JP5465497B2 - 圧縮機用インペラの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の翼部を備えた圧縮機用インペラの製造方法に関する。
例えば、自動車等の過給機(ターボチャージャー等)における圧縮機用のインペラとしては、複数の翼部を備えたものが一般的であり、複雑な形状を呈している。近年では、ターボチャージャー等の性能向上(例えば、高速回転化等)を実現するため、インペラに高い強度、高い形状精度が求められている。
このようなインペラを製造する方法としては、例えば、大きな塊状の素材を最終製品の形状に切削加工する方法がある。しかしながら、上記の製造方法では、製品1つ当たりの加工時間が長く、生産性が悪い。また、切削加工によって除去する部分が多いため、材料の歩留まりが悪い。
そこで、特許文献1には、最終製品に近い形状の中間製品を鋳造にて成形した後、翼部の曲げ加工を行ってインペラを製造する方法が開示されている。
また、特許文献2には、最終製品に近い形状の中間製品をダイカスト又は鍛造にて成形した後、翼部の曲げ加工を行ってインペラを製造する方法が開示されている。
また、特許文献3には、最終製品に近い形状の中間製品を鍛造にて成形した後、機械加工によって切削することによりインペラを製造する方法が開示されている。
特開昭59−120338号公報 特開昭58−77737号公報 特開2005−48769号公報
しかしながら、近年、ターボチャージャー等の高速回転化に対応するため、インペラに高い強度が求められているが、上記特許文献1の発明では、鋳造によって鋳巣等の内部欠陥が発生し、強度に影響を与えるという問題がある。
また、上記特許文献2の発明では、ダイカストにて中間製品を成形した場合、上記と同様に、鋳巣等の内部欠陥が発生し、強度に影響を与えてしまう。一方、鍛造にて中間製品を成形した場合、鋳巣等の内部欠陥の問題は解消できるものの、通常は圧縮機用インペラのような複雑な形状を精度良く成形することはできず、特に近年の高精度化の要求を満たすことはできない。また、翼部の曲げ加工を一枚ずつ工具等で行うため、生産性も悪い。
また、上記特許文献3の発明では、中間製品から最終製品にするまでにアンダーカット領域を含む多くの部分を切削加工しなければならないため、加工時間が長くなり、生産性が悪い。また、切削加工によって除去する部分も多いため、材料の歩留まりも悪い。
このように、上記特許文献1〜3等に開示されている従来のインペラの製造方法では、鋳造で問題となる鋳巣等のような内部欠陥の発生を防止して十分な強度を確保すること、複雑な形状であっても高い形状精度が得られること、全体として生産性の向上を図ること、をすべて満たすことはできなかった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、内部欠陥の発生を防止して十分な強度を確保でき、高い形状精度が得られ、さらには生産性の向上を図ることができる圧縮機用インペラの製造方法を提供しようとするものである。
本発明は、複数の翼部を備えた圧縮機用インペラを製造する方法であって、
上記インペラの中間製品の形状のキャビティを有する鍛造型を用いて、固体状の素材を型鍛造にて塑性加工して成型することにより、成型後に上記鍛造型を破壊又は変形させることなく型抜き可能な複数の翼部前駆体を形成した上記中間製品を作製する鍛造工程と、
上記翼部前駆体を所定の方向に曲げ加工する曲げ加工工程と、
上記翼部前駆体を所望の形状に切削加工して上記翼部を形成する切削加工工程とを順に行うことを特徴とする圧縮機用インペラの製造方法にある(請求項1)。
本発明の圧縮機用インペラの製造方法では、上記鍛造工程において、固体状の素材を型鍛造にて成型し、インペラの中間製品を作製する。そのため、鋳造で問題となる鋳巣等のような内部欠陥の発生を防止することができる。これにより、インペラの最終製品の強度を十分に確保することができる。
また、上記鍛造工程では、成型後に上記鍛造型を破壊又は変形させることなく型抜き可能な複数の翼部前駆体を形成した中間製品を作製する。そのため、型鍛造にて成型した後、容易に型抜きすることができる。これにより、上記鍛造工程を効率良く行うことができる。
