JP5448546B2 - ポリカーボネート樹脂組成物および成形品 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物および成形品 Download PDF

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Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂を含有する組成物および成形品に関する。さらに詳しくは本発明は、害虫等の光誘導性が顕著な波長の遮蔽に優れ、且つポリカーボネート樹脂が有する優れた透明性、成形加工性、靭性を備えた樹脂組成物およびその成形品に関する。本発明の成形品は、光学分野、電気電子分野、医療分野、自動車分野等に有用であり、蛍光灯用防虫スリーブとして特に有用である。
紫外線は害虫等に対する光誘導性を有することが知られている。特に蛍光灯ではいわゆるUV−Aでの発光により、害虫等の光誘導を引き起こし、安全面、衛生面および人に与える嫌悪感等が問題となっている。
特許文献1に開示されているようにポリカーボネート樹脂に紫外線吸収剤を添加することは既に提案されている。しかしながら従来の紫外線吸収剤の開発の主目的はポリカーボネート樹脂を紫外線劣化から守ることにあり、ポリカーボネート樹脂を通過した光による害虫等の光誘導性を低下させる目的でない。そのため従来の紫外線吸収剤では、防虫の目的を達するためには多量に添加する必要があったり、また、多量に添加しても目的とする防虫効果に達しないものがほとんどであった。更に、成形品厚みに対しても自由度が小さく、例えばコストダウン等の目的で成形品を薄くする場合には、防虫の目的が達成できなくなるといった問題があった。
一方、近年では防虫用の紫外線吸収剤についての提案もされるようになってきている。特許文献2には、410nmの波長を吸収する紫外線吸収剤で防虫することが提案されている。しかし、防虫効果を達成するためには、特に420nm付近の光線透過率が重要であり、この提案では防虫効果が不十分であり、特に薄肉成形品で防虫効果を達成できるものではなかった。
また、特許文献3には、400nm以上に吸収極大を持つ紫外線吸収剤が提案されている。しかし、この提案では、紫外線吸収剤自体の耐久性が不十分であり、紫外線吸収によって紫外線吸収剤自体が分解してしまうといった問題があった。
また、特許文献4には、長波紫外線吸収能を長時間維持できる紫外線吸収剤が提案されている。
特開平07−196904号公報 国際公開2006/087882号パンフレット 特開2007−254533号公報 特開2008−273927号公報
本発明の目的は、ポリカーボネート樹脂を含有し、優れた防虫効果を有する樹脂組成物および成形品を提供することにある。本発明の目的は特に、蛍光灯の防虫スリーブとして、適正な添加量でも成形品の薄肉化が可能であり、長期耐久性にも優れた樹脂組成物および成形品を提供することにある。
本発明者らは、ポリカーボネート樹脂に用いるのに適した、防虫効果を有する紫外線吸収剤について鋭意検討したところ、紫外線吸収剤として下記式(1)で表される化合物を用い、さらにリン系安定剤を組み合わせて用いると、優れた防虫効果を有する樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
Figure 0005448546
こで、当業者は、加熱加工時(ペレット、押出成型)に、ポリカーボネートを安定させるために用いられるリン系安定剤から微量に生成するリン酸が、上記式(1)の化合物を加水分解させることを懸念するため、本件発明の構成を容易に想起することはできないが、ポリカーボネート樹脂中の該リン系安定剤及び該上記式(1)の化合物の含有量を規定することで、かかる影響もなく、防虫効果や長期耐久性など格別な効果を奏することが判明した。
すなわち本発明によれば、以下の発明が提供される。
1. (i)粘度平均分子量が1.5×10〜5.0×10の範囲であるポリカーボネート樹脂100重量部に対し、
(ii)上記式(1)で示される化合物0.01〜0.5重量部、
(iii)リン系安定剤0.001〜0.1重量部および
(iv)ベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤0.01〜0.5重量部を含有する樹脂組成物。
2. ンゾトリアゾール型紫外線吸収剤が、2,2’メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]である前項1に記載の樹脂組成物。
3. ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、更に、(v)飽和脂肪酸エステル0.01〜2重量部を含有する前項1に記載の樹脂組成物。
4. リン系安定剤がホスファイト化合物またはホスホナイト化合物である前項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
5. 前項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物から形成される成形品。
6. 厚みが0.2〜3.0mmであり、波長420nmにおける光線透過率が40%以下である前項5に記載の成形品。
7. 前項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物から形成される蛍光灯用防虫スリーブ。
8. 厚み0.2〜1.0mmである前項7に記載の蛍光灯用防虫スリーブ。
9. 前項7または8に記載の蛍光灯用防虫スリーブを含む照明器具。
本発明の樹脂組成物および成形品は優れた防虫効果を有し、成形品の薄肉化が可能であり、長期耐久性にも優れる。
