JP5450307B2 - 導電性高分子溶液の製造方法 - Google Patents
導電性高分子溶液の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5450307B2 JP5450307B2 JP2010170451A JP2010170451A JP5450307B2 JP 5450307 B2 JP5450307 B2 JP 5450307B2 JP 2010170451 A JP2010170451 A JP 2010170451A JP 2010170451 A JP2010170451 A JP 2010170451A JP 5450307 B2 JP5450307 B2 JP 5450307B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductive polymer
- compound
- acid
- poly
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
Description
特許文献1には、導電性高分子水溶液の製造方法として、ポリスチレンスルホン酸の存在下、酸化剤を用いて、3,4−ジアルコキシチオフェンを化学酸化重合してポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)水溶液を得る方法が提案されている。
ところで、上記のような導電性高分子水溶液では、塗布により導電性塗膜を形成する際に乾燥時間が長くなるため、導電性塗膜の生産性が低くなるという問題を有していた。
乾燥時間を短くするためには、導電性高分子水溶液の溶媒である水を有機溶剤に置換した導電性高分子溶液を用いればよい。
導電性高分子溶液の製造方法としては、特許文献2に、アミン化合物を添加した導電性高分子水溶液を限外ろ過により濃縮し、有機溶剤を添加し、さらに液状アクリル化合物を添加した後、有機溶剤を除去して、導電性高分子の液状アクリル溶液を得る方法が開示されている。
そこで、本発明は、限外ろ過を適用せずに、π共役系導電性高分子およびポリアニオンを含む複合体を液状アクリル化合物中に均一に含有させることができ、気泡の少ない塗膜を形成できる導電性高分子溶液の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、π共役系導電性高分子およびポリアニオンを含む複合体が液状アクリル化合物中に均一に含まれ、気泡の少ない塗膜を形成できる導電性高分子溶液を提供することを目的とする。
[2]前記凍結乾燥工程では、複合体固形物の水分量を3〜50質量%にすることを特徴とする[1]に記載の導電性高分子溶液の製造方法。
[3]前記凍結乾燥工程では、複合体固形物の比表面積を5〜200m2/gにすることを特徴とする[1]または[2]に記載の導電性高分子溶液の製造方法。
[4]分散工程では、複合体のキュムラント平均粒子径が2000nm以下になるように分散処理することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の導電性高分子溶液の製造方法。
[5]導電性高分子水溶液が、下記(a)〜(h)の化合物から選ばれる1種以上の導電性向上剤を含有することを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の導電性高分子溶液の製造方法。
(a)窒素含有芳香族性環式化合物
(b)2個以上のヒドロキシ基を有する化合物
(c)2個以上のカルボキシ基を有する化合物
(d)1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を有する化合物
(e)アミド基を有する化合物
(f)イミド基を有する化合物
(g)ラクタム化合物
(h)グリシジル基を有する化合物
本発明の導電性高分子溶液は、π共役系導電性高分子およびポリアニオンを含む複合体が液状アクリル化合物中に均一に含まれ、気泡の少ない塗膜を形成できる。
本発明の導電性高分子溶液は、π共役系導電性高分子とポリアニオンと液状アクリル化合物とアミン化合物とを含有する。
π共役系導電性高分子は、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば使用できる。例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、およびこれらの共重合体等が挙げられる。重合の容易さ、空気中での安定性の点からは、ポリピロール類、ポリチオフェン類およびポリアニリン類が好ましい。
π共役系導電性高分子は無置換のままでも、充分な導電性を得ることができるが、導電性をより高めるためには、アルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基等の官能基をπ共役系導電性高分子に導入することが好ましい。
ポリアニオンとしては、例えば、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステルであって、アニオン基を有する構成単位のみからなるポリマー、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるポリマーが挙げられる。
ポリアルケニレンとは、主鎖に不飽和二重結合(ビニル基)が1個含まれる構成単位からなる高分子である。
ポリイミドとしては、ピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−[4,4’−ジ(ジカルボキシフェニルオキシ)フェニル]プロパン二無水物等の酸無水物と、オキシジアミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン等のジアミンとからのポリイミドを例示できる。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10等を例示できる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を例示できる。