また、上記鍛造工程では、素材を型鍛造にて成型するため、比較的短時間でインペラの中間製品を作製することができる。これにより、生産性の向上を図ることができる。
また、本発明では、上記曲げ加工工程の後に、上記切削加工工程を行う。すなわち、翼部前駆体を曲げ加工した後に、その翼部前駆体を切削加工して所望の形状とするため、翼部前駆体の曲げ加工に高い精度が要求されることはない。そのため、例えば、翼部前駆体に対して下型を配置して上型で押圧する(特許文献1参照)等、高い精度の曲げ加工を行う必要がなくなる。つまり、下型を用いることなく、上型のみで翼部前駆体の曲げ加工を行うことが可能となる。これにより、上記曲げ加工工程を効率良く行うことができ、生産性の向上を図ることができる。
また、上述のごとく、上記曲げ加工工程の後に、上記切削加工工程を行う。そのため、例えば、上記曲げ加工工程において曲げ加工した翼部前駆体の形状精度が多少悪くても、上記切削加工工程において翼部前駆体を所望の形状に切削加工することにより、形状精度の高い翼部を形成することができる。これにより、複雑な形状のインペラを製造する場合であっても、インペラの最終製品の形状精度を高いものとすることができる。
また、上記鍛造工程、上記曲げ加工工程、上記切削加工工程を順に行うことにより、材料の歩留まりを高く、かつ、複雑な形状を高精度に加工することができる。
よって、本発明のインペラの製造方法では、鋳造で問題となる鋳巣等のような内部欠陥の発生を防止して十分な強度を確保すること、複雑な形状であっても高い形状精度が得られること、全体として生産性の向上を図ること、をすべて満たすことができる。そして、これにより、高い強度、高い形状精度という近年の要求に応えることのできるインペラを効率良く製造することが可能となる。
このように、本発明によれば、内部欠陥の発生を防止して十分な強度を確保でき、高い形状精度が得られ、さらには生産性の向上を図ることができる圧縮機用インペラの製造方法を提供することができる。
実施例における、ターボチャージャーのコンプレッサハウジング周辺の構造を示す説明図。 実施例における、コンプレッサインペラの全体構造を示す斜視図。 実施例における、素材を示す斜視図。 実施例における、(a)、(b)鍛造工程において作製した中間製品を示す斜視図。 実施例における、曲げ加工工程において短翼部前駆体を曲げ加工した中間製品を示す斜視図。 実施例における、曲げ加工工程において長翼部前駆体を曲げ加工した中間製品を示す説明図。 実施例における、(a)、(b)鍛造工程の様子を示す説明図。 実施例における、(a)〜(c)曲げ加工工程の様子を示す説明図。 実施例における、(a)〜(c)翼部前駆体を翼部曲げ型を用いて曲げ加工する様子を示す説明図。
本発明において、上記インペラを構成する上記素材としては、例えば、アルミニウム合金等を用いることができる。特に、高温強度に優れたアルミニウム合金を用いることにより、上記インペラを自動車等の過給機(ターボチャージャ等)における圧縮機のインペラに適用することが可能となる。
また、「成型後に上記鍛造型を破壊又は変形させることなく型抜き可能な複数の翼部前駆体」の形状とは、例えば、上記インペラの回転軸に平行な方向に型抜き可能な形状や、上記インペラの回転軸を中心とする周方向にひねって回しながら型抜き可能な形状等がある。
また、上記鍛造工程及び上記曲げ加工工程は、熱間鍛造にて行うことが好ましい(請求項2)。
この場合には、複雑な形状の上記インペラを容易に製造することができる。すなわち、熱間鍛造を用いることによって上記素材が変形し易くなるため、上記鍛造工程においては、複雑な形状の上記中間製品を容易に成型することができる。また、上記曲げ加工工程においては、上記翼部前駆体の曲げ加工が容易となり、割れ等の発生を抑制することができる。
