JP5458468B2 - ワンシャフトマルチカーエレベータの運行制御システム - Google Patents

ワンシャフトマルチカーエレベータの運行制御システム Download PDF

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Description

本発明は、一つのシャフト内に独立して走行可能な複数のかごを備えたワンシャフトマルチカーエレベータの運行制御システムに関するものである。
ビルの建築および運営に際しエレベータの設計は重要で、ビル床面積の確保と乗客へのサービスとを両立するのは困難な問題である。なぜならシャフトが長くなると最下階から最上階までの往復する時間が長くなり、シャフトあたりの輸送量が低下するために、従来のシャフト内に1つのかごが走行するエレベータを用いる場合は、床面積を犠牲にしてシャフトを増設しなければならないからである。この問題に対して1つのシャフト内に複数のかごを走行させるワンシャフトマルチカー方式のエレベータが提案されている(例えば特許文献1或いは特許文献2参照)。この方式はシャフト内に複数のかごが同時にサービスすることができるため、輸送能力の増大が期待できる。ただし、シャフト内のかご同士が衝突しないように考慮する必要があるため、従来の群管理制御方式とは違った、新たな運行制御方式を構築する必要がある。
特開2005−104670号公報 特開2006−103887号公報
従来のエレベータの群管理制御方式にはファジィ群管理方式やニューロ群管理方式が知られている。
ファジィ群管理方式は多くのファジィルールに基づいて最適な割り当てを行っており、このファジィルールの作成には専門家の知識と経験が必要となる。しかし、ワンシャフトマルチカー方式のエレベータでは知見が十分に蓄積されておらず、この方式を採用することは困難である。
また、ニューロ群管理方式では、ニューラルネットワークの出力結果に基づいて割り当てを行っている。ニューラルネットワークを用いて効果的に群管理制御を行うには、その学習のために過去の割り当て例から最適なサンプルを教師信号として与える必要がある。この教師信号の設計についても専門家による豊富な知見が必要で、やはりワンシャフトマルチカー方式に採用することは困難である。
さらにこの問題だけでなく、例えば出勤時、昼食時、退勤時、それ以外の平常時、混雑時、閑散時などの様々な交通状況に対応するには、各交通状況に関する知識と経験が必要で、ファジィルールやニューラルネットワークが複雑になり、効率の良い運行制御はより困難になる。
本発明は、一つ或いは複数のシャフトからなるワンシャフトマルチカーエレベータにおいて、
時々刻々と変化する割り当て候補のかごの状態から計算される特徴量と、該特徴量の異なる組合せからなる特徴量ベクトルと、前記特徴量ベクトルと同じ次元数を持つ基点ベクトルと方向ベクトルで表される事例の集合である政策に基づいて呼びを前記複数のかごの何れかに割り当てる割当手段と、その政策について最適なものを構成するための学習手段とを備えたものである。また、前記割当手段は、前記政策を保持する政策記憶手段と、その政策を用いて呼びを割当てるかごを決める意志決定手段とからなり、前記学習手段は、候補となる政策の集合を保持する政策集合記憶手段と、その集合を改善するための政策集合改善手段と、改善するために各政策について様々な側面で政策を評価する多目的評価手段とからなる。
本発明によればあらゆる交通状況に対応できる新たなワンシャフトマルチカーエレベータの運行制御システムを提供することができる。
また本発明によれば、専門家の知識や経験のない白紙の状態から、効率的にワンシャフトマルチカーエレベータを運行するための政策を獲得することができる。遺伝的アルゴリズムで世代交代を繰り返すたびに、交叉により改善するであろう新しい政策が構成され、生存選択により政策の集合全体が改善すること可能性があるからである。さらに本発明は、複数の性能指標について同時に改善を図るため、多様な交通状況に対応した運行を行うことが可能になる。
{1.概略}
{1.1.システムの構成}
