しかしながら、上述の測距方式では、人物を撮影する場合に、人物と測距エリアが重なる構図にして自動合焦を行い、合焦後、希望の構図に変更して撮影する必要があり、人物に合焦させて撮影を行う場合に手間がかかるという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、画面内の人物の位置/範囲に関わらず、画面内の人物の顔に合焦させて、自動合焦時と撮影時とで構図を変更することなく人物の撮影を行なうことが可能な撮像装置、自動合焦方法、およびその方法をコンピュータが実行するためのプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1にかかる発明は、自動合焦機能を備えた撮像装置において、被写体に応じた画像データを入力するための撮像手段と、前記撮像手段から入力される画像データの中から人物の顔を検出するための顔検出手段と、前記顔検出手段で検出された人物の顔を測距エリアとして、自動合焦制御を行う自動合焦制御手段と、を備え、前記自動合焦制御手段は、前記顔検出手段により検出された人物の顔の大きさを所定値と比較し、前記検出された人物の顔の大きさよりも前記所定値の方が大きい場合は、第1の大きさを持つ第1測距エリアを設定し、該第1測距エリアのコントラスト情報に基づいて自動合焦制御を行い、前記検出された人物の顔の大きさよりも前記所定値の方が小さい場合は、前記第1の大きさより大きい第2の大きさを持つ第2測距エリアを設定し、該第2測距エリアのコントラスト情報に基づいて自動合焦制御を行うものである。
上記発明によれば、撮像手段は、被写体に応じた画像データを入力し、顔検出手段は、撮像手段で入力した画像データの中から人物の顔を検出し、自動合焦制御手段は、顔検出手段で検出された人物の顔を測距エリアとして、自動合焦制御を行うことにより、人物がいると判定した位置に測距エリアを設定して合焦動作を実行する。特に、自動合焦制御手段は、顔検出手段により検出された人物の顔の大きさを所定値と比較し、検出された人物の顔の大きさよりも所定値の方が大きい場合は、第1の大きさを持つ第1測距エリアを設定し、該第1測距エリアのコントラスト情報に基づいて自動合焦制御を行い、検出された人物の顔の大きさよりも所定値の方が小さい場合は、第1の大きさより大きい第2の大きさを持つ第2測距エリアを設定し、該第2測距エリアのコントラスト情報に基づいて自動合焦制御を行う。これにより、人物の顔に対する合焦精度を向上させ、画面内の人物の位置に拘わらず、人物の顔にピントを合わせ、自動合焦動作時と撮影時とで構図を変更することなく人物の撮影を行うことができる。
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の撮像装置において、前記撮像手段から入力される画像データを表示する表示手段と、前記顔検出手段により人物の顔が検出された場合に、前記表示手段に表示される画像データにおける人物の顔の部分を枠で囲うことにより、人物の顔が検出された旨を使用者に報知するための報知手段と、を備えたものである。
上記発明によれば、表示手段は、撮像手段から入力される画像データを表示し、報知手段は、顔検出手段により人物の顔が検出された場合に、表示手段に表示される画像データにおける人物の顔の部分を枠で囲うことにより、人物の顔が検出された旨を使用者に報知する。これにより、画像データのどの部分を顔として検出したのかをユーザに分かりやすく報知して、顔検出が誤動作していないかをユーザに確認させ、撮影ミスを防止する。
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2に記載の撮像装置において、前記自動合焦制御手段は、前記顔検出手段により複数の顔が検出された場合には、中央部に近い顔を前記測距エリアとして、自動合焦制御を行うものである。
上記発明によれば、自動合焦制御手段は、前記顔検出手段により複数の顔が検出された場合には、中央部に近い顔を前記測距エリアとして、自動合焦制御を行う。画面内の複数の人物が存在す場合、中央部に顔がある被写体が主要被写体である確率が高く、また、集合写真では、中央部の顔に合焦させれば、その前後左右の顔が被写界深度に入り、前後左右の顔のピントが合う可能性が高くなる。
また、請求項4にかかる発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の撮像装置において、前記顔検出手段の顔検出動作の許可/禁止を使用者が設定するための顔検出動作設定手段を備え、前記自動合焦制御手段は、前記顔検出動作設定手段により前記顔検出手段の顔検出動作の許可が設定されている場合には、前記顔検出手段に顔検出動作を実行させ、検出された人物の顔を測距エリアとして、自動合焦制御を行う一方、前記顔検出動作設定手段により前記顔検出手段の顔検出動作の禁止が設定されている場合には、前記顔検出手段に顔検出動作を実行させることなく、自動合焦制御を行うものである。
上記発明によれば、使用者が顔検出手段の顔検出動作の許可/禁止を設定し、自動合焦制御手段は、使用者により前記顔検出手段の顔検出動作の許可が設定された場合には、顔検出手段に顔検出動作を実行させ、検出された人物の顔を測距エリアとして自動合焦制御を行う一方、使用者により顔検出手段の顔検出動作の禁止が設定されている場合には、顔検出手段に顔検出動作を実行させることなく、自動合焦制御を行い、自動合焦を行う際に、顔検出動作の許可/禁止を使用者が設定できるようにする。例えば、風景を撮影する場合などは、画面内に人物が入っていない場合が多い。かかる撮影では顔検出を行うことは無駄である。そこで、顔検出理動作の許可/禁止を使用者が設定できるようにすることにより、より迅速な撮影が可能となる。
