JP5455102B1 - 板紙の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、サイズ性能に優れた板紙の製造方法を提供することを目的とする。本発明の板紙の製造方法は、1分子内に3個以上のアミノ基を有するポリアルキレンポリアミン(a)、ジカルボン酸(b)及び炭素数12〜22の脂肪酸(c)を、ポリアルキレンポリアミン(a)におけるアミノ基のモル数(s)に対するジカルボン酸(b)におけるカルボキシル基のモル数(n)と脂肪酸(c)におけるカルボキシル基のモル数(m)との総モル数(m+n)の比率[(m+n)/s]が0.50〜0.83となるように反応させて得られるポリアミド化合物(I)、並びに、エポキシ基を有する化合物(II)を反応させて得られる反応物からなる表面サイズ剤(A)と、アルミニウム化合物(B)と、を含有する塗工液を板紙原紙に塗工することを特徴とする。

Description

本発明は、板紙の製造方法に関し、詳しくは、特定の表面サイズ剤と、アルミニウム化合物とを含有する塗工液を板紙原紙に塗工する板紙の製造方法に関する。
従来、段ボール原紙等の板紙原紙の表面に耐水性や印刷適性を付与する手段として、疎水性基と、アニオン性基又はカチオン性基とを含有するビニル系モノマー共重合体からなる表面サイズ剤を少なくとも含み、必要に応じて澱粉及びポリアクリルアミド等の紙力剤、及びその他添加剤を適宜混合し、適当な濃度に希釈された塗工液を、60℃前後の温度でゲートロールコーター、サイズプレス、及びキャレンダー等を用いて板紙原紙の表面に塗工し、乾燥する方法が採用されている。
このような塗工液を用いて板紙原紙に各種物性付与を図るために、塗工液の主成分である表面サイズ剤の改良がこれまで盛んに行われてきた。例えば、アニオン性表面サイズ剤としては、スチレン系モノマーとアクリル酸とを含む共重合体をアルカリ金属とアンモニアとで中和した溶液型表面サイズ剤(特許文献1)等があり、またカチオン性表面サイズ剤としては、スチレン類とアクリル酸又はメタアクリル酸のアミノアルキルエステルとを共重合した後、これにエピハロヒドリン又はメチルエピハロヒドリン等のエポキシ基導入物質を反応させることによって得られる溶液型表面サイズ剤(特許文献2)、及び更なるサイズ効果の向上を目的として開発された、スチレン類とジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドとの共重合体を4級化したカチオン性共重合体を乳化分散剤として含有する水性媒体中で、スチレン類及び(メタ)アクリル酸エステル等の疎水性モノマーを乳化重合したエマルション型表面サイズ剤(特許文献3)等がある。
そして、内添サイズ剤で処理されていないことからサイズ性能を発現しにくい板紙原紙に塗工する場合、及び塗工液が紙に浸透しにくい転写方式等で塗工する場合においては、特定のカチオンポリマーを用いた塗工液に、さらに、水溶性アルミニウム系化合物及び澱粉類を含有させることにより、サイズ性能を向上させようとする試みがなされている(特許文献4)。
特開2010−156079号公報 特開昭48−11407号公報 特開平11−279983号公報 特開2010−255161号公報
本発明は、特定の塗工液を板紙原紙に塗工することにより、サイズ性能に優れた板紙の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は更なる板紙のサイズ性能の向上を目的として、表面サイズ剤を含有する塗工液を板紙原紙に塗工することによりサイズ性能に優れた板紙の製造方法を鋭意検討した結果、特定のポリアミド化合物とエポキシ基を有する化合物との反応物からなる表面サイズ剤と、アルミニウム化合物とを含有する塗工液を板紙原紙に塗工することにより、従前よりもサイズ性能が飛躍的に向上した板紙を製造することができることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、
