JP5454857B2 - 偏光板 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光フィルムの少なくとも一方側に、活性エネルギー線硬化性樹脂を用いた保護膜を形成してなる偏光板に関するものである。
偏光板は、液晶表示装置を構成する光学部品の一つとして有用である。偏光板は、通常、偏光フィルムの両面に接着剤を介して保護膜を積層した状態で、液晶表示装置に組み込まれて使用される。接着剤としては、偏光フィルムおよび保護膜が共に親水性であることを考慮して、親水性のものが用いられている。このような水系接着剤を用いた場合には、偏光フィルムと保護膜とを接合した後に水分を乾燥するために透湿度が高い保護膜が必要となる。このため、高い透湿度を有するとともに、光学的透明性に優れたトリアセチルセルロース(TAC)のフィルムが保護膜として最も一般的に用いられている。
ところで、上述したような偏光フィルムでは、発色しているポリヨウ素イオン(I3-、I5-など)がポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸の結果として偏光能を発揮しているため、偏光フィルムに湿気(水蒸気)が供給されるとポリヨウ素が分解してヨウ素イオン(I-)となり、ポリヨウ素イオンによる発色は減じる。この現象は、高温高湿環境下では更に顕著となる。その結果、偏光フィルムの光透過率が増大し、偏光フィルムの偏光能は失われて行くと考えられている。したがって、偏光板の保護膜には、外部の湿気などの影響から偏光フィルムを保護することが求められている。
また近年、液晶表示装置のノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話、車載用カーナビゲーションシステムなど、モバイル機器への展開に伴い、薄型軽量および高耐久性が求められている。保護膜は、高温高湿下で偏光フィルムの収縮を抑制することも必要であるが、保護膜が薄型軽量化されると、この偏光フィルムの収縮抑制力が弱くなる。このため、保護膜の硬度を高めることが求められている。
しかしながら、これまでのトリアセチルセルロースからなる保護膜を偏光フィルムに接着する方法では、作業時の取扱い性や耐久性能の観点から、保護膜を20μm以下とすることが困難であった。このような問題点を解決するために、たとえば特開2000−199819号公報(特許文献1)には、親水性高分子からなる偏光フィルムの少なくとも片面にその偏光フィルムを溶解しない溶剤による樹脂溶液を塗工し、乾燥させることで、薄くて耐久性の良好な透明薄膜層(保護膜)を形成する技術が開示されている。またたとえば特開2003−185842号公報(特許文献2)には、透湿度が高く、ジシクロペンタニル残基またはジシクロペンテニル残基を有する活性エネルギー線重合性化合物(たとえばジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート)を含有する組成物で保護膜を形成する技術が開示されている。また、たとえば特開2004−245924号公報(特許文献3)には、偏光フィルムの少なくとも片面にエポキシ樹脂を主成分とする保護膜を有してなる偏光板の技術が開示されている。また、特開2005−92112号公報(特許文献4)では、ポリビニルアルコール偏光フィルムの少なくとも片面を樹脂で保護した構造を有する偏光板において、保護する樹脂がラジカル系活性エネルギー線硬化性化合物とカチオン系活性エネルギー線硬化性化合物からなる偏光板の技術が開示されている。
特開2000−199819号公報 特開2003−185842号公報 特開2004−245924号公報 特開2005−92112号公報
本発明は、耐湿熱性に優れ、さらに薄型軽量化されても偏光フィルムの収縮が抑制された偏光板を提供することを目的とする。
本発明の偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向された偏光フィルムと、当該偏光フィルムの少なくとも一方側に形成された、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物を主成分とし、弾性率が3000〜7000MPaである保護膜を備えることを特徴とする(以下、当該偏光板を「第1の偏光板」と呼称する。)。
本発明の第1の偏光板において、保護膜の弾性率が3300〜7000MPaであることが好ましい。
本発明はまた、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向された偏光フィルムと、当該偏光フィルムの少なくとも一方側に形成された、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物を主成分とする保護膜とを備え、当該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、脂環式環に結合したエポキシ基を分子内に少なくとも1個有する脂環式エポキシ化合物と、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であって、当該(メタ)アクリロイル基を有する化合物および重合開始剤のみからなる硬化物が3000MPa以上の弾性率を与える(メタ)アクリル系化合物とを含有する偏光板についても提供する(以下、当該偏光板を「第2の偏光板」と呼称する。)。
本発明の第2の偏光板において、保護膜を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の(メタ)アクリル系化合物の含有量が、当該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部に対して30〜70重量部であることが好ましい。
また本発明の第2の偏光板において、保護膜を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物がさらにオキセタン系化合物を含有し、該オキセタン系化合物の含有量が、当該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部に対して5〜30重量部であることが好ましい。
本発明の第2の偏光板はまた、保護膜を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の(メタ)アクリル系化合物が、下式(1)〜(4)で表される化合物の少なくとも一つを含有することが好ましい。
Figure 0005454857
上記式(1)および(2)中、Q1およびQ2は互いに独立して、(メタ)アクリロイルオキシ基または(メタ)アクリロイルオキシアルキル基を表し、ここでアルキルの炭素数は1〜10であり;上記式(2)中、Rは水素または炭素数1〜10の炭化水素基を表し;上記式(3)中、T1、T2およびT3は互いに独立して、(メタ)アクリロイルオキシ基を表し;上記式(4)中、Tは水酸基または(メタ)アクリロイルオキシ基を表す。
本発明の第2の偏光板における脂環式エポキシ化合物および(メタ)アクリル系化合物は、それぞれ分子内に少なくとも2個の官能基を有することが好ましい。
また、本発明の第2の偏光板における保護膜を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、当該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部中、0.01〜10重量部の光カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。
本発明の第1の偏光板、第2の偏光板のいずれも、保護膜の厚みが1〜35μmであることが好ましい。
本発明によれば、耐湿熱性に優れ、さらに薄型軽量化されても偏光フィルムの収縮が抑制された偏光板が提供される。
後述する実施例における耐水性の評価試験方法を模式的に示す図であって、図1(A)は温水浸漬前のサンプル1、図1(B)は温水浸漬後のサンプル1を示している。
本発明の偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向された偏光フィルムと、当該偏光フィルムの少なくとも一方側に形成された特定の保護膜とを備えることを基本構成とする。本発明の第1の偏光板は、この保護膜が、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物を主成分とし、弾性率が3000〜7000MPaであることを特徴とする。また本発明の第2の偏光板は、この保護膜が、脂環式環に結合したエポキシ基を分子内に少なくとも1個有する脂環式エポキシ化合物と、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であって、当該(メタ)アクリロイル基を有する化合物および重合開始剤のみからなる硬化物が3000MPa以上の弾性率を与える(メタ)アクリル系化合物とを含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物を主成分とすることを特徴とする。なお、本明細書中で単に「偏光板」と総称する場合には、上述した第1の偏光板、第2の偏光板の両方を指すものとする。また、本明細書でいう「弾性率」は、特に断りのない限り、常温(約23℃)における引張弾性率を意味する。
本発明の偏光板に用いられる偏光フィルムとしては、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向された一般的な偏光フィルムが用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体としては、たとえば不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類などが挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%、好ましくは98〜100モル%である。これらのポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、たとえばアルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタールなども使用し得る。またポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1000〜10000の範囲内、好ましくは1500〜10000の範囲内である。
