JP5454687B2 - 干渉計およびフーリエ変換分光分析装置 - Google Patents

干渉計およびフーリエ変換分光分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、マイケルソン型の干渉計と、その干渉計を備えたフーリエ変換分光分析装置とに関するものである。
FTIR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)に利用されるマイケルソン2光束干渉計では、光源から発した赤外光をビームスプリッタで固定鏡および移動鏡の2方向に分割し、その固定鏡および移動鏡でそれぞれ反射して戻ってきた光を上記ビームスプリッタで1つの光路に合成するという構成を採用している。移動鏡を前後に(入射光の光軸方向に)移動させると、分割された2光束の光路差が変化するため、合成された光はその移動鏡の移動量に応じて光の強度が変化する干渉光(インターフェログラム)となる。このインターフェログラムをサンプリングし、AD変換およびフーリエ変換することにより、入射光のスペクトル分布を求めることができ、このスペクトル分布から、波数(1/波長)ごとの干渉光の強度を求めることができる。
このようなFTIRにおいて高い性能を発揮するには、干渉計での干渉効率を最良に保つことが望ましい。そのためには、固定鏡および移動鏡とビームスプリッタとの角度関係をそれぞれ一定に保つ必要がある。つまり、FTIRの分光精度(分解能)は、移動鏡の移動量に応じたものとなり、移動量が大きいほど高分解能となるが、移動鏡の移動量が大きいと、移動鏡の並進性を保つことが困難となり、移動鏡での反射光と固定鏡での反射光とで相対的な傾きが生じて(各反射光が光軸から傾いて)干渉光のコントラストが低下する。このため、上記傾きを補正することが必要となる。なお、便宜上、移動鏡の移動時の傾きに起因して発生する、移動鏡での反射光と固定鏡での反射光との相対的な傾きのことを、2光路間での光の傾きとも称する。
また、高感度の測定が要求される場合は、光束径の大きな光を用いる(大きな径の光を検出器で受光する)ことが必要となる。しかし、光束径が大きいと、2光路間での光の傾きの許容量が小さくなり、2光路間で光の傾きが少し生じただけでも干渉光のコントラストが低下する。したがって、特に、高感度の測定が要求される場合は、上記傾きを確実に補正して、低チルトを実現することが必要となる。
そこで、例えば特許文献1では、干渉光を検出するセンサからの出力に基づいて、一方の反射面のチルト角を調整することにより、2つの反射面で反射される各光の相対的な傾きを補正している。
米国特許第4053231号明細書(Fig.1等参照)
ところが、特許文献1の構成では、2つの反射面のうち、入射光の光軸方向に並進駆動される反射面(移動鏡)は、線形運動アクチュエータによって駆動される。このように線形運動によって移動鏡を移動させる構成では、移動鏡の移動量を大きくして分解能を高めるためには、アクチュエータのサイズを大きくする必要があり、装置が大型化する。また、大型のアクチュエータを駆動する場合は、消費電力も増大する。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、2光路間での光の傾きを補正できる構成でありながら、小型、低消費電力の構成で移動鏡を大きく移動させることができ、これによって、小型、低消費電力の構成で、移動鏡の高ストロークによる高分解能を実現しつつ、低チルトによる高感度の測定を実現することができる干渉計と、その干渉計を備えたフーリエ変換分光分析装置とを提供することにある。
本発明の干渉計は、移動鏡および固定鏡と、測定光を分離して前記移動鏡および前記固定鏡に導く一方、前記移動鏡および前記固定鏡にて反射された各光を合成するビームスプリッタと、前記移動鏡および前記固定鏡にて反射された各光を前記ビームスプリッタで合成してなる干渉光を検出する光検出器とを有する光学系を備えた干渉計であって、前記移動鏡を入射光の光軸方向に移動させる移動鏡駆動機構と、前記移動鏡駆動機構による駆動時の前記移動鏡の傾きによって生じる、前記移動鏡での反射光と前記固定鏡での反射光との相対的な傾きを補正するための駆動を、前記移動鏡および前記固定鏡の少なくとも一方に対して行う傾き補正部とを備え、前記移動鏡駆動機構による前記移動鏡の駆動は、共振駆動である一方、前記傾き補正部による前記移動鏡および前記固定鏡の少なくとも一方に対する駆動は、非共振駆動であることを特徴としている。
本発明によれば、傾き補正部が、2光路間での光の傾きを補正するための駆動を、移動鏡および固定鏡の少なくとも一方に対して行い、しかも、その駆動が非共振駆動であるので、上記傾きによって(第1の)干渉光のコントラストが低下するのを回避することができる。これにより、2光路間での光の傾きの許容量の小さい、光束径の大きい光を用いて(第1の)干渉光を高感度で測定(検出)することができる。また、移動鏡駆動機構による移動鏡の駆動は共振駆動であるので、小型の構成で大きな移動量を確保して高分解能を実現することができ、しかも、移動鏡駆動機構が小型であるので、移動鏡駆動時の消費電力を低減することができる。つまり、小型、低消費電力の構成で、移動鏡の高ストロークによる高分解能を実現しながら、低チルトによる高感度の測定を行うことができる。
本発明の実施の一形態のフーリエ変換分光分析装置の概略の構成を模式的に示す説明図である。 上記フーリエ変換分光分析装置に適用される干渉計の第2の光検出器の概略の構成を示す平面図である。 上記第2の光検出器での検出結果に基づいて出力される位相信号を示す説明図である。 上記フーリエ変換分光分析装置の干渉計が備える移動鏡駆動機構の概略の構成を示す斜視図である。 上記移動鏡駆動機構の断面図である。 上記移動鏡駆動機構の駆動部の概略の構成と、剛体および移動鏡の変位の仕方を示す説明図である。 上記移動鏡駆動機構の板ばね部の平板部の長さと圧電素子の長さとの比と、上記駆動部への印加電圧との関係を示すグラフである。 上記移動鏡駆動機構のさらに他の構成を示す斜視図である。 図8の移動鏡駆動機構の断面図である。 上記移動鏡駆動機構のさらに他の構成を示す断面図である。 上記移動鏡駆動機構のさらに他の構成を示す断面図である。 図11の移動鏡駆動機構における、初期動作での電圧制御による動作の流れを示すフローチャートである。 図11の移動鏡駆動機構における、定常動作での電圧制御による動作の流れを示すフローチャートである。 図4の移動鏡駆動機構の製造時の大まかな流れを示すフローチャートである。 (a)〜(d)は、上記移動鏡駆動機構の製造工程を示す断面図である。 複数の板ばね部をシート状に綴った基板の斜視図である。 2枚の上記基板で挟まれる支持ブロックの斜視図である。 移動鏡を支持片から切り離す前の、上記基板および上記支持ブロックからなる接合体の斜視図である。 上記移動鏡を支持片から切り離した後の、上記接合体の斜視図である。 (a)〜(f)は、図16のA−A’線矢視断面で見た移動鏡駆動機構の板ばね部の作製工程をそれぞれ示す断面図である。 上記移動鏡駆動機構のさらに他の構成を示す断面図である。 上記移動鏡駆動機構のさらに他の構成を示す断面図である。 上記移動鏡駆動機構のさらに他の構成を示す断面図である。 図4の移動鏡駆動機構によって移動鏡を移動させた場合のPitchおよびRollの各方向のチルトエラー量を示す説明図である。 (a)は、Pitch方向を示す説明図であり、(b)は、Roll方向を示す説明図である。 (a)は、上記干渉計の光路補正装置の概略の構成を示す側面図であり、(b)は、上記光路補正装置で支持された固定鏡の平面図である。 上記固定鏡を非共振駆動する際に行われるフィードバック制御を示すブロック図である。 (a)は、上記光路補正装置の他の構成を示す平面図であり、(b)は、上記光路補正装置の側面図である。 上記光路補正装置の回動部材の圧電素子側からの底面図である。 上記回動部材の回動前後での上記光路補正装置の側面図である。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
〔1.フーリエ変換分光分析装置の構成〕
図1は、本実施形態のフーリエ変換分光分析装置の概略の構成を模式的に示す説明図である。この装置は、マイケルソン干渉計の原理を利用して、測定光を分光する装置であり、干渉計1と、演算部2と、出力部3とを有して構成されている。干渉計1は、2光路分岐型のマイケルソン干渉計で構成されているが、その詳細については後述する。演算部2は、干渉計1から出力される信号のサンプリング、A/D変換およびフーリエ変換を行い、測定光に含まれる波長のスペクトル、すなわち、波数(1/波長)ごとの光の強度を示すスペクトルを生成する。出力部3は、演算部2にて生成されたスペクトルを出力(例えば表示)する。以下、干渉計1の詳細について説明する。
干渉計1は、第1の光学系10と、第2の光学系20と、傾き補正部100とを有している。以下、順に説明する。
第1の光学系10は、測定光入力部11と、反射コリメータ12と、BS(ビームスプリッタ)13と、固定鏡14と、移動鏡15と、反射コリメータ16と、第1の光検出器17と、駆動機構18とを備えている。なお、BS13に対する固定鏡14と移動鏡15との位置関係は、逆であってもよい。また、BS13の厚み分の光路長を補正するための補正板を光路中に設けるようにしてもよい。
測定光入力部11は、不図示の光源から出射され、試料を透過または反射した光(測定光、近赤外光)が入射する部分である。反射コリメータ12は、測定光入力部11からの光を反射させるとともに平行光に変換してBS13に導く反射面(コリメート光学系)で構成されている。BS13は、入射光、すなわち、測定光入力部11から出射された光を2つの光に分離して、それぞれを固定鏡14および移動鏡15に導くとともに、固定鏡14および移動鏡15にて反射された各光を合成し、第1の干渉光として出射するものであり、例えばハーフミラーで構成されている。
反射コリメータ16は、BS13にて合成されて出射された光を反射させるとともに集光して第1の光検出器17に導く反射面(集光光学系)で構成されている。第1の光検出器17は、BS13から反射コリメータ16を介して入射する第1の干渉光を受光してインターフェログラム(干渉パターン)を検出する。なお、上記した反射コリメータ12・16は、コリメータレンズであってもよい。
駆動機構18は、固定鏡14にて反射される光の光路と、移動鏡15にて反射される光の光路との差(光路長の差)が変化するように、移動鏡15を入射光の光軸方向に平行移動(並進)させる移動鏡駆動機構であり、本実施形態では、平行板ばね式の駆動機構で構成されているが、その詳細については後述する。
上記の構成において、測定光入力部11から出射された光(測定光)は、反射コリメータ12によって平行光に変換された後、BS13での透過および反射によって2光束に分離される。分離された一方の光束は移動鏡15で反射され、他方の光束は固定鏡14で反射され、それぞれ元の光路を逆戻りしてBS13で重ね合わせられ、第1の干渉光となる。このとき、駆動機構18によって移動鏡15が連続的に移動するが、BS13から各ミラー(移動鏡15、固定鏡14)までの光路長の差が波長の整数倍のときは、重ね合わされた光の強度は最大となる。一方、移動鏡15の移動によって2つの光路長に差が生じている場合には、重ね合わされた光の強度に変化が生じる。第1の干渉光は、反射コリメータ16で集光されて第1の光検出器17に入射し、そこでインターフェログラムとして検出される。