また、上記両工程を熱間鍛造にて行う場合には、上記素材を鍛造に適した温度に加熱した状態で成型して上記中間製品を作製した後、該中間製品を冷却することなく、温度を保持した状態で上記翼部前駆体の曲げ加工を行うことができる。この場合、上記両工程を連続的に行うことが可能となり、生産性の向上を図ることができる。また、上記曲げ加工工程において、上記翼部前駆体の曲げ加工時における割れ等の発生をさらに抑制することができる。
また、このとき、上記鍛造工程と上記曲げ加工工程とを350℃以上の温度で連続的に行うことが好ましい。すなわち、上記鍛造工程から上記曲げ加工工程へ移行する間にも、上記中間製品を350℃以上の温度に保つことが好ましい。
また、上記曲げ加工工程では、上記翼部前駆体の曲げ加工形状に対応する押圧面を有する翼部曲げ型を用いて、上記翼部前駆体を上記押圧面により押圧して曲げ加工することが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記翼部前駆体を上記翼部曲げ型の上記押圧面に沿った形状に加工することができるため、生産性に優れている。また、上記翼部前駆体に対して下型等を用いることなく、すなわち上記翼部曲げ型(上型)のみを用いて上記翼部前駆体の曲げ加工を行うことができる。そのため、上記曲げ加工工程を効率良く行うことができ、生産性の向上を図ることができる。
また、上記曲げ加工工程では、複数の上記翼部前駆体を一度にまとめて曲げ加工することが好ましい。例えば、複数の上記押圧面を設けた上記翼部曲げ型を用いて曲げ加工することにより、これを実現することができる。
この場合には、上記曲げ加工工程を効率良く行うことができ、生産性の向上を図ることができる。
また、上記複数の翼部は、形状の異なる複数種類の翼部により構成されており、上記曲げ加工工程では、同じ種類の上記翼部となる上記翼部前駆体ごとに一度にまとめて曲げ加工することが好ましい(請求項4)。
この場合には、形状の異なる複数種類の上記翼部を備えた上記インペラを製造する場合であっても、上記曲げ加工工程を効率良く行うことができ、生産性の向上を図ることができる。
もちろんのことながら、同じ種類の上記翼部となる上記翼部前駆体を複数回に分けて曲げ加工することも可能である。
また、上記複数の翼部には、上記回転軸方向の長さが互いに異なる複数の長翼部と複数の短翼部とが存在し、上記曲げ加工工程では、上記短翼部となる複数の上記翼部前駆体を一度にまとめて曲げ加工した後、上記長翼部となる複数の上記翼部前駆体を一度にまとめて曲げ加工することが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記曲げ加工工程を効率良く行うことができ、生産性の向上を図ることができる。
もちろんのことながら、上記長翼部又は上記短翼部となる上記翼部前駆体を複数回に分けて曲げ加工することも可能である。
また、上記長翼部と上記短翼部とは、上記インペラの上記回転軸を中心とする周方向に交互に配設されていることが好ましい(請求項6)。
この場合には、上記曲げ加工工程において、上記短翼部となる複数の上記翼部前駆体の曲げ加工を行った後に、上記長翼部となる複数の上記翼部前駆体の曲げ加工を行うことが非常に有効となる。
また、上記鍛造工程では、上記中間製品に対して、その後の上記曲げ加工工程及び上記切削加工工程の少なくとも一方において上記中間製品を位置決めするための位置決め部を形成することが好ましい(請求項7)。
この場合には、上記曲げ加工工程及び上記切削加工工程における上記中間製品の位置ずれを抑制することができる。そのため、曲げ加工及び切削加工の精度をより一層高めることができる。
なお、上記中間製品に形成する上記位置決め部は、その場所、形状、個数等を任意に設定することができる。
また、上記インペラは、過給機における圧縮機に用いられることが好ましい(請求項8)。
例えば、自動車等の過給機(ターボチャージャ等)における圧縮機に用いられるインペラは、高い強度、高い形状精度が要求される。よって、このような要求を満たすインペラを製造する場合には、本発明の製造方法を用いることが非常に有効である。
本発明の実施例にかかる圧縮機用インペラの製造方法について、図を用いて説明する。