偏光フィルムは、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色して二色性色素を吸着させる工程(染色処理工程)、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程(ホウ酸処理工程)、ならびに、このホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程(水洗処理工程)を経て、製造される。
また、偏光フィルムの製造に際し、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは一軸延伸されるが、この一軸延伸は、染色処理工程の前に行ってもよいし、染色処理工程中に行ってもよいし、染色処理工程の後に行ってもよい。一軸延伸を染色処理工程の後に行う場合には、この一軸延伸は、ホウ酸処理工程の前に行ってもよいし、ホウ酸処理工程中に行ってもよい。勿論、これらの複数の段階で一軸延伸を行うことも可能である。一軸延伸は、周速の異なるロール間で一軸に延伸するようにしてもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸するようにしてもよい。また、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤にて膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常4〜8倍程度である。
染色処理工程におけるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの二色性色素による染色は、たとえば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、二色性色素を含有する水溶液に浸漬することによって行われる。二色性色素としては、たとえばヨウ素、二色性染料などが用いられる。二色性染料には、たとえば、C.I.DIRECT RED 39などのジスアゾ化合物からなる二色性直接染料、トリスアゾ、テトラキスアゾなどの化合物からなる二色性直接染料が包含される。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、通常ヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は通常、水100重量部あたり0.01〜0.5重量部であり、ヨウ化カリウムの含有量は通常、水100重量部あたり0.5〜10重量部である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、染色に用いる水溶液の温度は、通常20〜40℃であり、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常30〜300秒である。
一方、二色性色素として二色性染料を用いる場合は、通常、水溶液二色性染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液における二色性染料の含有量は、通常、水100重量部あたり1×10-3〜1×10-2重量部である。この水溶液は、硫酸ナトリウムなどの無機塩を染色助剤として含有していてもよい。二色性色素として二色性染料を用いる場合、染色に用いる染料水溶液の温度は、通常20〜80℃であり、また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常30〜300秒である。
ホウ酸処理工程は、二色性色素により染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬することにより行われる。ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は、水100重量部あたり、通常2〜15重量部、好ましくは5〜12重量部である。上述した染色処理工程における二色性色素としてヨウ素を用いた場合には、このホウ酸処理工程に用いるホウ酸含有水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。この場合、ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、水100重量部あたり、通常2〜20重量部、好ましくは5〜15重量部である。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常、100〜1200秒、好ましくは150〜600秒、さらに好ましくは200〜400秒である。ホウ酸含有水溶液の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50〜85℃である。
続く水洗処理工程では、上述したホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、たとえば水に浸漬することによって水洗処理する。水洗処理における水の温度は、通常5〜40℃であり、浸漬時間は、通常2〜120秒である。水洗処理後は、通常乾燥処理が施されて、偏光フィルムが得られる。乾燥処理は、たとえば熱風乾燥機、遠赤外線ヒータなどを好適に用いて行われる。乾燥処理の温度は通常40〜100℃である。乾燥処理の時間は、通常120〜600秒である。
こうしてポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、一軸延伸、二色性色素による染色、ホウ酸処理および水洗処理を施して、偏光フィルムが得られる。この偏光フィルムの厚みは、通常、5〜40μmの範囲内である。本発明の偏光板は、このような偏光フィルムの少なくとも一方側に特定の保護膜が形成される。
本発明の第1の偏光板では、この保護膜が活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物を主成分とし、弾性率が3000〜7000MPaであることを特徴とする。上記弾性率が3000MPa未満である場合には、偏光フィルムの収縮の抑制力が低下してしまうためであり、また、上記弾性率が7000MPaを超える場合には、偏光フィルムと保護膜との密着性が悪くなってしまうためである。偏光フィルムの収縮を抑制する効果をより有効に発現させ、また偏光フィルムとの高い密着性を保つ観点からは、本発明の第1の偏光板における保護膜の弾性率は、3300〜7000MPaの範囲内であることが好ましく、3500〜6500MPaの範囲内であることがより好ましい。
また前記保護膜は、特に高温条件下での偏光フィルムの収縮を抑制するために、80℃前後の高温における弾性率もあまり低くならないようにするのが好ましい。具体的には、80℃における貯蔵弾性率が1500〜5500MPaの範囲、とりわけ1500〜3000MPaの範囲にあることが好ましい。なお、80℃前後の高温において引張弾性率を求めようとすると、特に試験前後のサンプル長さを正確に測定することが難しいため、ここでは、高温での測定が容易で、サンプルの剛直性を表すという意味では引張弾性率に近い概念である貯蔵弾性率を採用した。
本発明の第1の偏光板における保護膜の形成に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とは、活性エネルギー線を照射することによって、直接あるいは重合開始剤を介して重合、硬化する化合物を少なくとも1種類含むものであり、たとえば、エポキシ系化合物、(メタ)アクリル系化合物、オキセタン系化合物、イソシアネート系化合物、エン−チオール系化合物などを単独または組み合わせて主成分として含有する樹脂組成物が例示される。中でも、透明性、接着性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性などに優れる観点から、エポキシ系化合物(特には脂環式エポキシ化合物)を主成分とする樹脂組成物や、エポキシ系化合物(特には脂環式エポキシ化合物)と(メタ)アクリル系化合物を含有する樹脂組成物が特に好適に用いられる。
保護膜は、偏光フィルムの少なくとも一方側に、上述した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の塗工液を塗布し、次いでこの塗工液を硬化させることで形成することができる。また、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの支持フィルム上に、上述した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の塗工液を塗布し、次いでこの塗工液を硬化させることで硬化樹脂膜を形成し、これを偏光フィルムの少なくとも一方側に転写する方法を採用することもできる。
本発明の偏光板における保護膜を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に用いられ得るエポキシ系化合物としては、耐候性や屈折率、カチオン重合性などの観点から、分子内に芳香環を含まないエポキシ系化合物を主成分として用いることが好ましい。このような分子内に芳香環を含まないエポキシ系化合物として、水素化エポキシ系化合物、脂環式エポキシ系化合物、脂肪族エポキシ系化合物などが例示できる。
水素化エポキシ系化合物は、芳香族エポキシ系化合物を触媒の存在下、加圧下で選択的に水素化反応を行うことにより得られる化合物である。芳香族エポキシ系化合物としては、たとえばビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジグリシジルエーテルなどのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラックエポキシ樹脂などのノボラック型のエポキシ樹脂;テトラヒドロキシフェニルメタンのグリシジルエーテル、テトラヒドロキシベンゾフェノンのグリシジルエーテル、エポキシ化ポリビニルフェノールなどの多官能型のエポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、水素化したビスフェノールAのグリシジルエーテルを用いることが好ましい。
また脂環式エポキシ化合物は、下記式に示すような脂環式環に結合したエポキシ基を分子内に少なくとも1個有する化合物を指す(式中、mは2〜5の整数を表す。)。
Figure 0005454857
