JP2008134385A - 液晶表示用偏光板 - Google Patents

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Norimasa Yamada
憲昌 山田
Masayoshi Kumakura
昌義 熊倉
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雅夫 杉谷
Masanori Yoshihara
眞紀 吉原
Tetsuya Toyoshima
哲也 豊嶋
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Kyoritsu Chemical and Co Ltd
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Abstract

【課題】光漏れ、干渉縞等による色ムラ、着色や外部光の反射による視認不良が起きず、表面硬度が硬く、且つ撓み性を有し、且つ耐擦傷性に優れ、偏光子と保護層との密着性に優れ、高温高湿条件下でも高い偏光度を維持することができる液晶表示用偏光板及び液晶表示装置を提供する。
【解決手段】熱可塑性アクリル樹脂に数平均粒径2.0μm以下の弾性体粒子を分散させて樹脂組成物を得、熱可塑性アクリル樹脂と該樹脂組成物とを共押出成形して、熱可塑性アクリル樹脂層−樹脂組成物層−熱可塑性アクリル樹脂層の構造を有し、弾性体粒子がフィルムの厚さ方向中央に偏在し、且つ平均厚さが100μm未満である視認側保護層を得る。この視認側保護層と液晶セル側保護層とを脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、光重合開始剤とを含む光カチオン硬化型接着剤を介して偏光子の両面にそれぞれ積層し、液晶表示用偏光板を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示用偏光板に関する。さらに詳細には、液晶表示装置の視認側表面を保護し、干渉縞等による色ムラや外部光の反射による視認不良が起きず、表面硬度が硬く、且つ撓み性を有する液晶表示用偏光板に関する。
表示装置等の視認側表面(表示画面)は、人間が手を触れたりする機会などが多く、その表面が汚れたり、表面に傷が付いたりし、表示画像が見難くなることがある。そのために表示画面表面に保護層が貼られている。
表示装置等の表示画面を保護するために用いられるフィルムとして、例えば、特許文献1には、メチルメタクリレート50〜70質量部、無水マレイン酸10〜20質量部及びスチレン20〜35質量部からなるアクリル系樹脂(A)と、耐衝撃性アクリルゴム−メチルメタクリレートグラフト共重合体やブチル変性アセチルセルロースなどからなる強靱性改良剤(B)とを、質量比60〜90/40〜10で含有する組成物からなる偏光膜保護用フィルムが提案されている。
特許文献2には、グルタル酸無水物単位を含有するアクリル樹脂(A)を60〜90質量%、アクリル弾性体粒子(B)を7〜40質量%含有するアクリル樹脂フィルムであって、アクリル弾性体粒子(B)の平均粒径が70〜300nmであり、フィルムの破断伸度が15%以上、高張力下1%変形温度が100℃以上であるアクリル樹脂フィルムが提案されている。しかし、これらの保護層は、表面の硬さが小さく、表面を擦ることによって傷が付いたり、汚れたりするという難点があった。
特開平5−119217号公報 特開2005−314534号公報
一方、特許文献3には、メタクリル酸メチルを主成分とする連続樹脂相中に常温でゴム状の弾性体を粒子径0.15〜4μmの粒子状で不連続的に5〜70質量%分散させた耐衝撃性アクリル樹脂を基材部とし、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレ−ト単位を有する一般アクリル樹脂を積層部として、基材部の片面又は両面に0.5μmから100μmの厚さで且つ、積層部の合計厚さがシ−ト全体の厚さの30%以内となる厚さで積層させたヘイズ値が1.0%以下、光沢度が130%以上の光学的特性を有する耐候性に優れた耐衝撃性アクリル樹脂積層シ−トが提案されている。このフィルムは、看板、照明カバー、自動車用サンバイザー等の耐衝撃性が要求される用途に用いられると特許文献3は開示している。
特開平4−59246号公報
特許文献4及び5には、アクリル系ゴム粒子およびアクリル系樹脂を含有する層と、耐衝撃材料を含まないアクリル系樹脂の層と、からなるアクリル系樹脂積層フィルムが提案されている。このフィルムは、高い耐衝撃強度が要求される家電製品の外装、自動車の内装、建築用資材などに用いられることが開示されている。
特開2002−292808号公報 特開2001−260288号公報
また、特許文献6には、携帯型情報端末の表示画面を保護するフィルムとして、メタクリル樹脂中にゴム粒子が分散したアクリル系樹脂層を含み、100μm以上1,800μm以下の厚さを有するアクリル系樹脂フィルムの表面に、硬化性塗料を硬化させた耐擦傷性皮膜が形成されてなる耐擦傷性アクリル系樹脂フィルムが提案されている。この保護層は、携帯型情報端末などのような、狭い視認側保護層としては適しているが、広い表示画面を持つ表示装置の保護層としては表面硬度が不十分であった。
特開2004−143365号公報
本発明の目的は、光漏れ、干渉縞等による色ムラ、着色や外部光の反射による視認不良が起きず、表面硬度が硬く、撓み性を有し、耐擦傷性に優れ、偏光子と保護層との密着性に優れ、且つ高温高湿条件下でも高い偏光度を維持することができる液晶表示用偏光板及び液晶表示装置を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するために検討した結果、熱可塑性アクリル樹脂を主成分として含んでなり、数平均粒径2.0μm以下の弾性体粒子が保護層の厚さ方向中央部に偏在しており、且つ平均厚さが100μm未満である保護層と、偏光子とが、脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、光重合開始剤とを含む光カチオン硬化型接着剤を介して積層されてなる偏光板を用いることによって、光漏れ、干渉縞等による色ムラ、着色や外部光の反射による視認不良が起きず、表面硬度が硬く、撓み性を有し、耐擦傷性に優れ、偏光子と保護層との密着性に優れ、且つ高温高湿条件下でも高い偏光度を維持することができる液晶表示装置を得ることができることを見出した。本発明はこの知見に基づいてさらに検討した結果完成したものである。
すなわち、本発明は、以下のものを含む。
(1) 熱可塑性アクリル樹脂を含んでなり、数平均粒径2.0μm以下の弾性体粒子が視認側保護層の厚さ方向中央部に偏在しており且つ平均厚さが100μm未満である保護層と、
偏光子とが、
脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、光重合開始剤とを含む光カチオン硬化型接着剤を介して積層されてなる、