本例において製造する圧縮機用インペラは、図1に示すごとく、自動車のターボチャージャー(過給機)1におけるコンプレッサ(圧縮機)用のインペラ3である。
同図に示すごとく、ターボチャージャー1は、エンジンの吸気通路に配設されるコンプレッサハウジング2にコンプレッサ用のインペラ3を備えている。インペラ3は、吸気入口部21から流入させた吸気A1を圧縮すると共に、その圧縮した吸気A2を吸気出口部22からスクロール室23を通過してエンジンの燃焼室へと圧送することができるよう構成されている。
図2に示すごとく、インペラ3は、シャフト39を貫通させる貫通孔41を有するハブ部4と、ハブ部4の外周面40に放射線状に形成された複数の翼部5とにより構成されている。
複数の翼部5は、インペラ3の回転軸30の方向(以下、回転軸方向Xという)の長さが互いに異なる複数の長翼部51と複数の短翼部52とを有する。長翼部51と短翼部52とは、ハブ部4の外周面40において、インペラ3の回転軸30を中心とする周方向Yに交互に等間隔で配設されている。
長翼部51は、インペラ3の先端(吸気入口部21側の端部)に近い部分から後端(吸気出口部22側の端部)にかけて配設されている。長翼部51は、周方向Yに折り曲げて湾曲させた形状を呈している。
短翼部52は、長翼部51の先端よりも後退した位置からインペラ3の後端(吸気出口部22側の端部)にかけて配設されている。短翼部52も、周方向Yに折り曲げて湾曲させた形状を呈している。
次に、本例のインペラ3の製造方法について説明する。
本例のインペラ3の製造方法は、図3〜図9に示すごとく、以下の鍛造工程、曲げ加工工程、切削加工工程を順に行う。
鍛造工程では、インペラ3の中間製品3aの形状のキャビティ611を有する鍛造型61を用いて、固体状の素材300aを型鍛造にて成型することにより、成型後に鍛造型61を破壊又は変形させることなく型抜き可能な複数の翼部前駆体5aを形成した中間製品3aを作製する。
曲げ加工工程では、翼部前駆体5aを所定の方向に曲げ加工する。
切削加工工程では、翼部前駆体5aを所望の形状に切削加工して翼部5を形成する。
以下、これを詳説する。
まず、図3に示すごとく、インペラ3を構成する固体状の素材300aを準備する。本例では、素材300aとして、円柱状のアルミニウム合金の塊を用いる。
次いで、鍛造工程においては、図7(a)に示すごとく、350℃以上に加熱した素材300aを中間製品3aの形状のキャビティ611を有する鍛造型61に配置する。このとき、鍛造型61も350℃以上に加熱しておく。
そして、図7(a)、(b)に示すごとく、鍛造型61に対向配置されると共に素材300aを押し込むための押込面621を有する押込型62を用いて、素材300aを鍛造型61のキャビティ611に押し込む。
これにより、図4(a)に示すごとく、ハブ部前駆体4aの外周面40aに複数の翼部前駆体5aを形成した中間製品3aを作製する。このとき、翼部前駆体5aは、成型後に鍛造型61を破壊又は変形させることなく型抜き可能な形状に形成する。本例では、翼部前駆体5aをインペラ3の回転軸30に略平行な方向(回転軸方向X(図2))に形成する。また、複数の翼部前駆体5aには、最終的に長翼部51となる複数の長翼部前駆体51aと短翼部52となる複数の短翼部前駆体52aとが存在する。
なお、翼部前駆体5aは、最終製品の翼部5よりも厚みを大きくしてある。例えば、翼部前駆体5aの厚みを最終製品の翼部5の厚みの1.2〜3倍程度にしてある。あるいは、翼部前駆体5aの厚みを最終製品の翼部5の厚みよりも0.3〜2mm厚くしてある。
ここで、図7(a)、(b)に示すごとく、押込型62は、押込面621に位置決め部形成凸部622を有している。
よって、図4(b)に示すごとく、作製した中間製品3aの基台部31aにおいて、押込型62の押込面621に押し込まれた押込背面311aには、その後の曲げ加工工程及び切削加工工程において中間製品3aの位置決めを行うための凹形状の位置決め部312aが形成される。本例では、位置決め部312は、円形状の凹部313aと凹部313aから四方に延びた溝部314aとにより構成されている。