上記式における(CH2m中の水素原子を1個または複数個取り除いた形の基が他の化学構造に結合した化合物が、脂環式エポキシ化合物となりうる。また、脂環式環を形成する水素がメチル基やエチル基のような直鎖状アルキル基で適宜置換されていてもよい。中でも、エポキシシクロペンタン環(上式においてm=3のもの)や、エポキシシクロヘキサン環(上式においてm=4のもの)を有する化合物を用いることが好ましい。以下に、脂環式エポキシ樹脂の構造を具体的に例示するが、これらの化合物に限定されるものではない。
・下記式(I)に相当するエポキシシクロヘキシルメチル エポキシシクロヘキサンカルボキシレート類:
Figure 0005454857
上記式(I)中、R1およびR2は互いに独立して、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表す。
・下記(II)に相当するアルカンジオールのエポキシシクロヘキサンカルボキシレート類:
Figure 0005454857
上記式(II)中、R3およびR4は互いに独立して、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表し、nは2〜20の整数を表す。
・下記式(III)に相当するジカルボン酸のエポキシシクロヘキシルメチルエステル類:
Figure 0005454857
上記式(III)中、R5およびR6は互いに独立して、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表し、pは2〜20の整数を表す。
・下記式(IV)に相当するポリエチレングリコールのエポキシシクロヘキシルメチルエーテル類:
Figure 0005454857
上記式(IV)中、R7およびR8は互いに独立して、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表し、qは2〜10の整数を表す。
・下記式(V)に相当するアルカンジオールのエポキシシクロヘキシルメチルエーテル類:
Figure 0005454857
上記式(V)中、R9およびR10は互いに独立して、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表し、rは2〜20の整数を表す。
・下記式(VI)に相当するジエポキシトリスピロ化合物:
Figure 0005454857
上記式(VI)中、R11およびR12は互いに独立して、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表す。
・下記式(VII)に相当するジエポキシモノスピロ化合物:
Figure 0005454857
上記式(VII)中、R13およびR14は互いに独立して、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表す。
・下記式(VIII)に相当するビニルシクロヘキセンジエポキシド類:
Figure 0005454857
上記式(VIII)中、R15は水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表す。
・下記式(IX)に相当するエポキシシクロペンチルエーテル類:
Figure 0005454857
(上記式(IX)中、R16およびR17は互いに独立して、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表す。)
・下式(X)に相当するジエポキシトリシクロデカン類:
Figure 0005454857
上記式(X)中、R18は水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表す。
これらのなかでも好適な脂環式エポキシ系化合物として、具体的には、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸と(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールとのエステル化物(上記式(I)において、R1=R2=Hの化合物)、4−メチル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸と(4−メチル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールとのエステル化物(上記式(I)において、R1=4−CH3、R2=4−CH3の化合物)、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸と1,2−エタンジオールとのエステル化物(上記式(II)において、R3=R4=H、n=2の化合物)、(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールとアジピン酸とのエステル化物(上記式(III)において、R5=R6=H、p=4の化合物)、(4−メチル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールとアジピン酸とのエステル化物(上記式(III)において、R5=4−CH3、R6=4−CH3、p=4の化合物)、(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールと1,2−エタンジオールとのエーテル化物〔上記式(V)において、R9=R10=H、r=2の化合物)などが挙げられる。
また、脂肪族エポキシ系化合物としては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルが挙げられる。具体的には、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコールやプロピレングリコール、グリセリンのような脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなど)を付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
ここに例示したエポキシ系化合物は、それぞれ単独で使用してもよいし、また複数のエポキシ系化合物を混合して使用してもよい。
本発明で使用するエポキシ系化合物のエポキシ当量は、通常30〜3000g/当量であり、好ましくは50〜1500g/当量である。エポキシ当量が30g/当量を下回ると、硬化後の保護膜の可撓性が低下したり、接着強度が低下したりする可能性がある。一方、3000g/当量を超えると、他の成分との相溶性が低下する可能性がある。
本発明の偏光板における保護膜の形成に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、上述したようなエポキシ系化合物(好ましくは脂環式環に結合したエポキシ基を含めて分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ系化合物)に、オキセタン系化合物を併用することもできる。オキセタン系化合物を併用することにより、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度を低くし、硬化速度を速めることができる。また、硬化膜の黄変を防ぎ、光学性能を向上させることができる。
オキセタン系化合物は、分子内に少なくとも1個のオキセタン環(4員環エーテル)を有する化合物であり、たとえば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル〕ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、フェノールノボラックオキセタンなどが挙げられる。これらのオキセタン系化合物は市販品を容易に入手することが可能であり、具体的には、アロンオキセタン OXT−101(東亞合成(株)製)、アロンオキセタン OXT−121(東亞合成(株)製)、アロンオキセタン OXT−211(東亞合成(株)製)、アロンオキセタン OXT−221(東亞合成(株)製)、アロンオキセタン OXT−212(東亞合成(株)製)などを挙げることができる。
オキセタン系化合物を併用する場合、保護膜の形成に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部中、5〜30重量部配合させることが好ましく、10〜25重量部配合させることがより好ましい。活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部中のオキセタン系化合物が5重量部未満である場合には、オキセタン系化合物の添加による粘度の低下、光学性能の向上などの効果が十分でないことがあり、また、30重量部を超える場合には、偏光フィルムと保護膜との密着性が低下する傾向にあるためである。
また本発明の偏光板における保護膜の形成には、反応性の観点から、エポキシ系化合物の硬化反応としてカチオン重合が好ましく用いられる。そのため保護膜の形成に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、光カチオン重合開始剤を配合するのが好ましい。光カチオン重合開始剤は、可視光線、紫外線、X線、電子線などの活性エネルギー線の照射または加熱によって、カチオン種またはルイス酸を発生し、エポキシ基の重合反応を開始する。いずれのタイプのカチオン重合開始剤であっても、潜在性が付与されていることが、作業性の観点から好ましい。
光カチオン重合開始剤を用いることで、常温(25℃)での保護膜の形成が可能となり、偏光フィルムの耐熱性または膨張による歪を考慮する必要が減少し、保護膜を良好に接着することができるという利点がある。また、光カチオン重合開始剤は光で触媒的に作用するため、エポキシ系化合物に混合しても保存安定性や作業性に優れる。活性エネルギー線の照射によりカチオン種やルイス酸を生じる化合物として、たとえば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩などのオニウム塩、鉄−アレン錯体などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
芳香族ジアゾニウム塩としては、たとえばベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロボレートなどが挙げられる。
