JP5453228B2 - 粘着シート - Google Patents
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Description
(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物:30〜90質量部、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物:硬化有効量、
(C)ヒドロシリル化反応触媒:触媒量、
(D)1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するポリフルオロモノアルケニル化合物:10〜70質量部((A)及び(D)成分の合計が100質量部となる量)、及び
(E)直鎖状ポリフルオロ化合物:0〜100質量部を含有する硬化性パーフルオロポリエーテルゲル組成物からなるものであることを特徴とする粘着シートを提供する。
Rf1−(X’)p−CH=CH2 (2)
[式中、X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−、及び−CO−NR2−Y’−(但し、Y’は−CH2−又は下記構造式(Z’)で示される基であり、R2は水素原子、メチル基、フェニル基、及びアリル基のいずれかである。)のいずれかの基である。
pは0又は1であり、Rf1は下記一般式で表わされる基である。
F−[CF(CF3)CF2O]w−CF(CF3)−
(式中、wは1〜500の整数である。)]
(a)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に
−CaF2aO−
(式中、aは1〜6の整数である。)
で表わされる繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量3,000〜100,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物:100質量部、
(b)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する含フッ素有機ケイ素化合物:(a)成分中のアルケニル基に対する(b)成分中のSiH基のモル比が0.4〜5.0となる量、
(c)ヒドロシリル化反応触媒:触媒量、及び
(d)シリカ系充填材:1〜100質量部、
を含む含フッ素硬化性組成物を付加架橋して得られるものであることが好ましい。
前述のように、耐溶剤性、耐絶縁障害性、耐熱性を有し、良好な気密性、ゴム弾性を有する粘着シートの開発が望まれていた。
(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物:30〜90質量部、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物:硬化有効量、
(C)ヒドロシリル化反応触媒:触媒量、
(D)1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するポリフルオロモノアルケニル化合物:10〜70質量部((A)及び(D)成分の合計が100質量部となる量)、及び
(E)直鎖状ポリフルオロ化合物:0〜100質量部を含有する硬化性パーフルオロポリエーテルゲル組成物からなるものであることを特徴とする粘着シートを提供する。
本発明の粘着シートの粘着層は前記(A)〜(E)成分を含有する硬化性パーフルオロポリエーテルゲル組成物からなるフッ素樹脂ゲルからなる。
本発明の(A)成分は、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造、好ましくは二価のパーフルオロアルキルエーテル構造を有する直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物である。
(CaF2aO)q (5)
(式中、aは1〜6の整数であり、qは50〜600、好ましくは50〜400、より好ましくは50〜200の整数である。)
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
−CF2CF2CF2CF2O−
−CF2CF2CF2CF2CF2CF2O−
−C(CF3)2O−
これらの中では、特に下記繰り返し単位が好適である。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
CH2=CH−(X)p−Rf2−(X’)p−CH=CH2 (6)
CH2=CH−(X)p−Q−Rf2−Q−(X’)p−CH=CH2 (7)
[式中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−、及び−Y−NR1−CO−(但し、Yは−CH2−又は下記構造式(Z)で示される基であり、R1は水素原子、メチル基、フェニル基、及びアリル基のいずれかである。)のいずれかの基である。X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−、及び−CO−NR2−Y’−(但し、Y’は−CH2−又は下記構造式(Z’)で示される基であり、R2は水素原子、メチル基、フェニル基、及びアリル基のいずれかである。)のいずれかの基である。
Rf2は二価のパーフルオロポリエーテル構造を示し、上記式(5)、即ち(CaF2aO)qで示されるものが好ましい。Qは炭素数1〜15の二価の炭化水素基であり、エーテル結合を含んでいてもよく、具体的にはアルキレン基、エーテル結合を含んでいてもよいアルキレン基である。pは独立に0又は1である。]
