JP6764136B2 - 紙の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、紙の製造方法に関する。
紙及び板紙、木質繊維等の繊維製品を製造する際には、これらに耐水性、耐インキ性、耐にじみ性等を付与するため、サイズ剤が用いられている。このようなサイズ剤としては、一般にカルボキシル基を有するロジン又は強化ロジン(マレイン化ロジン)に代表されるロジン系サイズ剤、ケテンダイマー系サイズ剤、置換環状ジカルボン酸無水物系サイズ剤等が挙げられる。ロジン系サイズ剤では、それ自体がセルロース繊維へ定着することが困難であり、硫酸アルミニウムを併用して、pH4.5〜7.0の酸性から中性領域で抄造されている。また、ケテンダイマー系サイズ剤、置換環状ジカルボン酸無水物系サイズ剤は、主にpH6.5〜8.0の中性領域の抄造で用いられており、使用上の簡便さと優れたサイズ効果からケテンダイマー系サイズ剤が広く用いられている。
ところで、近年の製紙業界では、古紙や白水の再利用、抄紙排水の低減等からクローズド化されており、抄紙系内の金属成分や夾雑物の影響によりサイズ効果が発現され難い環境となっている。これに対して、例えば、ロジン系サイズ剤が用いられる系では、硫酸アルミニウムを多く添加されている一方、抄紙系内で硫化水素由来の臭気が生じやすくなるため、環境負荷の低減から硫酸アルミニウムの添加量を減らす動きもある。しかしながら、その場合にはロジン系サイズ剤のサイズ効果が発現し難くなる。また、ケテンダイマー系サイズ剤の場合には、サイズ効果が発現するまでに時間がかかる、いわゆる“サイズ効果の立ち上がり”や、酸性領域での抄造では、ケテンダイマー系サイズ剤の加水分解によりサイズ効果が充分ではなく、幅広い抄紙系には適用できない等の課題がある。
このような環境下において、ケテンダイマー系サイズ剤におけるサイズ効果を改善する技術としては、例えば、ジアリルアミン及び(メタ)アクリルアミドを含有する重合成分を重合させて得られる共重合体、並びにケテンダイマー系サイズ剤を用いて抄紙する紙の製造方法が公知である(特許文献1)が、ジアリルアミンは高価であり、サイズ効果とのバランス面で問題があった。
特開2012ー214924号公報
本発明は、抄紙系において水溶性アルミニウム化合物を使用せずに、優れたサイズ効果を示し、また臭気を低減できる紙の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために、サイズ剤を主に抄紙系に添加する薬品について鋭意検討したところ、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の紙の製造方法に関する。
1.3価又は4価のカルボン酸(a1)と、炭素数が6〜22のアルキル基又はアルケニル基を有する1価の脂肪族アルコール(a2−1)及び、炭素数が6〜22のアルキル基及び/又はアルケニル基を有する脂肪族アミン(a2−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(a2)との脱水縮合物及び/又はその塩(A)及び乳化剤(B)を含む製紙用エマルジョンサイズ剤を、パルプスラリーへ添加する工程を含み、水溶性アルミニウム化合物(C)を添加しないことを特徴とする紙の製造方法。
2.(B)成分が、スチレン類(b1)及び/又は(メタ)アクリルアミド(b2)を含むモノマー成分の重合体を含む、前項1の紙の製造方法。
3.更に紙力増強剤(D)を添加する工程を含む、前項1又は2の紙の製造方法。
4.(D)成分が、(メタ)アクリルアミド(d1)、カチオン性不飽和モノマー(d2)及びアニオン性不飽和モノマー(d3)を含むモノマー成分の(メタ)アクリルアミド系重合体である、前項3の紙の製造方法。
5.(メタ)アクリルアミド系重合体におけるアミノ基数及びカルボキシル基数の比率が、(アミノ基数)/(カルボキシル基数)=1〜15である前項3又は4の紙の製造方法。
本発明の紙の製造方法によれば、水溶性アルミニウム化合物を添加せずとも、優れたサイズ効果を示し、また抄紙工程時の臭気も低減することが可能となった。
本発明の紙の製造方法は、3価又は4価のカルボン酸(a1)(以下、(a1)成分という)と、炭素数が6〜22のアルキル基又はアルケニル基を有する1価の脂肪族アルコール(a2−1)(以下、(a2−1)成分という)及び、炭素数が6〜22のアルキル基及び/又はアルケニル基を有する脂肪族アミン(a2−2)(以下、(a2−2)成分という)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(a2)(以下、(a2)成分という)との脱水縮合物及び/又はその塩(A)(以下、(A)成分という)、乳化剤(B)(以下、(B)成分という)及び水を含む製紙用エマルジョンサイズ剤(以下、単に“サイズ剤”ともいう)を、パルプスラリーへ添加する工程を含む。
(a1)成分としては、3価又は4価のカルボン酸であれば、特に限定されず、各種公知のものを使用できる。例えば、クエン酸、トリカルバリル酸、t−アコニット酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ブタンテトラカルボン酸等が挙げられる。なお、これらの3価又は4価のカルボン酸はカルボキシル基が酸無水物となっていても良い。また、(a1)成分は、エステル交換、アミド交換反応により(a2)成分と反応できる3価カルボン酸又は4価カルボン酸のエステル、アミドであってもよい。これらは単独でも2種以上を混合してもよい。中でも、サイズ効果を高め、比較的安価である点から、クエン酸が好ましい。
(a2−1)成分としては、炭素数が6〜22のアルキル基及び/又はアルケニル基を有する1価の脂肪族アルコールであれば、特に限定されず、各種公知のものを使用できる。なお、(a2−1)成分としては、飽和脂肪族アルコールであっても分子中に炭素−炭素不飽和結合を含有する不飽和脂肪族アルコールであっても良い。
飽和脂肪族アルコールとしては、特に限定されず、例えば、2−エチルヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。不飽和脂肪族アルコールとしては、特に限定されず、例えば、オレイルアルコール等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を混合しても良い。(a2−1)成分としては、サイズ剤のサイズ効果を高める点から、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール及びそれらの混合物が好ましい。
(a2−2)成分としては、炭素数が6〜22のアルキル基及び/又はアルケニル基を有する脂肪族アミンであれば、特に限定されず、各種公知のものを使用できる。アミンとしては、第1級アミン又は第2級アミンが好ましい。第1級アミンとしては、例えば、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン等が、第2級アミンとしては、例えば、ジオクチルアミン、ジデシルアミン、ジステアリルアミン、ジ硬化牛脂アミン、ジベヘニルアミン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を混合しても良い。