また芳香族ヨードニウム塩としては、たとえばジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。
また、芳香族スルホニウム塩としては、たとえばトリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
鉄−アレン錯体としては、たとえばキシレン−シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロアンチモネート、クメン−シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート、キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II)−トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタナイドなどが挙げられる。
これらの光カチオン重合開始剤は、それぞれ単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。これらのなかでも特に芳香族スルホニウム塩は、300nm以上の波長領域でも紫外線吸収特性を有することから、硬化性に優れ、良好な機械強度や接着強度を有する硬化物を与えることができるため、好ましく用いられる。
これらの光カチオン重合開始剤は市販品として容易に入手でき、具体的には、カヤラッドPCI−220(日本化薬(株)製)、カヤラッドPCI−620(日本化薬(株)製)、UVI−6990(ユニオンカーバイド社製)、アデカオプトマーSP−150((株)ADEKA製)、アデカオプトマーSP−170((株)ADEKA製)、CI−5102(日本曹達(株)製)、CIT−1370(日本曹達(株)製)、CIT−1682(日本曹達(株)製)、CIP−1866S(日本曹達(株)製)、CIP−2048S(日本曹達(株)製)、CIP−2064S(日本曹達(株)製)、DPI−101(みどり化学(株)製)、DPI−102(みどり化学(株)製)、DPI−103(みどり化学(株)製)、DPI−105(みどり化学(株)製)、MPI−103(みどり化学(株)製)、MPI−105(みどり化学(株)製)、BBI−101(みどり化学(株)製)、BBI−102(みどり化学(株)製)、BBI−103(みどり化学(株)製)、BBI−105(みどり化学(株)製)、TPS−101(みどり化学(株)製)、TPS−102(みどり化学(株)製)、TPS−103(みどり化学(株)製)、TPS−105(みどり化学(株)製)、MDS−103(みどり化学(株)製)、MDS−105(みどり化学(株)製)、DTS−102(みどり化学(株)製)、DTS−103(みどり化学(株)製)、PI−2074(ローディア社製)などが挙げられる。
光カチオン重合開始剤の配合量は、特に制限されないが、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、1〜6重量部であることがより好ましい。光カチオン重合開始剤の配合量が0.01重量部未満である場合には、硬化が不十分になり、機械強度や接着強度が低下する。また、光カチオン重合開始剤の配合量が10重量部を超えると、硬化物中のイオン性物質が増加することで硬化物の吸湿性が高くなり、耐久性能が低下する可能性があるので、好ましくない。
本発明の第1の偏光板における保護膜の形成に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、上述したエポキシ系化合物などのカチオン重合性化合物に加えて、ラジカル系硬化性樹脂を含有するものであってもよい。当該ラジカル系硬化性樹脂としては、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリル系化合物を含有し、重合開始剤の存在下において活性エネルギー線(たとえば、紫外線、可視光、電子線、X線など)の照射により重合可能な(メタ)アクリル系化合物が好適に用いられ得る。本明細書においては、アクリロイル基またはメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基、アクリレート基またはメタクリレート基を(メタ)アクリレート基と、アクリル酸またはメタクリル酸を(メタ)アクリル酸とそれぞれ略記することがある。
分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリル系化合物としては、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマー(以下、「(メタ)アクリレートモノマー」と呼称する。)、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー(以下、「(メタ)アクリレートオリゴマー」と呼称する。)などの(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の少なくとも1種が挙げられる。なお、(メタ)アクリロイルオキシ基とはアクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基を、(メタ)アクリル系化合物とはアクリル酸エステル誘導体およびメタクリル酸エステル誘導体をそれぞれ意味し、(メタ)アクリレートモノマーとはアクリレートモノマーおよびメタアクリレートモノマーを、(メタ)アクリレートオリゴマーとはアクリレートオリゴマーまたはメタアクリレートオリゴマーをそれぞれ意味する。
(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子中に1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー(以下、「単官能(メタ)アクリレートモノマー」と呼称する。)、分子中に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する2官能(メタ)アクリレートモノマー(以下、「2官能(メタ)アクリレートモノマー」と呼称する。)および分子中に少なくとも3個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマー(以下、「多官能(メタ)アクリレートモノマー」と呼称する。)が挙げられる。なお、(メタ)アクリレートモノマーは1種または2種以上使用できる。
単官能(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの他、カルボキシル基含有の(メタ)アクリレートモノマーとして、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、N−(メタ)アクリロイルオキシ−N’,N’−ジカルボキシ−p−フェニレンジアミン、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸などが挙げられる。また、単官能(メタ)アクリレートモノマーには、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1−カルボキシメチルピペリジンなどの(メタ)アクリロイルアミノ基含有モノマーも包含される。
2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ハロゲン置換アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、脂肪族ポリオールのジ(メタ)アクリレート類、水添ジシクロペンタジエンまたはトリシクロデカンジアルカノールのジ(メタ)アクリレート類、ジオキサングリコールまたはジオキサンジアルカノールのジ(メタ)アクリレート類、ビスフェノールAまたはビスフェノールFのアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート類、ビスフェノールAまたはビスフェノールFのエポキシジ(メタ)アクリレート類などが代表的であるが、これらに限定されるものではなく、種々のものが使用できる。2官能(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートの他、シリコーンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシシクロヘキシル]プロパン、水添ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルジ(メタ)アクリレート〔別名:ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート〕、ヒドロキシピバルアルデヒドとトリメチロールプロパンとのアセタール化合物〔化学名:2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン〕のジ(メタ)アクリレート、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの3価以上の脂肪族ポリオールのポリ(メタ)アクリレートが代表的なものであり、その他に、3価以上のハロゲン置換ポリオールのポリ(メタ)アクリレート、グリセリンのアルキレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリス[(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシ]プロパン、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、シリコーンヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、2官能以上の多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(以下、「多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー」と呼称する。)、2官能以上の多官能ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー(以下、「多官能ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー」と呼称する。)、2官能以上の多官能エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー(以下、「多官能エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー」と呼称する。)などが挙げられる。(メタ)アクリレートオリゴマーは1種または2種以上使用できる。