(i)1分子内に3個以上のアミノ基を有するポリアルキレンポリアミン(a)、ジカルボン酸(b)及び炭素数12〜22の脂肪酸(c)を、ポリアルキレンポリアミン(a)におけるアミノ基のモル数(s)に対するジカルボン酸(b)におけるカルボキシル基のモル数(n)と脂肪酸(c)におけるカルボキシル基のモル数(m)との総モル数(m+n)の比率[(m+n)/s]が0.50〜0.83となるように反応させて得られるポリアミド化合物(I)、並びに、エポキシ基を有する化合物(II)を反応させて得られる反応物からなる表面サイズ剤(A)と、
アルミニウム化合物(B)と、
を含有する塗工液を板紙原紙に塗工することを特徴とする板紙の製造方法、
(ii)前記アルミニウム化合物(B)が硫酸バンドであることを特徴とする、前記(i)に記載の板紙の製造方法、
(iii)前記塗工液は、更に澱粉を含有することを特徴とする、前記(i)又は(ii)に記載の板紙の製造方法、
(iv)前記澱粉のイオン化度がpH7以下において−0.05meq/g以上であることを特徴とする、前記(iii)に記載の板紙の製造方法、
である。
本発明によると、特定の塗工液を板紙原紙に塗工することにより、サイズ性能に優れた板紙の製造方法を提供することができる。
本発明の板紙の製造方法は、1分子内に3個以上のアミノ基を有するポリアルキレンポリアミン(a)、ジカルボン酸(b)及び炭素数12〜22の脂肪酸(c)を、ポリアルキレンポリアミン(a)におけるアミノ基のモル数(s)に対するジカルボン酸(b)におけるカルボキシル基のモル数(n)と脂肪酸(c)におけるカルボキシル基のモル数(m)との総モル数(m+n)の比率[(m+n)/s]が0.50〜0.83となるように反応させて得られるポリアミド化合物(I)、並びに、エポキシ基を有する化合物(II)を反応させて得られる反応物からなる表面サイズ剤(A)と、アルミニウム化合物(B)と、を含有する塗工液を板紙原紙に塗工することを特徴とする。
本発明で用いられる表面サイズ剤(A)を得るのに使用されるポリアミド化合物(I)は、1分子内に3個以上のアミノ基を有するポリアルキレンポリアミン(a)、ジカルボン酸(b)及び炭素数12〜22の脂肪酸(c)を、ポリアルキレンポリアミン(a)におけるアミノ基のモル数(s)に対するジカルボン酸(b)におけるカルボキシル基のモル数(n)と脂肪酸(c)におけるカルボキシル基のモル数(m)との総モル数(m+n)の比率[(m+n)/s]が0.50〜0.83となるように反応させて得られる。
ポリアミド化合物(I)の原材料として供される、1分子内に3個以上のアミノ基を有するポリアルキレンポリアミン(a)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン等が挙げられる。これらは、ジカルボン酸(b)及び炭素数12〜22の脂肪酸(c)と反応することによりポリアミド化合物(I)を形成することができる。ポリアルキレンポリアミン(a)としては、これらの中で、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンが好ましく、更には、ジエチレントリアミンが特に好ましい。ポリアルキレンポリアミン(a)はその1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ポリアミド化合物(I)の原材料として供される、ジカルボン酸(b)としては、分子中に2個のカルボキシル基を有するジカルボン酸及び/又はその誘導体であって、前記ポリアルキレンポリアミン(a)と反応することによりポリアミド化合物(I)を形成できればよい。ジカルボン酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、ドデカン二酸、テレフタル酸等が挙げられ、工業的には炭素数5〜10のジカルボン酸が好ましい。前記誘導体としては、例えば、前記したジカルボン酸のモノエステル、ジエステル、酸無水物、酸ハロゲン化物等を挙げることができる。ジカルボン酸のモノエステル及びジエステルとしては、好ましくは炭素数1〜5、特に好ましくは炭素数1〜3の低級アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール)とジカルボン酸とのエステルを挙げることができる。酸無水物としては、遊離酸の分子内脱水縮合物のほか、低級カルボン酸好ましくは炭素数1〜5の低級カルボン酸とジカルボン酸との縮合物等が挙げられる。酸ハロゲン化物としては酸クロライド等が挙げられる。ジカルボン酸(b)で工業的に特に好ましいものとしては、アジピン酸、グルタル酸ジメチルエステル、アジピン酸ジメチルエステルが挙げられる。ジカルボン酸(b)はその1種を単独で又は2種以上を使用することができる。