演算部2では、第1の光検出器17からの検出信号(インターフェログラム)をサンプリングし、A/D変換およびフーリエ変換することにより、波数ごとの光の強度を示すスペクトルが生成される。上記のスペクトルは、出力部3にて出力(例えば表示)され、このスペクトルに基づき、試料の特性(材料、構造、成分量など)を分析することが可能となる。
次に、第2の光学系20および傾き補正部100について説明する。第2の光学系20は、上記した第1の光学系10と構成を一部共有しており、上述した反射コリメータ12と、BS13と、固定鏡14と、移動鏡15と、反射コリメータ16とに加えて、参照光源21と、光路合成ミラー22と、光路分離ミラー23と、第2の光検出器24とを有している。
参照光源21は、移動鏡15の位置を検出したり、演算部2でのサンプリングのタイミング信号を生成にするための光源であり、例えば波長660nmあたりの赤色光を参照光として発光する半導体レーザで構成されている。すなわち、参照光源21を構成する半導体レーザは、測定光入力部11から出射される光(近赤外光)の最短波長よりも短波長のレーザ光を出射する。参照光源21として半導体レーザを用いることにより、大型であるHe−Neレーザを用いる構成に比べて干渉計1を小型化できる。
光路合成ミラー22は、測定光入力部11からの光を透過させ、参照光源21からの光を反射させることにより、これらの光の光路を同一光路に合成する光軸合成ビームコンバイナである。光路分離ミラー23は、測定光入力部11から出射されてBS13および固定鏡14(またはBS13および移動鏡15)を介して入射する光を透過させ、参照光源21から出射されてBS13および固定鏡14(またはBS13および移動鏡15)を介して入射する光を反射させることにより、これらの光の光路を分離するビームスプリッタである。
第2の光検出器24は、参照光源21から出射されてBS13および固定鏡14(またはBS13および移動鏡15)を介して光路分離ミラー23に入射し、そこで反射された光(第2の干渉光、参照干渉光)を検出するものであり、例えば4分割センサ(SPD;Silicon Photo Diode)で構成されている。
傾き補正部100は、駆動機構18による駆動時の移動鏡15の傾きによって生じる、移動鏡15での反射光と固定鏡14での反射光との相対的な傾きを補正するための駆動を、固定鏡14に対して行う傾き補正部である。以下、移動鏡15の移動時の傾きに起因して発生する、移動鏡15での反射光と固定鏡14での反射光との相対的な傾きのことを、2光路間での光の傾き(またはチルトエラー)とも称する。
ところで、本実施形態では、2つの光路、すなわち、BS13で分離された一方の光が移動鏡15で反射されて再びBS13に入射するときの光路と、BS13で分離された他方の光が固定鏡14で反射されて再びBS13に入射するときの光路とが、第1の光学系10と第2の光学系20とで共通(同軸)になっている。この構成では、(1)測定光入力部11、BS13、移動鏡15、BS13、第1の光検出器17の順に進行する光と、測定光入力部11、BS13、固定鏡14、BS13、第1の光検出器17の順に進行する光との間の相対的な傾き(以下、第1の傾きとも称する)と、(2)参照光源21、BS13、移動鏡15、BS13、第2の光検出器24の順に進行する光と、参照光源21、BS13、固定鏡14、BS13、第2の光検出器24の順に進行する光との間の相対的な傾き(以下、第2の傾きとも称する)とが同じになる。したがって、傾き補正部100は、第2の光検出器24からの第2の干渉光の受光信号に基づいて、第2の傾きを検出することにより、第1の傾きを検出したのと等価になり、その検出結果に基づいて第1の傾きを補正することができる。
このような傾き補正部100は、具体的には、信号処理部101と、光路補正装置102とで構成されている。信号処理部101は、第2の光検出器24にて検出された第2の干渉光の強度に基づいて、2光路間での光の傾きを検出する。例えば、図2に示すように、第2の光検出器24の4つの受光領域を反時計回りにE1〜E4とし、全体の受光領域の中心に第2の干渉光の光スポットDが位置しているものとする。受光領域E1・E2で検出された光の強度の和をA1とし、受光領域E3・E4で検出された光の強度の和をA2としたときに、時間経過に対する強度A1・A2の変化を示す位相信号として、図3に示す信号が得られたとすると、これらの信号に基づいて2光路間での光の傾き(相対的な傾き方向および傾き量)を検出することができる。この例では、受光領域E1・E2と受光領域E3・E4とが並ぶ方向(図2では上下方向)に位相差Δに対応する角度だけ、2光路間で光の傾きが生じていることになる。なお、図3の縦軸の強度は相対値で示している。なお、位相信号の周波数が遅い(低い)場合、位相比較ではなく強度比から2光路間での光の傾きを検知することもできる。
また、全体の受光領域の中心に第2の干渉光の光スポットDが位置していなくても(光スポットDが受光面の中心からずれていても)、受光面の場所によって受光した光の強度が異なるため、各受光領域の強度比から、2光路間での光の傾きを検出することができる。例えば、受光領域E1・E2で検出された光の強度の和と、受光領域E3・E4で検出された光の強度の和との比(第1の比)と、受光領域E1・E4で検出された光の強度の和と、受光領域E2・E3で検出された光の強度の和との比(第2の比)とを求め、第1の比と第2の比とを比較することにより、2光路間での光の傾きを検出することができる。
このように、第2の光検出器24が4分割センサで構成されていることにより、傾き補正部100(信号処理部101)は、4分割センサの各領域からの信号に基づいて2光路間での光の傾きを確実に検出することができる。
また、信号処理部101は、第2の光検出器24にて検出された第2の干渉光の強度に基づいて、移動鏡15の位置を検出するとともに、サンプリングのタイミングを示すパルス信号を生成する。上記した演算部2は、このパルス信号の発生タイミングに同期して、第1の光検出器17からの検出信号(インターフェログラム)をサンプリングし、デジタルデータに変換することになる。第2の光検出器24では、移動鏡の位置(光路差)に応じて第2の干渉光の強度が全体的に明と暗との間で変化するので、その強度を検知することにより、移動鏡15の位置を検出することができる。
光路補正装置102は、信号処理部101にて検出された2光路間での光の傾きに基づいて、固定鏡14で反射される光の光路を補正し、2光路間での光の傾きを補正するものであるが、その詳細については後述する。
上記の構成において、参照光源21から出射された光(参照光)は、光路合成ミラー22で反射され、反射コリメータ12で平行光に変換された後、BS13に入射し、そこで2光束に分離される。BS13にて分離された一方の光束は移動鏡15で反射され、他方の光束は固定鏡14で反射され、それぞれ元の光路を逆戻りしてBS13で重ね合わせられて第2の干渉光となる。その後、第2の干渉光は、反射コリメータ16で反射、集光され、光路分離ミラー23で反射されて第2の光検出器24に入射する。
傾き補正部100の信号処理部101は、上述のように、第2の光検出器24にて検出された第2の干渉光の強度に基づいて、2光路間での光の傾きを検出し、光路補正装置102が、信号処理部101での検出結果に基づいて、固定鏡14の姿勢(BS13に対する角度)を調整し、固定鏡14での反射光の光路を補正することになる。反射光の光路の補正、2光路間での光の傾きの検出、を繰り返すフィードバック制御(図27参照)を行うことにより、最終的には、2光路間での光の傾きを限りなくゼロに近づけることができる。これにより、第1の光検出器17にて検出される第1の干渉光のコントラストが低下するのを回避することができる。
〔2.移動鏡の駆動機構について〕
(2−1.全体構成)
次に、上述した駆動機構18の詳細について説明する。図4は、駆動機構18の概略の構成を示す斜視図であり、図5は、駆動機構18の断面図である。この駆動機構18は、上記の移動鏡15に加えて、2つの板ばね部31・32と、2つの剛体33・34と、駆動部35と、電圧印加部36と、保持部37とを有した平行板ばねで構成されている。なお、図5およびそれ以降に登場する断面図では、便宜上、後述する引き出し電極53および固定電極54の図示を省略している。
なお、図4に示すように、駆動機構18は、剛体33側と剛体34側とでX方向の幅が異なっているが、これは引き出し電極53と固定電極54の形成領域、および保持部37の形成領域を確保するためであり、このことが移動鏡15の平行移動に何ら影響を与えるものではない。
板ばね部31・32は、剛体33・34を介して互いに対向して(平行に)配置される板ばねである。これらの板ばね部31・32は、例えばSOI(Silicon on Insulator)基板を用いて形成されている。板ばね部31を形成するためのSOI基板は、シリコンからなる支持層31aと、酸化シリコンからなる絶縁酸化膜層(BOX層)31bと、シリコンからなる活性層31cとを積層して構成されている。同様に、板ばね部32を形成するためのSOI基板も、シリコンからなる支持層32aと、絶縁酸化膜層(BOX層)32bと、シリコンからなる活性層32cとを積層して構成されている。そして、支持層31a・32aが内側で活性層31c・32cが外側となるように、つまり、活性層31c・32cよりも支持層31a・32aが剛体33・34により近い位置となるように、板ばね部31・32が対向配置されている。なお、板ばね部31・32が対向している方向を、以下ではZ方向とも称する。このZ方向は、移動鏡15の移動方向と同じである。
支持層31aおよび絶縁酸化膜層31b、支持層32aおよび絶縁酸化膜層32bは、それぞれ部分的に除去されている。より詳しくは、支持層31aおよび絶縁酸化膜層31bは、剛体33との対向領域および剛体34との対向領域が残存し、これら以外の部分が除去されている。なお、支持層31aにおける剛体33との対向領域および剛体34との対向領域とは、支持層31aにおいて剛体33と直接対向する支持層31a、および剛体34と直接対向する支持層31aをそれぞれ指す。また、絶縁酸化膜層31bにおける剛体33との対向領域および剛体34との対向領域とは、絶縁酸化膜層31bにおいて、支持層31aを介して剛体33と対向する絶縁酸化膜層31b、および支持層31aを介して剛体34と対向する絶縁酸化膜層31bをそれぞれ指す。
同様に、支持層32aおよび絶縁酸化膜層32bは、剛体33との対向領域および剛体34との対向領域が残存し、これら以外の部分が除去されている。なお、支持層32aにおける剛体33との対向領域および剛体34との対向領域とは、支持層32aにおいて剛体33と直接対向する支持層32a、および剛体34と直接対向する支持層32aをそれぞれ指す。また、絶縁酸化膜層32bにおける剛体33との対向領域および剛体34との対向領域とは、絶縁酸化膜層32bにおいて、支持層32aを介して剛体33と対向する絶縁酸化膜層32b、および支持層32aを介して剛体34と対向する絶縁酸化膜層32bをそれぞれ指す。
このように支持層31a・32aおよび絶縁酸化膜層31b・32bが部分的に除去されている結果、活性層31cのうち、剛体33との対向領域および剛体34との対向領域を除く部位と、活性層32cのうち、剛体33との対向領域および剛体34との対向領域を除く部位とが、剛体33と剛体34との間の空間を介して直接対向している。なお、活性層31cにおける剛体33との対向領域および剛体34との対向領域とは、活性層31cにおいて、支持層31aおよび絶縁酸化膜層31bを介して剛体33と対向する活性層31cと、支持層31aおよび絶縁酸化膜層31bを介して剛体34と対向する活性層31cとをそれぞれ指す。また、活性層32cにおける剛体33との対向領域および剛体34との対向領域とは、活性層32cにおいて、支持層32aおよび絶縁酸化膜層32bを介して剛体33と対向する活性層32cと、支持層32aおよび絶縁酸化膜層32bを介して剛体34と対向する活性層32cとをそれぞれ指す。