多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、1分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基および水酸基をそれぞれ少なくとも1個有する(メタ)アクリレートモノマーとポリイソシアネートとのウレタン化反応生成物、ポリオール類をポリイソシアネートと反応させて得られるイソシアネート化合物と1分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基および水酸基をそれぞれ少なくとも1個有する(メタ)アクリレートモノマーとのウレタン化反応生成物などが挙げられる。
ウレタン化反応に用いられる1分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基及び水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ウレタン化反応に用いられるポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、これらジイソシアネートのうち芳香族のイソシアネート類を水素添加して得られるジイソシアネート(たとえば、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネートなどのジイソシアネート)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ジメチレントリフェニルトリイソシアネートなどのジ−またはトリ−イソシアネート、あるいはジイソシアネートを多量化させて得られるポリイソシアネートなどが挙げられる。
ウレタン化反応に用いられるポリオール類としては、一般的に芳香族、脂肪族および脂環式のポリオールの他、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどが使用される。通常、脂肪族および脂環式のポリオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジメチロールヘプタン、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブチリオン酸、グリセリン、水添ビスフェノールAなどが挙げられる。
ポリエステルポリオールは、上述したポリオール類と多塩基性カルボン酸(無水物)との脱水縮合反応により得られるものである。多塩基性カルボン酸の具体的な化合物としては、(無水)コハク酸、アジピン酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。また、ポリエーテルポリオールとしてはポリアルキレングリコールの他、上記ポリオールまたはフェノール類とアルキレンオキサイドとの反応により得られるポリオキシアルキレン変性ポリオールが挙げられる。
また、多官能ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーは、(メタ)アクリル酸、多塩基性カルボン酸(無水物)およびポリオールの脱水縮合反応により得られる。脱水縮合反応に用いられる多塩基性カルボン酸(無水物)としては、(無水)コハク酸、アジピン酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。また、脱水縮合反応に用いられるポリオールとしては1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジメチロールヘプタン、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブチリオン酸、グリセリン、水添ビスフェノールAなどが挙げられる。
また、多官能エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる。ポリグリシジルエーテルとしては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
本発明においては(メタ)アクリル系化合物の中でも特に、密着性と弾性率がともに優れている点から、下記式(1)〜(4)で表される(メタ)アクリル系化合物を少なくとも1つ使用することが好ましい。
Figure 0005454857
前記式(1)および(2)において、Q1およびQ2は互いに独立に、(メタ)アクリロイルオキシ基または(メタ)アクリロイルオキシアルキル基を表す。Q1またはQ2が(メタ)アクリロイルオキシアルキル基である場合、そのアルキルは、直鎖でも分岐していてもよく、1〜10の炭素数をとることができるが、一般には炭素数1〜6程度で十分である。また式(2)において、Rは水素または炭素数1〜10の炭化水素基であり、炭化水素基は、直鎖でも分岐していてもよく、典型的にはアルキル基であることができる。この場合のアルキル基も、一般には炭素数1〜6程度で十分である。さらに、式(3)において、T1、T2およびT3は互いに独立して、(メタ)アクリロイルオキシ基を表し、式(4)において、Tは水酸基または(メタ)アクリロイルオキシ基を表す。
式(1)で表される化合物は、水添ジシクロペンタジエンまたはトリシクロデカンジアルカノールのジ(メタ)アクリレート誘導体であり、その具体例としては、先にも例示したものであるが、水添ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート〔式(1)において、Q1=Q2=(メタ)アクリロイルオキシ基の化合物〕、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート〔式(1)において、Q1=Q2=(メタ)アクリロイルオキシメチル基の化合物〕などが挙げられる。
式(2)で表される化合物は、ジオキサングリコールまたはジオキサンジアルカノールのジ(メタ)アクリレート誘導体であり、その具体例としては、先にも例示したものであるが、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルジ(メタ)アクリレート〔別名:ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、式(2)において、Q1=Q2=(メタ)アクリロイルオキシ基、R=Hの化合物〕、ヒドロキシピバルアルデヒドとトリメチロールプロパンとのアセタール化合物〔化学名:2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン〕のジ(メタ)アクリレート〔式(2)において、Q1=(メタ)アクリロイルオキシメチル基、Q2=2−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ジメチルエチル基、R=エチル基の化合物〕などが挙げられる。
式(3)で表される化合物は、先にも例示したものであるが、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレートまたはトリメタアクリレートである。
また、式(4)で表される化合物は、ペンタエリスリトールのトリ−またはテトラ−(メタ)アクリレートであり、その具体例としては、先にも例示したものであるが、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリル系化合物を用いる場合、通常、活性エネルギー線の照射により光硬化性組成物の硬化を開始する光ラジカル重合開始剤が配合される。光ラジカル重合開始剤としては、たとえばアセトフェノン、3−メチルアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンをはじめとするアセトフェノン系開始剤;ベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノンをはじめとするベンゾフェノン系開始剤;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテルをはじめとするベンゾインエーテル系開始剤;4−イソプロピルチオキサントンをはじめとするチオキサントン系開始剤;その他、キサントン、フルオレノン、カンファーキノン、ベンズアルデヒド、アントラキノンなどが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
光ラジカル重合開始剤の配合量は特に制限されないが、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部に対して0.5〜20重量部であることが好ましく、1〜6重量部であることがより好ましい。光ラジカル重合開始剤の配合量が活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部に対して0.5重量部未満である場合には、硬化が不十分になり、機械強度や接着強度が低下する傾向にあり、また、光ラジカル重合開始剤の配合量が活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部に対して20重量部を超える場合には、硬化物中のイオン性物質が増加することで硬化物の吸湿性が高くなり、耐久性能が低下する可能性があるので、好ましくない。
本発明の第2の偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向された偏光フィルムと、当該偏光フィルムの少なくとも一方側に形成された保護膜とを備え、当該保護膜が、上述したカチオン重合性の脂環式エポキシ化合物と、ラジカル重合性の特定の(メタ)アクリル系化合物とを併用した混合組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(ハイブリッド系硬化性樹脂)の硬化物を主成分とすることを特徴とする。このような併用系である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、液粘度、硬化速度、表面硬化性、硬化物の物性などを調整することが容易になるという利点がある。
