JP5457067B2 - さつま芋を原料とする保存用加工食品及び該加工食品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、さつま芋を原料とする加工食品、および該加工食品の製造方法に関する。
栄養価の高いさつま芋は、古くから主食ともなり得る有用な食材として知られている。例えば江戸時代には飢饉に見舞われた際、近年では終戦後の食糧難の時代において、米、麦などの代わりに、あるいはこれらと共に食材の主役的な扱いを受けて重んじられてきた。しかしながら、多くの他の食材が豊富に入手できるようになった現代では、主食の地位を追われて嗜好食品として僅かに食されるに留まっている。
これはさつま芋の固有の長所や短所、あるいは作り上げられた特有なイメージなどに起因するものと思われる。さつま芋は多くの長所を有しているが、最も顕著なものは、その豊富な栄養素にある。よく知られているのはでんぷん、糖分、カルシウム、ビタミン(カロチン)、食物繊維などであるが、これ以外にもアントシアニン系色素、フラボノイド系色素などがあり、さらに皮や切り口から出る白い汁(「あく」といわれている。)にはヤラピンが含まれている。この内、アントシアニン、フラボノイドには抗酸化作用があり、肝機能障害の軽減効果や繊維質による整腸効果が見られる。ヤラピンには便を柔らかくする効果がある。また、さつま芋はアレルギーを起こしやすい食品25品目の中にも入っておらず、人に優しい食物であるともいえる。
豊富な栄養素と同程度に挙げられるさつま芋の顕著な利点は、育てやすいことである。手間をかけることなく、特別な肥料や農薬を与えることなく、火山灰性土壌などの痩せ地でも十分に成長し、かつ地下に根を張るものであることから台風などの被害を受けにくいことなどがその理由である。傾斜地や荒地の多い地方において、素人でも容易に育てることができる。昨今では手間がかからないことから、屋上などに植えてヒートアイランド対策などにも利用されている。
さつま芋の有する短所としては、まず保存が難しいことが挙げられよう。10℃以下では黒く変色するために低温保存ができず、これより高い温度では発芽してしまう。したがって、乾燥させるなどの手間をかけない限り、長持ちしないという欠点を有する。他の短所として、生芋の状態ではかさばるとともに重量がかさむことが挙げられる。このために、時間のかかる遠方への出荷(例えば海外への出荷)には余り適しているとは言えない。
以上のほか、長い間に築かれてきたイメージ上の問題がさつま芋普及の阻害要因として考えられ得る。特に苦しい時代にさつま芋を食べて育った世代には、他に食べるものがない貧しい時代の食物とのイメージが拭いきれない。また、食べてみても味に変化が乏しく、毎日続けて、あるいは多くの量を食べられないとのイメージ、あるいは食すると腸にガスを発生させるという理由もあるであろう。
これらの短所やイメージなどにより、少なくとも現代においては米、小麦などはもとより、とうもろこし、ジャガイモなどと比較しても主食の座からははるかに遠い存在となっている。そればかりか、国民生活にとって重要な野菜として野菜生産出荷安定法(同法施行令第一条)に定められた14種類の野菜には、大根、人参、白菜ほか、ジャガイモ、里芋などは選ばれているが、さつま芋は外されている。
現在の日本は、食糧自給率が40%を切ってさらに減少しつつある傾向にあり、食材の過半数を輸入に頼っているという食糧供給の観点から危機的な状況にある。将来的に各国の資源ナショナリズムが高まることが予想される中、食料自給率の向上は国家的に重要な課題となることが見えている。耕作地が少なく、山間部や荒地が多い日本において、主食としての要素を十分に備えているさつま芋の存在はもっと見直されても良いであろう。
従来技術においては、さつま芋を利用した加工食品の製造方法について、さつま芋をスライスした状態で加工する技術(例えば、特許文献1参照。)、さつま芋を湯煮した後にペースト状にして加工する技術(例えば、特許文献2参照。)、さつま芋を粉末にし、蒸熱、乾燥の後焙焼して加工する技術(例えば、特許文献3参照。)など、多くの技術が開示されている。しかしながらこれらは、ほとんどが副食材、スナック菓子の域をでないものであり、さつま芋を長期保存可能とし、あるいは主食としても利用でき、食糧危機対策用の食材ともなり得る加工食品としての地位まで高めるための技術を開示するものではなかった。