また、板ばね部31・32は、平板部31p・32pをそれぞれ有している。平板部31p・32pは、板ばね部31・32のうち、剛体33と剛体34との間の空気層を介して対向する平板部分である。ここでは、各平板部31p・32pは、各SOI基板から、剛体33との対向領域(支持層31a・32a、絶縁酸化膜層31b・32b)および剛体34との対向領域(支持層31a・32a、絶縁酸化膜層31b・32b)を除いて支持層31a・32aおよび絶縁酸化膜層31b・32bを除去したときに、剛体33と剛体34との間の空間を介して対向する活性層31c・32cでそれぞれ構成されている。
板ばね部31の支持層31aにおける剛体33・34との対向領域(支持層31a・31a)は、剛体33・34とそれぞれ連結されている。同様に、板ばね部32の支持層32aにおける剛体33・34との対向領域(支持層32a・32a)は、剛体33・34とそれぞれ連結されている。
剛体33・34は、板ばね部31・32の間でそれらが対向する方向(Z方向)とは垂直方向に離間して配置されている。なお、剛体33・34が離間して配置される方向、つまり、剛体33・34が空気層を介して並んで配置される方向を、以下ではY方向とも称する。ここで、上記したXYZの各方向は、互いに直交している。
剛体33は、板ばね部31(特に支持層31a)と連結されているとともに、板ばね部32(特に支持層32a)と連結されている。同様に、剛体34は、板ばね部31(特に支持層31a)と連結されているとともに、板ばね部32(特に支持層32a)と連結されている。
また、剛体33・34は両方とも、板ばね部31・32の各平板部31p・32pよりも厚いガラスで構成されている。本実施形態では、上記のガラスとして、例えば酸化ナトリウム(NaO)や酸化カリウム(KO)を含むアルカリガラスを用いている。
本実施形態では、剛体33・34がガラスで構成され、板ばね部31の支持層31a・31aおよび板ばね部32の支持層32a・32aがともにシリコンで構成されているため、剛体33・34と板ばね部31・32とは、例えば陽極接合により連結されている。なお、陽極接合とは、シリコンおよびガラスに数百℃の温度下で数百Vの直流電圧を印加し、Si−Oの共有結合を生じさせることによって両者を直接、接合する手法である。
保持部37は、駆動機構18を干渉計1に固定する際に固定部材等で保持される部分であり、駆動機構18を上下で挟持して保持できるように、剛体34の上方および下方に位置する板ばね部31・32の外表面(剛体33・34側とは反対側の面)の縁にそれぞれ設けられている。
駆動部35は、板ばね部31・32の一方を曲げ変形させることにより、剛体34に対して剛体33および移動鏡15を(Z方向に)平行移動させるものである。本実施形態では、駆動部35は、板ばね部31の表面に設けられているが、その配置位置の詳細については後述する。一方、上記の移動鏡15は、板ばね部31における剛体33の上方で、かつ、剛体33とは反対側の表面に設けられている。なお、駆動部35および移動鏡15は、板ばね部32に設けられていてもよい。
ここで、駆動部35は、後述する電圧印加部36からの印加電圧に応じて伸縮する圧電素子(PZT素子)35aで構成されている。この圧電素子35aは、図6に示すように、圧電材料であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)41を電極42・43で挟持した構造となっている。電極42・43に正または負の電圧を印加し、PZT41を水平方向に伸縮させることにより、板ばね部31を曲げ変形させることができ、剛体33とともに移動鏡15を変位させることができる。例えば、電極42・43への電圧印加によってPZT41が水平方向に伸びたときには、板ばね部31が上に凸となるように変形するため、剛体33とともに移動鏡15は下方に変位する。一方、電極42・43への上記とは逆極性の電圧印加によってPZT41が水平方向に縮んだときには、板ばね部31が下に凸となるように変形するため、剛体33とともに移動鏡15は上方に変位する。
このように、電極42・43に正または負の電圧を印加し、PZT41を水平方向に伸縮させることにより、板ばね部31を曲げ変形させることができ、これによって剛体34に対して剛体33および移動鏡15を変位させることができる。
図4で示した電圧印加部36は、圧電素子35aに電圧を印加するものである。このような圧電素子35aへの電圧の印加は、以下の構成によって実現できる。板ばね部31において圧電素子35aが設けられている面と同一面に、引き出し電極53と、固定電極54とを形成しておく。圧電素子35aの形成前に、引き出し電極53としての金属膜を板ばね部31上に蒸着しておき、この金属膜に圧電素子35aの下面の電極43を接触させることにより、下面の電極43を引き出すことができる。この引き出し電極53は、電圧印加部36とワイヤーボンディングされる。
また、固定電極54は、圧電素子35aの上面の電極42とワイヤーボンディングされ、電圧印加部36ともワイヤーボンディングされる。この構成により、電圧印加部36は、引き出し電極53および固定電極54を介して圧電素子35aに電圧を印加することが可能となる。なお、引き出し電極53および固定電極54は、板ばね部31の表面において、剛体34の上方でワイヤーボンディングがしやすい位置であれば、どこに形成されてもよい。
(2−2.共振一次モードについて)
ところで、平行板ばねにおいて、圧電素子に電圧を印加しても移動体(例えば剛体33や移動鏡15に相当する)は平行移動ではなく、傾いて移動する場合がある。これは、圧電素子の伸縮によって一方の板ばね部だけが伸縮(変形)することにより、2つの板ばね部同士で長さが異なってしまうことが原因と考えられる。
そこで、本実施形態では、平行板ばねの共振一次モードで移動体が平行移動することに着目し、電圧印加部36は、板ばね部31・32の一部と剛体33とを含む系で決まる一次の共振周波数fと同じ周波数f(=f)で、圧電素子35aに電圧を印加する。なお、共振一次モードとは、図6に示すように、例えば板ばね部31において、圧電素子35aの伸縮によってもZ方向に全く変位しない点Aを節とし、そこから1個目の腹(点A)が自由端の位置で最大変位になるような振動モードを言う。なお、このときの共振周波数f(Hz)は、以下のように表される。
=(1/2π)・√(k/m)
ただし、
k:ばね部のばね定数
m:平行移動部の質量(g)
である。
なお、上記の「ばね部」とは、板ばね部31・32において変形によって実質的にばねとして機能する部分を指し、具体的には、板ばね部31の平板部31pと、板ばね部32の平板部32pとを指す。また、上記の「平行移動部」とは、上記ばね部の変形によって平行移動する部分であり、具体的には、板ばね部31の支持層31a、絶縁酸化膜層31bおよび活性層31cと、板ばね部32の支持層32a、絶縁酸化膜層32bおよび活性層32cと、剛体33とを指す。なお、移動鏡15の質量は上記のmには考慮されていない。これは、移動鏡15は薄膜であり、その質量をほとんど無視できると考えられることによる。
このように、電圧印加部36は、板ばね部31・32および剛体33が一体となって共振する際の共振周波数fと同じ周波数fで圧電素子35aに電圧を印加するので、剛体33および移動鏡15が傾いて移動するのを抑えることができる。しかも、共振によって剛体33および移動鏡15を変位させるので、他の周波数で圧電素子35aに電圧を印加して剛体33および移動鏡15を変位させる場合に比べて、これらの変位量を確実に増大させることができる。
(2−3.駆動部の配置位置について)
次に、駆動部35(圧電素子35a)の配置位置の詳細について説明する。図4および図5に示すように、圧電素子35aは、板ばね部31における板ばね部32とは反対側の表面に設けられている。しかも、圧電素子35aは、板ばね部31の上記表面において、剛体33・34が並んで配置される方向(Y方向)における、板ばね部31の平板部31pの中央Cよりも剛体34側に設けられている。このような圧電素子35aの配置により、以下の効果を得ることができる。
まず、圧電素子35aは、上述したようにPZT41を薄い電極42・43で挟持した構造であることから、VCMのような磁石とコイルとを用いた電磁式駆動源に比べて格段に小型、薄型である。また、電磁式駆動源を用いる場合は、その設置位置(広い空間)も確保しなければならず、駆動機構自体が大型化するが、小型で薄型の圧電素子35aを駆動源として用いる場合は、本発明のように曲げ変形させたい部位(板ばね部31の表面)に圧電素子35aを直接形成すればよく、広い設置空間を確保する必要もない。したがって、駆動部35を圧電素子35aで構成して板ばね部31の表面に設けることにより、小型の駆動機構18を確実に実現することができる。その結果、その駆動機構18を適用した干渉計1ひいては分光分析装置を確実に小型化することができる。
また、圧電素子35aが板ばね部31の平板部31pの表面全体ではなく、表面の一部に設けられているので、板ばね部31の曲げ変形時にその圧電素子35aが負荷となるのを軽減することができ、低い駆動電圧でも圧電素子35aを駆動することができる。しかも、圧電素子35aが平板部31pの中央Cよりも剛体34側に設けられているので、低い駆動電圧で圧電素子35aを駆動しても、図6で示したように板ばね部31を確実に共振させることができ、これによって剛体33および移動鏡15を大きく変位させることができる。したがって、このような駆動機構18を適用した分光分析装置においては、高分解能を確実に実現することができる。
また、図5に示すように、圧電素子35aにおける剛体34側の面を面S1とし、剛体33側の面を面S2とする。そして、剛体34における剛体33側の面を面S3とする。本実施形態では、Y方向において、面S1は、面S3よりも剛体33とは反対側に位置しており、面S2は、平板部31pの中央Cに対して剛体34側で、かつ、面S3よりも剛体33側に位置している。
このように、圧電素子35aが面S3をまたぐように、つまり、圧電素子35aの一部が剛体34の上方に位置するように、板ばね部31の表面に設けられているので、上記したように板ばね部31の表面で剛体34の上方に引き出し電極53および固定電極54を形成しておけば、引き出し電極53や固定電極54と他の部位(例えば圧電素子35aの上面の電極42、電圧印加部36)とをワイヤーボンディングによって接続する際の板ばね部31の破損を回避することができる。つまり、このときのボンディング作業は剛体34の上方で行われるので、平板部31pに外部からの応力が働くことはなく、それによる板ばね部31の破損を回避することができる。また、ボンディングしたワイヤーは、平板部31pの上方ではなく剛体34の上方に位置するので、ボンディング後も、そのワイヤーが平板部31pを抑えて板ばね部31の変形(共振)を阻害することがなく、板ばね部31の変形に悪影響を及ぼすのを回避することができる。
このとき、Y方向において、板ばね部31の平板部31pの長さをL1(mm)とし、面S3を含む面から剛体33側の圧電素子35aの長さをL2(mm)とすると、
L2/L1≦0.3
を満足することが望ましい。その理由は以下の通りである。