ヒドロキシ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接または他の官能基を介在して結合したヒドロキシ基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。ヒドロキシ基は、これらの官能基の末端または中に置換されている。
アミノ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接または他の官能基を介在して結合したアミノ基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。アミノ基は、これらの官能基の末端または中に置換されている。
フェノール基としては、ポリアニオンの主鎖に直接または他の官能基を介在して結合したフェノール基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。フェノール基は、これらの官能基の末端または中に置換されている。
ポリアルケニレンの具体例としては、プロペニレン、1−メチルプロペニレン、1−ブチルプロペニレン、1−デシルプロペニレン、1−シアノプロペニレン、1−フェニルプロペニレン、1−ヒドロキシプロペニレン、1−ブテニレン、1−メチル−1−ブテニレン、1−エチル−1−ブテニレン、1−オクチル−1−ブテニレン、1−ペンタデシル−1−ブテニレン、2−メチル−1−ブテニレン、2−エチル−1−ブテニレン、2−ブチル−1−ブテニレン、2−ヘキシル−1−ブテニレン、2−オクチル−1−ブテニレン、2−デシル−1−ブテニレン、2−ドデシル−1−ブテニレン、2−フェニル−1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−メチル−2−ブテニレン、1−エチル−2−ブテニレン、1−オクチル−2−ブテニレン、1−ペンタデシル−2−ブテニレン、2−メチル−2−ブテニレン、2−エチル−2−ブテニレン、2−ブチル−2−ブテニレン、2−ヘキシル−2−ブテニレン、2−オクチル−2−ブテニレン、2−デシル−2−ブテニレン、2−ドデシル−2−ブテニレン、2−フェニル−2−ブテニレン、2−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、3−メチル−2−ブテニレン、3−エチル−2−ブテニレン、3−ブチル−2−ブテニレン、3−ヘキシル−2−ブテニレン、3−オクチル−2−ブテニレン、3−デシル−2−ブテニレン、3−ドデシル−2−ブテニレン、3−フェニル−2−ブテニレン、3−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−ブチル−2−ペンテニレン、4−ヘキシル−2−ペンテニレン、4−シアノ−2−ペンテニレン、3−メチル−2−ペンテニレン、4−エチル−2−ペンテニレン、3−フェニル−2−ペンテニレン、4−ヒドロキシ−2−ペンテニレン、ヘキセニレン等から選ばれる一種以上の構成単位を含む重合体を例示できる。
すなわち、ポリアニオンは、スルホ基および/またはカルボキシ基を含有する高分子酸である。これらの中でも、π共役系導電性高分子へのドーピング効果の点から、−SO3 −X+、−COO−X+が好ましい。
また、このアニオン基は、隣接してまたは一定間隔をあけてポリアニオンの主鎖に配置されていることが好ましい。
π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計の含有量は、全固形分を100質量%とした際の0.05〜5.0質量%であることが好ましく、0.5〜4.0質量%であることがより好ましい。π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計の含有量が0.05質量%未満であると、充分な導電性が得られないことがあり、5.0質量%を超えると、均一な導電性塗膜が得られないことがある。
導電性高分子溶液には、得られる導電性塗膜の導電性を向上させる下記(a)〜(h)の化合物から選ばれる1種以上の導電性向上剤が含まれていることが好ましい。
(a)窒素含有芳香族性環式化合物
(b)2個以上のヒドロキシ基を有する化合物
(c)2個以上のカルボキシ基を有する化合物
(d)1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を有する化合物
(e)アミド基を有する化合物
(f)イミド基を有する化合物
(g)ラクタム化合物
(h)グリシジル基を有する化合物
窒素含有芳香族性環式化合物としては、例えば、一つの窒素原子を含有するピリジン類及びその誘導体、二つの窒素原子を含有するイミダゾール類及びその誘導体、ピリミジン類及びその誘導体、ピラジン類及びその誘導体、三つの窒素原子を含有するトリアジン類及びその誘導体等が挙げられる。溶媒溶解性等の観点からは、ピリジン類及びその誘導体、イミダゾール類及びその誘導体、ピリミジン類及びその誘導体が好ましい。
2個以上のヒドロキシ基を有する化合物としては、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、チオジエタノール、グルコース、酒石酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等の多価脂肪族アルコール類;
セルロース、多糖、糖アルコール等の高分子アルコール;