さつま芋はそのまま熱を加えて食されるほか、各種の加工食品が知られている。加工食品で最も多くみられるのは、特許文献1、2に見られるような、水分を低下させるために乾燥させ、あるいは油を通す加工食品で、この中には芋チップス、かりんとう、大学いもなどが見られる。しかしながらこれらには糖分、脂肪が付加されるため、高カロリーな加工食品となってしまう。油に含まれるトランス脂肪酸は心疾患や脳卒中のリスクを高めることから、アメリカなどでは飲食店からトランス脂肪酸を追放する動き(カリフォルニア州)が見られるほどである。
また、特許文献3に見られるようなさつま芋粉末の利用の多くは、さつま芋粉末が小麦粉などの他の食材のつなぎとして用いられ、冷麺、もち、ろくべい(九州地方)、かんころなどに利用されている。これらは、粉末の状態であればある程度の保管は効くが、他の食材と混ぜ合わされた後には長期保存に適するものとはならない。これは、さつま芋粉末のみに水分を加えて食する場合も同様である。水の量に応じてさらさらの状態のものから塊状態のものまで各種粘度のものが準備可能であるが、いずれも保存に適するものとはならない。マヨネーズ状のものとしてホットケーキのように焼いても同様にしばらくしてカビが発生し、また味も優れたものとはならない。適度な水分量の管理と適切な焙焼工程が、保存食品に加工するための鍵となる。
さつま芋は冷えた状態ではβでんぷんであるが、加熱することによりこれがαでんぷんに変わり、味覚や甘味を高めることが知られている。しかしながら、冷えるとまた元のβでんぷんに戻る性質をも有しており、βでんぷんに戻ると味、食感を損なう。加熱された時のαでんぷんのままで維持するには水分を低くする必要があり、先の副食品で油を通すのはその意味でもあったが、油を通すことなく常温で低カロリーな純粋さつま芋の状態でα化したでんぷんを維持する食品はこれまで見られなかった。
以上とはまったく別の観点となるが、昨今は柔らかい食材が好まれ、これに伴って咀嚼する回数が低下傾向にあると言われている。これは特には成長期の児童や高齢者などでは問題である。歯ごたえのあるものを食べることが脳の活性化につながり、認識機能、学習・記憶能力や知能指数に影響が大きいとの調査結果もみられる。また、よく噛むことによって脳の満腹中枢が刺激され、少量の食事でも満腹感が得られて摂取カロリーの低減につながり、肥満を防止する効果も得られる。咀嚼は唾液の発生を促し、唾液に含まれる消化酵素であるアミラーゼは歯の汚れ除去、粘膜の傷の修復、ペルオキシダーゼは活性酸素を消すなどの作用を有する。咀嚼を促すには食品にある程度の固さが要求される。
以上より、本発明はさつま芋の重要度を再認識し、将来予想される食料難時代に対しても大量な供給が可能であり、人々に十分な栄養価を与えることができ、長期間(6月以上)の保存を可能にし、咀嚼をも促し得る、さつま芋のみを原料とした新たな加工食品を提供することを目的としている。
本願発明者らは、さつま芋の有効利用を目指して長年の試行錯誤を繰り返しながら本発明に至った。本発明は、糖分や脂肪分などの他の栄養素を一切含むことなく純粋にさつま芋のみを使用し、さつま芋の有する栄養成分を損なわず、低水分によるでんぷんのα化を常温でも維持し、適度な固さを有し、長期間の保存が可能となるさつま芋の加工方法および加工食品を提供することによって上記課題を解決するもので、具体的には以下の内容を含んでいる。
すなわち、本発明の1つの態様は、さつま芋をスライスして乾燥し、前記乾燥したスライスを粉砕してパウダーとし、前記パウダーに水を加え、練って生地を生成し、前記生地を切り分け、平坦状に延ばした展延生地とし、前記展延生地を鉄板で加熱する各ステップからなるさつま芋のみを原料とする加工食品の製造方法であって、前記生地を生成するステップにおけるパウダーと水の混合重量比率をパウダー6に対して水4.5〜5.5とし、前記加熱するステップにおいて加熱される延展生地に対して約2.5〜約4g/cmの荷重を加えることを特徴とする製造方法に関する。
