JP5444850B2 - 圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、密閉容器内部にモータが内蔵された圧縮機に関する。
従来より、密閉容器内部にモータが内蔵された密閉型圧縮機において、密閉容器の底部に溜まる油を密閉容器内部において上下方向に強制的に循環させることにより、軸受け部分等への油の潤滑を行っている。
例えば、密閉容器底部の油溜まりの油を、駆動軸に内蔵されたポンプの作用により駆動軸内部の給油経路を通って上昇させる。それによって、スクロール圧縮機の密閉容器内部の上部分に配置されたピン軸受、および上部主軸受に油が供給され、これらの摺動部分の潤滑を行う。潤滑し終えた油は、上部主軸受に形成されたクランク室に一旦溜まる。
このクランク室に溜まった油を排出する際に、モータの固定子の外周面に形成された溝、すなわちコアカットへ案内する油戻しガイドを用いることで、モータ上部空間でのガス流れと混じることなしに油をモータ下部空間へ導くようになっている。
このような圧縮機では、固定子外周面のコアカットの下端から密閉容器底部の油溜まり部へそのまま落下させる構造が一般的である。
また、特許文献1(特許第3608401号公報)記載の圧縮機のように、液体状の油を上部主軸受けから油溜まりへ直接戻す油戻しパイプを備えた圧縮機もある。
しかし、近年における圧縮機の高速運転の要求により、密閉容器が同じ胴体サイズの場合に容器内部のガス流速が速くなると、モータ下部空間においてクランク室から落下する戻り油と上昇しようとするガス流れとが乱れ、油の巻上げが生じる可能性が高くなる。
また、密閉容器底部の油溜まり上方に配置された油分離板は、クランク室から落下する油のために部分的に1/3ぐらい切り抜かれている。このため、油とガスが油溜まりの油面を直接たたくため、油面が乱れ、油面付近で油ミストの再飛散が進むおそれがある。その結果、油上がり率の上昇を招くことがある。
例えば、圧縮機の駆動軸回転数を上げると、密閉容器内部の油の循環量が増え、油の下降するスピードも上がるので、油溜まりの油面をたたく油の量も増えるので、その結果、油ミストの再飛散がさらに進むことになる。
また、特許文献1記載の圧縮機のように、油戻しパイプを通して油を油溜まりに戻すと、通路面積および絶縁距離の確保のため、固定子の断面積が狭くなり、モータ効率を犠牲にせざるを得ないという問題もある。
本発明の課題は、モータ効率を確保しながら油上がりを効果的に防止することができる圧縮機を提供することにある。
第1発明の圧縮機は、密閉容器である本体ケーシングと、モータと、圧縮機構と、油戻し流路と、第1油戻しガイドと、第2油戻しガイドとを備えている。モータは、本体ケーシングの内面に固定された固定子、および固定子内部に回転自在に配置された回転子を有する。圧縮機構は、本体ケーシング内部におけるモータの上方に配置され、モータの回転駆動力によりガスを圧縮する。油戻し流路は、固定子と本体ケーシングとの間に形成され、油の下降が可能な流路である。第1油戻しガイドは、油戻し流路の上部開口に連通する。第2油戻しガイドは、本体ケーシング内部に配置され、油戻し流路の下部開口に連通する。
ここでは、モータの固定子と本体ケーシングとの間に形成され、油の下降が可能な油戻し流路と、油戻し流路の上部開口に連通する第1油戻しガイドと、本体ケーシング内部に配置され、油戻し流路の下部開口に連通する第2油戻しガイドとを備えているので、モータの下部空間において、油の巻上げを防止できる。また、モータ固定子の形状に影響を与えずに油戻し流路を確保できる。
また、第2油戻しガイドの流路断面積は、第1油戻しガイドの流路断面積よりも広い。
ここでは、第2油戻しガイドの流路断面積が第1油戻しガイドの流路断面積よりも広いので、油の落下速度を下げることができ、油の再飛散を抑えることが可能である。
さらに、油分離板を備え、油分離板は、本体ケーシング内部における固定子の下方に配置され、下降するガスから油を分離する。
