JP5452397B2 - シール構造 - Google Patents

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Description

本発明は、シール構造に関する。
特許文献1には、減速機に組み込まれたシール構造が開示されている。シール構造は、オイルシールによって、入力軸とケーシングとの間をシールしている。具体的には、オイルシールの内周に、入力軸が配置されており、オイルシールの外周に、ケーシングが配置されている。
一般に、オイルシールは、減速機の内部に組み込む際に、オイルシール自身が潤滑不足になって焼きつきや破損が生じることを防止するため、リップ部に初期なじみ用の潤滑剤を塗布して使用する。
特開2009−204156号公報
この初期なじみ用の潤滑剤は、例えば、減速機の運転中の発熱等の影響により、微量であるが、大気中に滲み出し、環境面の制限が厳しいクリーンルーム等で使用する場合に問題となる恐れがあった。
しかしながら、初期なじみ用の潤滑剤が減速機外部へ漏れることを嫌って、初期なじみ用の潤滑剤自体の量を減少またはなくしてしまうと、オイルシールの摩耗が早まる恐れがある。
本発明では、上記の問題を解決するために、オイルシールの磨耗を早めることなく、オイルシールの初期なじみ用の潤滑剤が漏れ出すことを防止あるいは低減することを課題とする。
本発明は、相対回転する第1部材および第2部材を有し、内部に潤滑剤が封入される装置の前記第1部材と第2部材との間をオイルシールによってシールするシール構造において、潤滑剤を吸収可能な吸収部材を備え、且つ該吸収部材が、前記オイルシールよりも外部側に配置されると共に、該オイルシールと、前記第1、第2部材のうち自転が低速な方の部材とによって挟まれ、前記自転が低速な方の部材は、半径方向に突出して前記吸収部材を挟んでいる突起部を備えており、該突起部と、前記第1、第2部材のうち自転が高速な方の部材との間には、半径方向に隙間が設けられており、且つ前記オイルシールは、内部側に主リップ部を備えるとともに、外部側にダストリップ部を備えており、前記隙間は、前記オイルシールのダストリップ部の半径方向の長さの1/2以上であり、前記吸収部材とオイルシールは軸方向に当接している構成により上記課題を解決した。
本発明は、オイルシール自体がこの初期なじみ用の潤滑剤を保持しにくい材質あるいは構造となっていることに着目したものである。本発明によれば、オイルシールと隣接して潤滑剤を吸収可能な吸収部材を備え、該吸収部材の活用により、結果として、初期なじみ用の潤滑剤が漏れることを防止あるいは低減することができる。
ここで、本発明のシール構造では、吸収部材が、オイルシールよりも外部側に配置され、該吸収部材が、オイルシールと、第1、第2部材のうち自転が低速な方の部材とによって挟まれている。これにより、吸収部材は、オイルシールから滲み出る初期なじみ用の潤滑剤を吸収できる。吸収部材は、オイルシールと自転が低速な方の部材によって挟まれているため、自転が低速な方の部材と同期して停止もしくは、低速で回転するため、吸収した初期なじみ用の潤滑剤を装置外部へ飛散しにくくしている。この結果、オイルシールに適量の初期なじみ用の潤滑剤を塗布したとしても、吸収部材が初期なじみ用の潤滑剤が漏れることを防止あるいは低減することができる。
なお、本発明にかかる「第1、第2部材のうち自転が低速な方の部材」には、第1あるいは第2部材そのものだけに限らず、第1あるいは第2部材と一体化されている別部材の概念も含む。
本発明は、オイルシールの磨耗を早めることなく、オイルシールの初期なじみ用の潤滑剤が漏れ出すことを防止あるいは低減できる。
本発明の第1〜第3の実施形態にかかるシール構造が組み込まれた減速機の縦断面図 図1における矢示II部の拡大図 本発明の第4〜第6の実施形態にかかるシール構造が組み込まれた減速機の縦断面図 図3における矢示IV部の拡大図 本発明の第7〜第9の実施形態にかかるシール構造が組み込まれた減速機の縦断面図 図5における矢示VI部の拡大図
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1〜第3の実施形態にかかる第1〜第3シール構造151〜153が組み込まれた減速機100の縦断面図を示す。また、図2は、図1における矢示II部の拡大図を示す。
まず、減速機100の全体的な構成について説明する。