本発明の(B)成分は、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物である。該(B)成分は、(A)成分の架橋剤、鎖長延長剤として作用するものである。但し、(A)成分又は後述する(C)、(D)成分との相溶性、分散性、硬化後の均一性等の観点から、(B)成分は少なくとも1分子中に1個以上の一価のパーフルオロアルキル基、一価のパーフルオロオキシアルキル基、一価のパーフルオロポリエーテル基、二価のパーフルオロアルキレン基及び二価のパーフルオロオキシアルキレン基のいずれか一つを有しているものを使用することが好ましい。
一価のパーフルオロアルキル基:
CbF2b+1−
(但し、bは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
一価のパーフルオロポリエーテル基:
−CH2CH2−
−CH2CH2CH2−
−CH2CH2CH2OCH2−
−CH2CH2CH2−NH−CO−
−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−
(但し、Phはフェニル基である。)
−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−
−CH2CH2CH2−O−CO−
本発明の(C)成分のヒドロシリル化反応触媒は、前記(A)成分及び後述の(D)成分中のアルケニル基と、(B)成分中のヒドロシリル基との付加反応を促進する触媒である。このヒドロシリル化反応触媒は、一般に貴金属の化合物であり、高価格であることから、比較的入手しやすい白金又は白金化合物がよく用いられる。
本発明の(D)成分は、1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するポリフルオロモノアルケニル化合物である。特に、下記式(2)のポリフルオロモノアルケニル化合物が好ましい。
Rf1−(X’)p−CH=CH2 (2)
[式中、X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−、及び−CO−NR2−Y’−(但し、Y’は−CH2−又は下記構造式(Z’)で示される基であり、R2は水素原子、メチル基、フェニル基、及びアリル基のいずれかである。)のいずれかの基である。
pは0又は1であり、Rf1は下記一般式で表わされる基である。
F−[CF(CF3)CF2O]w−CF(CF3)−
(式中、wは1〜500の整数であり、好ましくは2〜200の整数である。)]
更に本発明の(E)成分は直鎖状ポリフルオロ化合物である。(E)成分としては、下記一般式(9)〜(11)が例示される。
本発明の粘着シートは、支持層の片面もしくは両面に、前記フッ素樹脂ゲルからなる粘着層を有する。粘着層の基本構造は、一般のエラストマーと非常に似通っているが、架橋密度は著しく低い。そのため、粘着層は、外力によって容易に変形するが、流動性はない。粘着層が粘着性を発現する原理は、粘着シートを貼り付ける際に加える圧力により、フッ素樹脂ゲルが被接着物の微細な凹凸に合わせて変形し、両者の接触面積が増大することによる。
本発明の粘着シートは、支持層を有する。支持層は、フッ素を含む樹脂フィルムであることが好ましい。前記支持層は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、三フッ化塩化エチレン(PCTFE)、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、フッ化ビニル樹脂(PVF)、再生セルロースフィルム、ジアセテートセルロースフィルム、トリアセテートセルロースフィルム、テトラアセチルセルロースフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルフォンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアリレートフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ノルボルネン樹脂フィルム、ポリスチレンフィルム、塩酸ゴムフィルム、ナイロンフィルム、ポリアクリレートフィルム等からなるフィルムであっても良い。
(a)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に
−CaF2aO−
(式中、aは1〜6の整数である。)
で表わされる繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量3,000〜100,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物:100質量部、
(b)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する含フッ素有機ケイ素化合物:(a)成分中のアルケニル基に対する(b)成分中のSiH基のモル比が0.4〜5.0となる量、
(c)ヒドロシリル化反応触媒:触媒量、及び
(d)シリカ系充填材:1〜100質量部、
を含む含フッ素硬化性組成物を付加架橋して得られるフッ素ゴムであることが好ましい。
前記(a)成分は、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に
−CaF2aO−
(式中、aは1〜6の整数である。)
で表わされる繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量3,000〜100,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物である。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
−CF2CF2CF2CF2O−
−CF2CF2CF2CF2CF2CF2O−
−C(CF3)2O−