ポリアミド化合物(I)の原材料として供される、炭素数12〜22の脂肪酸(c)としては、飽和であっても不飽和であってもよく、具体的には、炭素数12のドデカン酸(ラウリン酸)、炭素数14のテトラデカン酸(ミリスチン酸)、炭素数15のペンタデカン酸(ペンタデシル酸)、炭素数16のヘキサデカン酸(パルミチン酸)、9−ヘキサデセン酸(パルミトイル酸)、炭素数17のへプタデカン酸(マルガリン酸)、炭素数18のオクタデカン酸(ステアリン酸)、cis−9−オクタデセン酸(オレイン酸)、11−オクタデセン酸(バクセン酸)、cis,cis−9,12−オクタデカジエン酸(リノール酸)、9,12,15−オクタデカントリエン酸((9,12,15)−リノレン酸)、6,9,12−オクタデカトリエン酸((6,9,12)−リノレン酸)、9,11,13−オクタデカトリエン酸(エレオステアリン酸)、炭素数19のノナデカン酸(ツベルクロステアリン酸)、炭素数20のイコサン酸(アラキジン酸)、8,11−イコサジエン酸、5,8,11−イコサトリエン酸、5,8,11,14−イコサテトラエン酸(アラキドン酸)、炭素数22のドコサン酸(ベヘン酸)を挙げることができ、これらの脂肪酸のエステル又は酸ハロゲン化物であってもよい。脂肪酸(c)としては、これらの中でも、飽和脂肪酸であることが好ましく、炭素数18〜24の脂肪酸が好ましい。脂肪酸(c)はその1種を単独で又は2種以上を使用することができる。
1分子内に3個以上のアミノ基を有するポリアルキレンポリアミン(a)、ジカルボン酸(b)及び炭素数12〜22の脂肪酸(c)は、ポリアルキレンポリアミン(a)におけるアミノ基のモル数(s)に対するジカルボン酸(b)におけるカルボキシル基のモル数(n)と脂肪酸(c)におけるカルボキシル基のモル数(m)との総モル数(m+n)の比率[(m+n)/s]が0.50〜0.83となるように反応させる。前記比率が0.50を下回る場合は、生成されたポリアミド化合物(I)におけるアミノ基が多くなり、親水性部位が増える上、分子量が小さくなったり脂肪酸(c)由来のアルキル基が少なくなったりするため、所望のサイズ効果が得られない。また前記比率が0.83を上回る場合は、生成されたポリアミド化合物(I)におけるアミノ基が少なく、セルロースに定着できるカチオン性部位が少なくなり、その結果、所望のサイズ効果が得られない。
1分子内に3個以上のアミノ基を有するポリアルキレンポリアミン(a)とジカルボン酸(b)及び脂肪酸(c)との反応は、これらを100〜200℃に加熱し、脱水縮合させることにより行われる。反応時間は、0.5〜10時間であるのが好ましく、2〜6時間であるのがより好ましい。反応に際してポリアルキレンアミン(a)とジカルボン酸(b)及び脂肪酸(c)とを混合する方法に制限はなく、ポリアルキレンポリアミン(a)に、ジカルボン酸(b)と脂肪酸(c)とを混合して反応を進行させる方法、ポリアルキレンポリアミン(a)とジカルボン酸(b)との反応物に脂肪酸(c)を混合して反応を進行させる方法が好ましい。アミド化反応の触媒は特に用いなくても良いが、アミド化反応の触媒として、硫酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸類、あるいは、アミド化反応に通常用いられる触媒を使用しても良い。その使用量はポリアルキレンポリアミン(a)1molに対し、0.005〜0.1molであるのが好ましく、0.01〜0.05molであるのがより好ましい。