入力軸102の外周には、第1、第2偏心体104A、104Bが一体的に形成されている。第1、第2偏心体104A、104Bの半径方向外側には、第1、第2ころ105A、105Bを介して第1、第2外歯歯車108A、108Bが揺動回転自在に組み込まれている。第1、第2外歯歯車108A、108Bはそれぞれ内歯歯車110に内接噛合している。内歯歯車110の内歯は円柱状の外ピン110Aで構成されている。
内歯歯車110の歯数は、第1、第2外歯歯車108A、108Bの歯数より「1」だけ多い。内歯歯車110は、クロスローラ114を介してケーシング112に対して回転自在とされると共に、ボルト120によって出力フランジ118と一体化されている。
第1、第2外歯歯車108A、108Bは、第1、第2偏心体104A、104Bにより、偏心方向が互いに円周方向に180°ずらされている。これにより、入力軸102の回転に伴って第1、第2外歯歯車108A、108Bはそれぞれ180°の位相差を保ちながら偏心揺動可能である。
第1ケーシング体112Aと一体化された内ピン116が、第1、第2外歯歯車108A、108Bの第1、第2内ピン孔108A1、108B1を軸方向に貫通し、第1、第2外歯歯車108A、108Bの自転を拘束している。
減速機100内部には、潤滑剤としてグリースが封入されている。
なお、ケーシング112は、主に、第1ケーシング体112Aと、第1ケーシング体112Aと隣接して配置されている第2ケーシング体112Bから構成されている。第1ケーシング体112Aと第2ケーシング体112Bの間に、第1O−リング122が配置されている。また、内歯歯車110と出力フランジ118の間に、第2O−リング124が配置されている。
次に、第1〜第3シール構造151〜153について詳述する。
第1〜第3シール構造151〜153は、いずれも基本的な構成は同一である。まず、第1シール構造151について詳述する。
第1シール構造151は、相対回転する入力軸(第1シール構造151における第1部材)102および第1ケーシング体(第1シール構造151における第2部材)112Aを有している。第1シール構造151は、内部に潤滑剤が封入される減速機100の入力軸102、第1ケーシング体112Aとの間を第1オイルシール154によってシールする構造であり、第1吸収部材156を備えている。
なお、入力軸102は、回転するが、第1ケーシング体112Aは、図示せぬ部材に固定され、停止している。即ち、第1オイルシール154によってシールされている入力軸102、第1ケーシング体112Aのうち自転が低速な方の部材(相対的に低速で回転する部材:以下「自転が」の文言は省略する)は、第1ケーシング体112Aである。
第1吸収部材156は、第1オイルシール154よりも入力軸102(または、第1ケーシング体112A)の軸方向の外側に配置されている。第1吸収部材156は、第1オイルシール154と、(低速な方の部材である)第1ケーシング体112A(の突起部112A1:後述)とによって軸方向に挟まれている。第1吸収部材156の軸方向における自然長は、第1オイルシール154と、第1ケーシング体112Aの突起部112A1の間の軸方向長さAよりも長い。これにより、第1吸収部材156は、若干圧縮された状態で組み込まれることになり、第1ケーシング体112Aと同期した動作をする。本実施形態においては、第1ケーシング体112Aが静止しているため、第1吸収部材156も静止している。第1吸収部材156は、第1オイルシール154の初期なじみ用潤滑剤を効果的に吸収可能な素材で構成されている。本実施形態では、第1吸収部材156として、フェルトが用いられている。
第1オイルシール154は、主リップ部154Aとダストリップ部154Bを備えた、いわゆるダブルリップ構造である。主リップ部154Aは、第1オイルシール154の軸方向内側に備えられている。主リップ部154Aは、減速機100内部の潤滑剤が減速機100から大気中へ漏れることを防止している。また、ダストリップ部154Bは、第1オイルシール154の第1吸収部材156側(第1オイルシール154の軸方向外側)に備えらえている。ダストリップ部154Bは、大気側から異物が入ることを防止している。また、ダストリップ部154Bは、第1吸収部材156のフェルトの毛等(フェルトと入力軸102がこすれることにより発生する塵)が第1オイルシール154よりも減速機100の内部側に入ることをも防止している。ダストリップ部154Bの起点154B2と、入力軸102との摺動点(部分)154B1との間の距離は、Bである。