板ばね部31・32の一方(ここでは板ばね部31)に圧電素子35aが設けられる構成では、圧電素子35aの平板部31p上での長さが長くなると、板ばね部31・32間で変形時のバランスが崩れ、剛体33および移動鏡15が傾いて移動するとともに、その傾きが大きくなる。つまり、圧電素子35aは平板部31p上で短ければ短いほど、剛体33および移動鏡15の移動時の傾きが小さくなるのでよい。
また、図7は、移動鏡15の変位量を一定としたときの、L2/L1と圧電素子35aへの印加電圧(電界強度)との関係を示すグラフである。なお、図7の縦軸の電界強度は、圧電素子35aの長さで規格化している。同図より、L2/L1>0.3の場合、印加電圧自体は小さくできるが、L2/L1の変化量に対する印加電圧の変化量が小さく、印加電圧を大きく低減できる効果が小さい。
したがって、L2/L1≦0.3を満足することにより、L2はL1に対して十分に小さいので、剛体33および移動鏡15の移動時の傾きを抑える効果を十分に得ながら、効率よく圧電素子35aを駆動することができる。
なお、上記の条件式は、板ばね部31・32および剛体33の構成材料や各平板部31p・32pの厚さに関係なく得ることができる。その理由は以下の通りである。
L1に対してL2が小さいと、圧電素子35aの剛体33側の端部に応力が一番かかり、上記端部が板ばね部31から離れる方向に力がかかるため、剛体33および移動鏡15の所望の変位を得るためには、圧電素子35aに大きな電圧を印加することが必要になる(図7参照)。一方、L1に対してL2が大きいと、圧電素子35aへの電圧印加時に圧電素子35aが沿ってくるため、圧電素子35aにおける剛体34側の端部に一番応力がかかるようになる。このような傾向は、板ばね部31・32および剛体33の構成材料が変わっても、各平板部31p・32pの厚さが変わっても、剛体33および移動鏡15の変位量を一定とすれば、同じである。したがって、板ばね部31・32および剛体33の構成材料や各平板部31p・32pの厚さによっては、剛体33および移動鏡15の所望の変位量を得るための、圧電素子35aへの印加電圧の値(絶対値)は変動するとしても、L2/L1の比としては、板ばね部31・32および剛体33の構成材料や各平板部31p・32pの厚さに関係なく、0.3以下であればよいと言える。
(2−4.圧電素子を2つ設ける構成について)
図8は、駆動機構18の他の構成を示す斜視図であり、図9は、図8の駆動機構18の断面図である。この駆動機構18は、圧電素子35aとは異なる圧電素子38を備えている点で、図4および図5の駆動機構18とは異なっている。この圧電素子38は、板ばね部32における板ばね部31とは反対側の表面であって、板ばね部31・32の対向方向(Z方向)に垂直な面Rに対して、圧電素子35aと対称となる位置に設けられている。
このように圧電素子38を設けることにより、平行板ばねを構成する駆動機構18の上下のバランスを良好に保つ、すなわち、板ばね部31・32をバランスよく変形させることが可能となり、剛体33および移動鏡15を平行移動させるときの平行度を向上させることが可能となる。つまり、剛体33および移動鏡15を平行に限りなく近い状態で移動(変位)させることができる。また、圧電素子38を上記のように設けるだけでよく、圧電素子38に電圧を印加するための配線は不要なので、簡便な構成で平行移動の際の平行度を容易に向上させることができる。
また、図10は、駆動機構18のさらに他の構成を示す断面図である。この駆動機構18は、図8および図9のように2つの圧電素子35a・38を設けた構成において、電圧印加部36が両方の圧電素子35a・38に電圧を印加する構成となっている。つまり、板ばね部32側にも、板ばね部31側に設けた引き出し電極53および固定電極54に対応する電極(図示せず)が設けられ、これらの電極と圧電素子38の上下の電極および電圧印加部36とがワイヤーボンディングによって電気的に接続されている。この構成では、電圧印加部36は、圧電素子35aの伸縮による板ばね部31の変形と、圧電素子38の伸縮による板ばね部32の変形とが同一となるように、圧電素子35a・38に電圧を印加することが望ましい。
つまり、図10において、板ばね部31・32の変形によって剛体33および移動鏡15を上方(Z方向)に移動させるためには、圧電素子35aが水平方向に縮む一方、圧電素子38が水平方向に伸びるような電圧を、各圧電素子35a・38に印加する必要がある。逆に、板ばね部31・32の変形によって剛体33および移動鏡15を下方に移動させるためには、圧電素子35aが水平方向に伸びる一方、圧電素子38が水平方向に縮むような電圧を、各圧電素子35a・38に印加する必要がある。
したがって、図10において、圧電素子35a・38におけるPZTの分極方向が例えば互いに逆向き(一方が上向きで他方が下向き)であれば、圧電素子35a・38のPZTを挟む2つの電極のうち、PZTに対して同じ側に位置する電極に同じ極性の電圧が同じ周波数で印加されるように、電圧印加部36は各圧電素子35a・38に電圧を印加すればよい。例えば、電圧印加部36は、圧電素子35aの上側の電極42(PZT41に対して剛体34とは反対側の電極)と、圧電素子38の上側の電極(PZTに対して剛体34側の電極)とに同じ極性の電圧が印加されるように、各圧電素子35a・38に電圧を印加すればよい。
また、圧電素子35a・38におけるPZTの分極方向が例えば同じ向き(例えば両方とも上向き)であれば、圧電素子35a・38のPZTを挟む2つの電極のうち、PZTに対して同じ側に位置する電極に互いに逆極性の電圧が同じ周波数で印加されるように、電圧印加部36は各圧電素子35a・38に電圧を印加すればよい。例えば、電圧印加部36は、圧電素子35aの上側の電極42に正の電圧を印加したときに、圧電素子38の上側の電極(PZTに対して剛体34側の電極)に負の電圧が印加されるように、各圧電素子35a・38に電圧を印加すればよい。
電圧印加部36が上記のように各圧電素子35a・38に電圧を印加することにより、板ばね部31・32を同じように変形(共振)させることができ、一方の変形が他方の変形を阻害することがなく、共振しやすくなる。したがって、剛体33および移動鏡15を平行移動させるときの平行度を確実に向上させることができる。
(2−5.共振周波数の変動に対応可能な構成について)
ところで、圧電素子は、電圧を印加すると伸縮するが、逆に、力を加えて変形させたときには、その歪みに応じた電圧を出力する。共振時に剛体33および移動鏡15の変位が最大になると、圧電素子も大きく歪むので、圧電素子から出力される電圧(例えば絶対値)も最大になる。したがって、このことを利用し、圧電素子から出力される電圧(特に最大電圧)を監視すれば、共振によって剛体33および移動鏡15が変位しているか否かを検知することができ、共振周波数の変動に対応することも可能となる。なお、共振周波数の変動は、例えば、参照光源21の発熱による環境温度の変化により、熱膨張または収縮によって上記したばね部の形状が変化し、ばね定数が変化することによって起こり得る。以下、共振周波数の変動に対応可能な具体的構成について説明する。
図11は、駆動機構18のさらに他の構成を示す断面図である。この駆動機構18は、図8および図9のように2つの圧電素子35a・38を設ける構成に加えて、検出部39および制御部40を備えている。なお、図8および図9の構成が基本であるので、電圧印加部36は一方の圧電素子35aにのみ電圧を印加し、他方の圧電素子38へは電圧を印加しないことを念のために断っておく。
検出部39は、板ばね部32の変形時に、圧電素子38から出力される、圧電素子38の歪みに応じた電圧から、剛体33および移動鏡15の最大変位を検出するセンサである。圧電素子38から出力される電圧(例えば絶対値)が大きいほど、剛体33および移動鏡15が大きく変位していることになるので、検出部39は圧電素子38から出力される電圧の最大電圧(例えば絶対値)を検出することにより、剛体33および移動鏡15の最大変位を検出することができる。なお、検出部39は、圧電素子38から出力される電圧の大きさと方向(正負の符号)とに基づいて、剛体33および移動鏡15の変位量と方向(変位した位置)とを検出することもできる。
制御部40は、電圧印加部36による圧電素子35aへの電圧印加を制御するものである。より具体的には、制御部40は、検出部39にて検出された剛体33および移動鏡15の最大変位の変動に応じて、圧電素子35aへの印加電圧の周波数が変動するように、電圧印加部36を制御する。このような制御を行う制御部40は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成されている。
また、上記した電圧印加部36は、VCO(voltage controlled oscillator)回路を含んで構成されている。VCO回路とは、入力電圧に応じて出力電圧の周波数を変化させる回路である。したがって、電圧印加部36は、制御部40の制御によって出力電圧(圧電素子35aへの印加電圧)の周波数を変化させることができる。
次に、制御部40の電圧制御による動作の流れについて、図12および図13に基づいて説明する。図12および図13は、制御部40の電圧制御による動作の流れを示すフローチャートであり、図12は、共振周波数を探す初期動作でのものを示し、図13は、共振周波数の変動に振動周波数を追従させる定常動作でのものを示している。
初期動作においては、まず、制御部40は、電圧印加部36のVCO回路の入力電圧の上昇を開始し、出力電圧の周波数を増大させる(S1)。そして、検出部39は、圧電素子38から出力される電圧の最大値(例えば絶対値)を検出し、剛体33および移動鏡15の最大変位を検出する(S2)。
続いて、制御部40は、S2で検出した最大変位とそれよりも前に検出した最大変位との大小を比較する(S3)。ここで、動作開始時においては剛体33および移動鏡15の最大変位はゼロであるので、S2で検出した最大変位はそれよりも前に検出した最大変位よりも必ず大きいことになる(S3でNo)。したがって、制御部40は、VCO回路の入力電圧をさらに上昇させ、出力電圧の周波数をさらに増大させる(S4)。
以降は、S2〜S4の工程を繰り返し、制御部40は、S2で検出した最大変位がそれよりも前に検出した最大変位よりも小さくなった時点で(S3でYes)、剛体33および移動鏡15が最大変位に達したと判断してVCO回路の入力電圧の上昇を停止させる(S5)。剛体33および移動鏡15が最大変位に達したときには、剛体33および移動鏡15は共振によって振動していると判断できるので、このときのVCO回路の出力電圧の周波数を共振周波数として考えることができる。つまり、このような初期動作により、上述した理論計算によらなくても、共振周波数を求めることができる。
定常動作においては、検出部39は、圧電素子38から出力される電圧の最大値(例えば絶対値)を検出し、剛体33および移動鏡15の最大変位を検出する(S11)。制御部40は、S11で検出した最大変位とそれよりも前に検出した最大変位(例えば図12のS5でVCO回路の入力電圧の上昇を停止させる直前に検出した最大変位)との大小を比較する(S12)。ここで、共振周波数が変動していない場合には、S11で検出した最大変位は前回の最大変位と同じであるので(S12でNo)、その場合は、本フローを終了する。なお、複数の共振周波数がある場合は、剛体33および移動鏡15の最大変位をメモリしておき、最大変位となる周波数を共振周波数とする。
一方、共振周波数が変動すると、S11で検出した最大変位が前回の最大変位よりも小さくなるので(S12でYes)、この場合、制御部40は、VCO回路の入力電圧を上昇させ、出力電圧の周波数を増大させる(S13)。そして、検出部39は、圧電素子38から出力される電圧の最大値を検出し、剛体33および移動鏡15の最大変位を検出する(S14)。