(a2)成分としては、(a2−1)成分又は(a2−2)成分を単独でも併用しても良い。また、サイズ剤の疎水性を高め、更にサイズ効果も高める点から、(a2)成分の内、(a2−2)成分が好ましく、中でもジステアリルアミン、ジ硬化牛脂アミンがより好ましい。
(a1)成分と(a2)成分の反応は、通常のカルボン酸とアルコールを反応させてエステル化する反応、カルボン酸とアミンを反応させてアミド化する反応の反応条件で脱水縮合させることができる。例えば、各成分の沸点を考慮して、常圧又は減圧下に約110〜180℃程度で1〜24時間程度撹拌しながら脱水縮合させればよい。また、必要に応じて、公知の塩基性又は酸性の触媒や、溶剤を用いても良い。ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶剤を用いることで共沸脱水して反応を進めても良い。
(a1)成分として、カルボン酸の低級エステル又はカルボン酸のアミドを出発原料として使用する場合でも、同様に行うことができる。なお、エステル交換に際しては、触媒を用いることが好ましく、例えば、酸化ジ−n−ブチルスズ、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
(a1)成分及び(a2)成分の使用量は、通常は、(a1)成分の少なくとも1つのカルボキシル基が(a2)成分とエステル結合及び/又はアミド結合を形成し、かつ(a1)成分の少なくとも1個のカルボキシル基が未反応のまま残存するように調整することが好ましい。(a1)成分として、3価のカルボン酸を使用する場合には、(a1)成分のカルボキシル基の3当量に対して、(a2)成分の水酸基又はアミノ基が1〜2当量となるようにする。また、(a1)成分として、4価のカルボン酸を使用する場合には、(a1)成分のカルボキシル基の4当量に対して、(a2)成分の水酸基又はアミノ基が2〜3当量となるようにする。残存したカルボキシル基は、カルボキシル基のまま存在していても良く、カルボキシル基塩を形成していても良い。カルボキシル基塩としてはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニア、メチルアミン、エタノールアミン等のアンモニウム塩等が挙げられる。
かくして得られた(A)成分の物性としては、特に限定されず、例えば、融点が通常100℃以下であり、好ましくは70℃以下である。
また、酸価が特に限定されず、通常は10〜200mgKOH/g程度、好ましくは20〜150mgKOH/g程度である。なお、酸価はJIS K 0070に準拠して測定されたものである。
(B)成分は、特に限定されず、各種公知の乳化剤が使用でき、具体的には、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、両性乳化剤等が挙げられる。
ノニオン性乳化剤とは、非イオン性であり、後述するカチオン性不飽和モノマー及びカルボキシル基含有不飽和モノマー等のアニオン性不飽和モノマーに由来する構造を重合体中に有していないものである。
カチオン性乳化剤とは、カチオン性不飽和モノマーに由来する構造を重合体中に有するものである。なお、アニオン性不飽和モノマーに由来する構造を若干有していたとしても、全体としてカチオン性を呈していれば、カチオン性乳化剤に含まれる。
アニオン性乳化剤とは、アニオン性不飽和モノマーに由来する構造を重合体中に有するものである。なお、カチオン性不飽和モノマーに由来する構造を若干有していたとしても、全体としてアニオン性を呈していれば、アニオン性乳化剤に含まれる。
両性乳化剤とは、カチオン性不飽和モノマー及びアニオン性不飽和モノマーに由来する構造を重合体中に有するものである。
本発明においては、スチレン類(b1)(以下、(b1)成分という)及び/又は(メタ)アクリルアミド(b2)(以下、(b2)成分という)を含むモノマー成分の重合体を含むことが好ましい。以下、重合体について説明する。
(b1)成分としては、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;前記スチレン類の芳香環に炭素数1〜4のアルキル基を有するスチレン系モノマー等が挙げられる。
(b1)成分の使用量としては、特に限定されないが、通常、(B)成分をなすモノマー成分の合計を100モル%として、モル比率で、5〜80モル%程度である。
(b2)成分としては、アクリルアミド、メタクリルアミドが挙げられる。
(b2)成分の使用量としては、特に限定されないが、(B)成分をなすモノマー成分の合計を100モル%として、モル比率で、50〜90モル%程度が好ましく、60〜85モル%程度がより好ましい。
またその他のモノマー成分としては、特に限定されず各種公知のものを使用でき、例えば、カルボキシル基含有不飽和モノマー(b3)(以下、(b3)成分という)、スルホ基含有不飽和モノマー(b4)(以下、(b4)成分という)、(b1)成分以外の疎水性不飽和モノマー(b5)(以下、(b5)成分という)、多官能不飽和モノマー(b6)(以下、(b6)成分という。)等を使用しても良い。
(b3)成分としては、カルボキシル基を有するものであれば、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸又はこれらの塩等が挙げられる。塩としては、特に限定されず、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニア、メチルアミン、エタノールアミン等のアンモニウム塩等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。中でもイタコン酸又はその塩が好ましい。
(b3)成分の使用量としては、特に限定されないが、優れた乳化性を維持できる点から、(B)成分をなすモノマー成分の合計を100モル%として、モル比率で、2〜40モル%程度が好ましく、3〜20モル%程度がより好ましい。
(b4)成分としては、スルホ基を有するものであれば、特に限定されず、例えば、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホエチル、(メタ)アクリル酸スルホプロピル、(メタ)アリルスルホン酸等のスルホン酸系不飽和モノマー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルの硫酸エステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルの硫酸エステル、(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレンの硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテルの硫酸エステル等の硫酸エステル系不飽和モノマー;前記これらの塩等が挙げられる。また、塩としては特に限定されず、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、モノメチルアミン、モノエチルアミン等のアミン塩等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。中でも(B)成分の重量平均分子量が調整しやすい点から、(メタ)アリルスルホン酸又はその塩が好ましい。