液晶表示用偏光板。
(2) 熱可塑性アクリル樹脂と数平均粒径2.0μm以下の弾性体粒子とからなる層及びそれを挟んで両面に積層される熱可塑性アクリル樹脂からなる層とを有する平均厚さが100μm未満である保護層と、
偏光子とが、
脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、光重合開始剤とを含む光カチオン硬化型接着剤を介して積層されてなる、
液晶表示用偏光板。
(3) 保護層は紫外線吸収剤を含む(1)又は(2)に記載の液晶表示用偏光板。
(4) 保護層は透湿度が10g・m-2day-1以上、200g・m-2day-1以下である(1)〜(3)のいずれか一に記載の液晶表示用偏光板。
(5) (1)〜(4)のいずれか一に記載の偏光板を備える液晶表示装置。
本発明の偏光板は、柔軟で撓み性に優れ、表示画面に干渉縞などの視認不良が起きず、さらに表示画面の額縁付近での光漏れ、色むら、着色等による視認不良が無い液晶表示装置を提供できる。さらに、表面硬度が高いので、耐擦傷性にも優れている。さらに、本発明の偏光板は、外部光の反射が少なく、偏光子と保護層との密着性に優れ、高温高湿条件下でも高い偏光度を維持することができる。
本発明の偏光板は、保護層と、偏光子とが、脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、光重合開始剤とを含む光カチオン硬化型接着剤を介して積層されてなるものである。また、通常、偏光子には保護層が積層された側の反対側に別の保護層が積層される。
(光カチオン硬化型接着剤)
本発明に用いられる光カチオン硬化型接着剤は、脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、光重合開始剤とを含むものである。
本発明に用いられる脂肪族エポキシは、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルを含む。脂肪族エポキシとして、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。粘度が低い点から、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテルが好ましい。脂肪族エポキシの市販品としては、「エポライト100MF」(共栄社化学社製、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル)、「EX−321L」(ナガセケムテックス社製、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル)などがある。
本発明に用いられる脂環式エポキシとして、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、1,2:8,9ジエポキシリモネン、3、4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートなどが挙げられる。市販品としては、ダイセル化学工業社製の「CEL2000」、「CEL3000」、「CEL2021P」が挙げられる。
オキセタン化合物は、分子内に4員環エーテル、すなわちオキセタン環を有する化合物である。本発明に用いられるオキセタン化合物として、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス〔{(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}メチル〕ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン)、3−エチル−〔{(3−トリエトキシシリルプロポキシ)メチル)オキセタン、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタンなどが挙げられる。これらのオキセタン化合物の中でも、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンが好ましい。オキセタン化合物の市販品としては、東亞合成社製の「OXT−101」(3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン)、「OXT−211」(3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン)、「OXT−221」(ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル)、「OXT−212」(3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン)がある。
光重合開始剤として、スルホニウム塩やヨウドニウム塩が挙げられる。
スルホニウム塩として、例えば、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
ヨードニウム塩として、例えば、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で使用しても、又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの光重合開始剤の市販品には、例えば、ローディア社製「PI−2074」がある。
更に、必要に応じて光増感剤を接着剤に含有させてもよい。光増感剤を使用することで、反応性が向上し、硬化物の機械強度や接着強度を向上させることができる。
光増感剤は、特に限定されない。例えば、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ及びジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などがある。光増感剤として、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンのようなベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンのようなベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンのようなチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノンのようなアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドンのようなアクリドン誘導体;その他、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられる。また、これらは、単独で使用しても、又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。光増感剤の市販品には、例えば日本化薬社製「カヤキュアDETX−S」などが挙げられる。