また、請求項5にかかる発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の撮像装置において、前記自動合焦制御手段は、前記顔検出手段で検出された人物の顔を測距エリアとして自動合焦制御を行う毎に、その測距結果をメモリに記憶しておき、当該メモリに記憶された過去の測距結果から次の合焦位置を予測するものである。
上記発明によれば、自動合焦制御手段は、顔検出手段で検出された人物の顔を測距エリアとして自動合焦制御を行う毎に、その測距結果をメモリに記憶しておき、当該メモリに記憶された過去の測距結果から次の合焦位置を予測する。これにより、過去の合焦位置から次の合焦位置を予測して、迅速に合焦させ、迅速な撮影を可能とする。
また、請求項6にかかる発明は、被写体に応じた画像データを入力する画像入力工程と、前記画像入力工程で入力した画像データの中から人物の顔を検出する顔検出工程と、前記顔検出工程で検出された人物の顔を測距エリアとして、自動合焦制御を行う自動合焦制御工程と、を含み、前記自動合焦制御工程では、前記顔検出工程により検出された人物の顔の大きさを所定値と比較し、前記検出された人物の顔の大きさよりも前記所定値の方が大きい場合は、第1の大きさを持つ第1測距エリアを設定し、該第1測距エリアのコントラスト情報に基づいて自動合焦制御を行い、前記検出された人物の顔の大きさよりも前記所定値の方が小さい場合は、前記第1の大きさより大きい第2の大きさを持つ第2測距エリアを設定し、該第2測距エリアのコントラスト情報に基づいて自動合焦制御を行う自動合焦方法である。
上記発明によれば、被写体に応じた画像データを入力し、入力した画像データの中から人物の顔を検出し、検出された人物の顔を測距エリアとして、自動合焦制御を行うことにより、人物がいると判定した位置に測距エリアを設定して合焦動作を実行する。特に、自動合焦制御工程では、顔検出工程により検出された人物の顔の大きさに基づいて、測距エリアの大きさを設定して自動合焦制御を行う。これにより、人物の顔に対する合焦精度を向上させ、画面内の人物の位置に拘わらず、人物の顔にピントを合わせ、自動合焦動作時と撮影時とで構図を変更することなく人物の撮影を行うことができる。
また、請求項7にかかる発明は、請求項6に記載の自動合焦方法において、前記画像入力工程で入力した画像データを表示手段に表示する表示工程と、前記顔検出手段により人物の顔が検出された場合に、前記表示工程により前記表示手段に表示される画像データにおける人物の顔の部分を枠で囲うことにより、人物の顔が検出された旨を使用者に報知するための報知工程と、を含むものである。
上記発明によれば、撮像手段から入力される画像データを表示手段に表示し、人物の顔が検出された場合に、表示手段に表示される画像データにおける人物の顔の部分を枠で囲うことにより、人物の顔が検出された旨を使用者に報知する。これにより、画像データのどの部分を顔として検出したのかをユーザに分かりやすく報知して、顔検出が誤動作していないかをユーザに確認させ、撮影ミスを防止する。
また、請求項8にかかる発明は、請求項6または請求項7に記載の自動合焦方法において、前記自動合焦制御工程では、前記顔検出工程により複数の顔が検出された場合には、中央部に近い顔を前記測距エリアとして、自動合焦制御を行うものである。
上記発明によれば、複数の顔が検出された場合には、中央部に近い顔を測距エリアとして、自動合焦制御を行う。画面内の複数の人物が存在する場合、中央部に顔がある被写体が主要被写体である確率が高く、また、集合写真では、中央部の顔に合焦させれば、その前後左右の顔が被写界深度に入り、前後左右の顔のピントが合う可能性が高くなる。
また、請求項9にかかる発明は、請求項6〜請求項8のいずれか1つに記載の自動合焦方法において、さらに、前記顔検出工程の顔検出動作の許可/禁止を使用者が設定するための顔検出動作設定工程を含み、前記自動合焦制御工程では、前記顔検出動作設定工程により前記顔検出工程の顔検出動作の許可が設定されている場合には、前記顔検出工程に顔検出動作を実行させ、検出された人物の顔を測距エリアとして、自動合焦制御を行う一方、前記顔検出動作設定工程により前記顔検出工程の顔検出動作の禁止が設定されている場合には、前記顔検出工程に顔検出動作を実行させることなく、自動合焦制御を行うものである。
上記発明によれば、使用者が顔検出動作の許可/禁止を設定し、使用者により顔検出動作の許可が設定された場合には、顔検出動作を実行して検出された人物の顔を測距エリアとして自動合焦制御を行う一方、使用者により顔検出動作の禁止が設定されている場合には、顔検出動作を実行することなく自動合焦制御を行うことにより、自動合焦を行う際に、顔検出動作の許可/禁止を使用者が設定できるようにする。例えば、風景を撮影する場合などは、画面内に人物が入っていない場合が多い。かかる撮影では顔検出を行うことは無駄である。そこで、顔検出理動作の許可/禁止を使用者が設定できるようにすることにより、より迅速な撮影が可能となる。
また、請求項10にかかる発明は、請求項6〜請求項9のいずれか1つに記載の自動合焦方法において、前記自動合焦制御工程では、前記顔検出工程で検出された人物の顔を測距エリアとして自動合焦制御を行う毎に、その測距結果をメモリに記憶しておき、当該メモリに記憶された過去の測距結果から次の合焦位置を予測するものである。
上記発明によれば、検出された人物の顔を測距エリアとして自動合焦制御を行う毎に、その測距結果をメモリに記憶しておき、当該メモリに記憶された過去の測距結果から次の合焦位置を予測する。これにより、過去の合焦位置から次の合焦位置を予測して、迅速に合焦させ、迅速な撮影を可能とする。
また、請求項11にかかる発明は、請求項6〜請求項10のいずれか1つに記載の自動合焦方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
上記発明によれば、コンピュータでプログラムを実行することにより、人物がいると判定した位置に測距エリアを設定して合焦動作を実行し、人物の顔に対する合焦精度を向上させ、画面内の人物の位置に拘わらず、人物の顔にピントを合わせ、自動合焦動作時と撮影時とで構図を変更することなく人物の撮影を行う。
