JP5590036B2 - 干渉光学系およびそれを備えた分光器 - Google Patents

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Description

本発明は、マイケルソン干渉計を構成する干渉光学系と、その干渉光学系を備えた分光器とに関するものである。
従来から、試料に光を照射して、そこを透過または反射した光を集めて分光し、スペクトルを得る装置が分光器として知られている。分光器は、分光プリズムや回折格子を用いた分散型の分光器と、マイケルソン干渉計などの干渉光学系を用いた時間的フーリエ変換分光器(以下、FT分光器とも称する)とに大別される。FT分光器では、マイケルソン干渉計の移動鏡を移動させながら時間的インターフェログラム(干渉パターン)を形成し、その時間的インターフェログラムをフーリエ変換することにより、入射光のスペクトル分布を求めることができる。
このような分光器に適用可能なマイケルソン干渉計は、例えば非特許文献1〜3に開示されている。これらの光学系は、いずれも、光源から出射された光をBS(ビームスプリッタ)にて分離して固定鏡および移動鏡に導き、固定鏡および移動鏡にて反射された各光を再度BSに入射させて合成し、干渉させた後、その干渉光を検出器に導く構成である。
南光智昭、外2名、「近赤外分光分析計 InfraSpec NR800」、横河技報、横河電機株式会社、2001年7月31日、Vol.45、No.3、p.179-182 Wilfried Noell et al., "Applications of SOI-based optical MEMS", the IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics(JSTQE), 2002-08-07, Volume 8, Issue 1, Jan/Feb 2002, page(s):148-154 Omar Manzardo, "Micro-sized Fourier Spectrometers", Neuch^atel, janvier 2002, p.87
ところで、マイケルソン干渉計においては、少なくとも上記したBSと、固定鏡と、移動鏡と、その移動鏡の駆動機構とが1つの筐体内に収められている。このとき、移動鏡の駆動機構が第1の支持部材によって筐体内で支持されており、BSおよび固定鏡がそれぞれ第2および第3の支持部材によって支持されているとする。このように、移動鏡の駆動機構、BSおよび固定鏡が別々の支持部材によって支持されていると、移動鏡の駆動に起因して第1の支持部材が振動したときでも、これが単独で(第2および第3の支持部材とは独立して)振動する。このため、BS−固定鏡間の光路と、BS−移動鏡間の光路とで、本来の移動鏡の駆動(反射光の光路長を変化させる駆動)によって生じる光路差以外に、第1の支持部材の振動に起因する光路差が生じ、これがノイズとなる。その結果、高精度な干渉を実現することができなくなる。
なお、非特許文献3の光学系では、静電アクチュエータを構成する移動鏡およびその駆動機構と固定鏡とを同一のL字形基板に搭載し、このL字形基板とBSとを支持部材にて支持している。しかし、L字形基板と支持部材とが別体である以上、L字形基板と支持部材とで振動の仕方が異なるため、上記と同様に、移動鏡の駆動時の振動に起因して、上記両光路間でノイズとなる光路差が生じる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、移動鏡の駆動時の振動に起因して、BS−固定鏡間の光路と、BS−移動鏡間の光路とでノイズとなる光路差が生じるのを抑えることができ、これによって高精度な干渉を実現できる干渉光学系と、その干渉光学系を備えた分光器とを提供することにある。
本発明の干渉光学系は、固定鏡と、移動鏡と、入射光を分離して前記固定鏡および前記移動鏡に導くとともに、前記固定鏡および前記移動鏡にて反射された各光を合成し、干渉光として出射するビームスプリッタと、前記移動鏡にて反射される光の光路長が変化するように、前記移動鏡を平行移動させる駆動機構と、前記固定鏡、前記ビームスプリッタおよび前記駆動機構を一体的に、かつ、直接支持する支持部とを備えていることを特徴としている。
本発明の干渉光学系において、前記支持部は、以下の条件式を満足する線膨張係数K(1/℃)を有していることが望ましい。すなわち、
Nλ=λ/10>d・t・K
ただし、
d :前記固定鏡と前記ビームスプリッタとの間の光路長(mm)
t :前記固定鏡と前記ビームスプリッタとの間の光路と、
前記移動鏡と前記ビームスプリッタとの間の光路との間の温度
較差(℃)
λ :測定波長(nm)
Nλ:温度較差に起因する光路差誤差(nm)
である。
本発明の干渉光学系において、前記支持部の線膨張係数は、5×10-6/℃未満であってもよい。
本発明の干渉光学系において、前記支持部の線膨張係数は、4.5×10-6/℃未満であってもよい。
本発明の干渉光学系において、前記支持部は、シリコンまたはガラスで構成されていてもよい。