(b4)成分の使用量としては、特に限定されないが、得られたサイズ剤が原料パルプに定着し、また乾燥時にはサイズ剤が溶け広がり、紙へ均一に分布できる点から、(B)成分をなすモノマー成分の合計を100モル%として、モル比率で、0.1〜10モル%程度が好ましく、0.5〜5モル%程度がより好ましい。
(b5)成分としては、特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜20のアルキル(メタ)アクリレート;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;アルキル基の炭素数が6〜22のα−オレフィン;アルキル基の炭素数が1〜22のアルキルビニルエーテル;ビニルピロリドン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。中でも優れた乳化性の点から、アルキル基の炭素数が1〜20のアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、アルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートがより好ましい。
(b5)成分の使用量としては、特に限定されないが、優れた乳化性の点から、(B)成分をなすモノマー成分の合計を100モル%として、モル比率で、2〜30モル%程度が好ましく、5〜20モル%程度がより好ましい。
(b6)成分としては、ラジカル重合性官能基を2つ以上有する多官能モノマーであれば特に限定されず、例えば、メチレンビスアクリルアミド等の多官能(メタ)アクリルアミド;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,3,5−トリ(メタ)アクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン等の多官能(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン等の芳香族ポリビニル化合物等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
(b6)成分の使用量としては、特に限定されないが、(B)成分をなすモノマー成分の合計を100モル%として、モル比率で、0.1〜5モル%程度が好ましい。
本発明の(B)成分をなすモノマーとしては、カチオン性不飽和モノマー(b7)(以下、(b7)成分という)を更に使用しても良い。(b7)成分とは、3級アミノ基または4級アミノ基を有する不飽和モノマー等のカチオン性基と不飽和二重結合とを有するモノマーをいう。(b7)成分の使用量は、(B)成分をなすモノマー成分の合計を100モル%として、モル比率で、0.1〜25モル%程度が好ましく、1〜24モル%程度がより好ましい。
3級アミノ基を有する不飽和モノマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
4級アミノ基を有する不飽和モノマーとしては、前記3級アミノ基を有する不飽和モノマーに4級化剤を反応させて4級化したものが挙げられる。また、前記3級アミノ基を有する不飽和モノマーを使用して得られた重合体に4級化剤を反応させることによっても得ることができる。4級化剤としては、オキシド類、有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸、並びにジエチル硫酸等の従来公知のものを挙げることができる。オキシド類として、特に限定されず、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシド;スチレンオキシド等が挙げられる。有機ハロゲン化物としては、特に限定されず、例えば、塩化メチル、塩化エチル、塩化ベンジル、エピクロルヒドリン、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシアンモニウムクロライド等が挙げられる。
また、本発明の(B)成分をなすモノマーとして、必要に応じて、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系モノマー;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート;ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレングリセリン(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンモノアルキル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシアルキレングリセリン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン基含有不飽和モノマー等を使用しても良い。これらの使用量も特に限定されず、(B)成分をなすモノマー成分の合計を100モル%として、モル比率で、20モル%未満である。
重合体の製造方法としては、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等の各種公知の方法を採用でき、前記モノマー成分を重合させることにより容易に得られる。溶液重合による場合には、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルイソブチルケトン等の溶媒を使用できる。乳化重合で使用する乳化剤としては、特に限定されず、各種の界面活性剤を使用できる。界面活性剤としては、特に限定されず、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸エステル塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルスルホコハク酸エステル塩、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン性界面活性剤;これらの界面活性剤にビニル基又はアリル基、プロペニル基を導入した反応性界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は単独でも2種以上を適宜組み合わせることができる。また、界面活性剤の使用量は全モノマー成分100重量%に対して、通常は0.1〜10重量%程度とされる。