請求項1にかかる発明によれば、自動合焦機能を備えた撮像装置において、被写体に応じた画像データを入力するための撮像手段と、前記撮像手段から入力される画像データの中から人物の顔を検出するための顔検出手段と、前記顔検出手段で検出された人物の顔を測距エリアとして、自動合焦制御を行う自動合焦制御手段と、を備え、前記自動合焦制御手段は、前記顔検出手段により検出された人物の顔の大きさを所定値と比較し、前記検出された人物の顔の大きさよりも前記所定値の方が大きい場合は、第1の大きさを持つ第1測距エリアを設定し、該第1測距エリアのコントラスト情報に基づいて自動合焦制御を行い、前記検出された人物の顔の大きさよりも前記所定値の方が小さい場合は、前記第1の大きさより大きい第2の大きさを持つ第2測距エリアを設定し、該第2測距エリアのコントラスト情報に基づいて自動合焦制御を行うこととしたので、画面内の人物の顔を測距エリアとして自動合焦動作を実行して、人物の顔に対する合焦精度を向上させ、画面内の人物の位置に拘わらず、人物の顔にピントを合わせることができ、自動合焦動作時と撮影時とで構図を変更することなく人物の撮影を行うことが可能となる。
また、請求項2にかかる発明によれば、請求項1に記載の撮像装置において、前記撮像手段から入力される画像データを表示する表示手段と、前記顔検出手段により人物の顔が検出された場合に、前記表示手段に表示される画像データにおける人物の顔の部分を枠で囲うことにより、人物の顔が検出された旨を使用者に報知するための報知手段と、を備えているので、請求項1にかかる発明の効果に加えて、画像データのどの部分を顔として検出したのかをユーザに分かりやすく報知して、顔検出が誤動作していないかをユーザに確認させることができ、ユーザの撮影ミスを防止することが可能となる。
また、請求項3にかかる発明によれば、請求項1または請求項2に記載の撮像装置において、前記自動合焦制御手段は、前記顔検出手段により複数の顔が検出された場合には、中央部に近い顔を前記測距エリアとして、自動合焦制御を行うこととしたので、請求項1または請求項2にかかる発明の効果に加えて、高い確率で主要被写体にピントを合わせることができ、また、集合写真においても、中央部の顔に対して前後左右にある顔も高い確率でピントを合わせる可能性を高くすることが可能となる。
また、請求項4にかかる発明によれば、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の撮像装置において、前記顔検出手段の顔検出動作の許可/禁止を使用者が設定するための顔検出動作設定手段を備え、前記自動合焦制御手段は、前記顔検出動作設定手段により前記顔検出手段の顔検出動作の許可が設定されている場合には、前記顔検出手段に顔検出動作を実行させ、検出された人物の顔を測距エリアとして、自動合焦制御を行う一方、前記顔検出動作設定手段により前記顔検出手段の顔検出動作の禁止が設定されている場合には、前記顔検出手段に顔検出動作を実行させることなく、自動合焦制御を行うこととしたので、請求項1〜請求項3のいずれか1つにかかる発明の効果に加えて、使用者が、顔検出動作の許可/禁止を設定して不要な顔検出動作を省くことができ、より迅速な撮影が可能となる。
また、請求項5にかかる発明によれば、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の撮像装置において、前記自動合焦制御手段は、前記顔検出手段で検出された人物の顔を測距エリアとして自動合焦制御を行う毎に、その測距結果をメモリに記憶しておき、当該メモリに記憶された過去の測距結果から次の合焦位置を予測することとしたので、請求項1〜請求項4のいずれか1つにかかる発明の効果に加えて、過去の合焦位置から次の合焦位置を予測して、迅速に合焦でき、迅速な撮影が可能となる。
また、請求項6にかかる発明によれば、被写体に応じた画像データを入力する画像入力工程と、前記画像入力工程で入力した画像データの中から人物の顔を検出する顔検出工程と、前記顔検出工程で検出された人物の顔を測距エリアとして、自動合焦制御を行う自動合焦制御工程と、を含み、前記自動合焦制御工程では、前記顔検出工程により検出された人物の顔の大きさを所定値と比較し、前記検出された人物の顔の大きさよりも前記所定値の方が大きい場合は、第1の大きさを持つ第1測距エリアを設定し、該第1測距エリアのコントラスト情報に基づいて自動合焦制御を行い、前記検出された人物の顔の大きさよりも前記所定値の方が小さい場合は、前記第1の大きさより大きい第2の大きさを持つ第2測距エリアを設定し、該第2測距エリアのコントラスト情報に基づいて自動合焦制御を行うこととしたので、画面内の人物の顔を測距エリアとして自動合焦動作を実行して、人物の顔に対する合焦精度を向上させ、画面内の人物の位置に拘わらず、人物の顔にピントを合わせることができ、自動合焦動作時と撮影時とで構図を変更することなく人物の撮影を行うことが可能となる。
また、請求項7にかかる発明によれば、請求項6に記載の自動合焦方法において、前記画像入力工程で入力した画像データを表示手段に表示する表示工程と、前記顔検出手段により人物の顔が検出された場合に、前記表示工程により前記表示手段に表示される画像データにおける人物の顔の部分を枠で囲うことにより、人物の顔が検出された旨を使用者に報知するための報知工程と、を含むこととしたので、請求項6にかかる発明の効果に加えて、画像データのどの部分を顔として検出したのかをユーザに分かりやすく報知して、顔検出が誤動作していないかをユーザに確認させることができ、ユーザの撮影ミスを防止することが可能となる。
また、請求項8にかかる発明によれば、請求項6または請求項7に記載の自動合焦方法において、前記自動合焦制御工程では、前記顔検出工程により複数の顔が検出された場合には、中央部に近い顔を前記測距エリアとして、自動合焦制御を行うこととしたので、請求項6または請求項7にかかる発明の効果に加えて、高い確率で主要被写体にピントを合わせることができ、また、集合写真においても、中央部の顔に対して前後左右にある顔も高い確率でピントを合わせる可能性を高くすることが可能となる。
また、請求項9にかかる発明によれば、請求項6〜請求項8のいずれか1つに記載の自動合焦方法において、さらに、前記顔検出工程の顔検出動作の許可/禁止を使用者が設定するための顔検出動作設定工程を含み、前記自動合焦制御工程では、前記顔検出動作設定工程により前記顔検出工程の顔検出動作の許可が設定されている場合には、前記顔検出工程に顔検出動作を実行させ、検出された人物の顔を測距エリアとして、自動合焦制御を行う一方、前記顔検出動作設定工程により前記顔検出工程の顔検出動作の禁止が設定されている場合には、前記顔検出工程に顔検出動作を実行させることなく、自動合焦制御を行うこととしたので、請求項6〜請求項8のいずれか1つにかかる発明の効果に加えて、使用者が、顔検出動作の許可/禁止を設定して不要な顔検出動作を省くことができ、より迅速な撮影が可能となる。
また、請求項10にかかる発明によれば、請求項6〜請求項9のいずれか1つに記載の自動合焦方法において、前記自動合焦制御工程では、前記顔検出工程で検出された人物の顔を測距エリアとして自動合焦制御を行う毎に、その測距結果をメモリに記憶しておき、当該メモリに記憶された過去の測距結果から次の合焦位置を予測することとしたので、請求項6〜請求項9のいずれか1つにかかる発明の効果に加えて、過去の合焦位置から次の合焦位置を予測して、迅速に合焦でき、迅速な撮影が可能となる。
また、請求項11にかかる発明によれば、請求項6〜請求項10のいずれか1つに記載の自動合焦方法をコンピュータに実行させるので、画面内の人物の顔を測距エリアとして自動合焦動作を実行して、人物の顔に対する合焦精度を向上させ、画面内の人物の位置に拘わらず、人物の顔にピントを合わせることができ、自動合焦動作時と撮影時とで構図を変更することなく人物の撮影を行うことが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明にかかる撮像装置、自動合焦方法、およびその方法をコンピュータが実行するためのプログラムを適用したデジタルカメラの好適な実施の形態を、(実施の形態1)、(実施の形態2)、(変形例1)、(変形例2)の順に詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかるデジタルカメラの外観構成図であり、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は上面図を示している。図1は、上蓋が開成された状態を示している。同図において、1はカメラ本体、2は撮影レンズ、3はストロボ、4はファインダ、5は開閉可能に設けられた上蓋、6は上蓋5を開閉可能に支持するヒンジ、7は上蓋5の内側に設けられた液晶モニタ、8は上蓋5の外側に設けられたサブLCD、9は上蓋5の開閉を検出するための上蓋開閉検知スイッチ、10はバリア開閉つまみ、11は撮影等の動作指示を行うためのレリーズスイッチ、12は各モードを選択するためのモード切換えスイッチ、13はストロボ発光を行うためのストロボスイッチ、14は撮影画質を設定するための画質モードスイッチ、15はカーソルキー、16は日付を入力するためのDATEスイッチ、17はENTERキー、18はSELECTキーを示している。
モード切換えスイッチ12は、(1)カメラの設定を変更したり、確認するためのSETUPモード、(2)静止画を記録するための静止画モード、(3)動画を記録するための動画モード、(4)記録したファイルを再生するための再生モード、(5)パソコンと接続して、パソコンにファイルを送ったり、パソコンからカメラ操作するためのPCモード、および(6)ネットワークを介して通信を行うための通信モード等を選択するためのものである。
図2は、実施の形態1にかかるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。同図に示すデジタルカメラは、撮影レンズ2(ズームレンズ2a、フォーカスレンズ2b)、メカ機構(メカニカルシャッタ、絞り、フィルタ等)101、CCD102、F/E(CDS回路、AGC回路、A/D変換回路)103、IPP104、圧縮/伸張回路105、メモリカード106、DRAM107、液晶モニタ7、サブLCD10、操作部108、モータ(ズームレンズモータ109a、フォーカスモータ109b、絞り・シャッターモータ109c)109、ドライバ(ズームドライバ110a、フォーカスドライバ110b、絞り・シャッタードライバ110c)110、SG111、電池112、DC/DCコンバータ113、ACアダプタ114、コントローラ(CPU115a、FLASH_ROM115b、SD_RAM115c)115、通信ドライバ部116、ネットワーク通信部117を備えている。
撮影レンズ2は、被写体を結像するためのものであり、ズーム機能を実現するためのズームレンズ2aと、被写体に合焦させるためのフォーカスレンズ2bとからなる。メカ機構101は、メカニカルシャッタ、被写体の明るさを調整するための絞りや、フィルタ等からなる。CCD102は、撮影レンズ2により結像された被写体像を電気信号に変換して、アナログの画像データとしてF/E103に出力する。
F/E103は、CCD102から入力されるアナログの画像データに対して前処理を施すものであり、CCD102から入力されるアナログの画像データを相関二重サンプリングするCDS回路と、CDS回路から出力されるアナログの画像データのゲインを調整するAGC回路と、AGC回路から出力されるアナログの画像データに対してA/D変換を行って、デジタルの画像データをIPP104に出力するA/D変換回路とからなる。
IPP104は、入力される画像データに対して各種画像処理を施すものであり、例えば、F/E103から入力されるカラー画像データに対して補間処理を行った後、YUVデータ(輝度Yデータ、色差U、Vデータ)に変換する。
圧縮/伸張回路105は、YUVデータを、JPEG方式に準拠した圧縮方式で圧縮処理したり、また、メモリカードに格納されている圧縮画像データをJPEG方式に準拠した伸張方式で伸張処理する。
DRAM107は、撮像した画像データやメモリカード106から読み出した画像データ等を一時的に格納するためのフレームメモリである。メモリカード106は、デジタルカメラ本体に対して着脱可能に設けられ、圧縮画像データを画像ファイルとして格納する。
液晶モニタ7は、画像データ等を表示するためのものである。サブLCD8は、デジタルカメラの設定されているモードや動作内容を表示するためのものである。
ズームドライバ110aは、コントローラ115から入力される制御信号に応じて、ズームモータ109aを駆動して、ズームレンズ2aを光軸方向に移動させる。フォーカスドライバ110bは、コントローラ115から入力される制御信号に応じて、フォーカスモータ109bを駆動して、フォーカスレンズ2bを光軸方向に移動させる。絞り・シャッタードライバ110cは、コントローラ115から入力される制御信号に応じて、絞り・シャッターモータ119cを駆動して、メカ機構101の絞りの絞り値の設定やメカ機構101のメカニカルシャッタの開閉駆動を行う。
SG111は、コントローラ115から入力される制御信号に基づいて、CCD10や2F/E103を駆動する。電池112は、例えば、NiCd、ニッケル水素、リチウム等の電池からなり、DC/DCコンバータ113にDC電圧を供給する。ACアダプタ114は、AC電圧をDC電圧に変換してDC/DCコンバータ16に供給する。DC/DCコンバータ113は、電池112やACアダプタ114から入力されるDC電圧のレベルを変換して、デジタルカメラの各部に電力を供給する。
通信ドライバ116は、外部装置(例えば、パーソナルコンピュータ等)と接続して、データ通信を行うためのものである。ネットワーク通信部117は、ネットワークとデータ通信するためのものである。
操作部108は、使用者がデジタルカメラに各種指示を与えるための上記図1に示す各種キーやスイッチ(レリーズスイッチ11、モード切換えスイッチ12、ストロボスイッチ13、画質モードスイッチ14、カーソルキー15、DATEスイッチ16、ENTERキー17、SELECTキー18)を備えており、各種キーやスイッチの操作を検出してコントローラ115に出力する。上述のレリーズスイッチ11は、2段階のSWとなっており、その半押し(第1の押し込みストローク)で第1SWオン、その全押し(第2の押し込みストローク)で第2SWオンとなる。デジタルカメラでは、第1SWがオンされるとAE動作およびAF動作が実行され、さらに、第2SWがオンされると撮影動作が実行される。
図3は、操作部108のモード切換えスイッチ12でSETUPモードが選択された場合に、液晶モニタ7に表示される記録条件のユーザ設定画面を示している。同図に示す記録条件のユーザ設定画面は、各項目の設定条件(”フォーカス”の[AF/マニュアル]、”顔検出(顔検出動作モード)”の「ON/OFF]、”測光点”の「オート/マニュアル]、”長時間露光”の「ON/OFF]、”日付入り”の[ON/OFF])をユーザが設定するための画面である。同図に示す画面で、カーソルキー15により、所望の項目を選択し、選択した項目でSELECTキー18で所望の設定条件を選択し、ENTERキー17で選択した設定条件が設定される。同図に示す例では、”フォーカス”は[AF]、”顔検出(顔検出動作モード)”は「ON]、”測光点”は「オート]、”長時間露光”は「OFF]、”日付入り”は[OFF]が設定されている。
コントローラ115は、デジタルカメラの全体の動作を制御するユニットであり、操作部108からの指示に基づいて、FLASH_ROM115bに格納された制御プログラムに従って、SD_RAM115cをワークエリアとして使用して、デジタルカメラの各部の動作を制御するCPU115aと、CPU115aが実行するための各種制御プログラムや制御に必要なパラメータやデータ等を格納するFLASH_ROM115bと、CPU115aのワークエリアとして使用されるSD_RAM115cとから構成されている。FLASH_ROM115bに格納される制御プログラム、パラメータ、およびデータは、ネットワークを介して配信可能となっており、また、ネットワークを介してダウンロードして格納可能となっている。また、FLASH_ROM115bには、通信ドライバ部116を介して接続される外部装置からプログラム、パラメータ、およびデータが書込可能となっている。
また、CPU115aは、モニタリング動作、AF動作、AE動作、撮影動作等を制御する。つぎに、上記CPU115aの制御により実行される(1)モニタリング動作、(2)AF動作、(3)静止画撮影動作の基本的な動作の概略を説明する。
(1)モニタリング動作
操作部108のモード切換えスイッチ12で静止画モードや動画モードが選択されると、CPU115aは、液晶モニタ7には被写体のモニタリング画像を表示する。具体的には、CCD102より入力される被写体の画像データは、F/E(CDS、AGC、A/D)103で処理された後、IPP104で信号処理されて、DRAM107に書き込まれる。CPU115aは、DRAM107に格納された画像データに応じたモニタリング画像を液晶モニタ7に表示する。使用者は、この液晶モニタ7に表示される被写体のモニタリング画像を見て撮影の構図を決定することができる。
(2)AF動作
操作部108のモード切換えスイッチ12で静止画モードや動画モードが選択された後、レリーズスイッチ11が半押しされてSW1がオンされると、CPU115aは、AF動作を実行する。具体的には、AF動作では、顔検出モードが設定されている場合には、まず、顔検出処理を実行して人物の顔の検出を行う。具体的には、CCD102より入力された画像データは、F/E(CDS、AGC、A/D)103で処理された後、IPP104で信号処理され、DRAM107に書き込まれる。CPU115aは、DRAM107に格納された画像データから公知の顔認識技術(ガボール・ウェーブレット変換+グラフマッチング)を使用して、人物の顔を検出する。そして、CPU115aは、検出した人物の顔を測距エリア(AFエリア)として、山登りサーボ法等の公知の自動合焦方式を使用した自動合焦処理を実行して、フォーカスレンズ2bを合焦位置に移動させて人物の顔にフォーカスを合わせる。より具体的には、自動合焦処理では、フォーカスレンズ2bを移動させて、CCD102から入力される画像データのうち、測距エリア(AFエリア)内の画像データに応じた被写体のコントラストを示すAF評価値をサンプリングし、AF評価値のピーク位置を合焦位置とする。
なお、ここでは、CPU115aが制御プログラムを実行して顔検出を行うこととしたが、顔検出のための専用のハードウエアを設けることにしても良い。
(3)静止画撮影動作
CPU115aは、操作部108のモード切換えスイッチ12で静止画モードが選択され後、操作部108のレリーズスイッチが全押しされてSW2がオンされると、静止画撮影動作を実行する。CCD102から取り込まれた撮像データは、IPP104で信号処理され、圧縮/伸張回路105で圧縮処理が行われた後、DRAM107に書き込まれる。そして、CPU115aは、DRAM107に書き込まれた圧縮画像データを静止画ファイルとしてメモリカード106に書き込む。
図4は、上記デジタルカメラのAF動作を説明するためのフローチャートである。図5〜図6は、液晶モニタ7の表示例を示す図である。図5は被写体の人物の顔が1つの場合の表示例、図6は被写体の人物の顔が複数(2つ)の場合の表示例を示している。上記デジタルカメラのAF動作を図4のフローチャートに従って、図5および図6の液晶モニタ7の表示例を参照しつつ説明する。CPU115aは、操作部108のモード切換えスイッチ12で静止画モードや動画モードが選択された後、レリーズスイッチ13が半押しされてSW1がONされた場合にAF処理を実行する。
図4において、まず、CPU115aは、人物の顔検出を実行する顔検出動作モードであるか否かを判断する(ステップS1)。顔検出動作モードは、上述の記録条件のユーザ設定画面で設定される(上記図3参照)。この判断の結果、顔検出動作モードであると判断した場合には、CPU115aは、顔検出処理を実行して顔の検出を行う(ステップS2)。
被写体像の中から顔を検出する方法は、以下に示す(1)〜(3)の手法が公知となっており、本実施の形態1では、そのうちのいずれかの方法を用いるものとする。
(1)テレビジョン学会誌Vol.49、No.6、pp.787−797(1995)の「顔領域抽出に有効な修正HSV表色系の提案」に示されるように、カラー画像をモザイク画像化し、肌色領域に着目して顔領域を抽出する方法。
(2)電子情報通信学会誌Vol.74−D−II、No.11、pp.1625−1627(1991)の「静止濃淡情景画像からの顔領域を抽出する手法」に示されているように、髪や目や口など正面人物像の頭部を構成する各部分に関する幾何学的な形状特徴を利用して正面人物の頭部領域を抽出する方法。
(3)画像ラボ1991−11(1991)の「テレビ電話用顔領域検出とその効果」に示されるように、動画像の場合、フレーム間の人物の微妙な動きによって発生する人物像の輪郭エッジを利用して正面人物像を抽出する方法。
また、CPU115aは、人物の顔を検出した場合には、目、鼻、口、耳の検出を行う。顔の中の目、鼻、口、耳の検出は公知の方法を使用して検出することができる。例えば、目の検出は、特開平3−17696号公報、特開平4−255015号公報、特開平5−300601号公報、および特開平9−21611号公報、特開平9−251342号公報等に記載されている技術を使用することができる。
そして、CPU115aは、顔を検出したか否かを判断する(ステップS3)。この判断の結果、顔を検出した場合には、CPU115aは、液晶モニタ7に表示されている画像データにおいて、人物の顔部分に矩形の枠を表示(顔検出実行結果OK表示)して、顔が検出された旨をユーザに報知する(ステップS4)。図5(A)は、液晶モニタ7に表示される画像データ(モニタリング画像)の表示例(人物の顔が1つの場合)を示している。図5(B)は、図5(A)の画像データの人物の顔部分に矩形の枠Aを表示した場合の表示例を示している。図6(A)は、人物の顔が複数(2つ)ある場合の液晶モニタ7に表示される画像データ(モニタリング画像)の表示例を示している。図6(B)は、図6(A)の画像データの人物の顔部分に矩形の枠A1、A2を表示した場合の表示例を示している。
そして、CPU115aは、複数の顔があるか否かを判断する(ステップS5)。この判断の結果、複数の顔を検出した場合には、CPU115aは、ユーザが測距エリアを選択する測距エリア選択モードであるか否かを判断する(ステップS6)。測距エリア選択モードは、上述の記録条件のユーザ設定画面で設定される(上記図3参照)。この判断の結果、測距エリア選択モードでないと判断した場合には、CPU115aは、中央部に近い顔を測距エリアとして設定した後(ステップS7)、前述した自動合焦処理を実行する(ステップS8)。
他方、上記ステップS6で、測距エリア選択モードであると判断した場合には、CPU115aは、液晶モニタ7にユーザが測距エリアを選択するための文字等を表示する(ステップS11)。図6(C)は、図6(B)の画面でユーザが測距エリアを選択するための文字等(測距エリアを選択するためのガイダンス表示)を表示した表示例を示している。
続いて、ユーザの操作部108の操作で、液晶モニタ7に表示された顔認識した位置の中から所望の位置が測距エリアとして選択される(ステップS12)。上記図6(C)において、ユーザは、カーソルキー15の操作で矩形の枠A1、A2のいずれかを選択し、ENTERキー17で選択した矩形の枠を測距エリアとして決定する。図6(D)は、図6(C)において、矩形の枠A2が測距エリアとして選択された場合を示している。
CPU115aは、選択された矩形の枠内を測距エリアに設定した後(ステップS13)、上述の自動合焦処理を実行する(ステップS8)。
他方、上記ステップS5において、複数の顔を検出しなかった場合、すなわち、1つの顔のみを検出した場合には、顔の中で、目、鼻、口、耳を検出できたか否かを判断する(ステップS14)。この判断の結果、目、鼻、口、耳を検出できなかった場合には、CPU115aは、顔の中心位置を測距エリアに設定した後(ステップS17)、上述の自動合焦処理を行う(ステップS8)。
他方、上記ステップS14において、目、鼻、口、耳を検出できた場合には、ユーザが測距エリアを選択する測距エリア選択モードであるか否かを判断する(ステップS15)。この判断の結果、測距エリア選択モードでないと判断した場合には、CPU115aは、目の位置を測距エリアとして設定した後(ステップS18)、上述の自動合焦処理を実行する(ステップS8)。
また、上記ステップS15において、測距エリア選択モードであると判断した場合には、CPU115aは、液晶モニタ7に目、鼻、口、耳にそれぞれ矩形の枠を表示する(ステップS16)。図5(C)は、上記図5(A)の被写体の画像データにおいて、目、鼻、口にそれぞれ矩形の枠a1〜a4を表示した場合の表示例を示す図である。
そして、ユーザの操作部108の操作により、この液晶モニタ7に表示された目、鼻、口、耳を認識した位置の中から所望の位置が測距エリアとして選択される(ステップS12)。上記図5(C)において、ユーザは、カーソルキー15を操作で矩形の枠a1〜a4のいずれかを選択し、ENTERキー17で選択した矩形の枠を測距エリアとして決定する。図5(D)は、図5(C)において、矩形の枠a3が測距エリアとして選択された場合を示している。
CPU115aは、ユーザにより決定された矩形の枠内の顔の部分を測距エリアに設定した後(ステップS13)、上述の自動合焦処理を実行する(ステップS8)。
他方、上記ステップS1において顔検出動作モードでないと判断した場合、または、上記ステップS3において顔を検出しなかった場合には、通常の測距エリア位置を測距エリアとして設定した後(ステップS10)、上述の自動合焦処理を実行する(ステップS8)。そして、レリーズスイッチ11が全押しされると、撮影が行われる。
以上説明したように、実施の形態1によれば、CPU115aは、CCD102で入力した画像データの中から人物の顔を検出し、検出された人物の顔の少なくとも一部を測距エリアとして、自動合焦制御を行うこととしたので、画面内の人物の顔を測距エリアとして自動合焦動作を実行して、画面内の人物の位置に拘わらず、人物の顔にピントを合わせることができ、自動合焦動作時と撮影時とで構図を変更することなく人物の撮影を行うことが可能となる。
また、実施の形態1によれば、CPU115aは、人物の顔を検出した場合には、液晶モニタ7に表示される画像データの顔に矩形の枠(上記図5参照)を表示することにしてので、顔が検出された旨をユーザに報知して、ユーザに顔が検出された旨を識認させることができる。
また、実施の形態1によれば、CPU115aは、複数の顔が検出された場合には、中央部に近い顔を測距エリアとして、自動合焦制御を行うこととしたので、高い確率で主要被写体にピントを合わせることができ、また、集合写真においても、中央部の顔に対して前後左右にある顔も高い確率でピントを合わせる可能性を高くすることが可能となる。
また、実施の形態1によれば、複数の顔が検出された場合に、使用者が当該複数の顔の中から測距エリアを選択し(図6参照)、CPU115aは、使用者が選択した測距エリアに基づき自動合焦制御を行うこととしたので、どの人物に合焦させるかをユーザが選択することが可能となる。
また、実施の形態1によれば、顔検出動作の許可/禁止をユーザが設定可能としたので(上記図3参照)、使用者は、顔検出動作の許可/禁止を設定して不要な顔検出動作を省くことができ、より迅速な撮影が可能となる。
また、実施の形態1によれば、CPU115aは、人物の顔の目を検出した場合において、測距エリア選択モードが設定されていない場合には、目を測距エリアとして自動合焦制御を行うこととしたので、目にピントが合った画像を簡単に撮影することが可能となる。
また、実施の形態1によれば、人物の顔の目、口、鼻、耳のいずれかを検出した場合において、測距エリア選択モードが設定されている場合には、ユーザが、検出された目、鼻、口、耳の中から測距エリアを選択し、CPU115aは、ユーザに選択された測距エリアに基づき自動合焦制御を行うこととしたので、ユーザがピントを合わせたい顔の部分にピントを合わせることができ、ユーザの撮影意図を反映させることが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態2にかかるデジタルカメラを図7〜図9を参照して説明する。実施の形態2にかかるデジタルカメラの構成は、実施の形態1と同様の構成(図1および図2参照)とすることができる。実施の形態2のデジタルカメラは、検出した人物の顔の大きさに応じて測距エリアの大きさを変更するものである。
図7は、操作部108のモード切換えスイッチ12でSETUPモードが選択された場合に、液晶モニタ7に表示される記録条件のユーザ設定画面を示している。同図に示す記録条件のユーザ設定画面は、各項目の設定条件(”フォーカス”の[AF/マニュアル]、”顔検出(顔検出動作モード)”の「ON/OFF]、”測距エリア自動設定(測距エリア自動設定モード)”の「ON/OFF]、”測光点”の「オート/マニュアル]、”長時間露光”の「ON/OFF]、”日付入り”の[ON/OFF])をユーザが設定するための画面である。同図に示す画面で、カーソルキー15により、所望の項目を選択し、選択した項目でSELECTキー18で所望の設定条件を選択し、ENTERキー17で選択した設定条件が設定される。同図に示す例では、”フォーカス”は[AF]、”顔検出(顔検出動作モード)”は「ON]、”、”測距エリア自動設定(測距エリア自動設定モード)”の「ON]、”測光点”は「オート]、”長時間露光”は「OFF]、”日付入り”は[OFF]が設定されている。
図8は、実施の形態2のデジタルカメラのAF動作を説明するためのフローチャートである。図9は、液晶モニタ7の表示例を示す図である。実施の形態2のデジタルカメラのAF動作を図8のフローチャートに従って、図9の液晶モニタ7の表示例を参照しつつ説明する。CPU115aは、操作部108のモード切換えスイッチ12で静止画モードや動画モードが選択された後、レリーズスイッチ13が半押しされてSW1がONされた場合にAF処理を実行する。
図8において、まず、CPU115aは、人物の顔検出を実行する顔検出動作モードであるか否かを判断する(ステップS31)。顔検出動作モードは、上述の記録条件のユーザ設定画面で設定される(上記図7参照)。この判断の結果、顔検出動作モードであると判断した場合には、CPU115aは、実施の形態1と同様の顔検出処理を実行する(ステップS32)。
そして、CPU115aは、顔を検出したか否かを判断する(ステップS33)。この判断の結果、顔を検出した場合には、CPU115aは、液晶モニタ7に表示されている画像データにおいて、人物の顔部分に矩形の枠を表示(顔検出実行結果OK表示)して、顔が検出された旨をユーザに報知する(ステップS34)。
CPU115aは、自動的に測距エリアの大きさを設定する測距エリア自動設定モードであるか否かを判断する(ステップS35)。この測距エリア自動設定モードは、上述の記録条件のユーザ設定画面で設定される(上記図7参照)。この判断の結果、測距エリア自動設定モードである場合には、CPU115aは、検出した顔の大きさと所定値1を比較し(ステップS36)、顔の大きさが所定値1より大きくない場合、測距エリアの大きさ1を設定する(ステップS41)。他方、顔の大きさが所定値1より大きい場合、CPU115aは、顔の大きさが所定値2(但し、所定値2>所定値1)と比較し(ステップS37)、顔の大きさが所定値2よりも大きい場合には、CPU115aは、測距エリアの大きさ3を設定する一方(ステップS38)、顔の大きさが所定値2よりも大きくない場合には、測距エリアの大きさ2を設定する(ステップS42)。
他方、上記ステップS35において、測距エリア自動設定モードでない場合には、ユーザが測距エリアの大きさ1、2、3を設定する(ステップS43)。上記図5(A)は、液晶モニタ7に表示される画像データ(モニタリング画像)の表示例を示している。図9は、上記図5(A)の画面において、ユーザが、測距エリアの大きさを選択するための画面が表示されている。図9では、大きさの異なる3つの測距エリアの大きさ(大きさ1、大きさ2、大きさ3)が表示されており、ユーザは、カーソルキー15を操作して、大きさ1、大きさ2、大きさ3のいずれかを選択し、ENTERキー17で選択した大きさを測距エリアの大きさとして決定する。図9に示す例では、測距エリアの大きさ2が選択されている。
そして、CPU115aは、自動的に設定したまたはユーザが選択した大きさの測距エリアを検出した人物の顔の部分に設定した後、上述の自動合焦処理を実行する(ステップS39)。
他方、上記ステップS31において顔検出動作モードでないと判断した場合、または、上記ステップS33において顔を検出しなかった場合には、通常の測距エリア位置を測距エリアとして設定した後(ステップS40)、上述の自動合焦処理を実行する(ステップS39)。
以上説明したように、実施の形態2によれば、測距エリア自動判定モードが設定されている場合には、CPU115aは、検出した人物の顔の大きさに基づいて、測距エリアの大きさを自動的に設定して自動合焦制御を行うこととしたので、合焦精度を向上させることが可能となる。
また、実施の形態2によれば、測距エリア自動判定モードが設定されていない場合には、測距エリアの大きさを使用者が選択し(上記図9参照)、CPU115aは、使用者が選択した大きさの測距エリアを設定して自動合焦制御を行うこととしたので、顔の中の特定の部分にピントを合わせる場合に合焦精度を向上させることが可能となる。
なお、本発明は、上記した実施の形態1および実施の形態2に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変形可能であり、例えば、以下のような変形が可能である。
(変形例1)
本発明のデジタルカメラに、人物を撮影するための人物撮影モード(第1の撮影モード)と風景を撮影するための風景撮影モード(第2の撮影モード)を設け、このモードを例えばモード切り替えスイッチ12で選択できるようにしておき、CPU115aは、人物撮影モードが選択された場合に、顔検出処理を伴う自動合焦制御(上記図4のステップS1で「YES」以降の処理)を行い、風景撮影モードが選択された場合には、顔検出処理を行わないで、通常の測距エリアに基づいて自動合焦制御(上記図4のステップS1で「NO」以降の処理)を行うことにしても良い。これは、顔にピントを合わせる必要のある人物撮影モードでは、顔検出処理は必要であるが、顔にピントを合わせる必要のない風景撮影モードでは、顔検出処理は不要だからである。
(変形例2)
CPU115aは、顔検出処理で検出した顔を測距エリアとして自動合焦制御を行う毎に、その測距結果(合焦位置)をFLASH_ROM115bに記憶しておき、FLASH_ROM115bに記憶された過去の測距結果から次の合焦位置を予測することにしても良い。これにより、過去の合焦位置から次の合焦位置を予測して迅速に顔に合焦でき、迅速な撮影が可能となる。