1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,3−ジヒドロキシ−1−ペンタデシルベンゼン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ヒドロキシキノンカルボン酸及びその塩類、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、1,4−ヒドロキノンスルホン酸及びその塩類、4,5−ヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸及びその塩類、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸、1,5−ジヒドロキシナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、4,5−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸及びその塩類、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸及びその塩類、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸及びその塩類、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン(ピロガロール)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、5−メチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−エチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−プロピル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾアルデヒド、トリヒドロキシアントラキノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゼン、テトラヒドロキシ−p−ベンゾキノン、テトラヒドロキシアントラキノン、ガーリック酸メチル(没食子酸メチル)、ガーリック酸エチル(没食子酸エチル)等の芳香族化合物、ヒドロキノンスルホン酸カリウム等が挙げられる。
2個以上のカルボキシ基を有する化合物としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マロン酸、1,4−ブタンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸、クエン酸等の脂肪族カルボン酸類化合物;
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、5−スルホイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4,4’−オキシジフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の、芳香族性環に少なくとも一つ以上のカルボキシ基が結合している芳香族カルボン酸類化合物;ジグリコール酸、オキシ二酪酸、チオ二酢酸(チオジ酢酸)、チオ二酪酸、イミノ二酢酸、イミノ酪酸等が挙げられる。
1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を有する化合物としては、酒石酸、グリセリン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロパン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等が挙げられる。
アミド基を有する化合物は、−CO−NH−(COの部分は二重結合)で表されるアミド結合を分子中に有する単分子化合物である。すなわち、アミド化合物としては、例えば、上記結合の両末端に官能基を有する化合物、上記結合の一方の末端に環状化合物が結合された化合物、上記両末端の官能基が水素である尿素及び尿素誘導体などが挙げられる。
アミド化合物の具体例としては、アセトアミド、マロンアミド、スクシンアミド、マレアミド、フマルアミド、ベンズアミド、ナフトアミド、フタルアミド、イソフタルアミド、テレフタルアミド、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、2−フルアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、プロピオンアミド、プロピオルアミド、ブチルアミド、イソブチルアミド、メタクリルアミド、パルミトアミド、ステアリルアミド、オレアミド、オキサミド、グルタルアミド、アジプアミド、シンナムアミド、グリコールアミド、ラクトアミド、グリセルアミド、タルタルアミド、シトルアミド、グリオキシルアミド、ピルボアミド、アセトアセトアミド、ジメチルアセトアミド、ベンジルアミド、アントラニルアミド、エチレンジアミンテトラアセトアミド、ジアセトアミド、トリアセトアミド、ジベンズアミド、トリベンズアミド、ローダニン、尿素、1−アセチル−2−チオ尿素、ビウレット、ブチル尿素、ジブチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素及びこれらの誘導体等が挙げられる。
アミド化合物としては、導電性がより高くなることから、イミド結合を有する単分子化合物(以下、イミド化合物という。)が好ましい。イミド化合物としては、その骨格より、フタルイミド及びフタルイミド誘導体、スクシンイミド及びスクシンイミド誘導体、ベンズイミド及びベンズイミド誘導体、マレイミド及びマレイミド誘導体、ナフタルイミド及びナフタルイミド誘導体などが挙げられる。
さらに、脂肪族イミド化合物は、分子内の炭素間に不飽和結合を有する飽和脂肪族イミド化合物と、分子内の炭素間に不飽和結合を有する不飽和脂肪族イミド化合物とに分類される。
飽和脂肪族イミド化合物は、R1−CO−NH−CO−R2で表される化合物であり、R1,R2の両方が飽和炭化水素である化合物である。具体的には、シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシイミド、アラントイン、ヒダントイン、バルビツル酸、アロキサン、グルタルイミド、スクシンイミド、5−ブチルヒダントイン酸、5,5−ジメチルヒダントイン、1−メチルヒダントイン、1,5,5−トリメチルヒダントイン、5−ヒダントイン酢酸、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、セミカルバジド、α,α−ジメチル−6−メチルスクシンイミド、ビス[2−(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン、α−メチル−α−プロピルスクシンイミド、シクロヘキシルイミドなどが挙げられる。
