JP5447957B2 - アリールイオウペンタフルオリドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アリールイオウペンタフルオリドの製造において有用な方法及び組成物に関する。
アリールイオウペンタフルオリド化合物は、1種類以上のイオウペンタフルオリド基を種々の商業的な有機分子中に導入するために用いられている。特に、アリールイオウペンタフルオリドは、液晶の開発、殺菌剤、除草剤、及び殺虫剤のような生物活性化学物質、並びに他の同様の材料における有用な化合物(生成物又は中間体として)として示されている[Fluorine-containing Synthons (ACS Symposium Series 911), V.A. Soloshonok編, American Chemical Society (2005), pp. 108-113を参照]。しかしながら、ここで議論されているように、アリールイオウペンタフルオリドを製造するための従来の合成方法は困難であることが分かっており、当該技術における懸案事項である。
一般に、アリールイオウペンタフルオリドは、以下の合成法の1つを用いて合成される:(1)AgFによるジアリールジスルフィド又はアリールイオウトリフルオリドのフッ素化[J. Am. Chem. Soc., vol.82 (1962), pp.3064-3072、及びJ. Fluorine Chem. vol. 112 (2001), pp.287-295を参照];(2)分子状フッ素(F)によるジ(ニトロフェニル)ジスルフィド、ニトロベンゼンチオール、又はニトロフェニルイオウトリフルオリドのフッ素化[Tetrahedron, vol.56 (2000), pp.3399-3408;Eur. J. Org. Chem., vol. 2005, pp.3095-3100;及び米国特許5,741,935を参照];(3)フッ化物源の存在下又は不存在下での、F、CFOF、又はCF(OF)によるジアリールジスルフィド又はアレーンチオールのフッ素化(米国特許公開2004/0249209−A1を参照);(4)XeFによるジアリールジスルフィドのフッ素化[J. Fluorine Chem. vol. 101 (2000), pp.279-283を参照];(5)1,4−ビス(アセトキシ)−2−シクロヘキセンとSFBrとを反応させ、次に脱臭化水素又は加水分解し、次に芳香族化反応を行うこと[J. Fluorine Chem. vol.125 (2004), pp.549-552を参照];(6)4,5−ジクロロ−1−シクロヘキセンをSFClと反応させ、次に脱塩化水素化すること[Organic Letters, vol.6 (2004), pp.2417-2419、及びPCT−WO2004/011422−A1を参照];並びに(7)SFClをアセチレンと反応させ、次に臭素化、脱臭化水素化、及び亜鉛による還元を行ってペンタフルオロスルファニルアセチレンを与え、これを次にブタジエンと反応させ、次に非常に高い温度で芳香族化反応を行うこと[J. Org. Chem., vol.29 (1964), pp.3567-3570を参照]。
上記の合成法のそれぞれは、そのために実施するには実用的でない(時間又は収率)か、過度に高価であるか、及び/又は過度に危険である1以上の欠点を有している。例えば、合成法(1)及び(4)は、低い収率を与え、高価な反応試薬、例えばAgF及びXeFを必要とする。方法(2)及び(3)は、F、CFOF、又はCF(OF)を使用することが必要であり、これらはそれぞれ、毒性、爆発性、及び腐食性であり、これらの方法を用いて製造される生成物は比較的低い収率である。これらのガスの取り扱いは、ガスの製造、保存、及び使用の観点から高価であることに注意されたい。更に、F、CFOF、及び/又はCF(OF)を使用することを必要とする合成方法は、それらの反応性が強烈であり、このために失活していないと芳香環のフッ素化のような副反応を引き起こすので、ニトロフェニルイオウペンタフルオリドのような失活アリールイオウペンタフルオリドの製造に限定される。方法(5)及び(6)も、高価な反応物質、例えばSFCl又はSFBrが必要であり、出発シクロヘキセン誘導体が限定されるので適用範囲が狭い。最後に、方法(7)は、高価な反応物質SFClが必要であり、アリールイオウペンタフルオリドに到達するためには多くの反応工程を伴う(時間がかかり、低収率である)。したがって、アリールイオウペンタフルオリドの製造方法に付随する問題点により、この材料を安全でコスト的に有効で時宜を得た方法で製造することが困難であった。
フェニルイオウクロロテトラフルオリド、p−メチルフェニルイオウクロロテトラフルオリド、及びp−ニトロフェニルイオウクロロテトラフルオリドは、テトラエチルアンモニウムクロリドの存在下での、それぞれジフェニルジスルフィド、ビス(p−メチルフェニル)ジスルフィド、及びビス(p−ニトロフェニル)ジスルフィドと、XeFとの反応において検出された(Can. J. Chem. vol.75, pp.1878-1884を参照)。クロロテトラフルオリド化合物の化学構造は反応混合物のNMRデータの分析によって帰属されているが、これらの化合物は単離されていなかった。したがって、クロロテトラフルオリドの物理特性は知られていなかった。XeFを用いるこの合成方法は、XeFが大規模製造のためには過度に高価であるために産業的には実用的ではなかった。
米国特許5,741,935 米国特許公開2004/0249209−A1 PCT−WO2004/011422−A1
Fluorine-containing Synthons (ACS Symposium Series 911), V.A. Soloshonok編, American Chemical Society (2005), pp. 108-113 J. Am. Chem. Soc., vol.82 (1962), pp.3064-3072 J. Fluorine Chem. vol. 112 (2001), pp.287-295 Tetrahedron, vol.56 (2000), pp.3399-3408 Eur. J. Org. Chem., vol. 2005, pp.3095-3100 J. Fluorine Chem. vol. 101 (2000), pp.279-283 J. Fluorine Chem. vol.125 (2004), pp.549-552 Organic Letters, vol.6 (2004), pp.2417-2419 J. Org. Chem., vol.29 (1964), pp.3567-3570 Can. J. Chem. vol.75, pp.1878-1884
本発明は、上記で議論した1以上の問題点を解決することに関する。
本発明は、式(I):
Figure 0005447957
によって表されるアリールイオウペンタフルオリドの新規な製造方法を提供する。
本発明の幾つかの態様は、式(IIa)又は(IIb):
Figure 0005447957
を有する少なくとも1種類のアリールイオウ化合物を、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類、並びにフルオロ塩(M、式III)と反応させて式(IV):
Figure 0005447957
を有するアリールイオウハロテトラフルオリドを形成することを含む。
アリールイオウハロテトラフルオリド(式IV)は、フッ化物源と反応させてアリールイオウペンタフルオリド(式I)を形成する。
また、本発明の幾つかの態様は、式(IIa)又は(IIb)を有する少なくとも1種類のアリールイオウ化合物を、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類、並びにフルオロ塩(M、式III)と反応させて式(IV):
Figure 0005447957
を有するアリールイオウハロテトラフルオリドを形成することによる、アリールイオウペンタフルオリド(式I)の製造方法も提供する。
アリールイオウハロテトラフルオリド(式IV)は、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類の存在下でフッ化物源と反応させて、アリールイオウペンタフルオリド(式I)を形成する。
また、本発明の幾つかの態様は、式(V):
Figure 0005447957
を有するアリールイオウトリフルオリドを、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類、並びにフルオロ塩(式III)と反応させて式(IV):
Figure 0005447957
のアリールイオウハロテトラフルオリドを形成することによる、アリールイオウペンタフルオリド(式I)の製造方法も提供する。
アリールイオウハロテトラフルオリド(式IV)は、フッ化物源と反応させてアリールイオウペンタフルオリド(式I)を形成する。
また、本発明の幾つかの態様は、式(V):
Figure 0005447957
を有するアリールイオウトリフルオリドを、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類、並びにフルオロ塩(式III)と反応させて式(IV)を有するアリールイオウハロテトラフルオリドを形成することによる、アリールイオウペンタフルオリド(式I)の製造方法も提供する。
アリールイオウハロテトラフルオリド(式IV)は、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類の存在下で、フッ化物源と反応させてアリールイオウペンタフルオリド(式I)を形成する。
本発明の幾つかの態様は、更に、式(IIa)又は(IIb)を有する少なくとも1種類のアリールイオウ化合物を、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類、並びに式(III)を有するフルオロ塩と反応させて式(IV)を有するアリールイオウハロテトラフルオリドを形成することによる、アリールイオウハロテトラフルオリド(式IV)の製造方法を提供する。
本発明の幾つかの態様は、式(IV)を有するアリールイオウハロテトラフルオリドをフッ化物源と反応させることによるアリールイオウペンタフルオリド(式I)の製造方法を提供する。幾つかの態様においては、フッ化物源は1気圧において約0℃以上の沸点を有する。
最後に、本発明の幾つかの態様は、式(IV)を有するアリールイオウハロテトラフルオリドを、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類の存在下でフッ化物源と反応させてアリールイオウペンタフルオリドを形成することによる、アリールイオウペンタフルオリド(式I)の製造方法を提供する。
更に、本発明は、新規な、式(IV’)によって表されるアリールイオウクロロテトラフルオリド及び式(I’)によって表されるフッ素化アリールイオウペンタフルオリドを提供する。
Figure 0005447957
Figure 0005447957
本発明の幾つかの態様を特徴づけるこれらの及び種々の他の特徴並びに有利性は、以下の詳細な説明を読解し、特許請求の範囲を検討することによって明らかとなろう。
本発明の幾つかの態様は、式(I)によって表されるアリールイオウペンタフルオリドを製造するための産業的に有用な方法を提供する。製造されるアリールイオウペンタフルオリドは、とりわけ、種々の目標有機化合物中に1つ以上のイオウペンタフルオリド(SF)基を導入するために用いることができる。当該技術における従来法とは異なり、本発明方法は低コストの試薬を用いてアリールイオウペンタフルオリド化合物の適度乃至優れた収率を得る。更に、本発明方法は、殆どの従来技術の方法(例えばFガスを用いる方法)と比較してより大きい全体的な安全性を提供する。
本発明の特徴は、本方法が他の従来の方法と比較して低いコストで達成されることである。例えば、Xeをベースとする反応を行うための試薬はコストが非常に高く、これに対して本発明は低コストの材料:C1、Br、及びIのようなハロゲン類:を用いる。
本発明の幾つかの態様は、式(IIa)又は式(IIb)を有する少なくとも1種類のアリールイオウ化合物を、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類、並びに式(III)を有するフルオロ塩と反応させて、式(IV)によって表されるアリールイオウハロテトラフルオリドを形成することを含む(例えば、反応式1、プロセスI及びIIを参照)。次に、アリールイオウハロテトラフルオリドをフッ化物源と反応させて、式(I)を有するアリールイオウペンタフルオリドを形成する。
Figure 0005447957
式(I)、(IIa)、(IIb)、(III)、及び(IV)に関し、置換基R、R、R、R、及びRは、それぞれ、独立して、水素原子;ハロゲン原子、即ちフッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子;1〜18個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルキル基;6〜30個の炭素原子、好ましくは6〜15個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基;ニトロ基;シアノ基;1〜18個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルカンスルホニル基;6〜30個の炭素原子、好ましくは6〜15個の炭素原子を有する置換又は非置換のアレーンスルホニル基;1〜18個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルコキシ基;6〜30個の炭素原子、好ましくは6〜15個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリールオキシ基;1〜18個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する置換又は非置換のアシルオキシ基;1〜18個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルカンスルホニルオキシ基;6〜30個の炭素原子、好ましくは6〜15個の炭素原子を有する置換又は非置換のアレーンスルホニルオキシ基;2〜18個の炭素原子、好ましくは2〜10個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルコキシカルボニル基;7〜30個の炭素原子、好ましくは7〜15個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリールオキシカルボニル基;2〜18個の炭素原子、好ましくは2〜10個の炭素原子の炭素原子を有する置換カルバモイル基;1〜18個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する置換アミノ基、及びSF基であり;Rは、水素原子、シリル基、金属原子、アンモニウム部分、ホスホニウム部分、又はハロゲン原子である。
Mに関しては、Mは、金属原子、アンモニウム部分、又はホスホニウム部分であり;Xに関しては、Xは、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子である。
ここで用いる「アルキル」という用語は、線状、分岐、又は環式アルキルである。ここで用いるアルカンスルホニル、アルコキシ、アルカンスルホニルオキシ、又はアルコキシカルボニル基のアルキル部分も、線状、分岐、又は環式アルキル部分である。ここで用いる「置換アルキル」という用語は、ハロゲン原子、置換又は非置換アリール基、並びに、1つ又は複数の酸素原子、1つ又は複数の窒素原子、及び/又は1つ又は複数のイオウ原子のような本発明の反応を制限しない1つ又は複数のヘテロ原子を有するか又は有しない任意の他の基のような1以上の置換基を有するアルキル部分を意味する。
ここで用いる「置換アリール」という用語は、ハロゲン原子、置換又は非置換アルキル基、並びに、1つ又は複数の酸素原子、1つ又は複数の窒素原子、及び/又は1つ又は複数のイオウ原子のような本発明の反応を制限しない1つ又は複数のヘテロ原子を有するか又は有しない任意の他の基のような1以上の置換基を有するアリール部分を意味する。
ここで用いる「置換アルカンスルホニル」という用語は、ハロゲン原子、置換又は非置換アリール基、並びに、1つ又は複数の酸素原子、1つ又は複数の窒素原子、及び/又は1つ又は複数のイオウ原子のような本発明の反応を制限しない1つ又は複数のヘテロ原子を有するか又は有しない任意の他の基のような1以上の置換基を有するアルカンスルホニル部分を意味する。
ここで用いる「置換アレーンスルホニル」という用語は、ハロゲン原子、置換又は非置換アルキル基、並びに、1つ又は複数の酸素原子、1つ又は複数の窒素原子、及び/又は1つ又は複数のイオウ原子のような本発明の反応を制限しない1つ又は複数のヘテロ原子を有するか又は有しない任意の他の基のような1以上の置換基を有するアレーンスルホニル部分を意味する。
ここで用いる「置換アルコキシ」という用語は、ハロゲン原子、置換又は非置換アリール基、並びに、1つ又は複数の酸素原子、1つ又は複数の窒素原子、及び/又は1つ又は複数のイオウ原子のような本発明の反応を制限しない1つ又は複数のヘテロ原子を有するか又は有しない任意の他の基のような1以上の置換基を有するアルコキシ部分を意味する。
ここで用いる「置換アリールオキシ」という用語は、ハロゲン原子、置換又は非置換アルキル基、並びに、1つ又は複数の酸素原子、1つ又は複数の窒素原子、及び/又は1つ又は複数のイオウ原子のような本発明の反応を制限しない1つ又は複数のヘテロ原子を有するか又は有しない任意の他の基のような1以上の置換基を有するアリールオキシ部分を意味する。
ここで用いる「置換アシルオキシ」という用語は、ハロゲン原子、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アリール基、並びに、1つ又は複数の酸素原子、1つ又は複数の窒素原子、及び/又は1つ又は複数のイオウ原子のような本発明の反応を制限しない1つ又は複数のヘテロ原子を有するか又は有しない任意の他の基のような1以上の置換基を有するアシルオキシ部分を意味する。