本発明の干渉光学系において、前記駆動機構は、一端部に対して他端部を振動させる平行板ばねで構成されており、前記移動鏡は、前記平行板ばねの前記他端部に設けられており、前記支持部は、前記平行板ばねの振動振幅よりも大きい厚さを有し、前記平行板ばねの前記一端部を支持する支持ブロックと、前記駆動機構を前記支持ブロックを介して支持するとともに、前記固定鏡および前記ビームスプリッタを支持する支持基板とで構成されていてもよい。
本発明の干渉光学系において、前記支持ブロックは、前記支持基板と同じ材料で構成されていてもよい。
本発明の干渉光学系において、前記支持ブロックは、シリコンまたはガラスで構成されていてもよい。
本発明の干渉光学系において、前記支持基板は、シリコンまたはガラスで構成されていてもよい。
本発明の干渉光学系において、前記駆動機構は、剛体を介して互いに対向配置される2つの板ばね部を有しており、前記2つの板ばね部は、SOI基板を用いて形成されていてもよい。
本発明の干渉光学系において、前記駆動機構は、剛体を介して互いに対向配置される2つの板ばね部を有しており、前記2つの板ばね部は、シリコン基板またはガラス基板で形成されていてもよい。
本発明の分光器は、上述した本発明の干渉光学系と、演算部とを備え、前記干渉光学系は、前記干渉光を検出する検出器を有しており、前記演算部は、前記検出器から出力される信号に基づいてスペクトルを生成してもよい。
本発明によれば、固定鏡、BS(ビームスプリッタ)および駆動機構が支持部によって一体的に、かつ、直接支持されるので、移動鏡の駆動時に、駆動機構および支持部が振動しても、その振動は同じ支持部を介して固定鏡およびBSに同じように伝播する。これにより、BS−固定鏡間の光路とBS−移動鏡間の光路とにおいて、移動鏡の駆動時の支持部の振動に起因する光路差(位相差)、すなわち、移動鏡の平行移動によって生じる本来の光路差以外にノイズとなる光路差が生じるのを抑えることができ、高精度な干渉を実現することができる。
本発明の実施の一形態の分光器に適用される干渉光学系の主要部の構成を模式的に示す斜視図である。 上記分光器の概略の構成を示す説明図である。 上記干渉光学系の駆動機構の概略の構成を示す斜視図である。 上記駆動機構の断面図である。 上記駆動機構の駆動部の概略の構成を示すとともに、板ばね部の変位の様子を示す断面図である。 上記駆動機構を製造する際の大まかな流れを示すフローチャートである。 (a)〜(d)は、上記駆動機構の製造工程を示す断面図である。 複数の板ばね部をシート状に綴った基板の斜視図である。 2枚の上記基板で挟まれる剛体ブロックの斜視図である。 移動鏡を支持片から切り離す前の、上記基板および上記剛体ブロックからなる接合体の斜視図である。 上記移動鏡を支持片から切り離した後の、上記接合体の斜視図である。 (a)〜(f)は、図8のA−A’線矢視断面で見た駆動機構の板ばね部の作製工程をそれぞれ示す断面図である。 上記駆動機構の他の構成を示す断面図である。 上記駆動機構のさらに他の構成を示す断面図である。 上記駆動機構のさらに他の構成を示す断面図である。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
(干渉光学系および分光器について)
図2は、本実施形態の分光器1の概略の構成を模式的に示す説明図である。分光器1は、フーリエ変換分光器であり、干渉光学系2と、演算部3と、出力部4とを有している。
干渉光学系2は、マイケルソン干渉計で構成されているが、その詳細については後述する。演算部3は、干渉光学系2から出力される信号をA/D変換およびフーリエ変換することにより、各波長(波数(=1/波長))の光の強度を示すスペクトルを生成する。出力部4は、演算部3にて生成されたスペクトルを出力(例えば表示)する。以下、干渉光学系2の詳細について説明する。
干渉光学系2は、光源11と、コリメータ光学系12と、BS(ビームスプリッタ)13と、固定鏡14と、移動鏡15と、集光光学系16と、検出器17と、駆動機構21と、支持部22とを備えている。なお、移動鏡15と固定鏡14の位置は逆であってもよい。
光源11は、例えば赤外光を出射する。コリメータ光学系12は、光源11からの光を平行光に変換してBS13に導く。BS13は、入射光、すなわち、光源11から出射された光を2つの光に分離して、それぞれを固定鏡14および移動鏡15に導くとともに、固定鏡14および移動鏡15にて反射された各光を合成し、干渉光として出射するものであり、例えばハーフミラーで構成されている。集光光学系16は、BS13にて合成されて出射された光を集光して検出器17に導く。検出器17は、BS13から集光光学系16を介して入射する上記光を検出し、演算部3に出力する。
駆動機構21は、移動鏡15にて反射される光の光路長(BS13と移動鏡15との間の光路長)が変化するように、移動鏡15を平行移動させる移動機構である。ここで、図1は、干渉光学系2の主要部の構成を模式的に示す斜視図である。駆動機構21は、例えば、一端部21aに対して他端部21bを振動させる平行板ばねで構成されている。なお、駆動機構21の詳細な構成については後述する。