不飽和脂肪族イミド化合物は、R1−CO−NH−CO−R2で表される化合物であり、R1,R2の一方又は両方が1つ以上の不飽和結合である化合物である。具体例は、1,3−ジプロピレン尿素、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ヒドロキシマレイミド、1,4−ビスマレイミドブタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、1,8−ビスマレイミドオクタン、N−カルボキシヘプチルマレイミドなどが挙げられる。
ラクタム化合物とは、アミノカルボン酸の分子内環状アミドであり、環の一部が−CO−NR−(Rは水素又は任意の置換基)である化合物である。ただし、環の一個以上の炭素原子が不飽和やヘテロ原子に置き換わっていてもよい。
ラクタム化合物としては、例えば、ペンタノ−4−ラクタム、4−ペンタンラクタム−5−メチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリジノン、ヘキサノ−6−ラクタム、6−ヘキサンラクタム等が挙げられる。
グリシジル基を有する化合物としては、例えば、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、ビスフェノールA、ジグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルエーテル等のグリシジル化合物などが挙げられる。
液状アクリル化合物としては、例えば、ビスフェノールA・エチレンオキサイド変性ジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(ペンタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート等のアクリレート類、テトラエチレングリコールジメタクリレート、アルキルメタクリレート、アリルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のメタクリレート類、ダイアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−ビニルホルムアミド、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、アクリロイルピペリジン、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド等のアクリル(メタクリル)アミド類が挙げられる。
これら液状アクリル化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
液状アクリル化合物は、塗布後に重合されて、得られる導電性塗膜の一部となる。
アミン化合物としては、ポリアニオンのアニオン基に配位あるいは結合するものであれば限定されない。ここで、配位あるいは結合とは、ポリアニオンとアミン化合物とが電子を互いに供与/受容することにより、それらの分子間距離が短くなる結合形態のことである。
アミン化合物としては、1級アミン、2級アミン、3級アミン、芳香族アミン等が挙げられる。
1級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モノブチルアミン、モノペンチルアミン、モノヘキシルアミン、モノヘプチルアミン、モノオクチルアミン、モノデシルアミン、モノウンデシルアミン、モノドデシルアミン、モノステアリルアミン等が挙げられる。
2級アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジデシルアミン、ジウンデシルアミン、ジドデシルアミン等が挙げられる。
3級アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリデシルアミン、トリウンデシルアミン、トリドデシルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、トリパーフルオロプロピルアミン、トリパーフルオロブチルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、イミダゾール、N−メチル−イミダゾール、N−エチル−イミダゾール、N−プロピル−イミダゾール、N−ブチル−イミダゾール、N−ペンチル−イミダゾール、N−ヘキシル−イミダゾール、N−ヘプチル−イミダゾール、N−オクチル−イミダゾール、N−デシル−イミダゾール、N−ウンデシル−イミダゾール、N−ドデシル−イミダゾール、2−ヘプチル−イミダゾール、ピリジン等が挙げられる。
上記のうちでも、π共役系導電性高分子の導電性への影響(アルカリ性による脱ドープ)が小さいことから、3級アミンが好ましい。
アミン化合物の分子量は、液状アクリル化合物への溶解性を考慮すると、50〜2000であることが好ましい。
アミン化合物の量が前記下限値以上であれば、アミン化合物がポリアニオンのアニオン基のほぼ全部に配位するため、π共役系導電性高分子の液状アクリル化合物への溶解性がより高くなる。また、前記上限値以下であれば、余剰なアミン化合物が導電性高分子溶液中に含まれないから、得られる導電性塗膜の導電性や機械的物性の低下を防止できる。
本発明の導電性高分子溶液は、有機溶剤含有率が30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%であることが最も好ましい。有機溶剤含有率が1質量%を超えると、導電性高分子溶液から形成した塗膜に気泡が入りやすく、塗膜の外観が損なわれる傾向にある。