また、前記重合で使用する重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩等のアゾ系重合開始剤等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。中でも、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩が好ましい。また、任意ではあるが、有機過酸化物のラジカル発生を容易にする点で還元剤を併用しても良い。還元剤としては、亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩;亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫酸水素塩;トリエタノールアミン、硫酸第一銅等が挙げられる。更に(B)成分の重量平均分子量を調節するために公知の連鎖移動剤を併用しても良い。連鎖移動剤としては、特に限定されず、例えば、イソプロピルアルコール、四塩化炭素、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、クメン、チオグリコール酸エステル、アルキルメルカプタン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
(B)成分には、必要に応じて、酸化防止剤、防腐剤、消泡剤、キレート剤等の添加剤を添加しても良い。
前記製造方法で得られる(B)成分の物性としては、特に限定されないが、例えば、濃度25重量%、温度25℃における粘度が、50〜1000mPa・s程度が好ましい。
本発明の製紙用エマルションサイズ剤における(B)成分の含有量としては、特に限定されないが、(A)成分に対し、固形分重量で通常5〜50重量部程度、好ましくは10〜30重量部である。5重量部未満の場合、充分な乳化性を維持し難く、また、50重量部を上回る場合、サイズ剤中の(A)成分の含有量が少なくなり、十分なサイズ効果が得られ難くなる。
(B)成分を使用することにより、(A)成分の水に対する分散性が安定化し、幅広いpHの領域で、高いサイズ効果を確保することができる。
(A)成分を(B)成分で分散させる方法、すなわちエマルションサイズ剤を製造する方法としては、高圧乳化法、反転乳化法のいずれも採用することができる。なお、分散媒としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール;環境負荷の点から、水を用いることが望ましいが、水及び有機溶媒の混合溶媒を用いても良い。
有機溶媒としては、水に可溶なものであれば特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジアセトンアルコール等のアルコール;エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。なお、有機溶媒を含有する場合、有機溶媒の含有量としては、10重量%未満が好ましい。
高圧乳化法による場合は、分散相を形成する(A)成分を溶融させるかあるいはベンゼン、トルエン等の溶剤に溶解させ、ついでこれに(B)成分を前記使用割合で添加すると同時に温水を混合し、高圧乳化機を使用して乳化した後、そのままで、あるいは溶媒を留去することにより水性分散液を得ることができる。また、反転法による場合は、固形分である(A)成分と(B)成分とを充分混練したのち溶融下、撹拌しながら徐々に温水を滴下し、相反転させることにより溶媒及び特殊な乳化装置を使用することなく水性分散液を得ることができる。該水性分散液の固形分濃度は特に制限はされないが、通常10〜50重量%であり、必要に応じて水で稀釈して使用することもできる。
製紙用エマルションサイズ剤には、必要に応じて、酸化防止剤、防腐剤、消泡剤、キレート剤等の添加剤を添加しても良い。
前記製造方法で得られる製紙用エマルジョンサイズ剤の物性としては、特に限定されず、例えば、濃度30重量%、温度25℃におけるB型粘度計での粘度が、通常10〜200mPa・s程度、好ましくは10〜100mPa・s程度である。また、体積平均粒子径が通常は、0.3〜2μm程度、好ましくは0.4〜1.5μm程度である。
本発明の紙の製造方法は、臭気の低減の点から、水溶性アルミニウム化合物(C)(以下、(C)成分という)を添加しないことを特徴とする。(C)成分としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、硫酸硅酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム等が挙げられる。
本発明の紙の製造方法は、任意ではあるが、紙中へサイズ剤を高く定着させる点から、紙力増強剤(D)(以下、(D)成分という)を添加する工程を含むことが好ましい。
(D)成分としては、特に限定されず、例えば、コーン澱粉、タピオカ澱粉、酸化澱粉、カチオン化澱粉、酵素変性澱粉、無機過酸化物変性澱粉、両性澱粉等の澱粉類;(メタ)アクリルアミド系重合体等が挙げられる。
(D)成分のイオン性としては、カチオン性、アニオン性、両性のいずれでも良いが、紙中へサイズ剤を高く定着させる点から、両性が好ましい。さらに、同様の点から、両性の(メタ)アクリルアミド系重合体(以下、単に“重合体”という)がより好ましい。
前記重合体をなすモノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリルアミド(d1)(以下、(d1)成分という)、カチオン性不飽和モノマー(d2)(以下、(d2)成分という)及びアニオン性不飽和モノマー(d3)(以下、(d3)成分という)を含むものが挙げられる。
(d1)成分としては、アクリルアミド、メタクリルアミドが挙げられる。
(d1)成分の含有量としては、モル比率で、全モノマー成分の合計を100モル%として、通常は55〜97モル%程度、好ましくは60〜95モル%程度、より好ましくは70〜90モル%程度である。
(d2)成分としては、特に限定されず、各種公知のものを使用することができ、例えば、2級アミノ基含有不飽和モノマー、3級アミノ基含有不飽和モノマー、これらの不飽和モノマーの4級化塩が挙げられる。
2級アミノ基含有不飽和モノマーとしては、例えば、ジアリルアミン等が挙げられる。3級アミノ基含有不飽和モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらのモノマーの4級化塩とは、前記2級アミノ基含有不飽和モノマー又は3級アミノ基含有不飽和モノマーと、4級化剤とを反応させてなるもの等を意味し、4級化塩としては、塩酸塩、硫酸塩等の無機酸塩であっても、酢酸塩等の有機酸塩であっても良い。また、4級化剤としては、メチルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸、エピクロルヒドリン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。これらの中でも、3級アミノ基含有不飽和モノマーおよび/または該モノマーの4級化塩を含むことが好ましく、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのベンジルクロライド4級化塩がより好ましい。