以下、本発明について詳細に説明する。
(ポリカーボネート樹脂)
本発明で用いるポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られる芳香族ポリカーボネート樹脂である。ここで用いる二価フェノールの具体例としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。これら二価フェノールは単独で用いても、二種以上併用してもよい。
前記二価フェノールのうち、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)を主たる二価フェノール成分とするのが好ましく、特に全二価フェノール成分中70モル%以上、特に80モル%以上がビスフェノールAであるものが好ましい。最も好ましいのは、二価フェノール成分が実質的にビスフェノールAである芳香族ポリカーボネート樹脂である。
ポリカーボネート樹脂は他の熱可塑性樹脂に比べて透明性に優れ、さらに高い衝撃強度および難燃性を有するため照明器具には有用である。特に蛍光灯スリーブでは破損時のガラス飛散防止にも有用である。
ポリカーボネート樹脂を製造する基本的な手段を簡単に説明する。カーボネート前駆体としてホスゲンを用いる溶液法では、通常酸結合剤および有機溶媒の存在下に二価フェノール成分とホスゲンとの反応を行う。酸結合剤としては例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては例えば、塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また反応促進のために例えば第三級アミンや第四級アンモニウム塩等の触媒を用いることができ、分子量調節剤として例えばフェノールやp−tert−ブチルフェノールのようなアルキル置換フェノール等の末端停止剤を用いることが望ましい。反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間、反応中のpHは10以上に保つのが好ましい。
カーボネート前駆体として炭酸ジエステルを用いるエステル交換法(溶融法)は、不活性ガスの存在下に所定割合の二価フェノール成分と炭酸ジエステルとを加熱しながら撹拌し、生成するアルコールまたはフェノール類を留出させる方法である。反応温度は生成するアルコールまたはフェノール類の沸点等により異なるが、通常120〜350℃の範囲である。反応はその初期から減圧にして生成するアルコールまたはフェノール類を留出させながら反応させる。また反応を促進するために通常のエステル交換反応触媒を用いることができる。このエステル交換反応に用いる炭酸ジエステルとしては例えばジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート等が挙げられ、特にジフェニルカーボネートが好ましい。
本発明で用いるポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量で表して1.5×10〜5.0×10の範囲であり、1.8×10〜3.0×10の範囲が好ましく、2.0×10〜2.6×10の範囲が特に好ましい。上記粘度範囲であると、押出成形時のポリカーボネート樹脂の成形加工性や安定性に優れ、また得られる成形品の機械的強度が良好となる。ここで、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は、オストワルド粘度計を用いて塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
(紫外線吸収剤)
本発明で用いる紫外線吸収剤は、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 0005448546
(1)で表される化合物は、例えば、特開2000−264879号公報の4ページ左43行目〜右8行目の実施例、特開2003−155375の4ページ右欄5行目〜30行目の実施例、「Bioorganic & Medicinal Chemistry」,2000年,8巻,2095−2103ページ、「Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters」,2003年,13巻,4077−4080ページなどを参考にして合成できる。例えば、2,5−チオフェンジカルボニルジクロリドとアントラニル酸とを反応させることにより合成できる。
(リン系安定剤)
本発明で使用するリン系安定剤としては、具体的には例えば下記式(2)で表わされるホスファイト化合物が挙げられる。
Figure 0005448546
[式中Rは、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基,炭素数6〜20のアルカリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、またはこれらのハロ、アルキルチオ(アルキル基は炭素数1〜30)またはヒドロキシ置換基を示し、3個のRは互いに同一または互いに異なり、また2価フェノール類から誘導されることにより環状構造も選択できる。]
また、下記式(3)で表わされるホスファイト化合物を挙げることができる。
Figure 0005448546
[式中R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基,炭素数6〜20のアルキルアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、炭素数4〜20のシクロアルキル基、炭素数15〜25の2−(4−オキシフェニル)プロピル置換アリール基を示す。尚、シクロアルキル基およびアリール基は、アルキル基で置換されていないもの、またはアルキル基で置換されているもののいずれも選択できる。]