これらの中では、特に下記単位が好適である。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
CH2=CH−(X)p−Rf1−(X’)p−CH=CH2 (12)
CH2=CH−(X)p−Q−Rf1−Q−(X’)p−CH=CH2 (13)
[式中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−、及び−Y−NR1−CO−(但し、Yは−CH2−又は下記構造式(Z)で示される基であり、R1は水素原子、メチル基、フェニル基、及びアリル基のいずれかである。)のいずれかである。X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−、及び−CO−NR2−Y’−(但し、Y’は−CH2−又は下記構造式(Z’)で示される基であり、R2は水素原子、メチル基、フェニル基、及びアリル基のいずれかである。)のいずれかである。
Rf1は二価のパーフルオロポリエーテル構造であり、上記式(3)、即ち−(CaF2aO)q−で示される繰り返し単位を含むものが好ましい。Qは炭素数1〜15の二価の炭化水素基であり、エーテル結合を含んでいてもよく、具体的にはアルキレン基、エーテル結合を含んでいてもよいアルキレン基である。pは独立に0又は1である。]
前記(b)成分は、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する含フッ素有機ケイ素化合物である。該(b)成分は上記(a)成分の架橋剤、鎖長延長剤として作用するものである。(a)成分との相溶性、分散性、硬化後の均一性を考慮して、前記(b)成分が、少なくとも1分子中に1個以上の一価のパーフルオロ基、一価のパーフルオロオキシ基、二価のパーフルオロ基、及び二価のパーフルオロオキシ基のいずれか一つを有していることが好ましい。また、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を3個以上有する含フッ素有機ケイ素化合物であることが好ましい。
CgF2g+1−
(式中、gは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
−CgF2g−
(式中、gは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
−(CF2O)c−(CF2CF2O)d−CF2−
(但し、c及びdはそれぞれ1〜50の整数である。)
−CH2CH2−
−CH2CH2CH2−
−CH2CH2CH2OCH2−
−CH2CH2CH2−NH−CO−
−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−(但し、Phはフェニル基である。)
−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−
−CH2CH2CH2−O−CO−
前記(c)成分はヒドロシリル化反応触媒である。該ヒドロシリル化反応触媒としては、遷移金属、例えばPt、Rh、Pd等の白金族金属やこれら遷移金属の化合物などが好ましく使用される。本発明では、これら化合物が一般に貴金属の化合物で高価格であることから、比較的入手しやすい白金化合物が好適に用いられる。白金化合物としては、具体的に塩化白金酸又は塩化白金酸とエチレン等のオレフィンとの錯体、アルコールやビニルシロキサンとの錯体、白金/シリカ、アルミナ又はカーボン等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
前記(d)成分はシリカ系充填材である。該シリカ系充填材としては、石英やガラスを粉砕した粉砕シリカ、一旦溶融してから球粒状に成形する溶融シリカ、ケイ酸ソーダに鉱酸を加えて製造される湿式シリカ、シラン化合物を燃焼させて製造される乾式シリカなどが挙げられるが、機械的強度を向上させる観点から、BET比表面積が30m2/g以上のシリカ系充填材が好ましく、湿式シリカ、乾式シリカがこれに該当するが、吸着水分が少ない乾式シリカが好適である。さらに、ポリマー成分との濡れ性を考慮すると、シリカ系充填材表面が疎水化処理されたものが好ましい。シリカ系充填材表面の疎水化処理が施されていれば、十分な機械的強度をえることができ、含フッ素硬化性組成物の粘度が異常に高くなるなどの弊害を抑制できるため好ましい。特に、前記(d)成分が、BET比表面積30m2/g以上で表面が疎水化処理されたシリカ系充填材であることが好ましい。
前記粘着層、前記支持層双方に、上記した成分以外に、導電性、熱伝導性、静電気防止性、耐熱性等を付与するために目的に応じて各種の添加剤、例えば酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化バナジウム、酸化コバルト、酸化クロム、酸化マンガン等の金属酸化物及びその複合物、石英粉末、珪藻土、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、カーボン等の無機充填剤を添加することができ、また目的とする特性を損なわない限り顔料、耐熱剤、難燃剤、可塑剤、反応制御剤等を添加しても良い。なお、これら任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
次に、本発明の粘着シートの製造方法の具体例について説明する。本発明の粘着シートを製造する方法はこれに限られるものではない。成型方法は、モールディングをする場合、注入成型、圧縮成型、射出成型、押出成型、トランスファー成型等が挙げられる。シーティングをする場合、カレンダー成型、押出成型、コーティング成型等が挙げられる。コーティングの場合、バーコーター、ブレードコーター、スピンコーター、ロールコーター、グラビアコーター、フローコーター、ダイコーター、スプレー、スクリーン印刷等により支持体上に塗布し、乾燥することにより作製することができる。平面状に加工する場合は、カレンダー成型でシート化し、その後所要の大きさに打ち抜くことが好ましい。薄膜性を要求される場合は、コーティング方法を選択すれはよい。その他状況に合わせて所要の形状を得るために上記成型方法から選択して成型を行うことができる。