前記加熱するステップにおいては、加工後の製品の水分量が4.5%以下となるまで加熱することが好ましく、また、前記展延生地とするステップにおいては、展延後の生地の厚さを2〜3mmとすることが好ましい。
本願発明は、基本的に環境に優しく、省エネルギーでの製造を指向している。したがって、前記スライス後に乾燥するステップを天日乾燥とすること、前記乾燥した粉砕してパウダーとするステップが石臼を利用した粉砕とすることがその観点から好ましい。また、前記スライスを前記鉄板で加熱するステップは、各家庭で行う場合にはフライパンによる加熱とすることでよい。
本発明にかかる他の態様は、さつま芋のみを原料とする保存食品であって、上述したいずれかの製造方法により製造されることを特徴とする保存食品に関する。将来もたらされる食料危機への対策として、十分な機能を果たし得る対応食品になるものと解される。
本発明に係るさつま芋の加工食品および同製造方法の実施により、栄養価に富み、素人でも容易に製造ができ、長期の保存に耐え、食べる人の咀嚼回数を増大させる加工食品が提供できるものとなり、災害などの緊急時の食材として提供が可能となり、またかさばらず軽量であることから、例えば食料危機に陥っている地域に対して容易に大量に供給できるという効果を奏する。
本発明の実施の形態にかかる加工食品の製造方法を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態に係るさつま芋加工食品およびその製造方法について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係るさつま芋加工食品(以下、「甘藷せんべい」という。)の製造工程のフローを示している。まずステップ1(図中では「S1」と表示、以下同。)にて原材料のさつま芋1を準備し、洗浄する。さつま芋1は形状にこだわらず、規格外品、破断したものであっても利用可能である。洗浄により、表面に付着した泥、埃などの汚れ、ひげ根を除去する。同時に変質部分などがあれば取り除く。
ステップ2にて、洗浄水を除いた後、スライサーなどを用いてさつま芋1を約3mm幅ほどの薄切りスライス2とし、これを乾燥させる。あるいは約3mm角のマッチ棒状のせん切りにしてもよく、これにより乾燥が効率化される。乾燥には乾燥機、遠赤外線装置などを用いてもよいが、天日乾燥とすることが仕上がり状態も良く、香りが残る点で好ましい。天日乾燥であれば、季節にもよるが約1日で充分乾燥する。乾燥したままの状態で、発泡スチロール箱内に入れるなどにより、1年間ほどの保存が可能である。この際、市販の品質保持材を一緒に入れておくことが好ましい。
乾燥した薄切り(またはせん切り)スライス2をステップ3で粉砕して微粉末とする。粉砕機(ミル)などの機械的手段の利用も可能であるが、熱を発生して変質の原因ともなり得るため、昔ながらの石臼21で引いて微粉末とすることが好ましい。市販のさつま芋粉末には防腐剤などの何らかの添加剤が加えられているが、純粋なさつま芋の粉末とすることが好ましい。以下、これを「甘藷パウダー3」と呼ぶ。甘藷パウダー3の状態でも約1年の保存が可能である。ちなみに、この甘藷パウダー3を生地にしてホットケーキのように焼いてみても、熱い間でも食感が悪く、冷えるとさらに味が落ちる。また、数日にしてカビが発生する。従来知られた粉末と水の混合比率では水分過多となるからである。
ステップ4以降は、甘藷パウダー3を使って甘藷せんべい8とする製造方法を示している。まず、ステップ4で甘藷パウダー3に水4を加えて練ることにより、生地5を作る。この際の両者の比率は、甘藷パウダー60gに対して水50g(50cc)、ばらつきがあっても±10%(すなわち、甘藷パウダー60gに対して水45g〜55g)以内に収めるようにする。この比率は、出来上がり状態、完成後の食感に影響するために重要である。これまで知られていたさつま芋の生地に対する水の比率をはるかに低く抑えている。ステップ5において、本実施形態では練り上げた生地を直径約3cm、長さ約14cmの細長い棒状に延ばし、これを約2cmに7等分する。1個が約15〜16gとなる。さらのその1個を4個に切り分けて切り分け生地6を作る。切り分け生地6の重さは、1個が約4〜5gとなる。切り分け生地6は、乾燥を防ぐためにラップ等で覆っておくことが好ましい。