(d2)成分の含有量は、紙中に(D)成分が良く定着し、また紙中へサイズ剤を高く定着させる点から、モル比率で、全モノマー成分の合計を100モル%として、通常は1〜20モル%程度、好ましくは1〜17モル%程度、より好ましくは1〜12モル%程度である。
(d3)成分としては、特に限定されず、各種公知のものを使用することができ、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のα,β−不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ムコン酸、シトラコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸等の有機系スルホン酸;これらの酸のナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。これらの中でも、α,β−不飽和ジカルボン酸が好ましく、イタコン酸がより好ましい。また、これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
(d3)成分の含有量は、特に限定されず、モル比率で、全モノマー成分の合計を100モル%として、通常は1〜20モル%程度、好ましくは1〜17モル%程度、より好ましくは1〜12モル%程度である。
また、前記モノマー群には、更に架橋性不飽和モノマー(d4)(以下、(d4)成分という)が含まれても良い。
(d4)成分としては、特に限定されず、各種公知のものを使用できる。(d4)成分の具体例としては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、N−アリル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド等のアリル基を有する架橋性不飽和モノマー;ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール基を有する架橋性不飽和モノマー;ジアセトンアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩等のN−置換アミド基を有する架橋性不飽和モノマー;N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等のN,N−置換アミド基を有する架橋性不飽和モノマー;ジビニルベンゼン、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、トリアリルアミン、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラアリルピロメリラート等の芳香族ポリビニル系架橋性不飽和モノマー等が挙げられる。
(d4)成分の含有量は、特に限定されず、モル比率で、全モノマー成分の合計を100モル%として、通常は0.05〜5モル%程度、好ましくは0.07〜2.5モル%程度、より好ましくは0.1〜1モル%程度である。
さらに、(D)成分をなす成分としては、連鎖移動剤(d5)(以下、(d5)成分という)を使用しても良い。(d5)成分としては、特に限定されず、例えば、2−メルカプトエタノール、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;メタリルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸カリウム、メタリルスルホン酸アンモニウム等のメタリルスルホン酸塩;エタノール、イソプロピルアルコール、ペンチルアルコール等の脂肪族アルコール類;α−メチルスチレンダイマー、四塩化炭素、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、クメン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。中でも、(D)成分の重量平均分子量及び粘度を調整する点から、メタリルスルホン酸塩が好ましく、メタリルスルホン酸ナトリウムがより好ましい。
(d5)成分の含有量は、特に限定されないが、(D)成分が高分子量となっても比較的低粘度になる点から、モル比率で、全モノマー成分の合計を100モル%として、通常は0.05〜5モル%程度、好ましくは0.1〜3モル%程度、より好ましくは0.2〜2モル%程度である。
また、(D)成分をなすモノマー成分としては、本発明の効果を損なわない限り、(d1)成分〜(d5)成分以外の成分(d6)(以下、(d6)成分という)を含有しても良い。(d6)成分としては、特に限定されず、例えば、メチロール(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等のビス(メタ)アクリルアミド類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類;アジピン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル等のジビニルエステル類;エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレート類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族モノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
(d6)成分の含有量は特に限定されず、モル比率で、全モノマー成分の合計を100モル%として、5モル%未満が好ましく、2.5モル%未満がより好ましい。
(D)成分の製造方法は、特に限定されず、同時重合、滴下重合、多段階重合等の各種公知の重合方法を採用でき、例えば、特開2013−234390号公報、特開2015−052194号公報等に記載の方法等が挙げられる。また重合に際しては、重合開始剤、溶媒を用いることができる。
重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩等のアゾ系重合開始剤等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。中でも、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩が好ましい。また、任意ではあるが、有機過酸化物のラジカル発生を容易にする点で還元剤を併用しても良い。還元剤としては、亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩;亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫酸水素塩;トリエタノールアミン、硫酸第一銅等が挙げられる。また、その使用量も特に限定されず、(d1)〜(d6)成分の合計100重量部に対して、通常は0.05〜2重量部程度、好ましくは0.1〜0.5重量部程度である。
