JP5440788B2 - フロー型反応器を用いたアルミノキサン組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、オレフィン、スチレンおよびブタジエンなどの重合の触媒成分として遷移金属化合物と共に使用するアルミノキサン組成物の製造方法に関し、アルキルアルミニウム化合物と水との反応をフロー型反応器中で行う方法に関する。
溶液状アルミノキサン組成物は、一般に有機アルミニウム化合物の部分加水分解反応により調製される縮合生成物であり、オレフィンなどの重合体の製造において、主触媒となる遷移金属化合物を効率的に活性化する助触媒成分として有用であることが知られている。原料の有機アルミニウム化合物にトリメチルアルミニウムを用いたメチルアルミノキサン組成物が、特に優れた助触媒性能を示すことは広く知られており、この組成物は通常トルエンなどの芳香族炭化水素溶媒に溶解した溶液状態で取り扱われる。(特許文献1〜6などを参照)
これら溶液状アルミノキサン組成物は、不活性炭化水素溶媒に溶解した有機アルミニウム化合物に水を反応させることで調製できることが知られている。しかし、メチルアルミノキサン組成物を有機アルミニウム化合物中に水を滴下するような方法で調製しようとすると、低い収率で目的物が得られるのみである。結晶水を有する無機塩を用いて、水と有機アルミニウム化合物の反応を制御する提案がなされている。例えば、ジンらは硫酸銅の水和物を(特許文献7)、カミンスキーらは硫酸アルミニウムの水和物を利用した方法(特許文献8)を提案している。さらに、同様な提案として、特許文献9および特許文献10などを挙げることが出来る。
一方、水を不活性溶媒中へ分散させ、不活性溶媒に溶解希釈したトリメチルアルミニウムに添加するメチルアルミノキサン組成物の製造方法が提案されている。例えば、超音波を用いてトルエン中に水を分散させ、この分散液にトリメチルアルミニウムのトルエン溶液を添加する方法(特許文献11)が、また高速、高剪断力誘発インペラーを用いる方法(特許文献12)などの提案がある。さらに、湿った不活性ガスを調製し、不活性溶媒に溶解させたトリメチルアルミニウムと接触させてメチルアルミノキサン組成物を得る方法(特許文献13)が提案されている。
更に、スプレー噴霧ノズルを用いて水微粒子を形成させ、不活性溶媒で希釈された有機アルミニウム化合物中へ吹き込む方法の提案がある。
特開昭58−19309号公報 特開昭60−35005号公報 特開昭62−234009号公報 特開昭63−234009号公報 特開昭64−66214号公報 特開平1−207355号公報 米国特許第4404344号 米国特許第4544762号 米国特許第4665208号 特願昭63−87717号公報 米国特許第4730071号公報 米国特許第4730072号公報 米国特許5103031号 特開平4−235990号公報 特開2009−73849号公報
しかしながら、特許文献7〜10に記載の無機塩の結晶水を利用しようとする提案では、水和物を有する固体を十分粉砕しなければならず、また生成したメチルアルミノキサン組成物が残留する無機塩に多量に吸着され、メチルアルミノキサン組成物収率を大きく低下する結果をもたらす。
特許文献11および12に記載の超音波や高せん断力誘発インペラーを用いても、メチルアルミノキサン組成物の収率は依然として低く、結果として、得られる溶液中に原料のトリメチルアルミニウムの残留量が多いという結果をもたらす。
また、湿った不活性ガスを用いる方法(特許文献13)では、多量の不活性ガスの導入が必要で、不活性ガスの温度や流量を厳密に制御しなければ結露現象が起こるという問題が発生する。スプレー噴霧ノズル(特許文献14)を用いることで、収率の改善とそれに伴う原料のトリメチルアルミニウムの残留量の低下が認められるが、依然としてメチルアルミノキサン組成物の収率改善とトリメチルアルミニウム残量低減が求められている。
特許文献15には、水をヒドロカルビルアルミニウム化合物および/またはアルミノキサン組成物が有機溶媒に入っている溶媒溶液に添加してアルミノキサン組成物を製造する改良方法であって、上記水を溶媒の流れで取り巻かれているオリフィスに通して供給して該溶媒の流れで上記水を上記ヒドロカルビルアルミニウム化合物および/またはアルミノキサン組成物が入っている溶媒溶液の中に運び込むことを含む方法が記載されている。
アルミノキサン組成物の製造で自由水をヒドロカルビルアルミニウム化合物が入っている溶媒溶液に直接添加することに伴う問題は、水を搬送する装置のオリフィスに詰まりが生じる点である。これは、ヒドロカルビルアルミニウム化合物の過剰な酸化が局所的に起こって不溶な生成物が生じることが原因であり、これは水が溶媒に入っている溶液または分散液を用いた時にも起こり得る。このように詰まりの問題が生じると、オリフィスを定期的に奇麗にする必要があり、それによって、アルミノキサン組成物製造工程が中断する。特許文献15に記載の方法は、この点を改善する記載である。
しかし、特許文献15に記載の方法では、上記方法を実施するために、有機溶媒と中間的な生成物を循環する装置や水を注入した後に高い剪断力を作り出す混合装置(例えば、インラインミキサー)や冷却装置などを備えた大がかりな装置を必要とするという欠点がある。
本発明の目的は、原料として用いる有機アルミニウム化合物の残留率を極めて低減したオレフィンなどの重合用触媒成分として有用なアルミノキサン組成物を良好な収率で、かつ簡単な構造を有する反応装置で、不溶性の生成物が生じることを回避しつつ連続的に製造できる方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決するために鋭意研究を続けた結果、有機アルミニウム化合物と水の反応によりアルミノキサン組成物を形成する際に、冷却機能を併せ持つ特定の構造と寸法を有するフロー型反応器を用い、特定の条件で運転することにより、原料有機アルミニウム化合物の極めて低減されたアルミノキサン組成物を高収率で連続的にかつ安定的に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
[1]
有機アルミニウム化合物と水とを反応させてアルミノキサン組成物を製造する方法であって、
有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物と水と有機溶媒の混合物を、前記有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が0.3〜0.8の範囲となる量比で
外管及び、外管の内部に収容された内管を有し、内管は入口側から外管の途中まで外管内に延存して二重管を構成し、内管の出口から外管の出口までは一重管であるフロー型反応器を用い、前記有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物は前記入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管のいずれか一方に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は前記入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管の残りのいずれか一方に供給され、前記内管の出口から外管の出口までの一重管である反応領域で前記反応を生じさせて、前記外管の出口からアルミノキサン組成物を含有する溶液を得ることを含み、
前記外管及び内管はいずれも略円管であり、
前記外管の内径r1(直径)は10μm〜5mmの範囲であり、
前記内管の外径r2(直径)は上記r1の10〜90%の範囲であり、
前記内管の内径r3(直径)は上記r2の10〜50%の範囲であり、
前記内管の出口から外管の出口までの一重管は100〜500cmの範囲であり、
前記内管の出口から外管の出口までの一重管である反応領域は、外管の外部から外管の外表面が20℃以下となるように冷却される