本発明の偏光板は、保護層を上記光カチオン硬化型接着剤を介して偏光子の一面に貼合し、次いで該接着剤を硬化させ、保護層を偏光子に固定することによって得られる。
基材の樹脂フィルムへの接着剤の塗工方法に特別な限定は無く、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーターなど、種々の塗工方法が利用できる。
光カチオン硬化型接着剤の硬化は、光照射によって行う。用いる光源は特に限定されないが、例えばメタルハライドランプ、水銀キセノンランプ、高圧水銀、その他波長450〜300nmに発光分布を有する光を発するものを用いることができる。光照射強度は、目的とする接着剤や樹脂フィルムによって異なり、やはり限定されないが、開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が1〜2000mW/cm2(365nm)であるのが好ましい。光照射時間は、硬化する接着剤や樹脂フィルムによって異なり、やはり限定されないが、照射強度と照射時間との積として表される積算光量が1500〜3000mJ/cm2(365nm)となるようにするのが好ましい。
保護層の偏光子への貼合に先立って、貼合面に、ケン化処理、コロナ処理、プライマー処理、アンカーコーティング処理などの易接着処理が施されてもよい。
(偏光子)
本発明に用いる偏光子としては、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素若しくは二色性染料を吸着させ、次にホウ酸浴中で一軸延伸することによって得られるものや、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素もしくは二色性染料を吸着させ延伸し、さらに分子鎖中のポリビニルアルコール単位の一部をポリビニレン単位に変性することによって得られるものなど、を挙げることができる。また、偏光子として、グリッド偏光子、多層偏光子、コレステリック液晶偏光子などの偏光を反射光と透過光に分離する機能を有する偏光子を用いることもできる。この中でも、ポリビニルアルコールを含んでなる偏光子が好ましい。偏光子の偏光度は、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。偏光子の厚さ(平均厚さ)は、好ましくは5μm〜80μmである。
(保護層)
本発明に用いる保護層は、熱可塑性アクリル樹脂を含んでなり、数平均粒径2.0μm以下の弾性体粒子が保護層の厚さ方向中央部に偏在しており、且つ平均厚さが100μm未満のものである。この保護層は、偏光板の少なくとも片面に配置する。この保護層は、偏光板の視認側保護層として機能しても良いし、液晶セル側保護層として機能しても良い。この保護層を偏光板の片面にのみ配置した場合、通常、反対側の面に他の保護層(以下、他面の保護層という)を配置する。
熱可塑性アクリル樹脂としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体;アルキル基の水素がOH基、COOH基もしくはNH2基などの官能基によって置換された(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体;または(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、スチレン、酢酸ビニル、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの不飽和結合を有するビニル系モノマーとの共重合体を挙げることができる。熱可塑性アクリル樹脂としては、これらのうち1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。熱可塑性アクリル樹脂はポリメタクリル酸メチルおよびポリメタクリル酸ブチルが単量体単位として含まれているものがより好ましい。
本発明に用いる熱可塑性アクリル樹脂は、ガラス転移温度Tgが80〜120℃の範囲内のものが好ましい。さらに、本発明に用いる熱可塑性アクリル樹脂は、フィルムに成形したときの表面の硬度が高いもの、具体的には、鉛筆硬度(試験荷重を500gとした以外は、JIS K 5600−5−4に準拠)で2Hより硬いものが好ましい。
熱可塑性アクリル樹脂には、顔料や染料等の着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、溶剤などの、後述する弾性体粒子以外の配合剤が適宜配合されたものを用いることができる。なお、これら配合剤は、後述する弾性体粒子のように、視認側保護層の厚さ方向中央部に偏在していることが好ましい。例えば、赤外線吸収剤及び/又は紫外線吸収剤を含有する熱可塑性アクリル樹脂からなる層と、この層を挟んで赤外線吸収剤及び/又は紫外線吸収剤を含有しない熱可塑性アクリル樹脂からなる層とが積層されてなる保護層が好適な態様として挙げられる。
本発明に用いる熱可塑性アクリル樹脂は、メルトフローレートの値が10〜100g/10分(280℃、荷重2.16kgf)の範囲に入る物から選択するのが好ましい。また、保護層が複数の熱可塑性アクリル樹脂から構成される場合には、各層の熱可塑性アクリル樹脂のメルトフローレートの値は同程度であることが好ましい。具体的には隣接する層を構成する熱可塑性アクリル樹脂のメルトフローレート値の差が、0〜30g/10分(280℃、荷重2.16kgf)であることが好ましい。
紫外線吸収剤は400nm以下の紫外線を吸収することで、耐久性を向上させるために添加される。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アクリロニトリル系紫外線吸収剤等の公知のものが使用可能である。中でも、2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等が好適に用いられる。これらの中でも、特に2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)が好ましい。紫外線吸収剤の濃度は、波長370nm以下の透過率が、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、更に好ましくは2%以下となる範囲で選択することができる。紫外線吸収剤を含有させる方法としては、紫外線吸収剤を予め熱可塑性アクリル樹脂中に配合する方法;溶融押出成形時に直接供給する方法などが挙げられ、いずれの方法が採用されてもよい。
紫外線吸収剤は、保護層の厚さ方向中央部に偏在していることが好ましい。保護層が積層体で構成される場合には、弾性体粒子を含む熱可塑性アクリル樹脂層中に含まれる紫外線吸収剤濃度が、弾性体粒子を含まない熱可塑性アクリル樹脂層中に含まれる紫外線吸収剤濃度よりも高くなるようにする。具体的には、弾性体粒子を含まない熱可塑性アクリル樹脂層中の紫外線吸収剤の濃度が好ましくは0〜1.0重量%、さらに好ましくは0〜0.5重量%となるようにし、弾性体粒子を含む熱可塑性アクリル樹脂層中の紫外線吸収剤の濃度が好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1.0〜5.0重量%となるようにする。紫外線吸収剤の含有量が上記範囲であることにより、偏光板の色調を悪化させること無く紫外線を効率的に遮断することができ、長期使用時の偏光度の低下を防ぐことができる。弾性体粒子を含む熱可塑性アクリル樹脂層中の紫外線吸収剤の含有量が少なすぎると、波長370nm以下の光線透過率が大きくなり、偏光度が低下傾向になる。逆に紫外線吸収剤の含有量が多すぎると、短波長側の光線透過率が小さくなり、積層体が黄色味を帯びる傾向になる。
赤外線吸収剤としては、ニトロソ化合物、その金属錯塩、シアニン系化合物、スクワリリウム系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、トリアリルメタン系化合物、イモニウム系化合物、ジイモニウム系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アミノ化合物、アミニウム塩系化合物、カーボンブラック、酸化インジウムスズ、酸化アンチモンスズ、周期表4A、5Aもしくは6A族に属する金属の酸化物、炭化物、ホウ化物等の赤外線吸収剤などを挙げることができる。これらの赤外線吸収剤は、赤外線(波長約800nm〜1100nmの範囲の光)全体を吸収できるように、選択することが好ましく、2種類以上を併用してもよい。赤外線吸収剤の量は、例えば、800nm以上の波長の光線透過率が10%以下となるように適宜調整することができる。
<弾性体粒子>
本発明に用いられる弾性体粒子は、ゴム状弾性体からなる粒子である。ゴム状弾性体としては、アクリル酸エステル系ゴム状重合体、ブタジエンを主成分とするゴム状重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。アクリル酸エステル系ゴム状重合体としてはブチルアクリレ−ト、2−エチルヘキシルアクリレ−ト等を主成分とするものがある。これらの内ブチルアクリレ−トを主成分としたアクリル酸エステル系重合体及びブタジエンを主成分とするゴム状重合体が好ましい。弾性体粒子は、二種の重合体が層状になったものであってもよく、その代表例としては、ブチルアクリレ−ト等のアルキルアクリレ−トとスチレンのグラフト化ゴム弾性成分と、ポリメチルメタクリレ−ト及び/又はメチルメタクリレ−トとアルキルアクリレ−トの共重合体からなる硬質樹脂層とがコア−シェル構造で層を形成している弾性体粒子が挙げられる。
本発明に用いられる弾性体粒子は、熱可塑性アクリル樹脂中に分散した状態における数平均粒径が2.0μm以下、好ましくは0.1〜1.0μm、より好ましくは0.1〜0.5μmである。弾性体粒子の一次粒子径が小さくても、凝集などによって形成される二次粒子の数平均粒径が大きいと、保護層はヘイズ(曇り度)が高くなりすぎ、光線透過率が低くなるので、視認側には適さなくなる。また、数平均粒径が小さくなりすぎると可撓性が低下する傾向にある。
本発明において、弾性体粒子の波長380nm〜780nmにおける屈折率na(λ)は、マトリックスとなる熱可塑性アクリル樹脂の波長380nm〜780nmにおける屈折率nb(λ)との間に、|na(λ)−nb(λ)| ≦ 0.05の関係を満たすことが好ましい。特に、|na(λ)−nb(λ)| ≦ 0.045であることがより好ましい。なお、na(λ)及びnb(λ)は、波長λにおける主屈折率の平均値である。|na(λ)−nb(λ)|の値が上記値を超える場合には、界面での屈折率差によって生じる界面反射により、透明性を損なうおそれがある。
弾性体粒子は、熱可塑性アクリル樹脂を主成分としてなる保護層の厚さ方向中央部に偏在している。すなわち、保護層の表面付近には弾性体粒子が少なく、保護層の厚さ方向中央部に弾性体粒子が多く分布している。弾性体粒子の保護層の厚さ方向の分布は、表面から中央に向ってなだらかに増加するものであってもよいし、階段状に増加するものであってもよい。
階段状に増加する態様としては、熱可塑性アクリル樹脂と数平均粒径2.0μm以下の弾性体粒子とからなる層と、それを挟んで両面に熱可塑性アクリル樹脂からなる層とが、積層されてなる平均厚さが100μm未満の保護層が挙げられる。この保護層を得る方法に格別な制限はなく、例えば、熱可塑性アクリル樹脂と数平均粒径2.0μm以下の弾性体粒子とからなる組成物を成形して基材フィルムを得、その基材フィルムの両面に弾性体粒子を含まない熱可塑性アクリル樹脂を、塗布する方法が挙げられる。別の方法としては、前記基材フィルムの両面に、弾性体粒子を含まない熱可塑性アクリル樹脂を成形してなるフィルムを、必要に応じて接着剤を介して貼りあわせる方法が挙げられる。また、別の方法としては、熱可塑性アクリル樹脂と数平均粒径2.0μm以下の弾性体粒子とからなる組成物と、弾性体粒子を含まない熱可塑性アクリル樹脂とを共押出成形する方法が挙げられる。このほか、片面に数平均粒径2.0μm以下の弾性体粒子が偏在したフィルムを、当該弾性体粒子が偏在した面同士が接するように貼り合わせる方法も挙げられる。
このように弾性体粒子が層の厚さ方向中央部に偏在することによって、視認側保護層の厚さ方向中央部分は柔軟な層となり、保護層の両表面は硬質の層となる。このような構成とすることにより、保護層の表面の硬度を十分に確保しつつ、偏光板の可撓性を向上できる。
熱可塑性アクリル樹脂及び弾性体粒子からなる層と、その層を挟んで両面に弾性体粒子を含まない熱可塑性アクリル樹脂からなる層が積層された保護層を得るに際して、接着剤(粘着剤を含む)を用いる場合、接着剤からなる接着層の平均厚さは、通常0.01μm〜30μm、好ましくは0.1μm〜15μmである。前記接着層は、JIS K 7113による引張破壊強度が40MPa以下となる層である。この接着層を構成する接着剤としては、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、変性ポリオレフィン系接着剤、ポリビニルアルキルエーテル系接着剤、ゴム系接着剤、エチレン−酢酸ビニル系接着剤、塩化ビニル−酢酸ビニル系接着剤、SEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体)系接着剤、SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体)系接着剤、エチレン−スチレン共重合体などのエチレン系接着剤、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体などのアクリル酸エステル系接着剤などが挙げられる。これらの内、硬化後に所定の弾性を維持するものがより好ましく、そのような接着剤としては、SEBS系接着剤、SIS系接着剤、エチレン−酢酸ビニル系接着剤を挙げることができる。
