JP5446706B2 - 内燃機関の制御方法および内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御方法および内燃機関に関し、更に詳しくは、吸気用、排気用またはその両方のバルブのリフト量の制御精度を向上させることが可能な流体圧式の可変動弁機構を有する内燃機関の制御方法および内燃機関に関する。
従来のディーゼル機関においては、シリンダ内への吸気およびシリンダ内からの排気のための吸気用および排気用のバルブの動作に際して、吸気用および排気用のバルブをカム駆動により開閉させている。カムシャフトは、エンジンの回転と同期して回転するため、吸気用および排気用のバルブの開閉時期はクランクアングルベースでは常に一定のタイミングとなっている。
ところで、近年、ディーゼル機関に対する排ガス規制や燃費規制は年々厳しくなっており、その規制値の達成には燃焼によるエンジン本体からの排出ガスの改善のみならず、エンジン本体からの排出後の排気管中に設置された排気後処理装置による排気ガスの浄化が必要となっている。
燃焼による排気ガス改善手法としては、燃料を圧縮行程早期に噴射し、着火までに混合期間を稼ぐ予混合ディーゼル燃焼を用いる方法が挙げられる。しかしながら、予混合ディーゼル燃焼は、着火が化学反応に依存するために着火時期の制御や高負荷域での適用が困難であるという問題がある。
また、排気後処理装置による排気ガスの浄化は触媒の温度に依存し、特に冷間始動時などにおいては触媒が活性化するまでにある程度の時間を要するという問題がある。
これらの問題に対して、吸気用および排気気用のバルブを従来のカムではなく流体圧により開閉し、吸気用および排気用のバルブの開閉時期を任意に設定することが可能な流体圧式の可変動弁機構の開発が進められている。この流体圧式の可変動弁機構では、高圧の作動流体を制御室に流入する時期および期間を制御することにより、吸気用および排気用のバルブの開閉時期およびリフト量を任意に設定している(例えば特許文献1,2参照)。
このような流体圧式の可変動弁機構を用いた場合、予混合ディーゼル燃料の着火制御や高負荷側での運転に際して吸気用のバルブの閉弁時期を遅角することによる有効圧縮比(圧縮端圧力)の低下が可能となり、また、排気後処理装置の昇温には排気用のバルブの開弁時期を燃焼期間中まで進角することによる高温の排気ガスの供給が可能となる。
しかしながら、流体圧式の可変動弁機構においては吸気用および排気用のバルブを流体圧のみによって開閉しているため、吸気用および排気用のバルブの開閉状態が外乱の影響を受け易い。特に、吸気用および排気用のバルブの開弁時においては、予め設定したバルブリフト量(設定バルブリフト量)を得るために必要なバルブ推力が、吸気用および排気用のバルブの前後(吸排気管側と気筒側)の圧力によって変化し、実際のバルブリフト量が要求値(目標値)からずれてしまう結果、気筒内の吸気量や吸気組成が変動する、という問題がある。
特開2003−328713号公報 特開2007−321737号公報
本発明の目的は、流体圧式の内燃機関における吸気用、排気用およびその両方のバルブのリフト量の制御精度を向上させることができる内燃機関の制御方法および内燃機関を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の内燃機関の制御方法は、制御室に作動流体を供給することによりクランクシャフトの回転角度に依存しない任意のタイミングで吸気用、排気用またはその両方のバルブを開閉する駆動装置を備える内燃機関の制御方法において、前記吸気用または排気用のバルブの開弁時期に、前記内燃機関の気筒内および吸排気口内の圧力を計測するステップと、前記計測された圧力に基づいて、前記気筒内の圧力と前記吸排気口内の圧力との差圧を算出するステップと、前記差圧を用いて、前記吸気用または排気用のバルブの開弁過程におけるリフト量に対する開弁方向へかかる力を求め、前記吸気用または排気用のバルブの設定リフト量を得るために必要なバルブ推力を次式から算出するステップと、前記算出されたバルブ推力を用いて、前記作動流体の必要供給量を算出するステップと、前記算出された作動流体の必要供給量に従って前記制御室に前記作動流体を供給することにより、前記吸気用または排気用のバルブを前記設定リフト量で開くステップとを有する。
Figure 0005446706
W:バルブ推力、Fv:開弁方向へかかる力、L:設定したリフト量
また、上記の内燃機関の制御方法において、前記吸気用または排気用のバルブの開弁時期に、さらに、前記算出された作動流体の必要供給量を用いて、前記作動流体を前記制御室内に供給する期間を特性マップにより決定するステップを有する。
上記の目的を達成するための本発明の内燃機関は、制御室に作動流体を供給することによりクランクシャフトの回転角度に依存しない任意のタイミングで吸気用、排気用またはその両方のバルブを開閉する駆動装置を備える内燃機関において、前記内燃機関の気筒内の圧力を計測する第1圧力センサと、前記内燃機関の吸排気口の圧力を計測する第2圧力センサと、前記吸気用または排気用のバルブの開弁時期に、前記第1、第2圧力センサにより測定された気筒内の圧力と吸排気口の圧力との差圧を算出し、この差圧を用いて、前記吸気用または排気用のバルブの開弁過程におけるリフト量に対する開弁方向へかかる力を求め、前記吸気用または排気用のバルブの設定リフト量を得るために必要なバルブ推力を次式から算出し、前記算出されたバルブ推力を用いて、前記作動流体の必要供給量を算出し、前記算出された作動流体の必要供給量に従って前記制御室に前記作動流体を供給することにより、前記吸気用または排気用のバルブを前記設定リフト量で開く制御部とを備えるものである。
Figure 0005446706
W:バルブ推力、Fv:開弁方向へかかる力、L:設定したリフト量
また、上記の内燃機関において、前記制御部は、さらに、前記吸気用または排気用のバルブの開弁時期に、前記算出された作動流体の必要供給量を用いて、前記作動流体を前記制御室内に供給する期間を特性マップにより決定する機能を備えるものである。
本発明の内燃機関の制御方法および内燃機関によれば、流体圧式の可変動弁機構部を持つ内燃機関における吸気用、排気用またはその両方のバルブのリフト量の制御精度を向上させることができる。このため、予混合ディーゼル燃焼の領域拡大、排気後処理装置の迅速な昇温および燃焼効率の向上等を実現することができる。したがって、排気ガスを低減でき、また、燃費を改善することができる。
本発明の実施の形態の内燃機関の要部断面図である。 図1の内燃機関の可変動弁システムの一例の構成図である。 図1の内燃機関の制御行程を示すフロー図である。 図1の内燃機関の圧力状態を示す要部断面図である。 図2の可変動弁システムにおける可変動弁機構部の圧力状態を示す要部拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態の内燃機関について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に本実施の形態の内燃機関の要部断面図を示す。本実施の形態の内燃機関は、例えば、トラックのような自動車に搭載される直列4気筒のコモンレール式のディーゼルエンジン1として構成される。なお、本発明はディーゼルエンジンに限定されず、ガソリンエンジン等に適用することもできる。
このディーゼルエンジン(以下、エンジンという)1は、シリンダ(気筒)2内のピストン3の頂面に凹設されたキャビティ(燃焼室)4内において圧縮されて高温になった空気に燃料を供給して自己着火させ、この時の自己着火による燃焼で生じる膨張ガスによってピストン3を駆動させる構成を有している。
シリンダ2は、ピストン3の往復運動を誘導するとともに燃料ガスを収める円筒状の部品である。シリンダ2の内周面には図示しないライナが形成されている。シリンダ2においてライナの外側の肉厚部にはシリンダ冷却用の冷却媒体が流れる冷却通路2aが形成されている。また、シリンダ2の内側上部には、シリンダ2内の圧力を計測する圧力センサ(第1圧力センサ)2bが設置されている。圧力センサ2bは、後述の電子制御ユニット(制御部:Engine Control Unit:以下、ECUという)に電気的に接続されている。
シリンダ2の内部には、ピストン3がシリンダ2の内周面のライナに沿って往復運動が可能な状態で設置されている。このピストン3の下部は、コネクティングロッド(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)に接続されている。このクランクシャフトにより、ピストン3の往復運動が回転運動に変換される。
このシリンダ2の上部のシリンダヘッド5において、ピストン3の頂面中央に対向する位置(シリンダ2およびピストン3の軸心C上)には、燃料をキャビティ4内に直接噴射するためのインジェクタ6が設置されている。
また、シリンダヘッド5においてインジェクタ6の左右には、吸気ポート(吸気口)7および排気ポート(排気口)8が設置されている。吸気ポート7は吸気管9に接続され、排気ポート8は排気管10に接続されている。
また、吸気ポート7には、吸気ポート7内の圧力を計測する圧力センサ(第2圧力センサ)11aが設置され、排気ポート8には、排気ポート8内の圧力を計測する圧力センサ(第2圧力センサ)11bが設置されている。圧力センサ11a,11bは、上記のECUに電気的に接続されている。
また、吸気ポート7側には吸気用のバルブ14a(14)が設置され、排気ポート8側には排気用のバルブ14b(14)が設置されている。吸気用のバルブ14aは吸気ポート7を開閉し、排気用のバルブ14bは排気ポート8を開閉する。なお、以下の説明では、吸気用のバルブ14aと排気用のバルブ14bとを統合して吸排気用のバルブ14と記す場合もある。
吸排気用のバルブ14(14a,14b)が図1の下方向に移動した時は開弁方向であり、図1の上方向に移動した時は閉弁方向である。これらの吸排気用のバルブ14(14a,14b)は、それぞれを駆動する可変動弁機構部(駆動装置)15(15a,15b)に機械的に接続されている。
次に、図2に、図1の可変動弁機構部15を含む可変動弁システムの一例を示す。なお、図2では1個の可変動弁機構部15(15a,15b)および1個の吸排気用のバルブ14(14a,14b)を例示している。また、図中の矢印は作動油(作動流体)の流れを示している。
まず、燃料噴射系について説明する。燃料タンク16は、フィルタ17を介してフィードポンプ18に接続されている。このフィードポンプ18の出口にはリリーフ弁(圧力調整弁)19が接続されており、フィードポンプ18のフィード圧が一定に保たれている。フィード圧は常圧より大きい(すなわち、燃料は加圧された状態にある)が、後述のコモンレール圧よりは著しく小さい。
また、フィードポンプ18の出口は、高圧ポンプ20に接続されている。これにより、燃料タンク16の燃料は、フィードポンプ18により吸引された後、リリーフ弁19により一定の圧力を保ちつつ、高圧ポンプ20に送られるようになっている。
高圧ポンプ20は、コモンレール21に接続されており、高圧ポンプ20からコモンレール21に燃料が圧送される。コモンレール21には、数10〜数100MPaのコモンレール圧の高圧燃料が貯留される。コモンレール21は、複数のインジェクタ6に接続されており、コモンレール21から各インジェクタ6に上記の高圧燃料が常時供給される。コモンレール21には、コモンレール圧を検出する圧力センサ(図示せず)が設置されている。この圧力センサは、ECU22に電気的に接続されている。また、インジェクタ6の電磁ソレノイドもECU22に電気的に接続されており、その動作がECU22により制御される。
ECU22は、エンジン1の運転における電気的な制御を総合的に行うためのマイクロコントローラである。ECU22には、エンジン1の運転状態(クランク角度、回転速度、エンジン負荷等)を検出するセンサが電気的に接続されている。ECU22は、その各センサからの信号に基づいてエンジン1の運転状態を把握し、それに応じた駆動信号をインジェクタ6の電磁ソレノイドに送信することにより、インジェクタ6からの燃料の噴射を実行したり停止したりする。
次に、可変動弁機構部15について説明する。可変動弁機構部15は、油圧制御室(制御室)25内に作動油を供給することによりカムを用いることなくクランクシャフトの回転角度に依存しない任意のタイミングと任意のリフト量とで吸排気用のバルブ14を開閉する油圧(流体圧)式の可変動弁機構部を有している。なお、吸気用または排気用のバルブ14a,14bのいずれか一方の可変動弁機構部15a,15bのみを油圧式の可変動弁機構部で構成し、他方の可変動弁機構部を、油圧機構を備えない従来技術の可変動弁機構部で構成しても良い。
可変動弁機構部15のアクチュエータボディ(筐体)26はシリンダヘッド5に固定されている。アクチュエータボディ26の中心には軸心に沿って延びる孔27aが形成されている。この孔27a内には、吸排気用のバルブ14のステム部14sがシール性を保ちつつ摺動可能な状態で挿入されている。このバルブ14のステム部14sの外周において軸方向の途中位置には、ステム部14sの径方向に突出する鍔部14gがステム部14sの外周を一周するように形成されている。
この鍔部14g下面とシリンダヘッド5との間には、バルブ14を閉弁方向(図2の上方向)に付勢するバルブスプリング28が、ステム部14sを囲繞するように、かつ、圧縮状態で設置されている。また、鍔部14g上面とアクチュエータボディ26の底面との間には、バルブ14を閉弁方向に吸引する磁石29が、ステム部14sを囲繞するように設置されている。
一方、アクチュエータボディ26の孔27a内において、吸排気用のバルブ14のステム部14sの上面側には、上記した油圧制御室25が形成されている。この油圧制御室25内の圧力(油圧)が制御されることにより、吸排気用のバルブ14の開閉およびリフト量が制御される。例えば、油圧制御室25内に作動油が供給されると、吸排気用のバルブ14が開方向(図2の下方)に押され、その押圧力がバルブスプリング28および磁石29の付勢力を上回ると吸排気用のバルブ14が開く。一方、油圧制御室25から作動油が排出されると、吸排気用のバルブ14は閉じる。この油圧制御室25の底面、すなわち、ステム部14sの上面は、作動油からの圧力を受ける受圧面となる。なお、作動油としては、例えばエンジン1の燃料と共通の軽油が使用されている。
この油圧制御室25は、孔27aの内壁面からアクチュエータボディ26の外壁面まで貫通する通路30を通じてバルブユニット(第1作動弁)31に接続されている。このバルブユニット31には、低圧室32の出口が接続されている。低圧室32は、低圧作動油の供給源であり、その入口には、フィードポンプ18の出口(リリーフ弁19よりは下流で、高圧ポンプ20よりは上流の位置)が接続されている。バルブユニット31の電磁ソレノイドはECU22に電気的に接続されており、その動作がECU22により制御される。
また、バルブユニット31には、逆止弁(第2作動弁)33の入口が接続されている。この逆止弁33の出口は、フィードポンプ18の出口(リリーフ弁19よりは下流で、高圧ポンプ20よりは上流の位置)が接続されている。逆止弁33は、入口側と出口側との圧力差に基づいて開弁し、入口側の圧力が出口側の圧力よりも予め設定された圧力分だけ高くなった場合のみ開くようになっている。この逆止弁33の予め設定された圧力は、上記したフィード圧よりは高く、コモンレール圧よりは著しく低い値とされている。したがって、逆止弁33は、その入口に低圧燃料が存在する場合は開かないが、その入口に高圧燃料が存在する場合は開く。
一方、油圧制御室25の上方には、作動弁(第3作動弁)35が設置されている。この作動弁35は、油圧制御室25への高圧燃料の供給または供給停止を切り換えるための装置であり、例えば圧力バランス式制御弁により構成されている。作動弁35は、圧力バランス式制御弁に限定されるものではなく種々変更可能であり、例えばスプール弁であっても良い。
アクチュエータボディ26の上部には、上記した孔27aよりも大径の孔27bが孔27aに連通するように形成されている。この孔27bには、作動弁35のバランス弁(弁体)36が、その軸心を吸排気用のバルブ14の軸心と一致させた状態で、かつ、その軸心に沿って上下に移動可能な状態で配置されている。このバランス弁36は、例えば孔27aよりも大径のニードル状に形成されており、その円錐面が油圧制御室25に面している。
このバランス弁36の上面には、軸シール部(図示せず)が形成されている。この軸シール部の下方であって、バランス弁36の外壁面と孔27bの内壁面との間には通路38が形成されている。通路38は、バランス弁36の開弁(上方に移動)により油圧制御室25に接続される。