有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等の極性溶媒、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価脂肪族アルコール類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物、ジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物等が挙げられる。なお、液状アクリル化合物は有機溶剤に含まれない。
後述する本発明の導電性高分子溶液の製造方法によれば、有機溶剤含有率を容易に20質量%以下にできる。
導電性高分子溶液は、基材に塗布することにより使用される。ここで、基材としては、例えば、樹脂フィルム、ガラス板などが用いられるが、透明性及び可撓性が高いことから、樹脂フィルムが好ましい。
樹脂フィルムを構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリル、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアリレート、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。これらの樹脂材料の中でも、強度等の点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
塗布方法としては、例えば、コンマコーティング、リバースコーティング、リップコーティング、マイクログラビアコーティング等が適用される
硬化方法としては、加熱または光照射が適用される。加熱方法としては、例えば、熱風加熱や赤外線加熱などの通常の方法を採用できる。また、光照射により硬化する場合には、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプなどの光源から紫外線を照射する方法を採用できる。
硬化処理によって、液状アクリル化合物は硬化するため、本発明の導電性高分子溶液塗布後には乾燥が不要である。
本発明の導電性高分子溶液の製造方法は、導電性高分子水溶液から導電性高分子の液状アクリル溶液を得る方法であって、凍結乾燥工程と分散工程とを有する方法である。
本発明の製造方法で使用する導電性高分子水溶液は、π共役系導電性高分子およびポリアニオンからなる複合体と水とを含有する。
導電性高分子水溶液は、例えば、以下の方法により調製される。
すなわち、まず、ポリアニオンを水に分散または溶解させ、これにより得た溶液に、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを添加してモノマー分散液を得る。次いで、モノマー分散液に酸化剤を添加して前駆体モノマーを重合させ、その後、余剰の酸化剤や未反応モノマーを除去し、精製して、導電性高分子水溶液を得る。
凍結乾燥工程では、導電性高分子水溶液を凍結乾燥して複合体固形物を得る。凍結乾燥では、水分を凍結させ、真空乾燥する。このような乾燥方法によれば、得られる固形物が多孔質になりやすい上に、収縮が起こりにくい。
凍結乾燥に際しては公知の凍結乾燥機を用いればよい。
水分量を上記の範囲にするためには、例えば、凍結乾燥時間、凍結乾燥温度、真空度等を調整すればよい。例えば、凍結乾燥時間を短くする程、凍結乾燥温度を低くする程、真空度を高くする程、水分量が多くなる。
BET比表面積を上記の範囲にするためには、例えば、凍結乾燥時間、凍結乾燥温度、真空度等を調整すればよい。例えば、凍結乾燥時間を短くする程、BET比表面積が大きくなる。
分散工程では、上記複合体固形物に液状アクリル化合物およびアミン化合物を添加して複合体溶液を調製し、該複合体溶液を分散処理する。
液状アクリル化合物およびアミン化合物を添加する際には、液状アクリル化合物およびアミン化合物の一方を先に添加してもよいし、両方を同時に添加してもよい。
高圧ホモジナイザの具体例としては、吉田機械興業製の商品名ナノマイザー、マイクロフルイディスク製の商品名マイクロフルイダイザー、スギノマシン製のアルティマイザーなどが挙げられる。
高圧ホモジナイザを用いた分散処理としては、例えば、分散処理を施す前の複合体溶液を高圧で対向衝突させる処理、オリフィスやスリットに高圧で通す処理等が挙げられる。
また、分散処理後の導電性高分子溶液を、例えば、冷媒温度−30〜20℃の熱交換器に通して冷却しても構わない。
複合体のキュムラント平均粒子径が2000nm以下になるように分散処理すれば、得られる導電性高分子溶液の安定性が高くなり、複合体の沈殿を防止できる。
キュムラント平均粒子径は、動的光散乱法による粒径分布の測定から求められる。
キュムラント平均粒子径は、分散工程での混合条件(例えば、圧力等)により調整される。具体的には、圧力が高い程、平均粒子径は小さくなる。
したがって、本発明の導電性高分子溶液の製造方法によれば、限外ろ過を適用せずに、複合体を液状アクリル化合物に均一に含有させることができる。
14.2g(0.1mol)の3,4−エチレンジオキシチオフェンと、2000mlのイオン交換水に27.5g(0.15mol)のポリスチレンスルホン酸(質量平均分子量:約150,000)を溶かした溶液とを20℃で混合して、モノマー分散液を得た。
これにより得られたモノマー分散液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64g(0.13mol)の過硫酸アンモニウムと8.0g(0.02mol)の硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とを添加し、12時間攪拌して反応させた。
得られた反応液を透析し、未反応モノマー、酸化剤、酸化触媒を除去して、約1.5質量%の青色のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)水溶液(以下、PEDOT−PSS水溶液という。)を得た。
6.7g(0.1mol)のピロールと、2000mlのイオン交換水に18.3g(0.1mol)のポリスチレンスルホン酸(質量平均分子量:約400,000)を溶かした溶液とを20℃で混合して、モノマー分散液を得た。