本発明で用いられる表面サイズ剤(A)を得るのに使用される、エポキシ基を有する化合物(II)としては、エピクロロヒドリン、及びエピブロムヒドリン等のエピハロヒドリン、エチレンオキシド、及びブチレンオキシド等のアルキレンオキシド、並びにスチレンオキシド等が挙げられ、これらの中でも、エピクロロヒドリンが好ましい。
本発明で用いられる表面サイズ剤(A)は、ポリアミド化合物(I)とエポキシ基を有する化合物(II)との反応物である。ポリアミド化合物(I)とエポキシ基を有する化合物(II)との反応物は、最終的に安定した水分散体として得られるのであればどのような方法で製造されても構わないが、例えば、ポリアミド化合物(I)の加熱溶融物中へ乳化剤と熱水とを添加して水分散体とし、加温下でこれにエポキシ基を有する化合物(II)を添加して反応させることで得られる。ポリアミド化合物(I)とエポキシ基を有する化合物(II)との反応比率に特に制限はないが、ポリアミド化合物(I)の残存アミノ基に対して、エポキシ基を有する化合物(II)を50〜150mol%反応させるのが好ましい。
前記乳化剤には、公知の乳化剤を適宜使用することができる。乳化剤としては、例えば、アルキル基及び/又はアルケニル基の炭素数が4〜20である脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミド、及び各種ポリアルキレンオキサイド型ノニオン性界面活性剤等のノニオン性乳化剤、アルキル基及び/又はアルケニル基の炭素数が4〜20である長鎖アルキルアミン塩、ポリオキシアルキレンアミン、テトラアルキル4級アンモニウム塩、トリアルキルベンジル4級アンモニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルキノリウム塩、アルキルホスホニウム塩、及びアルキルスルホニウム塩等のカチオン性乳化剤、並びに、各種ベタイン系界面活性剤等の両性界面活性剤が挙げられる。
前記乳化剤としては、これらの中でも、ポリアルキレンオキサイド型ノニオン性界面活性剤が好ましく、具体的には、脂肪酸アルキレンオキサイドソルビタンエステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレン脂肪族アルコール、ポリオキシアルキレン脂肪族アミン、ポリオキシアルキレン脂肪族メルカプタン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル等が挙げられる。前記乳化剤としては、乳化分散性に優れるアルキレンオキサイド付加物が好ましく、さらにアルキレンオキサイドとして乳化剤1分子当たり10〜100モル付加していることが好ましく、特に30〜60モル付加していることが好ましい。前記アルキレンオキサイドのアルキレン基の炭素数が8〜18であることが特に好ましい。
前記乳化剤は、その1種を単独で又は2種以上を使用することができ、その使用量としては、ポリアミド化合物(I)100質量部に対し、1〜20質量部であることが、発泡性を抑えつつ、分散性を高めるのに好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
また、本発明で用いられる表面サイズ剤(A)を得る際に、例えばポリアミド化合物(I)の水分散時の分散性及び/又は表面サイズ剤(A)の保存安定性を高めるために、本発明のサイズ性を損なわない範囲で、イソプロピルアルコール等の有機溶媒を用いてもよい。前記有機溶媒の使用量は、表面サイズ剤(A)の固形分に対して1〜10質量%が好ましい。
本発明の板紙の製造方法では、前記表面サイズ剤(A)と、アルミニウム化合物(B)とを含有する塗工液を板紙原紙の表面に塗工する。
本発明で用いられるアルミニウム化合物(B)としては、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム、アルミナゾル、ポリ硫酸ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウムゾル、ポリ水酸化アルミニウム等の水溶性アルミニウム化合物が挙げられ、これらの中でも硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウムが好ましく、特に硫酸バンドが好ましい。これらのアルミニウム化合物(B)はその1種を単独で又は2種以上を使用することができる。