移動鏡15は、駆動機構21の上記他端部21bに設けられている。一方、駆動機構21の上記一端部21aには、例えば圧電素子からなる駆動部35が設けられている。したがって、駆動機構21を駆動部35によって振動(共振)させることにより、図1で上下方向に移動鏡15を平行移動させて光路長を変化させることができる。なお、駆動部35として、圧電素子の代わりにVCM(ボイスコイルモータ)を用いてもよい。また、例えば静電アクチュエータや、磁石とコイルとを用いた電磁式アクチュエータによって移動鏡15を平行移動させる構成としてもよい。
支持部22は、固定鏡14、BS13および駆動機構21を一体的に、かつ、直接支持するものであるが、その詳細については後述する。
上記の構成において、光源11から出射された光は、コリメータ光学系12によって平行光に変換された後、BS13での透過および反射によって2光束に分離される。分離された一方の光束は移動鏡15で反射され、他方の光束は固定鏡14で反射され、それぞれ元の光路を逆戻りしてBS13で重ね合わせられ、干渉光として試料S(図2参照)に照射される。このとき、駆動機構21によって移動鏡15を連続的に移動させながら試料Sに光が照射されるが、BS13から各ミラー(移動鏡15、固定鏡14)までの光路長の差が波長の整数倍のときは、重ね合わされた光の強度は最大となる。一方、移動鏡15の移動によって2つの光路長に差が生じている場合には、重ね合わされた光の強度に変化が生じる。試料Sを透過した光は、集光光学系16にて集光されて検出器17に入射し、そこで時間的インターフェログラムとして検出される。
干渉光学系2の検出器17から出力される信号は、演算部3にてA/D変換およびフーリエ変換され、スペクトルとして出力部4で出力される。したがって、このスペクトルに基づき、試料Sの特性(材料、構造、成分量など)を知ることができる。
(支持部について)
次に、支持部22の詳細について説明する。図1に示すように、支持部22は、支持ブロック23(支持部材)と、支持基板24とで構成されている。支持ブロック23は、駆動機構21(平行板ばね)の振動振幅P(図5参照)よりも大きい厚さt(mm)を有し、駆動機構21の一端部21aを支持するブロックである。支持基板24は、駆動機構21を支持ブロック23を介して支持するとともに、固定鏡14およびBS13を支持する平板状の基板である。
また、本実施形態では、支持基板24は、BS13から固定鏡14に至る光路を反射面で折り曲げる光路折り曲げ部材25と、BS13から移動鏡15に至る光路を反射面で折り曲げる光路折り曲げ部材26とをさらに支持している。このような光路折り曲げ部材25・26を設けることにより、支持基板24上にBS13、固定鏡14、および駆動機構21をコンパクトに載置することができる。
ここで、支持部22、すなわち支持ブロック23および支持基板24は、線膨張係数が5×10-6/℃未満の高剛性の材料で構成されている。このような支持部22は、例えば、シリコン(線膨張係数;2.4×10-6/℃)、テンパックスガラス(線膨張係数;3×10-6/℃)、インバー(線膨張係数;1×10-6/℃)、ノビナイト(登録商標)CF−5(線膨張係数;2.5〜3.5×10-6/℃)で構成することが可能である。なお、上記のテンパックスガラスはアルカリガラスの一種であり、インバーはFeとNiの合金であり、ノビナイトCF−5はオーステナイト系鋳鉄である。本実施形態では、後述するように、駆動機構21の平行板ばねをSOI(Silicon on Insulator)基板、シリコン基板またはガラス基板を用いて構成していることから、支持部22をシリコンまたはガラスで構成している。
なお、支持ブロック23および支持基板24は、同一材料で構成されることが望ましいが、2つの材料の線膨張係数の差が小さく、後述する光路差誤差への影響が小さい場合には、異種材料で構成されてもよい。
このように線膨張係数が5×10-6/℃未満の材料で支持部22を構成するのは、以下の理由による。小型の分光器1の場合、BS13と固定鏡14との間の光路長およびBS13と移動鏡15との間の光路長は、それぞれ例えば20mm程度である。また、干渉光学系2の各構成部材を収容する図示しない筐体内では、光源11の位置によって温度分布に偏りが生じ、上記両光路間で温度較差は1℃程度発生する。このような温度較差に起因する光路差誤差(ノイズ)が波長(900〜2500nm)の10分の1以下であるためには、Kを線膨張係数(1/℃)として、
100nm(≒(900/10))>20mm×1℃×K
を満足する必要が生ずる。この条件式より、K<5×10-6が導き出される。なお、(900/10)>20mm×1℃×Kより、K<4.5×10-6であることがより望ましく、上述した支持部22の構成材料は全て、K<4.5×10-6を満足している。