これにより得られたモノマー分散液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64g(0.13mol)の過硫酸アンモニウムと8.0g(0.02mol)の硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とを添加し、12時間攪拌して反応させた。
得られた反応液を透析し、未反応モノマー、酸化剤、酸化触媒を除去して、約1.5質量%の青色のポリスチレンスルホン酸ドープポリピロール水溶液を得た。
9.3g(0.1mol)のアニリンと、2000mlのイオン交換水に27.5gのポリスチレンスルホン酸(質量平均分子量:約150,000)を溶かした溶液とを20℃で混合して、モノマー分散液を得た。
これにより得られたモノマー分散液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64g(0.13mol)の過硫酸アンモニウムと8.0g(0.02mol)の硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とを添加し、12時間攪拌して反応させた。
得られた反応液を透析し、未反応モノマー、酸化剤、酸化触媒を除去して、約1.5質量%の緑色のポリスチレンスルホン酸ドープポリアニリン水溶液を得た。
製造例1で得たPEDOT−PSS水溶液を、凍結乾燥機(東京理化製、商品名:FDU1200)により、16時間凍結乾燥させて、複合体固形物を得た。得られた複合体固形物の比表面積は22.5m2/g、水分量は10.2質量%であった。
製造例1で得たPEDOT−PSS水溶液を、凍結乾燥機により、10時間凍結乾燥させて、複合体固形物を得た。得られた複合体固形物の比表面積は15.5m2/g、水分量は5.0質量%であった。
製造例2で得たポリスチレンスルホン酸ドープポリピロール水溶液を、凍結乾燥機により、24時間凍結乾燥させて、複合体固形物を得た。得られた複合体固形物の比表面積は5.8m2/g、水分量は6.5質量%であった。
製造例3で得たポリスチレンスルホン酸ドープポリアニリン溶液を、凍結乾燥機により12時間乾燥し、複合体固体を得た。得られた複合体固体の比表面積は6.9m2/g、水分量は15.1質量%であった。
ヒドロキシエチルアクリレート249.061gにトリオクチルアミン0.189gを添加し、混合した後、製造例4で得た複合体固形物0.75gを加え、スリーワンモータを用いて、室温で24時間攪拌した。その後、高圧ホモジナイザ(吉田機械興業社製ナノマイザー)を用いて、圧力100MPaの分散処理を10回施して、導電性高分子溶液を得た。
得られた導電性高分子溶液における複合体のキュムラント平均粒子径を測定したところ、383nmであった。
得られた導電性高分子溶液8gに、ペンタエリスリトールトリアクリレート2.0g、エチレングリコール4.0gおよびイルガキュア127(チバ・スパシャルティ・ケミカルズ社製)0.2gを添加し、混合して均一な溶液を調製した。この溶液を#16のバーコータによりポリエチレンテレフタレートフィルム(ダイヤホイルT680E、三菱化学ポリエステル、全光線透過率91.8%、ヘイズ2.1%)上に塗布し、高圧水銀灯を用いて400mJの紫外線を照射して導電性塗膜を形成した。この導電性塗膜の表面抵抗値を測定した。その結果を表1に示す。
また、ポリエチレンテレフタレートフィルムと導電性塗膜とからなる積層体の全光線透過率およびヘイズを測定した。その結果を表1に示す。
ヒドロキシエチルアクリレート249.061gにトリオクチルアミン0.189gを添加し、混合した後、製造例5で得た複合体固形物0.75gを加え、スリーワンモータを用いて、室温で24時間攪拌した。その後、高圧ホモジナイザ(吉田機械興業社製ナノマイザー)を用いて、圧力100MPaの分散処理を5回施して、導電性高分子溶液を得た。
得られた導電性高分子溶液における複合体のキュムラント平均粒子径を測定したところ、849nmであった。
得られた導電性高分子溶液8gに、ヒドロキシエチルアクリルアミド2.0g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1.5gおよびイルガキュア127(チバ・スパシャルティ・ケミカルズ社製)0.2gを添加し、混合して均一な溶液を調製した。この溶液を#16のバーコータによりポリエチレンテレフタレートフィルム(ダイヤホイルT680E)上に塗布し、高圧水銀灯を用いて400mJの紫外線を照射して導電性塗膜を形成した。この導電性塗膜の表面抵抗値を測定した。その結果を表1に示す。
また、ポリエチレンテレフタレートフィルムと導電性塗膜とからなる積層体の全光線透過率およびヘイズを測定した。その結果を表1に示す。
ヒドロキシエチルアクリレート249.061gにトリオクチルアミン0.189gを添加し、混合した後、製造例6で得た複合体固形物0.75gを加え、スリーワンモータを用いて、室温で24時間攪拌した。その後、高圧ホモジナイザ(吉田機械興業社製ナノマイザー)を用いて、圧力100MPaの分散処理を2回施して、導電性高分子溶液を得た。
得られた導電性高分子溶液における複合体のキュムラント平均粒子径を測定したところ、1849nmであった。
得られた導電性高分子溶液8gに、ペンタエリスリトールトリアクリレート2.0g、イルガキュア127(チバ・スパシャルティ・ケミカルズ社製)0.2gを添加し、混合して均一な溶液を調製した。この溶液を#16のバーコータによりポリエチレンテレフタレートフィルム(ダイヤホイルT680E)上に塗布し、高圧水銀灯を用いて400mJの紫外線を照射して導電性塗膜を形成した。この導電性塗膜の表面抵抗値を測定した。その結果を表1に示す。
また、ポリエチレンテレフタレートフィルムと導電性塗膜とからなる積層体の全光線透過率およびヘイズを測定した。その結果を表1に示す。