第1オイルシール154の内周に、入力軸102が配置されており、第1オイルシール154の外周に、第1ケーシング体112Aが配置されている。第1ケーシング体112Aは、半径方向に突出し第1吸収部材156を挟んでいる前記突起部112A1を備えている。突起部112A1(具体的には、突起部の内端112A11)と、入力軸102(入力軸102と第1ケーシング体112Aのうち高速な方の部材)との間には、半径方向に隙間Xが設けられている。第1吸収部材156は、第1オイルシール154と第1ケーシング体112Aのこの突起部112A1との間に挟まれている。このため、(該隙間Xの存在により)第1吸収部材156の該隙間Xに対応する部分はほとんど圧縮されない(自由長に近い)状態で挟まれている。本実施形態において、隙間Xは、ダストリップ部154Bの起点154B2と摺動点154B1との間の距離Bの約2/3である。
第1オイルシール154の主リップ部154Aとダストリップ部154B(具体的には、主リップ部154Aの入力軸102との摺動点(部分)154A1と、ダストリップ部154Bの入力軸102との摺動点(部分)154B1には、初期なじみ用の潤滑剤が塗布されている。
次に、第2、第3シール構造152、153について説明する。
第2シール構造152において、第1部材は、入力軸102であり、第2部材は、出力フランジ118である。この入力軸102、出力フランジ118のうち低速な方の部材は、(出力部材である)出力フランジ118の方である。第2吸収部材160は、第2オイルシール158よりも入力軸102(または、出力フランジ118)の軸方向の外側に配置されている。第2吸収部材160は、第2オイルシール158と、低速な方の部材である出力フランジ118(の突起部118A1)によって軸方向に挟まれている。これにより、第2吸収部材160は、低速で回転する出力フランジ118と同期して回転する。
出力フランジ118は、半径方向に突出し第2吸収部材160を挟んでいる前記突起部118A1を備えている。突起部118A1と、入力軸102(入力軸102と出力フランジ118のうち高速な方の部材)との間には、半径方向に隙間Yが設けられている。
第3シール構造153において、第1部材は、内歯歯車110であり、第2部材は、第2ケーシング体112Bである。この内歯歯車110、第2ケーシング体112Bのうち低速な方の部材は、停止している第2ケーシング体112Bである。第3吸収部材166は、第3オイルシール164よりも内歯歯車110(または、第1ケーシング体112A)の軸方向の外側に配置されている。支持部材170と第2ケーシング体112Bは、ボルト168により連結され、一体化されている。第3吸収部材166は、第3オイルシール164と、(低速な方の部材である第2ケーシング体112Bに連結されている)第1支持部材170によって軸方向に挟まれている。即ち、第3吸収部材166は、静止している第2ケーシング体112Bと同期した動作をするため、静止している。
なお、支持部材170は、低速な方の部材の一部である第2ケーシング体112Bと別体であるが、第2ケーシング体112Bと一体化されている。したがって、前述した定義により、本発明の「第1、第2部材のうち低速な方の部材」の概念に含まれる。
第2ケーシング体112Bは、半径方向に突出し第3吸収部材166を挟んでいる前記第1支持部材(突起部)170を備えている。第1支持部材170と、内歯歯車110(内歯歯車110と第2ケーシング体112Bのうち高速な方の部材)との間には、半径方向に隙間Zが設けられている。
次に、減速機100の作用について説明する。
まず、減速機100の動力伝達作用について説明する。