前記アルミノキサン組成物の製造方法。
[2]
有機アルミニウム化合物と水とを反応が、前記フロー型反応器を用いて多段階に行われ、2段目以降では、前段で生成したアルミノキサン組成物を含有する溶液を、有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物の代りに用いることを特徴とする[1]に記載のアルミノキサン組成物の製造方法。
[3]
前記有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が0.3〜0.5の範囲となる量比で[1]に記載の方法を実施してアルミノキサン組成物を得る工程A、得られたアルミノキサン組成物と水と有機溶媒の混合物を、前記工程Aで得たアルミノキサン組成物に含まれるアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が、前記工程Aで使用した水量との合量で、0.5〜0.8の範囲となる量比で、[1]に記載のフロー型反応器に、前記フロー型反応器の反応領域を、外管の外部から外管の外表面が20℃以下となるように冷却しつつ、前記アルミノキサン組成物は前記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管のいずれか一方に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は前記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管の残りのいずれか一方に供給され、前記反応領域で前記工程Aで得たアルミノキサン組成物に含まれる有機アルミニウム化合物と水とを反応させて、前記フロー型反応器の外管の出口からアルミノキサン組成物を含有する溶液を得る工程Bを含む、アルミノキサン組成物の製造方法。
[4]
前記有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が、工程AとBで使用した水量の合量で、0.5〜0.7の範囲となる量比で、[3]に記載の方法の工程A及びBを実施してアルミノキサン組成物を得る工程、得られたアルミノキサン組成物と水と有機溶媒の混合物を、前記工程Bで得たアルミノキサン組成物に含まれるアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が、前記工程A及びBで使用した水量との合量で、0.6〜0.8の範囲となる量比で、[1]に記載のフロー型反応器に、前記フロー型反応器の反応領域を、外管の外部から外管の外表面が20℃以下となるように冷却しつつ、前記アルミノキサン組成物は前記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管のいずれか一方に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は前記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管の残りのいずれか一方に供給され、前記反応領域で前記工程Bで得たアルミノキサン組成物に含まれる有機アルミニウム化合物と水とを反応させて、前記フロー型反応器の外管の出口からアルミノキサン組成物を含有する溶液を得る工程Cを含む、アルミノキサン組成物の製造方法。
[5]
前記2つの混合物は、前記一重管である反応領域における流速が3〜10cm/秒の範囲とするように供給される[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]
前記2つの混合物またはアルミノキサン組成物及び水と有機溶媒の混合物は、それぞれ一定の流速で連続して供給される[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]
前記一重管である反応領域の長さは、この反応領域における混合物の滞留時間が、20〜100秒の範囲となるように、設定される[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]
前記有機アルミニウム化合物がトリメチルアルミニウムであり、反応生成物中のアルミノキサン化合物に由来するメチル基及びトリメチルアルミニウムに由来するメチル基の合計量に対するトリメチルアルミニウムに由来するメチル基のモル分率が20mol%以下である[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]
前記アルミノキサン化合物は、下記繰返単位(1)および(2)を含むアルミノキサン化合物であって、繰返単位(1)および(2)の合計数は2〜30の範囲であり、繰返単位(1)および(2))の順番は任意である[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
(繰返単位(1)中、R1は水素原子、ハロゲン原子、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基またはC6〜C20のアリール基を表し、前記アルキル基、アルケニル基およびアリール基はハロゲン原子、水酸基またはC1〜C8の炭化水素基で置換されていても良く、
繰返単位(2)中、R2は水素原子、ハロゲン原子、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基またはC6〜C20のアリール基を表し、前記アルキル基、アルケニル基およびアリール基はハロゲン原子、水酸基またはC1〜C8の炭化水素基で置換されていても良い。)
[10]
反応生成物中のアルミノキサン化合物に由来する有機基及び有機アルミニウム化合物に由来する有機基の合計量に対する有機アルミニウム化合物に由来する有機基のモル分率が20mol%以下である[9]に記載の製造方法。
[11]
前記前記有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物は、前記外管と内管の隙間の流路に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は、前記内管に供給される[1]〜[10]のいずれかに記載の製造方法。
[12]
前記アルミノキサン組成物は、前記外管と内管の隙間の流路に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は、前記内管に供給される[3]〜[10]のいずれかに記載の製造方法。
[13]
[8]に記載の方法で得られた、アルミノキサン化合物に由来するメチル基及びトリメチルアルミニウムに由来するメチル基の合計量に対するトリメチルアルミニウムに由来するメチル基のモル分率が20mol%以下であるアルミノキサン組成物。
[14]
[10]に記載の方法で得られた、アルミノキサン化合物に由来する有機基及び有機アルミニウム化合物に由来する有機基の合計量に対する有機アルミニウム化合物に由来する有機基のモル分率が20mol%以下であるアルミノキサン組成物。
本発明の製造方法によれば、原料有機アルミニウム化合物の極めて低減されたアルミノキサン組成物を高収率で、連続的かつ安定的に提供することが出来る。