なお、油分離板は、油溜りの油面の全面を覆っている。油分離板の外周縁の一部には、切欠きが形成されている。第2油戻しガイドは、油分離板の外周縁における切欠きが形成されている位置に固定されている。
ここでは、油分離板が油溜りの油面の全面を覆っており、第2油戻しガイドが油分離板の外周縁における切欠きが形成されている位置に固定されているので、油分離板が本体ケーシング底部の油溜まりの油面の全面を覆う。これにより、本体ケーシング内部を下降するガス流れによる油面の乱れが大幅に少なくすることができ、その結果、油面での油滴の再飛散が防止できる。また、モータの下部へ下降した冷媒ガスは、油分離板に当たり、冷媒ガスに含まれる油が分離され、冷媒ガスは油分離板下方の油溜まりに直接当たることがなく、油の再飛散を抑えることが可能である。
第2発明の圧縮機は、第1発明の圧縮機であって、油戻し流路は、固定子の外周面に形成された鉛直方向に延びる溝によって構成されている。
ここでは、油戻し流路が固定子の外周面に形成された鉛直方向に延びる溝によって構成されているので、従来のように油戻り用の銅管等が不要になる。また、固定子の形状に影響を与えずに油戻し流路を確保できる。
発明の圧縮機は、第1発明の圧縮機であって、第2油戻しガイドは、油分離板に固定されている。
ここでは、第2油戻しガイドが油分離板に固定されているので、油分離板の取付け作業と同時に第2油戻しガイドを取り付けることができ、第2油戻しガイドの取付けや位置決めが容易である。
発明の圧縮機の組立方法は、第1発明の圧縮機の組立方法である。この組立方法は、第1油戻しガイド取付け工程と、固定子取付け工程と、第2油戻しガイド取付け工程とを含む。第1油戻しガイド取付け工程は、本体ケーシング内部に、第1油戻しガイドを取り付ける。固定子取付け工程は、本体ケーシング内部における第1油戻しガイドよりも下方の位置に、固定子を取り付ける。第2油戻しガイド取付け工程は、本体ケーシング内部における固定子よりも下方の位置に、第2油戻しガイドを取り付ける。
この組立方法では、固定子取付け工程の前後に、第1油戻しガイド取付け工程および第2油戻しガイド取付け工程を含んでいるので、モータの固定子を本体ケーシングに固定する作業を妨げずに、油戻し流路に連通させるように第1油戻しガイドおよび第2油戻しガイドを容易かつ確実に取り付けることが可能である。
第1発明によれば、モータの下部空間において、油の巻上げを防止できる。また、モータ固定子の形状に影響を与えずに油戻し流路を確保できる。また、油の落下速度を下げることができ、油の再飛散を抑えることが可能である。さらに、本体ケーシング内部を下降するガス流れによる油面の乱れが大幅に少なくでき、その結果、油面での油滴の再飛散が防止できる。また、モータの下部へ下降した冷媒ガスは、油分離板に当たり、冷媒ガスに含まれる油が分離され、冷媒ガスは油分離板下方の油溜まりに直接当たることがなく、油の再飛散を抑えることが可能である。
第2発明によれば、従来のように油戻り用の銅管等が不要になる。また、固定子の形状に影響を与えずに油戻し流路を確保できる。
発明によれば、第2油戻しガイドの取付けや位置決めが容易である。
発明によれば、モータの固定子を本体ケーシングに固定する作業を妨げずに、油戻し流路に連通させるように第1油戻しガイドおよび第2油戻しガイドを容易かつ確実に取り付けることが可能である。
本発明の実施形態に係わる圧縮機の縦断面図。 図1の圧縮機のケーシング内部における下降する油の経路を示す斜視図。 図1の第1油戻しガイドおよび第2油戻しガイドの配置を示す拡大斜視図。
つぎに本発明の圧縮機の実施形態を図面を参照しながら説明する。
〔実施形態〕
図1に示されるスクロール圧縮機1は、高低圧ドーム型のスクロール圧縮機であり、蒸発器や、凝縮器、膨張機構などと共に冷媒回路を構成し、その冷媒回路中の冷媒を圧縮する役割を担うものである。
スクロール圧縮機1は、主に、縦長円筒状の密閉ドーム型の本体ケーシング10、スクロール圧縮機構15、オルダムリング39、モータ16、下部主軸受60、吸入管19、吐出管20と、第1油戻しガイド71と、第2油戻しガイド72と、油分離板73とから構成されている。以下、このスクロール圧縮機1の構成部品についてそれぞれ詳述していく。
〔スクロール圧縮機1の構成部品の詳細〕
(1)本体ケーシング
本体ケーシング10は、縦長の密閉容器であり、略円筒状の胴部ケーシング部11と、胴部ケーシング部11の上端部に気密状に溶接される椀状の上壁部12と、胴部ケーシング部11の下端部に気密状に溶接される椀状の底壁部13とを有する。そして、この本体ケーシング10には、主に、冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構15と、スクロール圧縮機構15の下方に配置されるモータ16とが収容されている。このスクロール圧縮機構15とモータ16とは、本体ケーシング10内を上下方向に延びるように配置される駆動軸17によって連結されている。そして、この結果、スクロール圧縮機構15とモータ16との間には、間隙空間18が生じる。
(2)スクロール圧縮機構
スクロール圧縮機構15は、図1に示されるように、主に、ハウジング23と、ハウジング23の上方に密着して配置される固定スクロール24と、固定スクロール24に噛合する可動スクロール26とから構成されている。
以下、このスクロール圧縮機構15の構成部品についてそれぞれ詳述していく。
a)固定スクロール
固定スクロール24は、図1に示されるように、主に、平板状の鏡板24aと、鏡板24aの下面に形成された渦巻き状(インボリュート状)の渦巻き部分24bとから構成されている。
鏡板24aには、後述する圧縮室40に連通する吐出口41が鏡板24aの略中心に貫通して形成されている。吐出口41は、鏡板24aの中央部分において上下方向に延びるように形成されている。
吐出口41は、鏡板24aの上面に形成されている。拡大凹部42は、鏡板24aの上面に凹設された水平方向に広がる凹部により構成されている。そして、固定スクロール24の上面には、この拡大凹部42を塞ぐように蓋体44がボルト44aにより締結固定されている。そして、拡大凹部42に蓋体44が覆い被せられることによりスクロール圧縮機構15の運転音を消音させる膨張室からなるマフラー空間45が形成されている。固定スクロール24と蓋体44とは、図示しないパッキンを介して密着させることによりシールされている。
b)可動スクロール
可動スクロール26は、図1に示されるように、主に、鏡板26aと、鏡板26aの上面に形成された渦巻き状(インボリュート状)の渦巻き部分26bと、鏡板26aの下面に形成された軸受部26cと、鏡板26aの両端部に形成される溝部26dとから構成されている。
可動スクロール26は、アウタードライブの可動スクロールである。すなわち、可動スクロール26は、駆動軸17の外側に嵌合する軸受部26cを有している。
可動スクロール26は、溝部26dにオルダムリング39が嵌め込まれることによりハウジング23に支持される。また、軸受部26cには駆動軸17の上端が嵌入される。可動スクロール26は、このようにスクロール圧縮機構15に組み込まれることによって駆動軸17の回転により自転することなくハウジング23内を公転する。そして、可動スクロール26の渦巻き部分26bは固定スクロール24の渦巻き部分24bに噛合させられており、両渦巻き部分24b,26bの接触部の間には圧縮室40が形成されている。そして、この圧縮室40では、可動スクロール26の公転に伴い、両渦巻き部分24b,26b間の容積が中心に向かって収縮する。本実施形態に係るスクロール圧縮機1では、このようにして冷媒を圧縮するようになっている。
c)ハウジング
ハウジング23は、その外周面において周方向の全体に亘って胴部ケーシング部11に圧入固定されている。つまり、胴部ケーシング部11とハウジング23とは全周に亘って気密状に密着されている。このため、本体ケーシング10の内部は、ハウジング23下方の高圧空間28とハウジング23上方の低圧空間29とに区画されていることになる。また、このハウジング23には、上端面が固定スクロール24の下端面と密着するように、固定スクロール24がボルト(図示せず)により締結固定されている。また、このハウジング23には、上面中央に凹設されたクランク室31と、下面中央から下方に延設された軸受部32とが形成されている。そして、この軸受部32には、上下方向に貫通する軸受孔33が形成されており、この軸受孔33に駆動軸17が軸受34を介して回転自在に嵌入されている。また、ハウジング23には、クランク室31から外周面に通じる油通路35が形成されている。
d)その他
また、このスクロール圧縮機構15には、図示されていないが、固定スクロール24の吐出口41から出た冷媒ガスを、ハウジング23の外周付近に形成された上下に延びる連絡通路を通って、間隙空間18へ流出させる。間隙空間18に流出した冷媒ガスは、その一部がモータ16の固定子51の外周面に形成されたコアカット部などを通って、モータ16下部へ下降した後、他のコアカット部などを通って上昇して間隙空間18へ戻り、その後、間隙空間18を胴部ケーシング部11の内周に沿って旋回する他の冷媒ガスと合わさって、吐出管20から本体ケーシング10外に吐出される。
(3)オルダムリング
オルダムリング39は、上述したように、可動スクロール26の自転運動を防止するための部材であって、ハウジング23に形成されるオルダム溝(図示せず)に嵌め込まれている。なお、このオルダム溝は、長円形状の溝であって、ハウジング23において互いに対向する位置に配設されている。
(4)モータ
モータ16は、本実施形態においてブラシレスDCモータであって、主に、本体ケーシング10の内壁面に固定された環状の固定子51と、固定子51の内側に僅かな隙間(エアギャップ通路)をもって回転自在に収容された回転子52とから構成されている。そして、このモータ16は、固定子51の上側に形成されているコイルエンド53の上端がハウジング23の軸受部32の下端とほぼ同じ高さ位置になるように配置されている。
固定子51には、ティース部に銅線が巻回されており、上方および下方にコイルエンド53が形成されている。また、固定子51の外周面には、固定子51の上端面から下端面に亘り且つ周方向に所定間隔をおいて複数個所に切欠形成されているコアカット部が設けられている。そして、このコアカット部により、胴部ケーシング部11と固定子51との間に上下方向に延びるモータ冷却通路55が形成されている。
また、図1〜2に示されるように、固定子51と本体ケーシング10との間には、油の下降が可能な油戻し流路74が形成されている。油戻し通路74は、固定子51の外周面に形成された鉛直方向に延びる溝状のコアカット部51aによって構成されている。
回転子52は、上下方向に延びるように胴部ケーシング部11の軸心に配置された駆動軸17を介してスクロール圧縮機構15の可動スクロール26に駆動連結されている。
(5)下部主軸受
下部主軸受60は、モータ16の下方の下部空間に配設されている。この下部主軸受60は、胴部ケーシング部11に固定されるとともに駆動軸17の下端側軸受を構成し、駆動軸17を支持している。
(6)吸入管
吸入管19は、冷媒回路の冷媒をスクロール圧縮機構15に導くためのものであって、本体ケーシング10の上壁部12に気密状に嵌入されている。吸入管19は、低圧空間29を上下方向に貫通すると共に、内端部が固定スクロール24に嵌入されている。
(7)吐出管
吐出管20は、本体ケーシング10内の冷媒を本体ケーシング10外に吐出させるためのものであって、本体ケーシング10の胴部ケーシング部11に気密状に嵌入されている。そして、この吐出管20は、胴体内面から中心に下方に向かって突き出した位置で開口されている。
(8)第1油戻しガイド
図1〜3に示されるように、第1油戻しガイド71は、 ハウジング23の油通路35と油戻し流路74の上部開口74aとの間を連通させる流路71aを有する部材である。第1油戻しガイド71は、金属薄板等で流路71aが成形されており、ハウジング23とモータ16との間に配置されるように、胴体ケーシング部11の内面に固定されている。
(9)第2油戻しガイド
図1〜3に示されるように、第2油戻しガイド72は、本体ケーシング10内部に配置され、油戻し流路74の下部開口74bに連通する流路72aを有する部材である。第2油戻しガイド72は、金属薄板等で流路72aが成形されている。
第2油戻しガイド72の流路72aの流路断面積は、第1油戻しガイド71の流路71aの流路断面積よりも広くなっている。したがって、油は、第2油戻しガイド72の広い流路72aを流れるときに流速が下がる。
また、第2油戻しガイド72は、後述する油分離板73に固定されている。第2油戻しガイド72は、油分離板73から固定子51の下端にまでほぼ届く長さを有しており、油戻し流路74から油分離板73までの間で油を案内する。
(10)油分離板
図1〜3に示されるように、油分離板73は、本体ケーシング10内部における固定子51の下方に配置され、下降する冷媒ガスから油を分離する板状の部材である。油分離板73は、下部主軸受60の下面側に固定されている。
油分離板73は、本体ケーシング10の内周面全体わたって閉じている。そのため、モータ下部へ下降した冷媒ガスは、油分離板73に当たり、冷媒ガスに含まれる油が分離される。このとき冷媒ガスは、油分離板73下方の油溜まりPに直接当たることがなく、油の再飛散を抑えることが可能である。
また、油分離板73の外周縁の一部に切欠き73aが形成されている。油分離板73の外周縁における切欠き73aが形成されている位置には、第2油戻しガイド72が固定されている。
〔スクロール圧縮機1の組立方法〕
スクロール圧縮機1を組み立てる場合、モータ16の固定子51を本体ケーシング10の胴部ケーシング部11内部に圧入して固定するために、その前後の工程で第1油戻しガイド71および第2油戻しガイド72を取り付ける必要がある。
すなわち、まず、本体ケーシング10の胴部ケーシング部11内面に、第1油戻しガイド71をスポット溶接などの方法により取り付ける(第1油戻しガイド取付け工程)。
ついで、本体ケーシング10の胴部ケーシング部11内部における第1油戻しガイド71よりも下方の位置に、モータ16の固定子51を加熱膨張した胴部ケーシング部11内部に圧入して固定(焼きばめ)する(固定子取付け工程)。この圧入固定する際には、コアカット部51aの油戻し流路74と第1油戻しガイド71とが連通するように位置決めしてから固定子51を圧入固定する。
その後、本体ケーシング10の胴部ケーシング部11内部における固定子51よりも下方の位置に、第2油戻しガイド72、油分離板73および下部主軸受60が一体に組み合わされた状態で取り付ける(第2油戻しガイド取付け工程)。下部主軸受60は、胴部ケーシング部11に対して固定される。下部主軸受60を固定する際には、コアカット部51aの油戻し流路74と第2油戻しガイド72とが連通するように位置決めしてから下部主軸受60を固定する。
以上の手順により、モータ16の固定子51を本体ケーシング10に固定する作業を妨げずに、コアカット部51aの油戻し流路74に連通させるように第1油戻しガイド71および第2油戻しガイド72を取り付けることが可能である。
〔スクロール圧縮機1の運転動作〕
つぎに、スクロール圧縮機1の運転動作について図1を参照しながら簡単に説明する。まず、モータ16が駆動されると、駆動軸17が回転し、可動スクロール26が自転することなく公転運転を行う。すると、低圧の冷媒が、吸入管19を通って圧縮室40の周縁側から圧縮室40に吸引され、圧縮室40の容積変化に伴って圧縮され、高圧の冷媒ガスとなる。そして、この高圧の冷媒ガスは、圧縮室40の中央部から吐出口41を通ってマフラー空間45へ吐出され、その後、ハウジング23の連絡通路(図示せず)を通って間隙空間18へ流出し、そして、この冷媒ガスは、一部が分流して胴部ケーシング部11内周面に沿って円周方向に流れる。なお、このとき、冷媒ガスに混入している潤滑油が分離される。一方、分流した冷媒ガスの他部は、モータ冷却通路55を下側に向かって流れ、モータ下部空間にまで流れた後、反転して固定子51と回転子52との間のエアギャップ通路、または他のモータ冷却通路55を上方に向かって流れる。その後、上昇した冷媒ガスは、他の冷媒ガスと間隙空間18で合流し、吐出管20から、本体ケーシング10外に吐出される。そして、本体ケーシング10外に吐出された冷媒ガスは、冷媒回路を循環した後、再度吸入管19を通ってスクロール圧縮機構15に吸入されて圧縮される。
このとき、第1油戻しガイド71、コアカット部51aの油戻し流路74および第2油戻しガイド72に案内されて下降する油は、他のモータ冷却通路55を通って上昇する冷媒ガスと接触しないので、油の巻上げが生じない。
<実施形態の特徴>
(1)
本実施形態のスクロール圧縮機1では、モータ16の固定子51と本体ケーシング10との間に形成され、油の下降が可能な油戻し流路74と、油戻し流路74の上部開口74aに連通する第1油戻しガイド71と、本体ケーシング10内部に配置され、油戻し流路74の上部開口74aに連通する第2油戻しガイド72とを備えているので、モータ16の下部空間において、冷媒ガスとクランク室31から下降中の戻り油が直接に触れ合うことがなくなり、油の巻上げを防止できる。また、固定子51の形状に影響を与えずに冷媒ガスから隔離された油戻し流路74を確保できる。
(2)
また、特許文献1記載のような従来の圧縮機のようにクランク室31からの戻り油を1本の銅管等で油面まで戻す方式では、通路面積確保と絶縁距離確保のため、モータ効率を犠牲にせざるを得ないのに対し、本実施形態のスクロール圧縮機1では、特殊なコアカット形状にする必要がないので、モータ効率に影響を与えない。したがって、圧縮機効率を下げることなく、油上がり率増加を抑えることができる。
(3)
さらに、本実施形態のスクロール圧縮機1では、油戻し流路74として、固定子51の外周面に形成された鉛直方向に延びる溝、すなわちコアカット部51aによって構成されているので、従来のように油戻り用の銅管等が不要になる。また、固定子51の形状に影響を与えずに冷媒ガスから隔離された油戻し流路74を確保できる。
(4)
また、本実施形態のスクロール圧縮機1では、第2油戻しガイド72の流路断面積は、第1油戻しガイド71の流路断面積よりも広いので、したがって、油は、第2油戻しガイド72の広い流路72aを流れるときに流速が下がるので、油分離板73下方の油溜まりPに落下するときの速度を下げることができるので、油の再飛散を抑えることが可能である。
(5)
また、本実施形態のスクロール圧縮機1では、本体ケーシング10内部における固定子51の下方に配置され、下降する冷媒ガスから油を分離する油分離板73をさらに備え、しかも、第2油戻しガイド72が油分離板73に固定されているので、油分離板73の取付け作業と同時に第2油戻しガイド72を取り付けることができるので、第2油戻しガイド72の取付けや位置決めが容易である。
(6)
また、本実施形態のスクロール圧縮機1では、油分離板73が本体ケーシング10の内周面全体わたって閉じており、油分離板73の外周縁の一部に切欠き73aが形成され、第2油戻しガイド72が油分離板73の外周縁における切欠き73aが形成されている位置に固定されている。したがって、油分離板73が油溜まりPの油面の全面を覆うので、本体ケーシング10内部を下降するガス流れによる油面の乱れが大幅に少なくでき、その結果、油面での油滴の再飛散が防止できる。
(7)
また、本実施形態のスクロール圧縮機1の組立方法では、本体ケーシング10内部に、第1油戻しガイド71を取り付ける第1油戻しガイド取付け工程と、本体ケーシング10内部における第1油戻しガイド71よりも下方の位置に、固定子51を取り付ける固定子取付け工程と、本体ケーシング10内部における固定子51よりも下方の位置に、第2油戻しガイド72を取り付ける第2油戻しガイド取付け工程とを含んでいる。
したがって、モータ16の固定子51を本体ケーシング10に固定する作業を妨げずに、コアカット部51aの油戻し流路74に連通させるように第1油戻しガイド71および第2油戻しガイド72を容易かつ確実に取り付けることが可能である。また、その結果、部品点数が増えても圧縮機の組立が容易であるので、作業速度の低下を抑えることが可能である。
<変形例>
(A)
実施形態のスクロール圧縮機1では、第2油戻しガイド72が油分離板73に固定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2油戻しガイド72を下部主軸受60に直接固定しておいてもよい。この場合も、第2油戻しガイド72の取付けおよび位置決めが容易になり、圧縮機の組立も容易になる。
(B)
本発明の圧縮機によって圧縮される冷媒として、HFC(ハイドロフルオロカーボン)や分子式:C3mn(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒、又は該冷媒を含む混合冷媒を採用するのが好ましい。なお、その他の冷媒も採用可能である。
本発明は、密閉容器内部にモータが内蔵され、モータの固定子と本体ケーシングとの間を油が下降する構造を有する圧縮機に種々適用することが可能である。
1 圧縮機
15 圧縮機構
16 モータ
51 固定子
71 第1油戻しガイド
72 第2油戻しガイド
73 油分離板
74 油戻し流路
特許第3608401号公報

Claims (4)

  1. 密閉容器である本体ケーシング(10)と、
    前記本体ケーシング(10)の内面に固定された固定子(51)、および前記固定子(51)内部に回転自在に配置された回転子(52)を有するモータ(16)と、
    前記本体ケーシング(10)内部における前記モータ(16)の上方に配置され、前記モータ(16)の回転駆動力によりガスを圧縮する圧縮機構(15)と、
    前記固定子(51)と前記本体ケーシング(10)との間に形成され、油の下降が可能な油戻し流路(74)と、
    前記油戻し流路(74)の上部開口に連通する第1油戻しガイド(71)と、
    前記本体ケーシング(10)内部に配置され、前記油戻し流路(74)の下部開口に連通する第2油戻しガイド(72)と、
    を備え、
    前記第2油戻しガイド(72)の流路断面積は、前記第1油戻しガイド(71)の流路断面積よりも広く
    前記本体ケーシング(10)内部における前記固定子(51)の下方に配置され、前記油戻し流路(74)を通って下降する油をガスから分離する油分離板(73)をさらに備え、
    前記油分離板(73)は油溜まり(P)の油面の全面を覆い、前記油分離板(73)の外周縁の一部に切欠き(73a)が形成され、
    前記第2油戻しガイド(72)は前記切欠き(73a)が形成されている位置に固定されており、
    前記モータ(16)の下部へ下降した冷媒ガスは、前記油分離板(73)に当たり、冷媒ガスに含まれる油が分離され、冷媒ガスは前記油分離板(73)下方の前記油溜まり(P)に直接当たることがなく、油の再飛散を抑えることが可能である、
    圧縮機(1)。
  2. 前記油戻し流路(74)は、前記固定子(51)の外周面に形成された鉛直方向に延びる溝によって構成されている、
    請求項1に記載の圧縮機(1)。
  3. 前記第2油戻しガイド(72)は、前記油分離板(73)に固定されている、
    請求項1に記載の圧縮機(1)。
  4. 請求項1記載の圧縮機(1)の組立方法であって、
    前記本体ケーシング(10)内部に、前記第1油戻しガイド(71)を取り付ける第1油戻しガイド取付け工程と、
    前記本体ケーシング(10)内部における前記第1油戻しガイド(71)よりも下方の位置に、前記固定子(51)を取り付ける固定子取付け工程と、
    前記本体ケーシング(10)内部における前記固定子(51)よりも下方の位置に、前記第2油戻しガイド(72)を取り付ける第2油戻しガイド取付け工程と
    を含む圧縮機(1)の組立方法。
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