ここで用いる「置換アルカンスルホニルオキシ」という用語は、ハロゲン原子、置換又は非置換アリール基、並びに、1つ又は複数の酸素原子、1つ又は複数の窒素原子、及び/又は1つ又は複数のイオウ原子のような本発明の反応を制限しない1つ又は複数のヘテロ原子を有するか又は有しない任意の他の基のような1以上の置換基を有するアルカンスルホニルオキシ部分を意味する。
ここで用いる「置換アレーンスルホニルオキシ」という用語は、ハロゲン原子、置換又は非置換アルキル基、並びに、1つ又は複数の酸素原子、1つ又は複数の窒素原子、及び/又は1つ又は複数のイオウ原子のような本発明の反応を制限しない1つ又は複数のヘテロ原子を有するか又は有しない任意の他の基のような1以上の置換基を有するアレーンスルホニルオキシ部分を意味する。
ここで用いる「置換アルコキシカルボニル」という用語は、ハロゲン原子、置換又は非置換アリール基、並びに、1つ又は複数の酸素原子、1つ又は複数の窒素原子、及び/又は1つ又は複数のイオウ原子のような本発明の反応を制限しない1つ又は複数のヘテロ原子を有するか又は有しない任意の他の基のような1以上の置換基を有するアルコキシカルボニル部分を意味する。
ここで用いる「置換アリールオキシカルボニル」という用語は、ハロゲン原子、置換又は非置換アルキル基、並びに、1つ又は複数の酸素原子、1つ又は複数の窒素原子、及び/又は1つ又は複数のイオウ原子のような本発明の反応を制限しない1つ又は複数のヘテロ原子を有するか又は有しない任意の他の基のような1以上の置換基を有するアリールオキシカルボニル部分を意味する。
ここで用いる「置換カルバモイル」という用語は、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アリール基、並びに、1つ又は複数の酸素原子、1つ又は複数の窒素原子、及び/又は1つ又は複数のイオウ原子のような本発明の反応を制限しない1つ又は複数のヘテロ原子を有するか又は有しない任意の他の基のような1以上の置換基を有するカルバモイル部分を意味する。
ここで用いる「置換アミノ」という用語は、置換又は非置換アシル基、置換又は非置換アルカンスルホニル基、置換又は非置換アレーンスルホニル基、並びに、1つ又は複数の酸素原子、1つ又は複数の窒素原子、及び/又は1つ又は複数のイオウ原子のような本発明の反応を制限しない1つ又は複数のヘテロ原子を有するか又は有しない任意の他の基のような1以上の置換基を有するアミノ部分を意味する。
上記記載の置換基R、R、R、R、及びRの中で、出発材料の入手容易性の観点から、水素原子、ハロゲン原子、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アリール基、ニトロ基、シアノ基、置換又は非置換アルカンスルホニル基、置換又は非置換アレーンスルホニル基、置換又は非置換アルコキシ基、置換又は非置換アリールオキシ基、置換又は非置換アシルオキシ基、及び置換又は非置換アルコキシカルボニル基が好ましく;水素原子、ハロゲン原子、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アリール基、及びニトロ基がより好ましい。
Chemical Abstract Index Nameの命名法にしたがい、且つ本開示にしたがうと、例えばC−SFはイオウ,ペンタフルオロフェニル−と命名され;p−Cl−C−SFはイオウ,(4−クロロフェニル)ペンタフルオロ−と命名され;p−CH−C−SFはイオウ,ペンタフルオロ(4−メチルフェニル)−と命名され;C−SFClはイオウ,クロロテトラフルオロフェニル−と命名され;p−CH−C−SFClはイオウ,クロロテトラフルオロ(4−メチルフェニル)−と命名され;p−NO−C−SFClはイオウ,クロロテトラフルオロ(4−ニトロフェニル)−と命名されることに注意されたい。
式(IV)のアリールイオウハロテトラフルオリド化合物は、下記に示すトランス異性体及びシス異性体のような異性体を含む。アリールイオウハロテトラフルオリドはArSFXによって表される。
Figure 0005447957
反応式1、3〜10、及び実施例1〜34を検討する際の参考のために、表1に構造名及び式を与える。
Figure 0005447957
プロセスI(反応式1):
プロセスIは、式(IIa)又は(IIb)を有する少なくとも1種類のアリールイオウ化合物を、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類、並びにフルオロ塩(M、式III)と反応させて式(IV)を有するアリールイオウハロテトラフルオリドを形成することを含む。
式(IV)によって表される生成物の置換基R、R、R、R、及びRは、式(IIa)及び/又は(IIb)によって表される出発物質の置換基R、R、R、R、及びRと異なっていてもよい。したがって、本発明の幾つかの態様は、R、R、R、R、及びRを異なるR、R、R、R、及びRに変換することを含み、これは、本発明の反応中か又は−S−S−又は−S−部分を1つ又は複数の−SFCl基に変換する限りにおいては反応条件下で行うことができる。
本発明の式(IIa)によって表される代表的なアリールイオウ化合物としては、ジフェニルジスルフィド、ビス(フルオロフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(ジフルオロフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(トリフルオロフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(テトラフルオロフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(ペンタフルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(クロロフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(ジクロロフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(トリクロロフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(ブロモフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(ジブロモフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(ヨードフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(クロロフルオロフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(ブロモフルオロフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(ブロモクロロフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(フルオロヨードフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(トリル)ジスルフィドの各異性体、ビス[(メトキシメチル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス{[(シクロヘキシルオキシ)メチル]フェニル}ジスルフィドの各異性体、ビス[(フェニルメチル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(シアノメチル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(ニトロメチル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス{[(メタンスルホニル)メチル]フェニル}ジスルフィドの各異性体、ビス{[(ベンゼンスルホニル)メチル]フェニル}ジスルフィドの各異性体、ビス(エチルフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス[(メトキシエチル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(ニトロエチル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(フェニルエチル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[クロロ(メチル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[ブロモ(メチル)フェニル]ジスルフィド、ビス[(トリフルオロメチル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス(ジメチルフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス[クロロ(ジメチル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[ジ(トリフルオロメチル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス(トリメチルフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス[クロロ(トリメチル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス(テトラメチルフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス[クロロ(テトラメチル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス(ペンタメチルフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(エチルフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス[(2,2,2−トリフルオロエチル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(ペルフルオロエチル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス(ジエチルフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(エチルメチルフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(プロピルフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(イソプロピル)ジスルフィドの各異性体、ビス(ブチルフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(sec−ブチルフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(イソブチルフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(tert−ブチルフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(シクロプロピルフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(シクロペンチルフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(シクロヘキシルフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス{[(シクロヘキシル)シクロヘキシル]フェニル}ジスルフィドの各異性体、ビス(ビフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(トリルフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス[(クロロフェニル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(ブロモフェニル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(ニトロフェニル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス(テルフェニリル)ジスルフィドの各異性体、ビス[(フェニル)テルフェニリル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(メタンスルホニル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(トルフルオロメタンスルホニル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(ベンゼンスルホニル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(トルエンスルホニル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス(メトキシフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(エトキシフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(プロポキシフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(ブトキシフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(シクロプロピルフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(シクロヘキシルオキシフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス[(トリフルオロメトキシ)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(ペルフルオロエトキシル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(トリフルオロエトキシ)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(テトラフルオロエトキシ)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(ペルフルオロプロポキシ)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス(フェニルオキシフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(フルオロフェニルオキシフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(クロロフェニルオキシフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(ブロモフェニルオキシフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(ニトロフェニルオキシフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス[(ジニトロフェニルオキシ)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(ペンタフルオロフェニルオキシ)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス(トリフルオロメチルフェニルオキシフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(シアノフェニルオキシフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス(ナフチルオキシフェニル)ジスルフィドの各異性体、ビス[(ヘプタフルオロナフチルオキシ)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[アセトキシフェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(ベンゾイルオキシ)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(メタンスルホニルオキシ)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(ベンゼンスルホニルオキシ)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(トルエンスルホニルオキシ)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(メトキシカルボニル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(エトキシカルボニル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(フェノキシカルボニル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(N,N−ジメチルカルバモイル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(N,N−ジエチルカルバモイル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(N,N−ジフェニルカルバモイル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(N,N−ジベンジルカルバモイル)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(N−アセチル−N−メチルアミノ)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(N−アセチル−N−フェニルアミノ)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(N−アセチル−N−ベンジルアミノ)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(N−ベンゾイル−N−メチルアミノ)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(N−メタンスルホニル−N−メチルアミノ)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(N−トルエンスルホニル−N−メチルアミノ)フェニル]ジスルフィドの各異性体、ビス[(N−トルエンスルホニル−N−ベンジルアミノ)フェニル]ジスルフィドの各異性体、及びビス[(ペンタフルオロスルファニル)フェニル]ジスルフィドの各異性体が挙げられるが、これらに限定されない。上記式(IIa)の化合物のそれぞれは、入手できる(例えば、Sigma, Acros、TCI, Lancaster、Alfa Aesar等を参照)か、或いは合成化学の理解されている原理にしたがって製造することができる。