以上のように支持部22を構成することにより、以下の効果を得ることができる。まず、固定鏡14、BS13および駆動機構21が支持部22によって一体的に、かつ、直接支持されており、固定鏡14、BS13および駆動機構21と支持部22との間に介在する部材が何もないので、移動鏡15の駆動時に、駆動機構21およびそれを支持する支持部22が振動しても、その振動は同じ支持部22を介して固定鏡14およびBS13に同じように伝播する。これにより、BS13と固定鏡14との間の光路と、BS13と移動鏡15との間の光路とにおいて、移動鏡15の平行移動によって生じる本来の光路差以外に、支持部22の振動に起因する、ノイズとなる光路差が生じるのを抑えることができ、高精度な干渉を実現することができる。
加えて、支持部22の線膨張係数は、5×10-6/℃未満と小さいので、支持部22の熱膨張自体を抑えることができる。これにより、光源11の位置に起因して上記両光路間で温度較差が生じる場合でも、その温度較差に起因してノイズとなる光路差が生じるのを抑えることができる。特に、温度較差に起因する光路差を、用いる波長の10分の1以下に十分抑えることができる。
したがって、本実施形態の構成によれば、移動鏡15の駆動時の支持部22の振動および温度較差の両者に起因して、上記両光路間でノイズとなる光路差が生じるのを抑えることができるので、高精度な干渉を確実に実現することができる。
また、平行板ばねからなる駆動機構21の一端部21aが支持ブロック23を介して支持基板24に支持されており、その支持ブロック23が駆動機構21の振動振幅Pよりも大きい厚さtを有しているので、支持基板24上で駆動機構21の他端部21bが振動する空間を確保することができる。つまり、駆動機構21が振動しても、駆動機構21の他端部21bが支持基板24の表面に接触するのを回避することができる。これにより、駆動機構21の周期的な振動を確実に実現することができる。
なお、図示はしないが、支持基板24に貫通孔または凹部を設けておき、他端部21bが貫通孔または凹部に出入りするように駆動機構21を振動させてもよい。この場合は、支持ブロック23の厚さを、駆動機構21の振動振幅P以下の厚さとすることが可能となる。
また、支持部22は、線膨張係数が5×10-6/℃未満であるシリコンまたはガラスで構成されているので、温度による影響を確実に低減できる。すなわち、支持部22の熱膨張および上記両光路間での温度較差に起因してノイズとなる光路差が生じるのを確実に抑えることができる。
また、支持部22がシリコンまたはガラスで構成されていれば、後述するように、駆動機構21を、SOI基板を用いた平行板ばねで構成したり、シリコン基板やガラス基板を用いた平行板ばねで構成した場合には、例えば陽極接合、オプティカルコンタクト、拡散接合などの手法を用いて、駆動機構21と支持部22とを接着剤を用いずに連結(接合)することができる。これにより、接着剤に起因する製造誤差(接着剤の収縮の影響)を排除することができ、さらに高精度な干渉を実現することができる。
なお、陽極接合とは、シリコンおよびガラスに数百℃の温度下で数百Vの直流電圧を印加し、Si−Oの共有結合を生じさせることによって両者を直接、接合する手法である。オプティカルコンタクトとは、平滑な面同士を密着させ、分子の引力によって2部材を連結する方法である。拡散接合とは、母材を溶融させることなく加熱、加圧保持し、接合面を横切って接合界面の原子を拡散させて接合部を得る方法である。例えば、支持部22(特に支持ブロック23)と、駆動機構21における支持部22との接合部との材料の組み合わせが、シリコン−ガラスの場合には陽極接合を用いることができ、シリコン−シリコンまたはガラス−ガラスの場合にはオプティカルコンタクトまたは拡散接合を用いることができる。
ところで、本実施形態では、固定鏡14とBS13との間の光路と、移動鏡15とBS13との間の光路との間の温度較差が1℃程度発生するものとして線膨張係数Kの範囲を規定したが、上記両光路間での温度較差がt℃発生する場合は、支持部22として、以下の条件式(1)を満足する線膨張係数K(1/℃)を有するものを用いればよい。すなわち、
Nλ=λ/10>d・t・K ・・・(1)
ただし、
d :固定鏡14とBS13との間の光路長(mm)
(=静止時の移動鏡15とBS13との間の光路長(mm))
t :固定鏡14とBS13との間の光路と、
移動鏡15とBS13との間の光路との間の温度較差(℃)
λ :測定波長(nm)
Nλ:温度較差に起因する光路差誤差(nm)
である。なお、測定波長とは、光源11から出射される光の波長のことである。光源11から出射される光が一定の波長幅を有する場合は、測定波長とは、上記波長幅の光の最短波長を考えることができる。なお、光路差誤差Nλは、測定波長の10分の1以下であることが望ましいことから、Nλ=λ/10として条件式(1)を規定した。
条件式(1)を満足する線膨張係数Kを有する支持部22を用いることにより、上記両光路間でどのような大きさの温度較差が生じても、その温度較差に起因してノイズとなる光路差が生じるのを抑えることができる。
(駆動機構について)