本発明でアルミノキサン組成物製造に用いた反応装置概略図である。 本発明でアルミノキサン組成物製造に用いた反応装置のミキサー(高速混合を可能とする幅200ミクロンの多段衝突混合微小流路(ステンレス基板))の写真である。 本発明でメチルアルミノキサン組成物製造(実施例1〜6)に用いたフロー型反応器の概略説明図である。内管は外径1/16インチ、内径0.5mmのテフロンチューブであり、水+有機溶媒を供給する。外管は外径3.0mm、内径 2.0mmのテフロンチューブであり、トリメチルアルミニウム+有機溶媒を供給する。 メチルアルミノキサン組成物製造(比較例)に用いたフロー型反応器の写真および図面である。(A)AIST多段衝突型マイクロリアクター(微小流路の交互配置)、幅200μm、深さ200μm、一段の長さ1mm、(B)市販T-型コネクター、流路内系300μm、(C)市販十字型コネクター、流路内系300μm 本発明でメチルアルミノキサン組成物製造(実施例1〜3)で得られたメチルアルミノキサン組成物のd8−THF溶媒を用いて測定した1H−NMRチャートである。 a)は実施例1、b)は実施例2、c)は実施例3により得られたメチルアルミノキサン組成物のものである。 本発明のメチルアルミノキサン組成物中のトリメチルアルミニウムに帰属されるメチル基のモル分率を求めるための1H−NMRチャート例である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、有機アルミニウム化合物と水とを反応させてアルミノキサン化合物を製造する方法である。
本発明においては、有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物と水と有機溶媒の混合物を、前記有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対する水の最終添加モル比(H2O/Al)が0.5〜0.8の範囲となる量比で、フロー型反応器に供給する。この点については後述する。
フロー型反応器は、外管及び、外管の内部に収容された内管を有し、内管は入口側から外管の途中まで外管内に延存して二重管を構成し、内管の出口から外管の出口までは一重管である。
前記フロー型反応器の外管及び内管はいずれも略円管であり、好ましくは、外管及び内管はいずれも円管である。外管の内径r1(直径)は例えば、10μm〜5mmの範囲であり、好ましくは100μm〜4mmの範囲、より好ましくは1mm〜3mmの範囲である。外管の内径r1が10μm未満では、二重管の構成が容易ではなく、かつ処理量も限られる。一方、外管の内径r1が5mmを超えると、有機アルミニウム化合物の残留率を極めて低減したアルミノキサン組成物を良好な収率で、かつ不溶性の生成物が生じることを回避しつつ連続的に製造することが困難になる。
前記フロー型反応器の内管の外径r2(直径)は上記r1の10〜90%の範囲であり、好ましくは30〜85%の範囲、より好ましくは50〜80%の範囲である。内管の外径r2(直径)がr1の10%未満では、内管の内径r3を十分な寸法で確保するのが難しくなり、90%を超えると、外管と内管の隙間の流路として十分な空間を確保するのが難しくなる。
前記フロー型反応器の内管の内管の内径r3(直径)は上記r2の10〜50%の範囲であり、好ましくは15〜45%の範囲であり、より好ましくは20〜40%の範囲である。内管の内径r3(直径)がr2の10%未満では、内管の内径r3を十分な寸法で確保するのが難しくなり、50%を超えると、内管の厚みを確保するのが難しくなる。
フロー型反応器は、外管及び、外管の内部に収容された内管を有し、内管は入口側から外管の途中まで外管内に延存して二重管を構成する。この二重管の長さは特に制限はなく、適宜決定できる。但し、あまり長くなると、外管と内管の隙間の流路を均一に保つことが難しくなる傾向があることから、例えば、1〜10cmの範囲とすることができる。但し、この範囲に限定される意図ではない。一方、内管の出口から外管の出口までは一重管である。一重管の長さは、100〜500cmの範囲である。一重管は有機アルミニウム化合物と水が反応するための反応領域であり、前記反応を生じさせて有機アルミニウム化合物の残留率を低減したアルミノキサン組成物を良好な収率で得るという観点からは、上記範囲とすることが適当である。一重管の長さが1m未満では、設定する溶液の流速によっては、上記反応が完了する前に、一重管を通過してしまう場合があり、その結果、有機アルミニウム化合物の残留率が高くなる傾向がある。一方、一重管の長さが500cmを超えても、それ以上反応が進むことはなく、逆に、送液のためのポンプに負荷がかかり過ぎるというデメリットが増大する。一重管の好ましい長さは、設定する溶液の流速によって変化するが、例えば、150〜300cmの範囲である。
本発明の製造方法に用いられるフロー型反応器は、有機アルミニウム化合物と水を連続的に供給できる配管と生成アルミノキサン組成物を回収容器に導く移送配管に繋がっている。これらの配管の形状は特に好ましいものはないが、配管とミキサーおよびフロー型反応器と接続し易いという意味で円管状のものが好ましい。配管の圧力損失を考慮するとフロー型反応器の流路径(配管径)よりも5%程度大きめの方がよい。
本発明の製造方法に用いられる有機アルミニウム化合物と水を連続的に供給できる配管と生成アルミノキサン組成物を回収容器に導く移送配管およびフロー型反応器の材質は、洗浄クリーニングに用いる希硝酸あるいは希水酸化ナトリウム水溶液が使用可能なものであればよい。具体的な材質としてはステンレス合金、ガラス、ハステロイなどがよく、耐圧性および耐衝撃性を考慮するとステンレス合金、ハステロイが好ましい。
本発明のアルミノキサン組成物の製造方法においては、有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物は、上記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管のいずれか一方に供給される。水と有機溶媒の混合物は、上記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管の残りのいずれか一方に供給され、内管の出口から一重管である反応領域に流出して、上記隙間の流路から供給される有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物と接触し、外管の出口までの一重管である反応領域で反応する。有機アルミニウム化合物と水が反応することで、アルミノキサン化合物が生成し、それに伴ってメタンが生じ、かつ発熱する。少なくともフロー型反応器の反応領域(内管の出口から外管の出口までの一重管部分)の外表面は、20℃以下となるように冷却される。好ましくは10℃以下、より好ましくは0℃以下に冷却される。反応領域を冷却することで、上記反応が急激に進行するのを防ぎ、反応の進行によって生じるメタンが反応領域を塞ぐほどの大きさの気泡となり、その結果、さらなる局所的な反応が生じて反応器が閉塞状態に陥ることを回避できる。
使用する有機アルミニウム化合物および/または製造条件によって、上記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路と内管に供給されるものは、上記いずれかの形態を取ることが可能である。但し、有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物は、外管と内管の隙間の流路に供給され、水と有機溶媒の混合物は、内管に供給されることが、本発明の目的を達成するという観点からは好ましい。
有機アルミニウム化合物と水を反応させる反応温度は、−20℃〜20℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは−10℃〜5℃の範囲である。反応温度が−20℃より低いと反応器に導入する水が凍り易くなり、反応管が閉塞しやすくなる。また、20℃よりも高い反応温度では、上記のように反応速度が速くなりすぎ、局部反応による水酸化アルミニウム様の固形物が形成し易くなり、フロー型反応器の閉塞を引き起こす原因となる。
上記反応器の閉塞は、反応領域の冷却のみではなく、フロー型反応器の構造及び寸法を上記範囲に設定することで回避される。このようにして、外管の出口からアルミノキサン組成物を含有する溶液を得ることができる。
