JP5440689B2 - 局所空調システム、その制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電算機室内等において比較的狭いエリア内の冷却を行う局所空調システムに関する。
例えば多数の電算機を収容している電算機室(サーバルーム等)のような発熱密度が高い空間を冷却する為の空調システムに関しては、この空間全体(電算機室内全体等)を冷却する空調システム以外に(あるいはこのような空調システムの代わりに)、複数の局所空調装置を室内の各所(各電算機収納ラックの近傍等)に配置して、各局所空調装置がそれぞれ比較的狭いエリア内の冷却を行う局所空調システムが知られている。
例えば、特許文献1には、複数のサーバラック列によりコールドアイルとホットアイルとが形成される、情報通信機械室の空調システムに関して、例えばアンビエント空調機107に加えて、コールドアイル105の上方に局所空調機102を設置すること等が開示されている。
また、例えば特許文献2に記載の従来技術がある。
特許文献2には、電子機器における冷却装置に関して、数個の冷却ファンを用い冷却ファンを冗長構成とし、一方の冷却ファンを稼動状態にし、他方の冷却ファンを待機状態にすることが開示されている。そして、例えば電源投入毎に、稼動状態にする冷却ファンと待機状態にする冷却ファンとを順次切り換えることが開示されている。また、その際、冷却ファンが故障していないかを確認することも開示されている。
特開2009−257721号公報 特開2001−68881号公報
ここで、例えば上記特許文献1に開示のコールドアイルに対して、上記局所空調機102を複数台設置することが考えられている。これは、上記アンビエント空調機107を用いることなく、その代わりに設置するものでもよいし、上記アンビエント空調機107に加えて更に設置するものであってもよい。
何れにしても、1つのコールドアイルに対して複数台の局所空調機を設けて、常時1台以上の局所空調機を運転させることで、コールドアイルの温度を所望の温度に維持することが考えられている。局所空調機を複数台設ける理由は、(特にアンビエント空調機107が無い場合には)コールドアイルの温度を所望の温度に維持する為に必要であるからである。
このように、局所空調機を複数台用いて、電算機室内等において比較的狭いエリア(上記コールドアイル等)内の冷却を行う空調システムを、局所空調システムというものとする。
この様な局所空調システムに関して、例えば以下に述べる問題があった。
上記複数台の局所空調機に対して、通常、一台の冷媒供給ユニットが設けられる。つまり、一台の冷媒供給ユニットから冷媒配管等を介して複数台の各局所空調機に冷媒を供給する構成とするものである。この為、この冷媒供給ユニットが故障した場合(特に冷媒ポンプの故障が考えられる)、全ての局所空調機が実質的に機能しなくなり、コールドアイル空間を冷却できなくなるという問題が生じる。
これに対して、例えば、冷媒供給ユニットにおいて、冷媒ポンプの冗長化構成とする案が考えられる。すなわち、冷媒ポンプを2台設けて、一方を稼動とし、他方を待機とし、稼動の冷媒ポンプが故障したら、待機の冷媒ポンプを稼動させること等が考えられる。あるいは、常時、冷媒ポンプを2台とも稼動させ(但し、出力50%程度)、何れか一方が故障しても他方の冷媒ポンプを稼動し続ける(但し、出力100%等とする)ようにしてもよい。しかしながら、このようにしても、冷媒ポンプが2台とも故障する場合があり得る。
局所空調システムは、通常、電算機室内等においてサーバ装置等の発熱量が多い機器を冷却するものであり、コールドアイル空間を冷却できなくなると、短時間のうちに温度が上昇して、サーバダウン等の重大な障害が発生することになる。
従って、冷媒供給ユニットに故障があったとしても(特に冷媒ポンプが故障した場合;冷媒ポンプが2台の構成で2台とも故障した場合も含む)、コールドアイルの温度を所望の温度に維持できるようにすることが要望されている。
また、局所空調機に故障があった場合にも、コールドアイルの温度を所望の温度に維持できるようにすることが要望されている。
本発明の課題は、任意の冷却対象空間に対して局所空調機が複数台設置され、複数台の局所空調機に冷媒を供給する冷媒供給ユニットを有する局所空調システムにおいて、冷媒供給ユニットに故障が発生して冷媒供給されない状態になっても、あるいは局所空調機に故障が発生した場合であっても、冷却対象空間の温度を所望の温度に維持できる局所空調システム、その制御装置等を提供することである。
本発明の局所空調システムは、任意の冷却対象空間を冷却する局所空調システムにおいて、第1の冷媒供給ユニットと、該第1の冷媒供給ユニットによって冷媒が供給される複数台の局所空調機から成る第1の冷却系統と、第2の冷媒供給ユニットと、該第2の冷媒供給ユニットによって冷媒が供給される複数の局所空調機であって前記第1の冷却系統の局所空調機群とは異なる局所空調機群から成る第2の冷却系統とを設け、通信線を介して全ての前記局所空調機と前記第1、第2の冷媒供給ユニットを管理制御する制御装置を備え、該制御装置は、運転状態の前記局所空調機を運転ユニット、待機状態の前記局所空調機を待機ユニットとし、前記各局所空調機がそれぞれ運転ユニット、待機ユニットのどちらであるかを記憶する記憶手段と、前記第1、第2の冷媒供給ユニットの何れか一方に異常が発生した場合、他方の正常な冷却系統の前記局所空調機群のなかに前記待機ユニットがある場合には、該待機ユニットを異常発生した冷却系統の前記運転ユニットの代わりに運転状態とする代替運転ユニットとし、前記2つの冷却系統の温度設定同士を比較して、より低い温度設定を前記正常な冷却系統の温度設定とする冗長化運転制御手段とを有する。
2系統の冷却系統を設けることで、更に基本的に各系統毎に1台以上の待機ユニットを設けておくことで、どちらか一方の冷却系統で冷媒供給ユニットが故障(その冷媒ポンプの故障等)することでその冷却系統が機能しなくなった場合でも、他方の冷却系統の待機ユニットを用いて対応可能となり、冷却対象空間の温度を所望の温度に維持できる。
上記局所空調システムにおいて、例えば、前記冗長化運転制御手段は、前記代替運転ユニットの台数を、前記異常発生した冷却系統における運転ユニットの台数分とすると共に、前記運転ユニットの設定を前記代替運転ユニットに引き継がせる。
また、上記局所空調システムにおいて、例えば、前記冗長化運転制御手段は、前記代替運転ユニットの台数を、前記異常発生した冷却系統における運転ユニットの台数分とする。
また、上記局所空調システムにおいて、例えば、前記冗長化運転制御手段は、前記正常な冷却系統側に前記待機ユニットが無い場合、あるいは該待機ユニットの台数が前記異常発生した冷却系統における運転ユニットの台数よりも少ない場合には、該待機ユニット全てを前記代替運転ユニットとすると共に、前記正常な冷却系統における前記運転ユニット及び前記代替運転ユニットの設定温度を下げる又は/及び設定風量を増加する台数不足対策処理を実行する。
また、本発明の局所空調システムは、任意の冷却対象空間を冷却する局所空調システムにおいて、第1の冷媒供給ユニットと、該第1の冷媒供給ユニットによって冷媒が供給される複数台の局所空調機から成る第1の冷却系統と、第2の冷媒供給ユニットと、該第2の冷媒供給ユニットによって冷媒が供給される複数の局所空調機であって前記第1の冷却系統の局所空調機群とは異なる局所空調機群から成る第2の冷却系統とを設け、通信線を介して全ての前記局所空調機と前記第1、第2の冷媒供給ユニットを管理制御する制御装置を備え、該制御装置は、運転状態の前記局所空調機を運転ユニット、待機状態の前記局所空調機を待機ユニットとし、前記各局所空調機がそれぞれ運転ユニット、待機ユニットのどちらであるかを記憶する記憶手段と、任意の1台以上の前記局所空調機が故障した場合、該故障発生した局所空調機が属する前記冷却系統における前記待機ユニットを、該故障した運転ユニットの代わりに運転開始して代替運転ユニットとし、該待機ユニットが無い場合または足りない場合には、該故障発生した局所空調機が属しない前記冷却系統における前記待機ユニットを、該故障した運転ユニットの代わりに運転状態とする代替運転ユニットとする冗長化運転制御手段とを有する。
上記局所空調システムにおいて、例えば、前記冷却対象空間は、2列の機器搭載ラック列に挟まれた空間であり、前記第1の冷却系統の局所空調機群は何れか一方の機器搭載ラック列に対応して列を成し、前記第2の冷却系統の局所空調機群は他方の機器搭載ラック列に対応して列を成すことで、該第1の冷却系統の局所空調機群と該第2の冷却系統の局所空調機群とは前記冷却対象空間を挟んで対向して設けられる。
本例の局所空調システム全体の外観を示す斜視図である。 本例の局所空調システム全体構成の断面図である。 本例の局所空調システムにおける各局所空調機の配置例である。 (a)、(b)は本例の局所空調システムにおける局所空調機、冷熱源ユニットの詳細構成例である。 ポンプ状態テーブルのデータ構成例である。 ポンプ異常による冗長運転実行に係る処理フローチャート図である。 図6のステップS13の処理の詳細フローチャート図である。 (a)〜(d)は、ユニット管理テーブルまたは系統運転テーブルのデータ構成例である。 (a)、(b)は、台数不足対策処理実行後の各種テーブルの内容を示す図である。 実施例2における冗長運転に係わる処理フローチャート図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1、図2、図3に、本例の局所空調システムの構成例を示す。
図1は、本例の局所空調システム全体の外観を示す斜視図である。
図2は、本例の局所空調システム全体構成の断面図である。
図3は、本例の局所空調システムにおける各局所空調機の配置例である。
図4は、本例の局所空調システムにおける詳細構成例であり、(a)は局所空調機10の詳細構成例、(b)は冷熱源ユニット20の詳細構成例である。
図1〜図4において、略同一の構成要素に対しては同一符号を付してある。
まず、図1に示す外観斜視図から説明するが、他の図面を引用する場合もある。
まず、本例の局所空調システムは、基本的に、複数の局所空調機10によって特定の冷却対象空間(図示の冷気空間Sなど)を冷却するものであり、この冷気空間S全体を所定の温度に保つように制御するものである。この冷気空間Sは、図1、図2に示すように、2列のラック列間の空間(ラック列1aとラック列1bとの間の空間)である。ここでは、1つの冷気空間Sに対応して1つの局所空調システムが設けられるものとする。
ラック列1aは、複数の機器収納用ラック1が1列に並べられたものである。ラック列1bも同様に、複数の機器収納用ラック1が1列に並べられたものである。各機器収納用ラック1内には電子機器9等(図2)が収容されている。
そして、各ラック列毎に、その上方に複数の局所空調機10が設置されている。これは、例えば図1や図3に示す例では、ラック列1aに対して8台の局所空調機10が設置されており、ラック列1bに対しても同様に8台の局所空調機10が設置されている。尚、前者をA列の局所空調機群、後者をB列の局所空調機群というものとする。
そして各列毎に(各列の局所空調機群毎に)1台の冷熱源ユニット20が設けられている。すなわち、A列の局所空調機群に対しては図示の冷熱源ユニット20a、B列の局所空調機群に対しては図示の冷熱源ユニット20bが、それぞれ設けられている。冷熱源ユニット20aは、A列の局所空調機群の8台の局所空調機10全てに対して、冷媒配管2aを介して、冷媒を供給している。同様に、冷熱源ユニット20bも、B列の局所空調機群の8台の局所空調機10全てに対して、冷媒配管2bを介して、冷媒を供給している。すなわち、冷媒供給に関しては2系統あることになる。
冷熱源ユニット20aと20bとは、略同一の構成であり、図1や図3においてはその構成要素に同一符号を付してある。すなわち、冷熱源ユニット20は、2台のポンプ21−1、21−2と、これら各ポンプ21を制御するインバータ22−1、22−2と、凝縮器24等を有している。尚、実際には図4に示すように更にレシーバタンク23等を有する。尚、ポンプ21は、冷媒を圧送する冷媒ポンプである。
尚、これは基本的には冗長化構成である。すなわち、2台のポンプ21−1、21−2を設けることで、たとえ一方のポンプが故障しても冷媒供給を維持できることになる。但し、2台とも故障する場合も有り得る。また、この様な冗長化構成は、当然、構成・制御が複雑となり、コスト高にもなるので、後述する図4(b)のように1台のポンプを用いる構成となる場合もあってよい。
何れにしてもポンプが故障した場合(ポンプが2台ある場合に両方とも故障した場合、1台のみの場合はこの1台のポンプが故障した場合)には、その冷熱源ユニット20は故障したことになり、その冷媒供給系統も機能しなくなり、この冷媒供給系統に係る局所空調機10は全て、実質的に機能停止することになる。しかしながら、上記の通り、本例の局所空調システムは、2系統の冷媒供給系統を有しているので、2系統がほぼ同時に機能しなくなる事態にならない限り(その可能性は極めて低い)、後述するコントローラ30の制御処理によって対応可能となる。詳しくは後にコントローラ30の制御処理を示すフローチャート図等を参照して説明する。
また、当該1つの冷気空間Sに対応した1つの局所空調システム全体を制御する1台のコントローラ30を設けている。すなわち、コントローラ30は、全ての局所空調機10(ここではA列、B列合わせて16台)、及び各列毎の上記2台の冷熱源ユニット20a、20bを、通信線3、4(図3等参照)を介して制御する。冷熱源ユニット20に関しては、通信線4を介して主にインバータ22を制御する。各局所空調機10に関しては、通信線3を介して図4(a)に示す局所コントローラ13と通信を行って指示し、局所コントローラ13が指示に応じた制御を実行する(後に図4で詳しく説明する)。
また、図2の断面図に示すように、各局所空調機10は、図示の概略構成としては蒸発器11、送風機12等を有する。各局所空調機10の詳細構成は、後に図4(a)を参照して説明する。但し、局所空調機10の構成自体は、従来と略同様であってよい。同様に、冷熱源ユニット20も、その構成自体は、従来と略同様であってよい。よって、これらの説明は簡略化するものとする。
各局所空調機10の蒸発器11には、それが属する系統の冷熱源ユニット20から冷媒配管2を介して冷媒が供給される。例えば、上記A列の局所空調機群の各局所空調機10の蒸発器11には、冷熱源ユニット20aから冷媒配管2aを介して冷媒が供給される。同様に、上記B列の局所空調機群の各局所空調機10の蒸発器11には、冷熱源ユニット20bから冷媒配管2bを介して冷媒が供給される。
そして、局所空調機10に流入する暖気は、上記冷媒が供給されている蒸発器11を通過することによって冷却され、この冷却空気(冷気)が送風機12によって図示のように冷気空間Sに送り込まれる。この冷気空間Sは上記の通り2列のラック群すなわちラック列1aとラック列1bとの間の空間であり、この冷気空間Sに送り込まれた冷気は、ラック列1a、ラック列1bそれぞれのラック1内に前面から流入して、各ラック1内に搭載されている電子機器9等を冷却することで温度上昇して暖気となる。この暖気は、各ラックの背面からファン等によって排出される。暖かい空気は上昇するので、この暖気は局所空調機10に戻され、再び上記のように蒸発器11によって冷却されることになる。
尚、ラック列1a、ラック列1bそれぞれの各ラック1において、冷気空間Sに対向している面を前面、その反対側を背面というものとする。図示しないが背面側の空間を暖気空間といってもよい。また、図示の室内空間とは例えば電算機室(サーバルーム等)である。室内空間内には、ラック列は1a,1bの2列のみに限らず、3列以上あってもよいが、ここでは図示しない。
何れにしても、本例の局所冷却システムは、電子機器9(サーバ装置等)が設置される室内空間内の比較的狭い空間(ここでは冷気空間S)を、冷却して、所定温度に維持するものであり、以ってサーバ装置等が自己の発熱によってダウン等しないようにするものである。
近年、電子機器9等は、発熱量が多くなり、冷却不足になると故障する可能性が高い。電子機器9等の故障防止の為、上記冷気空間Sの温度を所定温度に維持する必要がある。よって、運転状態の複数の局所空調機10のうちの1台でも故障すると、冷気空間Sの温度を所定温度に維持できなくなる可能性があり、運用上、重大な支障(サーバダウン等)が生じる可能性があることになる。
この為、局所空調機10に関して冗長化構成とすることが考えられる。すなわち、予備の局所空調機10を設けておくことが考えられている。例えば、上記の例では、1つの冷気空間Sに対して、A列、B列の各列毎に8台の局所空調機10で合計16台の局所空調機10を設けているが、冷気空間Sの温度を所定温度に維持するのに16台必要なわけではない。例えば、10台運転させれば充分であり、残りの6台は予備として待機させておく。
そして、運転中の10台の局所空調機10の何れか1台以上に故障が生じた場合、予備の局所空調機10のうちの何れか1台以上を運転開始させればよい。
あるいは、冷熱源ユニット20a、20bの何れか一方が故障したことで、故障があった系統の冷媒供給が停止してこの系統の局所空調機10全てが機能しなくなっても、他方の正常な系統に予備の局所空調機10があれば、これを運転開始させればよい。
尚、何れの場合でも、上記冷気空間Sの温度をきちんと所定温度に維持する為には、後述する調整制御を行うことが望ましい。また、本手法では、予備の局所空調機10が無いか台数不足の場合であっても、後述する台数不足対策処理を実行することで対応可能となる。何れも、詳しくは後述する。後にフローチャート図等を参照して詳しく説明する。
また、上記の通り本例では、局所空調機10は、各列毎に8台ずつあるものとするが、これは図3に示すように、A列に関しては局所空調機(1)〜局所空調機(8)の8台があり、B列に関しては局所空調機(9)〜局所空調機(16)の8台があるものとする。そして、図3に示すように、局所空調機(1)〜局所空調機(8)と冷熱源ユニット20aと冷媒配管2a等から成る冷却系統を系統Aと記し、局所空調機(9)〜局所空調機(16)と冷熱源ユニット20bと冷媒配管2b等から成る冷却系統を系統Bと記す場合もあるものとする。
また、後にフローチャート図等を参照した具体例の説明では、図3に示す例を用いて説明する場合もある。
尚、コントローラ30は、従来の機能として、通信線3を介して各局所空調機10の後述する局所コントローラ13と通信を行って、状態データ(温度等)を収集したり、何らかの指示(温度・風量指示、運転開始/停止指示等)を送る処理等を行っている。同様に、従来より、通信線4を介して冷熱源ユニット20と通信を行って、その状態データを収集したり、何らかの指示(運転開始/停止指示等、回転数指示等)を送る処理等を行っている。また、各局所空調機10(その局所コントローラ13)には予めユニークな識別番号(ここでは局番という)が割り当てられており、コントローラ30はこの局番を用いて各局所空調機10を管理・制御する。これら既存の制御処理等については、説明しないか、または説明を簡略化するものとする。そして、コントローラ30は、更に後述する本手法による処理も行うものである。
このような構成において、本手法の特徴は、局所空調機10の冗長運転制御にある。
すなわち、既に述べたように、実質的に予備の局所空調機10を1台以上設けておく。これは、例えば、上記冷気空間Sを所定の温度状態に維持する為に必要な台数をPとするならば、P+α(α;1以上)の台数を、予め設置しておくものである。そして、基本的には、P台(もしくはP台以上)の局所空調機10が運転状態となるように、コントローラ30が各局所空調機10を制御する。
尚、運転中ではない局所空調機10は“待機状態”としておく。“待機状態”とは、一例としてはファン(送風機12)を停止状態としている状態を意味するが、これに限らず、ファンが停止状態であると共に、冷媒も停止状態(元栓を止めて蒸発器11に冷媒が流入しないようにする状態)を意味するものであってもよい。後述する図8等の例では、後者の例(冷媒も停止状態)を用いるが、勿論、この例に限るものではない。
以下、図4を参照して説明する。
まず、図4(a)には局所空調機10の詳細構成を示すが、この構成と基本的な制御は既存の構成であると見做してよいので、簡単に説明する。
図示の通り、局所空調機10は、蒸発器11、送風機12(ファン)、局所コントローラ13、電磁弁(元栓)14、電子膨張弁15等を有する。蒸発器11、送風機12(ファン)は、既に説明した通りであり、ここでは説明しない。
局所コントローラ13は、通信線3を介して、コントローラ30と通信を行う。そして、例えばコントローラ30からの指示(運転/待機指示、設定温度、設定風量等)に応じて、この指示を実現する為の各種制御を行う。例えば、運転/待機指示に応じて、運転状態または上記“待機状態”とする。運転状態のときには電磁弁(元栓)14を開け、“待機状態”のときには電磁弁(元栓)14を閉じる。運転状態のときには、設定温度、設定風量等が指示される。設定温度に応じて電子膨張弁15の開度(EEV開度)を調整制御する。送風機12(ファン)の回転数制御を行うことで冷気風量を制御する。また、例えば図示の吹出口付近の温度(吹出温度)を計測する等のデータ収集処理も行う。尚、これらの制御自体は既存の制御であると考えてよいが、指示内容は本手法によるものとなる。詳しくは後述する。
局所コントローラ13は、例えば、蒸発器11への冷媒供給量を制御することで、その冷却性能を調整する。これは、例えば、コントローラ30から指示される設定温度(吹出温度の設定値)や計測した上記吹出温度等に基づいて、電子膨張弁15を制御することで(EEV(電子膨張弁)開度を制御することで)、蒸発器11に送る冷媒流量を調整する。これは、基本的に、吹出温度を設定温度とする為の制御である。
蒸発器11内では空気(暖気)を冷却することで冷媒がガス化する。上記蒸発器11に供給された冷媒は、冷媒ガスとなって蒸発器11から出て冷媒配管2を介して冷熱源ユニット20に戻される。
ここで、図4(b)には、冷熱源ユニット20の構成例を示す。この構成自体は既存の構成と見做してよく、以下、簡単に説明する。
冷熱源ユニット20は、上述したポンプ21、インバータ22、凝縮器24と、図示のレシーバタンク23等を有する。凝縮器24には、不図示の構成から冷水管等を介して冷水が供給されている。尚、図示の三方弁は、本手法には特に関係ないので、説明しない。尚、冷水供給に関して、必ずしも三方弁が必要なわけでなく、一般的な弁であってよい。
上記冷熱源ユニット20に戻された冷媒ガスは、凝縮器24で冷水によって冷やされて液化し、レシーバタンク23(受液器)に貯められる。受液器23があると、負荷変動で蒸発器11への供給冷媒量が変化しても、受液器23の液面が上下することで負荷に対応できる。
尚、図1や図3では、冷媒ポンプ21が冗長化構成である例を示したが、図4(b)の例では各系統毎にポンプ21は1台である。また、ここでは図示の通り、冷熱源ユニット20の構成に関して、各系統毎に区別して符号を付してある。すなわち、上記A列の局所空調機10群に係る系統Aに関しては、冷熱源ユニット20aが設けられ、冷熱源ユニット20aは、ポンプ21a、インバータ22a、凝縮器24aと、レシーバタンク23a等を有する。同様に、上記B列の局所空調機10群に係る系統Bに関しては、冷熱源ユニット20bが設けられ、冷熱源ユニット20bは、ポンプ21b、インバータ22b、凝縮器24bと、レシーバタンク23b等を有する。
後の説明において、A系、B系区別して説明し易くする為などの理由により、図4(b)の符号を用いて説明する場合がある。
ここで、コントローラ30は、通信線3を介して各局所コントローラ13から所定時間間隔でデータ収集する。収集するデータは、例えば温湿度、EEV開度などである。収集したデータは、不図示のユニット管理テーブルに格納する(ユニット管理テーブルのデータ構成例:各局所コントローラ13の局番、存在有/無、運転/待機状態、正常/故障状態、設定値、温湿度・EEV開度など/系統)。尚、このユニット管理テーブルに関しては、後に具体例を図8、図9等に示して説明する。
コントローラ30は、上記ユニット管理テーブルのデータを参照し、各系統(系統A、系統B)毎に、その系統において運転中の局所空調機10のEEV開度を合計した値(負荷)に比例してインバータ22の運転周波数(=回転数;0〜100%)を算出し、算出結果をその系統のインバータ22に出力(設定)する。つまり、その系統で必要な冷媒量を、ポンプ21が受液器23から吸い込み・吐出するための運転周波数(=回転数)を算出し、インバータ22に設定値として与える。尚、この運転周波数の算出・設定処理自体は、既存技術であり、これ以上は特に説明しない。
この様に、各系統A、B毎に、その系統全体で必要な量の冷媒が、ポンプ21から冷媒配管2に送出され、各局所空調機10の蒸発器11に供給される。
以上のサイクルを繰り返し、室内の熱を蒸発器11および凝縮器24を介して放出することで冷房を行う。
以下、まず、実施例1の局所空調機冗長制御について説明する。
局所空調機10の冗長化と切換え制御については、既に基本的なことは説明した。
ここで、例えば図4(b)の例を用いて説明するならば、ポンプ21aとポンプ21bのどちらか一方が故障する場合があり得る。仮に、ポンプ21aが故障した場合、系統Aの全ての局所空調機10は、冷媒が供給されなくなるので、実質的に機能しなくなる。尚、以下、逐一説明しないが、このようなポンプ故障等があった系統に関しては、運転中であった局所空調機10は全て実質的に停止させる(例えば上記待機状態とする等)制御を、コントローラ30が行う。
この場合、系統Aに関して冷媒供給されない状況であるのだから、当然、系統Aにおいて待機状態であった局所空調機10を代わりに運転させることは出来ない。
この様に、ポンプ故障によって2つの系統の何れか一方が機能停止となる障害が生じた場合でも、実施例1の局所空調機冗長制御によれば、冷気空間Sを所定温度に維持できる可能性を高めることができ、また冷気空間Sを所定温度に維持できない場合でも温度上昇を極力抑えて最悪の事態(サーバダウン等)を防止することができる。
以下、この様な実施例1の局所空調機冗長制御について説明する。
まず、上記コントローラ30は、所定周期で系統A,Bの各ポンプ21a、21bの運転/停止状態や、インバータ22a、22bの状態や冷媒レベルの状態等を収集して、ポンプ状態テーブルに格納し、これら収集データに基づいて各系統の冷熱源ユニット20(そのポンプ21)が正常か異常かを判定する。判定方法は任意でよいが、後述する図5の例のポンプ状態テーブル40において、例えばインバータ42と冷媒レベル43のどちらか一方でも異常であったならば、判定44は異常となる。
コントローラ30は、判定44が異常となった系統の冷熱源ユニット20(そのポンプ21)を動作停止して、その運転/停止状態41を「停止」とするが、その前に後述する図6の処理を行って、必要に応じてステップS13の冗長運転を行う。もし、系統A,Bの両方が正常な状態でどちらか一方の系統に異常があった場合、後述する図6のステップS13の処理実行後、上記のように動作停止と運転/停止状態41を「停止」とする処理を行うことになる。その後、この状態が変わらなければ、後述するステップS12の判定は後述する(C)の判定となり、この状態のまま運用を続けることになる。
図5に、上記ポンプ状態テーブル40のデータ構成例を示す。
図示の例のポンプ状態テーブル40は、運転/停止状態41、インバータ42、冷媒レベル43、及び判定44の各データ項目より成る。これらの各データ項目のデータは、系統Aのポンプ、系統Bのポンプそれぞれについて格納される。
図示の例では、系統Aに関しては、そのポンプ21aの運転/停止状態41は“運転”であり、そのインバータ22aの状態42は“異常”であり、その冷媒レベル43は“正常”となっている。既に述べた判定方法例では、この例の場合、異常と判定され、図示のように判定44は“異常”とされる。
また、系統Bに関しては、そのポンプ21aの運転/停止状態41は“運転”であり、そのインバータ22aの状態42は“正常”であり、その冷媒レベル43は“正常”となっている。この例の場合、判定44は当然“正常”となる。
ここで、コントローラ30は、所定周期で図6の処理を実行する。
図6の処理は、上記ポンプ状態テーブル40等を用いて、ポンプ異常による冗長運転を行うか否か等を判定する処理である。
まず、コントローラ30は、通信線4を介して、系統A、系統Bそれぞれの冷熱源ユニット20a、20bから、そのポンプ21に係る各種データを収集して、収集した各種データを上記ポンプ状態テーブル40に格納する。すなわち、収集データ(あるいは収集データに基づく正常/異常判定結果等)を、上記運転/停止41、インバータ42、冷媒レベル43に格納する。そして、これらの収集・格納した各種データに基づいて、上記ポンプの正常/異常の判定を行って、判定結果を上記判定44に格納する(ステップS11)。
そして、ポンプ状態テーブル40の内容に基づいて、ポンプ異常による冗長運転を行うか否かを判定する(ステップS12)。これは、例えばポンプの正常/異常の判定結果(判定44)と、運転/停止状態41とに基づいて、ポンプの状態を以下の(A)〜(E)の何れかに分類して、分類結果に応じて処理を分岐させる。
図6に示すように、ステップS12において以下の(A)、(C)の何れかに分類された場合には、現状維持として、何も処理せずに本処理を終了する。ステップS12において、以下の(B)に分類された場合のみ、ポンプ異常による冗長運転を行う(ステップS13)。尚、ステップS13の処理の詳細については別途説明する。そして、ステップS12において、以下の(D)、(E)の何れかに分類された場合には、重故障と判定して(ステップS14)、本処理を終了する。更に、重故障判定に応じた所定の処理を行っても良いが、ここでは関係ないので説明しない。
(A)両ポンプ正常運転:系統A,Bの両方とも、運転/停止状態41が“運転”且つ判定44が“正常”の場合が、この分類となる。
この場合、運転している両ポンプは正常なので、このまま運転する。
(B)一方は運転中異常発生、他方は正常運転:系統A,Bの両方とも運転/停止状態41は“運転”であるが、判定44はどちらか一方は“正常”で他方は“異常”の場合が、この分類となる。
上記の通り、この分類の場合のみステップS13の処理が実行される。すなわち、異常判定された系統は運用停止させ、正常な方の系統で代替運転させる。詳細については後に説明する。尚、図6に示すポンプ状態テーブル40の例は、(B)に該当する。
(C)一方は正常運転、一方は既に停止:一方の系統は運転/停止状態41が“停止”となっており、他方の系統は運転/停止状態41が“運転”、且つ、判定44が“正常”の場合が、この分類となる。
この状態の意味は、既に説明した通りであり、運転しているポンプが正常である限り、このまま運転を続けても問題は無く、冗長運転等を行う必要はない。
(D)一方は運転中異常発生、一方は既に停止:一方の系統は運転/停止状態41が“停止”となっており、他方の系統は運転/停止状態41が“運転”、且つ、判定44が“異常”の場合が、この分類となる。
この場合は冗長運転(代替運転)不能であり、上記の通り重故障と判定し、重故障判定に応じた所定の処理(例えばアラーム報知等)を行うことになる。
(E)両ポンプで運転中異常発生:系統A,Bの両方とも、運転/停止状態41が“運転”且つ判定44が“異常”の場合が、この分類となる。当然ながら、この場合も、重故障(冗長運転不能)とする。
以下、上記(B)と認定された場合の処理、すなわちポンプ異常による冗長運転(ステップS13)について、詳細に説明する。
図7は、上記ステップS13の処理の詳細フローチャート図である。
以下、図7の処理について説明するが、図7の処理の前提として、コントローラ30は、系統別のユニット管理テーブル50、系統運転テーブル60等の各種テーブルを記憶している。尚、コントローラ30は、例えば不図示のCPU、メモリ、通信インタフェース等を有しており、このメモリには上記各種テーブル40,50,60等の各種データが記憶されると共に、予め所定のアプリケーションプログラムが記憶されている。上記不図示のCPU等が、このアプリケーションプログラムを読出し・実行することにより、上述した既存の各種制御処理等や、上記図6、当該図7、更に図10等に示すフローチャート図の処理等が、実現されることになる。
コントローラ30は、所定周期で通信線3を介して各系統の各局所空調機10の情報を収集し、必要に応じてユニット管理テーブル50等を更新している。
上記各種テーブル50,60の一例を、図8に示しており、ここで図8を参照して説明しておく。上記各種テーブル50,60は、系統別に設けられており、図8(a)、(b)には系統Aに関するテーブル50,60、図8(c)、(d)には系統Bに関するテーブル50,60を示す。尚、図示のように、図8(a)、(b)に示す系統A用のテーブルは、ユニット管理テーブル50A、系統運転テーブル60Aと記す場合がある。同様に、図8(c)、(d)に示す系統B用のテーブルは、ユニット管理テーブル50B、系統運転テーブル60Bと記す場合がある。
但し、各テーブル50、60のデータ構成自体は、系統Aと系統Bとで異なるものではないので、後述する符号51〜55は特に区別せずに示すと共に、両系を区別して説明する必要が無い場合は、ユニット管理テーブル50、系統運転テーブル60と記して説明するものとする。
図8(a)、(c)に示すように、ユニット管理テーブル50は、局番51、状態52、設定温度53、設定風量54、計測データ55(EEV開度55a、温度55b、・・・etc.)等の各データ項目より成る。
局番51は、各系統毎に各局所空調機10を識別する為に割り当てられた局所空調機識別IDである。尚、各系統毎に割り当て管理するので、例えば図8(a)に示す局番51=‘1’と、図8(c)に示す局番51=‘1’とでは、番号は同じであるが、異なる局所空調機10であるものと判別される。例えば、図3の例において、図8(a)の局番51=‘1’は局所空調機(1)であり、図8(c)の局番51=‘1’は局所空調機(9)である。