次に、駆動機構21の詳細について説明する。図3は、駆動機構21の概略の構成を示す斜視図であり、図4は、駆動機構21の断面図である。この駆動機構21は、2つの板ばね部31・32と、2つの剛体33・34と、駆動部35と、上記の移動鏡15とを有しており、上述したように、一端部21aに対して他端部21bを振動(平行移動)させる平行板ばねで構成されている。
板ばね部31・32は、剛体(剛体33・34)を介して互いに対向配置される第1の板ばね部および第2の板ばね部である。これらの板ばね部31・32は、例えばSOI基板を用いて形成されている。板ばね部31を形成するためのSOI基板は、シリコンからなる支持層31aと、酸化シリコンからなる絶縁酸化膜層(BOX層)31bと、シリコンからなる活性層31cとを積層して構成されている。同様に、板ばね部32を形成するためのSOI基板も、シリコンからなる支持層32aと、絶縁酸化膜層(BOX層)32bと、シリコンからなる活性層32cとを積層して構成されている。そして、支持層31a・32aが内側で活性層31c・32cが外側となるように、つまり、活性層31c・32cよりも支持層31a・32aが剛体33・34により近い位置となるように、板ばね部31・32が対向配置されている。
支持層31aおよび絶縁酸化膜層31b、支持層32aおよび絶縁酸化膜層32bは、それぞれ部分的に除去されている。より詳しくは、支持層31aおよび絶縁酸化膜層31bは、剛体33との対向領域および剛体34との対向領域が残存し、これら以外の部分が除去されている。なお、支持層31aにおける剛体33との対向領域および剛体34との対向領域とは、支持層31aにおいて剛体33と直接対向する支持層31a1、および剛体34と直接対向する支持層31a2をそれぞれ指す。また、絶縁酸化膜層31bにおける剛体33との対向領域および剛体34との対向領域とは、絶縁酸化膜層31bにおいて、支持層31a1を介して剛体33と対向する絶縁酸化膜層31b1、および支持層31a2を介して剛体34と対向する絶縁酸化膜層31b2をそれぞれ指す。
同様に、支持層32aおよび絶縁酸化膜層32bは、剛体33との対向領域および剛体34との対向領域が残存し、これら以外の部分が除去されている。なお、支持層32aにおける剛体33との対向領域および剛体34との対向領域とは、支持層32aにおいて剛体33と直接対向する支持層32a1、および剛体34と直接対向する支持層32a2をそれぞれ指す。また、絶縁酸化膜層32bにおける剛体33との対向領域および剛体34との対向領域とは、絶縁酸化膜層32bにおいて、支持層32a1を介して剛体33と対向する絶縁酸化膜層32b1、および支持層32a2を介して剛体34と対向する絶縁酸化膜層32b2をそれぞれ指す。
このように支持層31a・32aおよび絶縁酸化膜層31b・32bが部分的に除去されている結果、活性層31cのうち、剛体33との対向領域および剛体34との対向領域を除く部位と、活性層32cのうち、剛体33との対向領域および剛体34との対向領域を除く部位とが、剛体33と剛体34との間の空間を介して直接対向している。なお、活性層31cにおける剛体33との対向領域および剛体34との対向領域とは、活性層31cにおいて、支持層31a1および絶縁酸化膜層31b1を介して剛体33と対向する活性層31c1と、支持層31a2および絶縁酸化膜層31b2を介して剛体34と対向する活性層31c2とをそれぞれ指す。また、活性層32cにおける剛体33との対向領域および剛体34との対向領域とは、活性層32cにおいて、支持層32a1および絶縁酸化膜層32b1を介して剛体33と対向する活性層32c1と、支持層32a2および絶縁酸化膜層32b2を介して剛体34と対向する活性層32c2とをそれぞれ指す。
板ばね部31・32において、剛体33と剛体34との間の空間を介して対向する部位はそれぞれ平板状であることから、これらの部位を平板部31p・32pと称すると、各平板部31p・32pは、各SOI基板から、剛体33との対向領域(支持層31a1・32a1、絶縁酸化膜層31b1・32b1)および剛体34との対向領域(支持層31a2・32a2、絶縁酸化膜層31b2・32b2)を除いて支持層31a・32aおよび絶縁酸化膜層31b・32bを除去したときに、剛体33と剛体34との間の空間を介して対向する活性層31c・32cでそれぞれ構成されていると言うことができる。
支持層31aにおける剛体33・34との対向領域(支持層31a1・31a2)は、剛体33・34とそれぞれ連結されている。同様に、支持層32aにおける剛体33・34との対向領域(支持層32a1・32a2)は、剛体33・34とそれぞれ連結されている。
剛体33・34は、板ばね部31・32の間でそれらが対向する方向とは垂直方向に離間して配置される第1の剛体および第2の剛体である。剛体33は、板ばね部31(特に支持層31a1)と連結されているとともに、板ばね部32(特に支持層32a1)と連結されている。同様に、剛体34は、板ばね部31(特に支持層31a2)と連結されているとともに、板ばね部32(特に支持層32a2)と連結されている。なお、剛体34は、平行板ばねの一端部21aに対応して設けられており、剛体33は、平行板ばねの他端部21bに対応して設けられている。
