JP5441624B2 - モータ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明はモータ駆動装置に係り、特に、ロータの位置を検出する位置センサを有するモータ駆動装置に関する。
オープンループ駆動及びフィードバック駆動を切り替えてモータの駆動制御を行うモータ駆動装置において、フィードバック駆動からオープンループ駆動への切り替えは、通常、位置センサに基づいて検出されたロータの回転速度が所定値に達したときに行われる。
特許文献1では、オープンループ駆動及びフィードバック駆動の切り替えを、モータの位置センサの出力に応じたタイミングで行うことが開示されている。また、切り替え時におけるロータの回転位置を、ロータがマイクロステップ駆動において電磁気的に安定して静止する位置に一致させることで、切り替え時のロータの振動を防止する方法が開示されている。
特開平10−150798号公報
しかしながら、フィードバック駆動からオープンループ駆動へ切り替える際にロータの回転加速度が大きい(回転速度変化が大きい)と、切り替え時の回転周波数とオープンループ駆動の駆動周波数との整合がとれず、モータの脱調を引き起こす可能性がある。
また、特許文献1に開示された技術では、モータが十分に減速してからの切り替えには効果があるが、モータが回転している場合には、ロータが電磁気的に安定して静止する位置よりも若干ずれた位置で切り替えた方が望ましい。これは、オープンループ駆動の場合、高速回転になるに従い駆動電圧の印加タイミングに対してロータが徐々に遅れて回転するためである。特許文献1の技術をモータの回転中に実行した場合、逆に振動を引き起こす可能性がある。
そこで本発明は、脱調や振動の発生を抑制するモータ駆動装置を提供する。
本発明の一側面としてのモータ駆動装置は、所定の時間間隔に従ってモータのコイルへの通電を切り替えることで、前記モータをオープンループ駆動する第1駆動手段と、ロータの位置を検出する位置センサの出力に応じて前記モータの前記コイルへの通電を切り替えることで、前記モータをフィードバック駆動する第2駆動手段と、前記位置センサの出力から前記ロータの速度及び加速度を算出する演算手段と、前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を切り替えて前記モータを駆動制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記第2駆動手段で前記ロータの加速、定速、減速駆動を行うとともに、前記フィードバック駆動から前記オープンループ駆動に切り替える際には、前記ロータの速度が前記オープンループ駆動時の前記ロータの最大速度以下の速度であって、かつ一定速度となるように、前記第2駆動手段で前記モータを駆動制御する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、脱調や振動の発生を抑制するモータ駆動装置を提供することができる。
本実施例におけるモータの外観斜視図である。 本実施例におけるモータ駆動装置のブロック構成図である。 本実施例のモータにおいて、ヨーク、位置センサ、及び、ロータの位相関係を示す軸方向の断面図である。 本実施例において、ロータ位置とモータトルクとの関係、及び、ロータ位置と位置センサの出力との関係を示すグラフである。 本実施例における進角回路の構成図である。 本実施例のモータにおいて、FB駆動時の動作を示す軸方向の断面図である。 本実施例において、進角信号が所定の進角αを有する場合において、ロータの回転角度とモータトルクとの関係、及び、ロータの回転角度と各信号の出力との関係を示すグラフである。 本実施例において、進角を変えたときのトルクと回転数の関係を示すグラフである。 本実施例におけるモータ駆動装置の駆動の様子(駆動開始から駆動終了まで)を示す図である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
まず、本実施例のモータ駆動装置により駆動されるモータの構成について説明する。図1は、本実施例のモータ101の外観斜視図である。なお、図1では、説明のため一部の部品を破断して示している。モータ101は、マグネット201を有するロータ202、第1のコイル203、第2のコイル204、第1のヨーク205、第2のヨーク206、第1の位置センサ207、及び、第2の位置センサ208を備える。このうち、第1のコイル203、第2のコイル204、第1のヨーク205、第2のヨーク206、第1の位置センサ207、及び、第2の位置センサ208によってステータが構成される。
マグネット201は、外周が多極着磁された円筒形状の永久磁石である。角度位置に対し、径方向の磁力の強さが正弦波状に変化する着磁パターンを有する。マグネット201としては、例えば、磁束密度の高いネオジウム磁石が用いられるが、これに限定されるものではない。ロータ202は、ステータに対して回転可能に支持され、マグネット201と一体に固定されている。
第1のヨーク205は、第1のコイル203に励磁される複数の磁極歯を有する。励磁される極を切り替えることで、ロータ202に与えるトルクを変化させることができる。第2のヨーク206は、第2のコイル204に励磁される複数の磁極歯を有する。励磁される極を切り替えることで、ロータ202に与えるトルクを変化させることができる。
第1の位置センサ207及び第2の位置センサ208は、マグネット201の磁束を検出して、その検出信号を出力するホール素子である。本実施例において、マグネット201の磁束はホール素子によって検出される。しかしながら、ロータ位置の検出方式はこれに限定されるものではない。ロータの回転に伴って変位する検出用マグネットを配置して検出してもよく、また、遮光板やパターン面を光学センサによって読み取ってもよい。位置センサは、モータと一体に固定されていてもよく、また、モータとは別部材に固定されていてもよい。
次に、本実施例におけるモータ駆動装置の構成について説明する。図2は、モータ駆動装置1のブロック構成図である。301は、モータ101に含まれる第1の位置センサ207及び第2の位置センサ208の出力を処理する位置センサ信号処理回路である。302は、後述のフィードバック駆動回路303又はオープンループ駆動回路304のいずれかを選択して、加速、定速、減速駆動(停止駆動)等の各駆動制御を行う制御部である。303はフィードバック駆動回路であり、304はオープンループ駆動回路である。フィードバック駆動回路303及びオープンループ駆動回路304のうち制御部302により選択された一方は、モータ101の駆動信号を生成する。305は、フィードバック駆動回路303又はオープンループ駆動回路304からの駆動信号に基づいてモータ101を駆動するモータドライバである。モータ駆動装置1は、以上の構成要素を備える。
オープンループ駆動回路304及びモータドライバ305(第1駆動手段)は、モータ101に対してオープンループ駆動(OP駆動)を行う。OP駆動とは、通常のステップモータのオープンループ制御と同様に、所定の時間間隔に従ってモータのコイルへの通電を切り替える駆動方法である。すなわち、オープンループ駆動回路304及びモータドライバ305は、駆動パルス間隔(駆動周波数)と回転方向に従って、第1のコイル203と第2のコイル204への通電を順次切り替える。このような制御により、ロータ202を所望の速度で回転させることができる(速度制御)。また、駆動パルス数に従って、ロータ202を所望の角度だけ回転させることも可能である(位置制御)。
このように、OP駆動では、所定の時間間隔(駆動パルス間隔)に従ってコイルへの通電を切り替える。このため、位置センサの検出結果の影響を受けずにコイルの通電切り替えタイミングを制御することができる。ただし、駆動パルス間隔を短くすると、コイル通電の切り替えに対するロータの応答が困難となり、脱調を起こす可能性がある。したがって、OP駆動時のロータの最大速度はコイル通電の切り替えに対して、ロータが追従できる最大の速度となる。
フィードバック駆動回路303及びモータドライバ305(第2駆動手段)は、モータ101に対してフィードバック駆動(FB駆動)を行う。FB駆動とは、ロータ202の位置を検出する位置センサ(第1の位置センサ207、第2の位置センサ208)の出力に応じてモータのコイルへの通電を切り替える駆動方法である。すなわち、フィードバック駆動回路303及びモータドライバ305は、駆動パルス数、回転方向、及び、位置センサの出力する検出信号をもとに生成される進角信号に従って、第1のコイル203と第2のコイル204との通電を順次切り替える。このような制御により、ロータ202を所望の角度だけ回転させることが可能である(位置制御)。また、第1のコイル203と第2のコイル204に流れる電流又は電圧を制御することで、ロータ202を所望のトルクで回転させることもできる(電流/電圧制御)。さらに、前記検出信号と前記進角信号との間の位相差(進角)を制御することで、トルク−回転数特性を変化させることが可能である(進角制御)。なお、進角制御については後述する。
FB駆動では、コイルの通電切り替えはロータの位置に合わせて行われる。このため、ロータの応答遅れによる脱調の発生を低減させることができ、高速駆動が可能となる。
次に、本実施例のモータ101におけるヨークと位置センサの位相関係について説明する。図3は、モータ101において、ヨーク、位置センサ、及び、ロータの位相関係を示す軸方向の断面図である。図3中では、時計回りを正の方向とする。205a〜205dは第1のヨーク205の磁極歯であり、206a〜206dは第2のヨーク206の磁極歯である。本実施例では、マグネットの極数は8極であり、着磁角Pは45°である。また、第1のヨーク205を基準とすると、第2のヨーク206の位相P/2は−22.5°、第1の位置センサ207の位相β1は+22.5°、第2の位置センサ208の位相β2は−45°である。
以下、電気角を用いてモータの動作について説明する。電気角とは、マグネット磁力の1周期を360°として表されるものであり、ロータの極数をM、実際の角度をθとすると、電気角θは以下の式(1)で表される。
θ=θ×M/2 …(1)
第1のヨーク205と第2のヨーク206の位相差、第1の位置センサ207と第2の位置センサ208の位相差、第1のヨーク205と第1の位置センサ207の位相差は全て、電気角で90°である。なお、図3において、第1のヨーク205の磁極歯中心とマグネット201のN極中心は対向している。この状態をロータの初期状態とし、電気角を0°とする。
次に、モータ101におけるロータの回転角度とモータトルクとの関係、及び、ロータの回転角度と各信号との関係について説明する。図4は、ロータの回転角度とモータトルク及び位置センサの出力との関係を示すグラフである。
図4(1)は、ロータの回転角度(ロータ位置)とモータトルクとの関係を示すグラフであり、横軸は電気角を、縦軸はモータトルクを示す。図4(1)において、ロータを時計回りに回転させるモータトルクを正とする。第1のコイル203に正方向の電流を流すと、第1のヨーク205がN極に磁化し、マグネット201の磁極との間に電磁気力が発生する。また、第2のコイル204に正方向の電流を流すと、第2のヨーク206がN極に磁化し、マグネットの磁極との間に電磁気力が発生する。2つの電磁気力を合成すると、ロータ202の回転に伴って略正弦波状のトルクが得られる(トルク曲線A+B+)。他の通電状態においても、同様に、略正弦波状のトルクが得られる(トルク曲線A+B−、A−B−、A−B+)。また第1のヨーク205は、第2のヨーク206に対して電気角で90°の位相を有して配置される。このため、4つのトルクは、互いに電気角で90°の位相差を有する。
図4(2)は、ロータの回転角度(ロータ位置)と各信号の出力との関係を示すグラフであり、横軸は電気角を、縦軸は各信号の出力を示す。マグネット201は、その径方向における磁力の強さが電気角に対して略正弦波状になるように着磁される。このため、第1の位置センサ207からは、略正弦波状の信号が得られる(位置センサ信号A)。なお本実施例では、第1の位置センサ207は、マグネット201のN極と対向するときに正の値を出力する。
また、第2の位置センサ208は、第1の位置センサ207に対して電気角で90°の位相を有して配置される。このため、第2の位置センサ208からは略余弦波状の信号が得られる(位置センサ信号B)。本実施例において、第2の位置センサ208は、第1の位置センサ207に対して反転した極性を有する。このため、第2の位置センサ208は、マグネット201のS極と対向するときに正の値を出力する。
第1の位置センサ207及び第2の位置センサ208の出力は、位置センサ信号処理回路301で所定の演算が行われ、フィードバック駆動回路303の一部を構成する進角回路に入力される。進角回路は、制御部302にて設定される任意の進角を有する第1の進角信号及び第2の進角信号を出力する。以下、これらの進角信号の演算方法について説明する。
電気角をθ、第1の位置センサ207の出力をHE1、第2の位置センサ208の出力をHE2とすると、各出力は、次の式(2−1)、(2−2)のように表される。
HE1=sinθ … (2−1)
HE2=cosθ … (2−2)
ここで、進角αだけ進めた第1の進角信号をPS1、進角αだけ進めた第2の進角信号をPS2とすると、HE1、HE2、αを用いて、次の式(3−1)、(3−2)ように演算することができる。
PS1=sin(θ+α)=HE1×cosα+HE2×sinα … (3−1)
PS2=cos(θ+α)=HE2×cosα−HE1×sinα … (3−2)
