のx軸と平行な直線と、ノミナル座標のy0軸との交点である。この点p3のノミナル座標でのy0軸の座標値は、式5.2aで与えられる。
3及びr4は、式5.2bで表されるから、式5.1b及び5.1cを式5.2bに代入すると、式5.2cが得られる。これを近似すると、式5.2dとなる。
点p4は、点p1と点p3を通る直線と、測定座標のy軸との交点である。
このp4が、Giの要素であるyiである。
点p4について、ノミナル座標と測定座標の直角度誤差βを用いて、式5.3aと表すことができる。
式5.3bの第2項及び第3項は、行列の乗算として表すことができる。
すなわち、[θ1 1]と、[ξi ζi]Tとの乗算である。
これは、式5.7のyiについての式となる。
Figure 0005468726
5は、点p1を通り、ζ軸に平行な直線と、測定座標のx軸との交点である。
このp5からX1までの長さは、式5.4aで表すことができる。
6及びr7は、式5.4で表すことができるため、式5.1b及び5.1cを代入すると、式5.4cとなり、これを近似すると式5.4dに、さらに整理すると式5.4eを得る。
点p6は、点p1を通り測定座標のy軸と平行な直線と、x軸との交点である。
点p6のx座標での値は、Gの要素であるxiであり、式5.5aで表される。
は、点p3から点p4までの長さと等しく、式5.5bで表される。
5は、式5.4eで表されるから、これらを代入すると式5.5cが得られる。
これを近似し、整理すると、式5.5eとなる。
行列の乗算とするために整理すると、式5.5fとなる。
式5.3bと、式5.5fとを行列の加算及び乗算として整理すると、式5.6となる。
式5.6は、上述した式2.4である。
図18に示すように、Gi=Liとして、この点pの値を測定座標とアーティファクト座標とで等しいようにα、β及びθにて回転誤差を予め導出することができる。
このとき、近似としては、それぞれの角度が微少であるとして、一般的に使用されている三角関数の近似を使用している。
また、上述した実施形態では、βの影響による誤差は既知であるとし、同様の式を示したが、図18及び式5.xにて展開するように、β=0の際には、式5.6dのβが0となり、式5.6fにβが現れないこととなる。
従って、β=0の際には、式1.5bとなる。
この点、他の測定用配置についも同様である。
図19を参照して、測定用配置2での回転誤差を説明する。
図19に示す例では、アーティファクト座標は、90度反時計回りに回転している。
式5.1aで示す点pは、G=Lの点である。この点pの座標値(ξi, ζi)を(xi, yi)とするために、yiを点p4とし、xiを点p6として、ξiの値と、ζiの値と、α、β及びθとを使用して導出している。
Figure 0005468726
測定用配置2についても、式5.1b及び5.1cにより、r1及びr2を定義する。
iについては、点p3を表す式5.2aから5.2dを導き、これを式5.2a及び5.3bにより、点p4に展開する。
式5.2bを行列で表すと式5.6となる。
Figure 0005468726
iについても、点p5を表す式5.4aから5.4eを導き、これを式5.5aから5.5fにより点p6に展開する。
式5.5fを行列で表すと式5.6となる。
式5.6について、式2.4から式2.6cと同様の展開をすると、式1.7cとなる。
図20を参照して、並進Δと、測定用配置4での回転誤差を説明する。
回転誤差については、測定用配置1と同様となる。
並進Δの影響は、点p6について現れ、式6.6の右辺第1項にてX4にΔを加算することとなる。
測定用配置3については、測定用配置1を180度回転させる配置となるため、式1.7dに示すように、1.7bの算式からθnの正負が反転することとなる。
Figure 0005468726
Figure 0005468726
次に、図21等を参照して二次元格子校正方法を説明する。
二次元格子校正方法は、図1に示す各部の動作に対応して、アーティファクト9のマーク1aの少なくとも一部が重なる複数の測定用配置nに対応して前記各マーク位置1aを当該測定用配置n毎に測定する測定工程S1と、