尚、局番51は、予め決められている各系統毎の局所空調機10の最大接続数分、設定されている。図示の例では最大接続台数MAX=10であるものとし、従って局番51は‘1’〜‘10’までが設定されている。
状態52は、各局所空調機10の状態が格納される。この“状態”とは、例えば、存在有無、運転/待機、異常有無等である。まず、上記の通り、局番51=‘1’〜‘10’の全てに局所空調機10が存在するとは限らないので、例えば図3の例のように8台であるならば、例えば局番51=‘9’、‘10’に関しては局所空調機10は存在しないので、図示の通り状態52は「無し」となっている。
また、存在する場合には、運転/待機、異常有無等である。本例では、冷熱源ユニット20側の故障を想定しているので、ここでは全て正常であるものとし、状態52には運転/待機の状態のみが格納されているものとする。図示の例では、局番51=‘1’〜‘5’までの5台の局所空調機10が“運転”状態、局番51=‘6’〜‘8’までの3台の局所空調機10が“待機”状態となっている。
設定温度53には、各局所空調機10の設定温度が格納される。これは個別に設定してもよいが、各系統毎に一律に設定されるようにしてもよい。これは、図8(b)の系統運転テーブル60Aの系統設定温度61が設定される。つまり、各系統別に設定されたその系統用の設定温度が、一律に適用されて設定される。
また、設定風量54に関しては、“待機”状態の局所空調機10に関しては当然風量‘0’に設定される。つまり、ファン(送風機12)が停止される。また、ここでは、“待機”状態の局所空調機10に関してはEEV開度55aも‘0’であり、蒸発器11に冷媒が供給されないようにしているが、この例に限るものではない(ファンだけ止めてもよい)。
上記のように、各系統別に、局所空調機10の存在有無や正常/異常、運転/待機等の各種状態がテーブル50等によって管理されており、図7の処理の際にはテーブル50を参照する。
以下、図7の処理について説明する。
尚、以下の説明において、運転状態の局所空調機10を運転ユニット、待機状態の局所空調機10を待機ユニットと言う場合がある。
尚、図7は、系統Aのポンプが運転中異常発生、系統Bのポンプが正常運転の場合の処理例を示している。
この場合、まず、上記両方の系統のユニット管理テーブル50A、50Bを参照して、系統Aの運転ユニット台数a、系統Bの待機ユニット台数bを判定する。すなわち、ポンプ異常が生じた系統Aにおける運転状態の局所空調機10の台数aと、正常な系統Bにおける待機状態の局所空調機10の台数bとを判定する(ステップS21)。
図8に示す例では、系統Aに係わるユニット管理テーブル50Aにおいて状態52が“運転”であるのは局番51=‘1’〜‘5’までの5つであるので、a=5となる。系統Bに係わるユニット管理テーブル50Bにおいて状態52が“待機”であるのは局番51=‘5’〜‘8’までの4つであるので、b=4となる。
そして、aとbとの大小関係に応じて、行うべき冗長運転の処理を決める(ステップS22)。すなわち
(F) a=b:系統Bの全待機ユニットを運転開始する共に(ステップS23)、設定の引継ぎ処理を行う(ステップS24)。
(G) a>b:系統Bの全待機ユニットを運転開始すると共に(ステップS27)、台数不足対策処理を実行する(ステップS28)。すなわち、この場合、系統Bの待機ユニットを全て運転開始するが、系統Aの運転ユニット台数aに対し、系統Bの待機ユニット台数bが少ないため、台数不足が発生するので対策を行う。尚、図8の例では、上記の通り、a=5、b=4であるので、a>bであり、台数不足対策処理を実行することになる。
(H) a<b:系統Bの待機ユニットの中から、どのユニットを運転開始するかを決定し、運転を開始する(ステップS25)。そして、設定の引継ぎ処理を行う(ステップS26)。
運転を開始する局所空調機10の決定方法は、様々であってよく、ここでは特に詳細には説明しないが、例えば単純に局番順としてもよいし、温度状態に応じて決定してもよい。
あるいは、予め、各局所空調機10毎に、その局所空調機10に代わって運転開始させるべき局所空調機10(1又は複数の候補)を、任意に決めておき(例えば人間が決める)、これを不図示の代替運転設定テーブルに登録しておくようにしてもよい。この場合には、当然、この代替運転設定テーブルを参照して、代替で運転を開始する局所空調機10を決定することになる。
尚、この場合において、複数の候補がある場合において、優先順位を決めておくようにしてもよい。この優先順位は、代替対象となる局所空調機10により近い位置の局所空調機10の優先順位を高く設定する等とする。例えば、図3の例において、局所空調機(1)に関する代替候補を3台登録するものとし、この3台を仮に局所空調機(9)、(10)、(11)とした場合、局所空調機(9)が最も優先順位が高く、局所空調機(11)が最も優先順位が低いことになる。
このように、例えば、予め各局所空調機10毎に、その局所空調機10と他の局所空調機10との位置関係に基づいて、その局所空調機10が故障した場合に代替で運転させるべき局所空調機を、1または複数登録しておき、複数登録する場合には優先順位を付して登録しておく。この優先順位は、上記のように距離に応じて決めても良いが、これに限るものではない。
尚、通常は、同一系統の他の局所空調機10が代替候補となる。上記局所空調機(1)の例の場合、局所空調機(2)、(3)等が代替候補となる。しかしながら、本手法ではポンプ故障等によりその系統の全ての局所空調機10が機能しない場合に対応するものであるから、別系統の局所空調機10を代替候補として設定しておくことになる。
上記ステップS24、S26の設定引継ぎ処理と、ステップS28の台数不足対策処理について、以下、詳細に説明する。
まず、ステップS24、S26の設定引継ぎ処理について説明する。尚、ステップS24とS26とでは、基本的には略同様の処理となる。
これについては、まず、図8に示す例の温度設定について説明する。
図8に示す例では、図8(b)、(d)に示す系統運転テーブル60A、60Bは、その系統としての設定温度である系統設定温度61が設定されると共に、個別設定62が設定されるものである。この個別設定62は「あり」、「なし」の何れかであり、図示の例では「なし」となっている。個別設定62が「なし」の場合には、その系統の全ての局所空調機10の設定温度が、一律、系統設定温度61の値に設定される。
系統Aに関しては、図8(b)に示すように系統設定温度61=20.0℃となっているので、図8(a)に示すユニット管理テーブル50Aのように、系統Aの全ての局所空調機の設定温度53は、20.0℃となっている。同様に、系統Bに関しては、図8(d)に示すように系統設定温度61=21.0℃となっているので、図8(c)に示すユニット管理テーブル50Bのように、系統Bの全ての局所空調機の設定温度53は、21.0℃となっている。
一方で、図8には示されないが、個別設定62が「あり」となる場合がある。この場合にはその系統の各局所空調機の設定温度53は、個別に任意の値を設定できる。尚、この場合でも、デフォルトでは上記個別設定62が「なし」の場合と同様に、全ての局所空調機10の設定温度53が、一律、系統設定温度61の値に設定され、その後に設定温度53を個別設定したい局所空調機10についてのみ、その設定温度53を任意の値に設定するようにしてもよい。
尚、以上、温度についてのみ説明したが、設定風量54に関しても設定温度と略同様としてもよい。すなわち、設定風量54は、その系統で一律の値を設定してもよいし、各局所空調機10毎に個別に設定可能としてもよい。
上記ステップS24、S26の設定引継ぎ処理は、上記個別設定が「あり」の場合と「なし」の場合とで異なる。
尚、以下の説明では、運転状態であったがポンプ故障等により運転停止すべき局所空調機10(図7の例では系統Aにおいて運転状態であった局所空調機10)を、「もとの運転ユニット」と呼ぶものとし、この「もとの運転ユニット」の代わりに運転を開始させる待機ユニットを、「代替ユニット」と呼ぶものとする。尚、本例では「代替ユニット」は必ず、ポンプ故障がなかった(正常な)系統の待機ユニットのなかから決定されることになる。図7の例では系統Bにおける待機ユニットのなかから「代替ユニット」が決定されることになる。