図示せぬモータの回転が入力軸102に伝達され、入力軸102が回転すると、該入力軸102と一体的に形成されている第1、第2偏心体104A、104Bがそれぞれ180度の位相差を持って回転する。第1、第2偏心体104A、104Bが回転すると、第1、第2外歯歯車108A、108Bが円周方向に当該180度の位相差を維持しながら偏心回転する。第1、第2外歯歯車108A、108Bの第1、第2内ピン孔108A1、108B1には、内ピン116が貫通されており、且つこの内ピン116は、第1ケーシング体112Aと一体である。そのため、第1、第2外歯歯車108A、108Bは、該内ピン116によってその自転が拘束され、(回転することなく)揺動のみを行う。この揺動によって内歯歯車110と第1、第2外歯歯車108A、108Bとの噛合位置が順次ずれる現象が起こる。内歯歯車110の歯数と第1、第2外歯歯車108A、108Bの歯数は「1」だけ異なっているため、内歯歯車110と第1、第2外歯歯車108A、108Bの噛合位置が順次ずれて1周するごとに(入力軸102が1回転するごとに)内歯歯車110は第1、第2外歯歯車108A、108Bとの歯数差に相当する角度だけ自転することになる。この結果、結局、入力軸102の1回転に対して、内歯歯車110は、1/(内歯歯車110の歯数)だけ回転する。内歯歯車110は、クロスローラ114を介してケーシング112によって回転自在に支持されている。このため、内歯歯車110の回転は、該内歯歯車110とボルト120等を介して一体化されている出力フランジ118に伝達され、該出力フランジ118の回転として出力される。
次に、第1〜第3シール構造151〜153の作用について説明する。
第1シール構造151における第1吸収部材156は、第1オイルシール154よりも第1ケーシング体112Aの軸方向の外側に配置されている。また、第1オイルシール154と、第1ケーシング体(入力軸102、第1ケーシング体112Aのうち低速な方の部材)112A(の突起部112A1)によって軸方向に挟まれている。これにより、第1吸収部材156は、第1オイルシール154から滲み出る潤滑剤を吸収できる。また、第1吸収部材156は静止しているため、吸収した初期なじみ用の潤滑剤を自身の内部に留め、一層減速機100外部へ飛散しにくくしている。この結果、第1オイルシール154に適量の初期なじみ用の潤滑剤を塗布し、第1オイルシール154の磨耗を早めることなく、第1吸収部材156が初期なじみ用の潤滑剤が漏れることを防止あるいは低減できる。
また、突起部112A1と入力軸102の半径方向に隙間Xを有している。これにより、(突起部112A1と第1オイルシール154の間に配置されている)第1吸収部材156のダストリップ部154Bの摺動点154B1付近の部分は、突起部112A1によって第1オイルシール154側に押されにくくなる。この結果、第1吸収部材156が、第1オイルシール154のダストリップ部154Bの摺動点154B1に入り込みにくくなり、ダストリップ部154Bは良好に本来の機能を維持することができる。つまり、隙間Xは、突起部112A1がダストリップ部154Bを押圧して該ダストリップ部154Bの機能を低下させることがない程度に確保されていることが好ましく、具体的には摺動点154B1と起点154B2の間の距離Bの1/2以上が好ましい。本実施形態では、隙間Xは、距離Bの約2/3である。ただし、隙間Xが半径方向に開きすぎると、突起部112A1が第1吸収部材156を保持する保持力が落ちるため、突起部112A1の内端112A11が摺動点154B1と起点154B2の間にあるのがよい。つまり、隙間Xは、1/2B≦X≦Bの関係にあることが好ましい。
第3シール構造153も、第1シール構造151と同様の効果を得ることができる。
また、第2シール構造152については、第2オイルシール158が、入力軸102と比べて低速で回転する出力フランジ118と同期して回転するため、(第2吸収部材160が入力軸102と同期して高速で回転するよりも)吸収した潤滑剤が減速機100外部へ飛散しにくくなっている。
次に、第4〜第6の実施形態について説明する。
図3は、本発明の第4〜第6の実施形態にかかる第1〜第3シール構造251〜253が組み込まれた減速機200の縦断面図を示している。また、図4は、図3における矢示IV部の拡大図を示している。
第1シール構造251は、相対回転する入力軸(第1シール構造251における第1部材)202および第1ケーシング体(第1シール構造251における第2部材)212Aを有している。第1シール構造251は、内部に潤滑剤が封入される減速機200の入力軸202、第1ケーシング体212Aとの間を第1オイルシール254によってシールする構造であり、第1吸収部材256を備えている。
第1吸収部材256は、第1オイルシール254よりも入力軸202、第1ケーシング体212Aの軸方向の内側に配置されている。また、第1吸収部材256は、第1オイルシール254と、入力軸202、第1ケーシング体212Aのうち低速な方の第1ケーシング体212Aによって軸方向に挟まれている。