塗工液における表面サイズ剤(A)とアルミニウム化合物(B)との含有比率は、サイズ性能を最大限に発揮するうえで、固形分質量比で(B)/(A)=0.8〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.5であることがより好ましい。
また、本発明の板紙の製造方法では別の態様として、表面サイズ剤(A)及びアルミニウム化合物(B)に、更に澱粉を含有させた塗工液を板紙原紙の表面に塗工する板紙の製造方法を挙げることができる。
前記澱粉としては、製紙塗工用に使用されている各種の澱粉及び/又は加工澱粉を使用することができる。澱粉としては、例えば、コーン澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉等の原料澱粉が挙げられる。加工澱粉は、前記原料澱粉から誘導され、例えば、酵素変性澱粉、酸化澱粉、アルファー化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、架橋澱粉、グラフト化澱粉、過硫酸アンモニウム変性澱粉、カチオン化澱粉等が挙げられる。澱粉としては、これらの中でも、高濃度で使用しても低粘度であり、耐老化性が高く、フィルム形成能に優れる等の点から加工澱粉、特に酵素変性澱粉、過硫酸アンモニウム変性澱粉が好ましい。
本発明では、澱粉のイオン化度がpH7以下において−0.05meq/g以上であることが、表面サイズ剤(A)及びアルミニウム化合物(B)のカチオン性に与える影響が小さくなるので好ましく、0.10meq/g以下であることが一般的である。澱粉のイオン化度は、澱粉をクッキングして得られる澱粉糊液を固形分濃度が0.1質量%になるように希釈して、これを水酸化ナトリウムを用いてpHを7.0に調整した後、ミューテック社製のPCD−02型を用いて測定する。
表面サイズ剤(A)の塗工液中の濃度及び塗工液の板紙原紙に対する塗工量は、求められる板紙の物性及び用いられる塗工機等により、適宜選ばれるが、本発明で用いられる表面サイズ剤(A)の塗工液中の濃度は、表面サイズ剤(A)の固形分として0.01〜3質量%であるのが好ましく、0.05〜2質量%であるのがより好ましい。また、塗工液の板紙原紙に対する塗工量は、表面サイズ剤(A)の固形分として0.01〜0.3g/mであるのが好ましく、0.01〜0.1g/mであるのがより好ましい。
前記塗工液が、更に澱粉を含有する場合、澱粉の塗工液中の濃度は、固形分として3〜15質量%であるのが好ましく、5〜12質量%であるのがより好ましい。澱粉の塗工液中の濃度が前記範囲内であると、塗工液の粘度が安定に適切な範囲内で管理できるため、塗工量の調節がし易く、またサイズ効果を妨げる懸念も少なくなる。
本発明で用いることのできる塗工機としては、例えばサイズプレス、フィルムプレス、ゲートロールコーター、ロッドメタリングコーター、ブレードコーター、キャレンダー、バーコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーター、及びカーテンコーター等が挙げられる。また、板紙原紙の表面へ塗工液を噴霧することのできるスプレー塗工機も適用可能である。
本発明における塗工液を塗工する板紙原紙としては、各種の板紙原紙を挙げることができ、例えば、ライナー、中芯等の段ボール原紙のほか、白ボール、マニラボール、チップボール等の紙器用板紙原紙が挙げられる。板紙原紙としては、特に、ライナー、中芯等の段ボール原紙が好ましい。これらの板紙原紙に前記塗工液を塗工することで、例えば、ライナー、中芯等の段ボールのほか、白ボール、マニラボール、チップボール等の紙器用板紙等の板紙を製造することができる。
このように、特定の塗工液を板紙原紙に塗工することにより、サイズ性能に優れた板紙を製造する方法を提供することができる。