まず、個別設定「あり」の場合には、「もとの運転ユニット」の設定温度を「代替ユニット」に設定して引き継ぐ。設定値は、系統別ユニット管理テーブル50内にあるので、取得する。上記の通り、図8は個別設定なしの例であるが、仮に個別設定ありであるものとし、仮に図8(a)のテーブル50Aの局番=‘1’が「もとの運転ユニット」とし、その「代替ユニット」を図8(c)のテーブル50Bの局番=‘5’とした場合、テーブル50Aの局番=‘1’の設定温度53は20.0℃であるので、これをテーブル50Bの局番=‘5’の設定温度53に設定することで、「もとの運転ユニット」の温度設定を引き継ぐことになる。つまり、この場合、テーブル50Bの局番=‘5’の設定温度53は、21.0℃から20.0℃に変更されることになる。
もし、この様な引継ぎが行われないと、「代替ユニット」を運転させてもその設定温度が「もとの運転ユニット」より高い場合には、冷却対象空間を所定温度に維持するうえで問題となる(低い分には問題ないかもしれない)。
尚、ポンプ故障があった系統を異常系統と呼び、ポンプ故障がなかった系統を正常系統と呼ぶ場合もあるものとする。
一方、個別設定なしの場合は、異常系統の設定温度と正常系統の設定温度のうち、より低い方を正常系統の新しい系統設定温度とし、これに基づいて正常系統の各局所空調機10の設定温度53を設定する。上記の通り、図7の例では系統Aが異常系統、系統Bが正常系統であり、また図8の例では系統Aの系統設定温度が20.0℃、系統Bの系統設定温度が21.0℃であるので、両者を比較してより低い温度を判断すると、当然、20.0℃となる。
よって、この例の場合、図8(d)に示す系統Bの系統運転テーブル60Bにおいて、その系統設定温度61を20.0℃に設定する。また、これによって、図8(c)に示す系統Bのユニット管理テーブル50Bにおいて、全ての局所空調機10の設定温度53を、一律、系統設定温度61の値(20.0℃)に設定する。よって、設定温度53は、全て、図示の21.0℃から20.0℃となる。温度が低い分には問題ないと考えることもできるからである。
尚、各系統毎の設定温度の決め方(個別設定あり/なし等)は、設計者/ユーザなどが任意に判断して事前に設定しておく(系統運転テーブル60)。
次に、以下、上記ステップS28の台数不足対策処理について、詳細に説明する。
これは、基本的には例えば「設定温度を下げる」や「設定風量を上げる(設定風量を増加する)」等の対策処理を行うのである。例えば、「設定温度を下げる」対策と「設定風量を上げる(設定風量を増加する)」対策の両方を実行してもよいし、どちらか一方のみを実行してもよい。
(1)設定温度を下げる対策処理;
例えば、予め設定温度の下げ幅を決めておく。つまり、所定値Pを設定しておく。そして、この所定値Pを用いて以下の算出式により新たな設定温度を決定・設定する(以下の通り、設定温度を所定値P分下げることになる)。
(a)個別設定ありの場合、新たな設定温度の算出式は以下の通りとなる。
新たな設定温度 = 各局所空調機の現在の設定温度53−P[℃]
(b)個別設定なしの場合、新たな設定温度の算出式は以下の通りとなる。
新たな系統設定温度61 = 系統設定温度61−P[℃]
上記の通り、系統設定温度61が変わることで各設定温度53も一律変わることになる。
尚、後に説明する図9の例は、所定値P=0.5[℃]である場合の例である。
尚、上記新たな設定温度を決定・設定する対象は、「代替ユニット」のみとしてもよいし、「代替ユニット」だけでなく更に正常系統において運転中であった局所空調機10も含めるようにしてもよい。
(2)設定風量を上げる(設定風量を増加する)対策処理;
これについては、例えば一例としては、
(a)一律、MAX風量にする。
すなわち、一般的に、局所空調機10の風量の最大値(MAX風量)が、予め決められているものであり、正常な系統(本例では系統B)における全ての局所空調機10の風量を、MAX風量とする。
あるいは、他の方法としては例えば、
(b)不足台数に応じて事前に、風量増加量を予め決めておく。一例を以下に記す。
例) 不足台数=1台:風量増加量は+5
不足台数=2〜3台:風量増加量は+10
(但し、不足台数=4台以上の場合は、風量は一律でMAX風量とする)
尚、上記図8を用いた例では、不足台数は1台であり、図8(c)に示すように現在の設定風量は40であるので、新たな設定風量=40+5=45となる。これより、図9(a)に示すように、設定風量54は‘45’となっている。尚、図9については後に説明する。
あるいは、他の方法としては例えば、
(c)不足風量を全運転ユニット(運転中だった局所空調機+「代替ユニット」)で分割負担する。換言すれば、上記風量増加量を、上記のように予め設定される固定値とするのではなく、風量の不足分と運転ユニットの台数等に応じて、算出するものである。
ここでは、全運転ユニットで均等に負担するものとする。この場合、運転ユニット1台当たりの風量増加量Qは、以下の計算式によって算出する。
Q = R ÷ S
ここで、R;代替ユニットが無い「もとの運転ユニット」の設定風量の合計値、
S;正常系統の全運転ユニットの台数(=正常系統で既に運転中であった台数+代替ユニットの台数)。換言すれば、正常系統における“もともとの運転台数”+“新たに運転を開始した台数”。
上記図8を用いた例の場合、上記の通り1台不足となり、ここでは仮に上記“代替ユニットが無い「もとの運転ユニット」”が系統Aの局番51=‘5’の局所空調機10であったとすると、系統Aの局番‘5’の設定風量54は‘40’なので、上記設定風量の合計値R=‘40’となる。
また、図8(c)に示すように、本例では正常系統である系統Bに関しては、本例では異常系統である系統Aのポンプ故障発生時点では局番‘1’〜‘4’の4台が運転ユニットであり、もともとの運転台数は4台である。また、このときの待機ユニットは、局番‘5’〜‘8’の4台であり、本例のように台数不足となる場合は当然、全ての待機ユニットを代替ユニットとするので、運転を開始した台数は4台となる。よって、上記正常系統の運転ユニットの台数S=4+4=8台となる。
従って、この例では、
運転ユニット1台当たりの風量増加量Q = 40÷8=5となる。
この風量増加量を、各運転ユニットの設定風量に加算する。図8の例では、正常系統である系統Bに関して、各運転ユニットの設定風量は‘40’であるので、40+5=45が新たな設定風量となる。これより、図9(a)に示すように設定風量54は全て‘45’となる。
尚、図8(c)において、各待機ユニットの設定風量54は‘0’となっているが、運転を開始した際に既存の運転ユニットと同様に設定風量54が‘40’に設定されるものとする。尚、この設定風量‘40’は、予め決められた値である。
尚、どの対策を行うか(行わないか)は、設計者/ユーザなどが任意に判断して事前に設定しておく。また、対策を行う時間についても、例えば、冗長開始後1時間というように事前設定を行なっておき、この時間を経過したらもとの設定値に戻しても良い。
図8に示す例において上記ステップS28の台数不足対策処理を実行した後の系統Bに係わるテーブル50B、60Bの内容を、図9(a)、(b)に示す。
まず、ステップS28の処理を行う場合はステップS27の処理により正常系統(本例では系統B)の全ての待機ユニットを運転開始させるので、図8(c)において待機ユニットであった局番‘5’〜‘8’の4台は、運転開始されことから、図9(a)に示すように、これら4台の状態52は全て“運転”となる。尚、特に図示しないが、この際に、これら4台の設定風量54には所定の設定値(本例では‘40’)が設定される。
尚、EEV開度は、設定温度と現在温度(またはこれらの温度の差分値)、その他の吸込温度や制御パラメータに基づき局所コントローラ13側で演算して制御する。これは既存技術であるので特に説明しない。
更に、ステップS28の台数不足対策処理を実行することで、系統Bに係わるテーブル50B、60Bの内容は、図9(a)、(b)に示す通りとなる。これについて以下に説明する。
まず、図8(d)の例では個別設定なしなので、上記「設定温度を下げる」処理として上記(1)(b)が適用され、その結果、図9(b)に示すように、系統Bの系統設定温度61は20.5℃(=21.0−0.5)となる。そして、個別設定なしであるから、系統Bの全ての局所空調機10の設定温度53は、図9(a)に示す通り、一律、系統設定温度61と同じ20.5℃となる。
更に、上記「設定風量を上げる」処理として、ここでは上記(2)(c)の不足風量を運転ユニットで分割負担する処理を行ったものとする。この場合、既に説明した通り、運転ユニット1台当たりの風量増加量Q=5となり、上記の通り、このときの設定風量54は‘40’であるので、新たな設定風量=40+5=45となる。これより、図9(a)の通り、系統Bの全ての運転ユニットにおいてその設定風量54は‘45’となっている。