実施例を説明するために図1に示すワンシャフトマルチカーエレベータの群管理のおける例を示す。同図はシャフトあたりに3台のかごが走行する、4シャフトのマルチカーエレベータである。各シャフトは就役階床と退避専用階床から構成される。就役階床は呼びの登録を受け付けて乗客に対してサービスを行う階床で、特に最下の就役階床をターミナル階と呼ぶ。そして、退避専用階床は最上かごがターミナル階でサービスするために、他のかごを退避させるのに十分な高さを持った空間である。各就役階床には呼び登録装置が設置されており、方向だけでなく行先階に関する情報も入力する乗場行先階登録方式を用いることにする。
この構成のワンシャフトマルチカーエレベータを効率よく運行するための制御対象と運行管理装置を図2に示す。この運行管理装置10はパラメータで表される政策を用いて呼びの割り当てを行うことで運行管理する例で、主にパラメータで表された事例の集合である政策に基づいて呼びの割り当てを行う割当手段20と、その政策について最適なものを構成するための学習手段30から構成される。割当手段20は政策を保持する政策記憶手段21と、その政策を用いて呼びを割り当てるかごを決める意思決定手段22とから構成される。また、学習手段30は候補となる政策の集合を保持する政策集合記憶手段31と、その集合を改善するための政策集合改善手段32と、改善するために各政策について様々な側面で政策を評価する多目的評価手段33とから構成される。多目的評価手段33は評価対象となる政策を政策記憶手段31に格納し、割り当て制御をシミュレータ11上で実行し、かごの動きや呼びへのサービスの状況を運行結果記録手段12で記録し、その記録を様々な観点から評価する単目的評価手段で評価して政策集合改善手段32に政策に対して複数の評価結果を返す。そして、学習の結果に基づいて最適な政策を政策記憶手段に記憶し、その政策を用いて呼びの割り当てを行う。
本発明は大きく分けて2つの部分から成る。ひとつは呼びが発生したときに事例ベースの政策を用いて割り当てるかごを決定する部分で、もうひとつはその政策について最適なものを生成するために学習を行う部分である。
{1.2.政策を用いた呼び割り当て}
まず政策を用いた呼びの割り当てについて概略を説明する。呼びが発生すると、各シャフトについて1つずつ、割り当て候補となるかごを選択する。本実施例ではシャフト内の各かごの状態や呼びの登録状況に応じて、あるいは、予めかご毎にサービスするゾーンを設定して選択することとする。
次に各シャフトについて選出した候補となるかごの特徴量ベクトルを計算する。特徴量とは割り当て候補となるかご、および、それが属するシャフトの状態から計算されるひとつの実数値で表されるかごの属性値である。そして単数の属性、あるいは、異なる複数の属性からなる一連の特徴量を特徴量ベクトルと言う。例えば候補となるかごの予測待ち時間を第1特徴量、予測荷重を第2特徴量とし、それらを要素とした2次元の特徴量ベクトルがある。
各シャフトについて候補かごの特徴量ベクトルを計算した後、候補かごでトーナメントを作成し、優勝した候補かごに呼びを割り当てる。トーナメントのそれぞれの対戦の処理は、政策を用いて2つの候補かごの良し悪しを比較することで行う。政策は主にパラメータで表される複数個の事例の集合で、各事例は特徴量ベクトルで表された異なる状態の望ましさを比較する。状態を比較する際は政策に属する全ての事例を用いて行うのではなく、比較対象となる2つの状態に近い事例をいくつか取り出して、それらの多数決でどちらが割り当て候補としてより望ましいかを決定する。
例えば、特徴量ベクトルとして予測待ち時間と予測荷重を用いている場合を挙げる。予測待ち時間が1分を超える長い候補同士を比較する場合は、予測待ち時間が長い候補かごについて良し悪しを判定する事例を用い、予測待ち時間がわずかでも短い候補を望ましいとして判定する。一方で、予測待ち時間が15秒程度と短い候補同士を比較する場合は、前述の予測待ち時間が長い候補ではなく、主に予測待ち時間が短い候補かごについて良し悪しを判定する事例を参照する。この場合は敢えて後続すると思われるかご、すなわち、予測待ち時間の長いまたは予測荷重の大きなかご、をより良い割り当てとして判定する事例も存在する可能性がある。これはかご間の距離を広げるような割り当てを行うことによって、だんご運転に陥る状況を防ぐためである。
割り当てかごを決定すると各シャフトに属する各かごはそれぞれ並行に、自身に割り当てられている呼びをサービス、または、他のかごを退避するための移動を継続する。さらに新たな呼びが発生した場合も、その呼びについて候補かごを選出し、各候補かごの特徴量ベクトルを計算し、トーナメントを構成し、政策で各対戦の結果判定を行い、優勝した候補かごを呼びに割り当てる処理を繰り返す。