続いて、制御部40は、S14で検出した最大変位とそれよりも前に検出した最大変位(例えばS11で検出した最大変位)との大小を比較する(S15)。S14で検出した最大変位がそれよりも前に検出した最大変位よりも大きい場合(S15でNo)、周波数が増大する方向に最大変位が増大することがわかるので、制御部40は、VCO回路の入力電圧をさらに上昇させ、出力電圧の周波数を増大させる(S16)。そして、検出部39は、圧電素子38から出力される電圧の最大値を検出し、剛体33および移動鏡15の最大変位を検出する(S17)。そして、制御部40は、S17で検出した最大変位とそれよりも前に検出した最大変位(例えばS14で検出した最大変位)との大小を比較する(S18)。
S17で検出した最大変位がそれよりも前に検出した最大変位よりも大きい場合(S18でNo)、最大変位が増大する余地があると考えられるので、S16〜S18の工程を繰り返す。そして、制御部40は、S17で検出した最大変位がそれよりも前に検出した最大変位よりも小さくなった時点で(S18でYes)、剛体33および移動鏡15が最大変位に達し、圧電素子35aへの印加電圧の周波数が共振周波数に一致したと判断して、本フローを終了する。
また、S15において、S14で検出した最大変位がそれよりも前に検出した最大変位よりも小さい場合(S15でYes)、周波数が減少する方向に最大変位が増大することがわかるので、制御部40は、VCO回路の入力電圧を下降させ、出力電圧の周波数を減少させる(S19)。そして、検出部39は、圧電素子38から出力される電圧の最大値を検出し、剛体33および移動鏡15の最大変位を検出する(S20)。そして、制御部40は、S20で検出した最大変位とそれよりも前に検出した最大変位(例えばS14で検出した最大変位)との大小を比較する(S21)。
S20で検出した最大変位がそれよりも前に検出した最大変位よりも大きい場合(S21でNo)、最大変位が増大する余地があると考えられるので、S19〜S21の工程を繰り返す。そして、制御部40は、S20で検出した最大変位がそれよりも前に検出した最大変位よりも小さくなった時点で(S21でYes)、剛体33および移動鏡15が最大変位に達し、圧電素子35aへの印加電圧の周波数が共振周波数に一致したと判断して、本フローを終了する。
以上のように、制御部40は、検出部39にて検出された剛体33および移動鏡15の最大変位の変動に応じて、VCO回路の出力電圧の周波数(圧電素子35aへの印加電圧の周波数)が変動するように電圧印加部36を制御するので、たとえ駆動機構18の動作中に環境温度変化等によって共振周波数が変動したとしても、VCO回路の出力電圧の周波数を、変動する共振周波数に追従させることができる。
特に、制御部40は、検出部39にて検出された電圧に基づいて、圧電素子35aへの印加電圧の周波数が共振周波数に一致するように電圧印加部36(VCO回路)を制御するので、共振周波数が変動するような、あるいは変動しやすい環境下で本発明の駆動機構18が使用される場合でも、常に安定した共振状態を保つことができる。
なお、以上では、検出部39にて検出された電圧に基づき、剛体33および移動鏡15の変位をモニタし、その変位に基づいて電圧印加部36を制御しているが、検出部39にて検出される電圧の正負の符号の所定時間内での反転回数から振動周波数を検知し、その振動周波数に基づいて電圧印加部36を制御する(圧電素子35aへの印加電圧の周波数を、変動する共振周波数に追従させる)ことも可能である。
(2−6.駆動機構の製造方法について)
次に、駆動機構18の製造方法として、例として図4で示した駆動機構18の製造方法について説明する。なお、上述したその他の駆動機構18についても、これと同様の製造方法を適用することが可能である。
図14は、図4の駆動機構18の製造時の大まかな流れを示すフローチャートである。また、図15(a)〜図15(d)は、上記駆動機構18の製造工程を示す断面図である。まず、図15(a)に示すように、2つの板ばね部31・32を作製する(S31)。なお、板ばね部31・32の作製方法の詳細については後述する。
続いて、図15(b)に示すように、剛体33・34を互いに離間して配置するとともに、各平板部31p・32pが剛体33と剛体34との間の空間を介して対向するように、剛体33・34を介して板ばね部31・32を配置する(S32)。
次に、図15(c)に示すように、板ばね部31に移動鏡15を形成するとともに(S33)、板ばね部31の所定の位置に駆動部35を形成する(S34)。S33における移動鏡15の形成は、例えば板ばね部31に対してAuをスパッタすることによって行われる。あるいは、AlやPtなどの金属材料を蒸着法や接着によって板ばね部31上に形成することで移動鏡15を形成してもよい。また、S34における駆動部35の形成は、例えば接着剤を用いて上記した圧電素子35aを板ばね部31に接着することによって行われる。また、このとき、引き出し電極53および固定電極54(図4参照)を金属材料のスパッタ等によって同時に板ばね部31に形成しておく。
なお、S32〜S34の順序は、適宜変更してもよい。例えば、S33よりもS34を先に行ってもよいし、S33およびS34の後にS32の工程を行ってもよい。
その後、図15(d)に示すように、剛体33・34と板ばね部31・32とを連結する(S35)。ただし、このときの連結は、高温高電界下での陽極接合により行われる。そして、圧電素子35aの上面の電極42と固定電極54、固定電極54と電圧印加部36、引き出し電極53と電圧印加部36とをワイヤーボンディングによって結線する(S36)。これにより、駆動機構18が完成する。
以上では、1個の駆動機構18を製造する場合について説明したが、複数(例えば4つ)の駆動機構18を同時に製造することも可能である。その場合は、以下のようにすればよい。
図16は、4枚の板ばね部31(または4枚の板ばね部32)をシート状に綴った基板51の斜視図であって、後述する支持ブロック52との対向側から見た斜視図である。4つの駆動機構18を同時に製造する場合は、このような基板51を2枚用意する(S31に対応)。
そして、図17に示すアルカリガラス製の支持ブロック52を介して、2つの基板51・51を対向配置する(S32に対応)。上記の支持ブロック52は、1個の駆動機構18を構成する剛体33と剛体34との間に空間を設けた状態で、剛体33・34を4つずつ設けるとともに、これらを一続きに形成したものである。
続いて、図18に示すように、基板51の所定部位に移動鏡15および駆動部35をそれぞれ形成する(S33、S34に対応)。このとき、隣り合う駆動部35の圧電素子35aの下面の電極42に共通して引き出し電極53を形成するとともに、個々の圧電素子35aに対応して固定電極54を形成する。そして、3本の位置決めピン55によって位置決めを行いながら、各基板51・51と支持ブロック52とを陽極接合によって接合する(S35に対応)。その後、接合体(各基板51・51、支持ブロック52)を太線D・Dに沿ってダイサーカットし、支持片56から移動鏡15を切り離す。
さらに、図19に示すように、上記接合体を太線D・Dに沿ってダイサーカットし、4台の駆動機構18に分割する。最後に、不要な部分をさらにダイサーカットした後、個々の圧電素子35aの上面の電極42と固定電極54、固定電極54と電圧印加部36、引き出し電極53と電圧印加部36とをワイヤーボンディングによって結線する(S36に対応)。これにより、4つの駆動機構18が完成する。
(2−7.板ばね部の作製方法について)
次に、上述した板ばね部31・32の作製方法の詳細について説明する。なお、ここでは、説明の理解をしやすくするために、図16の基板51を用いて行う板ばね部31の作製方法の詳細について説明する。なお、板ばね部32の作製方法についても同様の手法を採用できる。
図20(a)〜図20(f)は、板ばね部31の作製工程を、図16のA−A’線矢視断面で見た場合の断面図である。なお、説明の便宜上、図16のA−A’線上において基板51を上下に貫通し、板ばね部31の周囲の空間に対応する部分を貫通部71・72とする。また、基板51において板ばね部31の平板部31pに対応する部分を領域73とする。
まず、図20(a)に示すように、図示しないフォトリソ工程によって、SOI基板61上にマスクとなる熱酸化膜62・63を順にパターン形成する。なお、SOI基板61は、シリコンからなる支持層31aと、酸化シリコンからなる絶縁酸化膜層31bと、シリコンからなる活性層31cとを積層して構成されているものとする。上記の熱酸化膜62・63は、SOI基板61における支持層31a側に形成されている。
続いて、図20(b)に示すように、ドライエッチングにより、熱酸化膜62をマスクとして、SOI基板61における貫通部71・72に位置する支持層31aの除去を開始するとともに、熱酸化膜63をマスクとして、領域73に位置する熱酸化膜62の除去を開始する。そして、領域73の熱酸化膜62を完全に除去した後は、図20(c)に示すように、残った熱酸化膜62をマスクとして、ドライエッチングにより、貫通部71・72に位置する支持層31aおよび領域73に位置する支持層31aを同時に除去する。このような支持層31aの段階的な除去により、貫通部71・72に位置する支持層31aを完全に除去したときには、領域73の支持層31aが若干残る。
次に、図20(d)に示すように、ドライエッチングにより、支持層31aをマスクとして、貫通部71・72に位置する絶縁酸化膜層31bを除去する。その後、図20(e)に示すように、ドライエッチングにより、熱酸化膜62をマスクとして、貫通部71・72に位置する活性層31cおよび領域73に位置する支持層31aを同時に除去する。最後に、図20(f)に示すように、ドライエッチングにより、支持層31aをマスクとして、領域73の絶縁酸化膜層31bを除去する。残った熱酸化膜62を除去することにより、図16の基板51における板ばね部31が完成する。
以上のように、駆動機構18の2つの板ばね部31・32を、SOI基板61を用いて形成することにより、上述したように、いわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術、すなわち、フォトリソグラフィーおよびエッチング等の半導体製造技術と、陽極接合などの接合技術とを複合した技術を用いて、駆動機構18を製造することができる。また、MEMS技術を用いることにより、リソグラフィーのマスク精度さえ高精度に確保しておけば、1個の駆動機構18においては2つの平板部31p・32pの長さがばらつくのを回避することができる。その結果、駆動機構18の組立時や平行移動時の可動部(剛体33および移動鏡15)の傾きを抑えることができ、かなりの精度(±0.3分程度)で可動部を平行移動させることができる。また、個体差をなくす、すなわち、複数の駆動機構18の個体ごとに平板部31p・32pの長さがばらつくことも回避できるので、複数の駆動機構18を安定して作製することができる。
(2−8.駆動機構の他の構成について)
図21は、駆動機構18のさらに他の構成を示す断面図である。同図に示すように、駆動機構18の板ばね部31の平板部31pは、絶縁酸化膜層31bと活性層31cとの2層で構成されていてもよく、板ばね部32の平板部32pは、絶縁酸化膜層32bと活性層32cとの2層で構成されていてもよい。