前記各マーク1aのノミナル値Niを特定するノミナル座標、前記アーティファクト9のマーク位置1aを特定し所定の各軸を有するアーティファクト座標および前記各測定用配置nでの設置誤差との関係を表す座標関係式を予め設定する座標設定工程と、
前記マーク1aの測定値miによる実際の位置Gi=Liの前記ノミナル値Niからのずれ量Diを最小とする最小二乗直線を前記アーティファクト座標の前記所定の各軸ξ,ζとする最小二乗条件式および前記座標関係式を使用して、前記各マークの実際の位置のノミナル値Nからの前記ずれ量Dを求める連立式を生成する連立式生成工程S2〜S8と、
この生成された前記連立式を解く連立式演算工程S9と、
この数値計算により得られたずれ量D等を格納する格納工程S10とを備えている。
測定工程S1は、図1及び図13に示す測定部2による測定である。
座標設定工程は、図1に示す座標設定部4による座標の設定である。
この座標設定工程は、図13に示す例では、記憶部30に座標関係式等を設定しておく工程となる。
連立式生成工程S2からS8は、図1に示す連立式生成部5による情報処理である。
例えば、図13に示す演算部30の連立式生成部41による連立式の生成により、当該連立式を生成するようにしてもよい。
そして、連立式演算工程S9は、図1及び図13に示す連立式演算部6による連立式を解く情報処理である。
以下、図13に示す構成例での処理工程を図21に示すフローチャートに従って説明する。
測定部2は、図8及び図9に示す測定用配置n=1から4にて、アーティファクト9のマークの位置1aを測定する(ステップS1)。
連立式生成部41は、ノミナル値記憶部32から、当該測定部2のレンズやアーティファクトの識別番号等に応じて、当該マーク1aのノミナル値Niを読み出す。連立式生成部41は、当該ノミナル値Niに補正値Ciがあれば、ノミナル値Niに補正値Ciを加減算する。補正値Ciは、例えば、前回の二次元格子の校正にて測定したずれ量Diである。
このように、ノミナル値Niは、当初は設計位置を用いるが、一旦マークのずれ量Diを校正により得た際には、このずれ量Diを補正値Ciとして、ノミナル値Niに補正値Ciを加算した値を新たなノミナル値Niとして用いて再度推定しても良い。この場合、XnとYnの値と、αの値とが小さくなり、数値計算の精度を向上させることができる。
連立式生成部41は、続いて、測定値mから、ノミナル値を減算する(ステップS4)。この減算は、x及びyそれぞれ別途行う。そして、座標関係式記憶部33から、式1.7aから1.7e等の座標関係式を読み出す(ステップS5)。連立式生成部41は、さらに、式3.1aから3.2bの最小二乗条件式を読み出し(ステップS6)、そして、式4.1aから4.2bのランク調整式を読み出す(ステップS7)。
連立式生成部41は、ノミナル値Niと、測定値miからノミナル値Niを減算した値とを読み出した算式に代入する(ステップS8)。このステップS8では、座標関係式1.7aから1.7eの左辺に、それぞれ、ノミナル値Niから測定値miを減算した値を代入する。この値の代入は、測定番号n毎に、かつ、マーク番号i毎に行う。
また、座標関係式の右辺第2項に、ノミナル値Niを代入する。そして、最小二乗条件式と、ここでのランク調整式とに、ノミナル値Niを代入する。このノミナル値等の代入は、マーク番号iを用いて行う。
連立式演算部6は、ステップS8で生成された連立式を計算する。例えば、連立式からヤコビアン行列を得て、QR分解した上で、数値計算を行う。これにより、式1.7の右辺第1項であるAと、第2項であるBのα、β及びθnと、第3項であるDと、第4項であるeとを一括して全てを同時に求めることができる。これにより、すべてのパラメーターを、最小二乗条件式により最適化された状態で得ることができる。
演算部40は、続いて、アーティファクトのマークを他のアーティファクトや対物レンズ等から識別する番号とともに、座標関係式のパラメーター(An,Bn,Di及びejの値)を記憶部30に格納する。
この図21に示したステップS2からS10の情報処理内容は、二次元格子校正プログラムをコンピュータである解析部3が実行することにより実現することもできる。
この二次元格子校正プログラムは、測定部2と、この測定部2と接続され、当該測定用配置n毎の測定値miを用いて当該マークのずれ量Diを計算するコンピュータ(解析部)3とを備える。
そして、この二次元格子校正プログラムは、このコンピュータ3を、図13に示す前記測定配置毎の測定値mi、予め定められた算式および前記各マークのノミナル値Niを記憶した記憶部30と、前記記憶部30に格納された測定値miおよびノミナル値Niを使用して当該ノミナル値Niから実際の値Liへのずれ量Diを前記予め定められた算式により計算する演算部40として機能させる。
当該プログラムはさらに、前記記憶部を、測定値記憶部31、ノミナル値記憶部32、座標関係式記憶部33、最小二乗条件式記憶部34、ランク調整式記憶部35として機能させる。当該プログラムは、例えば、測定部2と接続され、測定部2から入力される測定値を測定値記憶部31に格納するための制御をする。また、プログラムは、コンピュータの利用者に座標関係式や、最小二乗条件式や、ランク調整式の入力を促し、それぞれを格納するための制御をする。
当該プログラムは、さらに、演算部40を、連立式生成部41と、連立式演算部6として動作させる。例えば、当該プログラムは、コンピュータ3に、図21に示すステップS2からS8の処理を行わせることで、当該コンピュータ3を連立式生成部41として動作させる。ステップS3での読み出しには、アーティファクト9及び測定部2の対物レンズ等を識別する番号を使用して対応するノミナル値Niを特定する。ステップS4での測定値miからノミナル値Niを減算する処理では、マーク番号i毎に数値の減算処理をする。ステップS5及びS6での座標関係式と最小二乗条件式は、測定用配置の種類と数に応じて対象となる式を特定する。ランク調整式についても同様である。
当該プログラムは、コンピュータを動作させることで、連立式を計算する。当該プログラムは、この計算に際しては、一般的に入手可能な行列の計算を行うためのソフトウエアに処理を依頼し、計算結果を得るための制御をしてもよい。すなわち、二次元格子校正プログラムは、当該プログラム自体で計算をする構成としても、また、他のプログラムを動作させるための手順や指令を有する構成としても良い。
この二次元格子校正プログラムは、記録媒体9に格納し、二次元格子校正装置に導入することができる。
以上、このような構成を備える二次元格子校正装置及び方法によれば、次に示すような顕著な効果を奏することができる。
(1)最小二乗条件式をアーティファクト座標等の軸として連立式を導出・生成し、計算することにより、次の効果を得る。
測定時の設置誤差の影響を最小とする状態で、各マーク近傍で数値計算をすることができる。
アーティファクトのマークのずれ量Dを、設置誤差を含む原点誤差Aや、設置回転誤差や最小二乗直線である各軸の直角度誤差による回転誤差Bから分離して取得することができる。
(2)測定用配置を4種類とし、180度回転した状態での測定を含むことにより、誤差に含まれる設置上の偶数成分を分離して取得することができる。90度回転させた測定と、シフト位置の測定だけでは、アライメント誤差によるパラボラ的な成分の分離が困難であるが、180度の回転位置での測定を加えることにより、誤差の偶数成分を分離して取得することができる。
(3)測定座標を定義し、式1.7等を用いて計算することにより、測定誤差を分離取得でき、測定部の予備校正を不要とすることができる。
(4)座標関係式を線形とすることで、計算結果の誤差について不確かさの評価を行うことができ、また、連立式を一括して計算することで、数値計算の精度を安定して高めることができる。
(5)図22(A)に、本実施例でのずれ量Dの測定結果を示す。μmのオーダーにて、良好にずれ量を計算し、測定することができる。この測定結果は、信頼されている校正機関による校正結果とほぼ同一となった。図22(B)に、本実施例による測定結果と、反転法による測定結果との差を示す。本実施例による測定結果は、図22(B)に示すように、反転法による場合と比較してより高精度な測定をすることができた。
(6)座標関係式や最小二乗条件式等を一括して解くことにより、最小二乗法により解を求めることができる。すなわち、フーリエ変換を行わなくとも、誤差の影響を最小化するような最適解を求めることができる。これにより、容易に誤差の伝搬、すなわち不確かさを計算することも可能となる。