また、下記式(4)で表わされるホスファイト化合物を挙げることができる。
Figure 0005448546
[式中R、Rは炭素数12〜15のアルキル基である。尚、RおよびRは互いに同一または互いに異なる。]
ホスホナイト系安定剤としては下記式(5)で表わされるホスホナイト化合物、および下記式(6)で表わされるホスホナイト化合物を挙げることができる。
Figure 0005448546
Figure 0005448546
[式中、Ar、Arは炭素数6〜20のアリール基,炭素数6〜20のアルキルアリール基、または炭素数15〜25の2−(4−オキシフェニル)プロピル置換アリール基を示し、4つのArは互いに同一、または互いに異なる。または2つのArは互いに同一、または互いに異なる。]
上記式(2)に対応するホスファイト化合物の好ましい具体例としては、ジフェニルイソオクチルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイトが挙げられる。
上記式(3)に対応するホスファイト化合物の好ましい具体例としては、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられ、好ましくはジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを挙げることができる。
上記式(4)に対応するホスファイト化合物の好ましい具体例としては、4,4’−イソプロピリデンジフェノールテトラトリデシルホスファイトを挙げることができる。かかるホスファイト化合物は1種、または2種以上を併用することができる。
上記のホスファイト化合物に対して更に好ましいホスファイト化合物としては、下記式(7)で示される化合物(C−7成分)および下記式(8)で示される化合物(C−8成分)を挙げることができる。
Figure 0005448546
(式(7)中、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示す。)
Figure 0005448546
(式(8)中、R、R、R10、R11、R14、R15およびR16はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示し、R12は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、およびR13は水素原子またはメチル基を示す。)
式(7)中、好ましくはRおよびRは炭素原子数1〜12のアルキル基であり、より好ましくは炭素原子数1〜8のアルキル基である。かかる式(7)の化合物(C−7成分)としては具体的に、トリス(ジメチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトなどが挙げられ、特にトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが好ましい。
一方、式(8)のリン化合物は公知の方法で製造できる。例えば下記式(9)に示されるビスフェノール化合物と三塩化リンとを反応させて相当する塩化リン酸を得て、その後それと下記式(10)で示されるフェノールとを反応させる方法などがある。
Figure 0005448546
(式(9)中、R、R、R10およびR11はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示し、R12は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示し、R13は水素原子またはメチル基を示す。)
Figure 0005448546
(式(10)中、R14、R15およびR16はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示す。)
上記式(9)の化合物の具体例としては、2,2’−メチレンビスフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,2’−エチリデンビスフェノール、2,2’−エチリデンビス(4−メチルフェノール)、2,2’−イソプロピリデンビスフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルフェニルメタン、2,2’−メチレンビス(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、および2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)などが挙げられ、好ましく使用することができる。
式(9)の化合物としてより好ましくは、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、および2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)を挙げることができる。
一方、式(10)の化合物の具体例としては、フェノール、2−メチルフェノール、3−メチルフェノール、4−メチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、および2,6−ジ−tert−ブチル−4−s−ブチルフェノールなどが挙げられ、好ましく使用できる。上記式(10)の化合物の具体例としてより好ましいのは、アルキル置換基を2つ以上有する場合である。