第1吸収部材256は、第1オイルシール254よりも減速機200の軸方向の内側に配置されているため、第1吸収部材256は、減速機200内部に封入されている潤滑剤を吸収し、(該第1吸収部材256の減速機200における軸方向の外側に配置されている)第1オイルシール254に適量の潤滑剤を供給することができる。即ち、第1吸収部材256が、第1オイルシール254に供給する分、あらかじめ第1オイルシール254に塗布しておくべき初期なじみ用の潤滑剤の量を減少させることができる。また、本実施形態においては、第1吸収部材256に、予め第1オイルシール254の初期なじみ用の潤滑剤が塗布されている。これにより、第1吸収部材256は、仮に吸収している減速機200内部の潤滑剤が十分な量でない場合であっても、塗布した初期なじみ用の潤滑剤が第1オイルシール254に確実に供給されるため、第1オイルシール254に予め直接塗布する初期なじみ用の潤滑剤の量を更に減少させることができる。
また、第1吸収部材256は、第1オイルシール254よりも第1ケーシング体212Aの軸方向内側に配置されているため、潤滑剤に混在する摩耗粉を第1オイルシール254よりも減速機200の軸方向内側で除去し、除去後の潤滑剤を第1オイルシール254に供給するため、第1オイルシール254が摩耗粉によって破損することを防止できる。
これらの構成に基づく作用が相俟って、第1シール構造251は、第1オイルシール254の磨耗を早めることなく、初期なじみ用の潤滑剤が漏れることを防止あるいは低減させることができる。
第2、第3シール構造252、253も、第1シール構造251と同様の構造を有するため、同様の効果を得ることができる。
なお、第2の実施形態では、吸収部材に予め初期なじみ用の潤滑剤を塗布しているが、必ずしもその必要はなく、初期なじみ用の潤滑剤は必ずしも塗布していなくてもよい。この場合であっても、吸収部材は、減速機内部の潤滑剤を吸収し、この潤滑剤をオイルシールの初期なじみ用の潤滑剤として代用し、オイルシールに適度に供給することができる。このため、シール構造は、オイルシールの破損を防止すると共に、初期なじみ用の潤滑剤を減少させることができる。その結果、第1シール構造は、オイルシールの磨耗を早めることなく、初期なじみ用の潤滑剤が漏れることを防止あるいは低減させることができる。
また、第1〜第6実施形態において、吸収部材は圧縮され、オイルシールと低速部材によって「挟まれている」が、必ずしもこの必要はなく、吸収部材が自然長のままで、オイルシールと低速部材の間に「配置」されているだけでもよい。
次に、第7〜第9の実施形態について説明する。
図5は、本発明の第7〜第9の実施形態にかかる第1〜第3シール構造351〜353が組み込まれた減速機300の縦断面図を示している。また、図6は、図5における矢示VI部の拡大図を示している。
第1シール構造351は、第1オイルシール354の軸方向の内側と外側に、それぞれ第1内側吸収部材(吸収部材)356、第1外側吸収部材(第2の吸収部材)355が備えられている。
具体的には、第1シール構造351は、(第4実施形態にかかる第1シール構造251に相当する)第1オイルシール354、第1内側吸収部材356、入力軸(第1部材)302、第1ケーシング体(第2部材)312Aを備えている。更に、第1シール構造351は、第1オイルシール354よりも入力軸302(または、第1ケーシング体312A)の軸方向の外側に第1外側吸収部材355を配置している。第1外側吸収部材355は、第1オイルシール354と、第1ケーシング体312Aにボルト372により連結されている第2支持部材374によって軸方向に挟まれている。
これにより、第1内側吸収部材356は、減速機300内部に封入されている潤滑剤を吸収し、適量の潤滑剤を第1オイルシール354に供給することができる。第1外側吸収部材355が、第1オイルシール354に供給する分、あらかじめ第1オイルシール354に塗布しておくべき初期なじみ用の潤滑剤の量を減少させることができる。また、第1外側吸収部材355が、第1オイルシール354から滲み出る初期なじみ用の潤滑剤を吸収し、吸収した初期なじみ用の潤滑剤を第1オイルシール354自身の内部に留め、減速機300外部へ飛散させることを防止する。これらの構成による効果が相俟って、第1シール構造351は、第1オイルシール354の磨耗を早めることなく、初期なじみ用の潤滑剤が漏れることをほぼ完全に防止できる。