ヒドロキシエチルアクリレート249.061gにトリドデシルアミン0.283gを添加し、混合した後、製造例7で得た複合体固形物0.75gを加え、スリーワンモータを用いて、室温で24時間攪拌した。その後、高圧ホモジナイザ(吉田機械興業社製ナノマイザー)を用いて、圧力100MPaの分散処理を5回施して、導電性高分子溶液を得た。
得られた導電性高分子溶液における複合体のキュムラント平均粒子径を測定したところ、455nmであった。
得られた導電性高分子溶液8gに、ペンタエリスリトールトリアクリレート2.0g、グリシジルメタクリレート0.5gおよびイルガキュア127(チバ・スパシャルティ・ケミカルズ社製)0.2gを添加し、混合して均一な溶液を調製した。この溶液を#16のバーコータによりポリエチレンテレフタレートフィルム(ダイヤホイルT680E)上に塗布し、高圧水銀灯を用いて400mJの紫外線を照射して導電性塗膜を形成した。この導電性塗膜の表面抵抗値を測定した。その結果を表1に示す。
また、ポリエチレンテレフタレートフィルムと導電性塗膜とからなる積層体の全光線透過率およびヘイズを測定した。その結果を表1に示す。
製造例4で得た複合体固体0.6g、ヒドロキシエチルアクリレート99gを容器に採り、スリーワンモータにより2時間攪拌した。その後、ホモジナイザを用いて回転数8000rpmで10分間攪拌したが、溶解せず、その後、続けて1時間、ホモジナイザで攪拌を続けたが、複合体固体は溶解しなかった。高圧ホモジナイザが閉塞するおそれがあったため、その後の分散処理は断念した。
これに対し、凍結乾燥して得た複合体固形物に液状アクリル化合物を添加し、アミン化合物を添加しなかった比較例1では、導電性高分子溶液が得られなかった。
Claims (5)
- π共役系導電性高分子およびポリアニオンからなる複合体を含む導電性高分子水溶液を凍結乾燥して複合体固形物を得る凍結乾燥工程と、
前記複合体固形物に液状アクリル化合物およびアミン化合物を添加し、分散処理する分散工程とを有することを特徴とする導電性高分子溶液の製造方法。 - 前記凍結乾燥工程では、複合体固形物の水分量を3〜50質量%にすることを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子溶液の製造方法。
- 前記凍結乾燥工程では、複合体固形物の比表面積を5〜200m2/gにすることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性高分子溶液の製造方法。
- 分散工程では、複合体のキュムラント平均粒子径が2000nm以下になるように分散処理することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性高分子溶液の製造方法。
- 導電性高分子水溶液が、下記(a)〜(h)の化合物から選ばれる1種以上の導電性向上剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性高分子溶液の製造方法。
(a)窒素含有芳香族性環式化合物
(b)2個以上のヒドロキシ基を有する化合物
(c)2個以上のカルボキシ基を有する化合物
(d)1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を有する化合物
(e)アミド基を有する化合物
(f)イミド基を有する化合物
(g)ラクタム化合物
(h)グリシジル基を有する化合物
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010170451A JP5450307B2 (ja) | 2010-07-29 | 2010-07-29 | 導電性高分子溶液の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010170451A JP5450307B2 (ja) | 2010-07-29 | 2010-07-29 | 導電性高分子溶液の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012031256A JP2012031256A (ja) | 2012-02-16 |
JP5450307B2 true JP5450307B2 (ja) | 2014-03-26 |
Family
ID=45845053
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010170451A Active JP5450307B2 (ja) | 2010-07-29 | 2010-07-29 | 導電性高分子溶液の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5450307B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5919095B2 (ja) * | 2012-05-31 | 2016-05-18 | 信越ポリマー株式会社 | 導電性高分子塗料及び導電性塗膜 |
TWI598407B (zh) * | 2012-09-05 | 2017-09-11 | 信越聚合物股份有限公司 | 帶電防止性剝離劑及帶電防止性剝離膜 |
JP6465486B2 (ja) * | 2015-03-11 | 2019-02-06 | 信越ポリマー株式会社 | 導電性固形物の製造方法、導電性高分子有機溶剤分散液の製造方法、帯電防止フィルムの製造方法及び帯電防止フィルム |
JP6465485B2 (ja) * | 2015-03-11 | 2019-02-06 | 信越ポリマー株式会社 | 導電性固形物の製造方法、導電性高分子有機溶剤分散液の製造方法、及び帯電防止フィルムの製造方法 |
JP7204349B2 (ja) * | 2018-06-11 | 2023-01-16 | 信越ポリマー株式会社 | 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法 |