また、上記式(5)に対応するホスホナイト化合物(C−5成分)における好ましい具体例としては、テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト等があげられ、テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトがより好ましい。このテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトは、2種以上の混合物が好ましく、具体的にはテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト(C−5−1成分)、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト(C−5−2成分)、およびテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト(C−5−3成分)の3種の混合物が好ましい。また、3種の混合物の場合その混合比は、C−5−1成分、C−5−2成分およびC−5−3成分を重量比で100:37〜64:4〜14の範囲が好ましく、100:40〜60:5〜11の範囲がより好ましい。
上記式(6)に対応するホスホナイト化合物(C−6成分)の好ましい具体例としては、ビス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトビス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等があげられ、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。このビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトは、2種以上の混合物が好ましく、具体的にはビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト(C−6−1成分)、およびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト(C−6−2成分)の1種もしくは2種を併用して使用可能であるが、好ましくはかかる2種の混合物である。また、2種の混合物の場合その混合比は、重量比で5:1〜4の範囲が好ましく、5:2〜3の範囲がより好ましい。
一方ホスフェート系安定剤としては、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどを挙げることができ、好ましくはトリメチルホスフェートである。
リン系熱安定剤は、ホスファイト化合物またはホスホナイト化合物が好ましい。上記C−5成分、C−6成分およびC−7成分からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく、特に、上記C−5成分、C−6成分およびC−7成分からなるリン系安定剤組成物が好ましい。
C−5成分、C−6成分およびC−7成分からなるリン系安定剤組成物は、その合計を100重量%とした時、C−5成分が40〜80重量%、C−6成分が0〜25重量%およびC−7成分が5〜50重量%であるリン系安定剤組成物が好ましい。より好ましくは、C−5成分が40〜80重量%、C−6成分が5〜25重量%およびC−7成分が5〜50重量%であり、最も好ましくは、C−5成分が55〜80重量%、C−6成分が5〜25重量%およびC−7成分が5〜45重量%である。
リン系安定剤またはその組成物の量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.001〜0.1重量部の範囲であり、0.002〜0.08重量部の範囲がより好ましく、0.01〜0.06重量部の範囲が最も好ましい。リン系安定剤の含有量が0.001重量部未満であると熱安定性効果が発現しないので好ましくなく、0.1重量部を超えると湿熱性等が低下するので好ましくない。
(酸化防止剤)
本発明の樹脂組成物は、フェノール系酸化防止剤を含むことができる。かかるフェノール系酸化防止剤としては種々のものを使用することができる。
フェノール系酸化防止剤の具体例としては、例えばビタミンE、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−ジメチレン−ビス(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−へキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス[2−tert−ブチル−4−メチル6−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、4,4’−ジ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−トリ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどを挙げることができ、好ましく使用できる。
より好ましくは、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、およびテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンであり、更にn−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェル)プロピオネートが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、イオウ系酸化防止剤を含むことができる。かかるイオウ系酸化防止剤の具体例としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(β−ラウリルチオプロピオネート)エステル、ビス[2−メチル−4−(3−ラウリルチオプロピオニルオキシ)−5−tert−ブチルフェニル]スルフィド、オクタデシルジスルフィド、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール、1,1’−チオビス(2−ナフトール)などを挙げることができる。より好ましくは、ペンタエリスリトールテトラ(β−ラウリルチオプロピオネート)エステルを挙げることができる。