なお、本発明の第2の偏光板における保護膜の形成に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物における(メタ)アクリル系化合物としては、当該(メタ)アクリロイル基を有する化合物および重合開始剤のみからなる硬化物が3000MPa以上(好ましくは3100MPa以上)の弾性率を与えるものを用いる必要がある。当該(メタ)アクリロイル基を有する化合物および重合開始剤のみからなる硬化物の弾性率が3000MPa未満である(メタ)アクリル系化合物を用いた場合には、保護膜としての機械強度が不足し、偏光フィルムの収縮を抑制することができなくなるためである。
本発明の第2の偏光板において保護膜の形成に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物における(メタ)アクリル系化合物の配合量は、当該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部に対して30〜70重量部であることが好ましく、35〜65重量部であることがより好ましく、40〜60重量部であることが特に好ましい。(メタ)アクリル系化合物の配合量が当該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部に対して30重量部未満である場合には、偏光板の収縮率が大きくなる傾向にあるためであり、また、(メタ)アクリル系化合物の配合量が当該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部に対して70重量部を超える場合には、偏光フィルムと保護膜との密着性が低下するため、好ましくない。
本発明の第2の偏光板において保護膜の形成に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物にも、上述したようにさらにオキセタン系化合物が含有されていることが好ましい。この場合、オキセタン系化合物の含有量は、上述した理由から、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部に対して5〜30重量部であることが、好ましい。
本発明の第2の偏光板において保護膜の形成に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物における(メタ)アクリル系化合物はまた、上述したように、前記式(1)、(2)で表される化合物の少なくとも一つを含有することが好ましい。
本発明の第2の偏光板において保護膜の形成に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物における脂環式エポキシ化合物および(メタ)アクリル系化合物は、硬化膜が架橋構造を有し、硬い保護膜が得られる点から、それぞれ分子内に少なくとも2個の官能基を有することが好ましい。
また本発明の第2の偏光板において保護膜の形成に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、上述と同様の理由から、当該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部中、0.01〜10重量部の光カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。
本発明の偏光板(第1の偏光板、第2の偏光板のいずれもを含む)における保護膜は、上述した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を未硬化の塗工液の状態で、適宜のフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルムなど)に塗布し、これを挟むようにして偏光フィルムの少なくとも一方側に貼合した後、活性エネルギー線(可視光線、紫外線、X線、電子線など)の照射および/または加熱によって硬化させた後、フィルムを除去する、という手順にて好適に形成することができる。
活性エネルギー線の照射により重合を行う場合、利用される光源も特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプなどを用いることができる。活性エネルギー線硬化性樹脂組成物への光照射強度は、目的とする組成物ごとに決定されるものであって、やはり特に限定されないが、開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が10〜2500mW/cm2であることが好ましい。光照射強度が10mW/cm2未満であると、反応時間が長くなりすぎ、2500mW/cm2を超えると、ランプから輻射される熱および組成物の重合時の発熱により、組成物の黄変や偏光フィルムの劣化を生じる可能性がある。組成物への光照射時間は、硬化する組成物ごとに制御されるものであって、やはり特に限定されないが、照射強度と照射時間の積として表される積算光量が10〜2500mJ/cm2となるように設定されることが好ましい。上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物への積算光量が10mJ/cm2未満であると、開始剤由来の活性種の発生が十分でなく、得られる保護膜の硬化が不十分となる可能性があり、一方でその積算光量が2500mJ/cm2を超えると、照射時間が非常に長くなり、生産性向上には不利なものとなる。なお、活性エネルギー線の照射で硬化させる場合でも、偏光フィルムの偏光度や透過率など各種性能が低下しない範囲で硬化させることが好ましい。
本発明の偏光板(第1の偏光板、第2の偏光板のいずれもを含む)における保護膜の厚みは、特に制限されないが、薄型軽量性、保護機能、取扱い性などの観点から、1〜35μmであるのが好ましい。
なお、本発明における保護膜は、偏光フィルムの両面に形成されてもよいが、その場合、それぞれの保護膜は同じ組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、使用量ないし含有量を表す「部」及び「%」は、特に断りのない限り重量基準である。
<偏光フィルムの製造例>
厚み75μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度:1700、ケン化度:99.9モル%以上)に延伸倍率5倍で一軸延伸を施し、緊張状態に保ったまま、ヨウ素およびヨウ化カリウムを含む水溶液(ヨウ素:ヨウ化カリウム:水=0.05:5:100(重量比))に60秒間浸漬した。次にヨウ化カリウムおよびホウ酸を含む65℃の水溶液(ヨウ化カリウム:ホウ酸:水=2.5:7.5:100(重量比))に300秒浸漬した。25℃の純水で20秒水洗した後、50℃で乾燥してポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向した偏光フィルムを得た。
<活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造例>
(組成物1)
以下の各成分を混合して、組成物1とした。
・3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(セロキサイド 2021P、ダイセル化学(株)製):35部
・ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(アロンオキセタン OXT−221、東亞合成(株)製):15部
・トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(A−DCP、新中村化学工業(株)製):50部
・2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(DAROCUR 1173、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)(光ラジカル重合開始剤):2.25部
・4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート系のカチオン重合開始剤(SP−150、(株)ADEKA製):2.25部
(組成物2)
以下の各成分を混合して、組成物2とした。
・3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(セロキサイド 2021P、ダイセル化学(株)製):35部
・ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(アロンオキセタン OXT−221、東亞合成(株)製):15部
・ヒドロキシピバルアルデヒドとトリメチロールプロパンとのアセタール化合物のジアクリレート〔前記式(2)において、Q1=アクリロイルオキシメチル基、Q2=2−アクリロイルオキシ−1,1−ジメチルエチル基、R=エチル基の化合物〕(A−DOG、新中村化学工業(株)製):50部
・2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(DAROCUR 1173、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)(光ラジカル重合開始剤):2.25部
・4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート系のカチオン重合開始剤(SP−150、(株)ADEKA製):2.25部
(組成物3)
以下の各成分を混合して、組成物3とした。
・3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(セロキサイド 2021P、ダイセル化学(株)製):35部
・ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(アロンオキセタン OXT−221、東亞合成(株)製):15部
・1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレート(A−9300、新中村化学工業(株)製):50部
・2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(DAROCUR 1173、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)(光ラジカル重合開始剤):2.25部
・4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート系のカチオン重合開始剤(SP−150、(株)ADEKA製):2.25部