有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物と水と有機溶媒の混合物は、有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対する水を多段階に添加することが好ましい。水を多段階に添加するとは、前記フロー型反応器を用いて水の添加を多段階で行うこと、さらに、2段目以降では、前段で生成したアルミノキサン組成物を含有する溶液を、有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物の代りに用いることを意味する。水を多段階に添加することで、局部反応による水酸化アルミニウム様の固形物の形成をより抑制しやすくなり、フロー型反応器の閉塞を回避しつつ有機アルミニウム化合物の残存量が少ないアルミノキサン組成物を得ることができるという利点がある。
多段階とは、例えば、2または3段階であることができる。2段階添加の場合、有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)は、例えば、第1段階添加で0.3〜0.5、第2段階添加後に0.5〜0.8の範囲となる量比で、フロー型反応器に供給する。3段階添加の場合、有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)は、例えば、第1段階添加で0.3〜0.5、第2段階添加後に0.4〜0.6、第2段階添加後に0.5〜0.8の範囲となる量比で、フロー型反応器に供給する。最終的な(多段階の場合は最終の段階後の)モル比(H2O/Al)が0.5未満では、アルミノキサン化合物の生成は進行しにくく、結果として、有機アルミニウム化合物の残留率を低減したアルミノキサン組成物を得る事はできない。モル比(H2O/Al)が0.8を超えると、水酸化アルミニウム様の固体形成しやすくなるため反応の制御が困難になる。最終的なモル比(H2O/Al)は、好ましくは0.6〜0.78の範囲、より好ましくは0.65〜0.75の範囲である。
具体的には、2段階添加の場合は、有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が0.3〜0.5の範囲となる量比で第1段階添加を実施してアルミノキサン組成物を得る(工程A)。得られたアルミノキサン組成物と水と有機溶媒の混合物を、工程Aで得たアルミノキサン組成物に含まれるアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が、工程Aで使用した水量との合量で、0.5〜0.8の範囲となる量比で、フロー型反応器に供給する。その際、フロー型反応器の反応領域を、外管の外部から外管の外表面が20℃以下となるように冷却する。フロー型反応器に供給されるアルミノキサン組成物は、フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管のいずれか一方に供給され、水と有機溶媒の混合物はフロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管の残りのいずれか一方に供給される。前記反応領域で工程Aで得たアルミノキサン組成物に含まれる有機アルミニウム化合物と水とを反応させて、フロー型反応器の外管の出口からアルミノキサン組成物を含有する溶液を得る(工程B)。
3段階添加の場合は、上記2段階添加における、有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が、工程AとBで使用した水量の合量で、0.5〜0.7の範囲となる量比で、2段階添加の工程A及びBを実施してアルミノキサン組成物を得る。次いで、得られたアルミノキサン組成物と水と有機溶媒の混合物を、工程Bで得たアルミノキサン組成物に含まれるアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が、工程A及びBで使用した水量との合量で、0.6〜0.8の範囲となる量比で、フロー型反応器に供給する。その際、フロー型反応器の反応領域を、外管の外部から外管の外表面が20℃以下となるように冷却する。フロー型反応器に供給されるアルミノキサン組成物はフロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管のいずれか一方に供給され、水と有機溶媒の混合物は前記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管の残りのいずれか一方に供給される。反応領域で工程Bで得たアルミノキサン組成物に含まれる有機アルミニウム化合物と水とを反応させて、フロー型反応器の外管の出口からアルミノキサン組成物を含有する溶液を得る(工程C)。
多段階添加の場合も、使用する有機アルミニウム化合物および/または製造条件によって、上記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路と内管に供給されるものは、上記いずれかの形態を取ることが可能である。但し、アルミノキサン組成物は、外管と内管の隙間の流路に供給され、水と有機溶媒の混合物は、内管に供給されることが、本発明の目的を達成するという観点からは好ましい。
前記2つの混合物は、一重管である反応領域における流速が3〜10cm/秒の範囲とするように供給されることが好ましい。有機アルミニウム化合物の残留率を低減したアルミノキサン組成物を高い収率で得るという観点から好ましい。上記流速は、より好ましくは4〜8cm/秒の範囲、さらに好ましくは5〜7cm/秒の範囲である。但し、一重管である反応領域における流速の好ましい範囲は、滞留時間が変化するため、反応領域の長さによって変化する。
一重管である反応領域の長さは、この反応領域における混合物の滞留時間が、0.1秒から5分でよく、好ましくは0.2秒から2分である。より好ましくは20〜100秒の範囲となるように、設定される。滞留時間が、短すぎると反応が完結する前に反応領域を通過してしまい、滞留時間が長くなりすぎても、それ以上反応は進まないことから、上記範囲であることが好ましい。
前記2つの混合物は、それぞれ一定の流速で連続して供給されることが、局所的な反応が起こる範囲の発生を回避して、反応器が閉塞状態に陥ることを回避するという観点から好ましい。
(a)有機アルミニウム化合物
本アルミノキサン組成物の製造に用いられる有機アルミニウム化合物は、一般式(I)
(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立してC1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、C6〜C20のアリール基などの炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基またはアリロキシ基を示す。また、R1、R2およびR3の内、最低二つは炭化水素基である。) で表すことができる。
一般式(I)中のR1、R2およびR3としては、より具体的に示すと、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アミル基、イソアミル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−オクチル基またはイソオクチル基などのアルキル基、フェニル基またはトリル基などのアリール基などを挙げることができ、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素のハロゲン原子、メトキシ基またはエトキシ基などのアルコキシ基、フェノキシ基などのアリロキシ基を挙げることができる。