なお、本発明の二次元格子校正装置は、上記実施形態にのみ限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
例えば、本実施例では、連立式を解くために測定を4回行っているが、測定回数を増やして最小二乗法で最適化意を計算することもできる。この場合、データの冗長性を増して、校正の精度をさらに向上させることができる。
また、ずれ量Dや測定誤差eについては、座標値を直接用いているが、スプライン関数等を用いて表すこともできる。この場合、誤差の値を直接推定するのではなく、関数のパラメーターを推定することとなる。
以上、説明したように本発明の二次元格子校正装置によれば、アーティファクトを反転させずに、マーク位置を高精度に測定することができる、という優れた効果を奏し得る。
本発明は、正方格子等のアーティファクトのマークやボールの中心位置の校正をする校正装置等に利用できる。
本実施形態での構成例を示す図である。 測定部の構成例を示す図である。 アーティファクトの一例を示す図である。 アーティファクトのマークの番号の一例を示す図である。 ノミナル座標とアーティファクト座標との関係を示す図である。 ノミナル値と実際の位置との関係を示す図である。 アーティファクト座標の各軸とノミナル座標との関係を示す図である。 図8(A)は測定用配置1の一例を示す図で、図8(B)は測定用配置2の一例を示す図である。 図9(A)は測定用配置3の一例を示す図で、図9(B)は測定用配置4の一例を示す図である。 アーティファクト座標での実際の位置Lと、測定座標での実際の位置Dとの関係を示す図である。 図11(A)は測定用配置1でのずれ量Dと測定誤差eの一例を示す図で、図11(B)は測位用配置2でのずれ量Dと測定誤差eの一例を示す図である。 図12(A)は測定用配置3でのずれ量Dと測定誤差eの一例を示す図で、図12(B)は測位用配置4でのずれ量Dと測定誤差eの一例を示す図である。 本実施例での構成例を示す図である。 測定座標の一例を示す図である。 測定値と測定誤差との関係を示す図である。 ノミナル座標と、アーティファクト座標と、測定座標との関係を示す図である。 各誤差とノミナル値との関係とを示す図である。 測定用配置1での回転誤差等を説明するための図である。 測定用配置2での回転誤差等を説明するための図である。 測定用配置4での回転誤差等を説明するための図である。 本実施例での処理例を示す図である。 本実施例による測定結果の一例を示す図である。 従来の反転法での測定用配置の例を示す図である。
符号の説明
二次元格子校正装置…1,測定部…2,解析部…3,座標設定部…4,連立式生成部…5,連立式演算部…6,CPU…7,メモリー…8,アーティファクト…9,アーティファクトのマーク…1a。

Claims (8)

  1. 複数のマークを平面内に有する標準校正器としてのアーティファクトの前記マークが少なくとも一部で重なる複数の測定用配置毎に当該各マークの位置を測定する測定部と、
    前記測定部の測定座標系と前記アーティファクトのマーク位置を特定するアーティファクト座標系との関係を前記測定用配置毎に表す座標関係式が予め設定された座標設定部と、
    前記各マークの測定値に基づいてアーティファクト座標系の座標軸を設定する条件式と前記座標関係式とを使用して前記各マークのずれ量を求める連立式を生成する連立式生成部と、
    前記連立式生成部にて生成された前記連立式を解く連立式演算部と、を備え
    前記アーティファクト座標系の座標軸を設定する条件式は、
    前記各マークの測定値と設計値とのずれ量を最小にする条件のもとで求められる最小二乗直線式であり、
    この最小二乗直線を前記アーティファクトの座標軸とし、
    前記座標関係式が、前記各測定用配置nの測定毎に異なる設置誤差として原点のずれ量である原点誤差Anおよび設置回転誤差θnを含むとともに前記測定毎に異ならない誤差としてアーティファクト座標系の直角度誤差αおよび前記設計値からのずれ量δξ,δζを含み、