また、軸シール部の上方には弁制御室39が形成されている。バランス弁36の上面は、弁制御室39内の作動油の圧力が作用される受圧面となる。これらの通路38および弁制御室39は、高圧作動油の供給源であるコモンレール21に接続され、常時、コモンレール圧の高圧燃料が供給される。
また、弁制御室39内には、バランス弁36を閉弁方向に付勢するバネ41が圧縮状態で設置されている。また、弁制御室39は、オリフィス42を介してリターン通路43に接続されている。このオリフィス42の上方には、これを開閉する開閉弁44が上下に移動可能な状態で設置されている。この開閉弁44の上方には、開閉弁44の上下動を制御する電磁ソレノイド45と、開閉弁44を閉弁する方向に付勢するスプリング46とが設置されている。電磁ソレノイド45は、ECU22に電気的に接続されており、その動作がECU22に制御される。通常、電磁ソレノイド45がオフの時は、スプリング46により開閉弁44が下方に押しつけられ、オリフィス42が閉じられる。一方、電磁ソレノイド45がオンの時は、スプリング46の付勢力に抗して開閉弁44が上昇し、オリフィス42が開かれる。電磁ソレノイド45に代えて、圧電素子(ピエゾアクチュエータ)や超磁歪素子等を用いても良い。
次に、可変動弁機構部15の動作例を説明する。
まず、吸排気用のバルブ14を閉弁状態から開弁状態にする場合には、バルブユニット31を閉じたまま(バルブユニット31の電磁ソレノイドをオフにしたまま)、作動弁35を開く(電磁ソレノイド45をオンにする)。これにより、開閉弁44が上昇し、オリフィス42が開き、弁制御室39の作動油がオリフィス42を通じてリターン通路43側に流れる。このため、弁制御室39の圧力が低圧となるので、バランス弁36が上昇し、弁座から離間する結果、通路38が油圧制御室25に連通し、コモンレール21側から通路38を通じて油圧制御室25に高圧の作動油が流れる。この高圧の作動油により、吸排気用のバルブ14の受圧面が押圧される。
次に、油圧制御室25に対して作動油の出入りが無い場合は、吸排気用のバルブ14は静止状態に維持される。これにより、吸排気用のバルブ14を任意の期間だけ開弁状態に保持することができる。
次に、吸排気用のバルブ14を閉弁する場合には、作動弁35を閉じたまま(電磁ソレノイド45をオフにしたまま)、バルブユニット31を開く(バルブユニット31の電磁ソレノイドをオンにする)。これにより、開閉弁44が下降し、オリフィス42が閉じられ、弁制御室39からの作動油の排出が停止される。このため、弁制御室39内の圧力が次第に高くなるので、バランス弁36が下降し着座する。一方、油圧制御室25の作動油は、通路30を通じてバルブユニット31に流れる。この時、逆止弁33の開弁圧が、コモンレール圧よりも低い値に設定されているので、逆止弁33が自ずと開き、作動油はフィードポンプ18の出口側(リリーフ弁19よりは下流で、高圧ポンプ20よりは上流の位置)に排出される。このため、油圧制御室25の圧力が下がり、吸排気用のバルブ14は、バルブスプリング28および磁石29の付勢力により上昇し、閉じる。
次に、本実施の形態のエンジン1の制御方法について図1、図2および図3を参照しながら説明する。
まず、本実施の形態のエンジン1では、図3のステップ100に示すように、吸気用または排気用のバルブ14a,14bの開弁時期に、シリンダ2内、吸気ポート7(または排気ポート8)内の圧力を、それぞれ圧力センサ2b,11a(11b)により計測する。
続いて、図3のステップ101に示すように、計測された圧力に基づいて、シリンダ2内の圧力と、吸気ポート7(または排気ポート8)内の圧力との差圧を算出する。
続いて、図3のステップ102に示すように、算出された差圧を用いて、吸気用または排気用のバルブ14a,14bの設定リフト量を得るために必要なバルブ推力を算出する。すなわち、その圧力状態(算出された差圧)の時に、吸気用または排気用のバルブ14a,14bのバルブ推力の値をどれくらいに設定すれば、実際の吸気用または排気用のバルブ14a,14bのリフト量を、設定リフト量(要求値)にすることができるかを計算する。