溶媒としては、モノマー成分を充分に溶解または分散させ、重合反応に悪影響を与えない点から通常、水が好ましいが、エタノール、イソプロパノール等の親水性有機溶媒を併用しても良い。また、モノマー成分に加水分解しやすい成分を含む場合には、硫酸等を添加しても良い。
(D)成分には、必要に応じて、酸化防止剤、防腐剤、消泡剤、キレート剤、ボウ硝、尿素、多糖類等の添加剤を添加しても良い。
前記製造方法で得られた重合体におけるアミノ基数及びカルボキシル基数の比率としては、(D)成分がポリイオンコンプレックスを形成し、紙中へ(D)成分が高く歩留り、さらに紙中へサイズ剤を高く定着させることも補うため、通常は(アミノ基数)/(カルボキシル基数)=1〜15である。
アミノ基数は、(d2)成分の仕込み重量、分子量(Mw)、及び(d2)成分中のアミノ基の個数から以下の(式1)に従って求められる。また複数の(d2)成分を使用した場合、それぞれのアミノ基数を算出し、合計した値となる。なお、分子量(Mw)は、“重量平均分子量”を意味する(以下同様)。
(式1)(アミノ基数)=[{(d2)成分の仕込み重量}/{(d2)成分の分子量(Mw)}]×{(d2)成分のアミノ基の個数}
カルボキシル基数は、(d3)成分の仕込み重量、分子量(Mw)、及び(d3)成分中のカルボキシル基の個数から以下の(式2)に従って求められる。また複数の(d3)成分を使用した場合、それぞれのカルボキシル基数を算出し、合計した値となる。
(式2)(カルボキシル基数)=[{(d3)成分の仕込み重量}/{(d3)成分の分子量(Mw)}]×{(d3)成分のカルボキシル基の個数}
前記比率としては、同様の観点から、好ましくは、(アミノ基数)/(カルボキシル基数)=1〜12であり、より好ましくは、1〜10である。
前記重合体の物性としては、特に限定されず、例えば、重量平均分子量が100万〜800万程度が好ましく、150万〜600万程度がより好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーメーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した値(ポリエチレングリコール換算値)である。
また、濃度20重量%、温度25℃における粘度が、2,500〜80,000mPa・s程度が好ましく、5,000〜60,000mPa・s程度がより好ましい。
本発明の紙の製造方法は、(A)成分及び(B)成分を含む製紙用エマルジョンサイズ剤を、パルプスラリーへ添加する工程を含む。
製紙用エマルジョンサイズ剤の添加量としては、通常は、パルプの固形分重量に対して、0.01〜2重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%である。添加量を当該範囲とすることで、紙が優れたサイズ効果を発揮する。
パルプスラリーの種類は、特に限定されず、例えば、広葉樹パルプ(LBKP)、針葉樹パルプ(NBKP)等の化学パルプ;GP、TMP等の機械パルプ;段ボール古紙等の古紙パルプ等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
また、本発明の紙の製造方法は、前述のように、(C)成分を添加しないことも特徴である。(C)成分を添加すると、パルプスラリー中で硫酸イオンを生じ、水素イオンを結合することで硫化水素となる。その結果、臭気を発生する、またはマシンの腐食を招く。
本発明の紙の製造方法において、(D)成分を添加する場合、その添加量は、特に限定されないが、サイズ剤が原料パルプに対して充分に定着できる点から、パルプの固形分重量に対して、0.05〜4重量%程度が好ましく、0.1〜2重量%程度がより好ましい。
なお、(D)成分をパルプスラリーへ添加する順序は、特に限定されず、例えば、以下から適宜選択することができる。
(1)製紙用エマルジョンサイズ剤を添加した後、(D)成分を添加する。
(2)(D)成分を添加した後、製紙用エマルジョンサイズ剤を添加する。
(3)製紙用エマルジョンサイズ剤及び(D)成分を同時に添加する。
(4)製紙用エマルジョンサイズ剤及び(D)成分を混合したものを添加する。
本発明においては、紙中への製紙用エマルジョンサイズ剤の定着率を高め、紙が優れたサイズ効果を示す点から、(2)が好ましい。
本発明の紙の製造方法では、必要に応じて、硫酸や水酸化ナトリウム等のpH調整剤、湿潤紙力剤、歩留剤、タルク、クレー、カオリン、二酸化チタン、炭酸カルシウム等を添加しても良い。
本発明の紙の製造方法により得られる紙としては、例えば、コート原紙、新聞用紙、ライナー、中芯、紙管、印刷筆記用紙、フォーム用紙、PPC用紙、カップ原紙、インクジェット用紙、感熱紙等が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例および比較例における部および%は、特に断りのない限り、重量基準である。
(融点)
示差走査熱量測定(装置名「EXSTAR DSC−6200」、セイコーインスツルメンツ(株)製)を用いて測定した。
(酸価)
JIS K 0070に準拠して測定した。
(粘度)
ブルックフィールド型粘度計(東機産業(株)製)を用いて、25℃に調整したサンプルの粘度を測定した。
(体積平均粒子径)
レーザー回折・散乱法による粒子径測定装置(装置名「LASER DIFFRACTION PARTICLE SIZE ANALYZER SALD−7500nano」、SHIMADZU製)で測定した。
(重量平均分子量)
ゲルパーメーションクロマトグラフィー(GPC)法により、以下の測定条件で重量平均分子量を測定した。
GPC本体:東ソー(株)製 HLC−8220GPC
カラム:東ソー(株)製 ガードカラムPWXL1本およびGMPWXL2本(温度40℃)
溶離液:0.5mol/l酢酸緩衝液(0.5mol/l酢酸(和光純薬工業(株)製)+0.5mol/l酢酸ナトリウム(キシダ化学(株)製)水溶液、pH約4.2)
流速:0.8ml/分
検出器:
ビスコテック社製TDA MODEL301(濃度検出器および90°光散乱検出器および粘度検出器(温度40℃))RALLS法
測定サンプル:(D)成分の固形分濃度が0.5%となるようにイオン交換水で希釈した後、pH10〜12になるまで水酸化ナトリウム水溶液を添加し、80℃以上の湯浴に1時間浸した後、硫酸でpH6〜8に調整し、溶離液で0.025%に希釈して測定した。