{1.3.学習による政策の洗練}
前述のような政策は専門家の知識と経験によってではなく、遺伝的アルゴリズムに基づいた学習手段によって自動的に構成する。
遺伝的アルゴリズムとは生物の進化過程をモデル化した確率的な最適化手法である。まず探索個体群を何らかの方法で作成し、そして、世代交代を繰り返すことでその探索個体群の改善を行う。各世代交代においては、新たな解候補を生成するための交叉を行い、個体の適応度を評価した後、悪い個体を淘汰するための生存選択の操作を行う。交叉とは生物が子孫を作る過程をモデル化したもので、探索個体群から抽出されたいくつかの親個体から形質を受け継いだ子個体を生成する操作である。評価とは個体が環境に対して適応する度合いを測る操作である。生存選択とは環境に適応できなかった個体を淘汰する過程をモデル化したもので、適応度の良い個体を選んで残す操作である。つまり、世代交代を繰り返すたびに、元の探索個体群となるから親個体が抽出され、それらが交叉することにより親個体より良いであろう子個体が生成され、適応度が評価された後、生存選択を通して探索個体群全体が改善されることになる。
本発明における個体は政策である。個体の評価は主にシミュレーションにより行う。すなわち、その政策を用いてワンシャフトマルチカーエレベータをいくつかの評価条件で運行し、その運行結果から平均待ち時間などのシステムの性能指標を計算し、それらを個体の適応度として用いる。適応度については原則として複数の値、例えば閑散時と混雑時のそれぞれの平均待ち時間、を用いる。遺伝的アルゴリズムは規定の複数の性能指標を同時に改善、つまり多目的最適化、を行う。もちろん本発明はひとつの性能指標のみの単目的最適化にも適用可能である。
{1.4.用語の整理}
{1.4.1.状態}
状態とは割り当て候補のかごについて、位置、速度、呼びの登録状況、他のかごとの位置関係など時々刻々と変化するものである。
{1.4.2.特徴量}
特徴量とは割り当て候補となるかごの状態から計算される属性で、1つの実数値として表される。例えば、割り当て候補となるかごの予測到着時間、割り当て候補となるかごの予測最大荷重、割り当て候補となる保持している呼びの数、などがある。
{1.4.3.特徴量ベクトル}
特徴量ベクトルとは一連の異なる属性からなる特徴量の組である。例えば2次元ならば予測到着時間と予測荷重の組である。
{1.4.4.事例}
事例とは状態Xより状態Yの方が良いと解釈するものとして扱う判定機構である。1つの事例は基点ベクトルと方向ベクトルからなり、いずれも特徴量ベクトルと次元数は同じである。事例は基点ベクトルの周辺では、方向ベクトル沿いに遠方の特徴量ベクトルの方が良いと判定するものである。例えば分単位の予測到着時間と、かご定員に対する予測荷重からなる特徴量ベクトルがあって、基点ベクトルが(0.3,0.2)で方向ベクトルが(0.8,0.6)という事例は、待ち時間が18秒で予測荷重が定員の20%の場合は、待ち時間あるいは予測荷重がより大きな方が割り当て候補として適切であることを意味する。
{1.4.5.政策}
政策とは特徴量ベクトルで表された様々な状態の比較を行うための事例の集合である。また、政策は本発明における遺伝的アルゴリズムにおける個体が保持する遺伝子である。
{1.4.6.参照近傍事例数}
参照近傍事例数とは政策が保持する事例の中で、実際に比較に用いる事例の数である。比較を行う際は全ての事例を用いるのではなく、比較対象の2つの特徴量ベクトルに近い基点ベクトルを持ついくつかの事例を用いる。
{1.4.7.個体}
個体とは問題に対するひとつの解候補、本発明ではマルチカーエレベータの運行制御問題を解くための割り当てを行う政策、である。
{1.4.8.探索個体群}
探索個体群とは世代交代の対象として改良を継続している個体の集合である。最適な政策を構成するときは、ひとつの政策を逐次的に改良するのではなく、この集合を改良する。
{1.4.9.交叉}
交叉とはいくつかの個体から、それらの形質を持った別の個体を生成する操作である。生成元となる個体を親個体と呼び、生成された個体を子個体と呼ぶ。
{1.4.10.生存選択}
生存選択とは個体の集合に対する操作で、いくつかの評価の悪い個体を削除して、良い個体を残すことである。
{1.4.11.適応度}
適応度とは個体の良し悪しで、規定の指標で評価される数値である。例えば平均待ち時間や1分以上の長い待ちであった割合などがある。本発明では複数の交通状況に対応するために、複数の指標を適応度とすることを原則としている。