また、剛体33・34は両方とも、板ばね部31・32の各平板部31p・32pよりも厚いガラスで構成されている。本実施形態では、上記のガラスとして、例えば酸化ナトリウム(Na2O)や酸化カリウム(K2O)を含むアルカリガラスを用いている。なお、剛体33・34は、ガラスの代わりにシリコンで構成されていてもよい。
本実施形態では、剛体33・34がガラスで構成され、板ばね部31の支持層31a1・31a2および板ばね部32の支持層32a1・32a2がともにシリコンで構成されているため、剛体33・34と板ばね部31・32とは、例えば上述した陽極接合により連結されている。
駆動部35は、板ばね部31・32の一方を曲げ変形させることにより、剛体33・34の一方を板ばね部31・32の対向方向に平行移動させるものである。本実施形態では、駆動部35は、板ばね部31における剛体34の上方で、かつ、剛体34とは反対側の表面に設けられている。また、上記の移動鏡15は、板ばね部31における剛体33の上方で、かつ、剛体33とは反対側の表面に設けられている。なお、駆動部35および移動鏡15は、板ばね部32に設けられていてもよい。また、駆動部35および移動鏡15の大きさは、適宜設定されればよい。
ここで、駆動部35は、上述したように例えば圧電素子で構成されている。この圧電素子は、図5に示すように、圧電材料であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)41を電極42・43で挟持した構造となっている。例えば、電極42・43への電圧印加によってPZT41が伸びたときには、板ばね部31が上に凸となるように変形するため、剛体33とともに移動鏡15が下方に変位する。一方、電極42・43への上記とは逆極性の電圧印加によってPZT41が縮んだときには、板ばね部31が下に凸となるように変形するため、剛体33とともに移動鏡15が上方に変位する。このように、電極42・43に正または負の電圧を印加し、PZT41を水平方向に伸縮させることにより、板ばね部31を曲げ変形させることができ、剛体33とともに移動鏡15を振動振幅Pで変位(振動、共振)させることができる。
(駆動機構の製造方法について)
次に、上記した駆動機構21の製造方法について説明する。図6は、駆動機構21の製造時の大まかな流れを示すフローチャートである。また、図7(a)〜図7(d)は、駆動機構21の製造工程を示す断面図である。まず、図7(a)に示すように、2つの板ばね部31・32を作製する(S1)。なお、板ばね部31・32の作製方法の詳細については後述する。
続いて、図7(b)に示すように、剛体33・34を互いに離間して配置するとともに、各平板部31p・32pが剛体33と剛体34との間の空間を介して対向するように、剛体33・34を介して板ばね部31・32を配置する(S2)。
次に、図7(c)に示すように、板ばね部31に移動鏡15を形成するとともに(S3)、板ばね部31に駆動部35を形成する(S4)。S3における移動鏡15の形成は、例えば板ばね部31に対してAuをスパッタすることによって行われる。あるいは、AlやPtなどの金属材料を蒸着法や接着によって板ばね部31上に形成することで移動鏡15を形成してもよい。また、S4における駆動部35の形成は、例えば接着剤を用いて上記した圧電素子を板ばね部31に接着することによって行われる。
このとき、引き出し電極と固定電極とを金属材料のスパッタ等によって同時に板ばね部31に形成しておく。なお、上記の引き出し電極とは、圧電素子の下面の電極(図5の電極43に対応)を引き出すための電極であり、上記の固定電極とは、圧電素子の上面の電極(図5の電極42に対応)とワイヤーボンディングによって接続される電極であり、図示しない電源と接続される。
なお、S2〜S4の順序は、適宜変更してもよい。例えば、S3よりもS4を先に行ってもよいし、S3およびS4の後にS2の工程を行ってもよい。
その後、図7(d)に示すように、剛体33・34と板ばね部31・32とを連結する(S5)。ただし、このときの連結は、高温高電界下での陽極接合により行われる。そして、圧電素子の上面の電極と固定電極とをワイヤーボンディングによって結線する(S6)。これにより、駆動機構21が完成する。
最後に、駆動機構21を、支持ブロック23を介して支持基板24に支持する(図1参照)。このとき、駆動機構21と支持ブロック23とは、前述したように、これらの構成材料に応じた手法(陽極接合、オプティカルコンタクト、拡散接合など)で連結(接合)される。
以上では、1個の駆動機構21を製造する場合について説明したが、複数(例えば4つ)の駆動機構21を同時に製造することも可能である。その場合は、以下のようにすればよい。
図8は、4枚の板ばね部31(または4枚の板ばね部32)をシート状に綴った基板51の斜視図であって、後述する剛体ブロック52との対向側から見た斜視図である。4つの駆動機構21を同時に製造する場合は、このような基板51を2枚用意する(S1に対応)。