このような有機アルミニウム化合物の具体例として、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムを、トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウムを、またジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライドなどの含ハロゲンアルキルアルミニウムを挙げることができ、これらの有機アルミニウム化合物を2種類以上を混合して使用することも出来る。ここに挙げた有機アルミニウム化合物の中で好ましいものは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミ二ウム、トリイソブチルアルミニウム、およびジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライドおよびこれらの混合物である。
(b)アルミノキサン組成物
本発明の製造方法で得られるアルミノキサン組成物は、有機アルミニウム化合物と水との反応により得られるものである。通常、このような反応でアルミノキサン組成物を得ようとする場合、原料として用いる有機アルミニウム化合物が残存する。すなわち、ここで言うアルミノキサン組成物とは、アルミノキサン化合物に加えて、残存する有機アルミニウム化合物および有機溶媒、例えば、不活性炭化水素溶媒の混合物を意味する。但し、残存する有機アルミニウム化合物は少ない程好ましい。
アルミノキサン化合物とは、下記繰返し単位(i)および(ii)を含む化合物である

繰返単位(i)中、R1は水素原子、ハロゲン原子、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基またはC6〜C20のアリール基を表し、前記アルキル基、アルケニル基およびアリール基はハロゲン原子、水酸基で置換されていても良い。
繰返単位(i)、(ii)からなるアルミノキサン化合物は下記一般式(II)のように表現することが出来る。
C1〜C20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アミル基、イソアミル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基などである。アルキル基は、入手の容易さ等を考慮すると、C1〜C6である。C2〜C20のアルケニル基は、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、シクロペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基などである。アルケニル基は、入手の容易さ等を考慮すると、C2〜C6である。C6〜C20のアリール基は、例えば、例えば、フェニル基、トリル基などを挙げることができる。アリール基は、入手の容易さ等を考慮すると、C6〜C10である。
1としてのハロゲン原子は、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素である。アルキル基、アルケニル基およびアリール基は、置換基としてのハロゲン原子を、各基の炭素数に応じて例えば、1〜20個有することができる。
1は、より好ましくはメチル基、エチル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ヘキシル基、フッ素または塩素である。
繰返単位(ii)中、R2は水素原子、ハロゲン原子、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基またはC6〜C20のアリール基を表し、前記アルキル基、アルケニル基およびアリール基はハロゲン原子、水酸基またはC1〜C8の炭化水素基で置換されていても良い。
繰返単位(ii)中、R2は上記R1で例示した基と同一のものを用いることができる。
繰返単位(i)および(ii)の合計数(o+p)は2〜30の範囲であり、繰返単位(i)および(ii)の順番は任意である。
繰返単位(i)および(ii)の合計数が2未満では、アルミノキサン繰返単位の連鎖が形成されないため触媒性能を十分発現させることが出来ず、30を超えるとアルミノキサン同士の会合のため触媒反応に寄与できるアルミノキサンユニットの量が低下し触媒性能の十分な発現を妨げてしまう。繰返単位(i)および(ii)の合計数は、アルミノキサンユニット連鎖の特徴を効率的に発現するという観点から、5〜10の範囲であることが好ましい。アルミノキサン化合物において、繰返単位(i)および(ii)の順番は任意である。
ポリアルミノキサン化合物は、環状化合物であるか、または線状化合物であることができる。環状化合物であるか、線状化合物であるかは、製造時の条件により異なる。線状化合物である場合、末端のアルミニウムにはR1またはR2が2個結合した構造を有する。
好ましいアルミノキサン化合物は、例えば、繰返単位(i)のR1および繰返単位(ii)のR2がメチル基であるメチルアルミノキサン、繰返単位(i)のR1および繰返単位(ii)のR2がイソブチル基またはn−オクチル基であるイソブチルアルミノキサンまたはn−オクチルアルミノキサン、繰返単位(i)のR1がメチル基、繰返単位(ii)のR2がエチル基、イソブチル基あるいはn−ヘキシル基でo/pの比が1〜10のアルミノキサン化合物である。
本発明に用いられるアルミノキサン化合物の繰返単位(i)−(R1)AlO−と(ii)−(R2)AlO−の結合はブロック的あるいはランダム的またはそれらの混在した結合となっていてもよい。また、アルミノキサン化合物は線状構造あるいは環状構造およびそれらの混在した構造であってよい。
本発明の製造方法において、フロー型反応器に供給される有機アルミニウム化合物は有機溶媒となる不活性炭化水素化合物に希釈された溶液であることが好ましい。希釈に使用される不活性炭化水素溶媒は生成するアルミノキサン化合物の種類によるが、一般的には、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの飽和炭化水素化合物、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレンなどの芳香族炭化水素化合物が用いられ、n−ペンタン、n−ヘキサンおよびトルエンが好ましい溶媒として挙げることが出来る。
溶媒に希釈された有機アルミニウム化合物濃度は有機アルミニウム化合物の種類によるがトリメチルアルミニウムの場合、A1原子基準で1質量%〜5質量%の範囲でよく、好ましくは1.5質量%〜5質量%の範囲である。この濃度範囲を下回るとアルミノキサン組成物製造効率の著しい低下をまねくことがある。
本発明において調製される溶液状メチルアルミノキサン組成物のアルミニウム含量は、例えば、0.5Nの硫酸水溶液で加水分解した溶液に過剰量のエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを加えた後に、ジチゾンを指示薬とし硫酸亜鉛で逆滴定することにより求めることができる。測定濃度が希薄な場合は、原子吸光分析法を用いて測定を行うこともできる。
本発明に利用されるアルミノキサン組成物は、未反応原料として内在する有機アルミニウム化合物を含有している。本発明において、アルミノキサン組成物中に存在する有機アルミニウム化合物の量は、アルミノキサン化合物および有機アルミニウム化合物に由来する有機基のモル分率により表現する。
ここではトリメチルアルミニウムを原料とするメチルアルミノキサン組成物中のそれぞれの成分(メチルアルミノキサンのメチル基,トリメチルアルミニウムのメチル基)のモル分率(それぞれ、Me(MAO),Me(TMAL)と略記)の求め方を具体例として説明する。メチルアルミノキサン組成物中のそれぞれの成分のモル分率は、メチルアルミノキサン組成物の1H−NMR測定により、それぞれの成分に帰属される面積比から求めることができる。メチルアルミノキサン組成物の具体的なMe(MAO),Me(TMAL)のモル分率の求め方は、実施例において例示する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。以下の反応は乾燥窒素ガス雰囲気下に行い、溶媒はすべて脱水および脱気したものを使用した。また、各特性の評価は下記の方法により行った。