また、図22は、駆動機構18のさらに他の構成を示す断面図である。同図に示すように、駆動機構18の板ばね部31・32は、平板状のシリコン基板81・81でそれぞれ構成されていてもよい。なお、板ばね部31・32(シリコン基板81・81)と、ガラスからなる剛体33・34との連結には、陽極接合を用いることができる。この構成では、平板状のシリコン基板81・81で剛体33・34を挟むという簡単な構成で駆動機構18を容易に実現することができる。また、SOI基板61を用いる場合に比べて、板ばね部31・32の作製工程(S31の工程)を大幅に簡略化することができる。
また、図23は、駆動機構18のさらに他の構成を示す断面図である。同図に示すように、駆動機構18の板ばね部31・32は、平板状のガラス基板91・91でそれぞれ構成されていてもよい。この場合、例えば厚さ100μm以下のガラス(例えばアルカリガラス)に対してレーザー加工またはダイシング加工を施すことにより、ガラス基板91・91を得ることができる。なお、板ばね部31・32(ガラス基板91・91)と、ガラスからなる剛体33・34との連結には、オプティカルコンタクトまたは拡散接合を用いることができる。なお、オプティカルコンタクトとは、平滑な面同士を密着させ、分子の引力によって2部材を連結する方法である。拡散接合とは、母材を溶融させることなく加熱、加圧保持し、接合面を横切って接合界面の原子を拡散させて接合部を得る方法である。
このように、板ばね部31・32をガラス基板91・91でそれぞれ構成することにより、平板状のガラス基板91・91で剛体33・34を挟むという簡単な構成で駆動機構18を容易に実現することができる。また、SOI基板61を用いる場合に比べて、板ばね部31・32の作製工程(S31の工程)を大幅に簡略化することができる。さらに、剛体33・34および板ばね部31・32の構成材料がともにガラスとなるので、温度変化による駆動機構18の変形を確実に防止することができ、温度変化に起因して可動部(剛体33および移動鏡15)が傾くのを確実に防止することができる。
また、剛体33・34と板ばね部31・32との連結に、上述した陽極接合をはじめ、オプティカルコンタクトや拡散接合など、接着剤なしで連結する方法を採用しているので、接着剤を用いたときのような製造誤差(製造時の接着剤の収縮の影響)を排除することができ、駆動機構18を干渉計1や分光分析装置に適用したときに、大型のコーナーキューブを設置することなく、高精度な干渉による高分解能を実現することができる。つまり、干渉計1ひいては分光分析装置を小型化しながら、高精度な干渉による高分解能を実現することができる。
なお、板ばね部31・32は、上記のシリコン基板81やガラス基板91の代わりに、金属(鉄、アルミニウム、合金など)からなる平板で構成されていてもよい。
なお、上述した剛体33・34は、ガラスではなく、シリコンで構成されていてもよい。このとき、板ばね部31・32と剛体33・34との連結部が、シリコンとガラスとの連結となる場合には、接合方法として陽極接合を用いることができ、上記連結部がシリコンとシリコンとの連結となる場合には、接合方法としてオプティカルコンタクトまたは拡散接合を用いることができる。
〔3.移動鏡の共振駆動時の性能について〕
次に、上述した構成の駆動機構18によって移動鏡15を共振駆動した場合の性能について説明する。図24は、駆動機構18によって移動鏡をZ方向に±1.5mm移動させた場合のPitchおよびRollの各方向のチルトエラー量(2光路間での光の傾き量)を示している。ここで、図25(a)(b)は、移動鏡15の傾き方向であるPitch方向およびRoll方向を示している。PitchおよびRollの各方向は、以下のように定義される。すなわち、駆動機構18の板ばね部31の延設方向(剛体33・34が並ぶ方向)をY方向として、板ばね部31の共振によって移動鏡15をZ方向に平行移動させる構成において、YZ平面に垂直な方向をX方向としたとき、Pitch方向とは、移動鏡15がYZ平面内で傾く際の傾き方向であり、Roll方向とは、移動鏡15がZX平面内で傾く際の傾き方向である。
移動鏡15をZ方向に±1.5mm並進させた場合、図24から、Pitch方向のチルトエラーが±0.3分程度残っており、Roll方向のチルトエラーが±0.7分程度残っていることがわかる。Pitch方向にチルトエラーが生じる要因は、例えば、平行板ばねのZ方向の厚み誤差、平行移動部の先端側へのチルト、平行移動部と支持部のZ方向の厚み誤差、平行移動部および支持部の平面性の低下、などが考えられる。一方、Roll方向にチルトエラーが生じる要因は、例えば、平行移動部のX方向の厚み誤差、平行板ばねと平行移動部のX方向へのシフト誤差、圧電素子35aのX方向への貼り付け誤差、平行板ばねのRoll方向への捩れ、などがある。
なお、上記の平行板ばねとは、板ばね部31・32において変形によって実質的にばねとして機能する部分を指し、具体的には、板ばね部31の平板部31pと、板ばね部32の平板部32pとを指す。また、上記の平行移動部とは、上記の平行板ばねの変形によって平行移動する部分であり、具体的には、例えば図5の構成では、板ばね部31の支持層31a、絶縁酸化膜層31bおよび活性層31cと、板ばね部32の支持層32a、絶縁酸化膜層32bおよび活性層32cと、剛体33とを指す。また、上記の支持部とは、支持層31a、絶縁酸化膜層31b、活性層31c、支持層32a、絶縁酸化膜層32b、活性層32c、および剛体34を指す。
本実施形態では、上述した補正部100の光路補正装置102によって固定鏡14を非共振駆動することにより、移動鏡15の共振駆動によって発生する上記のチルトエラーを補正している。以下、光路補正装置102の詳細について説明する。
〔4.光路補正装置の詳細について〕
(4−1.光路補正装置の構成)
図26(a)は、光路補正装置102の概略の構成を示す側面図であり、図26(b)は、光路補正装置102で支持された固定鏡14の平面図である。光路補正装置102は、電圧印加によって伸縮する複数(図26(b)では4つ)の圧電素子103を有している。各圧電素子103の伸縮方向の一端面は、固定鏡14と連結されている一方、他端面は、固定台104に連結され、各圧電素子103が支持されている。各圧電素子103は、固定鏡14の底面の中心を通る軸に対して周方向に等間隔で(90度おきに)配置されている。この結果、2つの圧電素子103・103が上記軸を挟んで対向配置されるとともに、このように対向配置される圧電素子103・103が2組存在することになる。
ここで、移動鏡15が例えば50Hzの共振周波数で共振駆動される場合、移動鏡15のチルトエラーに4次の高周波成分まで含まれているとすると、光路補正装置102には、200Hzでの非共振駆動(後述するサーボ駆動)が可能な性能が要求される。そこで、本実施形態では、積層型の圧電素子103を複数用いて高速応答を実現している。圧電素子103を4本使用することにより、各対の圧電素子でPitch、Rollの各方向のチルトエラーの補正(チルト補正とも称する)を行うことができる。以下、具体的に説明する。なお、圧電素子103の数は3つであっても、チルト補正は可能である。
圧電素子103への印加可能電圧を150Vとすると、この150Vに対して、少し余裕を持つために100Vまでの電圧印加が調整できるように、光路補正装置102を設計する。固定鏡14側と移動鏡15側との機械的なチルトエラー(設計誤差)がゼロの場合、各圧電素子103への印加電圧を例えば50Vにする。これに対して、Pitch、Rollの各方向のチルトエラーがある場合、対向配置した圧電素子103・103の一方に対して50Vよりも大きい電圧を印加し、他方に対して50Vよりも小さい電圧を印加することにより、一方の圧電素子103は伸長し、他方の圧電素子103は収縮するので、固定鏡14を傾けることができる。長さ5mm程度の圧電素子103を利用し、対向する圧電素子103・103を2mmの間隔で配置すれば、±4分程度のチルト調整が可能となる。
分光分析装置では、測定前に初期状態のチルト量(2光路間での光の傾き量)を前述した方法で測定し、チルト量が±0.2分程度のレベルになるように、各圧電素子103を伸縮させて固定鏡14の傾きを調整する。その後、移動鏡15を並進駆動(共振)させ、チルトエラーをリアルタイムでモニタしながら、各圧電素子103の伸縮によって固定鏡14を非共振駆動し、常にチルトエラーがゼロになるようにサーボ駆動する。
図27は、固定鏡14を非共振駆動する際に行われるフィードバック制御(サーボ駆動)を示すブロック図である。同図に示すように、光路補正装置102は、上述した圧電素子103の他に、PIDコントローラ105を有している。このPIDコントローラ105は、比例動作、積分動作、微分動作を組み合わせた制御を行うコントローラであり、信号処理部101にて検出されたチルト量(チルトエラー)とサーボ目標値(チルト量ゼロ)とに基づいて、チルト量が目標値に近づくように(常にゼロになるように)、各圧電素子103への電圧印加を制御して、非共振駆動による各圧電素子103の伸縮によって固定鏡14の傾きを調整する。このようなフィードバック制御により、移動鏡15の移動に応じてチルトエラーが変動する場合でも、そのチルトエラーを適切に補正することができる。なお、このようなPID制御は、本実施形態では、Pitch、Rollの各方向について行われる。
なお、第2の光検出器24(4分割センサ)におけるPitchおよびRollの各方向の軸と、固定鏡14のチルト補正の際のPitchおよびRollの各方向の軸とを機械的に調整することは容易ではないため、現実的には、マイクロコンピュータ等の軸変換演算手段を用いて、前者の軸を後者の軸に変換して対応することになる。
ところで、上記の光路補正装置102は、図26(a)に示すように、取付枠106をさらに有している。この取付枠106は、光路補正装置102を干渉計1に取り付けるための取付部材であり、固定鏡14を側方から囲むように固定台104に設けられている。取付枠106を構成する4つの面にはそれぞれ、干渉計1への取付時の位置調整用の穴106aが複数設けられている。穴106aの径は、これに差し込まれるネジの径よりも若干大きい。したがって、干渉計1に対して取付枠106をネジ止めする際に、取付枠106の位置を微調整することができる。
これにより、光路補正装置102の干渉計1に対する取付位置、すなわち、固定鏡14の位置を微調整することができ、製品出荷前に初期のチルト補正を行うことができる。例えば、製品出荷時に、各ブロックの組立誤差の積み重ねにより、±15分のチルトエラーが発生する場合には、上記した初期の取付位置の機械的な調整によって、移動鏡15のチルトエラーが±1分のレベルになるように調整することができる。
(4−2.光路補正装置の他の構成)
図28(a)は、光路補正装置102の他の構成を示す平面図であり、図28(b)は、上記光路補正装置102の側面図である。なお、図28(a)では、便宜上、固定鏡14の図示を省略している。図28(a)(b)に示す光路補正装置102も干渉計1および分光分析装置に適用することが可能である。
この光路補正装置102は、固定鏡14を支持しながら回動する回動部材111を備えている。回動部材111は、ステンレス等の金属で構成された直径の異なる2つの円柱部111a・111bが同軸で、かつ、回動中心Pを通る軸で連結された形状のミラー支持台で構成されている。大径の円柱部111aの直径は、固定鏡14(ここでは円盤状とする)の直径と概ね同じであり、固定鏡14はこの円柱部111aにおける円柱部111bとは反対側の端面で支持されている。一方、小径の円柱部111bにおける大径の円柱部111aとは反対側の端面には、微小な間隙を介して束ねられて配置される四角柱状の4本の圧電素子112(112a〜112d)が固着されている。小径の円柱部111bの半径は、概ね圧電素子112の断面の1辺の長さの半分に設定されている。