この様にして台数不足対策処理を行って台数不足を補うので、台数不足となったとしても冷気空間Sを所定の温度に維持することが可能となる。但し、100%の保証はできない。しかしながら、台数不足となっても冷気空間Sの温度上昇を極力抑えることができ、サーバ装置ダウンのような重大な障害を招く可能性を極めて低くすることができる。
ここで、上記図7の処理を実行する場合、上記(F)、(G)、(H)の何れのケースであっても、基本的には正常系統(本例では系統B)の局所空調機10の運転台数が増加することになるので、これに応じたポンプ制御処理も実行する必要がある。これについて以下に説明する。尚、この処理については、特にフローチャート図等は図示しないで説明するものとする。
まず、既に述べたように、各系統毎にそれぞれ複数の局所空調機10があり、これら複数の局所空調機10に共通の冷熱源ユニット20によって冷媒が供給されている。この冷媒の供給量は、そのときどきで必要な量が供給されるものであるが、ある局所空調機10が故障しても同一系統内の待機ユニットを代替運転させた場合には、運転台数は変わらないので、基本的には必要な冷媒供給量は変わらないことになる。
一方、ある系統(本例では系統A)の冷熱源ユニット20のポンプ故障等の場合には、他の系統(本例では系統B)の待機ユニットを代替運転させるので、系統Bの運転台数が増えることになり、これに応じて系統Bの冷熱源ユニット20による冷媒の供給量を変更する必要がある。
冷熱源ユニット20による冷媒の供給量は、基本的に、ポンプ21のモータ回転数によって決まる。ポンプ21のモータ回転数は、インバータ22によってインバータ制御されるものであり、コントローラ30は、インバータ22の運転周波数を制御することで、ポンプ21のモータ回転数を制御し、以って冷媒供給量を制御するものである。これは、コントローラ30において、EEV開度の合計値に基づいて運転周波数が算出されるものである。尚、この運転周波数の算出式等は特に説明しない。
本手法では、異常系統の運転ユニットに代わりに正常系統の待機ユニットを運転させるので、正常系統の運転台数が増える。上記図8、図9の例では、正常系統である系統Bに関して、図8(c)に示すように4台運転状態であったのか、系統Aの異常によって、図9(a)のように8台運転状態となる。よって、当然、EEV開度の合計値が変わる。図示の例では倍以上となるが、何れにしても、冗長運転前より冗長運転後の方がEEV開度の合計値は大きくなり、従って正常系統のポンプの運転周波数の算出値も大きくなる。
これより、コントローラ30は、算出した新たな運転周波数を用いてインバータ22によってポンプ21のモータ回転数を制御させ、冷媒の供給量を増加させる。
以上説明したように、実施例1によれば、それぞれが1つの冷媒供給ユニットと複数台の局所空調機10とから成る2つの冷却系統によって1つの冷気空間Sを所定温度に維持する局所空調システムを提案している。この局所空調システムによれば、2つの冷却系統の何れか一方の系統が冷媒ポンプの故障等によって異常となった場合に、他方の正常な系統の待機ユニットを用いて代替運転させることで、冷気空間Sの温度維持を可能とする。その際、設定の引継ぎを行うことで、冷気空間Sの高度の温度維持を実現できる。あるいは、台数不足となった場合でも、対策処理を実行することで、冷気空間Sの温度維持を実現できる。
次に、以下、実施例2について説明する。
尚、実施例2においても、基本的には上記実施例1と同様に、それぞれが1つの冷媒供給ユニットと複数台の局所空調機10とから成る2つの冷却系統によって1つの冷気空間Sを所定温度に維持する局所空調システムとしている。よって、システム構成は図1〜図4に示す構成であってよく、また図8に示す系統別のユニット管理テーブル50、系統運転テーブル60等も有していてよい。当然、これらのついてはここでは特に説明しない。
実施例1は、冷媒ポンプの故障等によるその系統全体としての異常に対応するものであった。これに対して、実施例2は、局所空調機10の故障に対応するものである。
実施例2は、冷媒ポンプに関しては図6のステップS12の判定で上記(A)または(C)と判定されるような状況において、正常系統における任意の局所空調機10に故障があった場合に、冗長運転を行うことで、冷気空間Sの温度維持を可能とするものである。
尚、既に述べてあるが、上記(A)とは系統A、Bの両方とも冷媒ポンプであるポンプ21が正常運転している状況であり、上記(C)とは系統A、Bの一方は正常運転、他方は既に停止している状態である(一方の系統のみで運用している状態)。
何れの場合でも、正常運転している系統においては、運転中の局所空調機10が1台以上存在するものとし、任意の運転中の局所空調機10に故障が発生した場合、コントローラ30の制御によって冗長運転を行うものである。
図10に、実施例2におけるコントローラ30の冗長運転に係わる処理フローチャート図を示す。
尚、図10においては、図示のユニットは、局所空調機10を意味するものとする。
尚、図10の処理では、例えば図8に示すユニット管理テーブル50(50A、50B)を参照し、また必要に応じて当該テーブル50の内容を更新する。
図10において、コントローラ30は、例えば定期的に、通信線3を介して各局所空調機10の局所コントローラ13と通信を行って、各局所空調機10の各種情報を収集している(ステップS31)。ここで、各局所コントローラ13は、セルフチェック機能を有しており、自装置の正常/異常を判定しているものとする。上記コントローラ30が収集する情報には、この正常/異常も含まれている。
これより、コントローラ30は、収集した情報を参照すれば、各局所空調機10の正常/異常を判別でき、全ての局所空調機10が正常であれば(ステップS32,NO)、本処理を終了する。
一方、1台以上の局所空調機10に異常があった場合(ステップS32、YES)、まず、この異常の局所空調機10(故障ユニットと呼ぶ)が属する系統(自系統というものとする)に、待機ユニットがあるか否かを判定し(ステップS33)、待機ユニットがある場合には(ステップS33,YES)、運転開始する待機ユニットを決定する(ステップS34)。すなわち、上記故障ユニットに対する上記「代替ユニット」を決定する。
ここで、待機ユニットが1台のみであればそれを「代替ユニット」として運転開始するが、複数台ある場合には、そのうちの任意の待機ユニットを「代替ユニット」に決定する。この決定方法は、例えば上記ステップS25で説明した方法と略同様であってよく、例えば局番順、あるいは温度状態に応じて、あるいは予め登録されているテーブル(代替候補や優先順位が設定されている)を参照して、運転開始する待機ユニット(代替ユニット)を決定する。
そして、この代替ユニットの運転を開始すると共に、設定引継ぎ処理を行う(ステップS35)。この設定引継ぎ処理は、例えば、故障ユニットの設定温度を「代替ユニット」の設定温度とするものであるが、詳細な説明は、後に説明するステップS39の設定引継ぎとの違いを示すためにも、後にまとめて説明するものとする。
もし、複数台の局所空調機10がほぼ同時に故障した場合には、上記ステップS33〜35の処理は、故障ユニットの台数分、繰り返し実行する。但し、途中でステップS33の判定がNOとなった場合には、ステップS36の処理へ移行する。例えば故障ユニットが3台であるのに対して待機ユニットが2台しかない場合には、故障した3台のうち1台目と2台目についてはステップS33がYESとなり、任意の待機ユニットが上記「代替ユニット」に決定されて(ステップS34)、この「代替ユニット」を運転開始すると共にこの「代替ユニット」に故障ユニットの設定が引き継がれるが(ステップS35)、3台目の故障ユニットについてはステップS33がNOとなるので、ステップS34,S35を実行することなくステップS36の処理へ移行する。
そして、台数不足であるか否かを判定する(ステップS36)。これは上記ステップS33がNOの場合に、台数不足と判定される(ステップS36,YES)。上述したことから、“故障台数>待機ユニット台数”である場合に、台数不足となることになる(待機ユニットが1台も無いケースも含まれる)。もし、台数不足でなければ(ステップS36,NO)、本処理は終了する。この場合には、自系統内の待機ユニットで代替運転実現できたことになり、他系統の待機ユニットを用いる必要はないことになる。