上記フェノール系酸化防止剤、およびイオウ系酸化防止剤の割合としては、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、フェノール系酸化防止剤、またはイオウ系酸化防止剤はそれぞれ0.001〜0.1重量部であることが好ましい。より好ましくはポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.005〜0.05重量部である。更に好ましくは0.01〜0.03重量部である。
(紫外線吸収剤)
本発明の樹脂組成物は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含むことができる。本発明で好ましく使用されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)フェニルベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、メチル−3−[3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート−ポリエチレングリコールとの縮合物に代表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を挙げることができる。
かかるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の割合は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して好ましくは0.01〜0.5重量部、より好ましくは0.02〜0.4重量部、さらに好ましくは0.05〜0.35重量部、特に好ましくは0.1〜0.3重量部である。
(離型剤)
本発明の樹脂組成物は、離型剤を含んでいてもよい。かかる離型剤としては公知のものが使用できる。例えば、飽和脂肪酸エステル、不飽和脂肪酸エステル、ポリオレフィン系ワックス(ポリエチレンワツクス、1−アルケン重合体など。酸変性などの官能基含有化合物で変性されているものも使用できる)、シリコーン化合物(シリコーンオイル、シリコーン樹脂など、酸変性などの官能基含有化合物で変性されているものも使用できる)、フッ素化合物(ポリフルオロアルキルエーテルに代表されるフッ素オイルなど)、パラフィンワックス、蜜蝋などを挙げることができる。
好ましい離型剤としては飽和脂肪酸エステルが挙げられ、例えばグリセリンモノステアレートなどのグリセリンモノエステル類、デカグリセリンデカステアレートおよびデカグリセリンテトラステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル類、ステアリン酸ステアレートなどの低級脂肪酸エステル類、セバシン酸ベヘネートなどの高級脂肪酸エステル類、ペンタエリスリトールテトラステアレートなどのエリスリトールエステル類が使用される。離型剤はポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.01〜2重量部であることが好ましく、0.02〜1重量部であることがより好ましく、0.03〜0.5重量部であることがさらに好ましく、0.05〜0.3重量部であることが特に好ましい。
(ブルーイング剤)
また、本発明の樹脂組成物は、紫外線吸収剤などに基づく黄色味を打ち消すためにブルーイング剤を配合することができる。ブルーイング剤としてはポリカーボネート樹脂に使用されるものであれば、特に支障なく使用することができる。一般的にはアンスラキノン系染料が入手容易であり好ましい。具体的なブルーイング剤としては、例えば一般名Solvent Violet13[CA.No(カラーインデックスNo)60725;商標名 バイエル社製「マクロレックスバイオレットB」、三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーG」、住友化学(株)製「スミプラストバイオレットB」]、一般名Solvent Violet31[CA.No68210;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンバイオレットD」]、一般名Solvent Violet33[CA.No60725;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーJ」]、一般名Solvent Blue94[CA.No61500;商標名三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーN」]、一般名Solvent Violet36[CA.No68210;商標名 バイエル社製「マクロレックスバイオレット3R」]、一般名Solvent Blue97[商標名 バイエル社製「マクロレックスブルーRR」]および一般名Solvent Blue45[CA.No61110;商標名 サンド社製「テラゾールブルーRLS」]、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社のマクロレックスバイオレットやテラゾールブルーRLS等があげられ、特に、マクロレックスブルーRR、マクロレックスバイオレットBやテラゾールブルーRLSが好ましい。これらブルーイング剤は通常0.3〜1.2ppmの濃度でポリカーボネート樹脂中に配合される。