そして、図9に示すアルカリガラス製の剛体ブロック52を介して、2つの基板51・51を対向配置する(S2に対応)。上記の剛体ブロック52は、1個の駆動機構21を構成する剛体33と剛体34との間に空間を設けた状態で、剛体33・34を4つずつ設けるとともに、これらを一続きに形成したものである。
続いて、図10に示すように、基板51の所定部位に移動鏡15および圧電素子からなる駆動部35をそれぞれ形成する(S3、S4に対応)。このとき、隣り合う圧電素子の下面の電極に共通して引き出し電極53を形成するとともに、個々の圧電素子に対応して固定電極54を形成する。そして、3本の位置決めピン55によって位置決めを行いながら、各基板51・51と剛体ブロック52とを陽極接合によって接合する(S5に対応)。その後、接合体(各基板51・51、剛体ブロック52)を太線D1・D2に沿ってダイサーカットし、支持片56から移動鏡15を切り離す。
さらに、図11に示すように、上記接合体を太線D3・D4に沿ってダイサーカットし、4台の駆動機構21に分割する。最後に、不要な部分をさらにダイサーカットした後、個々の圧電素子の上面の電極と固定電極54とをワイヤーボンディングによって結線する(S6に対応)。これにより、4つの駆動機構21が完成する。
(板ばね部の作製方法について)
次に、上述した板ばね部31・32の作製方法の詳細について説明する。なお、ここでは、説明の理解をしやすくするために、図8の基板51を用いて行う板ばね部31の作製方法の詳細について説明する。なお、板ばね部32の作製方法についても同様の手法を採用できる。
図12(a)〜図12(f)は、板ばね部31の作製工程を、図8のA−A’線矢視断面で見た場合の断面図である。なお、説明の便宜上、図8のA−A’線上において基板51を上下に貫通し、板ばね部31の周囲の空間に対応する部分を貫通部71・72とする。また、基板51において板ばね部31の平板部31pに対応する部分を領域73とする。
まず、図12(a)に示すように、図示しないフォトリソ工程によって、SOI基板61上にマスクとなる熱酸化膜62・63を順にパターン形成する。なお、SOI基板61は、シリコンからなる支持層31aと、酸化シリコンからなる絶縁酸化膜層31bと、シリコンからなる活性層31cとを積層して構成されているものとする。上記の熱酸化膜62・63は、SOI基板61における支持層31a側に形成されている。
続いて、図12(b)に示すように、ドライエッチングにより、熱酸化膜62をマスクとして、SOI基板61における貫通部71・72に位置する支持層31aの除去を開始するとともに、熱酸化膜63をマスクとして、領域73に位置する熱酸化膜62の除去を開始する。そして、領域73の熱酸化膜62を完全に除去した後は、図12(c)に示すように、残った熱酸化膜62をマスクとして、ドライエッチングにより、貫通部71・72に位置する支持層31aおよび領域73に位置する支持層31aを同時に除去する。このような支持層31aの段階的な除去により、貫通部71・72に位置する支持層31aを完全に除去したときには、領域73の支持層31aが若干残る。
次に、図12(d)に示すように、ドライエッチングにより、支持層31aをマスクとして、貫通部71・72に位置する絶縁酸化膜層31bを除去する。その後、図12(e)に示すように、ドライエッチングにより、熱酸化膜62をマスクとして、貫通部71・72に位置する活性層31cおよび領域73に位置する支持層31aを同時に除去する。最後に、図12(f)に示すように、ドライエッチングにより、支持層31aをマスクとして、領域73の絶縁酸化膜層31bを除去する。残った熱酸化膜62を除去することにより、図8の基板51における板ばね部31が完成する。
以上のように、駆動機構21の2つの板ばね部31・32を、SOI基板61を用いて形成することにより、上述したように、いわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術、すなわち、フォトリソグラフィーおよびエッチング等の半導体製造技術と、陽極接合などの接合技術とを複合した技術を用いて、駆動機構21を製造することができる。つまり、MEMS製の移動鏡(MEMS移動鏡)を実現することが可能となる。また、MEMS技術を用いることにより、リソグラフィーのマスク精度さえ高精度に確保しておけば、1個の駆動機構21においては2つの平板部31p・32pの長さがばらつくのを回避することができる。その結果、駆動機構21の組立時や平行移動時の可動部(剛体33および移動鏡15)の傾きを抑えることができる。また、個体差をなくす、すなわち、複数の駆動機構21の個体ごとに平板部31p・32pの長さがばらつくことも回避できるので、複数の駆動機構21を安定して作製することができる。
(駆動機構の他の構成について)
図13は、駆動機構21の他の構成を示す断面図である。同図に示すように、駆動機構21の板ばね部31の平板部31pは、絶縁酸化膜層31bと活性層31cとの2層で構成されていてもよく、板ばね部32の平板部32pは、絶縁酸化膜層32bと活性層32cとの2層で構成されていてもよい。