JP7496737B2 (ja) | 2020-08-21 | 2024-06-07 | 信越ポリマー株式会社 | 導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性フィルム及びその製造方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1780233B1 (en) * | 2000-06-26 | 2009-06-17 | Agfa-Gevaert | Redispersible latex comprising a polythiophene |
JP5374841B2 (ja) * | 2006-07-18 | 2013-12-25 | 荒川化学工業株式会社 | 導電性高分子/ドーパント錯体有機溶媒分散体、その製造方法および当該導電性高分子/ドーパント錯体有機溶媒分散体を含有する組成物 |
JP5026054B2 (ja) * | 2006-11-01 | 2012-09-12 | 信越ポリマー株式会社 | 導電性高分子塗料の製造方法、導電性塗膜の製造方法 |
TWI419924B (zh) * | 2007-01-17 | 2013-12-21 | Arakawa Chem Ind | An organic solvent dispersion of a conductive polymer / dopant, and a composition containing the dispersion |
JP5560003B2 (ja) * | 2009-08-03 | 2014-07-23 | 信越ポリマー株式会社 | 導電性高分子溶液およびその製造方法 |
-
2010
- 2010-07-29 JP JP2010170451A patent/JP5450307B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012031256A (ja) | 2012-02-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5560003B2 (ja) | 導電性高分子溶液およびその製造方法 | |
JP5501261B2 (ja) | π共役系導電性高分子複合体およびその製造方法、導電性高分子溶液ならびに帯電防止塗膜 | |
JP5042638B2 (ja) | 導電性高分子溶液の製造方法 | |
JP2008146913A (ja) | 導電性高分子溶液及び導電性塗膜 | |
JP5014750B2 (ja) | 導電性高分子塗料及び導電性塗膜 | |
CN107001801B (zh) | 加成硬化性防静电有机聚硅氧烷组合物及防静电硅酮皮膜 | |
JP5450307B2 (ja) | 導電性高分子溶液の製造方法 | |
JP6745153B2 (ja) | 導電性離型層形成用塗料及びその製造方法、並びに導電性離型フィルム及びその製造方法 | |
JP5111011B2 (ja) | 撥水性導電性高分子塗料及び撥水性導電性塗膜 | |
JP6655484B2 (ja) | 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法 | |
JP5507484B2 (ja) | 導電性高分子複合体およびその製造方法、ならびに導電性高分子溶液および帯電防止膜 | |
JP6372918B2 (ja) | 導電性組成物、導電性組成物の製造方法、帯電防止樹脂組成物ならびに帯電防止樹脂皮膜 | |
JP2018053191A (ja) | 導電性複合体のアミン付加物の製造方法、導電性複合体のアミン付加物液の製造方法、及び導電性フィルムの製造方法 | |
JP5037104B2 (ja) | 導電性積層体及びその製造方法 | |
JP6607832B2 (ja) | 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルム及びその製造方法 | |
JP6114639B2 (ja) | 導電性高分子の製造方法および導電性組成物の製造方法 | |
JP5179050B2 (ja) | 多官能アクリル化合物、導電性高分子塗料及び導電性塗膜 | |
JP2009009998A (ja) | コンデンサ及びその製造方法 | |
JP6842928B2 (ja) | 導電性高分子分散液の製造方法、及び導電性フィルムの製造方法 | |
JP6010389B2 (ja) | 導電性高分子の製造方法、導電性組成物の製造方法、およびフィルムの製造方法 | |
JP6628412B2 (ja) | 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法 | |
JP2018110073A (ja) | 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに帯電防止フィルム及びその製造方法 | |
JP6640046B2 (ja) | 帯電防止フィルムの製造方法 | |
JP2009009999A (ja) | コンデンサ及びその製造方法 | |
JP2009010000A (ja) | コンデンサ及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130514 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131003 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131008 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131105 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131126 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131225 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5450307 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |