JP5446511B2 - 蛍光体及びその製造方法と、その蛍光体を用いた蛍光体含有組成物及び発光装置、並びに、その発光装置を用いた画像表示装置及び照明装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1〜3に、半導体発光素子にMn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体を組み合わせた発光装置が開示されている。特許文献1〜3に例示されているフッ素錯体蛍光体は、フッ素イオンの配位中心となる金属イオンとして、3価、4価、または5価のイオンを有するものである。
Mn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体を使用した発光装置を実用化するためには、Mn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体の耐久性の向上が望まれる。
また、本発明者等は、前記のような蛍光体が、表示装置、照明装置等の用途に好適に使用できることを見出し、本発明を完成させた。
(1)蛍光体表面に存在する全元素に対する酸素元素が占める比率が、2%以上であることを特徴とする、Mn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体。
(2)少なくとも蛍光体表面に、3価、4価、及び5価の金属元素からなる群から選ば
れる少なくとも一種の金属元素を含有する酸化物、及びアルカリ土類金属元素を含有するフッ化物がそれぞれ2モル%以上存在することを特徴とする、(1)に記載のMn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体。
(4)前記の3価、4価、及び5価の金属元素からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属元素を含有する酸化物が、少なくともSiを含有することを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載のMn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体。
(6)前記Mn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体が、下記式[1]〜[9]のいずれかで表される化学組成を有する結晶相を含有するものであることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載のMn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体。
MI x[MIV yRzFn] ・・・[1]
MI x[(MIII,MIV,MV)yRzFn]・・・[2]
MI 3[MIII yRzF6] ・・・[3]
MII[MIV yRzF6] ・・・[4]
MI 3[MIV yRzF7] ・・・[5]
MI 2[MIII yRzF5] ・・・[6]
Zn2[MIII yRzF7] ・・・[7]
MI[(MIII yRz)2F7] ・・・[8]
Ba0.65Zr0.35F2.70:Mn4+ ・・・[9]
(但し、前記式[1]〜[9]において、MIはLi、Na、K、Rb、Cs、及びNH4からなる群より選ばれる1種以上の1価の基を表わし、MIIはアルカリ土類金属元素を表し、MIIIは周期律表第3族、及び第13族からなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表し、MIVは周期律表第4族、及び第14族からなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表し、MVは周期律表第5族、及び第15族からなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表し、Rは少なくともMnを含有する付活元素を表す。x、y、z、nは、それぞれ1≦x≦3、0.9≦y+z≦1.1、0<z<1、5≦n≦7で表される範囲の数値である。)
(7)前記Mn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体が、下記式[1−a]で表される化学組成を有する結晶相を含有するものであることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載のMn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体。
(但し、前記式[1−a]中、MIaは、少なくともK、及びNaからなる群から選ばれる1種以上の元素を含有する、Li、Na、K、Rb、Cs、及びNH4からなる群より選ばれる1種以上の1価の基を表わし、MIVaは、少なくともSiを含有する周期律表第4族、及び第14族からなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表し、Rは、少なくともMnを含有する付活元素を表す。
1.7≦x≦2.3
0.9≦y+z≦1.1
0.001≦z≦0.4
5≦n≦7)
(8)前記Mn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体が、下記式[2−a]で表される化学組成を有する結晶相を含有するものであることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれ
かに記載のMn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体。
(但し、MIbは、アルカリ金属元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の1価の金属元素を表す。
MIVbは、少なくともSiを含有する4価の金属元素を必須とし、
さらに3価の金属元素、及び5価の金属元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含有する金属元素を表す。
また、x、y、z、及びnは、以下の式を満たす数を表す。
1≦x≦3
0.9≦y+z≦1.1
0.001≦z≦0.4
5≦n≦7)
(9)蛍光体を、アルカリ土類金属塩化物の水溶液に接触させる工程、及び当該蛍光体を、水に溶解するとアルカリ性を示す、アルカリ金属及び/またはアルカリ土類金属の化合物と接触させる工程を有することを特徴とする、Mn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体の製造方法。
(11)第1の発光体と、該第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する第2の発光体とを備える発光装置であって、該第2の発光体として、(1)〜(8)のいずれかに記載の蛍光体の1種以上を含む第1の蛍光体を含有することを特徴とする、発光装置。
(13)(11)、または(12)に記載の発光装置を備えることを特徴とする照明装置。
また、本発明によれば、フッ素錯体蛍光体の耐久性を向上させることのできる製造方法を提供することができる。本発明は、特段の設備を要することなく、工業的に実施することができ、フッ素錯体蛍光体の実用化に寄与することができる。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書中の蛍光体の組成式において、各組成式の区切りは読点(、)で区切って表わす。また、カンマ(,)で区切って複数の元素を列記する場合には、列記された元素のうち一種又は二種以上を任意の組み合わせ及び組成で含有していてもよいことを示している。例えば、「(Ca,Sr,Ba)Al2O4:Eu」という組成式は、「CaAl2O4:Eu」と、「SrAl2O4:Eu」と、「BaAl2O4:Eu」と、「Ca1−xSrxAl2O4:Eu」と、「Sr1−xBaxAl2O4:Eu」と、「Ca1−xBaxAl2O4:Eu」と、「Ca1−x−ySrxBayAl2O4:Eu」とを全て包括的に示しているものとする(但し、前記式中、0<x<1、0<y<1、0<x+y<1)。
本発明は、Mn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体に関するものであり、その蛍光体表面が後述するように、特定の元素を所定量含有することを特徴とするものである。即ち、本発明の蛍光体は、その蛍光体表面が後述の[1−2.蛍光体の表面組成]を満足するMn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体であり、後述の[1−1.蛍光体の組成]に記載の結晶相を含有することが好ましい。
[1−1−1.式[1]〜[9]で表される蛍光体]
本発明の蛍光体は、付活元素としてMn4+を含有し、かつ、少なくとも中心金属元素とフッ素元素を含有する錯体蛍光体であれば特に限定されず、公知のものを任意に用いることができるが、Mn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体のうちでも、下記式[1]〜[9]のいずれかで表される化学組成を有する結晶相を含有するものであることが好ましい。