    前記最小二乗条件式が、前記設計値とずれ量とを加算した値の各平均値を最小にする条件式および前記ずれ量δξ,δζの各平均値を最小とする条件式を有し、
    前記連立式演算部が、当該演算部により計算されたアーティファクト座標系の直角度誤差αと、ずれ量δξ,δζとにより前記設計値を補正して、前記最小二乗直線を繰り返し算出する、
    ことを特徴とする二次元格子校正装置。
  2. 前記座標関係式が、前記測定毎に異ならない誤差として測定誤差e、前記測定座標系の直角度誤差βおよび前記測定座標系のスケール誤差γbを含み、
    前記最小二乗条件式が、前記ずれ量δξ,δζの各平均値を最小にする条件式および前記測定座標系のスケール誤差γbで補正した測定誤差eの平均値を最小にする条件式を含み、
    前記連立式演算部が、前記測定部のスケール誤差γbと前記測定座標系の直角度誤差βとを校正すると共に前記ずれ量δξ,δζを算出する、
    ことを特徴とする請求項記載の二次元格子校正装置。
  3. 複数のマークを平面内に有する標準校正器としてのアーティファクトの前記マークが少なくとも一部で重なる複数の測定用配置毎に当該各マークの位置を測定する測定部と、
    前記測定部の測定座標系と前記アーティファクトのマーク位置を特定するアーティファクト座標系との関係を前記測定用配置毎に表す座標関係式が予め設定された座標設定部と、
    前記各マークの測定値に基づいてアーティファクト座標系の座標軸を設定する条件式と前記座標関係式とを使用して前記各マークのずれ量を求める連立式を生成する連立式生成部と、
    前記連立式生成部にて生成された前記連立式を解く連立式演算部と、を備え、
    前記測定部が、
    第1の測定用配置として、前記各座標軸と前記各マークの点列方向を揃えて前記アーティファクトを配置し、第1の測定をし、
    第2の測定用配置として、前記第1の測定用配置に対して重心位置を略同一として前記アーティファクトを面内にて90度回転させて配置し、第2の測定をし、
    第3の測定用配置として、前記第1の測定用配置に対して重心位置を略同一として前記アーティファクトを面内にて180度回転させて配置し、第3の測定をし、
    第4の測定用配置として、前記第1の測定用配置に対して前記アーティファクトを前記マークの間隔分並進させて配置し、第4の測定をする
    ことを特徴とする二次元格子校正装置。
  4. 複数のマークを平面内に有する標準校正器としてのアーティファクトの前記マークが少なくとも一部で重なる複数の測定用配置毎に当該各マークの位置を測定する測定部と、
    前記各測定配置での測定毎の測定値m、予め定められた算式および前記各マークの設計上の位置であるノミナル値Nを記憶した記憶部と、
    前記記憶部に格納された所定の測定座標での前記測定値mおよび前記ノミナル値Nを使用して当該ノミナル値Nから実際の値Lへのずれ量Dを所定のアーティファクト座標にて前記予め定められた算式により計算する演算部と、を備え、
    前記アーティファクト座標は、前記アーティファクトのノミナル値と実際の位置とのずれ量Dをx軸およびy軸方向にてそれぞれ最小とする最小二乗直線である座標軸と、当該最小二乗直線の成す角と直角との角度差である直角度誤差αとを有し、
    前記測定座標は、前記測定部の測定誤差eをx軸およびy軸方向にてそれぞれ最小とする最小二乗直線である座標軸と、当該各座標軸の成す角と直角との角度差である直角度誤差βとを有し、
    前記記憶部は、
    前記測定毎の測定値mを記憶する測定値記憶部と、
    前記各マークの重心位置を原点として直交するx0軸及びy0軸を座標軸とするノミナル座標上において前記各マークの設計上の位置であるノミナル値Nを記憶するノミナル値記憶部と、
    前記アーティファクト座標における前記各マークの実際の値Lと前記測定座標における前記各マークの実際の値Gとが等しいとして当該各座標の原点の前記ノミナル座標原点からのずれ量である原点誤差A、前記各座標の直角度誤差α,β、前記測定用配置の設置回転誤差θによる回転誤差B、ノミナル値N、測定誤差eおよび測定値mの関係式を座標関係式として前記測定用配置毎に記憶した座標関係式記憶部と、