本発明の式(IIb)によって表される代表的なアリールイオウ化合物の例としては、ベンゼンチオール、フルオロベンゼンチオールの各異性体(o−、m−、及びp−フルオロベンゼンチオール)、クロロベンゼンチオールの各異性体、ブロモベンゼンチオールの各異性体、ヨードベンゼンチオールの各異性体、ジフルオロベンゼンチオールの各異性体、トリフルオロベンゼンチオールの各異性体、テトラフルオロベンゼンチオールの各異性体、ペンタフルオロベンゼンチオール、ジクロロベンゼンチオールの各異性体、クロロフルオロベンゼンチオールの各異性体、メチルベンゼンチオールの各異性体、(トリフルオロメチル)ベンゼンチオールの各異性体、ジメチルベンゼンチオールの各異性体、ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンチオールの各異性体、メチル(トリフルオロメチル)ベンゼンチオールの各異性体、トリメチルベンゼンチオールの各異性体、テトラメチルベンゼンチオールの各異性体、ペンタメチルベンゼンチオール、エチルベンゼンチオールの各異性体、(2,2,2−トリフルオロエチル)ベンゼンチオールの各異性体、(ペルフルオロエチル)ベンゼンチオールの各異性体、ジエチルベンゼンチオールの各異性体、エチルメチルベンゼンチオールの各異性体、プロピルベンゼンチオールの各異性体、イソプロピルベンゼンチオールの各異性体、ブチルベンゼンチオールの各異性体、sec−ブチルベンゼンチオールの各異性体、イソブチルベンゼンチオールの各異性体、tert−ブチルベンゼンチオールの各異性体、ジニトロベンゼンチオールの各異性体、ジニトロベンゼンチオールの各異性体、シアノベンゼンチオールの各異性体、フェニルベンゼンチオールの各異性体、トリルベンゼンチオールの各異性体、(クロロフェニル)ベンゼンチオールの各異性体、(ブロモフェニル)ベンゼンチオールの各異性体、(ニトロフェニル)ベンゼンチオールの各異性体、(メタンスルホニル)ベンゼンチオールの各異性体、(トリフルオロメタンスルホニル)ベンゼンチオールの各異性体、(ベンゼンスルホニル)ベンゼンチオールの各異性体、(トルエンスルホニル)ベンゼンチオールの各異性体、(メトキシカルボニル)ベンゼンチオールの各異性体、(エトキシカルボニル)ベンゼンチオールの各異性体、(フェノキシカルボニル)ベンゼンチオールの各異性体、(N,N−ジメチルカルバモイル)ベンゼンチオールの各異性体、(N,N−ジエチルカルバモイル)ベンゼンチオールの各異性体、(N,N−ジベンジルカルバモイル)ベンゼンチオールの各異性体、(N,N−ジフェニルカルバモイル)ベンゼンチオールの各異性体、(N−アセチル−N−メチルアミノ)ベンゼンチオールの各異性体、(N−アセチル−N−フェニルアミノ)ベンゼンチオールの各異性体、(N−アセチル−N−ベンジルアミノ)ベンゼンチオールの各異性体、(N−ベンゾイル−N−メチルアミノ)ベンゼンチオールの各異性体、(N−メタンスルホニル−N−メチルアミノ)ベンゼンチオールの各異性体、(N−トルエンスルホニル−N−メチルアミノ)ベンゼンチオールの各異性体、(N−トルエンスルホニル−N−ベンジルアミノ)ベンゼンチオールの各異性体、(ペンタフルオロスルファニル)ベンゼンチオールの各異性体;ここで例示されているベンゼンチオール化合物のリチウム、ナトリウム、及びカリウム塩;ここで例示されているベンゼンチオール化合物のアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、及びテトラブチルアンモニウム塩;ここで例示されているベンゼンチオール化合物のテトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラプロピルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、及びテトラフェニルホスホニウム塩;ここで例示されているベンゼンチオール化合物のS−トリメチルシリル、S−トリエチルシリル、S−トリプロピルシリル、S−ジメチル−t−ブチルシリル、及びS−ジメチルフェニルシリル誘導体;が挙げられるが、これらに限定されない。Rがハロゲン原子である式(IIb)のアリールイオウ化合物の例は、ベンゼンスルフェニルクロリド、ニトロベンゼンスルフェニルクロリドの各異性体、ジニトロベンゼンスルフェニルクロリドの各異性体、及び他の同様の化合物である。上記の式(IIb)の化合物のそれぞれは、入手できる(例えば、Sigma, Acros、TCI, Lancaster、Alfa Aesar等を参照)か、或いは合成化学の理解されている原理にしたがって製造することができる。
本発明において用いることのできる代表的なハロゲン類としては、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、並びにClF、BrF、ClBr、ClI、ClI、及びBrIのようなハロゲン間化合物が挙げられる。これらの中では、塩素(Cl)が低いコストのために好ましい。
式(III)を有するフルオロ塩は、容易に入手できるものであり、金属フッ化物、アンモニウムフッ化物、及びホスホニウムフッ化物によって例示される。好適な金属フッ化物の例は、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム(噴霧乾燥フッ化カリウムを含む)、フッ化ルビジウム、及びフッ化セシウムのようなアルカリ金属フッ化物である。好適なアンモニウムフッ化物の例は、テトラメチルアンモニウムフルオリド、テトラエチルアンモニウムフルオリド、テトラプロピルアンモニウムフルオリド、テトラブチルアンモニウムフルオリド、ベンジルトリメチルアンモニウムフルオリド、ベンジルトリエチルアンモニウムフルオリドなどである。好適なホスホニウムフッ化物の例は、テトラメチルホスホニウムフルオリド、テトラエチルホスホニウムフルオリド、テトラプロピルホスホニウムフルオリド、テトラブチルホスホニウムフルオリド、テトラフェニルホスホニウムフルオリド、テトラトリルホスホニウムフルオリドなどである。入手し易さ及び高収率を与える能力の観点からフッ化カリウム及びフッ化セシウムのようなアルカリ金属フッ化物が好ましく、コストの観点からフッ化カリウムが最も好ましい。
フルオロ塩(式III)として、金属フッ化物とアンモニウムフッ化物又はホスホニウムフッ化物との混合物、アンモニウムフッ化物とホスホニウムフッ化物との混合物、並びに金属フッ化物、アンモニウムフッ化物、及びホスホニウムフッ化物の混合物を用いることができる。
また、フルオロ塩(式III)として、金属フッ化物とF以外のアニオン部分を有するアンモニウム塩との混合物;F以外のアニオン部分を有する金属塩とアンモニウムフッ化物との混合物;金属フッ化物とF以外のアニオン部分を有するホスホニウム塩との混合物;F以外のアニオン部分を有する金属塩とホスホニウムフッ化物との混合物;アンモニウムフッ化物とF以外のアニオン部分を有するホスホニウム塩との混合物;並びにF以外のアニオン部分を有するアンモニウム塩とホスホニウムフッ化物との混合物;を用いることもできる。更に、金属フッ化物、アンモニウムフッ化物、及びF以外のアニオン部分を有するホスホニウム塩の混合物;金属フッ化物、F以外のアニオン部分を有するアンモニウム塩、及びホスホニウムフッ化物の混合物;F以外のアニオン部分を有する金属塩、アンモニウムフッ化物、及びホスホニウムフッ化物の混合物;金属フッ化物、F以外のアニオン部分を有するアンモニウム塩、及びF以外のアニオン部分を有するホスホニウム塩の混合物;などを用いることができる。これらの塩は、これらの塩の間でアニオン部分の相互交換反応を起こす可能性がある(例えば反応式2を参照)。
Figure 0005447957
これらの塩の組みあわせによってプロセスIにおける反応を促進させることができる。これは、この反応は用いる溶媒に対するフルオロ塩の溶解性に依存するからである。このように、フッ化物アニオン(F)の高い濃度によって反応中の利用できるフッ化物アニオンが増加する。したがって、Fの有効濃度を増加させるためにこれらの塩の好適な組みあわせを選択することができる。F以外のアニオン部分を有する金属、アンモニウム、及びホスホニウム塩の量(金属フッ化物、アンモニウムフッ化物、及び/又はホスホニウムフッ化物の量に対して用いる量)は、触媒量から、反応を阻害しないか又は生成物の収率を減少させない任意の量までで選択することができる。F以外のアニオン部分は、反応を制限しないか又は生成物の収率を減少させない任意のアニオンから選択することができる。F以外のアニオン部分の例は、Cl、Br、I、BF 、PF 、SO OCOCHOCOCFOSOCHOSOCFOSOOSOOSOCHOSOBrなどであるが、これらに限定されない。これらの中で、酸素アニオンを有しないアニオン部分(F以外)が好ましく、高収率反応の理由でCl、BF 、及びPF がより好ましい。更に、コストの理由でClが最も好ましい。
反応の効率性及び収率の観点から、プロセスIは、好ましくは1種類以上の溶媒の存在下で行う。溶媒は、好ましくは不活性で極性で非プロトン性の溶媒である。好ましい溶媒は、出発物質及び試薬、中間体、並びに最終生成物と実質的に反応しないものである。好適な溶媒としては、ニトリル、エーテル、ニトロ化合物など、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。代表的なニトリルは、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどである。代表的なエーテルは、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジオキサン、グリム、ジグリム、トリグリムなどである。代表的なニトロ化合物は、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼンなどである。生成物のより高い収率を与える観点から、アセトニトリルがプロセスIにおいて用いるのに好ましい溶媒である。
プロセスIにおいて生成物の良好な収率を得るために、反応温度は約−60℃〜+70℃の範囲で選択することができる。より好ましくは、反応温度は約−40℃〜+50℃の範囲で選択することができる。更に好ましくは、反応温度は約−20℃〜+40℃の範囲で選択することができる。
プロセスIの反応条件は、生成物の経済的に良好な収率を得るように最適化する。1つの代表的な態様においては、約5モル〜約20モルのハロゲンを約1モルのアリールイオウ化合物(式IIa)と組みあわせて、アリールイオウハロテトラフルオリド(式IV)の良好な収率を得る。他の態様においては、約3〜約12モルのハロゲンを1モルの式IIb(R=水素原子、シリル基、金属原子、アンモニウム部分、又はホスホニウム部分)のアリールイオウ化合物と組みあわせて、アリールイオウハロテトラフルオリド(式IV)の良好な収率を得る。約2〜約8モルのハロゲンを1モルの式IIb(R=ハロゲン原子)のアリールイオウ化合物と組みあわせて、アリールイオウハロテトラフルオリド(式IV)の良好な収率を得る。プロセスIの幾つかの態様においては、用いるフルオロ塩(式III)の量は、生成物の経済的に良好な収率を得るためには、1モルの式(IIa)のアリールイオウ化合物に対して約8〜約24モルの範囲であってよい。プロセスIの幾つかの態様においては、用いるフルオロ塩(式III)の量は、生成物の経済的に良好な収率を得るためには、1モルの式(IIb)のアリールイオウ化合物に対して約4〜約12モルの範囲であってよい。
プロセスIに関する反応時間は、反応温度、並びに基材、試薬、及び溶媒のタイプ及び量によって変動することを注意されたい。このように、反応時間は、一般に特定の反応を完了させるのに必要な時間量として決定されるが、約0.5時間乃至数日、好ましくは2〜3日以内であってよい。
Figure 0005447957
プロセスIのより完全な反応機構を上記の反応式3において示す。式(IIa)のアリールイオウ化合物をハロゲンと反応させてアリールイオウハロゲン化物(IIb’:R=ハロゲン原子である場合はIIbと同じ)を形成し、これを次にハロゲン及びフルオロ塩(M)と反応させてアリールイオウトリフルオリド(式V)を形成する。アリールイオウトリフルオリドを更にハロゲン及びフルオロ塩と反応させて、アリールイオウハロテトラフルオリド(式(IV))を与える。このように、式(V)によって表される化合物は、式(IV)の化合物の形成において中間体として機能する。また、式(IIb’)によって表される化合物も中間体として機能する。式(IIb:R=ハロゲン原子の場合)によって表される出発アリールイオウ化合物は、ハロゲン及びフルオロ塩と反応させてアリールイオウトリフルオリドを形成する。式(IIb:R=水素原子、金属原子、アンモニウム部分、又はホスホニウム部分の場合)のアリールイオウ化合物は、ハロゲンと反応させて式(IIa)又は式(IIb’)によって表されるアリールイオウ化合物を形成し、これを次にハロゲン及びフルオロ塩と反応させてアリールイオウトリフルオリド(式V)を与える。このように、式(IIa)又は(IIb’)によって表される化合物は、式(IIb:Rはハロゲン原子以外である)のアリールイオウ化合物からの式(IV)の化合物の形成において中間体として機能する。アリールイオウトリフルオリド(式V)を経由してアリールイオウハロテトラフルオリド(式IV)を製造するための反応機構は、中間体反応混合物の19F−NMRによって確認された。更に、アリールイオウトリフルオリドは、少なくとも実施例14によって示されるものと同等の反応条件下でアリールイオウハロテトラフルオリド(式IV)に転化させることができる。
プロセスII(反応式1):
本発明の幾つかの態様は、プロセスII:反応式1において示される、プロセスIによって得られるアリールイオウハロテトラフルオリドとフッ化物源との反応:を含む。
式(I)によって表される生成物の置換基R、R、R、R、及びRは、式(IV)によって表される物質の置換基R、R、R、R、及びRと異なっていてもよい。したがって、本発明の幾つかの態様は、R、R、R、R、及びRを異なるR、R、R、R、及びRに変換することを含み、これは、本発明の反応中か又は−SFXを−SF基に変換する限りにおいては反応条件下で行うことができる。
プロセスIIにおいて用いることのできるフッ化物源は、アリールイオウハロテトラフルオリド(式IV)に対するフッ化物活性を示す無水化合物である。フッ化物源は、周期律表の典型元素のフッ化物、周期律表の遷移元素のフッ化物、並びに典型元素及び/又は遷移元素のこれらのフッ化物の混合物又は化合物から選択することができる。フッ化物源は、本発明の反応を制限しない1種類又は複数の有機分子との混合物、塩、又はコンプレックスであってよい。また、フッ化物源としては、フッ化物源と、SbCl、AlCl、PCl、BClなどのようなフッ化物源活性化化合物との混合物又は化合物も挙げられる。プロセスIIは、1種類以上のフッ化物源を用いて行うことができる。
典型元素のフッ化物の好適な例としては、周期律表の1族元素のフッ化物、例えばフッ化水素(HF)、及びアルカリ金属フッ化物:LiF、NaF、KF、RbF、及びCsF;2族元素のフッ化物(アルカリ土類金属フッ化物)、例えばBeF、MgF、MgFCl、CaF、SrF、BaFなど;13族元素のフッ化物、例えばBF、BFCl、BFCl、AlF、AlFCl、AlFCl、GaF、InFなど;14族元素のフッ化物、例えばSiF、SiFCl、SiFCl、SiFCl、GeF、GeFCl、SnF、PbF、PbFなど;15族元素のフッ化物、例えばPF、AsF、SbF、SbF、SbFCl、SbFCl、SbFCl、SbFCl、BiFなど;16族元素のフッ化物、例えばOF、SeF、SeF、TeF、TeFなど;17族元素のフッ化物、例えばF、ClF、ClF、BrF、BrF、IFなどが挙げられる。
遷移元素のフッ化物(遷移金属フッ化物)の好適な例としては、周期律表の3族元素のフッ化物、例えばScF、YF、LaFなど;4族元素のフッ化物、例えばTiF、ZrF、ZrF、HfFなど;5族元素のフッ化物、例えばVF、VF、NbF、TaFなど;6族元素のフッ化物、例えばCrF、MoF、WFなど;7族元素のフッ化物、例えばMnF、MnF、ReFなど;8族元素のフッ化物、例えばFeF、RuF、RuF、OsF、OsF、OsFなど;9族元素のフッ化物、例えばCoF、CoF、RhF、IrFなど;10族元素のフッ化物、例えばNiF、PdF、PtF、PtF、PtFなど;11族元素のフッ化物、例えばCuF、CuFCl、AgF、AgFなど;12族元素のフッ化物、例えばZnF、ZnFCl、CdF、HgFなど;が挙げられる。
典型元素及び/又は遷移元素のフッ化物の混合物又は化合物の好適な例としては、HBF[フッ化水素(HF)とBFとの化合物]、HPF、HAsF、HSbF、LiF/HF[フッ化リチウム(LiF)とフッ化水素(HF)との混合物又は塩]、NaF/HF、KF/HF、CsF/HF、(CHNF/HF、(CNF/HF、(CNF/HF、ZnF/HF、CuF/HF、SbF/SbF、SbF/SbF/HF、ZnF/SbF、ZnF/SbF/HF、KF/SbF、KF/SbF/HFなどが挙げられるが、これらに限定されない。
フッ化物と有機分子との混合物、塩、又はコンプレックスの好適な例としては、BFジエチルエーテラート[BF・O(C]、BFジメチルエーテラート、BFジブチルエーテラート、BFテトラヒドロフランコンプレックス、BFアセトニトリルコンプレックス(BF−NCCH)、HBFジエチルエーテラート、HF/ピリジン(フッ化水素とピリジンとの混合物)、HF/メチルピリジン、HF/ジメチルピリジン、HF/トリメチルピリジン、HF/トリメチルアミン、HF/トリエチルアミン、HF/ジメチルエーテル、HF/ジエチルエーテルなどが挙げられるが、これらに限定されない。HF/ピリジンとしては、入手容易性の理由で、約70重量%のフッ化水素と約30重量%のピリジンとの混合物が好ましい。
上記で言及したフッ化物源のこれらの例の中で、遷移金属フッ化物、13〜15族元素のフッ化物、フッ化水素、及びこれらの混合物又は化合物、並びにこれらのフッ化物と有機分子との混合物、塩、又はコンプレックスが好ましい。
遷移金属フッ化物の中で、11族元素(Cu、Ag、Au)及び12族元素(Zn、Cd、Hg)のフッ化物が好ましく例示される。実際の操作、収率、及びコストの観点から、ZnF及びCuFが更に好ましい。13〜15族元素のフッ化物の中で、BF、AlF、AlFCl、SbF、SbF、SbFCl、及びSbFClが好ましく例示される。ポリフッ素化アリールイオウペンタフルオリドの製造のためには、13〜15族元素のフッ化物を好ましく用いることができる。フッ化物との混合物、塩、又はコンプレックスのために用いることができる有機分子の中では、ピリジン;エーテル、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、及びジイソプロピルエーテル;アルキルアミン、例えばトリメチルアミン及びトリエチルアミン;並びにニトリル、例えばアセトニトリル及びプロピオニトリルが好ましい。これらの中で、入手容易性及びコストの理由で、ピリジン、ジエチルエーテル、トリエチルアミン、及びアセトニトリルがより好ましい。
幾つかの場合においては、窒素のような不活性ガスを流すことによってアリールイオウハロテトラフルオリドとフッ化物源との反応が遅くなる可能性がある(実施例18及び19を参照)ので、例えば反応混合物の上又はそれを通して不活性ガスを流すことによるか或いは他の方法によって、反応混合物上の蒸気及び/又は反応混合物から生成する可能性のあるガスを除去することは好ましくない。反応蒸気を除去すると反応が遅くなるとは考えないので、これは本発明者らによって見出された予期しなかった発見であった。したがって、反応器を一定の圧力に保持することによるか、又は窒素のような不活性ガスを充填したバルーンを反応器に取り付けることによるか、或いは任意の他の同様の方法で、反応を閉止又は密閉した反応器内で行うことが好ましい場合がある。このようにして、本発明の幾つかの態様では反応蒸気の存在が促進される。
プロセスIIは、溶媒を用いるか又は用いないで行うことができる。しかしながら、多くの場合においては殆どの有機反応とは異なり、本発明は通常は溶媒を必要としない。これは、本発明の幾つかの態様を実施する更なる有利性(より低いコスト、溶媒分離の必要がないなどの理由による)を示す。幾つかの場合においては、温和で効率的な反応のために溶媒を用いることが好ましい。溶媒を用いる場合には、アルカン、含ハロゲン炭素化合物、エーテル、ニトリル、ニトロ化合物を用いることができる。アルカンの例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、及び他の同様の化合物の直鎖、分岐、環式の異性体が挙げられる。代表的な含ハロゲン炭素化合物としては、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、ベンゾトリフルオリド、ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロシクロヘキサン、ペルフルオロヘプタン、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロノナン、ペルフルオロデカン、ペルフルオロデカリン、及び他の同様の化合物が挙げられる。代表的なエーテルとしては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジ(イソプロピル)エーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジオキサン、グリム(1,2−ジメトキシエタン)、ジグリム、トリグリム、及び他の同様の化合物が挙げられる。代表的なニトリルとしては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、及び他の同様の化合物が挙げられる。代表的なニトロ化合物としては、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン、及び他の同様の化合物が挙げられる。反応のために用いるフッ化物源が液体である場合には、これは反応物質及び溶媒の両方として用いることができる。この代表例は、フッ化水素、及びフッ化水素とピリジンの混合物である。フッ化水素、及びフッ化水素とピリジンの混合物は、溶媒として用いることができる。
プロセスIIに関する収率を最適にするためには、反応温度は約−100℃〜約+250℃の範囲内で選択する。より通常的には、反応温度は約−80℃〜約+230℃の範囲内で選択する。最も通常的には、反応温度は約−60℃〜約+200℃の範囲内で選択する。
生成物の経済的に良好な収率を得るためには、分子あたりn個の反応性フッ化物(反応のために用いることのできるもの)を与えるフッ化物源の量は、アリールイオウハロテトラフルオリド(式IV参照)1モルに対して約1/n〜約20/nモルの範囲で選択することができる。より通常的には、フッ化物源の量がより少ないと収率が減少し、更なる量のフッ化物源は収率を大きくは向上させないので、この量は、収率及びコストの観点から約1/n〜約10/nモルの範囲で選択することができる。
プロセスIにおいて記載したように、プロセスIIの反応時間も、反応温度、基材、試薬、溶媒、及びそれらの使用量によって変動する。したがって、プロセスIIの反応を完了させるために必要な時間量を決定するために反応条件を変化させることができるが、これは約0.1時間乃至数日、好ましくは2〜3日以内であってよい。
本発明の幾つかの態様は、式(IIa)又は式(IIb)を有する少なくとも1種類のアリールイオウ化合物を、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類、並びに式(III)を有するフルオロ塩と反応させて、式(IV)によって表されるアリールイオウハロテトラフルオリドを形成する(例えば、反応式4、プロセスI及びII’を参照)ことを含むプロセスを含む。アリールイオウハロテトラフルオリドは、次に、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類の存在下でフッ化物源と反応させて、式(I)によって表されるアリールイオウペンタフルオリドを形成する。
Figure 0005447957
プロセスIは上記に記載した通りである。
プロセスII’は、以下の変更点を除いて上記のプロセスIIと同じである:アリールイオウハロテトラフルオリドとフッ化物源との反応は、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類によって促進させることができる(実施例15〜17を参照)。
式(I)によって表される生成物の置換基R、R、R、R、及びRは、式(IV)によって表される物質の置換基R、R、R、R、及びRと異なっていてもよい。したがって、本発明の幾つかの態様は、R、R、R、R、及びRを異なるR、R、R、R、及びRに変換することを含み、これは、本発明の反応中か又は−SFXを−SF基に変換する限りにおいては反応条件下で行うことができる。
幾つかの場合においてハロゲンの存在によって反応が促進されることは、予期しなかったことであり、本発明者らによって見出された驚くべき発見であった。特定の機構に縛られることは望まないが、ハロゲンはフッ化物源を活性化させ、及び/又はこの反応中に起こる可能性のあるアリールイオウハロテトラフルオリド(式IV)の不均化を阻害すると考えられる。したがって、他のフッ化物源活性化及び/又は不均化阻害化合物は本発明の範囲内である。ハロゲンの存在下での反応は、反応混合物にハロゲンを加えること、反応混合物中にハロゲンを溶解すること、ハロゲンのガス又は蒸気を反応混合物又は反応器中に流入させること、或いは他の同様な手段による方法によって行うことができる。ハロゲンの中で、コストの理由で塩素(Cl)が好ましい。
ハロゲンの量は、触媒量乃至大過剰量である。コストの観点からは、1モルのアリールイオウハロテトラフルオリド(式IV)に対して触媒量乃至5モルのハロゲンを好ましく選択することができる。
本発明の幾つかの態様は、式(V)を有するアリールイオウトリフルオリドを、ハロゲン類(塩素、臭素、ヨウ素、又はハロゲン間化合物)及び式(III)を有するフルオロ塩と反応させて式(IV)を有するアリールイオウハロテトラフルオリドを形成することを含むプロセス(プロセスIII)、及び、得られるアリールイオウハロテトラフルオリドをフッ化物源と反応させて、式(I)を有するアリールイオウペンタフルオリドを形成すること(プロセスII)を含む。プロセスIII及びIIを示す反応式5を下記に示す。
Figure 0005447957
式(I)、(III)、(IV)、及び(V)に関し、R、R、R、R、R、R、M、及びXは、上記に定義したものと同じ意味を有する。
プロセスIII(反応式5):
本発明の幾つかの態様は、式(V)を有するアリールイオウトリフルオリドを、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類、並びにフルオロ塩(式III)と反応させて、式(IV)を有するアリールイオウハロテトラフルオリドを形成することによるアリールイオウペンタフルオリド(式I)の製造方法を提供する。
式(IV)によって表される生成物の置換基R、R、R、R、及びRは、式(V)によって表される出発物質の置換基R、R、R、R、及びRと異なっていてもよい。したがって、本発明の幾つかの態様は、R、R、R、R、及びRを異なるR、R、R、R、及びRに変換することを含み、これは、本発明の反応中か又は−SFを−SFClに変換する限りにおいては反応条件下で行うことができる。
本発明の式(V)によって表される代表的なアリールイオウトリフルオリドは、文献[J. Am. Chem. Soc., vol.82 (1962), pp.3064-3072、及びJ. Fluorine Chem. vol.33 (2003), pp.2505-2509を参照]に記載されているようにして製造することができ、フェニルイオウトリフルオリド、フルオロフェニルイオウトリフルオリドの各異性体、ジフルオロフェニルイオウトリフルオリドの各異性体、トリフルオロフェニルイオウトリフルオリドの各異性体、テトラフルオロフェニルイオウトリフルオリドの各異性体、ペンタフルオロフェニルイオウトリフルオリド、クロロフェニルイオウトリフルオリドの各異性体、ブロモフェニルイオウトリフルオリドの各異性体、クロロフルオロフェニルイオウトリフルオリドの各異性体、ブロモフルオロフェニルイオウトリフルオリドの各異性体、トリルイオウトリフルオリドの各異性体、クロロ(メチル)フェニルイオウトリフルオリドの各異性体、ジメチルフェニルイオウトリフルオリドの各異性体、クロロ(ジメチル)フェニルイオウトリフルオリドの各異性体、トリメチルフェニルイオウトリフルオリドの各異性体、エチルフェニルイオウトリフルオリドの各異性体、プロピルフェニルイオウトリフルオリドの各異性体、ブチルフェニルイオウトリフルオリドの各異性体、ニトロフェニルイオウトリフルオリドの各異性体、ジニトロフェニルイオウトリフルオリドの各異性体などによって例示されるが、これらに限定されない。
プロセスIに関する反応機構において言及したように、アリールイオウトリフルオリド(式V)はプロセスIの中間体であることができる。
プロセスIIIに関して本発明において用いることのできるハロゲンは、反応のために用いる量を除いて、上記に記載のプロセスIに関するものと同様である。
プロセスIIIに関する式(III)を有するフルオロ塩は、反応において用いる量を除いて、上記に記載のプロセスIに関するものと同じである。
プロセスIIIの反応は溶媒を用いて行うことが好ましい。好適な溶媒の例は、上記に記載のプロセスIに関するものと同じである。
生成物の良好な収率を経済的に得るために、プロセスIIIに関する反応温度は−60℃〜+70℃の範囲で選択することができる。より好ましくは、温度は−40℃〜+50℃の範囲で選択することができる。更に好ましくは、温度は−20℃〜+40℃の範囲で選択することができる。
生成物の良好で経済的な収率を得るために、用いるハロゲンの量は、1モルのアリールイオウトリフルオリド(V)に対して約1〜約5モル、より好ましくは約1〜約3モルの範囲で好ましく選択することができる。
生成物の良好で経済的な収率を得るために、用いるフルオロ塩(III)の量は、1モルのアリールイオウトリフルオリド(V)に対して約1〜約5モルの範囲で好ましく選択することができる。
プロセスIIIに関する反応時間は、反応温度、基材、試薬、溶媒、及びそれらの使用量によって定まる。したがって、上記のパラメーターの変動に基づいてそれぞれの反応を完了させるために必要な時間を選択することができるが、これは約0.5時間乃至数日、好ましくは2〜3日以内であってよい。
プロセスIIは上記に記載した通りである。
本発明の幾つかの態様は、式(V)を有するアリールイオウトリフルオリドを、ハロゲン類(塩素、臭素、ヨウ素、又はハロゲン間化合物)並びに式(III)を有するフルオロ塩と反応させて式(IV)を有するアリールイオウハロテトラフルオリドを形成することを含むプロセス(プロセスIII)、及び得られるアリールイオウハロテトラフルオリドを、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類の存在下でフッ化物源と反応させて、式(I)を有するアリールイオウペンタフルオリドを形成すること(プロセスII’)を含む。プロセスIII及びII’を示す反応式6を下記に示す。
Figure 0005447957
式(I)、(III)、(IV)、及び(V)に関し、R、R、R、R、R、R、M、及びXは、上記に定義したものと同じ意味を有する。
プロセスIII及びII’は上記に記載した通りである。
更に、本発明は、式(IIa)又は式(IIb)を有する少なくとも1種類のアリールイオウ化合物を、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類、並びに式(III)を有するフルオロ塩と反応させてアリールイオウハロテトラフルオリドを形成することを含む、式(IV)を有するアリールイオウハロテトラフルオリドの製造方法(反応式7、プロセスI)を含む。
Figure 0005447957
式(IIa)、(IIb)、(III)、及び(IV)において、R、R、R、R、R、R、M、及びXは、上記に定義したものと同じ意味を表す。
プロセスIは上記に記載した通りである。
更に、本発明は、式(V)を有するアリールイオウトリフルオリドを、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類、並びに式(III)を有するフルオロ塩と反応させてアリールイオウハロテトラフルオリドを形成することを含む、式(IV)を有するアリールイオウハロテトラフルオリドの製造方法(反応式8、プロセスIII)を含む。
Figure 0005447957
式(III)、(IV)、及び(V)において、R、R、R、R、R、M、及びXは、上記に定義したものと同じ意味を表す。
プロセスIIIは上記に記載した通りである。
更に、本発明は、式(IV)を有するアリールイオウハロテトラフルオリドを、その沸点が約0℃以上であるフッ化物源と反応させてアリールイオウペンタフルオリドを形成することを含む、式(I)を有するアリールイオウペンタフルオリドの製造方法(反応式9、プロセスII”)を含む。
Figure 0005447957
式(I)及び(IV)において、R、R、R、R、R、及びXは、上記に定義したものと同じ意味を表す。
プロセスII”(反応式9):
プロセスII”は、反応式9に示すような、式(IV)を有するアリールイオウハロテトラフルオリドと、その沸点が1気圧において約0℃以上であるフッ化物源との反応である。
式(I)によって表される生成物の置換基R、R、R、R、及びRは、式(IV)によって表される出発物質の置換基R、R、R、R、及びRと異なっていてもよい。したがって、本発明の幾つかの態様は、R、R、R、R、及びRを異なるR、R、R、R、及びRに変換することを含み、これは、本発明の反応中か又は−SFXを−SF基に変換する限りにおいては反応条件下で行うことができる。
プロセスII”は上記に記載のプロセスIIと同じであり、プロセスII”において用いることのできるフッ化物源は、プロセスII”のフッ化物源が1気圧において0℃以上の沸点を有することを除きプロセスIIに関して上記で議論したフッ化物源と同じである。
更に、本発明は、式(IV)を有するアリールイオウハロテトラフルオリドを、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類の存在下でフッ化物源と反応させてアリールイオウペンタフルオリドを形成することを含む、式(I)を有するアリールイオウペンタフルオリドの製造方法(反応式10、プロセスII’)を含む。
Figure 0005447957
式(I)及び(IV)において、R、R、R、R、R、及びXは、上記に定義したものと同じ意味を表す。
プロセスII’は上記に記載した通りである。
本発明によれば、式(I)を有するアリールイオウペンタフルオリドを、容易に入手できる出発物質から容易に且つコスト的に有効に製造することができる。
本発明は、有用な中間体として式(IV’):
Figure 0005447957
(式中、R1’、R2’、R3’、R4’、及びR5’は、それぞれ、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有する線状又は分岐のアルキル基、又はニトロ基であり;ここでR3’が水素原子、メチル基、又はニトロ基である場合には、R1’、R2’、R4’、及びR5’の少なくとも1つは、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有する線状又は分岐のアルキル基、或いはニトロ基である)
によって表される新規なアリールイオウクロロテトラフルオリドを提供する。ここで、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子である。
これらの中で、tert−ブチルフェニルイオウクロロテトラフルオリドの各異性体、フルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリドの各異性体、クロロフェニルイオウクロロテトラフルオリドの各異性体、ブロモフェニルイオウクロロテトラフルオリドの各異性体、ジフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリドの各異性体、トリフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリドの各異性体、及び2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリドが好ましく、4−tert−ブチルフェニルイオウクロロテトラフルオリド、4−フルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリド、2−フルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリド、4−クロロフェニルイオウクロロテトラフルオリド、4−ブロモフェニルイオウクロロテトラフルオリド、3−ブロモフェニルイオウクロロテトラフルオリド、2,6−ジフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリド、2,4,6−トリフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリド、及び2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリドがより好ましい。
本発明は、また、式(I’):
Figure 0005447957
(式中、R2”、R3”、及びR4”の少なくとも1つはハロゲン原子であり、残りは水素原子である)
によって表される新規で有用なフッ素化アリールイオウペンタフルオリドも提供する。ここで、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子である。
これらの中で、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルイオウペンタフルオリド、2,4,6−トリフルオロフェニルイオウペンタフルオリド、3−クロロ−2,4,6−トリフルオロフェニルイオウペンタフルオリド、及び3−クロロ−2,6−ジフルオロフェニルイオウペンタフルオリドが好ましい。
以下の実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるとはみなされないことを理解すべきである。
以下の実施例は例示の目的のみで与えるものであり、本発明の範囲を限定する意図ではない。以下の実施例を検討する際の参考のために、表2に構造名及び式を与える。
Figure 0005447957
Figure 0005447957
Figure 0005447957
実施例1:ジフェニルジスルフィドからのフェニルイオウペンタフルオリドの合成:
Figure 0005447957
(プロセスI):500mLの丸底ガラスフラスコに、ジフェニルジスルフィド(33.0g、0.15モル)、乾燥KF(140g、2.4モル)、及び300mLの乾燥CHCNを充填した。撹拌した反応混合物を、N流(18mL/分)下において氷/水浴上で冷却した。Nを停止した後、塩素(Cl)を約70mL/分の速度で反応混合物中にバブリングした。Clのバブリングを約6.5時間行った。用いたClの全量は約1.2モルであった。Clを停止した後、反応混合物を更に3時間撹拌した。次に、Nを2時間バブリングして過剰のClを除去した。次に、反応混合物を空気中において100mLの乾燥ヘキサンと共に濾過した。濾液に約1gの乾燥KFを加えた。KFは生成物の起こりうる分解を抑制する。濾液を真空下で蒸発させ、得られた残渣を減圧下で蒸留して、フェニルイオウクロロテトラフルオリドの無色の液体(58.0g、88%)を得た。沸点:80℃/20mmHg;1H-NMR(CD3CN): 7.79-7.75 (m, 2H, 芳香族)、7.53-7.49 (m, 3H, 芳香族);19F-NMR (CD3CN): 136.7 (s, SF4Cl)。NMR分析は、得られたフェニルイオウクロロテトラフルオリドがトランス異性体であることを示した。
(プロセスII):Nを充填した乾燥ボックス内において、100mLのフルオロポリマー(TEFLON(登録商標) PFA)製容器にPhSFCl(44g、0.2モル)及び乾燥ZnF(12.3g、0.12モル)を充填した。次に、容器にフルオロポリマー製の凝縮器及びNを充填したバルーンを取り付けた。反応混合物を1時間かけて120℃にゆっくりと加熱した。反応混合物は無色から黄色、桃色、そして次に最終的に緑色に変化した。反応混合物を120℃において20時間撹拌した。室温に冷却した後、約50mLのペンタンを反応混合物に加えた。混合物を濾過して不溶の固形分を全て除去して黄色の溶液を得て、これを濃縮した。得られた残渣を減圧下で蒸留して、30.6g(75%)のフェニルイオウペンタフルオリドを得た。沸点:70〜71℃/120mmHg。1H-NMR(CDCl3): 7.77-7.74 (m, 2H, 芳香族)、7.60-7.40 (m, 3H, 芳香族)、2.40 (s, 3H, CH3);19F-NMR (CDCl3): 85.20-84.13 (m, 1F, SF5)、62.91 (d, 4F, SF5)。
実施例2〜10:アリールイオウ化合物(IIa)からのアリールイオウペンタフルオリド(I)の合成:
Figure 0005447957
実施例1と同様の手順によって、置換アリールイオウペンタフルオリド(I)を対応するアリールイオウ化合物(IIa)から合成した。表3は置換アリールイオウペンタフルオリドの合成を示す。表3はまた、プロセスI及びIIに関して必要な出発物質及び他の化学物質、溶媒、反応条件、及び結果を、実施例1のものと一緒に示す。実施例9及び10においては、プロセスIIにおいて溶媒としてFC-72(Fluorinert(登録商標))を用いた。Fluorinert(登録商標) FC-72は、3M Companyによって製造されている製品である、56℃の沸点を有するペルフッ素化有機化合物であった。
Figure 0005447957
Figure 0005447957
実施例2〜10によって得られた生成物(IV)及び(I)の特性及びスペクトルデータを下記に示す。
p−メチルフェニルイオウクロロテトラフルオリド:沸点:74〜75℃/5mmHg;1H-NMR(CD3CN): 7.65 (d, 2H, 芳香族), 7.29 (d, 2H, 芳香族), 2.36 (s, 3H, CH3);19F-NMR (CD3CN): 137.66 (s, SF4Cl);高分解能マススペクトル:測定値235.986234 (34.9%) (C7H7F4S37Clに関する計算値;235.986363); 測定値233.989763 (75.6%) (C7H7F4S35Clに関する計算値;233.989313)。NMRは、得られたp−メチルフェニルイオウクロロテトラフルオリドがトランス異性体であることを示す。
p−メチルフェニルイオウペンタフルオリド:沸点:95〜96℃/80mmHg;1H-NMR(CDCl3): 7.63 (d, 2H, 芳香族), 7.244 (d, 2H, 芳香族), 2.40 (s, 3H, CH3);19F-NMR (CDCl3): 86.55-84.96 (m, 1F, SF), 63.26 (d, 4F, SF4)。
p−フルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリド:沸点:60℃/8mmHg;1H-NMR(CD3CN): 7.85-7.78 (m, 2H, 芳香族), 7.25-7.15 (m, 2H, 芳香族);19F-NMR (CD3CN): 137.6 (s, SF4Cl), -108.3 (s, CF);高分解能マススペクトル:測定値239.961355 (37.4%) (C6H4F5S37Clに関する計算値;239.961291), 測定値237.964201 (100%) (C6H4F5S35Clに関する計算値;237.964241)。NMRは、得られたp−フルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリドがトランス異性体であることを示す。
p−フルオロフェニルイオウペンタフルオリド:沸点:71℃/80mmHg;1H-NMR(CDCl3): 7.80-7.73 (m, 2H, 芳香族), 7.17-7.09 (m, 2H, 芳香族);19F-NMR (CDCl3): 87.78-83.17 (m, 1F, SF), 63.81 (d, 4F, SF4), -107.06 (s, 1F, CF);GC-MS m/z 222 (M+)。
o−フルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリド:沸点:96〜97℃/20mmHg;1H-NMR(CD3CN): 7.77-7.72 (m, 1H, 芳香族), 7.60-7.40 (m, 1H, 芳香族), 7.25-7.10 (m, 2H, 芳香族);19F-NMR (CD3CN): 140.9 (d, SF4Cl), -107.6 (s, CF);高分解能マススペクトル:測定値239.961474 (25.4%) (C6H4F5S37Clに関する計算値;239.961291), 測定値237.964375 (69.8%) (C6H4F5S35Clに関する計算値;237.964241)。NMRは、得られたo−フルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリドがトランス異性体であることを示す。
o−フルオロフェニルイオウペンタフルオリド:沸点:91〜94℃/120mmHg;1H-NMR(CDCl3): 7.78-7.73 (m, 1H, 芳香族), 7.55-7.48 (m, 1H, 芳香族), 7.27-7.17 (m, 2H, 芳香族);19F-NMR (CDCl3): 82.38-81.00 (m, 1F, SF), 68.10 (dd, 4F, SF4), -108.07- (-108.35) (m, 1F, CF);
p−ブロモフェニルイオウクロロテトラフルオリド(X):融点:58〜59℃;1H-NMR(CD3CN)δ7.67 (s, 4H, 芳香族);19F-NMR (CD3CN)δ136.56 (s, SF4Cl);高分解能マススペクトル:測定値301.877066 (16.5%) (C6H4 81Br37ClF4Sに関する計算値;301.879178), 測定値299.880655 (76.6%) (C6H4 81Br35ClF4Sに関する計算値;299.881224及びC6H4 79Br37ClF4Sに関する計算値;299.882128), 測定値297.882761 (77.4%) (C6H4 79Br35ClF4Sに関する計算値;297.884174);元素分析;C6H4BrClF4Sに関する計算値;C: 24.06%; H: 1.35%; 測定値 C: 24.37%; H: 1.54%。NMRは、p−ブロモフェニルイオウクロロテトラフルオリドがトランス異性体として得られたことを示した。
p−ブロモフェニルイオウペンタフルオリド:沸点:77〜78℃/10mmHg;1H-NMR(CDCl3): 7.63 (s, 4H, 芳香族);19F-NMR (CDCl3): 84.13-82.53 (m, 1F, SF), 63.11 (d, 4F, SF4)。
m−ブロモフェニルイオウクロロテトラフルオリド:沸点:57〜59℃/0.8mmHg;1H-NMR(CD3CN): 7.90-7.88 (m, 1H, 芳香族), 7.70-7.50 (m, 2H, 芳香族), 7.40-7.30 (m, 1H, 芳香族);19F-NMR (CD3CN): 136.74 (s, SF4Cl);高分解能マススペクトル:測定値301.878031 (29.1%) (C6H4 81Br37ClF4Sに関する計算値;301.879178), 測定値299.881066 (100%) (C6H4 81Br35ClF4Sに関する計算値;299.881224及びC6H4 79Br37ClF4Sに関する計算値;299.882128), 測定値297.883275 (77.4%) (C6H4 79Br35ClF4Sに関する計算値;297.884174)。NMRは、得られたm−ブロモフェニルイオウクロロテトラフルオリドがトランス異性体であったことを示した。
m−ブロモフェニルイオウペンタフルオリド:沸点:69〜70℃/10mmHg;1H-NMR(CDCl3): 7.91 (t, 1H, 芳香族), 7.72-7.64 (m, 2H, 芳香族), 7.35 (t, 1H, 芳香族);19F-NMR (CDCl3): 83.55-82.47 (m, 1F, SF), 63.13 (d, 4F, SF4)。
p−ニトロフェニルイオウクロロテトラフルオリド:融点:130〜131℃;1H-NMR(CD3CN): 8.29 (d, J=7.8Hz, 2H, 芳香族), 8.02 (d, J=7.8Hz, 2H, 芳香族);19F-NMR (CD3CN): 134.96 (s, SF4Cl);高分解能マススペクトル:測定値266.956490 (38.4%) (C6H4 37ClF4NO2Sに関する計算値;266.955791), 測定値264.959223 (100%) (C6H4 35ClF4NO2Sに関する計算値;264.958741);元素分析;C6H4ClF4NO2Sに関する計算値;C: 27.13%; H: 1.52%; N: 5.27%; 測定値 C: 27.16%; H: 1.74%; N: 4.91%。NMRは、得られたp−ニトロフェニルイオウクロロテトラフルオリドがトランス異性体であることを示す。
p−ニトロフェニルイオウペンタフルオリド:沸点:74〜76℃/3mmHg;1H-NMR(CDCl3): 8.36-8.30 (m, 2H, 芳香族), 7.99-7.95 (m, 2H, 芳香族);19F-NMR (CDCl3): 82.32-80.69 (m, 1F, SF), 62.76 (d, 4F, SF4)。
2,6−ジフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリド:実施例8から得られた生成物(沸点:120〜122℃/95〜100mmHg)は、2,6−ジフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリドのトランス及びシス異性体の6:1混合物である。トランス異性体は結晶化によって純粋な形態で単離した。融点:47.6〜48.3℃;19F-NMR (CDCl3)δ143.9 (t, J=26.0Hz, 4F, SF4), -104.1 (5重, J=26.0Hz, 2F, 2,6-F); 1H-NMR(CDCl3)δ6.97-7.09 (m, 2H, 3,5-H), 7.43-7.55 (m, 1H, 4-H);13C-NMR (CDCl3)δ157.20 (d, J=262.3Hz), 133.74 (t, J=11.6Hz), 130.60 (m), 113.46 (d, J=14.6Hz);高分解能マススペクトル:測定値257.950876 (37.6%) (C6H3 37ClF6Sに関する計算値;257.951869), 測定値255.955740 (100%) (C6H3 35ClF6Sに関する計算値;255.954819);元素分析;C6H3ClF6Sに関する計算値;C: 28.08%; H: 1.18%; 測定値 C: 28.24%; H: 1.24%。シス異性体は次のように帰属した:19F-NMR (CDCl3)δ158.2 (4重, J=161.8Hz, 1F, SF), 121.9 (m, 2F, SF2), 76.0 (m,1F, SF)。シス異性体の芳香族フッ素原子の19F−NMRの帰属は、おそらくはトランス異性体のピークの重なりのために行うことができなかった。
2,6−ジフルオロフェニルイオウペンタフルオリド:融点:40.3〜41.1℃; 1H-NMR(CDCl3)δ7.51 (m, 1H), 7.04 (m, 2H);19F-NMR (CDCl3): 82.32-80.69 (m, 1F, SF), 62.76 (d, 4F, SF4);高分解能マススペクトル:測定値239.984509 (C6H3F7Sに関する計算値;239.984370);元素分析;C6H3F7Sに関する計算値;C: 30.01%; H: 1.26%; 測定値 C: 30.20%; H: 1.47%。
2,4,6−トリフルオロオフェニルイオウクロロテトラフルオリド:トランス異性体;融点:55.8〜56.7℃; 19F-NMR (CDCl3)δ144.07 (t, J=26.0Hz, 4F, SF4), -99.80 (t, J=26.0Hz, 2F, o-F), -100.35 (s, 1F, p-F); 1H-NMR(CDCl3)δ6.79 (t, J=17.5Hz, m-H);13C-NMR (CDCl3)δ164.16 (dt, J=164.2Hz, 15.2Hz, 4-C), 158.18 (dm, J=260.7Hz, 2-C), 127.7 (m, 1-C), 102.1 (tm, J=27.8Hz, 3-C); 元素分析;C6H2ClF7Sに関する計算値;C: 26.24%; H: 0.73%; 測定値 C: 26.23%; H: 1.01%。NMRは、得られた2,4,6−トリフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリドがトランス異性体であることを示す。
2,4,6−トリフルオロフェニルイオウペンタフルオリド及び3−クロロ−2,4,6−トリフルオロフェニルイオウペンタフルオリド:実験9から得られた生成物(沸点:約145℃)は、2,4,6−トリフルオロフェニルイオウペンタフルオリドと3−クロロ−2,4,6−トリフルオロフェニルイオウペンタフルオリドの3:1(モル比)の混合物であった。これらの生成物をNMR及びGC−質量分析によって同定した。2,4,6−トリフルオロフェニルイオウペンタフルオリド:19F-NMR (CDCl3)δ78.7-75.3 (m, SF), 73.8-72.9 (m, SF4), -100.6 (m, 4-F), -100.7 (m, 2,6-F); 1H-NMR(CDCl3)δ6.80 (t, J=8.6Hz, 3,5-H);GC-Mass m/z 258(M+);3−クロロ−2,4,6−トリフルオロフェニルイオウペンタフルオリド:19F-NMR (CDCl3)δ78.7-75.3 (m, SF), 73.8-72.9 (m, SF4), -101.3 (m, 2又は6-F), -102.3 (m, 4-F), -102.6 (m, 2又は6-F); 1H-NMR(CDCl3)δ6.95 (br.t, J=9.5Hz, 5-H);GC-Mass m/z 294, 292(M+)。
2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリド:実験10から得られた生成物(沸点:95〜112℃/100mmHg)は、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリドのトランス及びシス異性体の1.7:1混合物であった。異性体を19F−NMRによって帰属した。トランス異性体:19F-NMR (CDCl3)δ144.10 (t, J=26.0Hz, 4F, SF4), -132.7 (m, 2F, 2,6-F), -146.6 (m, 1F, 4-F), -158.9 (m, 2F, 3,5-F); 13C-NMR (CDCl3)δ143.5 (dm, J=265.2Hz), 141.7 (dm, J=263.7Hz), 128.3 (m);シス異性体:19F-NMR (CDCl3)δ152.39 (4重, J=158.9Hz, 1F, SF), 124.32 (m, 2F, SF2), 79.4 (m, 1F, SF), -132.7 (m, 2F, 2,6-F), -146.6 (m, 1F, 4-F), -158.9 (m, 2F, 3,5-F);トランス及びシス異性体の1.7:1混合物の高分解能マススペクトル:測定値311.923124 (15.5%) (C6 37ClF9Sに関する計算値;311.923604), 測定値309.926404 (43.1%) (C6 35ClF9Sに関する計算値;309.926554)。
2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルイオウペンタフルオリド:沸点:135〜137℃; 19F-NMR (CDCl3)δ74.8 (m, 5F, SF3), -133.4 (m, 2F, 2,6-F), -146.2 (m, 1F, 4-F), -158.6 (m, 2F, 3,5-F); 13C-NMR (CDCl3)δ143.6 (dm, J=262.2Hz), 137.9 (dm, J=253.6Hz), 126.7 (m); 高分解能マススペクトル:測定値293.956492 (C6F10Sに関する計算値;293.956104)。
実施例11:プロセスIIにおいてフッ化物源としてフッ化水素とピリジンの混合物を用いたジフェニルジスルフィドからのフェニルイオウペンタフルオリドの合成:
Figure 0005447957
(プロセスI):実施例1のプロセスIと同様の方法でフェニルイオウクロロテトラフルオリドを高収率で調製した。
(プロセスII):フルオロポリマー製の反応容器に341mg(1.54ミリモル)のトランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリドを充填し、約70重量%のフッ化水素及び約30重量%のピリジンの混合物0.5mLを室温において加えた。反応混合物を室温において1時間撹拌し、50℃において3時間加熱した。反応後、反応混合物を室温に冷却した。19F−NMRによる反応混合物の分析によって、フェニルイオウペンタフルオリドが93%の収率で製造されたことが示された。
実施例12:式(IIb)のアリールイオウ化合物としてチオフェノールからのフェニルイオウペンタフルオリドの合成:
Figure 0005447957
(プロセスI):6〜10℃において、100mLの乾燥アセトニトリル中の10.0g(90.8ミリモル)のチオフェノール及び47.5g(0.817モル)の乾燥KFの撹拌混合物中に、塩素(Cl)を27mL/分の流速で通過させた。塩素を3.7時間通過させ、通過させた塩素の全量は10.2L(0.445モル)であった。反応混合物に10mLの1,1,2−トリクロロトリフルオロエタンを加えた後、反応混合物を濾過した。真空中で溶媒を除去した後、明緑褐色の液体としてフェニルイオウクロロテトラフルオリド(16.6g、83%)が得られた。生成物の物理特性及びスペクトルのデータは実施例1に示す。生成物はトランス異性体であった。
(プロセスII):
上記のプロセスIで得られたフェニルイオウクロロテトラフルオリドは、実施例1におけるプロセスIIと同じ手順でZnFと反応させて、フェニルイオウペンタフルオリドを高収率で与えることができる。
実施例13:式(IIb)のアリールイオウ化合物としてp−ニトロベンゼンスルフェニルクロリドからのp−ニトロフェニルイオウペンタフルオリドの合成:
Figure 0005447957
(プロセスI):5〜11℃において、40mLの乾燥アセトニトリル中の5.00g(26.4ミリモル)のp−ニトロベンゼンスルフェニルクロリド及び15.3g(264ミリモル)の乾燥KFの撹拌混合物中に、塩素(Cl)を37mL/分の流速で通過させた。通過させた塩素の全量は2.54L(113ミリモル)であった。反応混合物に5mLの1,1,2−トリクロロトリフルオロエタンを加えた後、反応混合物を濾過した。真空中で溶媒を除去した後、固体としてp−ニトロフェニルイオウクロロテトラフルオリド(4.69g、76%)が得られた。生成物の物理特性及びスペクトルのデータは実施例7に示す。生成物はトランス異性体であった。
(プロセスII):
上記のプロセスIで得られたp−ニトロフェニルイオウクロロテトラフルオリドは、実施例7におけるプロセスIIと同じ手順でZnFと反応させて、フェニルイオウペンタフルオリドを高収率で与えることができる。
実施例14:フェニルイオウトリフルオリドからのフェニルイオウペンタフルオリドの合成:
Figure 0005447957
(プロセスIII):6〜9℃において、20mLの乾燥アセトニトリル中の5.00g(30.1ミリモル)のフェニルイオウトリフルオリド及び8.74g(150ミリモル)の乾燥KFの撹拌混合物中に、塩素(Cl)を34mL/分の流速で通過させた。塩素は43分間通過させ、通過させた塩素の全量は1.47L(65.5ミリモル)であった。反応混合物に3mLの1,1,2−トリクロロトリフルオロエタンを加えた後、反応混合物を濾過した。真空中で溶媒を除去した後、無色の液体としてフェニルイオウクロロテトラフルオリド(5.62g、84%)が得られた。生成物の物理特性及びスペクトルのデータは実施例1に示す。生成物はトランス異性体であった。
(プロセスII):
上記のプロセスIIIで得られたフェニルイオウクロロテトラフルオリドは、実施例1におけるプロセスIIと同じ手順でZnFと反応させて、フェニルイオウペンタフルオリドを高収率で与えることができる。
実施例15:塩素の低速流下(ハロゲンの存在下)でのフェニルイオウクロロテトラフルオリドとZnF との反応:
Figure 0005447957
(プロセスII’):このプロセスのために用いたトランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリド(トランス−PhSFCl)は、実施例1、11、12、又は14によって示されるプロセスI又はIIIによって高収率で調製した。乾燥ボックス内において、フルオロポリマー製の50mL反応容器に、10.0g(0.045モル)のトランス−PhSFCl及び2.8g(0.027モル)の乾燥ZnFを充填した。反応容器を乾燥ボックスから取り出し、ガス流動システムに接続した。Clガスを4.6mL/分の速度で反応容器中に加えながら、反応混合物を120℃にゆっくりと加熱した。19F−NMRによって反応の進行を監視した。120℃において40分後、3種類の主たる化合物(トランス−PhSFCl、シス−PhSFCl、及びフェニルイオウペンタフルオリド(PhSF))が反応混合物中に存在していることが検出された。トランス−PhSFCl:シス−PhSFCl:PhSFのモル比は、0.5:3.3:100であった。120℃において更に60分後、19F−NMRから、トランス−及びシス−PhSFClが消失し、PhSFのみが検出された。反応は120℃において1.7時間以内で完了した。N(5.4mL/分)を0.5時間流した後、標準試料としてベンゾトリフルオリドを用いて19F−NMRによって反応混合物の検査を行ったところ、フェニルイオウトリフルオリドが92%の収率で製造されたことが示された。この実験により、反応は塩素の存在によって大きく促進され、生成物が高収率で得られることが示された。また、この実験により、トランス−PhSFClの異性体化によってシス−PhSFClが中間体として形成され、シス−PhSFClが生成物であるPhSFに転化することも示された。
実施例16:塩素の高速流下(ハロゲンの存在下)でのフェニルイオウクロロテトラフルオリドとZnF との反応:
Figure 0005447957
(プロセスII’):このプロセスのために用いたトランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリド(トランス−PhSFCl)は、実施例1、11、12、又は14によって示されるプロセスI又はIIIによって高収率で調製した。乾燥ボックス内において、フルオロポリマー製の50mL反応容器に、10.0g(0.045モル)のトランス−PhSFCl及び2.8g(0.027モル)の乾燥ZnFを充填した。反応容器を乾燥ボックスから取り出し、ガス流動システムに接続した。Clガスを23mL/分の速度で反応容器中に加えながら、反応混合物を120℃にゆっくりと加熱した。19F−NMRによって反応の進行を監視した。120℃において更に45分後、3種類の主たる化合物(トランス−PhSFCl、シス−PhSFCl、及びフェニルイオウペンタフルオリド(PhSF))が反応混合物中に存在していることが検出された。トランス−PhSFCl:シス−PhSFCl:PhSFのモル比は、18:83:100であった。120℃において45分後、19F−NMRから、トランス−及びシス−PhSFClが消失し、PhSFのみが検出された。反応は120℃において約1.5時間で完了した。N(26.9mL/分)を1時間流した後、標準試料としてベンゾトリフルオリドを用いて19F−NMRによって反応混合物の検査を行ったところ、フェニルイオウトリフルオリドが83%の収率で製造されたことが示された。この実験により、反応は塩素の存在によって大きく促進され、生成物が高収率で得られることが示された。この実験により、トランス−PhSFClの異性体化によってシス−PhSFClが中間体として形成され、シス−PhSFClが生成物であるPhSFに転化することが明確に示された。
実施例17:塩素流下(ハロゲンの存在下)での2,6−ジフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリドとZnF との反応:
Figure 0005447957
(プロセスII’):このプロセスのために用いたトランス−及びシス−2,6−ジフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリドの6:1混合物は、実施例8によって示されるプロセスI又はIIIによって高収率で調製した。乾燥ボックス内において、フルオロポリマー製の100mL反応容器に、13.03g(0.126モル)の乾燥ZnFを充填した。反応容器を乾燥ボックスから取り出し、ガス流動システムに接続した。窒素パージの後、反応容器を130〜140℃に加熱しながらClガスを15mL/分の速度で反応容器中に流入させ始め、上記の温度において32.36g(0.126モル)のトランス−及びシス−2,6−ジフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリドの混合物の添加を開始した。全量で32.36g(0.126モル)のトランス−及びシス−2,6−ジフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリドの混合物を1時間かけて加えた。この時点において、加熱及び塩素流入を更に3時間保持した。この時点において、反応混合物のNMR分析により、出発物質(トランス−及びシス−2,6−ジフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリド)が消費され、2,6−ジフルオロフェニルイオウペンタフルオリド及び3−クロロ−2,6−ジフルオロフェニルイオウペンタフルオリドが63:37のモル比で製造されたことが示された。次に、反応混合物をペンタンで抽出し、炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。抽出物を乾燥NaSOによって乾燥し、濾過し、濃縮して残渣を与え、これを減圧下で蒸留して、110mmHgにおいて75〜120℃の沸点範囲の生成物の4つのフラクションを得た。最初の3つのフラクション(合計で15.37g)は、2,6−ジフルオロオフェニルイオウペンタフルオリドと3−クロロ−2,6−ジフルオロオフェニルイオウペンタフルオリドの1:1混合物(GCによる)であった。最後のフラクション(4番目のフラクション:沸点112〜120℃/110mmHg)は、6.22gの3−クロロ−2,6−ジフルオロオフェニルイオウペンタフルオリド(純度93%、GCにより測定)を有していた。3−クロロ−2,6−ジフルオロフェニルイオウペンタフルオリドのスペクトルデータは以下の通りであった:19F-NMR (CDCl3)δ77.9-75.7 (m, 1F, SF), 73.2-72.5 (m, 4F, SF4), -103.3 (m, 1F), -105.2 (m, 1F);1H-NMR(CDCl3)δ7.60 (m, 1H), 7.04 (m, 1H);高分解能マススペクトル:測定値275.942071 (36.0%) (C6H2 37ClF7Sに関する計算値;275.942447); 測定値273.945943 (100%) (C6H2 35ClF7Sに関する計算値;273.945397)。他の生成物である2,6−ジフルオロオフェニルイオウペンタフルオリドは、実施例8(プロセスII)によって得られたデータによって同定された。
実施例18:不活性ガス(窒素)の低速流下でのフェニルイオウクロロテトラフルオリドとZnF との反応:
Figure 0005447957
(プロセスII):このプロセスのために用いたトランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリド(トランス−PhSFCl)は、実施例1、11、12、又は14によって示されるプロセスI又はIIIによって高収率で調製した。乾燥ボックス内において、フルオロポリマー製の50mL反応容器に、10.0g(0.045モル)のトランス−PhSFCl及び2.8g(0.027モル)の乾燥ZnFを充填した。反応容器を乾燥ボックスから取り出し、ガス流動システムに接続した。Nを5.4mL/分の速度で流しながら、反応混合物を120℃にゆっくりと加熱した。反応混合物は、約30分間で、無色から明黄色、桃色、そして最終的に褐色に変化した。Nを流しながら反応混合物を120℃において5時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を19F−NMRによって調べた。反応混合物中に3種類の主たる化合物(トランス−PhSFCl、シス−PhSFCl、及びPhSF)が存在していた。トランス−PhSFCl:シス−PhSFCl:PhSFの比は、15:20:100であった。反応混合物にPhCF(1.0g)を加え、それぞれの化合物のNMR収率を測定した。トランス−PhSFClの収率は2.4%であり、シス−PhSFClは14.6%であり、PhSFは67.2%であった。反応は120℃において5時間では完了しなかった。したがって、この実験により、窒素流下での反応は遅延することが示された。
実施例19:不活性ガス(窒素)の高速流下でのフェニルイオウクロロテトラフルオリドとZnF との反応:
Figure 0005447957
(プロセスII):このプロセスのために用いたトランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリド(トランス−PhSFCl)は、実施例1、11、12、又は14によって示されるプロセスI又はIIIによって高収率で調製した。乾燥ボックス内において、フルオロポリマー製の50mL反応容器に、10.0g(0.045モル)のトランス−PhSFCl及び2.8g(0.027モル)の乾燥ZnFを充填した。反応容器を乾燥ボックスから取り出し、ガス流動システムに接続した。Nを26.9mL/分の速度で流しながら、反応混合物を120℃にゆっくりと加熱した。反応混合物は、約30分間で、無色から明黄色、桃色、そして最終的に褐色に変化した。Nを流しながら反応混合物を120℃において5時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を19F−NMRによって調べた。反応混合物中に3種類の主たる化合物(トランス−PhSFCl、シス−PhSFCl、及びPhSF)が存在していた。トランス−PhSFCl:シス−PhSFCl:PhSFの比は、22:117:100であった。反応混合物にPhCF(2.8g)を加え、19F−NMRによってそれぞれの化合物のNMR収率を測定した。トランス−PhSFClの収率は6.7%であり、シス−PhSFClは42.1%であり、PhSFは38.4%であった。反応は120℃において5時間では完了せず、PhSFClのPhSFへの転化率は実施例18におけるものよりも低かった。この反応により、窒素の高速流下での反応は、窒素の低速流下での反応よりも遅延したことが示された。いずれの場合においても、不活性ガス流は反応収率に対して阻害効果を有する。
実施例20:フッ化物源としてSbF を用いることによるフェニルイオウペンタフルオリドの合成:
Figure 0005447957
(プロセスII):このプロセスのために用いたトランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリドは、実施例1、11、12、又は14によって示されるプロセスI又はIIIによって高収率で調製した。乾燥ボックス内において、フルオロポリマー製の反応容器に、1.0g(4.54ミリモル)のトランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリド及び0.397g(2.22ミリモル)の乾燥SbFを充填した。反応容器を乾燥ボックスから取り出し、Nを充填したバルーンを取り付けた。混合物を80℃において5時間撹拌した。19F−NMR技術による反応混合物の分析により、フェニルイオウペンタフルオリドが33%の収率で製造されたことが示された。
実施例21:フッ化物源としてSbF (フッ化物源)及びSbCl (フッ化物源活性化化合物)の混合物を用いることによるフェニルイオウペンタフルオリドの合成:
Figure 0005447957
(プロセスII):このプロセスのために用いたトランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリドは、実施例1、11、12、又は14によって示されるプロセスI又はIIIによって高収率で調製した。乾燥ボックス内において、フルオロポリマー製の反応容器に、1.0g(4.54ミリモル)のトランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリド、0.349g(2.01ミリモル)のSbF、微量のSbCl、及び2mLの乾燥ヘキサンを充填した。SbClはフッ化物源活性化化合物である。SbCl(強ルイス酸)はSbFと錯化してSbF(SbFCl)を形成することができ、これはまたSbFCl及びSbFClによって製造することもでき、いずれも本発明において用いることのできるフッ化物源である。反応容器を乾燥ボックスから取り出し、Nを充填したバルーンを取り付けた。混合物を室温において3日間撹拌した。19F−NMRによる反応混合物の分析により、フェニルイオウペンタフルオリドが54%の収率で製造されたことが示された。
実施例22:フッ化物源としてSnF を用いることによるフェニルイオウペンタフルオリドの合成:
Figure 0005447957
(プロセスII):このプロセスのために用いたトランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリドは、実施例1、11、12、又は14によって示されるプロセスI又はIIIによって高収率で調製した。乾燥ボックス内において、フルオロポリマー製の反応容器に、1.0g(4.54ミリモル)のトランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリド及び0.26g(1.4ミリモル)の乾燥SnFを充填した。反応容器を乾燥ボックスから取り出し、Nを充填したバルーンを取り付けた。混合物を80℃において2時間撹拌した。19F−NMRによる反応混合物の分析により、フェニルイオウペンタフルオリドが34%の収率で製造されたことが示された。
実施例23:フッ化物源としてTiF を用いることによるフェニルイオウペンタフルオリドの合成:
Figure 0005447957
(プロセスII):このプロセスのために用いたトランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリドは、実施例1、11、12、又は14によって示されるプロセスI又はIIIによって高収率で調製した。乾燥ボックス内において、フルオロポリマー製の反応容器に、1.0g(4.54ミリモル)のトランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリド及び0.17g(1.4ミリモル)の乾燥TiFを充填した。反応容器を乾燥ボックスから取り出し、Nを充填したバルーンを取り付けた。混合物を80℃において16時間撹拌した。19F−NMRによる反応混合物の分析により、フェニルイオウペンタフルオリドが35%の収率で製造されたことが示された。
実施例24:ジフェニルジスルフィドからのフェニルイオウクロロテトラフルオリドの合成:
Figure 0005447957
(プロセスI):500mLの丸底フラスコに、ジフェニルジスルフィド(21.8g、0.1モル)、乾燥CsF(243.2g、1.6モル)、及び200mLの乾燥CHCNを充填した。反応混合物を氷/水浴上で冷却し、N(18mL/分)を0.5時間バブリングした。N流を停止した後、Clを63mL/分の速度で反応混合物中に4時間バブリングした。用いたClの全量は約0.68モルであった。次に、反応混合物を室温に加温し、一晩撹拌した。次に、N(18mL/分)を2時間バブリングして過剰の塩素を除去した。反応混合物を、乾燥ボックス内において100mLの乾燥ヘキサンと共に濾過した。濾液を合わせて真空下で蒸発させ、残渣を減圧下で蒸留して、フェニルイオウクロロテトラフルオリドの無色の液体(36.3g、83%)を得た。生成物の物理特性及びスペクトルのデータは実施例1に示す。生成物はトランス異性体であった。
実施例25:ビス(p−クロロフェニル)ジスルフィドからのp−クロロフェニルイオウクロロテトラフルオリドの合成:
Figure 0005447957
(プロセスI):5〜8℃において、200mLの乾燥アセトニトリル中の25.0g(87.0ミリモル)のビス(p−クロロフェニル)ジスルフィド及び86.0g(1.48モル)の乾燥KFの撹拌混合物中に、塩素(Cl)を64mL/分の流速で通過させた。塩素を3.5時間通過させ、通過させた塩素の全量は12.8L(571ミリモル)であった。その後、反応混合物を濾過し、乾燥ヘキサンですすいだ。真空中で溶媒を除去した後、p−クロロフェニルイオウクロロテトラフルオリド(39.5g、88%)が無色の液体として得られた。沸点:65〜66℃/2mmHg;1H-NMR(CDCl3)δ7.38 (d, 2H, J=9.1Hz), 7.65 (d, 2H, J=9.1Hz); 19F-NMR (CDCl3): 137.4 (s, 4F, SF4Cl);高分解能マススペクトル:測定値257.927507 (13.3%) (C6H4F4S37Cl2に関する計算値;257.928790); 測定値255.930746 (68.9%) (C6H4F4S37Cl35Clに関する計算値;255.931740); 測定値253.933767 (100%) (C6H4F4S35Cl2に関する計算値;253.934690)。NMRは、得られたp−クロロフェニルイオウクロロテトラフルオリドがトランス異性体であることを示した。
実施例26:p−(tert−ブチル)ベンゼンチオールからのp−(tert−ブチル)フェニルイオウクロロテトラフルオリドの合成:
Figure 0005447957
(プロセスI):5〜10℃において、150mLの乾燥アセトニトリル中の10.0g(60.2ミリモル)のp−(tert−ブチル)ベンゼンチオール及び91.6g(602ミリモル)の乾燥CsFの撹拌混合物中に、塩素(Cl)を35mL/分の流速で通過させた。塩素を3.5時間通過させ、通過させた塩素の全量は10.1L(452ミリモル)であった。その後、反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を乾燥窒素下で濾過した。減圧下で溶媒を除去した後、残渣を蒸留して、14g(84%)のp−(tert−ブチル)フェニルイオウクロロテトラフルオリドを得た。沸点:98℃/0.3mmHg;融点:93℃;1H-NMR(CDCl3)δ1.32 (s, 9H, C(CH3)3), 7.43 (d, J=9.2Hz, 2H, 芳香族), 7.64 (d, J=9.2Hz, 2H, 芳香族); 19F-NMRδ138.3 (s, SF4Cl);高分解能マススペクトル:測定値278.034576 (8.8%) (C10H13 37ClF4Sに関する計算値;278.033313); 測定値276.037526 (24.7%) (C10H13 35ClF4Sに関する計算値;276.036263); 元素分析;C10H13ClF4Sに関する計算値;C: 43.40%; H: 4.74%; 測定値 C: 43.69%; H: 4.74%。NMRは、p−(t−ブチル)フェニルイオウクロロテトラフルオリドがトランス異性体として得られたことを示した。
実施例27:フェニルイオウクロロテトラフルオリド及びZnF からのフェニルイオウペンタフルオリドの合成:
Figure 0005447957
(プロセスII又はII”):乾燥ボックス内において、フルオロポリマー製の反応容器に、1.0g(4.54ミリモル)のトランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリド及び0.281gの乾燥ZnF(固体、融点872℃、沸点1500℃)を充填した。反応容器を乾燥ボックスから取り出し、Nを充填したバルーンを取り付けた。混合物を80℃において20時間加熱した。19F−NMRによる反応混合物の分析により、フェニルイオウペンタフルオリドが85%の収率で製造されたことが示された。
実施例28:フェニルイオウクロロテトラフルオリド及びZnF からのフェニルイオウペンタフルオリドの合成:
Figure 0005447957
(プロセスII又はII”):乾燥ボックス内において、フルオロポリマー製の反応容器に、1.0g(4.54ミリモル)のトランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリド及び0.28g(2.7ミリモル)の乾燥ZnF(固体、融点872℃、沸点1500℃)を充填した。反応容器を乾燥ボックスから取り出し、Nを充填したバルーンを取り付けた。混合物を120℃において4時間加熱した。19F−NMRによる反応混合物の分析により、フェニルイオウペンタフルオリドが88%の収率で製造されたことが示された。
実施例29:フェニルイオウクロロテトラフルオリド及びCuF からのフェニルイオウペンタフルオリドの合成:
Figure 0005447957
(プロセスII又はII”):乾燥ボックス内において、フルオロポリマー製の反応容器に、1.0g(4.54ミリモル)のトランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリド及び0.284g(2.79ミリモル)の乾燥CuF(固体、融点約785℃)を充填した。反応容器を乾燥ボックスから取り出し、Nを充填したバルーンを取り付けた。混合物を80℃において22時間加熱した。19F−NMRによる反応混合物の分析により、フェニルイオウペンタフルオリドが57%の収率で製造されたことが示された。
実施例30:p−メチルフェニルイオウクロロテトラフルオリド及びZnF からのp−メチルフェニルイオウペンタフルオリドの合成:
Figure 0005447957
(プロセスII又はII”):乾燥ボックス内において、フルオロポリマー製の反応容器に、1.01g(4.26ミリモル)のトランス−p−メチルフェニルイオウクロロテトラフルオリド及び0.266g(2.57ミリモル)の乾燥ZnF(固体、融点872℃、沸点1500℃)を充填した。反応容器を乾燥ボックスから取り出し、Nを充填したバルーンを取り付けた。混合物を80℃において16時間加熱した。19F−NMRによる反応混合物の分析により、p−メチルフェニルイオウペンタフルオリドが79%の収率で製造されたことが示された。
実施例31:フェニルイオウクロロテトラフルオリド及びHBF ジエチルエーテラートからのフェニルイオウペンタフルオリドの合成:
Figure 0005447957
(プロセスII又はII”):乾燥ボックス内において、フルオロポリマー製の反応容器に、1.0g(4.5ミリモル)のトランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリド(トランス−PhSFCl)及び4.5mLの乾燥塩化メチレンを充填した。反応容器を乾燥ボックスから取り出し、窒素を充填したバルーンを取り付けた。溶液中に、HBFジエチルエーテラート(液体)(HBFOEt)(0.88g、0.74mL、5.4ミリモル)をゆっくりと加えた。反応混合物を室温において撹拌した。19F−NMRによって反応の進行を監視した。7時間後、3種類の主たる化合物(トランス−PhSFCl、シス−PhSFCl、及びPhSF)が反応混合物中に存在していた。トランス−PhSFCl:シス−PhSFCl:PhSFの比は、156:716:100であった。21時間後、トランス−PhSFCl:シス−PhSFCl:PhSFの比は3:6:100に変化した。19F−NMRによる反応混合物の分析により、フェニルイオウペンタフルオリド(PhSF)が40%の収率で製造されたことが示された。
実施例32:フッ化物源としてZnF (フッ化物源)及びSbCl (フッ化物源活性化化合物)の混合物を用いることによるフェニルイオウクロロテトラフルオリドからのフェニルイオウペンタフルオリドの合成:
Figure 0005447957
乾燥ボックス内において、フルオロポリマー製の反応容器に乾燥ヘプタン(5mL)及びZnF(固体)(0.84g、8.2ミリモル)を充填し、SbCl(液体)(0.41g、0.17mL、1.36ミリモル)を混合物中に加えた。これに、トランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリド(トランス−PhSFCl)(3.0g、13.6ミリモル)をゆっくりと加えた。反応容器を乾燥ボックスから取り出し、窒素を充填したバルーンを取り付けた。SbClはフッ化物源活性化化合物である。SbCl(強ルイス酸)はZnFと錯化してZnF(SbFCl)を形成することができ、これはまたZnFCl及びSbFClによって製造することもでき、いずれも本発明において用いることのできるフッ化物源である。反応混合物を室温において撹拌した。19F−NMRによって反応の進行を監視した。10分後、トランス−PhSFCl:シス−PhSFCl:PhSFの比は385:0:100であった。90分後、トランス−PhSFCl:シス−PhSFCl:PhSFの比は63:微量:100に変化した。180分後、トランス−PhSFCl:シス−PhSFCl:PhSFの比は34:微量:100に変化した。17時間後、トランス−PhSFCl:シス−PhSFCl:PhSFの比は18:2:100に変化した。19F−NMRによる反応混合物の分析により、フェニルイオウペンタフルオリド(PhSF)が53%の収率で製造されたことが示された。少量の出発トランス−PhSFCl(9.4%)が残留していた。
実施例33:フェニルイオウクロロテトラフルオリドとBF ガスとの反応(比較実施例):
Figure 0005447957
鋼製の反応容器に、1.0g(4.5ミリモル)のトランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリドを充填し、ドライアイス/アセトン浴上で冷却した。真空ポンプによって反応容器を排気し、三フッ化ホウ素ガス(BF:この沸点は1気圧において−100℃である)を反応容器中に圧力が18psiに達するまで導入した。次に、反応混合物を室温に加温し、3日間静置した。この間に、更なるBFガスによって圧力を100psiに上昇させた。反応後、全ての反応混合物が固体残渣になったことが分かった。フェニルイオウペンタフルオリドは検出されなかった。
実施例34:塩化メチレン中でのフェニルイオウクロロテトラフルオリドとBF ガスとの反応(比較実施例):
鋼製の反応容器に、1.42g(6.44ミリモル)のトランス−フェニルイオウクロロテトラフルオリド及び6.4mLの乾燥塩化メチレンを充填し、液体窒素浴を用いることによって約−100℃に冷却した。真空ポンプによって反応容器を排気し、BFガス(沸点は1気圧において−100℃である)を反応容器中に圧力が80psiに達するまで導入した。反応混合物を室温に加温し、5日間静置した。この間に、更なるBFガスによって圧力を100psiに上昇させた。19F−NMRによる反応混合物の分析により、フェニルイオウペンタフルオリドが28%の収率で形成されたことが示された。
実施例33及び34により、Ouらが報告しているように(Can. J. Chem. vol.75, pp.1878-1884参照)、重水素塩化メチレン中のフェニルイオウクロロテトラフルオリドの溶液を通して三フッ化ホウ素(沸点:1気圧において−100℃)を流すと、フェニルイオウクロロテトラフルオリドがフェニルイオウペンタフルオリドにゆっくりと転化することが分かったことが示される。しかしながら、ここで示されるように、望ましくない重合が起こったために、収率が非常に低いか、或いは所望の生成物が得られなかった。実施例33及び34により、その沸点が1気圧で−100℃である三フッ化ホウ素のようなフッ化物ガスを用いる従来技術の製造方法を凌ぐ本発明の有用性が示される。本発明は、好ましくは、気体反応物質と比較して少なくとも0℃及び1気圧において液体又は固体のフッ化物を用いる。液体又は固体は、取り扱うのが容易で、気体反応物質よりもより完全に反応するので好ましい。また、Ouらの反応物質は、大気圧において反応することが示されているが、必要な最小量の反応物質を用いて相当な速度で進行させるには高い圧力が必要である。
幾つかの態様を参照して本発明を特に示し且つ記載したが、発明の精神及び範囲から逸脱することなくここで開示した種々の態様に対して形態及び詳細における変更を行うことができ、ここで開示した種々の態様は特許請求の範囲に対する限定として作用することは意図していないことは、当業者によって理解されよう。

Claims (15)

  1. 次式(I):
    Figure 0005447957

    を有するアリールイオウペンタフルオリドの製造方法であって、
    式(IIa)又は式(IIb):
    Figure 0005447957

    を有する少なくとも1種類のアリールイオウ化合物を、塩素、並びに式(III)
    (III)
    を有するフルオロ塩と反応させて式(IV):
    Figure 0005447957

    を有するアリールイオウハロテトラフルオリドを形成し、得られるアリールイオウハロテトラフルオリドを固体または1気圧において0℃以上の沸点を有する液体のフッ化物源と反応させてアリールイオウペンタフルオリドを形成する;
    (上式において、R、R、R、R、及びRは、それぞれ、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルキル基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基、ニトロ基、シアノ基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルカンスルホニル基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアレーンスルホニル基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルコキシ基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリールオキシ基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアシルオキシ基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルカンスルホニルオキシ基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアレーンスルホニルオキシ基、2〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、7〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリールオキシカルボニル基、2〜18個の炭素原子を有する置換カルバモイル基、1〜18個の炭素原子を有する置換アミノ基、及びSF基であり;
    は、水素原子、シリル基、金属原子、アンモニウム基、ホスホニウム基、又はハロゲン原子であり;
    Mは、アルカリ金属原子であり;
    Xは、塩素原子である)
    ことを含む上記方法。
  2. フッ化物源が、周期律表の典型元素のフッ化物、周期律表の遷移元素のフッ化物、これらの典型元素及び/又は遷移元素のフッ化物の混合物若しくは化合物、並びにこれらのフッ化物と有機分子との混合物、塩、又はコンプレックスからなる群から選択される少なくとも1つの物質である、請求項1に記載の方法。
  3. 得られるアリールイオウハロテトラフルオリドとフッ化物源との反応を、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類の存在下で行ってアリールイオウペンタフルオリドを形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  4. 式(I):
    Figure 0005447957

    を有するアリールイオウペンタフルオリドの製造方法であって、
    式(V):
    Figure 0005447957

    を有するアリールイオウトリフルオリドを、塩素、並びに式(III)
    (III)
    を有するフルオロ塩と反応させて式(IV):
    Figure 0005447957

    を有するアリールイオウハロテトラフルオリドを形成し、得られるアリールイオウハロテトラフルオリドを固体または1気圧において0℃以上の沸点を有する液体のフッ化物源と反応させてアリールイオウペンタフルオリドを形成する;
    (上式において、R、R、R、R、及びRは、それぞれ、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルキル基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基、ニトロ基、シアノ基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルカンスルホニル基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアレーンスルホニル基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルコキシ基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリールオキシ基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアシルオキシ基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルカンスルホニルオキシ基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアレーンスルホニルオキシ基、2〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、7〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリールオキシカルボニル基、2〜18個の炭素原子を有する置換カルバモイル基、1〜18個の炭素原子を有する置換アミノ基、及びSF基であり;
    は、水素原子、シリル基、金属原子、アンモニウム基、ホスホニウム基、又はハロゲン原子であり;
    Mは、アルカリ金属原子であり;
    Xは、塩素原子である)
    ことを含む上記方法。
  5. フッ化物源が、周期律表の典型元素のフッ化物、周期律表の遷移元素のフッ化物、これらの典型元素及び/又は遷移元素のフッ化物の混合物若しくは化合物、並びにこれらのフッ化物と有機分子との混合物、塩、又はコンプレックスからなる群から選択される少なくとも1つの物質である、請求項4に記載の方法。
  6. 得られるアリールイオウハロテトラフルオリドとフッ化物源との反応を、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類の存在下で行ってアリールイオウペンタフルオリドを形成することを更に含む、請求項4に記載の方法。
  7. 式(IV):
    Figure 0005447957

    を有するアリールイオウハロテトラフルオリドの製造方法であって、
    式(IIa)又は式(IIb):
    Figure 0005447957

    を有する少なくとも1種類のアリールイオウ化合物を、塩素、並びに式(III):
    (III)
    を有するフルオロ塩と反応させてアリールイオウハロテトラフルオリドを形成する;
    (上式において、R、R、R、R、及びRは、それぞれ、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルキル基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基、ニトロ基、シアノ基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルカンスルホニル基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアレーンスルホニル基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルコキシ基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリールオキシ基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアシルオキシ基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルカンスルホニルオキシ基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアレーンスルホニルオキシ基、2〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、7〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリールオキシカルボニル基、2〜18個の炭素原子を有する置換カルバモイル基、1〜18個の炭素原子を有する置換アミノ基、及びSF基であり;
    は、水素原子、シリル基、金属原子、アンモニウム基、ホスホニウム基、又はハロゲン原子であり;
    Mは、アルカリ金属原子、であり;
    Xは、塩素原子である)
    ことを含む上記方法。
  8. 式(IV):
    Figure 0005447957

    を有するアリールイオウハロテトラフルオリドの製造方法であって、
    式(V):
    Figure 0005447957

    を有するアリールイオウトリフルオリドを、塩素、並びに式(III):
    (III)
    を有するフルオロ塩と反応させてアリールイオウハロテトラフルオリドを形成する;
    (上式において、R、R、R、R、及びRは、それぞれ、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルキル基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基、ニトロ基、シアノ基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルカンスルホニル基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアレーンスルホニル基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルコキシ基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリールオキシ基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアシルオキシ基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルカンスルホニルオキシ基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアレーンスルホニルオキシ基、2〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、7〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリールオキシカルボニル基、2〜18個の炭素原子を有する置換カルバモイル基、1〜18個の炭素原子を有する置換アミノ基、及びSF基であり;
    Mは、アルカリ金属原子であり;
    Xは、塩素原子である)
    ことを含む上記方法。
  9. 式(I):
    Figure 0005447957

    を有するアリールイオウペンタフルオリドの製造方法であって、
    式(IV):
    Figure 0005447957

    を有するアリールイオウハロテトラフルオリドを、固体または1気圧において0℃以上の沸点を有する液体のフッ化物源と反応させてアリールイオウペンタフルオリドを形成する;
    (上式において、R、R、R、R、及びRは、それぞれ、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルキル基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基、ニトロ基、シアノ基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルカンスルホニル基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアレーンスルホニル基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルコキシ基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリールオキシ基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアシルオキシ基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルカンスルホニルオキシ基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアレーンスルホニルオキシ基、2〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、7〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリールオキシカルボニル基、2〜18個の炭素原子を有する置換カルバモイル基、1〜18個の炭素原子を有する置換アミノ基、及びSF基であり;
    Xは、塩素原子である)
    ことを含む上記方法。
  10. フッ化物源が、周期律表の典型元素のフッ化物、周期律表の遷移元素のフッ化物、これらの典型元素及び/又は遷移元素のフッ化物の混合物若しくは化合物、並びにこれらのフッ化物と有機分子との混合物、塩、又はコンプレックスからなる群から選択される少なくとも1つの物質である、請求項9に記載の方法。
  11. 式(I):
    Figure 0005447957

    を有するアリールイオウペンタフルオリドの製造方法であって、
    式(IV):
    Figure 0005447957

    を有するアリールイオウハロテトラフルオリドを、塩素、臭素、ヨウ素、及びハロゲン間化合物の群から選択されるハロゲン類の存在下で固体または1気圧において0℃以上の沸点を有する液体のフッ化物源と反応させてアリールイオウペンタフルオリドを形成する;
    (上式において、R、R、R、R、及びRは、それぞれ、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルキル基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリール基、ニトロ基、シアノ基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルカンスルホニル基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアレーンスルホニル基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルコキシ基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリールオキシ基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアシルオキシ基、1〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルカンスルホニルオキシ基、6〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアレーンスルホニルオキシ基、2〜18個の炭素原子を有する置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、7〜30個の炭素原子を有する置換又は非置換のアリールオキシカルボニル基、2〜18個の炭素原子を有する置換カルバモイル基、1〜18個の炭素原子を有する置換アミノ基、及びSF基であり;
    Xは、塩素原子である)
    ことを含む上記方法。
  12. フッ化物源が、周期律表の典型元素のフッ化物、周期律表の遷移元素のフッ化物、これらの典型元素及び/又は遷移元素のフッ化物の混合物若しくは化合物、並びにこれらのフッ化物と有機分子との混合物、塩、又はコンプレックスからなる群から選択される少なくとも1つの物質である、請求項11に記載の方法。
  13. 式(IV’):
    Figure 0005447957

    (式中、R1’、R2’、R3’、R4’、及びR5’は、それぞれ、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有する線状又は分岐のアルキル基、或いはニトロ基であり;R3’が水素原子、メチル基、又はニトロ基である場合には、R1’、R2’、R4’、及びR5’の少なくとも1つは、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有する線状又は分岐のアルキル基、或いはニトロ基である)
    によって表されるアリールイオウクロロテトラフルオリド。
  14. tert−ブチルフェニルイオウクロロテトラフルオリドの各立体異性体、フルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリドの各立体異性体、クロロフェニルイオウクロロテトラフルオリドの各立体異性体、ブロモフェニルイオウクロロテトラフルオリドの各立体異性体、ジフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリドの各立体異性体、トリフロオロフェニルイオウクロロテトラフルオリドの各立体異性体、及び2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリドからなる群から選択される、請求項21に記載のアリールイオウクロロテトラフルオリド。
  15. 4−tert−ブチルフェニルイオウクロロテトラフルオリド、4−フルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリド、2−フルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリド、4−クロロフェニルイオウクロロテトラフルオリド、4−ブロモフェニルイオウクロロテトラフルオリド、3−ブロモフェニルイオウクロロテトラフルオリド、2,6−ジフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリド、2,4,6−トリフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリド、及び2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルイオウクロロテトラフルオリドである、請求項13に記載のアリールイオウクロロテトラフルオリド。
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