まず、未加硫のフッ素ゴムを所定の厚さに加熱成型し支持層のシートを得る。所望する形状、大きさの支持層のシートの表面に、適宜、表面処理を施す。好ましくは、粘着層との接触面積を増やすために、ブラスト処理を施すのがよい。支持層が鏡面のように平らであると、粘着層の被着物との接触面積が、支持層との接触面積より大きくなる。その結果、粘着シートを被着物に貼って、その後、はがす場合、粘着層と支持層とが剥離する可能性が高くなる。
次に、常温の条件下、流動性がある未架橋状態のフッ素樹脂ゲルを、支持層のシートの片面上に塗布した後、加熱することにより、ゲル化させる。このように、支持層にフッ素樹脂を塗布した後、ゲル化させることで粘着層と支持層との接触面積を増やすことができる。ゲル化後、粘着層上に、シリコーン等からなる剥離剤を塗布したポリエステル等のプラスチックフィルムを貼り付ける。支持層のシートの両面に粘着層が必要な用途の場合は、支持層の他方の面に、上記と同様の条件でフッ素樹脂を塗布してゲル化させる。ゲル化後、上記同様プラスチックフィルムを貼り付けることにより、3層構造の両面粘着シートを得る事が可能となる。
<支持層の作製>
支持層は、下記式(14)
次に、粘着層に用いるフッ素樹脂ゲルは、下記式(16)で示されるポリマー((A)成分に相当)72.5質量部と下記式(17)で示されるポリマー((D)成分に相当、粘度1000cSt)27.5質量部に、式(18)で示されるポリマー((E)成分に相当)33質量部、エチニルシクロヘキサノールの50%トルエン溶液0.15質量部、塩化白金酸のビニルシロキサン錯体のエタノール溶液((C)成分に相当、白金金属濃度3.0質量%)0.015質量部、下記式(19)で示される化合物((B)成分に相当)26.5質量部を加え、混合して硬化性パーフルオロポリエーテルゲル組成物(I)を調製した。調製した硬化性パーフルオロポリエーテルゲル組成物(I)を硬化させ、フッ素樹脂ゲルとした時の針浸入度は70°であった。
支持層を実施例1と同様とし、粘着層のフッ素樹脂ゲルを下記の硬化性パーフルオロポリエーテルゲル組成物(II)から作製した以外は、実施例1同様にして粘着シートを作製した。その粘着シートの各評価項目の結果を表1に示す。
支持層を実施例1と同様とし、粘着層のフッ素樹脂ゲルを下記の硬化性パーフルオロポリエーテルゲル組成物(III)から作製した以外は、実施例1同様にして積層粘着シートを作製した。その積層粘着シートの各評価項目の結果を表1に示す。
硬度40度(タイプA)の未加硫のジメチルシリコーン型ミラブルゴム(信越化学工業(株)製KE941)を0.1mmの厚さに分出しして、一次加硫を170℃で10分、支持層を形成した。次に針入度が80°のジメチルシリコーン型ゲル(信越化学工業(株)製KE1051)を上記支持層上に0.02mmの厚さに印刷し、その後、150℃、1時間の条件でゲル化させて、粘着層を形成することで、粘着シートを作製した。ゲル化後、粘着層上にシリコーン剥離剤を塗布してあるポリエステルフィルムを貼り付けた。下記評価を行う時にフィルムを剥離し測定した。その評価の結果を表1に示す。
メタアクリル酸系アルキルエステル(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸/アクリル酸2−ヒドロキシメチル=95/4/1)とイソシアネート化合物(東洋インキ製13HS8515)の共重合体を主成分とする樹脂組成物を0.1mmの厚さのPET上に0.1mmの厚さで形成し養生した粘着シートを作製した。その評価の結果を表1に示す。
・粘着層粘着力測定
実施例及び比較例で作製した粘着シートを幅25mm、長さ10cmに切断し、4mmの厚さのガラス基板上に粘着層側を貼り付けて、室温にて0.3m/分の速度にて180°ピールでガラス基板と粘着シートの粘着層とを剥離しその粘着力を測定した。
実施例及び比較例で作製した粘着シートをトルエン中に溶剤浸漬し、1hr後の上記粘着力の低下率(%)を上記同様に測定した。
実施例及び比較例で作製した粘着シートをトルエン中に溶剤浸漬し、その体積膨張変化率(%)を測定した。
実施例及び比較例で作製した粘着シートを幅25mm、長さ10cmに切断し、4mmの厚さのガラス基板上に粘着層側を貼り付けて、室温50%RHの湿度で1ヶ月保存した後、室温にて180°ピールでガラス基板と粘着層とを剥離し、その粘着力を測定しその変化率(%)を測定した。
実施例及び比較例で作製した粘着シートを幅25mm、長さ10cmに切断し、4mmの厚さのガラス基板上に粘着層側を貼り付けて、室温50%RHの湿度で1ヶ月保存した後、室温にて180°ピールでガラス基板と粘着層とを剥離し、ガラス面に粘着成分が移行したかどうかを確認。移行しない物は○、粘着成分の移行する物は×とした。
実施例及び比較例で作製した粘着シートの25℃での酸素の気体透過率を理化精機工業(株)製の気体透過率測定装置(K−315N−02)により測定した。数値は天然ゴムを100とした場合の各値を示した。
実施例及び比較例で作製した粘着シートを180度に曲げたときに、粘着シートに対するダメージの有無を確認した。変化のない物は○、亀裂変形のある物を×とした。
実施例及び比較例で作製した粘着シートを幅25mm、長さ10cmに切断し、4mmの厚さのガラス基板上に粘着層側を貼り付け、180℃で100時間エージングした後、シートが室温になってから、180°ピールでガラス基板と粘着層とを剥離し、その粘着力を測定し、変化の状態、成分の移行、粘着層の状態を確認した。