保護層は、その厚さ(平均厚さ)が100μm未満、好ましくは80μm以下、より好ましくは40μm以上80μm以下である。
保護層の両面にある、一方の弾性体粒子を含まない熱可塑性アクリル樹脂からなる層の厚さと、他方の弾性体粒子を含まない熱可塑性アクリル樹脂からなる層の厚さとの差は、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、0μmに近づけば近づくほどさらに好ましい。
保護層は、その残留溶剤含有量が0.01質量%以下であることが好ましい。残留溶剤量が上記範囲であることにより、例えば、高温・高湿度環境下において保護層が変形するのを防止できるとともに、光学性能が劣化するのを防止できる。残留溶剤量が上記範囲となる保護層は、例えば、複数の樹脂を共押出成形することによって、又は単層の熱可塑性アクリル樹脂層をドライラミネーションや熱ラミネーションにより貼り合わせることによって得ることができる。生産性の点で共押出成形により得たものが好ましい。共押出成形の場合には、複雑な工程(例えば、乾燥工程や塗工工程)を経なくてもよいため、ゴミなどの外部異物の混入が少なく、優れた光学性能を発揮できる。
残留溶剤含有量は、表面に吸着していた水分や有機物を完全に除去した内径4mmのガラスチューブの試料容器に保護層50mgを入れ、その容器を温度200℃で30分間加熱し、容器から出てきた気体を連続的に捕集し、捕集した気体を熱脱着ガスクロマトグラフィー質量分析計(TDS−GC−MS)で分析した値である。
保護層は、その透湿度が10g・m-2day-1以上、200g・m-2day-1以下であることが好ましい。視認側保護層の透湿度を上記好適な範囲とすることにより、視認側保護層を構成する各層間の密着性を向上できる。透湿度は、40℃、92%RHの環境下で、24時間放置する試験条件で、JIS Z 0208に記載のカップ法により測定できる。
本発明に用いる保護層を、後述する偏光板の液晶セル側の保護層として用いる場合には、前記保護層が光学的に等方であることが好ましく、具体的にはReは10nm以下が好ましく、より好ましくは5nm以下である。Rthはその絶対値が10nm以下であることが好ましく、より好ましくは5nm以下である。
なお、面内方向のレターデーションRe、厚さ方向のレターデーションRthは、フィルムの厚さをd(nm)とした際に、Re=(nx−ny)×d、Rth=((nx+ny)/2−nz)×dで示される値である。nx、nyは面内主屈折率(nx≧ny);nzは厚さ方向の屈折率;dは平均厚さである。
本発明に用いる保護層の表面は、不規則に生じる線状凹部や線状凸部が実質的に形成されず、その表面が平坦な面であることが好ましい。実質的に形成されないとは、仮に、線状凹部や線状凸部が形成されたとしても、深さが50nm未満もしくは幅が500nmより大きい線状凹部、および高さが50nm未満もしくは幅が500nmより大きい線状凸部であることである。より好ましくは、深さが30nm未満、または、幅が700nmの線状凹部であり、高さが30nm未満、または、幅が700nmより大きい線状凸部である。このような構成とすることにより、線状凹部や線状凸部での光の屈折等に基づく、光の干渉や光漏れの発生を防止でき、光学性能を向上できる。なお、不規則に生じるとは、意図しない位置に意図しない寸法、形状等で形成されるということである。
このような大きさの線状凸部及び線状凹部を有しない熱可塑性アクリル樹脂層は、例えば、Tダイ式の押出成形法においては、ダイのリップ部の表面粗さを小さくする、リップ先端部にクロム、ニッケル、チタンなどのメッキを施す、リップ先端部にセラミックスを溶射する、リップの内面にPVD(Phisical Vapor Deposition)法などによりTiN、TiAlN、TiC、CrN、DLC(ダイアモンド状カーボン)などの被膜を形成する、ダイから押し出された直後の溶融樹脂周りの温度分布、空気流れなどを均一に調整する、熱可塑性樹脂層を形成する樹脂としてメルトフローレート値が同程度のものを選択するなどの手段を行うことによって、またキャスト成形法においては、表面粗さが小さいキャスト支持フィルムを用いる、塗布機の表面粗さを小さくする、さらに塗布層の乾燥時の温度分布、乾燥温度、乾燥時間を調整するなどの手段を行うことによって、得ることができる。
不規則に生じる線状凹部や線状凸部の大きさを前記の範囲にするためのその他の手段としては、Tダイ式の押出成形法において、ダイリップに付着しているもの(例えば、ヤケやごみ)を取り除く、ダイリップの離型性をあげる、ダイリップのぬれ性を全面にわたり均一にする、樹脂粉を減らす、樹脂ペレットの溶存酸素量を少なくする、溶融押出し機内にポリマーフィルターを設置するなどの方法が挙げられる。
上述した線状凹部の深さや、線状凸部の高さ、及びこれらの幅は、次に述べる方法で求めることができる。保護層に光を照射して、透過光をスクリーンに映し、スクリーン上に現れる光の明又は暗の縞の有る部分(この部分は線状凹部の深さ及び線状凸部の高さが大きい部分である。)を30mm角で切り出す。切り出したフィルム片の表面を三次元表面構造解析顕微鏡(視野領域5mm×7mm)を用いて観察し、これを3次元画像に変換し、この3次元画像からMD方向の断面プロファイルを求める。断面プロファイルは視野領域で1mm間隔で求める。この断面プロファイルに、平均線を引き、この平均線から線状凹部の底までの長さが線状凹部深さ、または平均線から線状凸部の頂までの長さが線状凸部高さとなる。平均線とプロファイルとの交点間の距離が幅となる。これら線状凹部深さ及び線状凸部高さの測定値からそれぞれ最大値を求め、その最大値を示した線状凹部又は線状凸部の幅をそれぞれ求める。以上から求められた線状凹部深さ及び線状凸部高さの最大値、その最大値を示した線状凹部の幅及び線状凸部の幅を、そのフィルムの線状凹部の深さ、線状凸部の高さ及びそれらの幅とする。
保護層を得る方法は特に限定されないが好ましくは、共押出Tダイ法、共押出インフレーション法、共押出ラミネーション法等の共押出成形法;ドライラミネーション等のフィルムラミネーション成形法、及び弾性体粒子を含む層を構成するフィルムに対して表面層を構成する樹脂溶液をコーティングするようなコーティング成形法などの公知の方法が適宜利用され得る。中でも、製造効率や、フィルム中に溶剤などの揮発性成分を残留させないという観点から、共押出成形法が好ましい。
共押出成形法の中でも、共押出Tダイ法が好ましい。さらに共押出Tダイ法にはフィードブロック方式、マルチマニホールド方式が挙げられるが、弾性体粒子を含む層1の厚さのばらつきを少なくできる点でマルチマニホールド方式がさらに好ましい。
さらに本発明の偏光板は、保護層の外表面にハードコート層、反射防止層、防汚層などの機能層が形成されていても良い。特にこれらの層は、保護層が視認側保護層であるときにその機能を発揮する。
(ハードコート層)