{2.政策によるマルチカーエレベータの運行の詳細}
ここで本発明における運行制御について詳細を説明する。この実施例では政策を用いて呼びが発生したときの割り当てかごを決定することで、ワンシャフトマルチカーエレベータの運行を行う。この政策は、割り当て候補となる2つのかごについて、どちらが適切であるか比較するために用いられる。
図3に示す手続きALLOCATEは呼びが発生したときに割り当てるかごを決める手順である。まず、ステップS0301で各シャフトについて割り当てるかごの候補を決定する。ここでは全ての就役階床をシャフト内のかご台数で等分に区切ったゾーンに基づくものとする。次にステップS0302で、複数の候補かごの良し悪しを比較して1つの割り当てかごを選出する手続きDECIDEを実行する。そして、ステップS0303で手続きDECIDEにおいて優勝した候補かごに呼びを割り当てる。
手続きDECIDEを図4に示す。これは手続きALLOCATEにおけるステップS0302の詳細である。まずステップS0401で各候補かごについて他のかごや呼びの登録状況から特徴量ベクトルを計算する。次にステップS0402で、優勝までの試合数がなるべく等しくなるようにトーナメントを無作為に作成する。そして、優勝が決まるまでステップS0403からステップS0405までの処理を繰り返す。この繰り返しのステップS0404で2つの候補かごXとYについて対戦を行う手続きMATCH_UPを実行する。
手続きMATCH_UPを図5に示す。これは手続きDECIDEにおけるステップS0404の詳細であり、繰り返しの中で未処理の対戦が残存している限り実行される。まず、ステップS0501で候補かごXの特徴量ベクトルと候補かごYの特徴量ベクトルの中点を計算する。次にステップS0502で政策から中点に最も近い事例から既定の参照近傍事例数個の事例を抽出する。そしてステップS0503で候補かごXと候補かごYの特徴量ベクトルの差ベクトルを計算する。続くステップS0504で候補かごYを良いと判定した事例の数wを0とし、各参照している事例について、ステップS0505からステップS0508までを繰り返す。ステップS0506で候補かごXが良いか候補かごYが良いか判定するために、差ベクトルと事例の方向ベクトルとの内積を計算する。内積が0あるいは正の場合はその事例が候補かごYの方が良いと判断したこととなり、ステップS0507に進んで、wに1を加えてステップS0508に進む。そうでない場合もwに何も加えずにステップS0508に進む。全ての参照近傍事例について良し悪しを判定した後、ステップS0509に進む。ここではwと参照近傍事例数の半分(端数切り上げ)と比べ、過半数の事例が候補かごYが良いと判定した場合は候補かごYを勝者とするステップS0510に進み、そうでない場合は候補かごXを勝者とするステップS0511に進む。
このようにシャフトから候補となるかごを選出し、その候補かごについてトーナメントを作成し、各対戦については特徴量ベクトルに近い事例をいくつか抽出して勝敗を判定し、優勝する候補かごを決めることで呼びの割り当てを行う。
{3.遺伝的アルゴリズムによる最適化の詳細}
効率的にマルチカーエレベータを運行するには良い政策が必要となる。この政策は遺伝的アルゴリズムを用いて白紙から構成する方法を説明する。
{3.1.最適化パラメータの決定}
まず遺伝的アルゴリズムを実行する前に表1に示す最適化パラメータを決定する。
Figure 0005458468
{3.2.最適化の実行}
最適化は図6で示す手続きOPTIMIZE_MAIN_LOOPのステップS0601から開始する。手続き全体はステップS0602で探索個体群を無作為に生成した後、打切世代数に達するまでステップS0603からS0607までの世代交代を繰り返す処理である。ステップS0604では次世代の個体集合を空集合とする。そしてステップS0605で世代交代を行う手続きNEXT_GENERATIONを実行した後、ステップS0606で次世代の個体集合を現世代にコピーすることで世代交代を行う。
最初の世代の探索個体群を図7に示す手続きINITIALIZE_GROUPで生成する。集団サイズと等しい回数だけステップS0701からステップ0707までの処理を繰り返す。まず、ステップS0702で事例数0の政策を作成する。次のステップS0703からステップS0705まで、ステップS0704に示される基点ベクトルと方向ベクトルを無作為な事例を作成して政策に加える処理を繰り返す。その後、ステップS0706で無作為に作成した政策を個体として現世代に加える。