[試験方法]
(1)アルミニウム含量
溶液状メチルアルミノキサン組成物のアルミニウム含量は、基本的に0.5Nの硫酸水溶液で加水分解した溶液に過剰量のエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを加えた後に、ジチゾンを指示薬とし硫酸亜鉛で逆滴定することにより求めた。測定濃度が希薄な場合は、原子吸光分析法を用いて測定を行った。
(2) メチル基のモル分率
メチルアルミノキサン組成物中のそれぞれの成分のモル分率は、メチルアルミノキサン組成物の1H−NMR測定により、それぞれの成分に帰属される面積比から求めた。以下にメチルアルミノキサン組成物の具体的なMe(MAO),Me(TMAL)のモル分率の求め方を例示する。メチルアルミノキサンに由来するメチル基のモル分率をMe(MAO)と表す。トリメチルアルミニウムに由来するメチル基のモル分率をMe(TMAL)と表す。ここで求めたMe(TMAL)は、メチルアルミノキサン組成物中のトリメチルアルミニウム残留量の指標としての意味を有する。
まず、重溶媒にはd8−THFを用いてメチルアルミノキサン組成物の1H−NMR測定を実施する。1H−NMR測定は300MHz バリアン・テクノロジーズ・ジャパン・リミテッドのGemini 2000NMR測定装置を用い、測定温度24℃で行った。1H−NMRチャートの例を図6に示す。
(i)−0.3ppmから−1.2ppm程度に現われるトリメチルアルミニウムを含むメチルアルミノキサンのMe基ピークの全体の積分値を求め、これをI(メチルアルミノキサン)とする。
(ii)−1.1ppm付近のTMALに由来するMe基ピークを接線−1により切り出し、その積分値I(TMAL−Me)を求める。
(iii)(ii)で求めたそれぞれの積分値を、(i)で求めた積分値 I(メチルアルミノキサン)から引くと、トリメチルアルミニウムを含まないメチルアルミノキサンのみのMe−基の積分値I(MAO−Me)を求めることができる。I(TMAL−Me)およびI(MAO−Me)をI(メチルアルミノキサン)で割って規格化すると、Me(MAO,Me(TMAL)のモル分率を求めることが出来る。
なお、それぞれのピークの切り出し方法としては、市販のカーブフィッティングプログラムを用いる方法やベースラインコレクションを用いる方法などにより簡便に行うことが出来る。
また、溶液状ポリメチルアルミノキサン組成物の分析サンプルは、溶液状メチルアルミノキサン組成物約0.05mlに対しd8−THFを約0.5ml添加することにより調製した。
(実施例1)
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
実験には図1に示すように、3台のシリンジポンプと1台のミキサー、1台のフロー型反応器を用いて行った。水を入れたシリンジよりシリンジポンプを用いて流速0.054ml/min(3.0mmol/min)で、トルエンを入れたシリンジよりシリンジポンプにより流速0.054ml/minでミキサー(図2に示す構造を有する)により混合し、これにトリメチルアルミニウムのトルエン溶液(10ml/min,6.0mmol/min)を、シリンジポンプを介し−10℃に冷却したフロー型反応器(図3に示す構造を有する。)で反応させた。この時、トリメチルアルミニウムと水のモル比(水/トリメチルアルミニウム)は0.5であった。得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液はほぼ固体状物のないクリアな溶液であった。
(2)メチルアルミノキサン組成物の評価
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は65mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた収率は96%であった。
(3)メチルアルミノキサン組成物のエチレン重合評価
攪拌装置を有する500mlのフラスコにトルエン250mlを導入し、これにAl原子基準で0.16gのメチルアルミノキサン溶液を加えた。次いで、Al/Zrモル比5000となるようにジシクロペンタジエニルジルコニウムクロライドを加え、40℃でエチレンガスを吹き込んだ。重合系内の圧力は1気圧で、重合時間は10minとした。重合停止は酸性メタノールを添加することにより行い、生成したポリエチレンを濾取、減圧乾燥後に重量測定することで重合活性を求めたところ、4.1×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
(実施例2)
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
実施例1で得たメチルアルミノキサン組成物の濾過溶液に、実施例1と同様の装置を用いて水を追加添加し、水の追加添加後のトリメチルアルミニウムと水のモル比(水/トリメチルアルミニウム)合量を0.6としたメチルアルミノキサン組成物の溶液を得た。得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液はほぼ固体状物のないクリアな溶液であった。
(2)メチルアルミノキサン組成物の評価
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は56mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた全工程の収率は92%であった。
(3)メチルアルミノキサン組成物のエチレン重合評価
実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は8.5×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
(実施例3)
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
実施例2で得たメチルアルミノキサン組成物の濾過溶液に、実施例1と同様の装置を用いて水を追加添加し、水の追加添加後のトリメチルアルミニウムと水のモル比(水/トリメチルアルミニウム)合量を0.7としたメチルアルミノキサン組成物の溶液を得た。得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液は外観上、実施例1で得たものと同程度のほぼ固体状物のないクリアな溶液であった。
(2)メチルアルミノキサン組成物の評価
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は9mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた全工程の収率は88%であった。
(3)メチルアルミノキサン組成物のエチレン重合評価
実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は10.6×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
(実施例4)
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
フロー型反応器の外管の内径を2mmから3mmに代え、その結果、流速は53.4mm/秒から23.7mm/秒に変わり、反応領域における滞留時間は38秒から85秒になった条件で、それ以外は実施例1〜3と同様に第一段階の水添加後のモル比(H2O/Al)を0.5、第二段階の水添加後のモル比(H2O/Al)合量を0.6、第三段階の水添加後のモル比(H2O/Al)合量を0.7としてメチルアルミノキサン組成物の溶液を得た。得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液は外観上、実施例3で得たものと同程度のほぼ固体状物のないクリアな溶液であった。