(熱可塑性樹脂)
本発明の樹脂組成物は、目的に応じて各種の熱可塑性樹脂およびその他の添加剤などを含むことができる。
ポリカーボネート樹脂以外の他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、SMA樹脂、ポリアルキルメタクリレート樹脂などに代表される汎用プラスチックス、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂(非晶性ポリアリレート、液晶性ポリアリレート)等に代表されるエンジニアリングプラスチックス、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイドなどのいわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックスと呼ばれるものを挙げることができる。更にスチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーも使用することができる。
その他各種添加剤としては、例えば補強剤(タルク、マイカ、クレー、ワラストナイト、炭酸カルシウム、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ミルドファイバー、ガラスフレーク、炭素繊維、炭素フレーク、カーボンビーズ、カーボンミルドファイバー、金属フレーク、金属繊維、金属コートガラス繊維、金属コート炭素繊維、金属コートガラスフレーク、シリカ、セラミック粒子、セラミック繊維、アラミド粒子、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、グラファイト、導電性カーボンブラック、各種ウイスカーなど)、難燃剤(ハロゲン系、リン酸エステル系、金属塩系、赤リン、シリコン系、金属水和物系などであり、滴下防止剤も含む)、他の熱安定剤、他の紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、着色剤(カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、染料)、光拡散剤(アクリル架橋粒子、シリコン架橋粒子、極薄ガラスフレーク、炭酸カルシウム粒子など)、蛍光増白剤、蓄光顔料、蛍光染料、帯電防止剤、流動改質剤、結晶核剤、無機および有機の抗菌剤、光触媒系防汚剤(微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛など)、グラフトゴムに代表される衝撃改質剤、赤外線吸収剤、フォトクロミック剤を配合することができる。本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の目的を逸脱しない範囲において、種々の添加剤を添加可能である。
(成形品)
本発明の樹脂組成物は、押出成形、射出成形、射出プレス成形、インフレーション成形、ブロー成形等種々の方法で成形して、成形品を得ることができる。中でも押出成形、射出成形、射出プレス成形が好ましく、薄肉品を大面積で得る方法としては、押出成形、射出プレス成形が特に好ましい。
本発明の成形品は、その厚みが0.2〜3.0mmであることが好ましい。また、該成形品は420nmの光線透過率が40%以下であることが好ましい。光線透過率が高い場合には、十分な防虫効果が発現されず、防虫用成形品として用いる場合に好ましくない。
本発明の成形品は、蛍光灯用防虫スリーブとして特に好適に使用される。蛍光灯用防虫スリーブの厚みは0.2〜1.0mmが好ましく、0.5〜0.7mmがより好ましい。成形品の厚みが薄い場合には強度が不足したり、十分な防虫効果を発現できない。一方成形品が厚い場合には、着色が目立ってしまったり、製品の重量が大きくなりコストアップにつながる。
以下、本発明について実施例によって更に詳しく説明する。なお部は重量部であり、評価は下記の方法で実施した。
(1)粘度平均分子量
ポリカーボネート樹脂または押出成形品0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液の20℃における比粘度を測定し、下記式から算出した。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]
[η]=1.23×10−40.83
ηsp:比粘度
[η]:極限粘度
c:定数(=0.7)
M:粘度平均分子量
(2)光線透過率
成形した押出成形品について、日立製作所製U−4100型分光光度計にて420nmでの光線透過率を測定した。
(3)耐久性試験
0.6mm厚の押出成形品の試験サンプルについて、キセノンウェザーメーターXL75(スガ試験機(株))で60W/m(300〜400nm)、温度60℃、湿度なし、200hrの条件で試験を実施した。目視で観察し、更にハンマーで打撃して成型品の強度を確認した。
○:着色なし および ハンマーの打撃で破壊されず
×:着色あり または ハンマーでの打撃により破壊された(強度低下あり)
(4)防虫試験
実施例1〜9および比較例1〜4のポリカーボネート樹脂および添加剤を原料として、円筒状の押出し成型により、厚み0.6mm、外形32mmのスリーブを作成し、さらにスリーブに40W白色蛍光ランプを入れ、キャップにより密閉した照明器具を作成した。
同様にPC−1 100重量部、HS−1 0.02重量部、L−1 0.10重量部、BL−1 0.0001重量部の樹脂および添加剤を原料としてスリーブを作成し、さらにスリーブに40W白色蛍光ランプを入れ、キャップにより密閉した、防虫効果確認用の照明器具を作成した。