{3.3.世代交代操作}
世代交代による探索個体群の改善は図8に示す手続きNEXT_GENERATIONに示す手順に従って行う。まずステップS0801で新たな解候補を生成する手続きREPRODUCTを行い、次のステップS0802からステップS0804まで、ステップS0803の各未評価の個体について適応度を評価する手続きEVALUATEを実行する。その後、ステップS0805で適応度の良い個体を選出して次世代の個体集合に格納する手続きSELECT_SURVIVORSを実行する。
{3.3.1.交叉による子個体の生成}
現在の世代交代における新たな解候補を作成する手続きREPRODUCTを図9に示す。まず、ステップS0901で生成する子個体の元となる2つの親個体を現世代の個体集合から無作為に選ぶ。次のステップS0902からステップS0905まで生成子個体数と等しい回数だけ、ステップS0903の子個体を生成する手続きCREATE_CHILDを実行し、ステップS0904で生成した子個体を現世代の個体集合に加える処理を繰り返す。なお、本実施例では子個体の生成に2つの親個体を参照しているが、遺伝的アルゴリズムでは他の親個体を用いる交叉オペレータも考えられる。それを使用する場合は交叉オペレータに応じて参照する親個体を決定する。
図10は2つの親個体を用いて1つの子個体を生成する手続きCREATE_CHILDのフローチャートである。まずステップS1001で子個体を事例の無い政策として作成する。次のステップS1002からステップS1004まで既定の継承事例数に等しい回数だけ、ステップS1003を繰り返す。このステップS1003では、2つの親個体から無作為に、ただし現段階で生成中の子個体が保持する事例と重複しないように、事例を抽出してそのコピーを子個体に加える。そしてステップS1005からステップS1010まで既定の融合事例数に等しい回数だけステップS1006からステップS1009の処理を繰り返す。ステップS1006では第1親の融合比率αを0から1までの一様乱数を用いて無作為に決定する。第2親の融合比率βは1からαを差し引きした値である。続くステップS1007で第1親から無作為に1つの事例E1を抽出し、ステップS1008で第2親から事例E1の基点ベクトルに最も近い事例E2を抽出する。これら事例E1とE2を用いてステップS1009で前述の融合比率で融合した新たな事例E3を生成して子個体に加える。事例E3の基点ベクトルは事例E1の基点ベクトルと事例E2の基点ベクトルのαとβを係数として線形結合したものである。事例E3の方向ベクトルについては事例E1の方向ベクトルの角度と事例E2の方向ベクトルの角度で線型結合することで計算する。
{3.3.2.個体の評価}
交叉により生成した子個体と初期固体は図11に示す手続きEVALUATEで評価を行う。手続き開始のステップS1101から終わりのステップS1105まで各評価条件について、ステップS1102からステップS1104までを繰り返す。この評価条件は改善を試みる性能評価指標に基づいて決め、例えば多様な交通状況に応じた政策を構成する場合は、混雑時と閑散時の乗客発生率や出勤時と退勤時の乗客発生分布を設定することになる。ステップS1102では評価条件を設定し、ステップS1103でこの手続きは各評価条件について、マルチカーエレベータの運行のシミュレーションを行う手続きSIMULATEを実行し、その後のステップS1104で多目的評価手段の該当する単目的評価手段を用いて運行結果記録から評価値を計算する。この繰り返しは既定の性能評価指標で評価を行うのに必要な条件について行う。
図12に示す手続きSIMULATEは政策記憶手段が保持している政策に基づいてマルチカーエレベータの運行をシミュレーションする処理である。まず、ステップS1201で評価対象についての運行結果記録を抹消する。この後ステップS1202からステップS1207でシミュレーションの終了まで、ステップS1203からステップS1206を繰り返す。シミュレーションの終了条件は、現在設定されている評価条件において多目的評価手段が評価するために必要な運行結果記録が採取されることである。この繰り返しの中のステップS1203からステップS1205で新たな呼びが発生するまで、ステップS1204の各かごの運行をシミュレータで模擬的に運行し、その運行を運行結果記録に追加する。新たに呼びが発生するとステップS1206に進み、その呼びを割り当てる手続きALLOCATEを実行する。