(組成物4)
以下の各成分を混合して、組成物4とした。
・3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(セロキサイド 2021P、ダイセル化学(株)製):35部
・ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(アロンオキセタン OXT−221、東亞合成(株)製):15部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート(A−TMMT、新中村化学工業(株)製):50部
・2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(DAROCUR 1173、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)(光ラジカル重合開始剤):2.25部
・4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート系のカチオン重合開始剤(SP−150、(株)ADEKA製):2.25部
(組成物5)
以下の各成分を混合して、組成物5とした。
・3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(セロキサイド 2021P、ダイセル化学(株)製):15部
・3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(アロンオキセタン OXT−101、東亞合成(株)製):15部
・ビスフェノールAのエチレンオキサイド変性ジアクリレート(アロニックス M−210、東亞合成(株)製):49部
・トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA):21部
・2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(DAROCUR 1173、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)(光ラジカル重合開始剤):3部 ・4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート系のカチオン重合開始剤(SP−150、(株)ADEKA製):2部
(組成物6)
以下の各成分を混合して、組成物6とした。
・核水添ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(エピコート YX8000、ジャパンエポキシレジン(株)製):100部
・4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート系のカチオン重合開始剤(SP−150、(株)ADEKA製):40部
(組成物7)
以下の各成分を混合して、組成物7とした。
・核水添ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(エピコート YX8000、ジャパンエポキシレジン(株)製):70部
・1,4−ビス〔{(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}メチル〕ベンゼン(アロンオキセタン OXT−121、東亞合成(株)製):30部
・4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート系のカチオン重合開始剤(SP−150、(株)ADEKA製):40部
(組成物8)
以下の各成分を混合して、組成物8とした。
・3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(セロキサイド 2021P、ダイセル化学(株)製):35部
・ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(アロンオキセタン OXT−221、東亞合成(株)製):15部
・2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(702A、新中村化学工業(株)製):50部
・2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(DAROCUR 1173、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)(光ラジカル重合開始剤):2.25部
・4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート系のカチオン重合開始剤(SP−150、(株)ADEKA製):2.25部
<実施例1〜3>
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(エステルフィルムE7002、東洋紡(株)製)の片面に、塗工機(バーコーター、第一理化(株)製)を用いて、組成物1を、硬化後の膜厚が10μm(実施例1)、20μm(実施例2)、または30μm(実施例3)となるように塗工した。組成物を塗工したときの膜厚は粘度によって変化するため、バーコーターの番線の番号を変えることで膜厚を調節した。こうして活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の層が形成されたPETフィルム2枚を、上述したようにして製造した偏光フィルムの両面に、塗工面が偏光フィルムを挟むようにして配置し、貼付装置(LPA3301、フジプラ(株)製)を用いて貼合した。
この貼合品に、Fusion UVランプシステム(フュージョンUVシステムズ社製)のDバルブにより、紫外線を積算光量1500mJ/cm2で照射し、偏光フィルムの両面に配置された活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させた。その後、PETフィルムを除去して、偏光フィルムの両面が活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物で保護された偏光板を得た。
<実施例4〜6>
実施例1で用いた組成物1を、組成物2(実施例4)、組成物3(実施例5)、および組成物4(実施例6)にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
<比較例1〜4>
実施例1で用いた組成物1を、組成物5(比較例1)、組成物6(比較例2)、組成物7(比較例3)、および組成物8(比較例4)にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
<比較例5>
ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している偏光フィルムの両面に、それぞれ厚さ80μmのトリアセチルセルロース(表1では「TAC」と略記)からなる保護フィルムが貼合されている偏光板(TRW842A、住友化学(株)製)を、比較例5として用いた。
表1に、実施例1〜6および比較例1〜5でそれぞれ用いた組成物の組成、それを硬化させたときの弾性率、そこに配合された(メタ)アクリル系化合物とラジカル重合開始剤のみからなる硬化物の弾性率(表では「弾性率」の欄に単に「アクリル」と記載)、および各組成物の硬化物の80℃における貯蔵弾性率を示す。なお、弾性率および貯蔵弾性率は、それぞれ次のようにして求めた。
〔弾性率の測定方法〕
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(エステルフィルムE7002、東洋紡(株)製)の片面に、塗工機(バーコーター、第一理化(株)製)を用いて、上記各組成物を塗工し、フュージョンUVシステムズ社製のDバルブにより紫外線を積算光量1500mJ/cm2で照射し、各組成物を硬化させた。これを1cm×8cmにカットして、PETフィルムを剥がし、各組成物の単独硬化フィルムを得た。引張試験機(AUTOGRAPH AG−1S、(株)島津製作所製)の上下つかみ具に、得られた単独フィルムをその長辺が引っ張る方向となるようにつかみ具の間隔5cmで把持し、温度23℃、相対湿度55%の環境下、引張り速度10mm/分で引張り、応力−ひずみ曲線の初期の直線から、データ処理ソフトウェア((株)島津製作所製、TRAPEZIUM2)により弾性率を計算した。また、各組成物に用いた(メタ)アクリル系化合物およびラジカル重合開始剤のみからなる硬化物についても同様に作製し、測定した。
〔80℃における貯蔵弾性率の測定方法〕
上述と同様にPETフィルム上に各組成物を塗工し、紫外線照射して硬化させた。次に、これを5mm×30mmにカットし、PETフィルムを剥がして、各組成物の単独硬化フィルムを得た。アイティー計測制御(株)製の動的粘弾性測定装置DVA−220を使用し、得られた単独フィルムをその長辺が引っ張る方向となるようにつかみ具の間隔2cmで把持し、引張りと収縮の周波数1Hz、昇温速度3℃/分に設定し、80℃における貯蔵弾性率を求めた。
表1においては、エポキシ系カチオン重合性化合物、オキセタン系カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、カチオン系重合開始剤およびラジカル系重合開始剤を、先に示した商品名ないし略語に準じて、それぞれ以下の項目毎にコロンの左側に示す記号で表示した。商品名ないし略語と同じになるものもあるが、表1に現れる全ての記号を以下に示す。
〔エポキシ系カチオン重合性化合物〕
・CEL 2021P:ダイセル化学(株)製のセロキサイド 2021P、化学名は3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート。
・YX8000:ジャパンエポキシレジン(株)製のエピコート YX8000、化学名は核水添ビスフェノールAのジグリシジルエーテル。
〔オキセタン系カチオン重合性化合物〕
・OXT−221:東亞合成(株)製のアロンオキセタン OXT−221、化学名はビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル。
・OXT−101:東亞合成(株)製のアロンオキセタン OXT−101、化学名は3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン。