本実施例では、上記の演算式(3−1)、(3−2)に基づいて進角回路を構成する。図5は、本実施例における進角回路401の構成を示す図である。進角回路401は、例えば図5に示されるようなアナログ回路で構成される。このような進角回路により、上記の演算が実現可能となる。まず、各位置センサ出力を所定の増幅率Aで増幅した信号と、さらにそれらの出力を反転させた信号を生成する(Asinθ、Acosθ、−Asinθ、−Acosθ)。これらの信号に適切な抵抗値R1、R2を掛けて加算することにより、進角信号が生成される。第1の進角信号PS1、第2の進角信号PS2は次の式(4−1)、(4−2)のように表される。
PS1=A×(R/R1)×sinθ+A×(R/R2)cosθ … (4−1)
PS2=A×(R/R1)×cosθ−A×(R/R2)sinθ … (4−2)
進角回路中の抵抗R、可変抵抗R1、R2を以下の式(5−1)、(5−2)を満たすように選ぶことで、任意の進角αだけ進めた進角信号を生成することができる。
R/R1=cosα … (5−1)
R/R2=sinα … (5−2)
第1の進角信号PS1及び第2の進角信号PS2は、コンパレータにより二値化され、コンパレータから二値化信号が出力される。
本実施例における進角信号の生成方法は、上述のアナログ回路を用いた方法に限定されるものではない。デジタル回路を用いて進角信号を生成してもよく、また、高分解能のエンコーダを用いて通電を切り替えるパルス間隔を調整することで進角信号を生成してもよい。
次に、FB駆動における通電切り替えについて説明する。まず、進角回路から出力される進角信号の進角がゼロの場合について、FB駆動の動作を説明する。図4(2)において、進角信号A、進角信号Bは、位置センサ信号Aと位置センサ信号Bに対して前述の進角演算を行い、進角が与えられた信号である。図4(2)には、進角がゼロの場合が示されている。このため、第1の位置センサ207の出力であるセンサ信号Aと進角信号A、第2の位置センサ208の出力であるセンサ信号Bと進角信号Bは、それぞれ一致している。2値化信号A及び2値化信号Bは、進角信号A及び進角信号Bに対して、コンパレータで2値化を行うことにより得られた信号である。
FB駆動において、モータドライバ305は、2値化信号Aに基づいて第1のコイル203の通電を切り替え、2値化信号Bに基づいて第2のコイル204の通電を切り替える。すなわち、モータドライバ305は、2値化信号Aが正の値である場合に第1のコイル203に正方向の電流を流し、負の値である場合に第1のコイル203に逆方向の電流を流す。またモータドライバ305は、2値化信号Bが正の値である場合に第2のコイル204に正方向の電流を流し、負の値である場合に第2のコイル204に逆方向の電流を流す。
図6は、本実施例のモータ101において、FB駆動時の動作を示す軸方向の断面図である。図6(a)は、ロータが電気角で135°回転した状態を示している。このとき、図4(2)中の(a)で表されるように、2値化信号Aは正、2値化信号Bは負の値をそれぞれ示す。従って、第1のコイル203には正方向の電流が流れ、第1のヨーク205はN極に磁化する。一方、第2のコイル204には逆方向の電流が流れ、第2のヨーク206はS極に磁化する。このとき、図4(1)のトルク曲線A+B−に対応する時計回りのトルクが働き、ロータ202はθ方向の回転力を受けて回転する。
図6(b)は、ロータ202が電気角で180°回転した状態を示している。このとき、2値化信号A、Bは図4(2)中の(b)で表される。第1の位置センサ207は、マグネット201のN極とS極の境界に位置する。このため、電気角180°を境に2値化信号Aは正から負の値に切り替わり、第1のコイル203の通電方向が正方向から逆方向へ切り替わる。この電気角は、トルク曲線A+B−とトルク曲線A−B−との交点の電気角と一致する。
図6(b’)はロータが電気角で180°回転し、第1のコイル203の通電方向が切り替わった状態を示している。第1のコイル203には逆方向の電流が流れて第1のヨーク205はS極に磁化し、第2のコイル204には逆方向の電流が流れて第2のヨーク206はS極に磁化する。このとき、図4(1)のトルク曲線A−B−に対応する時計回りのトルクが働き、ロータ202はθ方向の回転力を受けて回転する。
図6(c)はロータ202が電気角で225°回転した状態を示している。このとき、図4(2)の(c)で表されるように、2値化信号A、Bはいずれも負の値を示す。従って、第1のコイル203には逆方向(負方向)の電流が流れて第1のヨーク205はS極に磁化し、第2のコイル204にも逆方向の電流が流れて第2のヨーク206はS極に磁化する。このとき、図4(1)のトルク曲線A−B−に対応する時計回りのトルクが働き、ロータ202はθ方向の回転力を受けて回転する。
図6(d)は、ロータ202が電気角で270°回転した状態を示している。2値化信号A、Bは図4(2)の(d)で表される。このとき、第2の位置センサ208は、マグネット201のN極とS極の境界に位置する。このため、電気角270°を境に2値化信号Bは負から正の値に切り替わり、第2のコイル204の通電方向が逆方向から正方向へ切り替わる。この電気角は、トルク曲線A−B−とトルク曲線A−B+との交点の電気角と一致する。
図6(d’)は、ロータ202が電気角で270°回転し、第2のコイル204の通電方向が切り替わった状態を示している。第2のコイル204には正方向の電流が流れて第2のヨーク206はN極に磁化し、第1のコイル203には逆方向の電流が流れて第1のヨーク205はS極に磁化する。このとき、ロータ202には図4(1)のトルク曲線A−B+に対応する時計回りのトルクが働き、ロータ202はθ方向の回転力を受けて回転する。
以上の動作を繰り返すことで、ロータ202を連続的に回転させることができる。また、2値化信号A、Bの正負を反転させることにより、逆に回転させることも可能である。
次に、進角回路から出力される進角信号が所定の進角αを有する場合におけるFB駆動の動作を説明する。図7は、進角信号が所定の進角αを有する場合において、ロータの回転角度とモータトルク及び各信号の出力との関係を示すグラフである。
図7(1)は、ロータの回転角度(ロータ位置)とモータトルクとの関係を示し、横軸は電気角を、縦軸はモータトルクを示す。図7(2)は、ロータの回転角度(ロータ位置)と各信号の出力との関係を示すグラフであり、横軸は電気角を、縦軸は各信号の出力を示す。図7(2)において、進角信号Aは、センサ信号Aに対して所定の進角αだけ進んでいる。同様に、進角信号Bは、センサ信号Bに対して所定の進角αだけ進んでいる。また、進角信号A、Bに基づいて生成された2値化信号A、Bも、それぞれセンサ信号A、Bに対して進角αだけ進んでいる。FB駆動では、2値化信号Aに基づいて第1のコイル203への通電を切り替え、2値化信号Bに基づいて第2のコイル204への通電を切り替える。このため、コイルの通電切り替えタイミングは、進角がゼロの場合に比べて進角αだけ早いことになる。
図8は、進角を変えたとき(進角値θp=0、αの場合)のトルクと回転数の関係を示すグラフである。横軸はモータのトルクを、縦軸はモータの回転数を示す。図8に示されるように、進角αによってトルクと回転数の関係が変化する。FB駆動では、この性質を用いて、駆動条件によって進角αを変える進角制御が行われる。一定の負荷条件下でFB駆動を行う場合、進角αを制御することで駆動速度を制御することも可能である。
図9は、本実施例におけるモータ駆動装置の駆動の様子(駆動開始から駆動終了まで)を示す図である。図9(1)の縦軸はロータ202の回転速度(V)を示し、横軸は時刻(t)を示している。図9(2)の縦軸はロータ202の回転加速度(γ)を示し、横軸は時刻(t)を示している。図9(1)において、tは加速駆動期間、tは定常駆動期間、tは減速駆動期間である。また、減速駆動期間tのうち、t3aはFB駆動による減速駆動期間であり、t3bはOP駆動による減速駆動期間を示す。すなわち、t〜t3aの期間はFB駆動期間であり、t3bの期間はOP駆動期間である。Pは、FB駆動からOP駆動への切替点である。このように、本実施例のモータ駆動装置は、駆動開始から切替点PまでFB駆動が実行され、切替点Pから駆動終了までOP駆動が実行される。
本実施例のモータ駆動装置は、常時、ロータ202の回転速度Vおよび回転加速度γを監視している。ロータ202の回転速度Vおよび回転加速度γは、第1の位置センサ207及び第2の位置センサの出力に基づいて制御部302(演算手段)により算出される。例えば、図4の(2)または図7の(2)の2値化されたセンサ信号の立ち上がりのタイミング(時間間隔)を監視することによって回転速度Vおよび回転加速度γを算出することができる。OP駆動では、ロータ202の回転速度Vがコイルへの通電切り替えにロータ202が追従することのできる最大速度より大きくなると、脱調や振動を引き起こす可能性がある。このため、OP駆動は、ロータ202が追従可能な最大速度V以下でのみ実行可能である。従って、切替点Pの条件は、まず、回転速度VがOP駆動時(オープンループ駆動時)のロータの最大速度以下(OP駆動最大速度V以下)になっていることである。
加速駆動期間tでは、停止状態からFB駆動で立ち上がり、ロータ202は、モータドライバ305からの駆動電圧Vによる最大回転速度Vに到達する。ロータ202が最大回転速度Vに到達した後、定常駆動期間tにて一定速度でのFB駆動が行われる。ここで、一定速度とは、厳密に一定速度である場合に限られず、実質的に一定速度と評価される略一定速度である場合も含む。
その後、減速駆動期間tにて目標位置に向けて減速が行われる。FB駆動による減速駆動期間t3aでは、例えば、駆動電圧をV(<V)に減ずることで減速を行う。駆動電圧を下げる方法としては、例えば駆動信号がPWM信号により行われている場合、デューティ比を低下させる方法等が用いられる。また、このような減速は、励磁コイルへの電流量の制御や進角制御によっても可能である。
減速駆動期間t3aにおけるPは、FB駆動による減速加速度の最大点(回転加速度γm)である。減速駆動期間t3aでは、減速加速度の最大点P(回転加速度γm)を経て、OP駆動最大速度V以下になるまでロータ202をFB駆動により減速する。最大点Pの通過後、ロータ202の回転加速度が回転加速度γs以下となるように制御した後、ロータ202が略一定速度となった状態で、切替点PにてFB駆動からOP駆動に切り替える。その後、OP駆動による減速駆動期間t3bにおいて、OP駆動により所定の駆動周波数に従って目標位置まで駆動が行われる。本実施例では、ロータ202がOP駆動最大速度V以下に到達した後、所定期間だけ略一定の速度でロータ202を駆動する(一定速度期間t)。この定速駆動は、例えば目標位置や速度と実際の位置や速度との偏差、偏差の積分値などからモータへの入力信号を演算して進角の値や駆動電圧などを調節することによって行っている。
このように、ロータ202の速度変化を小さくした状態でOP駆動に移行することで、FB駆動からOP駆動へ、安定した切り替えが可能となる。OP駆動を行う第1駆動手段とFB駆動を行う第2駆動手段は、制御部302により切り替えられる。OP駆動への切り替え後は、制御部302内の記憶手段に記憶された所定の駆動テーブル(残りの各パルスに対応した駆動周波数を示すデータ)に従って減速駆動が行われ、目標位置に停止する。
本実施例のモータ駆動装置は、OP駆動とFB駆動とを組み合わせてモータを駆動することにより、通常のステップモータと同等の精度で、かつ、通常のステップモータと比べてより高速に、ロータ(被駆動体)を目標位置に到達させることができる。ロータの回転速度がOP駆動での最大速度V以下でかつロータの回転速度を一定速度にした状態で、FB駆動からOP駆動に切り替える。このため、本実施例によれば、脱調や振動の発生を抑制したモータ駆動装置を提供することができる。
以上、本発明の実施例について具体的に説明した。ただし、本発明は上記実施例として記載された事項に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
1 モータ駆動装置
101 モータ
202 ロータ
203 第1のコイル
204 第2のコイル
207 第1の位置センサ
208 第2の位置センサ
302 制御部
303 フィードバック駆動回路
304 オープンループ駆動回路
305 モータドライバ

Claims (2)

  1. 所定の時間間隔に従ってモータのコイルへの通電を切り替えることで、前記モータをオープンループ駆動する第1駆動手段と、
    ロータの位置を検出する位置センサの出力に応じて前記モータの前記コイルへの通電を切り替えることで、前記モータをフィードバック駆動する第2駆動手段と、
    前記位置センサの出力から前記ロータの速度及び加速度を算出する演算手段と、
    前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を切り替えて前記モータを駆動制御する制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記第2駆動手段で前記ロータの加速、定速、減速駆動を行うとともに、前記フィードバック駆動から前記オープンループ駆動に切り替える際には、前記ロータの速度が前記オープンループ駆動時の前記ロータの最大速度以下の速度であって、かつ一定速度となるように、前記第2駆動手段で前記モータを駆動制御することを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記第2駆動手段による前記減速駆動は、進角制御による駆動であることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
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