次に、ステップ6において麺棒22などを用いて切り分け生地6を厚さ約2〜3mm、直径約4〜5cmの平板状に延ばす。外形は丸以外にも、ハート形、角形など任意である。型を用いて星形などの異形形状に打ち抜いてもよい。こうしてできた一枚一枚が、甘藷せんべいの材料(以下、「展延生地7」という。)となる。
次に、ステップ7において展延生地7を鉄板23、フライパンなどに並べて焙焼する。この際、加熱促進、でんぷんのα化促進、水分低下、並びに変形防止のため、加圧状態で焙焼する。加圧は、例えば展延生地7の上に鉄板24などを被せ、その上に錘25を載せることでもよい。加圧される荷重は、展延生地7の表面積に対して約2.5〜4g/cm(直径4〜5cmの展延生地20個に対して約1kgの荷重)とする。焼き加減は、鉄板24、フライパン等で焼く場合には弱火で4〜5分、裏に返して同じく弱火で4〜5分、続けて弱火でおもて、裏各1.5〜2分ほどが目安となる。ただし、芋の種類、水分配合度合、乾燥度合によって焙焼時間らは多少の差がある。
焼き上がりにより、ステップ8で甘藷せんべい8が完成する。熱い状態で荷重を完全に解放すると丸く反り返る傾向にあり、これを防止するためにしばらくは金網などを用いて押さえておくことが好ましい。完成した甘藷せんべい8は、カチンとした感触で、2つを叩くとカンカンと乾いた音がするものとなる。本願発明者らが行った測定によれば、この完成した状態での甘藷せんべい8の水分量(試料3個を105℃に維持して10分後〜30分後まで5分間隔の水分蒸発量を測定)は3.4〜4.5%であった。すなわち、水分量は4.5%以下とすることが好ましい。他の食品と比較すると、この値は例えば芋かりんとう(5.5%)、乾パン(5.5%)、カップめん(5.0%)などよりも低い、かなりの低水分量となる(各数値は、女子栄養大学出版 五訂増補2009年食品成分表より)。また、完成後の甘藷せんべい8の固さを測定しようと試みたが、他のさつま芋加工食品とは異なり、一般の食材固さ測定器では固すぎて測定ができなかった。
完成後の甘藷せんべい8は、湿気がなければ常温でも保存可能であるが、市販の脱酸素剤を用いて保存することが味の劣化を防ぐためにも好ましい。なお、図1に示す甘藷せんべい8はハート形に描かれているが、展延動作の間に形をくせ付けることにより、あるいは型で切り取るなどにより自由な形状とすることができる。
上述した製造方法並びに図1の表示は、1つの例を示したものであって、これらに対しては幅広い変更が可能である。例えば生地6は、棒状に延ばすまでもなく、練り上げた塊から適当な大きさにちぎることで切り分けてもよく、その際の大きさも上記よりも大きくでも小さくてもよい。展延生地7もこれに応じて大きさが変動してもよい。厚さ(約2〜3mm)に関しては、これ以上厚くすると固くなり過ぎて入れ歯利用者や幼児には不向きとなり、薄くすれば焙焼が困難となる。生地における甘藷パウダー3と水4との混合比率、焙焼時の荷重条件は基本的に不変である。
これまで知られているさつま芋を原料とする加工食品は、そのほとんどがスナック菓子の類であった。これらはさつま芋の持つ成分である「あく(ヤラピン)」を抜かれ、油で炒められ、砂糖、蜂蜜、カラメルなどがまぶされるなどの手が加えられる結果、さつま芋の本来持つ特性が却って阻害され、体にとっては必ずしも良好ではない成分、高カロリーを備えるものに加工されてしまっている。従来のさつま芋加工食品にはその皮の部分を取り除いたものもあるが、本実施の形態では甘藷パウダー3は皮の部分も全て含む粉末であることから、食物繊維および皮の部分に含まれるポリフェノール効果が期待でき、廃棄率がほとんどゼロに近い利用状況を実現できる。
本願発明に係るさつま芋の加工食品である「甘藷せんべい」は、これら従来技術にあるものに対して以下のような特徴を有する。
(1)長期保存が可能である
上述した脱酸化剤を用いることにより、4か月から半年は味覚、食感を全く損なうことなく保存が可能であり、さらには1年間あるいはそれ以上保存したものにあっても食用に供することには何らの支障もない。したがって、非常食としても最適な加工食品である。従来技術によるさつま芋の加工食品では、非常食ともなり得る長期保存が可能なものは見られなかった。これは、従来のさつま芋加工食品に対して水分含有量が大幅に低減されていることによる。