圧電素子112は、電圧印加によって、回動部材111が回動する方向と対応する方向に伸縮する変位部材である。この圧電素子112は、伸縮方向に垂直な端面112Sの一部の領域112Sでのみ、接着剤113(図30参照)を介して回動部材111と連結されている。これにより、圧電素子112の端面112Sと対向する回動部材111の領域を、回動中心Pにより近い第1の領域111Rと、回動中心Pからより遠い第2の領域111Rとに分割したとき、圧電素子112は、電圧印加による伸長時に、端面112Sの一部の領域112Sで、接着剤113を介して回動部材111の第1の領域111Rを押圧して、回動部材111を回動させることが可能となる。
ここで、図29は、回動部材111の圧電素子112側からの底面図である。第1の領域111Rおよび第2の領域111Rについてさらに詳しく説明する。回動部材111において、圧電素子112の端面112Sと対向する領域を111Rとすると、第1の領域111Rは、領域111Rのうちで、回動部材111の小径の円柱部111bの端面に位置する領域であり、圧電素子112の端面112Sの中心を通る伸縮方向に沿った中心軸Lよりも回動部材111の回動中心P(図28(b)参照)に近い領域となっている。一方、第2の領域111Rは、領域111Rの残りの領域、すなわち、大径の円柱部111aの端面に位置する領域である。このようにして、領域111Rは、回動中心Pにより近い第1の領域111Rと、回動中心Pからより遠い第2の領域111Rとに分割されている。
また、圧電素子112は、回動部材111の異なる領域を押圧するために、上述のように複数(本実施例では4本)設けられている。各圧電素子112a〜112dの伸縮方向は、回動部材111の回動方向とそれぞれ対応しているが、図28(b)では、一例として、圧電素子112a・112cの伸縮方向(B−B’方向)と、回動部材111の回動方向(A−A’方向)とが対応していることを示している。圧電素子112aと圧電素子112c、圧電素子112bと圧電素子112dは、回動部材111の回動中心Pを通る軸に対して対向配置されている。各圧電素子112は、回動部材111とは反対側の端面全体で、エポキシ接着剤を介して、ステンレス等の金属からなる固定台114に固着されている。
なお、上述した圧電素子112による回動部材111の押圧の仕方は、全ての圧電素子112a〜112dに共通して言える。したがって、上述した回動部材111の第1の領域111Rおよび第2の領域111Rは、各圧電素子112a〜112dに対応して設けられ、各圧電素子112a〜112dは、伸長時に、接着剤113を介して、対応する第1の領域111Rを押圧することによって回動部材111を回動させることになる。
上記の接着剤113は、各圧電素子112と回動部材111とを接着して連結する連結部材である。接着剤113による接続部分(連結部分)は、光路補正装置102の特性を決める上で重要な部分であり、本実施例では、接着剤としては比較的ヤング率の大きいエポキシ接着剤や適度な弾性を有するエポキシ・変成シリコーン接着剤等が仕様に沿った形で適宜選択されている。また、接着剤113の厚さも重要であるため、径の揃った球形のプラスチックビーズが接着剤113に混合されていることが望ましい。本実施例では、接着剤113として、直径30μmのプラスチックビーズを混合したエポキシ接着剤を用いた。
また、上記した各圧電素子112は、電圧印加部(図示せず)と接続されており、各圧電素子112a〜112dへの電圧印加を個別に制御することによって、各圧電素子112a〜112dを個別に伸縮させることが可能となっている。
図30は、光路補正装置102の側面図であって、回動部材111の回動前後での姿勢を示している。なお、図30では、便宜上、圧電素子112bの図示を省略している。圧電素子112aには+v(V)の電圧が印加されており、圧電素子112aはd(mm)だけ伸びている(d(+)の変位)。一方、圧電素子112cには−v(V)の電圧が印加されており、圧電素子112cはd(mm)だけ縮んでいる(d(−)の変位)。これにより、圧電素子112aは、接着剤113を介して回動部材111の円柱部111bを押圧し、回動部材111全体が固定鏡14を支持したまま、回動中心Pを中心として、図28(a)に示すy軸回りに回動角θ(°)だけ回動する。なお、回動部材111が回動するときの回動中心Pは、構成部材の力学関係によって決まる。
一方、固定鏡14を図28(a)に示すx軸回りに回動させる場合は、圧電素子112bと圧電素子112dとに位相が180°ずれた電圧を印加すればよい。これにより、y軸回りのときと同様の原理により、固定鏡14を支持したまま、回動中心Pを中心として回動部材111をx軸回りに回動させることができる。
ここでは、固定鏡14および回動部材111をy軸回りおよびx軸回りに回動させる場合を示したが、これらy軸およびx軸回りの回動を組み合わせることで、任意の首振り運動を実現することが可能である。これにより、チルト補正を適切に行うことができる。例えば、断面が1.65mm×1.65mmの圧電素子112を4本用い、小径の円柱部111bの半径、すなわち、回動中心Pを通る軸から第1の領域111Rの円周までの距離を0.7mmとして固定鏡14を非共振で駆動した場合、小型の構成でありながら、±7分のチルト補正を行うことができる。
〔5.補足〕
以上では、移動鏡15を駆動する駆動機構18を、圧電素子を用いた平行板ばね機構で構成した例について説明したが、その他に、例えばMM(ムービングマグネット)を用いた電磁式の駆動機構で構成し、移動鏡18を共振駆動することも可能である。
以上では、光路補正装置102によるチルト補正を、固定鏡14に対して行っているが、移動鏡15に対して行うことも可能であり、また、固定鏡14および移動鏡15の両者に対して行うことも可能である。例えば、光路補正装置102の各圧電素子103の一端面を、駆動機構18の土台に連結すれば、各圧電素子103の伸縮により、移動鏡15を非共振で駆動して、チルト補正を行うことが可能となる。
〔6.まとめ〕
以上のように、本実施形態の干渉計1において、駆動機構18による移動鏡15の駆動は、共振駆動である一方、傾き補正部100による固定鏡14(または移動鏡15)の駆動は、非共振駆動である。傾き補正部100による固定鏡14(または移動鏡15)の非共振駆動により、2光路間での光の傾き(チルトエラー)によって第1の干渉光のコントラストが低下するのを回避することができ、そのようなチルトエラーの許容量の小さい、光束径の大きい光を用いて第1の干渉光を高感度で測定(検出)することができる。
また、駆動機構18による移動鏡15の駆動は共振駆動であるので、小型の構成で、移動鏡15の大きな移動量を確保して高分解能を実現することができる。しかも、駆動機構18が小型であるので、移動鏡15の駆動時の消費電力を低減することもできる。
よって、本実施形態の構成によれば、小型、低消費電力の構成で、移動鏡15の高ストロークによる高分解能を実現しながら、低チルトによる高感度の測定を行うことができる。また、移動鏡15の共振駆動により、移動鏡15の高速駆動が可能となって測定時間が短くなり、外乱(外部振動等)にも強いというメリットもある。
また、傾き補正部100によるチルトエラーを補正するための駆動は、チルトエラーを検出しながら、フィードバック制御によってチルト補正量を調整するサーボ駆動であるので、チルトエラーが移動鏡15の移動に応じて変動する場合でも、そのチルトエラーを適切に補正することができる。
また、傾き補正部100は、第2の光検出器24での第2の干渉光の検出結果に基づいて、移動鏡15の位置を検出するとともに、チルトエラーを検出する。このように、移動鏡15の位置検出用の第2の光学系20を利用して、チルトエラーを検出する構成とすることにより、チルトエラーを検出する専用の光学系を別途用いる必要が無く、干渉計1を小型化することができる。
また、傾き補正部100は、チルトエラーを補正するための非共振駆動を固定鏡14に対して行うので、移動鏡15に対して上記非共振駆動を行う場合に比べて、構成が複雑化することなく、チルトエラーを補正することができる。
また、傾き補正部100は、圧電素子103(または圧電素子112)の伸縮によって固定鏡14の傾きを調整するので、チルトエラーを容易にかつ確実に補正することができる。
また、傾き補正部100は、圧電素子112を有する構成において、圧電素子112の伸長時に、圧電素子112の端面112Sの一部の領域112Sと連結された回動部材111を押圧して回動させることにより、回動部材111で支持される固定鏡14の傾きを調整する。
この構成では、圧電素子112の端面112Sの一部の領域112Sと回動部材111とが連結されているので、端面112Sの全体と回動部材111とを連結すする構成に比べて、見掛け上の力点の位置Qを、圧電素子112の端面112Sの中心よりも回動中心P側に近づけることができる(図30参照)。なお、見掛け上の力点の位置Qとは、圧電素子112の伸長時に、圧電素子112が接着剤113を介して回動部材111を1点で押圧したのと等価と考えられるときの力点の位置のことであり、厳密には、接着剤113における回動部材111との接触面の中心とはずれているが、便宜的に上記接触面の中心と考えても差し支えはない。これにより、同じ圧電素子112の伸長量でも回動部材111を押圧して大きく回動させることができ、小型の構成で固定鏡14の傾き量を大きく調整することができる。
また、上記の回動部材111は、圧電素子112の端面112Sの中心を通る伸縮方向に沿った中心軸Lよりも回動中心P側で、圧電素子112の端面112Sの一部の領域112Sと連結されているので、上記した小型の構成で固定鏡14の傾き量を大きく調整できる効果を確実に得ることができる。
また、傾き補正部100は、複数の圧電素子103(または圧電素子112)を有しているので、伸長させる圧電素子を選択することによって、固定鏡14の傾きを任意の方向に調整することができ、チルトエラーを確実に補正することができる。
また、上述した駆動機構18において、2つの板ばね部31・32を剛体33・34を介して平行に配置し、圧電素子35aの伸縮によって板ばね部31を共振させて移動鏡15を入射光の光軸方向に移動させる構成とすることにより、移動鏡15の共振駆動を確実に実現することができる。
なお、本実施形態では、干渉計の外部で試料に光を当てて、試料を介して得られる光を干渉計に入射させて分光分析を行う場合について説明したが、例えば、干渉計の外部から導入した光を用いて干渉計にて干渉光を生成し、その干渉光を試料に当てて分光分析を行う場合や、干渉計の外部から入射する光そのものを分析の対象とする場合でも、本発明の干渉計を適用することが可能である。また、本実施形態で示した測定光入力部11の代わりに測定光源を配置すれば、測定光源の分析を行うこともできる。さらに、干渉計が測定光源を内蔵して、測定光源から出射される測定光を試料に照射する構成としてもよい。したがって、第1の干渉光を得るための測定光は、干渉計が内蔵している光源から出射される光であってもよいし、干渉計の外部から入射してくる光であってもよいと言える。
以上のように、本実施形態で説明した干渉計は、測定光をビームスプリッタにて分離して移動鏡および固定鏡に導き、前記移動鏡および前記固定鏡での各反射光を前記ビームスプリッタにて合成してなる干渉光を光検出器に導く光学系を備えた干渉計であって、前記移動鏡を入射光の光軸方向に移動させる移動鏡駆動機構と、前記移動鏡駆動機構による駆動時の前記移動鏡の傾きによって生じる、前記移動鏡での反射光と前記固定鏡での反射光との相対的な傾きを補正するための駆動を、前記移動鏡および前記固定鏡の少なくとも一方に対して行う傾き補正部とを備え、前記移動鏡駆動機構による前記移動鏡の駆動は、共振駆動である一方、前記傾き補正部による前記移動鏡および前記固定鏡の少なくとも一方に対する駆動は、非共振駆動である。