・OXT−121:東亞合成(株)製のアロンオキセタン OXT−121、化学名は1,4−ビス〔{(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}メチル〕ベンゼン。
〔ラジカル重合性化合物〕
・A−DCP:新中村化学工業(株)製のA−DCP、化学名はトリシクロデカンジメタノールジアクリレート。
・A−DOG:新中村化学工業(株)製のA−DOG、化学名はヒドロキシピバルアルデヒドとトリメチロールプロパンとのアセタール化合物のジアクリレート〔前記式(2)において、Q1=アクリロイルオキシメチル基、Q2=2−アクリロイルオキシ−1,1−ジメチルエチル基、R=エチル基の化合物〕。
・A−9300:新中村化学工業(株)製のA−9300、化学名は1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレート。
・A−TMMT:新中村化学工業(株)製のA−TMMT、化学名はペンタエリスリトールテトラアクリレート。
・M−210:東亞合成(株)製のアロニックス M−210、化学名はビスフェノールAのエチレンオキサイド変性ジアクリレート。
・TMPTA:化学名はトリメチロールプロパントリアクリレート。
・702A:新中村化学工業(株)製の702A、化学名は2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート。
〔カチオン系重合開始剤〕
・SP−150:(株)ADEKA製のSP−150、4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート系のカチオン重合開始剤。
〔ラジカル系重合開始剤〕
・DAROCUR 1173:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のDAROCUR 1173、化学名は2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン。
Figure 0005454857
<評価試験>
実施例1〜6および比較例1〜5で作製した偏光板について、以下の評価試験を行った。結果を表2に示す。
〔1〕密着性試験(クロスハッチ試験)
偏光板の一方の保護膜側で感圧接着剤を介してガラスに貼合し、ガラス面と反対側の保護膜表面にカッターナイフで1mm角の碁盤目を100個刻み、そこにセロハンテープを貼ってから引き剥がす試験を行い、100個の碁盤目のうち剥がれずに残った碁盤目の数で密着性を評価した。残った碁盤目の数が100/100の場合を◎、50〜89/100の場合を△、0〜49/100の場合を×とした。なお、50〜99/100の場合はなかった。
〔2〕耐温水性試験
各偏光板について、以下の耐温水性試験(温水浸漬試験)を行い、耐水性を評価した。まず、偏光板の吸収軸(延伸方向)を長辺として5cm×2cmの短冊状に偏光板をカットしてサンプルを作製し、長辺方向の寸法を正確に測定した。このときサンプルは、ポリビニルアルコールフィルムに吸着されたヨウ素に起因して、全面にわたって均一に特有の色を呈している。図1は、耐水性の評価試験方法を模式的に示す図であり、図1(A)は温水浸漬前のサンプル1、図1(B)は温水浸漬後のサンプル1を示している。図1(A)に示すように、サンプルの一短辺側を把持部5で把持し、長手方向の8割ほどを60℃の水槽に浸漬し、4時間保持した。その後、サンプル1を水槽から取り出し、水分を拭き取った。
温水浸漬により、偏光板を構成する偏光フィルム4は収縮する。すなわち、図1(B)に示すように、温水浸漬により、偏光板の真中に位置する偏光フィルム4が縮むことにより、保護膜間に偏光フィルム4が存在しない領域2が形成される。そして、短辺中央におけるサンプル1の端1a(保護膜の端)から収縮した偏光フィルム4の端までの距離を収縮長さとした。また、温水浸漬によって、温水に接する偏光フィルム4の周縁部からヨウ素が溶出し、サンプル1の周縁部に色が抜けた部分3が生じる。この色が抜けた部分の長さをヨウ素抜け長さとした。これら収縮長さとヨウ素抜け長さとの合計を総侵食長さXとした。すなわち、総侵食長さXとは、サンプル1の短辺中央における、サンプル1の端1a(保護膜の端)から偏光板特有の色が残っている領域までの距離である。総侵食長さXが小さいほど、水存在下における接着性(耐水性)が高いと判断することができる。浸食距離が1000μm未満の場合を◎、1000μm以上3000μm未満の場合を△、そして3000μm以上の場合を×として評価した。
〔3〕寸法安定性試験
各偏光板について、85℃の乾燥環境下に120時間置いた後の寸法変化を測定した。すなわち、まず偏光板を8cm×8cmのサイズにカットし、感圧接着剤を介してガラスに貼合し、測定サンプルとした。このサンプルに、温度50℃、圧力5kg/cm2(490.3kPa)で1時間オートクレーブ処理を施した後、温度23℃、相対湿度55%の環境下で24時間放置した。この状態の寸法を初期とし、85℃の乾燥環境下に120時間静置した後、縦方向(MD)および横方向(TD)の寸法を二次元寸法測定器((株ニコン)製、NEXIV VMR−12072)を用いて測定し、下式より寸法変化率を算出した。
寸法変化率(%)={(試験後の寸法−初期の寸法)/初期の寸法}×100
表2には、MD方向における寸法変化率を示した(いずれも符号がマイナスなので、収縮していることを意味する)。寸法変化率が絶対値で0.7%未満の場合を◎、0.7%以上1.0%未満の場合を○、1.0%以上1.3%未満の場合を△、1.3%以上の場合を×として評価した。
〔4〕光学耐久性試験
各偏光板について、85℃乾燥または、60℃で相対湿度90%の環境下に静置し、時間経過における光学性能の変化を求めた。すなわち、まず偏光板を3cm×3cmのサイズにカットし、感圧接着剤を介してガラスに貼合し、測定サンプルとした。このサンプルに、温度50℃、圧力5kg/cm2(490.3kPa)で1時間オートクレーブ処理を施した後、温度23℃、相対湿度55%の環境下で24時間放置した。このサンプルについて、紫外可視分光光度計(UV2450、(株)島津製作所製)にオプションアクセサリーの「偏光フィルム付フィルムホルダー」をセットして、波長380〜700nmの範囲における偏光板の透過軸方向と吸収軸方向の透過スペクトルを測定し、それらをもとに、偏光度Py(単位:%)と単体透過率Ty(単位:%)を求め、さらにJIS Z 8729に準拠して単体色相である単体b*(単位なし)を求めた。この状態の光学性能を初期とし、85℃乾燥または、60℃で相対湿度90%の環境下に120時間静置した後の光学性能を測定し、下式より偏光度変化ΔPy、単体透過率変化ΔTyおよび色相変化Δb*を算出した。
ΔPy=試験後Py−初期Py
ΔTy=試験後Ty−初期Ty
Δb*=試験後b*−初期b*
そして、ΔPyについては、%で表示される偏光度の変化量が1ポイント未満の場合を◎、1ポイント以上5ポイント未満の場合を△、5ポイント以上の場合を×として評価した。ΔTyについては、%で表示される透過率の変化量が3ポイント未満の場合を◎、3ポイント以上5ポイント未満の場合を△、5ポイント以上の場合を×として評価した。またΔb*については、変化量が3未満の場合を◎、3以上5未満の場合を△、5以上の場合を×として評価した。表2には、85℃乾燥下に置いた場合のΔPyおよびΔb*の評価結果と、60℃で相対湿度90%の環境下に置いた場合のΔPyおよびΔTyの評価結果を示した。
〔5〕膜厚測定
膜厚測定器(ZC−101、(株)ニコン製)を用い、作製した偏光板全体(上下保護膜と偏光フィルムとの積層体)の膜厚を測定した。
Figure 0005454857
表2より、実施例では、偏光フィルムとの密着性に優れた保護膜を有し、耐水性、寸法安定性および光学耐久性ともに優れた薄膜の偏光板が得られていることが分かる。
1 サンプル、2 保護フィルム間の偏光フィルムが存在しない領域、3 偏光板周縁部の色が抜けた部分、4 収縮した偏光フィルム、5 把持部。

Claims (5)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向された偏光フィルムと、当該偏光フィルムの少なくとも一方側に形成された、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物を主成分とする保護膜とを備え、
    当該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、分子内にエポキシ基を有するエポキシ系化合物と(メタ)アクリル系化合物とを含有し、
    当該(メタ)アクリル系化合物は、下記式(1)〜(4):
    Figure 0005454857
    (上記式(1)および(2)中、Q1およびQ2は互いに独立して、(メタ)アクリロイルオキシ基または(メタ)アクリロイルオキシアルキル基を表し、ここでアルキルの炭素数は1〜10であり;
    上記式(2)中、Rは水素または炭素数1〜10の炭化水素基を表し;
    上記式(3)中、T1、T2およびT3は互いに独立して、(メタ)アクリロイルオキシ基を表し;
    上記式(4)中、Tは水酸基または(メタ)アクリロイルオキシ基を表す。)
    で表される化合物を少なくとも1つ含有し、
    当該保護膜は、弾性率が3300〜7000MPaである、偏光板。
  2. 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を構成するエポキシ系化合物は、脂環式エポキシ化合物を含有する請求項1に記載の偏光板。
  3. 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を構成する(メタ)アクリル系化合物は、当該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100重量部に対して35〜65重量部配合されている請求項1または2に記載の偏光板。
  4. 保護膜を形成する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、さらにオキセタン系化合物を含有する請求項1〜のいずれかに記載の偏光板。
  5. 保護膜の厚みが1〜35μmである請求項1〜のいずれかに記載の偏光板。
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