ハードコート層は、保護層の表面硬度を高める機能を有する層であり、JIS K5600−5−4で示す鉛筆硬度試験(試験板はガラス板を用いる)でHまたはそれより硬い硬度を示すことが好ましい。このようなハードコート層が設けられた保護層は、その鉛筆硬度が4Hまたはそれより硬い硬度になることが好ましい。ハードコート層を形成する材料(ハードコート材料)としては、熱や光で硬化する材料であることが好ましく、例えば、有機シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリル系、ウレタンアクリレート系などの有機ハードコート材料;二酸化ケイ素などの無機ハードコート材料;などを挙げることができる。これらの中でも、接着力が良好であり、生産性に優れる観点から、ウレタンアクリレート系および多官能アクリレート系のハードコート材料が好ましい。
ハードコート層は、所望により、屈折率の調整、曲げ弾性率の向上、体積収縮率の安定化、並びに耐熱性、帯電防止性、および防眩性などの向上を図る目的で、各種フィラーを含有できる。また、ハードコート層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、レベリング剤、および消泡剤などの添加剤を含有できる。
(反射防止層)
反射防止層は、外光の移りこみを防止するための層であり、保護層の表面(外部に露出する面)に直接またはハードコート層等の他の層を介して積層される。反射防止層が設けられた保護層は、入射角5°、波長430nm〜700nmにおける反射率が2.0%以下であることが好ましく、波長550nmにおける反射率が1.0%以下であることが好ましい。
反射防止層の厚さは、0.01μm〜1μmが好ましく、0.02μm〜0.5μmがより好ましい。反射防止層としては、当該反射防止層が積層される層(保護層やハードコート層など)の屈折率よりも小さい屈折率、具体的には1.30〜1.45の屈折率を有する低屈折率層からなるもの;無機化合物からなる薄膜の低屈折率層と無機化合物からなる薄膜の高屈折率層とを交互に複数積層したもの、などを挙げることができる。
前記低屈折率層を形成する材料は、屈折率の低いものであれば特に制限されない。例えば、紫外線硬化型アクリル樹脂等の樹脂材料、樹脂中にコロイダルシリカ等の無機微粒子を分散させたハイブリッド材料、テトラエトキシシラン等の金属アルコキシドを用いたゾル−ゲル材料等を挙げることができる。これらの低屈折率層を形成する材料は、重合済みのポリマーであってもよいし、前駆体となるモノマーやオリゴマーであってもよい。また、それぞれの材料は、防汚染性を付与するために、フッ素基を含有する化合物を含むことが好ましい。
前記のゾル−ゲル材料としては、フッ素基を含有するゾル−ゲル材料が好適に用いられる。フッ素基を含有するゾル−ゲル材料としては、パーフルオロアルキルアルコキシシランを例示できる。パーフルオロアルキルアルコキシシランは、たとえば、CF3(CF2nCH2CH2Si(OR)3(式中、Rは、炭素数1〜5個のアルキル基を示し、nは0〜12の整数を示す)で表される化合物である。具体的には、パーフルオロアルキルアルコキシシランとしては、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、およびヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等を挙げることができる。この中でも、前記nが2〜6の化合物が好ましい。
低屈折率層は、熱硬化性含フッ素化合物または電離放射線硬化型含フッ素化合物の硬化物からなるものとすることができる。前記硬化物は、その動摩擦係数が0.03〜0.15であることが好ましく、水に対する接触角が90〜120度であることが好ましい。硬化性含フッ素化合物としては、パーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン)等の他、架橋性官能基を有する含フッ素重合体を挙げることができる。
架橋性官能基を有する含フッ素重合体はフッ素含有モノマーと架橋性官能基を有するモノマーとを共重合することによって、又はフッ素含有モノマーと官能基を有するモノマーとを共重合し次いで重合体中の官能基に架橋性官能基を有する化合物を付加させることによって得ることができる。
含フッ素モノマーとしては、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等のフルオロオレフィン類;「ビスコート6FM」(大阪有機化学社製)、「M−2020」(ダイキン社製)等の(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられる。
架橋性官能基を有するモノマー又は架橋性官能基を有する化合物としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基を有するモノマー;アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基を有するモノマー;ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレートなどのヒドロキシル基を有するモノマー;メチロールアクリレート、メチロールメタクリレート;アリルアクリレート、アリルメタクリレートなどのビニル基を有するモノマー;アミノ基を有するモノマー;スルホン酸基を有するモノマー;等を挙げることができる。
低屈折率層を形成するための材料としては、耐傷性を向上できる点で、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、フッ化マグネシウム等の微粒子をアルコール溶媒に分散したゾルが含まれたものを用いることができる。前記微粒子は、反射防止性の観点から、屈折率が低いものほど好ましい。このような微粒子は、空隙を有するものであってもよく、特にシリカ中空微粒子が好ましい。中空微粒子の平均粒径は、5nm〜2,000nmが好ましく、20nm〜100nmがより好ましい。ここで、平均粒径は、透過型電子顕微鏡観察によって求められる数平均粒径である。
(防汚層)
防汚層は、撥水性、撥油性、耐汗性、および防汚性などを付与できる層である。防汚層を形成するために用いる材料としては、フッ素含有有機化合物が好適である。フッ素含有有機化合物としては、フルオロカーボン、パーフルオロシラン、又はこれらの高分子化合物などを挙げることができる。また、防汚層の形成方法は、形成する材料に応じて、蒸着、スパッタリング等の物理的気相成長法、化学的気相成長法、湿式コーティング法等を用いることができる。防汚層の平均厚さは、好ましくは1nm〜50nm、より好ましくは3nm〜35nmである。
さらに、保護層(特に視認側保護層)には、防眩層、ガスバリア層、透明帯電防止層、プライマー層、電磁波遮蔽層、下塗り層等のその他の層を設けてもよい。
以上のような機能層を形成する場合には、形成させる面に化学的処理を施すことが好ましい。化学的処理の手段としては、例えば、コロナ放電処理、スパッタ処理、低圧UV照射処理、プラズマ処理などが挙げられる。また、本発明の視認側保護層は、前記化学的処理に加えて、機能層との密着性強化や防眩性付与を目的として、エッチング、サンドブラスト、エンボスロール等による機械的処理が施されていても良い。