実施例及び比較例で作製した粘着シートを幅25mm、長さ10cmに切断し、コイルに粘着層側を貼り付けて、室温50%RHの湿度で1ヶ月保存した後、導通がとれるかを評価し絶縁障害を起こしているかを検出した。絶縁障害を起こしていれば×、起こしていなければ○とした。
さらに、支持層にシリコーンゴム、粘着層にシリコーンゲルを用いた比較例1ではD20までの低分子シロキサンの量が100ppm以上検出された。これと比較して、実施例1〜3に係る粘着シートでは、低分子シロキサンの量は0.01ppm以下しか検出されなかった。これにより、実施例1〜3に係る粘着シートは、ほとんど低分子シロキサンおよびシリコーンオイル分を含まないことが明らかとなった。
Claims (12)
- 支持層の片面もしくは両面に、フッ素樹脂ゲルからなる粘着層を有する粘着シートであって、前記フッ素樹脂ゲルが、少なくとも、
(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物:30〜90質量部、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物:硬化有効量、
(C)ヒドロシリル化反応触媒:触媒量、
(D)1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するポリフルオロモノアルケニル化合物:10〜70質量部((A)及び(D)成分の合計が100質量部となる量)、及び
(E)直鎖状ポリフルオロ化合物:0〜100質量部を含有する硬化性パーフルオロポリエーテルゲル組成物からなるものであることを特徴とする粘着シート。 - 前記(A)成分が、下記一般式(1)で表される直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物であることを特徴とする請求項1に記載の粘着シート。
- 前記(D)成分が、下記一般式(2)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の粘着シート。
Rf1−(X’)p−CH=CH2 (2)
[式中、X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−、及び−CO−NR2−Y’−(但し、Y’は−CH2−又は下記構造式(Z’)で示される基であり、R2は水素原子、メチル基、フェニル基、及びアリル基のいずれかである。)のいずれかの基である。
pは0又は1であり、Rf1は下記一般式で表わされる基である。
F−[CF(CF3)CF2O]w−CF(CF3)−
(式中、wは1〜500の整数である。)] - 前記粘着層が、前記硬化性パーフルオロポリエーテルゲル組成物を付加架橋して得た三次元網目状構造の前記フッ素樹脂ゲルからなるものであって、該フッ素樹脂ゲルのJIS―K 2220に準拠した針入度が30〜200°であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 前記支持層が、フッ素ゴムからなるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 前記フッ素ゴムが、少なくとも、
(a)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に
−CaF2aO−
(式中、aは1〜6の整数である。)
で表わされる繰り返し単位を含むパーフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量3,000〜100,000の直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物:100質量部、
(b)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する含フッ素有機ケイ素化合物:(a)成分中のアルケニル基に対する(b)成分中のSiH基のモル比が0.4〜5.0となる量、
(c)ヒドロシリル化反応触媒:触媒量、及び
(d)シリカ系充填材:1〜100質量部、
を含む含フッ素硬化性組成物を付加架橋して得られるものであることを特徴とする請求項5に記載の粘着シート。 - 前記(a)成分が、下記一般式(4)で表される直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の粘着シート。
- 前記(b)成分が、少なくとも1分子中に1個以上の一価のパーフルオロ基、一価のパーフルオロオキシ基、二価のパーフルオロ基、及び二価のパーフルオロオキシ基のいずれか一つを有し、かつケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する含フッ素有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 前記(d)成分が、BET比表面積30m2/g以上で表面が疎水化処理されたシリカ系充填材であることを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 前記フッ素ゴムのゴム硬度が、JIS K 6253[デュロメータA]に準拠したデュロメータ タイプAで10〜80の範囲であることを特徴とする請求項5乃至請求項10のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 前記フッ素樹脂ゲルのガラスに対する粘着力が、0.5〜5N/25mmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の粘着シート。
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