以下に、実施例および比較例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。なお、各例中、%は特記しない限り全て質量%である。
<表面サイズ剤(A)>
(合成例1)
[ポリアミド化合物(I)の合成]
温度計、冷却管、撹拌機を有するセパラブルフラスコに、ポリアルキレンポリアミン(a)としてジエチレントリアミン(1mol)、ジカルボン酸(b)としてアジピン酸(0.4mol)を仕込み、130℃まで昇温した後、脂肪酸(c)としてステアリン酸(0.7mol)を添加し、170℃まで昇温し、生成する水を除去しながら、170℃で6時間反応させ、固形分100%のポリアミド化合物(I)を800g得た。
[ポリアミド化合物(I)とエポキシ基を有する化合物(II)の反応]
温度計、冷却管、撹拌機を有するセパラブルフラスコに、得られたポリアミド化合物(I)(60.5g)を仕込み、撹拌下、130℃まで昇温し、加熱溶融した後、ノニオン性乳化剤(ニューコール2360、日本乳化剤株式会社製、2.4g)を添加し、次いで熱水(80℃、399g)を添加した後、80℃でイソプロピルアルコール(3.0g)、エポキシ基を含有する化合物(II)としてエピクロロヒドリン(ポリアミド化合物(I)の理論残存アミノ基に対して80mol%、13.6g)を添加し、80℃で2時間反応させた後、冷却し、固形分が15%となるようにイオン交換水を添加し、表面サイズ剤(A)を得た。
(合成例2〜10、比較合成例1〜6)
表1に記載のようにポリアルキレンポリアミンの種類、ジカルボン酸の量、脂肪酸の量および種類を変えたこと以外は合成例1と同様にして表面サイズ剤(A)を合成した。
(比較合成例7)(アニオン性共重合体からなる表面サイズ剤の合成例)
温度計、冷却管、撹拌機を有するセパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール(54g)、スチレン(50g)、ノルマルブチルアクリレート(10g)、メタクリル酸(40g)、アゾビスイソブチロニトリル(0.80g)を仕込み、窒素置換下、85℃まで昇温した。85℃で1時間後、2時間後にアゾビスイソブチロニトリル(0.20g)をそれぞれ添加し、85℃で合計3時間反応させた後、イオン交換水(346g)、25%濃度のアンモニア水(31.6g)を添加し、カルボキシル基を中和した後、イソプロピルアルコールを留去し、冷却し、固形分が20%となるようにイオン交換水を添加し、アニオン性共重合体からなる表面サイズ剤を得た。
(比較合成例8)(カチオン性共重合体からなる表面サイズ剤の合成例)
温度計、冷却管、撹拌機を有するセパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール(67g)、スチレン(70g)、ジメチルアミノエチルメタクリレート(30g)、アゾビスイソブチロニトリル(2.00g)を仕込み、窒素置換下、85℃まで昇温した。85℃で1時間後、2時間後にアゾビスイソブチロニトリル(0.40g)をそれぞれ添加し、85℃で合計3時間反応させた後、酢酸(11.5g)、イオン交換水(318g)、エピクロロヒドリン(5.35g)を添加し、イソプロピルアルコールを留去した後、冷却し、固形分が20%となるようにイオン交換水を添加し、カチオン性共重合体からなる表面サイズ剤を得た。
(実施例1)
コーン澱粉(日本食品化工株式会社製、日食コーンスターチ)を酵素を用いて変性して酵素変性澱粉とし、これを水で希釈して15%濃度の糊液を得た後、これを用いて塗工液中の澱粉の固形分濃度が9%、硫酸バンドの固形分濃度が0.2%、合成例1の表面サイズ剤(A)の固形分濃度が0.1%となるように塗工液を調整した。この塗工液をワイヤーバーコーターを用いて、中芯原紙(坪量130g/m)の片面に塗工して塗工紙を得た。塗工液の中芯原紙への塗布量は39g/mであった。塗工後、120秒コブ(Cobb)サイズ度を測定した。結果を表1に示す。
なお、120秒コブ(Cobb)サイズ度は、JIS P−8140に準拠して測定した。測定値が小さいほど、サイズ効果に優れることを示す。
(実施例2〜10、比較例1〜6、8、9)