また、図14は、駆動機構21のさらに他の構成を示す断面図である。同図に示すように、駆動機構21の板ばね部31・32は、平板状のシリコン基板81・81でそれぞれ構成されていてもよい。なお、板ばね部31・32(シリコン基板81・81)と、ガラスからなる剛体33・34との連結には、陽極接合を用いることができる。この構成では、平板状のシリコン基板81・81で剛体33・34を挟むという簡単な構成で駆動機構21を容易に実現することができる。また、SOI基板61を用いる場合に比べて、板ばね部31・32の作製工程(S1の工程)を大幅に簡略化することができる。
また、図15は、駆動機構21のさらに他の構成を示す断面図である。同図に示すように、駆動機構21の板ばね部31・32は、平板状のガラス基板91・91でそれぞれ構成されていてもよい。この場合、例えば厚さ100μm以下のガラス(例えばアルカリガラス)に対してレーザー加工またはダイシング加工を施すことにより、ガラス基板91・91を得ることができる。なお、板ばね部31・32(ガラス基板91・91)と、ガラスからなる剛体33・34との連結には、オプティカルコンタクトまたは拡散接合を用いることができる。
このように、板ばね部31・32をガラス基板91・91でそれぞれ構成することにより、平板状のガラス基板91・91で剛体33・34を挟むという簡単な構成で駆動機構21を容易に実現することができる。また、SOI基板61を用いる場合に比べて、板ばね部31・32の作製工程(S1の工程)を大幅に簡略化することができる。さらに、剛体33・34および板ばね部31・32の構成材料がともにガラスとなるので、温度変化による駆動機構21の変形を確実に防止することができ、温度変化に起因して可動部(剛体33および移動鏡15)が傾くのを確実に防止することができる。
本発明の干渉光学系は、例えばフーリエ変換分光器に利用可能である。
1 分光器
2 干渉光学系
13 BS(ビームスプリッタ)
14 固定鏡
15 移動鏡
21 駆動機構
22 支持部
23 支持ブロック(支持部)
24 支持基板(支持部)
31 板ばね部
32 板ばね部
33 剛体
34 剛体
61 SOI基板
81 シリコン基板
91 ガラス基板

Claims (7)

  1. 固定鏡と、
    移動鏡と、
    入射光を分離して前記固定鏡および前記移動鏡に導くとともに、前記固定鏡および前記移動鏡にて反射された各光を合成し、干渉光として出射するビームスプリッタと、
    前記移動鏡にて反射される光の光路長が変化するように、前記移動鏡を平行移動させる駆動機構と、
    前記固定鏡、前記ビームスプリッタおよび前記駆動機構を一体的に、かつ、直接支持する支持部とを備えており、
    前記駆動機構は、一端部に対して他端部を振動させる平行板ばねで構成されており、
    前記移動鏡は、前記平行板ばねの前記他端部に設けられており、
    前記支持部は、
    前記平行板ばねの振動振幅よりも大きい厚さを有し、前記平行板ばねの前記一端部を支持する支持ブロックと、
    前記駆動機構を前記支持ブロックを介して支持するとともに、前記固定鏡および前記ビームスプリッタを支持する支持基板とで構成されていることを特徴とする干渉光学系。
  2. 前記支持ブロックは、前記支持基板と同じ材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の干渉光学系。
  3. 前記支持ブロックは、シリコンまたはガラスで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の干渉光学系。
  4. 前記支持基板は、シリコンまたはガラスで構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の干渉光学系。
  5. 前記駆動機構は、剛体を介して互いに対向配置される2つの板ばね部を有しており、
    前記2つの板ばね部は、SOI基板を用いて形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の干渉光学系。
  6. 前記駆動機構は、剛体を介して互いに対向配置される2つの板ばね部を有しており、
    前記2つの板ばね部は、シリコン基板またはガラス基板で形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の干渉光学系。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の干渉光学系と、
    演算部とを備え、
    前記干渉光学系は、前記干渉光を検出する検出器を有しており、
    前記演算部は、前記検出器から出力される信号に基づいてスペクトルを生成することを特徴とする分光器。
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