(2)メチルアルミノキサン組成物の評価
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は15mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた全工程の収率は80%であった。
(3)メチルアルミノキサン組成物のエチレン重合評価
実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は15×10g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。この重合評価に用いたメチルアルミノキサン組成物を60℃加熱処理し、同様な重合評価を行ったところ、その重合活性は30×10g−PE/mol−Zr・atm・hrとなった。
(実施例5)
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
流速を23.7mm/秒から35.6mm/秒に代え(シリンジポンプの吐出量を変化させた)、反応領域における滞留時間は85秒から56秒になった条件で、それ以外は実施例4と同様にメチルアルミノキサン組成物の溶液を得た。得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液は外観上実施例4で得たものと同程度のほぼ固体状物のないクリアな溶液であった。
(2)メチルアルミノキサン組成物の評価
得られたメチルアルミノキサン溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は10mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた全工程の収率は87%であった。
(3)メチルアルミノキサン組成物のエチレン重合評価
実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は14.5×10g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。この重合評価に用いたメチルアルミノキサン組成物を60℃加熱処理し、同様な重合評価を行ったところ、その重合活性は45×10g−PE/mol−Zr・atm・hrとなった
(実施例6)
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
流速を35.6mm/秒から53.9mm/秒に代え(シリンジポンプの吐出量を変化させた)、反応領域における滞留時間は56秒から37秒になった条件で、それ以外は実施例5と同様にメチルアルミノキサン組成物の溶液を得た。得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液は外観上実施例5で得たものと同程度のほぼ固体状物のないクリアな溶液であった。
(2)メチルアルミノキサン組成物の評価
得られたメチルアルミノキサン組成物の溶液をd8−THF溶媒を用いて1H−NMR測定を行ったところ、Me(TMAL)値は10mol%であった。この液のAl濃度測定より求めた全工程の収率は88%であった。
(3)メチルアルミノキサン組成物のエチレン重合評価
実施例1(3)記載の方法と同様にエチレン重合を行ったところ、その重合活性は13.3×10g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。この重合評価に用いたメチルアルミノキサン組成物を60℃加熱処理し、同様な重合評価を行ったところ、その重合活性は40×10g−PE/mol−Zr・atm・hrとなった
(比較例1)
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
実験には図1に示すように、3台のシリンジポンプと1台のミキサー、1台のフロー型反応器を用いて行った。水を入れたシリンジよりシリンジポンプを用いて流速0.081ml/min(4.5mmol/min)で、トルエンを入れたシリンジよりシリンジポンプにより流速0.081ml/minでミキサーにより混合し、これにトリメチルアルミニウムのトルエン溶液(5ml/min,6.0mmol/min)をシリンジポンプを介し−10℃に冷却したフロー型反応器(T字型反応器,図4)で反応させた。この時、トリメチルアルミニウムと水のモル比(水/トリメチルアルミニウム)は0.75と設定した。しかしながら、水酸化アルミニウム様の固形物形成のため、反応を開始して数秒で流路が閉塞し、目的とするメチルアルミノキサン組成物は得られなかった。
(比較例2)
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
フロー型反応器を十字型反応器(図4)としたこと以外は比較例1(1)と同様の装置を用いてメチルアルミノキサン組成物の合成反応を行った。比較例1と同様に反応を開始して数秒で流路が閉塞し、目的とするメチルアルミノキサン組成物は得られなかった。
(比較例3)
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
フロー型反応器を多段衝突型反応器(AISTリアクター,図4)としたこと以外は比較例1(1)と同様の装置を用いてメチルアルミノキサン組成物の合成反応を行った。比較例1と同様に反応を開始して数秒で流路が閉塞し、目的とするメチルアルミノキサン組成物は得られなかった。
(比較例4)
(1)メチルアルミノキサン組成物の合成
攪拌装置と反応により発生するメタンガス放出ベントラインを接続した反応器に、硫酸銅五水和物30kg(120.2mol)とトルエン78.5kgを加え、懸濁液とした。この温度を0℃にまで低下させ、TMAL28.9kg(401.4mol)を8時間かけて添加した。この時の硫酸銅五水和物の水とTMALのモル比(水/TMAL)は1.50であった。室温へ5時間かけて昇温し、室温で24hr攪拌熟成を行った。得られたスラリー溶液を1μの孔径を有するフィルターで濾過することにより硫酸銅の残渣を除去することによりメチルアルミノキサン組成物のトルエン溶液を得た。
(2)メチルアルミノキサン組成物の分析
得られたメチルアルミノキサン組成物のAl濃度測定結果より、用いたTMALのAl原子基準の収率を求めたところ、55%であった。1H−NMR測定によりMe(TMAL)値を求めたところ、75.0mol%であった。
(3)メチルアルミノキサン組成物溶液のエチレン重合評価
重合評価は実施例1記載の方法と同様に実施した。その結果、重合活性は10×106g−PE/mol−Zr・atm・hrであった。
本発明は、アルミノキサン組成物の製造分野に有用である。

Claims (14)

  1. 有機アルミニウム化合物と水とを反応させてアルミノキサン組成物を製造する方法であって、
    有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物と水と有機溶媒の混合物を、前記有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が0.3〜0.8の範囲となる量比で
    外管及び、外管の内部に収容された内管を有し、内管は入口側から外管の途中まで外管内に延存して二重管を構成し、内管の出口から外管の出口までは一重管であるフロー型反応器を用い、前記有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物は、前記入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管のいずれか一方に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は前記入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管の残りのいずれか一方に供給され、前記内管の出口から外管の出口までの一重管である反応領域で前記反応を生じさせて、前記外管の出口からアルミノキサン組成物を含有する溶液を得ることを含み、