次いで、曲げ加工工程においては、図8(a)に示すごとく、鍛造工程から引き続き温度を350℃以上に保持した状態の中間製品3aを台座63に載置する。このとき、台座63の上面631に中間製品3aをその押圧背面311aを下にして載置する。つまり、中間製品3aの軸方向先端が鉛直上方を向くように載置する。そして、台座63の上面631に形成された位置決め係合部632に、中間製品3aの押込背面311aに形成された位置決め部312aを係合させる。これにより、台座63に対する中間製品3aの位置決めを行う。
そして、同図に示すごとく、最終的に短翼部52となる短翼部前駆体52aの曲げ加工形状に対応する押圧面641を有する短翼部曲げ型64を用いて、短翼部前駆体52aを押圧面641により押圧して曲げ加工する。短翼部曲げ型64には、複数の短翼部前駆体52aに対応する複数の押圧面641が形成されているため、本例では、短翼部曲げ型64によって複数の短翼部前駆体52aを一度にまとめて曲げ加工する。
また、各短翼部前駆体52aの曲げ加工は、具体的に以下のようにして行う。すなわち、図9(a)に示すごとく、短翼部曲げ型64を鉛直下方へ移動させ、図9(b)に示すごとく、短翼部前駆体52aを押圧面641により押圧し、徐々に荷重を加える。そして、図9(c)に示すごとく、短翼部前駆体52aを押圧面641に沿った形状に湾曲させる。なお、中間製品3aは、位置決め部312aによって位置決めされているため、曲げ加工の際に移動することがない。
これにより、図5に示すごとく、中間製品3aにおいて、短翼部前駆体52aは、周方向Y(図2)に折り曲げて湾曲させた形状となる。
さらに、図8(b)に示すごとく、最終的に長翼部51となる長翼部前駆体51aの曲げ加工形状に対応する押圧面651を有する長翼部曲げ型65を用いて、長翼部前駆体51aを押圧面651により押圧して曲げ加工する。長翼部曲げ型65には、複数の長翼部前駆体51aに対応する複数の押圧面651が形成されているため、本例では、長翼部曲げ型65によって複数の長翼部前駆体51aを一度にまとめて曲げ加工する。
また、各長翼部前駆体51aの曲げ加工は、短翼部前駆体52aの曲げ加工と同様に、図9(a)に示すごとく、長翼部曲げ型65を鉛直下方へ移動させ、図9(b)に示すごとく、長翼部前駆体51aを押圧面651により押圧し、徐々に荷重を加える。そして、図9(c)に示すごとく、長翼部前駆体51aを押圧面651に沿った形状に湾曲させる。なお、中間製品3aは、位置決め部312aによって位置決めされているため、曲げ加工の際に移動することがない。
これにより、図6に示すごとく、中間製品3aにおいて、長翼部前駆体51aは、周方向Y(図2)に折り曲げて湾曲させた形状となる。
次いで、切削加工工程においては、図6、図8(c)に示すごとく、翼部前駆体5a(長翼部前駆体51a、短翼部前駆体52a)の曲げ加工を行った中間製品3aに対して、切削加工を行う。
本例では、翼部前駆体5aを最終製品の翼部5の形状に加工する他、基台部31aの除去、貫通孔41の形成等を行う。切削加工は、NC工作機械(数値制御工作機械)を用いて行う。なお、切削加工工程においても、中間製品3aの位置決めに位置決め部321aを利用することができる。
以上により、図2に示すインペラ3の最終製品を得る。
次に、本例のインペラ3の製造方法における作用効果について説明する。
本例のインペラ3の製造方法では、鍛造工程において、固体状の素材300aを型鍛造にて成型し、インペラ3の中間製品3aを作製する。そのため、鋳造で問題となる鋳巣等のような内部欠陥の発生を防止することができる。これにより、インペラ3の最終製品の強度を十分に確保することができる。
また、鍛造工程では、成型後に鍛造型51を破壊又は変形させることなく型抜き可能な複数の翼部前駆体5aを形成した中間製品3aを作製する。そのため、型鍛造にて成型した後、鍛造型51及び押込型52を容易に型抜きすることができる。これにより、鍛造工程を効率良く行うことができる。
また、鍛造工程では、素材300aを型鍛造にて成型するため、比較的短時間でインペラ3の中間製品3aを作製することができる。これにより、生産性の向上を図ることができる。