上記の構成によれば、測定光は、ビームスプリッタにて分離されて移動鏡および固定鏡に導かれる。移動鏡および固定鏡での各反射光は、ビームスプリッタで合成され、干渉光として光検出器に導かれる。このとき、移動鏡駆動機構によって移動鏡が入射光の光軸方向に移動(並進)するので、移動鏡での反射光と固定鏡での反射光との間で光路差が変化し、これによって干渉光の強度が変化する。したがって、本実施形態の干渉計を例えばフーリエ変換分光分析装置に適用した場合には、干渉光(インターフェログラム)をフーリエ変換して入射光のスペクトル分布を求めることにより、このスペクトル分布から、波数(1/波長)ごとの干渉光の強度を求めることができる。
ここで、移動鏡の移動量が大きいと、移動鏡を並進させることが困難となり、移動鏡に傾きが生じて、移動鏡での反射光と固定鏡での反射光とで相対的な傾き(2光路間での光の傾き)が生じる。しかし、傾き補正部が、2光路間での光の傾きを補正するための駆動を、移動鏡および固定鏡の少なくとも一方に対して行い、しかも、その駆動が非共振駆動であるので、上記傾きによって干渉光のコントラストが低下するのを回避することができる。これにより、2光路間での光の傾きの許容量の小さい、光束径の大きい光を用いて干渉光を高感度で測定(検出)することができる。
また、移動鏡駆動機構による移動鏡の駆動は、共振駆動であるので、小型の構成で、大きな移動量を確保して高分解能を実現することができる。また、移動鏡駆動機構は小型であるので、移動鏡駆動時の消費電力を低減することもできる。
つまり、上記構成によれば、小型、低消費電力の構成で、移動鏡の高ストロークによる高分解能を実現しながら、低チルトによる高感度の測定が可能となる。
なお、上記の測定光を出射する光源は、干渉計の内部にあってもよいし、外部にあってもよい。つまり、干渉計にて干渉光を得るための測定光は、干渉計が内蔵している光源から出射される光であってもよいし、干渉計の外部から入射してくる光であってもよい。
本実施形態の干渉計において、前記傾き補正部による駆動は、前記移動鏡での反射光と前記固定鏡での反射光との相対的な傾きを検出しながら、フィードバック制御によって前記傾きの補正量を調整するサーボ駆動であることが望ましい。
このようなサーボ駆動により、2光路間での光の傾きが移動鏡の移動に応じて変動する場合でも、上記傾きを適切に補正することができる。
本実施形態の干渉計は、前記干渉光、前記光検出器、前記光学系を、それぞれ、第1の干渉光、第1の光検出器、第1の光学系とすると、参照光源を有し、前記参照光源からの光を前記ビームスプリッタにて分離して前記移動鏡および前記固定鏡に導き、前記移動鏡および前記固定鏡での各反射光を前記ビームスプリッタにて合成してなる第2の干渉光を第2の光検出器に導く第2の光学系をさらに備え、前記傾き補正部は、前記第2の光検出器での第2の干渉光の検出結果に基づいて、前記移動鏡の位置を検出するとともに、前記移動鏡での反射光と前記固定鏡での反射光との相対的な傾きを検出する構成であってもよい。
この構成では、傾き補正部は、移動鏡の位置検出用(移動鏡側と固定鏡側との光路差検出用)の第2の光学系を利用して、2光路間での光の傾きも検出するので、2光路間での光の傾きを検出する専用の光学系を別途用いる必要が無く、干渉計を小型化することができる。
本実施形態の干渉計において、前記第2の光検出器は、4分割センサで構成されていることが望ましい。
この構成では、傾き補正部は、第2の光検出器としての4分割センサの各領域からの信号に基づいて、一方の光に対する他方の光の傾き(傾き方向および傾き量(角度差))を確実に検出することができる。
本実施形態の干渉計において、前記傾き補正部による非共振駆動は、前記固定鏡に対して行うことが望ましい。
傾き補正部が、共振駆動される移動鏡とは異なる固定鏡に対して、非共振駆動を行うことにより、構成が複雑化することなく、2光路間での光の傾きを補正することができる。
本実施形態の干渉計において、前記傾き補正部は、圧電素子の伸縮によって前記固定鏡の傾きを調整する構成であってもよい。
この構成では、圧電素子の伸縮によって固定鏡の傾きを容易に調整して、2光路間での光の傾きを補正することができる。
本実施形態の干渉計において、前記傾き補正部は、前記圧電素子の伸長時に、前記圧電素子の端面の一部と連結された支持台を押圧して回動させることにより、前記支持台で支持される前記固定鏡の傾きを調整する構成であってもよい。
この構成では、圧電素子の端面の一部と支持台とが連結されているので、端面の全体と支持台とが連結されている構成に比べて、同じ圧電素子の伸長量でも支持台を押圧して大きく回動させることができ、小型の構成で固定鏡の傾き量を大きく調整することができる。
本実施形態の干渉計において、前記支持台は、前記圧電素子の端面の中心を通る伸縮方向に沿った中心軸よりも回動中心側で、前記圧電素子の端面の一部と連結されていることが望ましい。
この構成では、圧電素子の少ない伸長量で支持台を大きく回動させることができ、小型の構成で固定鏡の傾き量を大きく調整できる効果を確実に得ることができる。
本実施形態の干渉計において、前記圧電素子は、複数設けられていることが望ましい。
この構成では、伸長させる圧電素子を選択することによって、固定鏡の傾きを任意の方向に調整することができる。
本実施形態の干渉計において、前記移動鏡駆動機構は、剛体を介して平行に配置される2つの板ばねと、前記2つの板ばね部の一方に配置される圧電素子とを有しており、前記移動鏡は、前記2つの板ばね部の一方に配置されており、前記圧電素子の伸縮による前記板ばね部の共振によって、入射光の光軸方向に移動する構成であってもよい。
このように、2つの板ばね部を剛体を介して平行に配置し、圧電素子の伸縮によって板ばね部を共振させることによって移動鏡を移動させるので、移動鏡駆動機構による移動鏡の共振駆動を確実に実現することができる。
本実施形態のフーリエ変換分光分析装置は、上述した本実施形態の干渉計と、前記干渉計で得られるインターフェログラムをフーリエ変換する演算部とを備えている構成であってもよい。
本実施形態の干渉計によれば、移動鏡の移動量を増大させたときに移動鏡の並進性が崩れても、傾き補正部による2光路間での光の傾きの補正により、(第1の)光検出器で検出される(第1の)干渉光のコントラストが低下するのを抑えることができる。したがって、本実施形態の干渉計を備えたフーリエ変換分光分析装置では、演算部でのフーリエ変換によって得られるスペクトルに基づく分光分析を精度よく行うことができる。つまり、高性能なフーリエ変換分光分析装置を実現することができる。
本発明は、マイケルソン型の干渉計、およびそれを用いて分光分析を行うフーリエ変換分光分析装置に利用可能である。
1 干渉計
2 演算部
10 第1の光学系
11 測定光入力部
13 BS(ビームスプリッタ)
14 固定鏡
15 移動鏡
17 第1の光検出器
18 駆動機構(移動鏡駆動機構)
20 第2の光学系
21 参照光源
24 第2の光検出器(4分割センサ)
31 板ばね部
32 板ばね部
33 剛体
34 剛体
35a 圧電素子
100 傾き補正部
101 信号処理部(傾き補正部)
102 光路補正装置(傾き補正部)
103 圧電素子
111 回動部材(支持台)
112 圧電素子

Claims (12)

  1. 移動鏡および固定鏡と、
    測定光を分離して前記移動鏡および前記固定鏡に導く一方、前記移動鏡および前記固定鏡にて反射された各光を合成するビームスプリッタと、
    前記移動鏡および前記固定鏡にて反射された各光を前記ビームスプリッタで合成してなる干渉光を検出する光検出器とを有する光学系を備えた干渉計であって、
    前記移動鏡を入射光の光軸方向に移動させる移動鏡駆動機構と、
    前記移動鏡駆動機構による駆動時の前記移動鏡の傾きによって生じる、前記移動鏡での反射光と前記固定鏡での反射光との相対的な傾きを補正するための駆動を、前記移動鏡および前記固定鏡の少なくとも一方に対して行う傾き補正部とを備え、
    前記移動鏡駆動機構による前記移動鏡の駆動は、共振駆動である一方、前記傾き補正部による前記移動鏡および前記固定鏡の少なくとも一方に対する駆動は、非共振駆動であり、
    前記移動鏡駆動機構は、剛体を介して平行に配置される2つの板ばね部を有しており、
    前記移動鏡は、前記2つの板ばね部の一方に配置されており、前記板ばね部の共振によって、入射光の光軸方向に移動することを特徴とする干渉計。
  2. 前記移動鏡駆動機構は、前記2つの板ばね部の一方に配置される圧電素子を有しており、前記圧電素子の伸縮によって前記板ばね部を共振させることにより、前記移動鏡を共振駆動することを特徴とする請求項1に記載の干渉計。
  3. 前記移動鏡駆動機構は、電磁式の駆動機構によって前記板ばね部を共振させることにより、前記移動鏡を共振駆動することを特徴とする請求項1に記載の干渉計。
  4. 前記傾き補正部による駆動は、前記移動鏡での反射光と前記固定鏡での反射光との相対的な傾きを検出しながら、フィードバック制御によって前記傾きの補正量を調整するサーボ駆動であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の干渉計。
  5. 前記干渉光、前記光検出器、前記光学系を、それぞれ、第1の干渉光、第1の光検出器、第1の光学系とすると、
    参照光源を有し、前記参照光源からの光を前記ビームスプリッタにて分離して前記移動鏡および前記固定鏡に導き、前記移動鏡および前記固定鏡での各反射光を前記ビームスプリッタにて合成してなる第2の干渉光を第2の光検出器に導く第2の光学系をさらに備え、
    前記傾き補正部は、前記第2の光検出器での第2の干渉光の検出結果に基づいて、前記移動鏡の位置を検出するとともに、前記移動鏡での反射光と前記固定鏡での反射光との相対的な傾きを検出することを特徴とする請求項4に記載の干渉計。
  6. 前記第2の光検出器は、4分割センサで構成されていることを特徴とする請求項5に記載の干渉計。
  7. 前記傾き補正部による非共振駆動は、前記固定鏡に対して行うことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の干渉計。
  8. 前記傾き補正部は、圧電素子の伸縮によって前記固定鏡の傾きを調整することを特徴とする請求項7に記載の干渉計。
  9. 前記傾き補正部は、前記圧電素子の伸長時に、前記圧電素子の端面の一部と連結された支持台を押圧して回動させることにより、前記支持台で支持される前記固定鏡の傾きを調整することを特徴とする請求項8に記載の干渉計。
  10. 前記支持台は、前記圧電素子の端面の中心を通る伸縮方向に沿った中心軸よりも回動中心側で、前記圧電素子の端面の一部と連結されていることを特徴とする請求項9に記載の干渉計。
  11. 前記圧電素子は、複数設けられていることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の干渉計。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の干渉計と、
    前記干渉計で得られるインターフェログラムをフーリエ変換する演算部とを備えていることを特徴とするフーリエ変換分光分析装置。
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