    前記各座標の前記各軸を最小二乗直線とするための最小二乗条件式を記憶した最小二乗条件式記憶部と、を備え、
    前記演算部は、
    前記測定毎の測定値mと、前記ノミナル値Nとを読み出して、前記座標関係式記憶部に格納された測定用配置毎の前記座標関係式に代入するとともに、前記最小二乗条件式を読み出すことで、前記測定値mを使用して前記各マークのノミナル値Nから実際の位置Lまでのずれ量Dを求める連立式を生成する連立式生成部と、
    この生成された前記連立式を解く連立式演算部と、を備えている
    ことを特徴とする二次元格子校正装置。
  5. 前記座標関係式記憶部が、前記回転誤差Bを一次で近似した座標関係式を記憶し、
    前記連立式生成部が、前記各座標の直角度誤差α,βと、前記設置回転誤差θとを測定用配置毎に加減算し、マーク毎のノミナル値との乗算により当該回転誤差Bを得る式を前記座標関係式記憶部から読み出して、各測定値mの式毎に当該測定値に対応するノミナル値Nを代入し、
    前記連立式演算部が、前記連立式を一次式として解く
    ことを特徴とする請求項記載の二次元格子校正装置。
  6. 前記連立式演算部が、前記座標関係式による連立式と、前記最小二乗条件式とを、一括して数値計算することを特徴とする請求項又は記載の二次元格子校正装置。
  7. 複数のマークを平面内に有する標準校正器としてのアーティファクトの前記マークが少なくとも一部で重なる複数の測定用配置毎に当該各マークの位置を測定する測定部と、この測定部と接続され、当該測定用配置毎の測定値を用いて当該マークのずれ量を計算するコンピュータとを備え、このコンピュータを、
    前記各測定配置での測定毎の測定値m、予め定められた算式および前記各マークの設計上の位置であるノミナル値Nを記憶した記憶部と、
    前記記憶部に格納された所定の測定座標での前記測定値mおよび前記ノミナル値Nを使用して当該ノミナル値Nから実際の値Lへのずれ量Dを所定のアーティファクト座標にて前記予め定められた算式により計算する演算部として機能させ、
    前記アーティファクト座標は、前記アーティファクトのノミナル値と実際の位置とのずれ量Dをx軸およびy軸方向にてそれぞれ最小とする最小二乗直線である座標軸と、当該最小二乗直線の成す角と直角との角度差である直角度誤差αとを有し、
    前記測定座標は、前記測定部の測定誤差eをx軸およびy軸方向にてそれぞれ最小とする最小二乗直線である座標軸と、当該各座標軸の成す角と直角との角度差である直角度誤差βとを有し、
    当該プログラムはさらに、
    前記記憶部を、
    前記測定毎の測定値mを記憶する測定値記憶部と、
    前記各マークの重心位置を原点として直交するx0軸及びy0軸を座標軸とするノミナル座標上において前記各マークの設計上の位置であるノミナル値Nを記憶するノミナル値記憶部と、
    前記アーティファクト座標における前記各マークの実際の値Lと前記測定座標における前記各マークの実際の値Gとが等しいとして当該各座標の原点の前記ノミナル座標原点からのずれ量である原点誤差A、前記各座標の直角度誤差α,β、前記測定用配置の設置回転誤差θによる回転誤差B、ノミナル値N、測定誤差eおよび測定値mの関係式を座標関係式として前記測定用配置毎に記憶した座標関係式記憶部と、
    前記各座標の前記各軸を最小二乗直線とするための最小二乗条件式を記憶した最小二乗条件式記憶部として機能させ、
    当該プログラムはさらに、前記演算部を、
    前記測定毎の測定値mと、前記ノミナル値Nとを読み出して、前記座標関係式記憶部に格納された測定用配置毎の前記座標関係式に代入するとともに、前記最小二乗条件式を読み出すことで、前記測定値mを使用して前記各マークのノミナル値Nから実際の位置Lまでのずれ量Dを求める連立式を生成する連立式生成部と、
    この生成された前記連立式を解く連立式演算部として機能させる
    ことを特徴とする二次元格子校正プログラム。
  8. 請求項に記載の二次元格子校正装置用プログラムを記録した記録媒体。
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