続いて、図3のステップ103に示すように、算出されたバルブ推力を用いて、油圧制御室25内に供給する作動油の必要供給量を算出する。すなわち、その算出されたバルブ推力を実現するために必要な作動油の供給量を算出する。
続いて、図3のステップ104に示すように、算出された作動油の必要供給量を用いて、作動油を油圧制御室25内に供給する期間を特性マップにより決定する。すなわち、算出された作動油の必要供給量を油圧制御室25内に供給するのにどれくらいの時間が必要かを事前に作成した特性マップにより決定する。
その後、このようにして算出された作動油の必要供給量および供給期間に従って油圧制御室25に作動油を供給することにより、吸気用または排気用のバルブ14a,14bを設定リフト量で開く。
このような可変動弁機構部15による吸排気用のバルブ14の開弁動作におけるバルブ推力は、ECU22のロジックに下記の力学的物理式を加えることにより求める。これを図4および図5を参照しながら説明する。なお、図4は図1のエンジン1の圧力状態を示す要部拡大断面図、図5は図2の可変動弁機構部15の圧力状態を示す要部拡大断面図をそれぞれ示している。また、ここでは吸気用のバルブ14aを例にして説明する。
図4に示すように、吸気ポート7側から吸気用のバルブ14aへの力をFp、シリンダ2内からの吸気用のバルブ14aへの力をFc、また、図5に示すように、油圧制御室25内の高圧の作動油が吸気用のバルブ14aを押す力をFo、磁石29の吸引力をFm、バルブスプリング28の反力をFsとする。
この場合、吸気用のバルブ14aへの開弁方向へかかる力をFvとすると、Fvは次式のように表される。
Fv=Fo−(Fc−Fp)−(Fm+Fs) ・・・(1)
ここで、油圧制御室25へ供給する高圧の作動油の圧力をPoとし、油圧制御室25に面している吸気用のバルブ14aの上面(ステム部14sの上面)の直径をΦ1とすると、Foは、次式のように表される。
Fo=Po×(Φ1/2)×π ・・・(2)
また、式(1)の右辺の(Fc−Fp)はシリンダ2内および吸気ポート7にて圧力センサ2b,11aにより計測した圧力Pc,Ppを用い、吸気用のバルブ14aのシート径(バルブヘッドの直径)をΦ2とすると、次式のように表される。
Fc−Fp=(Pc−Pp)×(Φ2/2)×π ・・・(3)
ただし、(Pc−Pp)は、吸気用のバルブ14aの開弁過程中に変動するため、ウェイブ(WAVE)などのような吸排気系シミュレーションによって特性マップを作成する必要がある。
また、開弁時のPcに関しては、圧力センサの応答性を考慮し、開弁時期の直前圧からポリトロープ変化と見なし開弁時のPcを算出することにする。
式(1)の右辺の最後の項、(Fm+Fs)については、磁石29の吸引力を事前に調査しておくことでFmの特性マップを作成し、バルブスプリング28のバネ定数をk、取付時の長さを計測しておくことで、次式のように表される。
Fs=k×(リフト量+取付長さ) ・・・(4)
以上の物理式を式(1)に適用することにより、吸気用のバルブ14aの開弁過程におけるリフト量に対するFvを求めることができる。
これにより、吸気用のバルブ14aを、設定したリフト量Lまで開弁させるために必要なバルブ推力W(J)は、次式のように表される。
Figure 0005446706
上記の物理式をECU22に組み込み、算出された必要なバルブ推力を得るために必要な高圧作動油の供給量を算出し、さらに事前に作成した特性マップにより必要な高圧作動油の供給期間を決定する。
このように本実施の形態のエンジン1によれば、吸排気用のバルブ14の前後にかかる圧力(吸気ポート7内または排気ポート8内の圧力と、シリンダ2内の圧力と)を考慮してバルブ推力を設定することができるので、油圧式の可変動弁機構部15における吸排気用のバルブ14のリフト量の制御精度を向上させることができる。このため、予混合ディーゼル燃焼の領域を拡大することができる。また、排気用のバルブ14bの開弁時期を燃焼期間中まで進角することにより、高温の排気ガスを排気後処理装置に供給することができるので、排気後処理装置を迅速に昇温することができる。さらに、吸気量および吸気組成の精度を向上させることができるので、燃焼効率を向上させることができる。したがって、排気ガスを低減でき、また、燃費を改善することができる。