{3.3.3.生存選択}
子個体の生成と評価をした後、図13で示す手続きSELECT_SURVIVORSを実行する。この手続きは良い個体を選んで、言い換えると悪い個体は淘汰して、次の世代に残す個体を精選する処理である。
はじめにステップS1301で現世代の個体を優越されていないもの同士でグループに分ける。優越とはある個体Pとある個体Qの関係で、個体Pが個体Qを優越しているとは、個体Pの全ての評価値が個体Qの全ての評価値と同等以上で、なおかつ、個体Pのいずれかの評価値が個体Qより良いことを表す。例えば個体Pについて(閑散時の平均待ち時間,混雑時の平均待ち時間)が(15秒,32秒)で、個体Qについては(15秒,33秒)の場合、個体Pは個体Qを優越していると言う。ただし、個体Rがあって(16秒,31秒)の場合は、個体Pは個体Rを優越していない。
このように現世代の個体を優越関係で比較すると、最も良いグループから最も悪いグループに分けられることになる。そこでステップS1302でまず、最も良いグループを次世代の個体集合に加える。最良でないグループについてはステップS1303からステップS1305までの繰り返しで、次に良いグループから最悪のグループまで次世代の個体集合が集団サイズを超えない限り、そのグループを次世代の個体集合に加えるステップS1304の処理を行う。この繰り返しの終了時点で次世代の個体集合が集団サイズを超えても良い。最も良いグループが集団サイズ以下で、なおかつ、それ以外の固体が2番目に良いグループに属している場合に集団サイズを超えることがある。この超過分は次のステップS1306からステップ1308で削除される。なお、この時点で次世代の個体集合に加わらなかった全てのグループは悪い個体として、淘汰されることになる。
続くステップS1306からS1308までにおいて、次世代の個体集合が集団サイズを超えている限り、最も混雑している個体を除去する手続きREMOVE_DENTISTを実行するステップS1307を繰り返す。
図14は現段階で次世代の個体集合に残っている個体の類似性を計算して淘汰する手続きREMOVE_DENSISTである。まず、ステップS1401からステップS1403まで、次世代の個体集合の中で最も悪いグループに属している各個体について順不同に、評価値の希薄度を計算する手続きCALCULATE_SPARCYを実行するステップS1402を繰り返す。評価値の希薄度とは評価値が似ていない度合いである。その後ステップS1404に進んで、希薄度の最も低い個体を次世代の個体集合から削除する。この手続きを行う度に次世代の個体集合から1つずつ個体が削除されることになるので、実行する度に個体の希薄度を再計算する必要がある。
図15は個体の評価値の希薄度を計算する手続きCALCULATE_SPARCYを示すフローチャートである。はじめにステップS1501で計算対象の個体Pの希薄度を正の無限大とする。そしてステップS1502からステップ1508において、現段階の次世代に含まれる個体P以外の全ての個体Qについて順不同に、距離を計算して最小値を求めるステップS1503からステップS1506を繰り返す。ステップS1503からステップS1506までは距離の2乗を計算する処理で、ステップS1503では2乗和dを0とし、ステップS1504からステップS1506までにおいて、既定の各評価指標kについてそれぞれ、第k評価値について個体Pと個体Qとの差の2乗をdに加えるステップS1505を繰り返す。そして2乗和を求めた後のステップS1507で、個体Pの希薄度とdの平方根と比べて、小さい方を個体Pの希薄度にする。ステップS1501からステップS1508の繰り返しを終えると、個体Pの希薄度は最も近い個体との多目的評価値における距離になる。
{4.多目的遺伝的アルゴリズムの効果}
以上で説明した手段を用いると、専門家の知識や経験のない白紙の状態から、効率的にワンシャフトマルチカーエレベータを運行するための政策を獲得することができる。遺伝的アルゴリズムで世代交代を繰り返すたびに、交叉により改善するであろう新しい政策が構成され、生存選択により政策の集合全体が改善すること可能性があるからである。さらに本発明は、複数の性能指標について同時に改善を図るため、多様な交通状況に対応した運行を行うことが可能になる。