MI x[MIV yRzFn] ・・・[1]
MI x[(MIII,MIV,MV)yRzFn]・・・[2]
MI 3[MIII yRzF6] ・・・[3]
MII[MIV yRzF6] ・・・[4]
MI 3[MIV yRzF7] ・・・[5]
MI 2[MIII yRzF5] ・・・[6]
Zn2[MIII yRzF7] ・・・[7]
MI[(MIII yRz)2F7] ・・・[8]
Ba0.65Zr0.35F2.70:Mn4+ ・・・[9]
(但し、前記式[1]〜[9]において、MIはLi、Na、K、Rb、Cs、及びNH4からなる群より選ばれる1種以上の1価の基を表わし、MIIはアルカリ土類金属元素を表し、MIIIは周期律表第3族、及び第13族からなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表し、MIVは周期律表第4族、及び第14族からなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表し、MVは周期律表第5族、及び第15族からなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表し、Rは少なくともMnを含有する付活元素を表す。x、y、z、nは、それぞれ1≦x≦3、0.9≦y+z≦1.1、0<z<1、5≦n≦7で表される範囲の数値である。)
MIとしては、K及びNaからなる群より選ばれる1種以上の元素を含有することが特に好ましい。
MIIIの好ましい具体例としては、Al、Ga、In、Y、Sc、及び希土類元素からなる群より選ばれる1種以上の金属元素が挙げられ、このうち、Al、Ga、及びInからなる群より選ばれる1種以上の金属元素が好ましい。また、上記MIIIとしては、少なくともAlを含有することがより好ましく、特にはAlが好ましい。
MVの好ましい具体例としては、V、Nb、Ta、及びPからなる群より選ばれる1種以上の金属元素が挙げられ、中でもNb、及び/またはTaが好ましく、このうち、少なくともTaを含有することが好ましく、特にはTaが好ましい。
xとしては、通常1以上、好ましくは1.5以上、特に好ましくは1.8以上であり、また、通常3以下、好ましくは2.5以下、特に好ましくは2.2以下である。
「y+z」としては、通常0.9以上、好ましくは0.95以上であり、また、通常1.1以下、好ましくは1.05以下である。
前記式[1]〜[9]で表される化合物の好ましい具体例としては、K2[AlF5]:Mn4+、K3[AlF6]:Mn4+、K3[GaF6]:Mn4+、Zn2[AlF7]:Mn4+、K[In2F7]:Mn4+、K2[SiF6]:Mn4+、Na2[SiF6]:Mn4+、K2[TiF6]:Mn4+、K3[ZrF7]:Mn4+、Ba[TiF6]:Mn4+、K2[SnF6]:Mn4+、Na2[TiF6]:Mn4+、Na2[ZrF5]:Mn4+、KRb[TiF6]:Mn4+、K2[Si0.5Ge0.5F6]:Mn4+を挙げることができる。
[1−1−2.式[1−a]で表される蛍光体]
前記式[1]で表される蛍光体の中でも、Mn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体が、下記式[1−a]で表される化学組成を有する結晶相を含有するものであることが好ましい。
(但し、前記式[1−a]中、MIaは、少なくともK、及びNaからなる群から選ばれる1種以上の元素を含有する、Li、Na、K、Rb、Cs、及びNH4からなる群より選ばれる1種以上の1価の基を表わし、MIVaは、少なくともSiを含有する周期律表第4族、及び第14族からなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表し、Rは、少なくともMnを含有する付活元素を表す。
1.7≦x≦2.3
0.9≦y+z≦1.1
0.001≦z≦0.4
5≦n≦7)
前記式[1−a]中、x、y、z、及びnについては、前記[1−1−1.式[1]〜[9]で表される蛍光体]におけるx、y、z、及びnと同義である。
前記式[1−a]中、MIaは、K、及びNaからなる群より選ばれる1種以上の元素を含有する。これらの元素のうち何れか一方を単独で含有していてもよく、二種を任意の比率で併有していてもよい。また、上記のほかにその性能に影響を与えない限りにおいて、Li、Rb、Cs等のアルカリ金属元素や、(NH4)を一部含有していても良い。Li、Rb、Cs、又は(NH4)の含有量としては通常全MIa量に対して10モル%以下である。
上記式[1−a]において、MIVaは、前記[1−1−1.式[1]〜[9]で表される蛍光体]のMIVの説明の項と同様のものが挙げられるが、少なくともSiを含有する。ここで、通常、全MIVa量に対してSiが90モル%以上を占め、好ましくは97モル%以上、より好ましくは98モル%以上、さらに好ましくは99モル%以上を占める場合であり、Siのみを用いることが特に好ましい。即ち、下記式[1−b]で表される
化学組成を有する結晶相を含有することが特に好ましい。
(前記式[1−b]中、MIa、及びRは、上記式[1−a]と同義である。)
Rは、Mnを通常全R量に対して90モル%以上含むことが好ましく、より好ましくは95モル%以上、特に98モル%以上含むことが好ましく、Mnのみを含むことが特に好ましい。
前記式[2]で表される蛍光体の中でも、Mn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体が、下記式[2−a]で表される化学組成を有する結晶相を含有するものであることが好ましい。
MIb xMIVb yRzFn ・・・ [2−a]
(但し、MIbは、アルカリ金属元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の1価の金属元素を表す。
Rは、少なくともMnを含有する付活元素を表す。
また、x、y、z、及びnは、以下の式を満たす数を表す。
1≦x≦3
0.9≦y+z≦1.1
0.001≦z≦0.4
5≦n≦7)
前記式[2−a]におけるMIbは、アルカリ金属元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の1価の金属元素を表す。ここで、アルカリ金属元素とは、Li、Na、K、Rb、Csのことをいう。MIbは、これらのアルカリ金属元素のうち一種を単独で含有していてもよく、二種以上を任意の比率で併有していてもよい。
MIbとしては、耐久性が向上することから、少なくともKを含有し、Kに加えて、K以外のアルカリ金属元素を含むことが好ましい。ここで、K以外のアルカリ金属元素としては、Li、Na、Rb、及びCsからなる群から選ばれる1種または2種以上の元素が好ましく、Naが特に好ましい。耐久性向上効果が顕著であるからである。
なお、上記の他にその性能に影響を与えない限りにおいて、(NH4)を一部含有していてもよい。(NH4)の含有量としては通常全MIb量に対して10モル%以下である。
MIVbが含有する3価の金属元素としては、B、Al、Ga、In、Y、Sc、及び希土類元素からなる群から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。中でも、Siのイオン半径に最も近いことから、Alが好ましい。
上述した中でも、MIVbが、少なくともSiを含有する4価の金属元素と共に、3価の金属元素を含有することが好ましく、該3価の金属元素がAlであることがより好ましい。
ここで、Siの含有量は、通常、MIVbに含まれる4価の金属元素の全量に対してSiが90モル%以上、好ましくは93モル%以上、より好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは97モル%以上であり、MIVbに含まれる4価の金属元素の全てがSiであることが特に好ましい。
Rは、Mnを、全R量に対して通常90モル%以上含むことが好ましく、95モル%以上含むことがより好ましく、98モル%以上を含むことがさらに好ましく、Mnのみを含むことが特に好ましい。
上記式[2−a]におけるxは、MIbのモル数を表す数である。xは、通常1以上、好ましくは1.5以上であり、また、通常3以下、好ましくは2.5以下の数を表す。xの値が大きすぎても小さすぎても、発光特性が低下する傾向にある。
上記式[2−a]におけるnは、F(フッ素)のモル数を表す数である。nは、通常5以上、好ましくは5.5以上であり、また、通常7以下、好ましくは6.5以下の数を表し、nが6であることが特に好ましい。zの値が大きすぎても小さすぎても、耐久性が低下する傾向にある。
[1−1−4.Mn濃度]
本発明の蛍光体は、前記式[1−a]、または[2−a]で表される蛍光体の中でも、
MIVa、またはMIVbと、Mnとの合計モル数に対するMnの割合(本発明において、この割合を以下「Mn濃度」と称す。)が0.1モル%以上40モル%以下であることがより好ましい。このMn濃度が少な過ぎると、蛍光体による励起光の吸収効率が小さくなるので、輝度が低下する傾向にあり、多過ぎると、吸収効率は大きくなるものの、濃度消光により内部量子効率及び輝度が低下する傾向にある。より好ましいMn濃度は、0.4モル%以上、更に好ましくは1モル%以上、特に好ましくは2モル%以上、また、30モル%以下、さらに好ましくは25モル%以下、またさらに好ましくは8モル%以下、特に好ましくは6モル%以下である。
なお、本発明における蛍光体中に含まれるMn濃度の化学組成分析は、例えば、走査型電子顕微鏡・エネルギー分散型X線分析装置(Scanning Electron Microscope and Energy Dispersive X-ray microanalyzer;以下、「SEM−EDX」と称する。)により測定することができる。この方法は、走査型電子顕微鏡(SEM)測定において、蛍光体に電子線(例えば、加速電圧20kV)を照射し、蛍光体中に含まれる各元素から放出される特性X線を検出して元素分析を行うものである。測定装置としては、例えば、日立製作所社製SEM(S−3400N)と、堀場製作所社製エネルギー分散X線分析装置(EDX)(EX−250x−act)とを用いて行うことができる。 [1−2.蛍光体表面の組成]
本発明の蛍光体は、その蛍光体表面の組成が、以下に示すような特徴を有するものである。
・X線源: 単色化Al−Kα、出力16kV−34W(X線発生面積170μmφ)
・帯電中和: 電子銃2μA,イオン銃併用
・分光系: パスエネルギー
187.85eV=ワイドスペクトル
58.7eV=ナロースペクトル[Na1s,Mn2p]
29.35eV=ナロースペクトル[C1s,O1s, F1s,Mg1s, Si2p,K2p]
・測定領域: 300μmφ
・取り出し角: 45°(表面より)
本発明の蛍光体は、その蛍光体表面に存在する全元素に対する酸素元素が占める比率が、通常2%以上、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上、特に好ましくは25%以上であり、また、通常40%以下である。酸素の存在量が前記の範囲にあると、実用的輝度を維持しつつ耐久性が向上するという効果が得られる。また、蛍光体表面の酸素の量が少なすぎると耐久性が小さくなる傾向にあり、また、
多すぎると輝度が低下する傾向にある。
また、本発明の蛍光体は、少なくとも蛍光体表面に、3価、4価、及び5価の金属元素からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属元素を含有する酸化物、及びアルカリ土類金属元素を含有するフッ化物がそれぞれ2モル%以上存在することが好ましい。
前記のアルカリ土類金属元素を含有するフッ化物としては、具体的には、Mg、Ca、Sr、及びBaからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含有するものが好ましく、Mg、及び/またはCaを含有するものがより好ましい。アルカリ土類金属元素のフッ化物が蛍光体表面に存在すると、水分が蛍光体表面に接触しにくく、その結果、蛍光体の加水分解が起こりにくくなり、耐久性向上効果が得られるからである。具体的なフッ化物としては、MgF2、CaF2が挙げられ、中でも、MgF2が好ましい。
また、本発明の蛍光体は、蛍光体表面に存在するMnの量が少ないことが好ましい。具体的に、本発明の蛍光体において蛍光体表面に存在するMnの量は、通常2モル%以下、好ましくは、1モル%以下、より好ましくは 0.5モル%以下であり、また、通常0.01モル%以上である。
小さくなる傾向にある。
なお、上述した蛍光体表面は、後述の[1−5.蛍光体表面の改質処理]に記載の処理を行うことで得られたものであることが好ましい。
<発光スペクトル>
本発明の蛍光体は、ピーク波長455nmの光で励起して発光スペクトルを測定した場合に、以下の特徴を有することが好ましい。
上述の発光スペクトルにおけるピーク波長λp(nm)が、通常600nmより大きく、中でも605nm以上、さらには610nm以上、また、通常660nm以下、中でも650nm以下の範囲であることが好ましい。この発光ピーク波長λpが短過ぎると黄味を帯びる傾向がある一方で、長過ぎると暗赤味を帯びる傾向があり、何れも橙色ないし赤色光としての特性が低下する場合があるので好ましくない。
本発明の蛍光体は、その内部量子効率が高いほど好ましい。その値は、通常50%以上、好ましくは75%以上、更に好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上である。内部量子効率が低いと発光効率が低下する傾向にあり、好ましくない。
本発明の蛍光体は、その外部量子効率が高いほど好ましい。その値は、通常20%以上、好ましくは25%以上、更に好ましくは30%以上、特に好ましくは35%以上である。外部量子効率が低いと発光効率が低下する傾向にあり、好ましくない。
なお、上記外部量子効率は、内部量子効率と、吸収効率との積で求められるものである。
本発明の蛍光体は、その重量メジアン径D50が、通常3μm以上、中でも10μm以上、また、通常50μm以下、中でも30μm以下であることが好ましい。重量メジアン径D50が小さすぎると、輝度が低下する場合や、蛍光体粒子が凝集してしまう場合がある。一方、重量メジアン径D50が大きすぎると、塗布ムラやディスペンサー等の閉塞が生じる傾向がある。
式粒度分布測定装置等の装置を用いて測定することができる。
<比表面積>
本発明の蛍光体の比表面積は、通常1.3m2/g以下、好ましくは1.1m2/g以下、特に好ましくは1.0m2/g以下で、通常0.05m2/g以上、中でも0.1m2/g以上であることが好ましい。このような比表面積を有する蛍光体は、励起光に対する反射損失が小さくなり、その一方で、吸収効率が増大するので、その結果、輝度が向上するという効果を有する。蛍光体の比表面積が小さすぎると蛍光体粒子が大きいことから、塗布ムラやディスペンサー等の閉塞を生じる傾向にあり、大きすぎると蛍光体粒子が小さいことから外部との接触面積が大きくなり、耐久性に劣るものとなる。
なお、本発明における蛍光体の比表面積は、BET1点法により、例えば、大倉理研社製全自動比表面積測定装置(流動法)(AMS1000A)を用いて測定される。
<粒度分布>
本発明の蛍光体は、その粒度分布において、ピーク値が一つであることが好ましい。
従って、その粒度分布のピーク値が一つである蛍光体は、単粒子が大きく、凝集体が非常に少ないものである。これにより、輝度が向上するという効果や、また、単粒子が大きく成長できたことに起因して比表面積が小さくなり、耐久性が向上するという効果を有する。
なお、粒度分布の四分偏差とは、蛍光体粒子の粒径が揃っているほど、小さくなる。即ち、粒径分布の四分偏差が小さいということは、粒度分布のピークの幅が狭く、蛍光体粒子の大きさが揃っていることを意味する。
<粒子形状>
本発明のSEM写真の観察から認められる本発明の蛍光体の粒子形状は、3軸方向に均等に成長した粒状であることが好ましい。粒子形状が3軸方向に均等に成長すると比表面積が小さくなり、外部との接触面積が小さいので耐久性に優れる。
<耐久性>
本発明の蛍光体は、耐久性に優れる。具体的には、本発明の蛍光体を用いて発光装置を
作製し、室温85℃、相対湿度85%の条件下で点灯させないで150時間放置した後の輝度維持率が、通常75%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である。
[1−3.蛍光体の製造方法]
本発明のフッ素錯体蛍光体の製造方法は、蛍光体の合成後、後述の[1−4.蛍光体表面の改質処理]を行なうことを必須とするが、その他の工程には特に制限はない。
本発明のフッ素錯体蛍光体は、各構成元素を含有する原料を混合し、公知の方法に準じて製造することができる。具体的には、各試薬をフッ化水素酸に溶解させてから、再結晶させて得る方法(J. Electrochem. Soc. Vol. 120, No.7, (1973), 942-947, US 2006169998A1)や、各試薬をフッ化水素酸に溶解させてから、貧溶媒を添加することにより、蛍
光体を析出させる貧溶媒析出法(米国特許第3576756号参照)などを用いることができる。
中でも、(2)貧溶媒を使用しない方法は、貧溶媒を使用しないことが特徴であり、これにより、引火性の有機溶媒を貧溶媒として使用しないため、工業的に安全性が向上する;有機溶媒を用いないので、コストダウンを図ることができる;等の利点がある。また、同量の蛍光体を合成する際に必要なフッ化水素酸が上記(1)の方法に比べて2分の1程度に削減されるため、更なるコストダウンを図ることができる;上記(1)の方法に比べて、さらに粒子成長が促進され、比表面積が小さく、粒径が大きく、耐久性に優れた高輝度の蛍光体を得ることができる;等の利点がある。
(2) K、Al、Na、Si、Mn、及びFからなる群から選ばれる1種以上の元素を含む溶液の2種以上を混合し、混合液中において過飽和させることにより、蛍光体を析出させる方法。
上記(2)の方法において、混合する溶液に、製造する蛍光体を構成する元素の全ての元素が含まれていることが好ましい。例えば、前記式[2−a]で表される蛍光体を製造する場合は、少なくともNaとSiとMnとFとを含有する溶液と、少なくともKとAlとFとを含有する溶液とを混合する方法が挙げられる。
[1−3−1.前記式[1−a]で表される蛍光体の製造方法]
(1)貧溶媒析出法
この方法は、原料化合物として、例えば、MIa 2SiF6とMIa 2RF6とを用い(ただし、MIa、Rは、前記式[1−a]におけるのと同義である。)、これらを所定の割合でフッ化水素酸中に添加して攪拌下に溶解させて反応させ、その後、蛍光体の貧溶媒を添加して、蛍光体を析出させる方法である。例えば、米国特許第3576756号公報に記載される方法と同様に行うことができる。
K2SiF6とK2MnF6との組み合わせとしては、具体的には、
水溶性K塩(KF、KHF2、KOH、KCl、KBr、KI、酢酸カリウム、KOH、K2CO3など)とフッ化水素酸とH2SiF6水溶液とK2MnF6との組み合わせ、
水溶性K塩(KF、KHF2、KOH、KCl、KBr、KI、酢酸カリウム、KOH、K2CO3など)とフッ化水素酸とケイ酸塩類(SiO2、Siアルコキシドなど)とK2MnF6との組み合わせ、
ケイ酸カリウム(K2SiO3)とフッ化水素酸とK2MnF6との組み合わせ が挙
げられる。
水溶性K塩(KF、KHF2、KOH、KCl、KBr、KI、酢酸カリウム、KOH、K2CO3など)とフッ化水素酸とH2SiF6水溶液とKMnO4との組み合わせ、
水溶性K塩(KF、KHF2、KOH、KCl、KBr、KI、酢酸カリウム、KOH、K2CO3など)とフッ化水素酸とケイ酸塩類(SiO2、Siアルコキシドなど)とKMnO4との組み合わせ、
ケイ酸カリウム(K2SiO3)とフッ化水素酸とKMnO4との組み合わせ
が挙げられる。
水溶性K塩(KF、KHF2、KOH、KCl、KBr、KI、酢酸カリウム、KOH、K2CO3など)とフッ化水素酸とH2SiF6水溶液とK2MnCl6との組み合わせ、
水溶性K塩(KF、KHF2、KOH、KCl、KBr、KI、酢酸カリウム、KOH、K2CO3など)とフッ化水素酸とケイ酸塩類(SiO2、Siアルコキシドなど)とK2MnCl6との組み合わせ、
ケイ酸カリウム(K2SiO3)とフッ化水素酸とK2MnCl6との組み合わせ
が挙げられる。
フッ化水素は、通常10重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上、また、通常70重量%以下、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下の水溶液として用いる。例えば、HF酸水溶液濃度が40〜50重量%である場合は、K2SiF61gに対するフッ化水素酸(濃度40〜50重量%)の割合が30〜60ml程度となるように用いることが好ましい。
通常、フッ化水素酸に原料化合物を所定の割合で添加混合し、原料化合物がすべて溶解したら、貧溶媒を添加する。
貧溶媒としては、通常、溶解パラメーターが10以上23.4未満、好ましくは10〜15の有機溶媒が用いられる。ここで溶解パラメーターとは、以下に定義されるものである。
正則溶液理論では溶媒−溶質間に作用する力は分子間力のみとモデル化されているので、液体分子を凝集させる相互作用が分子間力のみであると考えることが出来る。液体の凝集エネルギーは蒸発エンタルピーと等価であることから、モル蒸発熱ΔHとモル体積Vより、溶解パラメーターをδ=√(ΔH/V−RT)で定義する。すなわち、1モル体積の 液体が蒸発するために必要な蒸発熱の平行根(cal/cm3)1/2から計算される。
実際の溶液が正則溶液であることは稀であり、溶媒−溶質分子間には水素結合など分子間力以外の力も作用し、2つの成分が混合するか相分離するかはそれらの成分の混合エンタルピーと混合エントロピーの差で熱力学的に決定される。しかし経験的に溶解パラメーターが近い物質は混ざりやすい傾向を持つ。そのためSP値は溶質と溶媒の混ざりやすさを判断する目安ともなる。
このような貧溶媒としては、アセトン(溶解パラメーター:10.0)、イソプロパノール(溶解パラメーター:11.5)、アセトニトリル(溶解パラメーター:11.9)、ジメチルホルムアミド(溶解パラメーター:12.0)、酢酸(溶解パラメーター:12.6)、エタノール(溶解パラメーター:12.7)、クレゾール(溶解パラメーター:13.3)、ギ酸(溶解パラメーター:13.5)、エチレングリコール(溶解パラメーター:14.2)、フェノール(溶解パラメーター:14.5)、メタノール(溶解パラメーター:14.5〜14.8)などが挙げられるが、中でも水酸基(−OH)を含まず、水によく溶解することからアセトンが好ましい。これらの貧溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
貧溶媒の添加は、分割添加でも連続添加でも良いが、その添加速度として、400ml/時以下、好ましくは100〜350ml/時と、比較的遅い添加速度とすることが、目的とする比表面積の小さい、高輝度の蛍光体を得る上で好ましい。ただし、この添加速度が過度に遅いと生産性が損なわれる。
貧溶媒を用いない方法とは、「K、Na、Si、Mn、及びFからなる群から選ばれる1種以上の元素を含む溶液の2種以上を混合した後、混合により析出した析出物(蛍光体)を得る方法」が挙げられ、本方法では、混合する溶液に、目的とする蛍光体を構成する元素の全ての元素が含まれていることが好ましい。混合する溶液の組み合わせとしては、具体的には以下の2−1)と以下の2−2)が挙げられる。
2−2) 少なくともSiとMnとFとを含有する溶液と、少なくともK(及び/又はNa)とFとを含有する溶液とを混合する方法。
上記「少なくともSiとFとを含有する溶液」としては、SiF6源を含有するフッ化水素酸が挙げられ、上記「少なくともK(及び/又はNa)とMnとFとを含有する溶液」としてはK(及び/又はNa)源とMn源とを含むフッ化水素酸が挙げられる。
ここで、SiF6源としては、SiとFとを含む化合物であって、溶液への溶解性に優れるものであればよく、H2SiF6、Na2SiF6、(NH4)2SiF6、Rb2SiF6、Cs2SiF6を用いることができ、これらのうち、水への溶解度が高く、不純物としてアルカリ金属元素を含まないことにより、H2SiF6が好ましい。これらのSiF6源は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Mn源としては、K2MnF6、KMnO4、K2MnCl6等を用いることができ、中でも、結晶格子を歪ませて不安定化させる傾向にあるCl元素を含まないこと等から、付活することのできる酸化数(4価)を維持しながら、MnF6錯イオンとしてHF酸水溶液中に安定して存在することができることによりK2MnF6が好ましい。
これらフッ化水素酸のフッ化水素濃度は、通常10重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上、また、通常70重量%以下、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下であることが好ましい。
SiF6源濃度は、通常10重量%以上、好ましくは20重量%以上、また、通常60重量%以下、好ましくは40重量%以下であることが好ましい。
反応後、目的とする蛍光体の結晶が析出するため、この結晶を濾過等により固液分離し
て回収し、エタノール、水、アセトン等の溶媒で洗浄した後、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは150℃以上、また、通常300℃以下、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下で乾燥することが好ましい。乾燥する時間としては、蛍光体に付着した水分を蒸発することができれば、特に制限はないが、例えば、1〜2時間程度乾燥する。
(1)貧溶媒析出法
この方法は、例えば、原料化合物としてMIb 2SiF6と、MIb 3AlF6と、M
Ib 2RF6とを用い(ただし、MIb、及びRは、前記式[2−a]におけると同義である。)、これらを所定の割合でフッ化水素酸中に添加して攪拌下に溶解させて反応させ、その後、蛍光体の貧溶媒を添加して、蛍光体を析出させる方法である。
1)K2SiF6とK2NaAlF6とK2MnF6との組み合わせ、
2)K2SiF6とK3AlF6とNaFとK2MnF6との組み合わせ、
3)K2SiF6とK3AlF6とNa3AlF6とK2MnF6との組み合わせ、
4)K2SiF6とKFとNa3AlF6とK2MnF6との組み合わせ、
5)K2SiF6とK2NaAlF6とKMnO4との組み合わせ、
6)K2SiF6とK3AlF6とNaFとKMnO4との組み合わせ、
7)K2SiF6とK3AlF6とNa3AlF6とKMnO4、
8)K2SiF6とKFとNa3AlF6とKMnO4との組み合わせ、
9)K2SiF6とK2MnCl6との組み合わせ、
10)K2SiF6とK3AlF6とNaFとK2MnCl6との組み合わせ、
11)K2SiF6とK3AlF6とNa3AlF6とK2MnCl6との組み合わせ、12)K2SiF6とKFとNa3AlF6とK2MnCl6との組み合わせ、
等が挙げられる。
これらの原料化合物は、目的とする組成の蛍光体が得られるような割合で用いるが、前述の如く、蛍光体原料の仕込み組成と得られる蛍光体の組成とには若干のずれが生じるため、得られる蛍光体の組成が目的組成となるように調整することが重要である。
重量%である場合は、K2SiF61gに対するフッ化水素酸(濃度40〜50重量%)の割合が30〜60ml程度となるように用いることが好ましい。
通常、フッ化水素酸に原料化合物を所定の割合で添加混合し、原料化合物がすべて溶解したら、貧溶媒を添加する。
貧溶媒としては、通常、溶解パラメーターが10以上23.4未満、好ましくは10〜15の有機溶媒が用いられる。ここで溶解パラメーターとは、前述の通りである。
貧溶媒の添加は、分割添加でも連続添加でも良いが、蛍光体原料含有フッ化水素酸に対する貧溶媒の添加速度として、通常400ml/時以下、好ましくは100ml/時〜350ml/時と、比較的遅い添加速度とすることが、目的とする比表面積の小さい、高輝度の蛍光体を得る上で好ましい。ただし、この添加速度が過度に遅いと生産性が損なわれる。
貧溶媒を用いない方法としては、「少なくともNaとSiとMnとFとを含有する溶液と、少なくともKとAlとFとを含有する溶液とを混合して生成物(蛍光体)を析出させる方法」が挙げられる。
少なくともNaとSiとMnとFとを含有する溶液(以下「溶液I」と称す場合がある。)とは、NaとSiF6源とMn源を含有するフッ化水素酸である。
また、Mn源としては、K2MnF6、KMnO4、K2MnCl6等を用いることができる。中でも、K2MnF6が好ましい。結晶格子を歪ませて不安定化させる傾向にあるCl元素を含まないこと等から、付活することのできる酸化数(4価)を維持しながら、MnF6錯イオンとしてフッ化水素酸中に安定して存在することができるからである。
この溶液Iのフッ化水素酸のフッ化水素濃度は通常10重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上、また、通常70重量%以下、好ましくは60
重量%以下、より好ましくは50重量%以下であることが好ましい。また、SiF6源濃度は通常10重量%以上、好ましくは20重量%以上、また、通常60重量%以下、好ましくは40重量%以下であることが好ましい。溶液I中のフッ化水素濃度が低過ぎると、後述するMn源を含む溶液を溶液Iに添加した際にMnイオンが加水分解しやすくなり、付活されるMn濃度が変化し、合成される蛍光体中のMn付活量が制御しにくくなることから蛍光体の発光効率のバラつきが大きくなる傾向にあり、高過ぎると作業上の危険性が高くなる傾向にある。また、SiF6源濃度が低過ぎると蛍光体の収率が下がる傾向にあると共に蛍光体の粒子成長が抑制される傾向にあり、高過ぎると蛍光体粒子が大きくなり過ぎる傾向にある。
溶液IIのK源としては、KF、KHF2、KOH、KCl、KBr、KI、酢酸カリウム、K2CO3等の水溶性カリウム塩を用いることができる。中でも、KHF2が好ましい。溶液中のフッ化水素濃度を下げることなく溶解することができ、また、溶解熱が小さいために安全性が高いからである。
これらのK源、Al源は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
この溶液IIのフッ化水素酸のフッ化水素濃度は、通常10重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上であり、また、通常70重量%以下、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下であることが好ましい。また、K源及びAl源濃度は、合計で通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上、また、通常45重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは35重量%以下であることが好ましい。フッ化水素濃度が低過ぎると溶液Iに含まれる付活元素の原料K2MnF6が不安定で加水分解しやすくなり、Mn濃度が激しく変化するので、合成される蛍光体中のMn付活量が制御しにくくなることから蛍光体の発光効率のバラつきが大きくなる傾向にあり、高過ぎると作業上の危険性が高くなる傾向にある。
溶液Iと溶液IIとの混合方法としては特に制限はなく、溶液Iを攪拌しながら溶液IIを添加して混合しても良く、溶液IIを攪拌しながら溶液Iを添加して混合しても良い。また、溶液Iと溶液IIとを一度に容器に投入して攪拌混合しても良い。
[1−4.蛍光体表面の改質処理]
本発明の蛍光体の製造方法は、蛍光体表面を改質させる処理を行なうことを特徴とする
。より具体的には、蛍光体を、(i)アルカリ土類金属塩化物の水溶液に接触させる工程、及び(ii)当該蛍光体を、水に溶解するとアルカリ性を示す、アルカリ金属及び/またはアルカリ土類金属の化合物と接触させる工程を有することを特徴とするものである。
アルカリ土類金属塩化物の水溶液に接触させる工程とは、蛍光体を、例えば、アルカリ土類金属塩化物の水溶液に浸漬させる等して、当該水溶液に接触させる工程である。この工程によれば、蛍光体の少なくとも表面を加水分解、及び還元することができ、これにより、蛍光体の耐久性が向上するものと考えられる。
前記アルカリ土類金属塩化物の水溶液に含まれるアルカリ土類金属塩化物としては、MgCl2、CaCl2、SrCl2、BaCl2や、これらの化合物の水和物を用いることができ、中でも、MgCl2、CaCl2や、これらの化合物の水和物が好ましく、蛍光体への影響が少ないことから、MgCl2、及びその水和物が特に好ましい。
水に溶解するとアルカリ性を示す、アルカリ金属及び/またはアルカリ土類金属の化合物と接触させる工程は、前述のアルカリ土類金属塩化物の水溶液に接触させる工程の後に行うことが好ましい。
前記水に溶解するとアルカリ性を示すアルカリ金属の化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、酸化物、炭酸化物等が挙げられる。具体的には、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、Li2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2O、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、Rb2CO3、Cs2CO3等が挙げられる。これらの例示した化合物の中でも、潮解性が低く、工業的利便性が高いので、炭酸化物を用いることが好ましい。
酸化物等が挙げられる。具体的には、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、Ba(OH)2、MgO、CaO、SrO、BaO、MgCO3、CaCO3、SrCO3、BaCO3等が挙げられる。これらの例示した化合物の中でも、潮解性が低く、工業的利便性が高いので、炭酸化物を用いることが好ましい。また、アルカリ土類金属の酸化物の中でも、MgOは、大気中での安定性に優れるため、好適に用いることができる。
また、上述した蛍光体表面の改質処理に加えて、さらに、蛍光体粒子の不要な凝集を防ぐ目的で、公知の手法を適用し、表面処理が行われていてもよい。ただし、かかる表面処理によって蛍光体を劣化させることがないように留意する必要がある。
本発明の蛍光体は、蛍光体を使用する任意の用途に用いることができる。また、本発明の蛍光体は、本発明の蛍光体を単独で使用することも可能であるが、本発明の蛍光体を2種以上併用したり、本発明の蛍光体とその他の蛍光体とを併用したりした、任意の組み合わせの蛍光体混合物として用いることも可能である。
[2.蛍光体含有組成物]
本発明の蛍光体は、液体媒体と混合して用いることもできる。特に、本発明の蛍光体を発光装置等の用途に使用する場合には、これを液体媒体中に分散させた形態で用いることが好ましい。本発明の蛍光体を液体媒体中に分散させたものを、適宜「本発明の蛍光体含有組成物」と呼ぶものとする。
本発明の蛍光体含有組成物に含有させる本発明の蛍光体の種類に制限は無く、上述したものから任意に選択することができる。また、本発明の蛍光体含有組成物に含有させる本発明の蛍光体は、1種のみであってもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用
してもよい。更に、本発明の蛍光体含有組成物には、本発明の効果を著しく損なわない限り、本発明の蛍光体以外の蛍光体を含有させてもよい。
本発明の蛍光体含有組成物に用いられる液体媒体の種類は特に限定されず、通常、半導体発光素子を覆ってモールディングすることのできる硬化性材料を用いることができる。硬化性材料とは、流体状の材料であって、何らかの硬化処理を施すことにより硬化する材料のことをいう。ここで、流体状とは、例えば液状又はゲル状のことをいう。硬化性材料は、固体発光素子から発せられた光を蛍光体へ導く役割を担保するものであれば、具体的な種類に制限は無い。また、硬化性材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。したがって、硬化性材料としては、無機系材料及び有機系材料並びに両者の混合物のいずれを用いることも可能である。
一方、有機系材料としては、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。具体例を挙げると、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂;フェノキシ樹脂;ブチラール樹脂;ポリビニルアルコール;エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;シリコーン樹脂等が挙げられる。
縮合型シリコーン系材料としては、例えば、特開2007−112973〜112975号公報、特開2007−19459号公報、特開2008−34833号公報等に記載の半導体発光デバイス用部材を用いることができる。縮合型シリコーン系材料は半導体発光デバイスに用いられるパッケージや電極、発光素子などの部材との接着性に優れるため、密着向上成分の添加を最低限とすることが出来、架橋はシロキサン結合主体のため耐熱性・耐光性に優れる利点がある。
無く硬化収縮しにくい、深部硬化性に優れるなどの利点がある。
これらのシリコーン系材料は単独で使用してもよいし、混合することにより硬化阻害が起きなければ複数のシリコーン系材料を混合して用いてもよい。
液体媒体の含有率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、本発明の蛍光体含有組成物全体に対して、通常25重量%以上、好ましくは40重量%以上であり、また、通常99重量%以下、好ましくは95重量%以下、より好ましくは80重量%以下である。液体媒体の量が多い場合には特段の問題は起こらないが、半導体発光装置とした場合に所望の色度座標、演色指数、発光効率等を得るには、通常、上記のような配合比率で液体媒体を用いることが望ましい。一方、液体媒体が少な過ぎると流動性が低下し取り扱い難くなる可能性がある。
本発明の蛍光体含有組成物には、本発明の効果を著しく損なわない限り、蛍光体及び液体媒体以外に、その他の成分、例えば、後述の屈折率調整のための金属酸化物や、拡散剤、フィラー、粘度調整剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有させても良い。その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明の発光装置(以下、適宜「発光装置」という)は、第1の発光体(励起光源)と、当該第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する第2の発光体とを有する発光
装置であって、該第2の発光体として前述の[1.蛍光体]の項で記載した本発明の蛍光体を1種以上含む第1の蛍光体を含有するものである。
また、本発明の発光装置に用いられる本発明の赤色蛍光体の好ましい具体例としては、前述の[1.蛍光体]の欄に記載した本発明の蛍光体や、後述の[実施例]の欄の各実施例に用いた蛍光体が挙げられる。
本発明の発光装置の発光スペクトルにおける赤色領域の発光ピークとしては、600nm以上650nm以下の波長範囲に発光ピークを有するものが好ましい。
[3−1.発光装置の構成]
<3−1−1.第1の発光体>
本発明の発光装置における第1の発光体は、後述する第2の発光体を励起する光を発光
するものである。
第1の発光体の発光ピーク波長の具体的数値としては、通常200nm以上が望ましい。このうち、青色光を励起光として用いる場合には、通常420nm以上、好ましくは430nm以上、より好ましくは440nm以上、また、通常480nm以下、好ましくは470nm以下、より好ましくは460nm以下の発光ピーク波長を有する発光体を使用することが望ましい。一方、近紫外光を励起光として用いる場合には、本発明の蛍光体が、近紫外光により励起されて青色光を発する蛍光体からの青色光で励起されるので、当該青色蛍光体の励起帯に合うような波長を有する励起光(近紫外光)を選ぶことが好ましい。具体的には、通常300nm以上、好ましくは330nm以上、より好ましくは360nm以上、また、通常420nm以下、好ましくは410nm以下、より好ましくは400nm以下の発光ピーク波長を有する発光体を使用することが望ましい。
GaN系LEDはこれら発光層、p層、n層、電極、及び基板を基本構成要素としたものであり、発光層をn型とp型のAlXGaYN層、GaN層、又はInXGaYN層などでサンドイッチにしたヘテロ構造を有しているものが、発光効率が高くて好ましく、更にヘテロ構造を量子井戸構造にしたものが、発光効率が更に高いため、より好ましい。
<3−1−2.第2の発光体>
本発明の発光装置における第2の発光体は、上述した第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する発光体であり、本発明の赤色蛍光体を含む第1の蛍光体を含有するとともに、その用途等に応じて適宜、後述する第2の蛍光体(青色蛍光体、緑色蛍光体、黄色蛍光体、橙色蛍光体等)を含有する。また、例えば、第2の発光体は、第1及び第2の蛍光体を封止材料中に分散させて構成される。
具体的には、蛍光体として以下に挙げるものを用いることが可能であるが、これらはあくまでも例示であり、本発明で使用できる蛍光体はこれらに限られるものではない。なお、以下の例示では、前述の通り、構造の一部のみが異なる蛍光体を、適宜省略して示している。
本発明の発光装置における第2の発光体は、少なくとも上述の本発明の蛍光体を含む第1の蛍光体を含有する。本発明の蛍光体は、何れか1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、第1の蛍光体としては、本発明の蛍光体以外にも、本発明の蛍光体と同色の蛍光を発する蛍光体(同色併用蛍光体)を用いてもよい。通常、本発明の蛍光体は赤色蛍光体であるので、第1の蛍光体として、本発明の蛍光体と共に他種の赤色蛍光体ないし橙色の蛍光を発する蛍光体(以下、適宜「橙色蛍光体」という)を併用することができる。
この際、同色併用蛍光体である橙色ないし赤色蛍光体の発光ピーク波長は、通常570nm以上、好ましくは580nm以上、より好ましくは585nm以上、また、通常780nm以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは680nm以下の波長範囲にあることが好適である。
<3−1−2−2.第2の蛍光体>
本発明の発光装置における第2の発光体は、その用途に応じて、上述の第1の蛍光体以外にも蛍光体(即ち、第2の蛍光体)を含有していてもよい。この第2の蛍光体は、第1の蛍光体とは発光ピーク波長が異なる1種以上の蛍光体である。通常、これらの第2の蛍光体は、第2の発光体の発光の色調を調節するために使用されるため、第2の蛍光体としては第1の蛍光体とは異なる色の蛍光を発する蛍光体を使用することが多い。上記のように、通常は第1の蛍光体として赤色蛍光体を使用するので、第2の蛍光体としては、例えば青色蛍光体、緑色蛍光体、黄色蛍光体等の赤色蛍光体以外の蛍光体を用いる。
本発明の蛍光体に加えて青色蛍光体を使用する場合、当該青色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、青色蛍光体の発光ピーク波長は、通常420nm以上、好ましくは430nm以上、より好ましくは440nm以上、また、通常490nm以下、好ましくは480nm以下、より好ましくは470nm以下、更に好ましくは460nm以下の波長範囲にあることが好適である。使用する青色蛍光体の発光ピーク波長がこの範囲にあると、本発明の蛍光体の励起帯と重なり、当該青色蛍光体からの青色光により、本発明の蛍光体を効率良く励起することができるからである。
本発明の蛍光体に加えて緑色蛍光体を使用する場合、当該緑色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、緑色蛍光体の発光ピーク波長は、通常500nmより大きく、中でも510nm以上、更には515nm以上、また、通常550nm以下、中でも542nm以下、更には535nm以下の範囲であることが好ましい。この発光ピーク波長が短過ぎると青味を帯びる傾向がある一方で、長過ぎると黄味を帯びる傾向があり、何れも緑色光としての特性が低下する場合がある。
Ca3(Sc,Mg)2Si3O12:Ce、(Sr,Ba)2SiO4:Eu、(Si,Al)6(O,N)8:Eu(β−sialon)、(Ba,Sr)3Si6O12:N2:Euが好ましい。
Si6O12:N2:Eu、SrGa2S4:Eu、BaMgAl10O17:Eu,Mnが好ましい。
<黄色蛍光体>
本発明の蛍光体に加えて黄色蛍光体を使用する場合、当該黄色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、黄色蛍光体の発光ピーク波長は、通常530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上、また、通常620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲にあることが好適である。
具体的に、本発明の発光装置を白色発光の発光装置として構成する場合における、半導体発光素子と、Mn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体と、他の蛍光体との好ましい組み合わせの例としては、以下の(A)〜(C)の組み合わせが挙げられる。