また、本例では、曲げ加工工程の後に、切削加工工程を行う。すなわち、翼部前駆体5aを曲げ加工した後に、その翼部前駆体5aを切削加工して所望の形状とするため、翼部前駆体5aの曲げ加工に高い精度が要求されることはない。そのため、例えば、翼部前駆体5aに対して下型を配置して上型で押圧する(特許文献1参照)等、高い精度の曲げ加工を行う必要がなくなる。つまり、下型を用いることなく、上型(本例では短翼部曲げ型54及び長翼部曲げ型55)のみで翼部前駆体5aの曲げ加工を行うことができる。これにより、曲げ加工工程を効率良く行うことができ、生産性の向上を図ることができる。
また、上述のごとく、曲げ加工工程の後に、切削加工工程を行う。そのため、例えば、曲げ加工工程において曲げ加工した翼部前駆体5aの形状精度が多少悪くても、切削加工工程において翼部前駆体5aを所望の形状に切削加工することにより、形状精度の高い翼部5を形成することができる。これにより、複雑な形状を有するインペラ3を製造する場合であっても、インペラ3の最終製品の形状精度を高いものとすることができる。
また、鍛造工程、曲げ加工工程、切削加工工程を順に行うことにより、材料の歩留まりを高く、かつ、複雑な形状を高精度に加工することができる。
よって、本例のインペラ3の製造方法では、鋳造で問題となる鋳巣等のような内部欠陥の発生を防止して十分な強度を確保すること、複雑な形状であっても高い形状精度が得られること、全体として生産性の向上を図ること、をすべて満たすことができる。そして、これにより、高い強度、高い形状精度という近年の要求に応えることのできるインペラ3を効率良く製造することが可能となる。
また、本例では、鍛造工程及び曲げ加工工程は、熱間鍛造にて行う。そのため、複雑な形状のインペラ3を容易に製造することができる。すなわち、熱間鍛造を用いることによって素材300aが変形し易くなるため、鍛造工程においては、複雑な形状の中間製品3aを容易に成型することができる。また、曲げ加工工程においては、翼部前駆体5aの曲げ加工が容易となり、割れ等の発生を抑制することができる。
また、両工程を熱間鍛造にて行う場合には、素材300aを鍛造に適した温度(本例では350℃以上)に加熱した状態で成型して中間製品3aを作製した後、中間製品3aを冷却することなく、温度を保持した状態で翼部前駆体5aの曲げ加工を行う。そのため、両工程を連続的に行うことが可能となり、生産性の向上を図ることができる。また、曲げ加工工程において、翼部前駆体5aの曲げ加工時における割れ等の発生をさらに抑制することができる。
また、鍛造工程では、翼部前駆体5aを最終製品の翼部5よりも厚みを大きくして形成する。そのため、鍛造が容易となり、生産性の向上を図ることができる。また、このようにすることで、曲げ加工工程において曲げ加工した翼部前駆体5aの形状精度が多少悪くても、切削加工工程において翼部前駆体5aを切削加工することにより、その厚みを容易に調整することができる。
また、曲げ加工工程では、長翼部前駆体51a及び短翼部前駆体52aの曲げ加工形状に対応する押圧面651、641を有する長翼部曲げ型65及び短翼部曲げ型64を用いて、長翼部前駆体51a及び短翼部前駆体52aを押圧面651、641により押圧して曲げ加工する。そのため、一度の押圧によって翼部前駆体5aを翼部曲げ型65、64の押圧面651、641に沿った形状に加工することができるため、生産性に優れている。また、翼部前駆体5aに対して下型等を用いることなく、すなわち翼部曲げ型(上型)65、64のみを用いて翼部前駆体5aの曲げ加工を行うことができる。これにより、曲げ加工工程を効率良く行うことができ、生産性の向上を図ることができる。
また、複数の翼部5には、回転軸方向Xの長さが互いに異なる複数の長翼部51と複数の短翼部52とが存在し、曲げ加工工程では、短翼部52となる複数の短翼部前駆体52aを一度にまとめて曲げ加工した後、長翼部51となる複数の長翼部前駆体51aを一度にまとめて曲げ加工する。このように、翼部前駆体5aを一度にまとめて曲げ加工することにより、曲げ加工工程を効率良く行うことができ、生産性の向上を図ることができる。また、形状の異なる複数種類の翼部5を備えたインペラ3を製造する場合であっても、曲げ加工工程を効率良く行うことができ、生産性の向上を図ることができる。