なお、上記の実施形態では、各シャフトの候補かごについて、シャフトをかご台数分で区切ったゾーンにより決定するようにしているが、これに限らずどのような方法を用いてもよい。勿論、本発明を各シャフトにおける候補かごの選択に適用するようにしてもよい。すなわち上記の実施形態では、シャフトが複数本ある場合について説明しているが、シャフトが1本の場合であって、呼びを何れかのかごに割り当てる場合であっても本発明を同様に適用できることはいうまでもない。
その他、本発明では上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の改変を施すことができる。
本発明の一実施形態である複数のシャフトからなるワンシャフトマルチカーエレベータの全体構成を示す図である。 本発明の一実施形態である制御対象と運行管理装置を示す図である。。 本発明の一実施形態における、呼びが発生したときにかごを割り当てる手順を示すフローチャートである。 図3におけるステップS0302の手順の詳細を示すフローチャートである。 図4におけるステップS0404の手順の詳細を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における、政策の最適化を図るために最適化パラメータを決定する手順を示すフローチャートである。 図6におけるステップS0602の手順の詳細を示すフローチャートである。 図6におけるステップS0605の手順の詳細を示すフローチャートである。 図8におけるステップS0801の手順の詳細を示すフローチャートである。 図9におけるステップS0903の手順の詳細を示すフローチャートである。 図8におけるステップS0803の手順の詳細を示すフローチャートである。 図11におけるステップS1103の手順の詳細を示すフローチャートである。 図8におけるステップS0805の手順の詳細を示すフローチャートである。 図13におけるステップS1307の手順の詳細を示すフローチャートである。 図14におけるステップS1402の手順の詳細を示すフローチャートである。
符号の説明
10 運行管理装置
20 割当手段
21 政策記憶手段
22 意志決定手段
30 学習手段
31 政策集合記憶手段
32 政策集合改善手段
33 多目的評価手段

Claims (4)

  1. 一つのシャフト内に独立して走行する複数のかごを備えたワンシャフトマルチカーエレベータにおいて、時々刻々と変化する割り当て候補のかごの状態から計算される特徴量と、該特徴量の異なる組合せからなる特徴量ベクトルと、前記特徴量ベクトルと同じ次元数を持つ基点ベクトルと方向ベクトルで表される事例の集合である政策に基づいて呼びを前記複数のかごの何れかに割り当てる割当手段と、その政策について最適なものを構成するための学習手段とを備えたことを特徴とするワンシャフトマルチカーエレベータの運行制御システム。
  2. 個々のシャフト内にそれぞれ独立して走行する複数のかごを備えた複数のシャフトからなるワンシャフトマルチカーエレベータにおいて、時々刻々と変化する割り当て候補のかごの状態から計算される特徴量と、該特徴量の異なる組合せからなる特徴量ベクトルと、前記特徴量ベクトルと同じ次元数を持つ基点ベクトルと方向ベクトルで表される事例の集合である政策に基づいて呼びを前記複数のかごの何れかに割り当てる割当手段と、その政策について最適なものを構成するための学習手段とを備えたことを特徴とするワンシャフトマルチカーエレベータの運行制御システム。
  3. 前記割当手段は、前記政策を保持する政策記憶手段と、その政策を用いて呼びを割当てるかごを決める意志決定手段とからなることを特徴とする請求項1または請求項2記載のワンシャフトマルチカーエレベータの運行制御システム。
  4. 前記学習手段は、候補となる政策の集合を保持する政策集合記憶手段と、各政策について様々な側面で評価して複数の評価指標を計算する多目的評価手段と、それら複数の評価指標を同時に改善する政策集合改善手段とからなることを特徴とする請求項1または請求項2記載のワンシャフトマルチカーエレベータの運行制御システム。
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