これらの機能層の形成方法に格別な限定はなく、各機能層の形成に一般的な方法を採用すればよい。
(他面の保護層)
偏光板に、上述した保護層が形成された面と反対の面に保護層(他面の保護層)を積層する場合、他面の保護層は、前述の保護層と同じものであってもよいし、従来から偏光板に用いられている保護層であってもよい。保護層に形成された保護層と他面の保護層とは、どちらかが視認側保護層として機能し、他方が液晶セル側保護層として機能することになる。
本発明に用いる他面の保護層の透湿度は、好ましくは5g・m-2day-1以上、400g・m-2day-1以下であり、より好ましくは10g・m-2day-1以上、200g・m-2day-1以下である。
保護層の透湿度を上記範囲にすることにより、高温・高湿環境下においても耐久性に優れた偏光板を得ることが可能となる。
この従来の保護層を構成する樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロースエステル、脂環式オレフィンポリマーなどを挙げることができる。脂環式オレフィンポリマーとしては、特開平05−310845号公報又は米国特許第5179171号公報に記載されている環状オレフィンランダム多元共重合体、特開平05−97978号公報又は米国特許第5202388号公報に記載されている水素添加重合体、特開平11−124429号公報、国際公開99/20676号公報に記載されている熱可塑性ジシクロペンタジエン開環重合体及びその水素添加物等を挙げることができる。
偏光子に保護層を積層する方法に格別な制限はなく、例えば、保護層となる保護フィルムを必要に応じて接着剤などを介して偏光子と積層する一般的方法を採用することができる。保護層を偏光子に貼合する際の接着剤としては、前述の光カチオン硬化型接着剤を用いてもよいし、従来公知の接着剤であってもよい。
保護層は、1mm厚における、400〜700nmの可視領域の光線透過率が80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上の材料で形成したものが好適である。
本発明の偏光板は、前述の保護層、偏光子、及び他面の保護層以外に、複屈折性を示すフィルムを積層することができる。このとき、複屈折性を示すフィルムは、液晶セル側保護層側に積層するのが一般的である。
この場合には、液晶セル側は光学的に等方であることが好ましく、具体的にはReは10nm以下が好ましく、より好ましくは5nm以下である。Rthはその絶対値が10nm以下であることが好ましく、より好ましくは5nm以下である。
なお、面内方向のレターデーションRe、厚さ方向のレターデーションRthは、フィルムの厚さをd(nm)とした際に、Re=(nx−ny)×d、Rth=((nx+ny)/2−nz)×dで示される値である。nx、nyは面内主屈折率(nx≧ny);nzは厚さ方向の屈折率;dは平均厚さである。
複屈折性を示すフィルムとしては、熱可塑性樹脂を含有するフィルムを延伸したもの、無延伸の熱可塑性樹脂フィルム上に光学異方性層を形成したもの、熱可塑性樹脂を含有するフィルム上に光学異方性層を形成した後、さらに延伸したもの等を挙げることができる。複屈折性を示すフィルムは、単層フィルムであっても、積層フィルムであってもよい。
また液晶セル側保護層として前述のような複屈折性を示すフィルムを用いてもよい。
複屈折性を示すフィルムを液晶セル側保護層として用いた場合、又は複屈折性を示すフィルムを液晶セル側保護層側に積層した場合には、色補償、視野角補償等の光学補償の機能を備え、液晶表示装置の視認性が向上する。
また、本発明の偏光板はJIS K 5600−5−4で示す鉛筆硬度試験(試験板はガラス板)で3Hまたはそれより硬い硬度を示すことが好ましく、4Hまたはそれより硬い硬度を示すことがより好ましい。
<液晶表示装置>
本発明の偏光板を用いて、本発明の液晶表示装置を製造することができる。液晶表示装置は、通常、光源と、入射側偏光板と、液晶セルと、出射側偏光板とがこの順に、配置されてなるものである。本発明の偏光板は、当該装置の出射側(視認側)および/または入射側(光源側)に備えることができるが、少なくとも出射側に本発明の偏光板を配置することが好ましい。なお、本発明の液晶表示装置には、さらに、位相差板、輝度向上フィルム、導光板、光拡散板、光拡散シート、集光シート、反射板などを備えていてもよい。
実施例および比較例を示し、本発明をより詳細に説明する。なお、部及び%は特に断りが無い限り質量基準である。
実施例および比較例で得た保護フィルムを下記の方法により評価した。
<保護フィルムの透湿度>
40℃、92%RHの環境下に24時間放置する試験条件で、JIS Z 0208に記載のカップ法に準じた方法で測定した。透湿度の単位はg・m-2・day-1である。
<メルトフローレート>
JIS K 7210に準じ、280℃、2.16kgf(条件S)の条件にて、東洋精機製作所製、メルトインデクサF-B01により測定した。
<引張弾性率>
熱可塑性樹脂を単層成形して、厚み100μmのフィルムを得、1cm×25cmの試験片を切り出し、ASTM D 882に基づき、引張試験機(東洋ボールドウィン社製、テンシロンUTM−10T−PL)を用いて引張速度25mm/minの条件で測定した。同様の測定を5回行い、その算術平均値を引張弾性率の代表値とする。
<各樹脂層の膜厚>
保護フィルムをエポキシ樹脂に包埋し、ミクロトーム(大和工業社製、RUB−2100)を用いてスライスし、走査電子顕微鏡を用いて断面を観察し測定した。
(偏光子の作製)
波長380nmにおける屈折率が1.545、波長780nmにおける屈折率が1.521で、厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、2.5倍に一軸延伸し、ヨウ素0.2g/L及びヨウ化カリウム60g/Lを含む30℃の水溶液中に240秒間浸漬し、次いでホウ酸70g/L及びヨウ化カリウム30g/Lを含む水溶液に浸漬すると同時に6.0倍に一軸延伸して5分間保持した。最後に、室温で24時間乾燥し、平均厚さ30μmで、偏光度99.95%の偏光子Pを得た。
(保護フィルムの作製)
弾性体粒子を含まないポリメチルメタクリレート樹脂(メルトフローレート18g/10分(280℃、2.16kgf)、引張弾性率3.3GPa、Tg=110℃、吸水率0.3%;以下、「PMMA」と記すことがある。)を、目開き10μmのリーフディスク形状のポリマーフィルターを設置したダブルフライト型一軸押出機(スクリュー有効長さLとスクリュー径Dとの比L/D=28)に装着されたホッパーへ投入し、押出機出口温度260℃、押出機のギヤポンプの回転数6rpmで溶融樹脂をダイスリップの表面粗さRaが0.1μmであるマルチマニホールドダイの一方に供給した。