製造例1−1((A−1)成分の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、クエン酸一水和物210部(1モル)とジ硬化牛脂アミン(商品名「アーミン2HT」、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、アルキル鎖長比C16/C18=40/60)1000部(2モル)、及びトルエン1252部を混合し、トルエンの還流下で20時間、脱水縮合反応を続けた。この反応混合物から減圧下でトルエンを留去し、ジアミド化合物を主成分とする脱水縮合物(A−1)を得た。脱水縮合物の融点は52〜56℃、酸価は55.7mgKOH/gであった。
製造例1−2((A−2)成分の製造)
製造例1−1と同様の反応装置に、クエン酸一水和物210部(1モル)とステアリルアルコール(商品名「NAA−46」、ステアリルアルコール/パルミチルアルコール=85/15(%)、日油(株)製)532部(2モル)を混合し、生成する水を反応系外に留去しながら160℃まで加熱し、同温度で1.5時間、脱水縮合反応を続けた。この反応生成物を冷却してジエステル化合物を主成分とする脱水縮合物(A−2)を得た。脱水縮合物の融点は48〜51℃、酸価は78.7mgKOH/gであった。
製造例1−3((A−3)成分の製造)
製造例1−1と同様の反応装置に、トリカルバリル酸176部(1モル)とステアリルアルコール(商品名「NAA−46」)532部(2モル)を混合し、160℃まで加熱し、同温度で1.5時間脱水縮合反応を続けた。この反応生成物を冷却してジエステル化合物を主成分とする脱水縮合物(A−3)を得た。脱水縮合物の融点は48〜51℃、酸価は78.7mgKOH/gであった。
製造例1−4((A−4)成分の製造)
製造例1−1と同様の反応装置に、トリカルバリル酸176部(1モル)とジ硬化牛脂アミン(商品名「アーミン2HT」)1000部(2モル)、及びトルエン1252部を混合し、トルエンの還流下で20時間、反応を続けた。この反応混合物から減圧下でトルエンを除き、ジアミド化合物を主成分とする脱水縮合物(A−4)を得た。脱水縮合物の融点は52〜56℃、酸価は53.0mgKOH/gであった。
製造例1−5((A−5)成分の製造)
製造例1−1と同様の反応装置に、t−アコニット酸174部(1モル)とジ硬化牛脂アミン(商品名「アーミン2HT」)1000部(2モル)、及びトルエン1252部を混合し、トルエンの還流下で20時間、反応を続けた。この反応混合物から減圧下でトルエンを留去し、ジアミド化合物を主成分とする脱水縮合物(A−5)を得た。脱水縮合物の融点は52〜56℃、酸価は53.0mgKOH/gであった。
製造例2−1((B−1)成分の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、アクリルアミド293.3部(76.9モル%)、イタコン酸59.3部(8.5モル%)、メタリルスルホン酸ナトリウム25.4部(3.0モル%)、2−エチルヘキシルアクリレート29.6部(3.0モル%)、シクロヘキシルメタクリレート77.3部(8.6モル%)、イオン交換水711.3部、イソプロピルアルコール784.9部、この混合液を攪拌しながら窒素ガスバブリング下で50℃まで昇温した。重合開始剤として過硫酸アンモニウム(APS)11.0部(重合成分の総モル数に対し0.9モル%)を加え、80℃まで昇温し、180分間保持した。次いで水蒸気吹き込みによりイソプロピルアルコールの留去を行い、イオン交換水を加えて固形分濃度24%、粘度1040mPa・sの乳化剤(B−1)の水溶液を得た。
製造例2−2((B−2)成分の製造)
製造例2−1と同様の反応装置に、界面活性剤(ハイテノールLA−10、第一工業製薬(株)製)4.0部(モノマーの合計重量対比で1.0重量%)、ヒドロキシブチルアクリレート43.7部(8.0モル%)、80%メタクリル酸158.5部(38.9モル%)、イタコン酸19.7部(4.0モル%)、メタリルスルホン酸ナトリウム31.7部(5.3モル%)、スチレン140.0部(35.5モル%)、α−メチルスチレン26.4部(5.9モル%)、ブチルアクリレート11.6部(2.4モル%)、イオン交換水1090.0部、連鎖移動剤として、α−メチルスチレンダイマー16.0部(対モノマー総量4.0重量%)を仕込み、この混合液を撹拌しながら窒素ガスバブリング下で60℃まで昇温した。重合開始剤として過硫酸アンモニウム(APS)16.0部(対モノマー総量4.0重量%)を加え、90℃まで昇温し、100分間保持した後、後重合用の触媒として過硫酸アンモニウム(APS)4.0部(対モノマー総量1.0重量%)を更に加え、さらに90℃で60分間保持した。次いで48%水酸化ナトリウム水溶液146.5部(メタクリル酸、イタコン酸のカルボン酸基を99モル%中和)を加え、メタクリル酸、イタコン酸の中和を行い、イオン交換水を加えて固形分濃度25.2%、粘度53mPa・sの乳化剤(B−2)の水溶液を得た。
製造例2−3((B−3)成分の製造)
製造例2−1と同様の反応装置に、ヘキサエチレングリコールジアクリレート31.4部(1.5モル%)、アクリルアミド287.6部(75.4モル%)、イタコン酸59.3部(8.5モル%)、メタリルスルホン酸ナトリウム25.4部(3.0モル%)、2−エチルヘキシルアクリレート29.6部(3.0モル%)、シクロヘキシルメタクリレート77.3部(8.6モル%)、イオン交換水711.3部、イソプロピルアルコール784.9部、この混合液を攪拌しながら窒素ガスバブリング下で50℃まで昇温した。重合開始剤として過硫酸アンモニウム(APS)11.0部(重合成分の総モル数に対し0.9モル%)を加え、80℃まで昇温し、180分間保持した。次いで水蒸気吹き込みによりイソプロピルアルコールの留去を行い、イオン交換水を加えて固形分濃度24%、粘度1040mPa・sの乳化剤(B−3)の水溶液を得た。
製造例2−4((B−4)成分の製造)
製造例2−1と同様の反応装置に、界面活性剤(ハイテノールLA−10、第一工業製薬(株)製)4.0部(モノマーの合計重量対比で1.0重量%)、グリセリンモノアクリレート43.7部(8.0モル%)、80%メタクリル酸122.2部(30.0モル%)、イタコン酸58.6部(11.9モル%)、メタリルスルホン酸ナトリウム31.7部(5.3モル%)、スチレン143.9部(36.5モル%)、α−メチルスチレン26.4部(5.9モル%)、n−ブチルアクリレート11.6部(2.4モル%)、イオン交換水1090.0部、連鎖移動剤として、α−メチルスチレンダイマー16.0部(対モノマー総量4.0重量%)を仕込み、この混合液を撹拌しながら窒素ガスバブリング下で60℃まで昇温した。重合開始剤として過硫酸アンモニウム(APS)16.0部(対モノマー総量4.0重量%)を加え、90℃まで昇温し、100分間保持した後、後重合用の触媒として過硫酸アンモニウム(APS)4.0部(対モノマー総量1.0重量%)を更に加え、さらに60分間90℃で保持した。次いで48%水酸化ナトリウム水溶液146.5部(メタクリル酸、イタコン酸のカルボン酸基を99モル%中和)を加え、メタクリル酸、イタコン酸の中和を行い、イオン交換水を加えて固形分濃度25.2%、粘度53mPa・sの乳化剤(B−4)の水溶液を得た。
製造例3−1