。また、緑色蛍光体としては、前述の(A)の項で例示した緑色蛍光体に加え、(Ba,Sr)MgAl10O17:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca)4Al14O25:Eu、及び(Ba,Sr,Ca)Al2O4:Euからなる群より選ばれる一種又は二種以上の緑色蛍光体が好ましい。
また、上述した蛍光体の組み合わせについて、以下により具体的に説明する。
半導体発光素子として青色LED等の青色発光のものを使用し、画像表示装置のバックライトに用いるときは、下表に示す組み合わせとすることが好ましい。
よって、青色領域の光を発する半導体発光素子にこれら各色蛍光体を含む2種以上の蛍光体を組み合わせることで、発光効率を従来よりも高く設定しうる、本発明のカラー画像表示装置用のバックライトに用いる光源に適した半導体発光装置とすることができる。
いる場合は、上記表6〜8に記載の蛍光体の組み合わせにさらに(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6(Cl,F):Eu、及び(Sr,Ba)3MgSi2O8:Eu、(Ba,Sr,Ca)MgAl10O17:Euからなる群から選ばれる1種以上の青色蛍光体を組み合わせることが好ましく、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6(Cl,F):Eu、又は(Ba,Sr,Ca)MgAl10O17:Euを組み合わせることがより好ましい。この際、緑色蛍光体としては、BaMgAl10O17:Eu,Mnを組み合わせることが好ましい。
[4−1.発光装置の実施形態]
以下、本発明の発光装置について、具体的な実施の形態を挙げて、より詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
図2(a)は、一般的に砲弾型と言われる形態の発光装置の代表例であり、励起光源(第1の発光体)と蛍光体含有部(第2の発光体)とを有する発光装置の一実施例を示す模式的断面図である。該発光装置(4)において、符号5はマウントリード、符号6はインナーリード、符号7は励起光源(第1の発光体)、符号8は蛍光体含有部、符号9は導電性ワイヤ、符号10はモールド部材をそれぞれ指す。
本発明の発光装置の用途は特に制限されず、通常の発光装置が用いられる各種の分野に使用することが可能であるが、演色性が高い、及び色再現範囲が広いことから、中でも照明装置や画像表示装置の光源として、とりわけ好適に用いられる。
<4−2−1.照明装置>
本発明の発光装置を照明装置に適用する場合には、前述のような発光装置を公知の照明装置に適宜組み込んで用いればよい。例えば、図3に示されるような、前述の発光装置(4)を組み込んだ面発光照明装置(11)を挙げることができる。
外側に発光装置(13)の駆動のための電源及び回路等(図示せず。)を設けて配置し、保持ケース(12)の蓋部に相当する箇所に、乳白色としたアクリル板等の拡散板(14)を発光の均一化のために固定してなる。
本発明の発光装置を画像表示装置の光源として用いる場合には、その画像表示装置の具体的構成に制限は無いが、カラーフィルターとともに用いることが好ましい。例えば、画像表示装置として、カラー液晶表示素子を利用したカラー画像表示装置とする場合は、上記発光装置をバックライトとし、液晶を利用した光シャッターと赤、緑、青の画素を有するカラーフィルターとを組み合わせることにより画像表示装置を形成することができる。
[物性値の測定方法]
後述する各実施例、及び比較例で得られる蛍光体の物性値は、以下の方法で測定、及び算出した。
<発光スペクトル>
発光スペクトルは、室温(25℃)において、励起光源として150Wキセノンランプを、スペクトル測定装置としてマルチチャンネルCCD検出器C7041(浜松フォトニクス社製)を備える蛍光測定装置(日本分光社製)を用いて測定した。
相対輝度は、上述の方法で得られた可視領域における発光スペクトルから励起波長域を除いた範囲で、JIS Z8724に準拠して算出したXYZ表色系における刺激値Yから、同様に波長455nmの励起光で化成オプトニクス株式会社製の黄色蛍光体Y3Al5O12:Ce(製品番号:P46−Y3)を励起して得られた発光スペクトルから励起波長を除いた範囲で同様に求めた刺激値Yの値を100%とした相対値(以下、単に「輝度」と称する場合がある。)として算出した。
励起スペクトルは、室温(25℃)において、日立製作所製蛍光分光光度計F−4500を用いて測定した。より具体的には、630nmの赤色発光ピークをモニターして、3
00nm以上550nm以下の波長範囲内の励起スペクトルを得た。図4に本発明の蛍光体合成例2の蛍光体の励起・発光スペクトルを示す。
(XPS分析)
試料(蛍光体)についてPHI社製Quantum2000を用いて、以下の測定条件で測定を行った。
・X線源:単色化Al−Kα,出力16kV−34W(X線発生面積170μmφ)
・帯電中和:電子銃2μA,イオン銃併用
・分光系:パスエネルギー
187.85eV=ワイドスペクトル
58.7eV=ナロースペクトル[Na1s,Mn2p]
29.35eV=ナロースペクトル[C1s,O1s, F1s,Mg1s, Si2p,K2p]
・測定領域:300μmφ
・取り出し角:45°(表面より)
[使用原料]
後述の実施例及び比較例にて使用した原料を下表に示す。
K2MnF6は、下記で示される反応式によって得ることができる。
(合成例2)蛍光体(仕込み組成K2Si0.9Mn0.1F6)の合成
H2SiF6水溶液(33重量%)180mlとフッ化水素酸(47.3重量%)180mlとの混合溶液を調製した。
一方、KHF2を88.86g、K2MnF6を15.62g秤量し、フッ化水素酸(47.3重量%)360mlに溶解させた。
得られた結晶を、No.5Cの濾紙で濾過した後、100mlのエタノールで5回洗浄し、150℃で2時間乾燥して蛍光体113gを得た。得られた蛍光体は、後述の実施例、及び参考例に供するまでの間、除湿デシケーター(R.H.20%)中で保管した。
(合成例3)蛍光体(仕込み組成K2Na0.1Al0.1Si0.8Mn0.1F6)の合成
K2MnF6を3.4712g、NaFを1.3252gそれぞれ秤量してフッ化水素酸(47.3重量%)160mlに溶解させた。さらに、この溶液にH2SiF6水溶液(33重量%)40mlを入れて混合溶液を調製した。
前記のK2MnF6とNaFとH2SiF6とを溶解させたフッ化水素酸を26℃で攪拌しながら、この溶液に、前記のK3AlF6とKHF2とを溶解させたフッ化水素酸との混合溶液を添加して、黄色の結晶を析出させた。
[蛍光体の表面改質処理の実施例]
<実施例1−1> 仕込み組成K2Si0.9Mn0.1F6
合成例2で合成した蛍光体(1g)に、MgCl2・6H2O飽和水溶液(水100gに対してMgCl2・6H2Oを280g溶解させたもの)10mlを添加した。これにより、蛍光体表面に存在する不安定物質、例えばK2MnF6が加水分解され、さらに、この不安定な物質を水溶性に還元させることができるものと考えられる。
水溶液の色が茶色に変化した。
水溶液の液色が元の透明に戻るまで、室温中で保管した。液色が透明になったことを確認してから、水溶液中の蛍光体をNo.5Cの濾紙でろ過した。次いで、エタノールで洗浄してからさらに水で洗浄し、120℃で2時間乾燥した。
合成例2で合成した蛍光体(1g)に、MgCl2・6H2O飽和水溶液(水100gに対してMgCl2・6H2Oを280g溶解させたもの)10mlを添加した。これにより、蛍光体表面に存在する不安定物質、例えばK2MnF6が加水分解され、さらに、この不安定な物質を水溶性に還元させることができるものと考えられる。
<参考例1−1>
合成例2で合成した蛍光体を、実施例1−1に記載する表面改質処理を行わずに、参考例1−1として用いた。
合成例3で合成した蛍光体1gに対し、MgCl2・6H2O飽和水溶液(純水100gに対してMgCl2・6H2Oを280g溶解させたもの)10mlを添加した。これにより、蛍光体表面に存在する不安定物質、例えばK2MnF6が加水分解され、さらに、この不安定な物質を水溶性に還元させることができるものと考えられる。
合成例3で合成した蛍光体を、実施例1−3に記載する表面改質処理を行わずに、参考例1−2として用いた。
<実施例1−1、1−2、1−3及び参考例1−1、1−2で得られた蛍光体の比較>
実施例1−1、実施例1−3、参考例1−1、及び参考例1−2について、XPS法による表面組成分析も行なった。その結果を表10(A)、及び(B)に示す。表10(A)は、蛍光体表面に存在する全元素に対する各元素が占める比率(%)を示す。表10(B)は、表10(A)に示す分析結果に基づき、蛍光体表面に存在する化合物の存在割合を推定したものである。
<実施例2−1>
(蛍光体含有層形成液の製造)
前述の実施例1−1で合成した蛍光体を使用して、蛍光体含有層形成液を製造した。具体的には、下記の表11に示す配合比で、封止剤液及び蛍光体を計量した後、シンキー社製攪拌脱泡装置「泡取り錬太郎AR−100」にて混合した。
青色発光ダイオード(以下、適宜「LED」と略する。)として、昭和電工社製の350μm角チップGU35R460Tを用いた。具体的には、このLEDをシリコーン樹脂ベースの透明ダイボンドペーストで、3528SMD型PPA樹脂パッケージの凹部の底の端子に接着し、その後、150℃で2時間加熱し、透明ダイボンドペーストを硬化させた後、青色LEDとパッケージの電極とを直径25μmの金線を用いてワイヤーボンディングしたものを用いた。このLEDは、ドミナント発光波長455nm〜465nm(発光ピーク波長451nm〜455nm)で発光ピークの半値幅が22nm〜28nmで発光するものである。
前述の(蛍光体含有層形成液の製造)において、実施例1−1で合成した蛍光体の代わりに参考例1−1で合成した蛍光体を使用したこと以外は実施例2−1と同様の操作で参考例2−1の発光装置を得た。
<実施例2−2>
前述の(蛍光体含有層形成液の製造)において、実施例1−1で合成した蛍光体の代わりに実施例1−2で合成した蛍光体を使用したこと以外は実施例2−1と同様の操作で実施例2−2の発光装置を得た。
前述の(蛍光体含有層形成液の製造)において、実施例1−1で合成した蛍光体の代わりに実施例1−3で合成した蛍光体を使用したこと以外は実施例2−1と同様の操作で実施例2−3の発光装置を得た。
<参考例2−2>
前述の(蛍光体含有層形成液の製造)において、実施例1−1で合成した蛍光体の代わりに参考例1−2で合成した蛍光体を使用したこと以外は実施例2−1と同様の操作で参考例2−2の発光装置を得た。
以上のようにして得られた、各実施例及び各参考例の発光装置について、以下に記載の方法で非点灯試験を行うことにより、耐久性の評価を行った。
<非点灯試験>
実施例で得られた発光装置に20mAの電流を通電し、点灯開始直後(この時点を以下「0時間」という。)に、ファイバマルチチャンネル分光器(オーシャンオプティクス社
製USB2000(積算波長範囲:200nm〜1100nm、受光方式:積分球(直径1.5インチ))を用いて、発光スペクトルを測定した。
得られた発光スペクトルより算出された、150時間の時点における輝度の値(lm)を、0時間の測定値を100%とした相対値で表12、及び表13に示す。
また、実施例2−1〜2−3、及び参考例2−1〜2−2の発光装置について前記0時間の時点での発光スペクトルを、それぞれ図5(a)〜(e)に示す。図5(a)〜(e)から、いずれの実施例及び参考例の蛍光体も実用的な輝度を有することがわかる。
表面改質処理を行なうと、水と加水分解しやすい不安定物質(例えば、K2MnF6)を除去するとともに、透明で蛍光体に影響を及ぼさない、耐水性の高い物質であるMgF
2やSiO2が蛍光体表面に形成されることで耐水性が向上するものと推測される。
2 励起光源(第1の発光体)(LD)
3 基板
4 発光装置
5 マウントリード
6 インナーリード
7 励起光源(第1の発光体)
8 蛍光体含有部
9 導電性ワイヤ
10 モールド部材
11 面発光照明装置
12 保持ケース
13 発光装置
14 拡散板
23 蛍光体含有部(第2の発光体)
24 フレーム
25 導電性ワイヤ
26 電極
27 電極
Claims (11)
- 前記Mn 4+ で付活されたフッ素錯体蛍光体が、下記式[1]〜[9]のいずれかで表される化学組成を有する結晶相を含有するものであって、
且つ、蛍光体を、アルカリ土類金属塩化物の水溶液に接触させる工程、及び当該蛍光体を、水に溶解するとアルカリ性を示す、アルカリ金属及び/またはアルカリ土類金属の化合物と接触させる工程を有する製造方法で製造され、
また、蛍光体表面に存在する全元素に対する酸素元素が占める比率が、2%以上であることを特徴とする、Mn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体。
MI x[MIVyRzFn]・・・[1]
MI x[(MIII,M IV )yRzFn]・・・[2]
MI 3[MIII yRzF6]・・・[3]
MII[MIV yRzF6]・・・[4]
MI 3[MIV yRzF7]・・・[5]
MI 2[MIII yRzF5]・・・[6]
Zn2[MIII yRzF7]・・・[7]
MI[(MIII yRz)2F7]・・・[8]
Ba0.65Zr0.35F2.70:Mn4+・・・[9]
(但し、前記式[1]〜[9]において、
MI はNa、及びKを少なくとも1種以上含む1価の基を表わし、
MIIはBaを表し、
MIIIは、Alを含み、周期律表第3族、及び第13族からなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表し、
MIVは、Si及びTiを少なくとも1種以上含む、周期律表第4族、及び第14族からなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表す。
Rは少なくともMnを含有する付活元素を表す。
x、y、z、nは、それぞれ1≦x≦3、0.9≦y+z≦1.1、0<z<1、5≦n≦7で表される範囲の数値である。) - 少なくとも蛍光体表面に、Alを含む3価、Si及びTiを少なくとも1種以上含む4価の金属元素からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属元素を含有する酸化物、及びアルカリ土類金属元素を含有するフッ化物がそれぞれ2モル%以上存在することを特徴とする、請求項1に記載のMn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体。
- 蛍光体表面に存在するMnの量が、2モル%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のMn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体。
- 前記のアルカリ土類金属元素を含有するフッ化物が、MgF2であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のMn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体。
- 前記Mn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体が、下記式[1−a]で表される化学組成を有する結晶相を含有するものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のMn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体。
MIaxMIVayRzFn ・・・[1−a]
(但し、前記式[1−a]中、
MIaは、少なくともK、及びNaからなる群から選ばれる1種以上の元素を含有する、Li、Na、K、Rb、Cs、及びNH4からなる群より選ばれる1種以上の1価の基を表わし、
MIVaは、少なくともSiを含有する周期律表第4族、及び第14族からなる群より選ばれる1種以上の金属元素を表し、Rは、少なくともMnを含有する付活元素を表す。
また、x、y、z、及びnは、以下の式を満たす数を表す。
1.7≦x≦2.3
0.9≦y+z≦1.1
0.001≦z≦0.4
5≦n≦7) - 前記Mn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体が、下記式[2−a]で表される化学組成を有する結晶相を含有するものであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のMn4+で付活されたフッ素錯体蛍光体。
MIb xMIVb yRzFn ・・・ 式[2−a]
(但し、MIbは、Na、及びKを少なくとも1種以上含むアルカリ金属元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の1価の金属元素を表す。
MIVbは、少なくともSiを含有する4価の金属元素を必須とし、
さらに3価の金属元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含有する金属元素を表す。
Rは、少なくともMnを含有する付活元素を表す。
また、x、y、z、及びnは、以下の式を満たす数を表す。
1≦x≦3
0.9≦y+z≦1.1
0.001≦z≦0.4
5≦n≦7) - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の蛍光体と、液体媒体とを含有することを特徴とする、蛍光体含有組成物。
- 第1の発光体と、該第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する第2の発光体とを備える発光装置であって、
該第2の発光体として、請求項1〜6のいずれか1項に記載の蛍光体の1種以上を含む第1の蛍光体を含有することを特徴とする、発光装置。 - 前記第2の発光体として、前記第1の蛍光体とは発光ピーク波長の異なる1種以上の蛍光体を含む第2の蛍光体を含有することを特徴とする、請求項8に記載の発光装置。
- 請求項8、または請求項9に記載の発光装置を備えることを特徴とする照明装置。
- 請求項8、または請求項9に記載の発光装置を備えることを特徴とする画像表示装置。
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