(2)輸送が容易である。
さつま芋そのもの、あるいは他のさつま芋加工食品に対し、軽量であり、固くて変形がしにくく、平板状であるため、梱包、輸送が容易である。したがって、天災などによる被害地域や食料危機にある地域などへの供給、輸送、輸出も極めて容易である。
(3)主食ともなり得る栄養価の高い食品
基本的に成分はさつま芋のみで、さつま芋の持つ栄養価をそのまま食品としており、上述したような豊富な栄養価を維持しつつ余分な脂肪分、糖分などを含むことがない。すなわち、食料危機においては主食となり得る要素を十分に有するものとなる。また、上記加工方法で作られた本発明の甘藷せんべいは、冷却後もβでんぷんに変質することがなく、良好な食感も維持されることから、スナックとしても食することも可能である。
(4)咀嚼回数を増加させる
甘藷せんべいの固さは、幼児や高齢者にも噛める固さであると同時に、昨今の柔らかい食材に比較して十分な固さを有しており(一般に使用される食材用の固さ測定器で測定を試みたが測定不能であった)、食する人の咀嚼動作を増加促進させる。咀嚼動作は脳を活性化させると共に老化を防止する効果が見られることは先に記載した通りである。
(5)製造が容易である
図1に示すように、一般家庭でも何ら特別な装置を要することなく製作が可能であり、また、工業的に製造する場合にも複雑な工程を経ることなく大量生産が可能である。さらに天日乾燥や石臼による粉砕などを利用することで余分なエネルギーを使用することなく、環境にも優しい。
(6)安価である
余分な食材を添加せず、基本的にさつま芋のみを使用するため材料が安価であり、また製造コストも極めて低く抑えることができる。さつま芋は荒地であっても手間を掛けることなく成長するため、その気になればどこでも生育が可能であり、安価で大量供給が可能である。どこででも誰にでもできる優れた加工食材となり得る。
本発明に係るさつま芋を原料とする加工食品並びにその加工方法は、食品加工の産業分野、および食品販売の産業分野において広く利用することができる。
1.さつま芋、 2.薄切りスライス、 3.甘藷パウダー、 4.水、 5.生地、 6.切り分け生地、 7.展延生地、 8.甘藷せんべい、 21.石臼、 22.麺棒、 23.鉄板、 24.鉄板、 25.錘。
特開昭50−82259号公報 特開2002−360210号公報 特許第140210号

Claims (3)

  1. さつま芋をスライスして乾燥し、
    前記乾燥したスライスを粉砕してパウダーとし、
    前記パウダーに水を加え、練って生地を生成し、
    前記生地を切り分け、平坦状に延ばした展延生地とし、
    前記展延生地を鉄板で加熱する各ステップからなるさつま芋のみを原料とする加工食品の製造方法において、
    前記生地を生成するステップにおけるパウダーと水の混合重量比率をパウダー6に対して水4.5〜5.5とし、
    前記展延生地とするステップにける展延後の生地の厚さを2〜3mmとし、
    前記加熱するステップにおいて加熱される延展生地に対して約2.5〜約4g/cmの荷重を加え
    前記加熱するステップでは加工後の製品の水分量が4.5%以下となるまで加熱し、
    原材料として純粋にさつま芋のみを使用し、かつさつま芋は皮を含めて廃棄率ほぼゼロとなるまで利用することを特徴とする製造方法。
  2. 前記スライス後に乾燥するステップが天日乾燥であること、前記乾燥した粉砕してパウダーとするステップが石臼を利用した粉砕であること、前記スライスを前記鉄板で加熱するステップがフライパンによる加熱であること、のいずれかによるものであることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. さつま芋のみを原料とする保存食品であって、請求項1または請求項2に記載の製造方法により製造されることを特徴とする保存食品。
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