(A−1)成分180部を加熱溶融し、次いで(B−1)成分を83.3部(固形分:20.0部)及び温水(80℃)を403部加えて混合し、高圧乳化機(装置名「APV」、GAULIN社製)にて乳化することにより固形分濃度30%の製紙用エマルションサイズ剤を調製した。組成、粘度及び体積平均粒子径を表1に示す。
製造例3−2〜3−10
表1に示す組成で、製造例3−1と同様の方法にて、製紙用エマルションサイズ剤をそれぞれ調製した。
※1:(B)成分の使用量は、固形分重量部で表す。
((B)成分)
・B−1:製造例2−1の乳化剤
・B−2:製造例2−2の乳化剤
・B−3:製造例2−3の乳化剤
・B−4:製造例2−4の乳化剤
製造例4−1((D−1)成分の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素ガス導入管および2つの滴下ロートを備えた反応装置に、イオン交換水276部を仕込み、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した後、90℃まで加熱した。一方の滴下ロートにアクリルアミド196部、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト4.5部、60%のジメチルアミノエチルメタクリレ−トのベンジルクロライド4級化塩水溶液13.6部、イタコン酸3.7部、N,N−ジメチルアクリルアミド0.6部、メタリルスルホン酸ナトリウム3.6部、62.5%硫酸2.2部、およびイオン交換水395部の混合液(I)を仕込み、硫酸によりpHを3.0付近に調整した。また、他方の滴下ロートに過硫酸アンモニウム0.3部とイオン交換水90部の混合液(II)を仕込んだ。次に、それぞれの滴下ロートから反応系内へ混合液(I)および(II)を約3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に過硫酸アンモニウム0.4部とイオン交換水10部を入れて1時間保温し、イオン交換水95部を加えて、(D−1)成分の水溶液を得た。組成及び物性を表2に示す。
製造例4−2〜4−12((D−2)〜(D−12)成分の製造)
表2に示すモノマー組成で製造例4−1と同様に行い、(D−2)〜(D−12)成分の水溶液をそれぞれ得た。
表2における略号は以下のモノマーを示す。
AM:アクリルアミド
DM:N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
DML:ジメチルアミノエチルメタクリレ−トのベンジルクロライド4級化塩
IA:イタコン酸 DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド SMAS:メタリルスルホン酸ナトリウム
実施例1
固形分重量でN−UKP/段ボール古紙=20/80となる量を採取し、水道水でパルプ濃度2.0%になる量の水道水を加えて、ビーターを用いて380mlカナディアン・スタンダード・フリーネスまで叩解した。叩解したパルプスラリーを更に水道水で希釈しパルプ濃度1.5%に調整した。このパルプスラリーへ、パルプ固形分重量に対して、紙力増強剤(D−3)を0.3%、次いで製造例3−1の製紙用エマルションサイズ剤を0.2%添加した後、抄紙機(TAPPI Standard Sheet Machine(角型))でJIS P 8222に準じて、坪量80g/mになるように抄紙した。この時の抄紙pHは7.5であった。次いで得られた湿紙を線圧5.5kg/cm、送り速度2m/分の条件のロールプレス機で脱水した後、回転式ドライヤーを用いて温度80℃にて150秒間乾燥させた。得られた紙の乾燥直後、恒温恒湿(23℃、50%相対湿度)環境下で24時間調湿した後、及び高温高湿(50℃、90%相対湿度)環境下で1週間調湿した後の2分コブサイズ度をそれぞれ測定した。条件及び結果を表3に示す。
実施例2〜31、比較例1〜3
表3に示す条件にて、実施例1と同様に行い、紙をそれぞれ得た。なお、実施例31では、パルプスラリーへ、パルプ固形分重量に対して、製造例3−1の製紙用エマルジョンサイズ剤を0.2%、次いで紙力増強剤を0.3%添加して抄紙した。
(定着率)
各実施例及び比較例の紙150〜200μgを切り出し、熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析(PY−GC/MS)法により、以下の装置及び温度で測定し、得られたピーク面積と、下記の検量線を用いて紙中のエマルジョンサイズ剤の定着率(%)を求めた。
<装置>
・熱分解装置:PY−2020D(フロンティア・ラボ(株)製)
・GC/MS本体:HP6890/5973(アジレント・テクノロジー(株)製)
・カラム:UA−5(フロンティア・ラボ(株)製))
<条件>
開始温度を225℃、昇温速度を10℃/分で10分間測定した。
<検量線>
標準サンプルとして、紙固形分に対して、実施例1のエマルジョンサイズ剤を0.01、0.10、0.50%含有する紙を作成し、上記条件で測定し、得られたピーク面積を求めた。
(臭気)
抄紙工程を想定した臭気を測定した。実施例1〜31及び比較例1〜3で調整したパルプスラリー500gをDDJ(ダイナミック・ドネレージ・ジャー、80メッシュ)に採取、600rpmにて撹拌し、下穴から濾水150gをマヨネーズ瓶に採取し蓋をした。得られた濾水を温度40℃の恒温槽で5日間静置した後、臭気を嗅ぎ、以下の評価基準で評価した。
(評価基準)
○:臭いがない ×:臭いがある
・SPN−811:アニオン性ロジンエマルジョンサイズ剤(商品名「サイズパインN−811」、荒川化学工業(株)製)
・SPK−931:アニオン性アルキルケテンダイマーエマルジョンサイズ剤(商品名「サイズパインK−931」、荒川化学工業(株)製)

Claims (2)

  1. 3価又は4価のカルボン酸(a1)と、炭素数が6〜22のアルキル基又はアルケニル基を有する1価の脂肪族アルコール(a2−1)及び、炭素数が6〜22のアルキル基及び/又はアルケニル基を有する脂肪族アミン(a2−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(a2)との脱水縮合物及び/又はその塩(A)及び乳化剤(B)を含む製紙用エマルジョンサイズ剤を、パルプスラリーへ添加する工程を含み、水溶性アルミニウム化合物(C)を添加せず、
    更に(メタ)アクリルアミド(d1)、カチオン性不飽和モノマー(d2)及びアニオン性不飽和モノマー(d3)を含むモノマー成分の(メタ)アクリルアミド系重合体であり、(メタ)アクリルアミド系重合体におけるアミノ基数及びカルボキシル基数の比率が、(アミノ基数)/(カルボキシル基数)=1〜15である両性の紙力増強剤(D)を添加する工程を含むことを特徴とする紙の製造方法。
  2. (B)成分が、スチレン類(b1)及び/又は(メタ)アクリルアミド(b2)を含むモノマー成分の重合体を含む、請求項1の紙の製造方法。
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