第2、第3シール構造352、353も、第1シール構造351と同様の構造を有するため、同様の効果を得ることができる。
なお、第2支持部材374(具体的には、第2支持部材374の内端374A)と入力軸302の間の隙間Xは、X<1/2Bの関係を有しているが、本実施形態のように、第1外側吸収部材355を挟む部材として第1ケーシング体312Aと別体の第2支持部材374が設けられている場合であっても、X≧1/2Bの関係としてもよい。
なお、上記実施形態において、吸収部材(第3の実施形態においては、オイルシールよりも第1、第2部材の軸方向の内側に配置されている吸収部材)として、フェルトを用いているが、これに限らず、吸収部材は、潤滑剤を吸収できるものであれば他のものでもよい。また、吸収部材の形状、大きさ等も、上記いずれかの実施形態に示す吸収部材に限らない。
また、上記実施形態において、吸収部材は1個しか配置されていないが、これに限らず、2個以上配置してもよい。この場合、複数の吸収部材は、例えば、形状、大きさ、および素材等が異なるものであってもよい。
なお、上記実施形態において、吸収部材における第1部材の軸方向側面にオイルシールは、1個しか配置されていないが、これに限らず、軸方向に並列して2個以上配置してもよい。この場合、複数のオイルシールは、例えば、形状、大きさ、および素材等が異なるものであってもよい。
また、上記実施形態において、オイルシールは、ダブルリップ構造(主リップとダストリップ)であるが、これに限らず、トリプルリップ構造(主リップ、ダストリップに、更に主リップの軸方向内側に補助リップを加えた構造)のオイルシールでもよい。この場合、主リップとトリプルリップの間に潤滑剤を予め封入しておくが、この封入された潤滑剤が大気へにじみ出ることを防止するため、トリプルリップ式のオイルシールにも、本発明を適用する実益がある。
上記実施形態において、シール構造は、減速機に用いられているが、相対回転する第1、第2部材を有し、内部に潤滑剤が封入される装置であれば、他の機械に用いても良い。
102…第1部材(入力軸)
112A…第2部材(第1ケーシング体)
151…シール構造(第1シール構造)
154…オイルシール(第1オイルシール)
156…吸収部材(第1吸収部材)

Claims (5)

  1. 相対回転する第1部材および第2部材を有し、内部に潤滑剤が封入される装置の前記第1部材と第2部材との間をオイルシールによってシールするシール構造において、
    潤滑剤を吸収可能な吸収部材を備え、且つ
    該吸収部材が、前記オイルシールよりも外部側に配置されると共に、
    該オイルシールと、前記第1、第2部材のうち自転が低速な方の部材とによって挟まれ
    前記自転が低速な方の部材は、半径方向に突出して前記吸収部材を挟んでいる突起部を備えており、
    該突起部と、前記第1、第2部材のうち自転が高速な方の部材との間には、半径方向に隙間が設けられており、且つ
    前記オイルシールは、内部側に主リップ部を備えるとともに、外部側にダストリップ部を備えており、
    前記隙間は、前記オイルシールのダストリップ部の半径方向の長さの1/2以上であり、
    前記吸収部材とオイルシールは軸方向に当接している
    ことを特徴とするシール構造。
  2. 請求項において、
    前記隙間は、前記オイルシールのダストリップ部の半径方向の長さ以下である
    ことを特徴とするシール構造。
  3. 請求項1において、
    前記潤滑剤を吸収可能な吸収部材が、前記オイルシールよりも内部側に配置されている
    ことを特徴とするシール構造。
  4. 請求項において、
    前記オイルシールよりも内部側に配置された吸収部材が、前記オイルシールと、前記第1、第2部材のうち自転が低速な方の部材によって挟まれている
    ことを特徴とするシール構造。
  5. 請求項またはにおいて、
    前記オイルシールよりも内部側に配置された吸収部材に、予め前記オイルシールの初期なじみ用の潤滑剤が塗布されている
    ことを特徴とするシール構造。
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