合成例1の表面サイズ剤を表1に記載の表面サイズ剤に変えたこと以外は、実施例1と同様にして塗工紙を得て、120秒コブ(Cobb)サイズ度を測定した。結果を表1に示す。
(実施例11)
硫酸バンドをポリ塩化アルミニウムに変えたこと以外は実施例2と同様にして塗工紙を得て、120秒コブ(Cobb)サイズ度を測定した。結果を表1に示す。
(実施例12)
澱粉を用いなかったこと以外は実施例2と同様にして塗工紙を得て、120秒コブ(Cobb)サイズ度を測定した。結果を表1に示す。
(実施例13)
コーン澱粉を酸化澱粉(日本食品化工株式会社製、MS3800)に変えたこと以外は実施例2と同様にして塗工紙を得て、120秒コブ(Cobb)サイズ度を測定した。結果を表1に示す。
(比較例7)
硫酸バンドを用いなかったこと以外は実施例2と同様にして塗工紙を得て、120秒コブ(Cobb)サイズ度を測定した。結果を表1に示す。
<澱粉のイオン化度の測定>
澱粉をクッキングして得られる澱粉糊液を固形分濃度が0.1%になるように希釈して、これを水酸化ナトリウムを用いてpHを7.0に調整した後、ミューテック社製のPCD−02型を用いてイオン化度を測定した。コーン澱粉を変性して得られた酵素変性澱粉のイオン化度は−0.050meq/gであり、酸化澱粉(MS3800)のイオン化度は−0.134meq/gであった。
Figure 0005455102
表1中の略号の説明
※1:硫酸バンドをポリ塩化アルミニウムに変更
※2:澱粉不使用
※3:酵素変性澱粉(コーン澱粉)を酸化澱粉(MS3800)に変更
※4:硫酸バンド不使用。
DETA:ジエチレントリアミン
TEPA:テトラエチレンペンタミン
実施例1〜8と比較例1〜4とを対比することにより、ポリアルキレンポリアミン(a)におけるアミノ基のモル数(s)に対するジカルボン酸(b)におけるカルボキシル基のモル数(n)と脂肪酸(c)におけるカルボキシル基のモル数(m)との総モル数(m+n)の比率[(m+n)/s]が0.50〜0.83となるように反応させて得られるポリアミド化合物(I)を表面サイズ剤(A)の原料として用いることで、サイズ性能に優れる板紙が得られることが分かる。
実施例2、9、10と比較例5、6とを対比することにより炭素数が12〜22の脂肪酸(c)を表面サイズ剤の原料として用いることで、サイズ性能に優れる板紙が得られることが分かる。
実施例2と比較例7とを対比することにより、表面サイズ剤と共にアルミニウム化合物を含有する塗工液を板紙原紙に塗工することで、サイズ性能に優れる板紙が得られることが分かる。
実施例1〜10と比較例8、9とを対比することにより、本発明における表面サイズ剤(A)を用いることで、ラジカル重合による共重合体からなる表面サイズ剤よりもサイズ性能に優れる板紙が得られることが分かる。

Claims (4)

  1. 1分子内に3個以上のアミノ基を有するポリアルキレンポリアミン(a)、ジカルボン酸(b)及び炭素数12〜22の脂肪酸(c)を、ポリアルキレンポリアミン(a)におけるアミノ基のモル数(s)に対するジカルボン酸(b)におけるカルボキシル基のモル数(n)と脂肪酸(c)におけるカルボキシル基のモル数(m)との総モル数(m+n)の比率[(m+n)/s]が0.50〜0.83となるように反応させて得られるポリアミド化合物(I)、並びに、エポキシ基を有する化合物(II)を反応させて得られる反応物からなる表面サイズ剤(A)と、
    アルミニウム化合物(B)と、
    を含有する塗工液を板紙原紙に塗工することを特徴とする板紙の製造方法。
  2. 前記アルミニウム化合物(B)が硫酸バンドであることを特徴とする、請求項1に記載の板紙の製造方法。
  3. 前記塗工液は、更に澱粉を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の板紙の製造方法。
  4. 前記澱粉のイオン化度がpH7以下において−0.05meq/g以上であることを特徴とする、請求項3に記載の板紙の製造方法。
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