防虫試験は、実施例1〜9および比較例1〜4の照明器具から選んだ1つの照明器具と、防虫効果確認用の照明器具を50cmの間隔で並べて、それぞれの30分間に飛来した飛翔昆虫の数をカウントした。前者の照明器具に飛来した飛翔昆虫の数を、後者の防虫効果確認用の照明器具に飛来した飛翔昆虫の数で割り、防虫効果指数を求めた。
○:飛翔昆虫を誘引せず 防虫効果指数 0.1未満
△:飛翔昆虫を誘引せず 防虫効果指数 0.1以上0.5未満
×:飛翔昆虫が誘引された 防虫効果指数 0.5以上
(5)ポリマーの安定性
押出成形時のポリマーの安定性を下記の通り評価した。
○:問題なし
△:若干の樹脂垂れが発生し、温度調節が必要
×:黄変発生
[実施例1〜9、比較例1〜4]
表中のポリカーボネート樹脂および添加剤を2軸押出機JSW製TEX−30αにてシリンダー温度300℃にて混練し、ストランドをカットしてペレットを得た。得られたペレットを120℃にて4時間乾燥し、中谷製単軸押出機にて、押出成形を行い、厚み0.6mm、幅20cmの押出成形品(但し実施例3は厚み3mmの成形品、実施例4は厚み0.2mmのフィルム)を作成した。この押出成形品にて上記評価を行った。その結果を表1に示した。
なお、表1に示したポリカーボネート樹脂、紫外線吸収剤、リン系安定剤、離型剤、ブルーイング剤は以下のとおりである。
(1)ポリカーボネート樹脂
PC−1:p−tert−ブチルフェノールとホスゲンから界面重合法により得られた粘度平均分子量23,800のビスフェノールAを繰り返し単位とする粉粒状ポリカーボネート樹脂
PC−2:p−tert−ブチルフェノールとホスゲンから界面重合法により得られた粘度平均分子量18,500のビスフェノールAを繰り返し単位とする粉粒状ポリカーボネート樹脂
PC−3:p−tert−ブチルフェノールとホスゲンから界面重合法により得られた粘度平均分子量25,200のビスフェノールAを繰り返し単位とする粉粒状ポリカーボネート樹脂
(2)上記式(1)の化合物(紫外線吸収剤)
UV−1:2,2’−(チオフェン−2,5−ジイル)ビス(4H−ベンゾ[d][1,3−オキサジン−4−オン]
Figure 0005448546
(3)リン系安定剤
HS−1:以下のP−1成分、P−2成分およびP−3成分の71:15:14(重量比)の混合物(クラリアントジャパン(株)製:サンドスタブP−EPQ(商品名))
P−1成分:テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、およびテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイトの100:50:10(重量比)混合物
P−2成分:ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトの5:3(重量比)混合物
P−3成分:トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト
(4)ベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤
UV−2:2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール](旭電化工業(株)製:アデカスタブ LA−31)
(他の紫外線吸収剤)
UV−3:2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジノン−4−オン)(サイアテック社製:CYASORB UV−3638(商品名))
(5)飽和脂肪酸エステル
L−1:グリセリンモノステアレート(理研ビタミン(株)製:リケマールS−100A(商品名))
(ブルーイング剤)
BL−1:アントラキノン系化合物(バイエル社製:マクロレックス バイオレットB(商品名))


Figure 0005448546
Figure 0005448546
本発明の樹脂組成物は、蛍光灯用防虫スリーブとして有用である。

Claims (9)

  1. (i)粘度平均分子量が1.5×10〜5.0×10の範囲であるポリカーボネート樹脂100重量部に対し、
    (ii)下記式(1)で示される化合物0.01〜0.5重量部
    (iii)リン系安定剤0.001〜0.1重量部および
    (iv)ベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤0.01〜0.5重量部、
    を含有する樹脂組成物。
    Figure 0005448546
  2. ンゾトリアゾール型紫外線吸収剤が、2,2’メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、更に、(v)飽和脂肪酸エステル0.01〜2重量部を含有する請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. リン系安定剤がホスファイト化合物またはホスホナイト化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物から形成される成形品。
  6. 厚みが0.2〜3.0mmであり、波長420nmにおける光線透過率が40%以下である請求項5に記載の成形品。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物から形成される蛍光灯用防虫スリーブ。
  8. 厚み0.2〜1.0mmである請求項7に記載の蛍光灯用防虫スリーブ。
  9. 請求項7または8に記載の蛍光灯用防虫スリーブを含む照明器具。
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