    前記外管及び内管はいずれも略円管であり、
    前記外管の内径r1(直径)は10μm〜5mmの範囲であり、
    前記内管の外径r2(直径)は上記r1の10〜90%の範囲であり、
    前記内管の内径r3(直径)は上記r2の10〜50%の範囲であり、
    前記内管の出口から外管の出口までの一重管は100〜500cmの範囲であり、
    前記内管の出口から外管の出口までの一重管である反応領域は、外管の外部から外管の外表面が20℃以下となるように冷却される
    前記アルミノキサン組成物の製造方法。
  2. 有機アルミニウム化合物と水とを反応が、前記フロー型反応器を用いて多段階に行われ、2段目以降では、前段で生成したアルミノキサン組成物を含有する溶液を、有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物の代りに用いることを特徴とする請求項1に記載のアルミノキサン組成物の製造方法。
  3. 前記有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が0.3〜0.5の範囲となる量比で請求項1に記載の方法を実施してアルミノキサン組成物を得る工程A、得られたアルミノキサン組成物と水と有機溶媒の混合物を、前記工程Aで得たアルミノキサン組成物に含まれるアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が、前記工程Aで使用した水量との合量で、0.5〜0.8の範囲となる量比で、請求項1に記載のフロー型反応器に、前記フロー型反応器の反応領域を、外管の外部から外管の外表面が20℃以下となるように冷却しつつ、前記アルミノキサン組成物は前記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間及び内管のいずれか一方の流路に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は前記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管の残りのいずれか一方に供給され、前記反応領域で前記工程Aで得たアルミノキサン組成物に含まれる有機アルミニウム化合物と水とを反応させて、前記フロー型反応器の外管の出口からアルミノキサン組成物を含有する溶液を得る工程Bを含む、アルミノキサン組成物の製造方法。
  4. 前記有機アルミニウム化合物中のアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が、工程AとBで使用した水量の合量で、0.5〜0.7の範囲となる量比で、請求項3に記載の方法の工程A及びBを実施してアルミノキサン組成物を得る工程、得られたアルミノキサン組成物と水と有機溶媒の混合物を、前記工程Bで得たアルミノキサン組成物に含まれるアルミニウムに対する水のモル比(H2O/Al)が、前記工程A及びBで使用した水量との合量で、0.6〜0.8の範囲となる量比で、請求項1に記載のフロー型反応器に、前記フロー型反応器の反応領域を、外管の外部から外管の外表面が20℃以下となるように冷却しつつ、前記アルミノキサン組成物は前記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管のいずれか一方に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は前記フロー型反応器の入口側から外管と内管の隙間の流路及び内管の残りのいずれか一方に供給され、前記反応領域で前記工程Bで得たアルミノキサン組成物に含まれる有機アルミニウム化合物と水とを反応させて、前記フロー型反応器の外管の出口からアルミノキサン組成物を含有する溶液を得る工程Cを含む、アルミノキサン組成物の製造方法。
  5. 前記2つの混合物は、前記一重管である反応領域における流速が3〜10cm/秒の範囲とするように供給される請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記2つの混合物またはアルミノキサン組成物及び水と有機溶媒の混合物は、それぞれ一定の流速で連続して供給される請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記一重管である反応領域の長さは、この反応領域における混合物の滞留時間が、20〜100秒の範囲となるように、設定される請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記有機アルミニウム化合物がトリメチルアルミニウムであり、反応生成物中のアルミノキサン化合物に由来するメチル基及びトリメチルアルミニウムに由来するメチル基の合計量に対するトリメチルアルミニウムに由来するメチル基のモル分率が20mol%以下である請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記アルミノキサン化合物は、下記繰返単位(1)および(2)を含むアルミノキサン化合物であって、繰返単位(1)および(2)の合計数は2〜30の範囲であり、繰返単位(1)および(2))の順番は任意である請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
    (繰返単位(1)中、R1は水素原子、ハロゲン原子、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基またはC6〜C20のアリール基を表し、前記アルキル基、アルケニル基およびアリール基はハロゲン原子、水酸基またはC1〜C8の炭化水素基で置換されていても良く、
    繰返単位(2)中、R2は水素原子、ハロゲン原子、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基またはC6〜C20のアリール基を表し、前記アルキル基、アルケニル基およびアリール基はハロゲン原子、水酸基またはC1〜C8の炭化水素基で置換されていても良い。)
  10. 反応生成物中のアルミノキサン化合物に由来する有機基及び有機アルミニウム化合物に由来する有機基の合計量に対する有機アルミニウム化合物に由来する有機基のモル分率が20mol%以下である請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記前記有機アルミニウム化合物と有機溶媒の混合物は、前記外管と内管の隙間の流路に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は、前記内管に供給される請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 前記アルミノキサン組成物は、前記外管と内管の隙間の流路に供給され、前記水と有機溶媒の混合物は、前記内管に供給される請求項3〜10のいずれかに記載の製造方法。
  13. 請求項8に記載の方法で得られた、アルミノキサン化合物に由来するメチル基及びトリメチルアルミニウムに由来するメチル基の合計量に対するトリメチルアルミニウムに由来するメチル基のモル分率が20mol%以下であるアルミノキサン組成物。
  14. 請求項10に記載の方法で得られた、アルミノキサン化合物に由来する有機基及び有機アルミニウム化合物に由来する有機基の合計量に対する有機アルミニウム化合物に由来する有機基のモル分率が20mol%以下であるアルミノキサン組成物。
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