同時に、数平均粒径0.4μmの弾性体粒子を含むポリメチルメタクリレート樹脂(メルトフローレート20g/10分(280℃、2.16kgf)、引張弾性率2.8GPa、Tg=100℃、吸水率0.3%;以下、「R1−PMMA」と記すことがある。)を、目開き10μmのリーフディスク形状のポリマーフィルターを設置したダブルフライト型の一軸押出機に導入し、押出機出口温度260℃で溶融樹脂をダイスリップの表面粗さRaが0.1μmであるマルチマニホールドダイの他方に供給した。
そして、溶融状態のPMMA、及びR1−PMMAをそれぞれマルチマニホールドダイから260℃で吐出させ、130℃に温度調整された冷却ロールにキャストし、その後、50℃に温度調整された冷却ロールに通して、PMMA層(20μm)/R1−PMMA層(40μm)/PMMA層(20μm)の3層構成からなる、幅600mm、厚さ80μmの保護フィルムを共押出成形により得た。保護フィルムのヘイズは1%以下であり、透湿度は51g・m-2・day-1であった。
(光カチオン硬化型接着剤組成物1の調製)
エポライト100MF(共栄社化学社製、脂肪族エポキシ化合物)100質量部、CEL3000(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ化合物)7.5質量部、OXT−221(東亞合成社製、オキセタン化合物)7.5質量部、PI2074(ローディア社製、光重合開始剤)3.8質量部、及びDETX−S(日本化薬社製、光増感剤)2.3質量部を容器中で均一な液体になるまで攪拌し光カチオン硬化型接着剤組成物1を調製した。
(光カチオン硬化型接着剤組成物2の調製)
エポライト100MF(共栄社化学社製、脂肪族エポキシ化合物)100質量部、CEL3000(ダイセル化学工業社製m脂環式エポキシ化合物)7.5質量部、OXT−221(東亞合成社製、オキセタン化合物)7.5質量部、OXT−211(東亞合成社製、オキセタン化合物)7.5質量部、OXT−101(東亞合成社製、オキセタン化合物)5質量部、PI2074(ローディア社製、光重合開始剤)3.8質量部、及びDETX−S(日本化薬社製、光増感剤)2.3質量部を容器中で均一な液体になるまで攪拌し光カチオン硬化型接着剤組成物2を調製した。
実施例1
偏光子Pの両面に上記の光カチオン硬化型接着剤組成物1を塗布し、次いで保護フィルムを重ね合わせ、ローラーにより押圧し、次いで、3000mJ/cm2(365nmメタルハライドランプ)の光を照射して偏光板1を得た。
実施例2
光カチオン硬化型接着剤組成物1に替えて、光カチオン硬化型接着剤組成物2を用いた以外は実施例1と同様にして偏光板2を得た。
比較例1
エピコートYX8000(ジャパンエポキシレジン社製、芳香族エポキシ化合物)100質量部、PI2074(ローディア社製、光重合開始剤)3.8質量部、及びDETX−S(日本化薬社製、光増感剤)2.3質量部を容器中で均一な液体になるまで攪拌し接着剤組成物3を調製した。
光カチオン硬化型接着剤組成物1に替えて、接着剤組成物3を用いた以外は実施例1と同様にして偏光板3を得た。
Figure 2008134385
<剥離試験>
偏光板から、幅15mm、長さ40mmの試験片を切り出し、保護フィルムと偏光子とを、手で剥がして剥離の状態を確認した。尚、表中「破壊」は剥離せず、加えられた力で破壊したことを意味する。
<偏光度変化>
10インチ四方の大きさに切り出した2枚の偏光板を用意し、偏光軸が平行になるように重ね合わせ偏光板の対角線交点における透過率(H0)をJIS Z 8701の2度視野(C光源)により、分光光度計を用いて測定した。次に偏光軸が直交するように重ね合わせ偏光板の対角線交点における透過率(H90)を同様にして測定した。この測定値から下記式に基づき偏光度を算出した。
偏光度(%)=[(H0−H90)/(H0+H90)]1/2×100
(H0及びH90は、視感度補正したY値である。)
次いで2枚の偏光板を下記の環境下に順次さらした後、同様にして偏光板の対角線交点における偏光度を求め、高温高湿下の放置前後での偏光度の変化を求めた。
1.高温環境:80℃、湿度50%、500時間
2.高温高湿度環境その1:温度60℃、湿度90%、500時間
3.高温高湿度環境その2:温度80℃、湿度90%、100時間
4.低温環境:−30℃、湿度10%、500時間
5.耐水環境:温度80℃、湿度90%にて、積層フィルム上にウエットティッシュを載せて30分放置する。
○:偏光度の変化幅が0.5以下
×:偏光度の変化幅が0.5を超えている
<耐湿性>
市販の液晶モニター(IPSモードの20V型液晶モニター)から、液晶セルを挟んでいる偏光板及び視野角補償フィルムのうち、視認側に設置されている、偏光板及び視野角補償フィルムを剥がし取り、実施例及び比較例で得た偏光板1〜3を液晶セルに再貼合した。
組みなおした液晶表示装置を、80℃、95%RHの恒温恒湿室に24時間放置し、次いで20℃、40%RHの恒温恒湿室に24時間放置する操作を20回繰り返した。保護層の各層間及び偏光子と保護層との間の積層状態を目視観察し、剥離して白く見える部分が偏光板の端から1mm以上の長さであれば×、1mm未満の長さであれば○として評価した。
<可撓性試験>
偏光板を1cm×5cmに打ち抜いて試験フィルムを得た。得られた試験フィルムを3mmφのスチール製の棒に巻きつけ、巻きつけたフィルムが棒のところで折れるか否かをテストした。合計10回テストを行い、折れなかった回数によって下記指標で可撓性を表す。
○:割れたフィルム片が0枚
△:割れたフィルム片が1枚
×:割れたフィルム片が2枚以上

Claims (5)

  1. 熱可塑性アクリル樹脂を含んでなり、数平均粒径2.0μm以下の弾性体粒子が保護層の厚さ方向中央部に偏在しており且つ平均厚さが100μm未満である保護層と、
    偏光子とが、
    脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、光重合開始剤とを含む光カチオン硬化型接着剤を介して積層されてなる、
    液晶表示用偏光板。
  2. 熱可塑性アクリル樹脂と数平均粒径2.0μm以下の弾性体粒子とからなる層及びそれを挟んで両面に積層される熱可塑性アクリル樹脂からなる層を有する平均厚さが100μm未満である保護層と、
    偏光子とが、
    脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、光重合開始剤とを含む光カチオン硬化型接着剤を介して積層されてなる、
    液晶表示用偏光板。
  3. 保護層は紫外線吸収剤を含む請求項1又は2に記載の液晶表示用偏光板。
  4. 視認側保護層は透湿度が10g・m-2day-1以上、200g・m-2day-1以下である請求項1〜3のいずれか一に記載の液晶表示用偏光板。
  5. 請求項1〜4のいずれか一に記載の偏光板を備える液晶表示装置。
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