本発明の内燃機関の制御方法および内燃機関は、吸排気口の圧力と、気筒内の圧力とを計測し、その圧力状態時において設定リフト量を実現するのに必要なバルブ推力を算出することにより、流体圧式の内燃機関における吸気用、排気用またはその両方のバルブのリフト量の制御精度を向上させることができるので、自動車等の内燃機関の制御方法および内燃機関に利用できる。
1 ディーゼルエンジン(内燃機関)
2 シリンダ(気筒)
2b 圧力センサ(第1圧力センサ)
3 ピストン
4 キャビティ(燃焼室)
7 吸気ポート(吸気口)
8 排気ポート(排気口)
9 吸気管
10 排気管
11a,11b 圧力センサ(第2圧力センサ)
14a 吸気用のバルブ
14b 排気用のバルブ
14s ステム部
14g 鍔部
15,15a,15b 可変動弁機構部
16 燃料タンク
18 フィードポンプ
20 高圧ポンプ
22 電子制御ユニット、ECU(制御部)
25 油圧制御室(制御室)
26 アクチュエータボディ
27a,27b 孔
30 通路
31 バルブユニット(第1作動弁)
32 低圧室
33 逆止弁(第2作動弁)
35 作動弁(第3作動弁)
36 バランス弁(弁体)
38 通路
39 弁制御室

Claims (4)

  1. 制御室に作動流体を供給することによりクランクシャフトの回転角度に依存しない任意のタイミングで吸気用、排気用またはその両方のバルブを開閉する駆動装置を備える内燃機関の制御方法において、
    前記吸気用または排気用のバルブの開弁時期に、
    前記内燃機関の気筒内および吸排気口内の圧力を計測するステップと、
    前記計測された圧力に基づいて、前記気筒内の圧力と前記吸排気口内の圧力との差圧を算出するステップと、
    前記差圧を用いて、前記吸気用または排気用のバルブの開弁過程におけるリフト量に対する開弁方向へかかる力を求め、前記吸気用または排気用のバルブの設定リフト量を得るために必要なバルブ推力を次式から算出するステップと、
    前記算出されたバルブ推力を用いて、前記作動流体の必要供給量を算出するステップと、
    前記算出された作動流体の必要供給量に従って前記制御室に前記作動流体を供給することにより、前記吸気用または排気用のバルブを前記設定リフト量で開くステップとを有する内燃機関の制御方法。
    Figure 0005446706
    W:バルブ推力、Fv:開弁方向へかかる力、L:設定したリフト量
  2. 前記吸気用または排気用のバルブの開弁時期に、さらに、前記算出された作動流体の必要供給量を用いて、前記作動流体を前記制御室内に供給する期間を特性マップにより決定するステップを有する請求項1記載の内燃機関の制御方法。
  3. 制御室に作動流体を供給することによりクランクシャフトの回転角度に依存しない任意のタイミングで吸気用、排気用またはその両方のバルブを開閉する駆動装置を備える内燃機関において、
    前記内燃機関の気筒内の圧力を計測する第1圧力センサと、
    前記内燃機関の吸排気口の圧力を計測する第2圧力センサと、
    前記吸気用または排気用のバルブの開弁時期に、前記第1、第2圧力センサにより測定された気筒内の圧力と吸排気口の圧力との差圧を算出し、この差圧を用いて、前記吸気用または排気用のバルブの開弁過程におけるリフト量に対する開弁方向へかかる力を求め、前記吸気用または排気用のバルブの設定リフト量を得るために必要なバルブ推力を次式から算出し、前記算出されたバルブ推力を用いて、前記作動流体の必要供給量を算出し、前記算出された作動流体の必要供給量に従って前記制御室に前記作動流体を供給することにより、前記吸気用または排気用のバルブを前記設定リフト量で開く制御部とを備える内燃機関。
    Figure 0005446706
    W:バルブ推力、Fv:開弁方向へかかる力、L:設定したリフト量
  4. 前記制御部は、さらに、前記吸気用または排気用のバルブの開弁時期に、前記算出された作動流体の必要供給量を用いて、前記作動流体を前記制御室内に供給する期間を特性マップにより決定する機能を備える請求項3記載の内燃機関。
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