また、鍛造工程では、中間製品3aに対して、その後の曲げ加工工程及び切削加工工程において中間製品3aを位置決めするための位置決め部312aを形成する。そのため、曲げ加工工程及び切削加工工程における中間製品3aの位置ずれを抑制することができる。これにより、曲げ加工及び切削加工の精度をより一層高めることができる。
また、本例において製造したインペラ3は、ターボチャージャー(過給機)1におけるコンプレッサ(圧縮機)に用いられる。自動車のターボチャージャー1におけるコンプレッサに用いられるインペラ3は、高い強度、高い形状精度が要求される。よって、このような要求を満たすインペラ3を製造する場合には、本例の製造方法を用いることが非常に有効である。
このように、本例によれば、内部欠陥の発生を防止して十分な強度を確保でき、高い形状精度が得られ、さらには生産性の向上を図ることができるインペラ3の製造方法を提供することができる。
1 ターボチャージャー
2 コンプレッサハウジング
3 インペラ(コンプレッサインペラ)
3a 中間製品
300a 素材
4 ハブ
4a ハブ部前駆体
5 翼部
5a 翼部前駆体
51 長翼部
51a 長翼部前駆体
52 短翼部
52a 短翼部前駆体

Claims (8)

  1. 複数の翼部を備えた圧縮機用インペラを製造する方法であって、
    上記インペラの中間製品の形状のキャビティを有する鍛造型を用いて、固体状の素材を型鍛造にて塑性加工して成型することにより、成型後に上記鍛造型を破壊又は変形させることなく型抜き可能な複数の翼部前駆体を形成した上記中間製品を作製する鍛造工程と、
    上記翼部前駆体を所定の方向に曲げ加工する曲げ加工工程と、
    上記翼部前駆体を所望の形状に切削加工して上記翼部を形成する切削加工工程とを順に行うことを特徴とする圧縮機用インペラの製造方法。
  2. 請求項1において、上記鍛造工程及び上記曲げ加工工程は、熱間鍛造にて行うことを特徴とする圧縮機用インペラの製造方法。
  3. 請求項1又は2において、上記曲げ加工工程では、上記翼部前駆体の曲げ加工形状に対応する押圧面を有する翼部曲げ型を用いて、上記翼部前駆体を上記押圧面により押圧して曲げ加工することを特徴とする圧縮機用インペラの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記複数の翼部は、形状の異なる複数種類の翼部により構成されており、上記曲げ加工工程では、同じ種類の上記翼部となる上記翼部前駆体ごとに一度にまとめて曲げ加工することを特徴とする圧縮機用インペラの製造方法。
  5. 請求項4において、上記複数の翼部には、上記回転軸方向の長さが互いに異なる複数の長翼部と複数の短翼部とが存在し、上記曲げ加工工程では、上記短翼部となる複数の上記翼部前駆体を一度にまとめて曲げ加工した後、上記長翼部となる複数の上記翼部前駆体を一度にまとめて曲げ加工することを特徴とする圧縮機用インペラの製造方法。
  6. 請求項5において、上記長翼部と上記短翼部とは、上記インペラの上記回転軸を中心とする周方向に交互に配設されていることを特徴とする圧縮機用インペラの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において、上記鍛造工程では、上記中間製品に対して、その後の上記曲げ加工工程及び上記切削加工工程の少なくとも一方において上記中間製品を位置決めするための位置決め部を形成することを特徴とする圧縮機用インペラの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項において、上記インペラは、過給機における圧縮機に用いられることを特徴とする圧縮機用インペラの製造方法。
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