一方、台数不足であれば(ステップS36,YES)、他系統の待機ユニットも用いる必要があることになる。但し、他系統がポンプ異常であったり、待機ユニットが1台も無い場合には(ステップS37,NO)、他系統の待機ユニットを用いることはできないので、ステップS40を経て(この場合にはステップS40は必ずYESとなる)、ステップS41の台数不足対策処理を実行する。ステップS40、S41については後に説明する。
自系統のみでは台数不足であり(ステップS36,YES)、他系統は正常で且つ待機ユニットが1台以上存在する場合には(ステップS37,YES)、上記故障ユニットであって未だ「代替ユニット」が決まっていないものについて、上記ステップS34、S35と同様の処理を行う(ステップS38、S39)。すなわち、この故障ユニットに代わって運転開始すべき待機ユニットである「代替ユニット」を決定する(ステップS38)。「代替ユニット」の決定方法は、既に述べた方法と同じであってよく、ここでは特に説明しない。そして、ステップS38で決定した「代替ユニット」を運転開始すると共に、設定引継ぎ処理を行う(ステップS39)。
ここで、既に述べたように、設定引継ぎ処理についてまとめて説明する。
まず、上記ステップS35における設定引継ぎ処理の場合、故障ユニットと同じ系統内の待機ユニットを「代替ユニット」とするので、故障ユニットの設定内容をそのまま引き継ぐ。
一方、ステップS39における設定引継ぎ処理の場合、故障ユニットとは異なる系統の待機ユニットを「代替ユニット」とするので、上記実施例1における設定引継ぎ処理と略同様の処理を行う。すなわち、上記“個別設定なし”の場合には、故障ユニットが属する系統の系統設定温度61と、「代替ユニット」が属する系統の系統設定温度61とを比較して、低い方を採用して「代替ユニット」が属する系統の新たな系統設定温度61とする。これより、この新たな系統設定温度61が「代替ユニット」の設定温度53となる。
一方、上記“個別設定あり”の場合には、故障ユニットの設定温度53を、「代替ユニット」の設定温度53とする。
尚、図には示していないが、未だ「代替ユニット」が決まっていない故障ユニットが複数ある場合には、ステップS37〜S39の処理を繰り返し実行する。これは、上記ステップS33〜S35の繰り返し実行と略同様であり、全ての故障ユニットについてステップS37の判定がYESであれば、基本的には全ての故障ユニットに対して「代替ユニット」が決まって「代替ユニット」が運転開始することになる。この場合は、次のステップS40の「台数不足か?」の判定はNOとなり、本処理を終了する。
一方で、「代替ユニット」が無い故障ユニットが1台でもある場合には、ステップS37の判定はNOとなり、ステップS40の判定はYES(待機ユニットの台数不足)となり、台数不足対策処理を実行することになる(ステップS41)。
すなわち、自系統と他系統の2つの系統によってもなお、「代替ユニット」が決まっていない故障ユニットが残っている場合、つまり「故障ユニットの台数>2つの系統の待機ユニットの合計数」である場合には、台数不足対策処理を実行することになる(ステップS41)。
この台数不足対策処理は、上記ステップS28の台数不足対策処理(設定温度を下げる,風量を上げる等)と略同様であってよく、ここでは特に説明しない。
以上説明したように、本手法では基本的に、任意の冷却対象空間(冷気空間Sなど)に対して、複数台の局所空調機10とこれら各局所空調機10に冷媒を供給する冷媒供給ユニット(冷熱源ユニット20)とから成る冷却系統を2系統設けた局所空調システムを提案している。
すなわち、第1の冷媒供給ユニット(例えば冷熱源ユニット20a)と該第1の冷媒供給ユニットによって冷媒を供給される複数台の前記局所空調機10とから成る第1の冷却系統(例えば上記系統A)と、第2の冷媒供給ユニット(例えば冷熱源ユニット20b)と該第2の冷媒供給ユニットによって冷媒を供給される複数台の前記局所空調機10とから成る第2の冷却系統(例えば上記系統B)とを設けている。
勿論、図1〜図3等に示す通り、第1の冷却系統に係る局所空調機群と第2の冷却系統に係る局所空調機群とは、相互に異なるものであり、重複するようなことはない。
尚、局所空調システムは、基本的に、冷却対象空間を所望の温度(ユーザ等が設定する所定の温度等)に維持する為のシステムである。
そして、基本的に、上記第1の冷却系統、第2の冷却系統のどちらも、1台以上の待機ユニットを備えておく。
この様な構成としたことにより、どちらか一方の冷却系統における冷媒供給ユニット(その冷媒ポンプ等)に故障が発生して冷媒供給されない異常状態になっても、他方の正常な冷却系統における待機ユニットを運転開始することで、冷却対象空間の温度を所望の温度に維持することが可能となる。
その際、異常系統側の設定を、正常系統側に引き継がせることで、冷却対象空間の温度を所望の温度に維持できる効果を高めることができる。例えば、異常状態となった冷却系統で運転ユニットであった局所空調機10の温度設定を、これに代わって運転開始する待機ユニットの温度設定に引き継がせること等が考えられる。あるいは、異常系統側の設定温度と、正常系統側の設定温度とで、より低い設定温度を、正常系統側に適用するようにしてもよい。
上記のように冷却対象空間の温度を所望の温度に維持するのは、サーバ装置等の発熱体を冷却する為であるので、冷却対象空間の温度が所望の温度よりも多少低くなっても問題はないと考えられる。
尚、上記冷媒供給ユニット(その冷媒ポンプ等)が故障した場合とは、冷媒ポンプの冗長化構成の冷媒供給ユニットである場合、例えば冷媒ポンプが2台ある冷媒供給ユニットである場合、冷媒ポンプが2台とも故障した場合を意味する。
あるいは、任意の1台以上の局所空調機に故障が発生した場合であっても、待機ユニットを代替運転開始することで、冷却対象空間の温度を所望の温度に維持できる。この代替運転開始する待機ユニットは、故障した局所空調機と同じ冷却系統の待機ユニットとするが、もし待機ユニットが無い場合または足りない場合には、他の冷却系統の待機ユニットを用いる。この様にして冷却対象空間の温度を所望の温度に維持できる可能性を高めることができる。
更に、修理時間を確保し易い等の効果も得られる。
また、上記冷却対象空間は、例えば図1〜図3等に示すように、2列の機器搭載ラック列に挟まれた空間であり、上記第1の冷却系統の局所空調機群は何れか一方の機器搭載ラック列に対応して列を成し、上記第2の冷却系統の局所空調機群は他方の機器搭載ラック列に対応して列を成すことで、該第1の冷却系統の局所空調機群と該第2の冷却系統の局所空調機群とは、各局所空調機の冷気の吹出口が前記冷却対象空間の上方に位置するように設けられることになる。勿論、この様な例に限るものではない。
最後に、図3に示す例を用いて、本手法の動作と効果について具体例を示して説明する。
図3に示す例では、上記任意の冷却対象空間(冷気空間Sなど)は、2列のラック列の間の空間であり、各ラック列の上方等に局所空調機10が設けられる。図では、各ラック列毎に、8台ずつ、計16台の局所空調機10が設けられている。つまり、図示のA列、B列の2列の局所空調機10が設けられており、各列は8台の局所空調機10より成るものである。このように1つの冷却対象空間に対して16台の局所空調機10が設けられ、これらの局所空調機10によって冷却対象空間を所定温度に維持するが、16台全てを運転する必要があるわけではなく、冗長化構成としている。一部の局所空調機10は予備用として待機ユニットとしている。
そして、上記A列、B列それぞれに対して、冷熱源ユニット20a、20bが設けられている。各冷熱源ユニット20a、20bは、冗長運転のためポンプ21が2台備えられているが、どちらか一方の冷熱源ユニット20でポンプ21が2台とも故障した場合、その列の局所空調機10は全て機能しなくなるので、他方の列の局所空調機10群による冗長運転(代替運転)を行う。
仮に、A列の設定温度20℃、運転台数3、B列の設定温度21℃、運転台数4であるとした場合、局所空調機(1)〜(8)の設定温度が20℃、局所空調機(9)〜(16)の設定温度が21℃で、例えば局所空調機(1)〜(3)、(9)〜(12)が運転ユニットとされ、冷気空間Sのエリアを冷却する。
上記の例において、A列に対応する冷熱源ユニット20aのポンプ21(21−1,21−2)が2台とも故障した場合、コントローラ30はB列における待機ユニットである局所空調機(13)〜(16)のうち、例えば局所空調機(13)〜(15)を、上記局所空調機(1)〜(3)の代わりに運転開始させる。更に、温度設定等を行う。これは例えばA列側の設定を引き継ぐ方法があり、局所空調機(13)〜(15)のみ温度設定を20℃とする。あるいは、局所空調機(9)〜(15)の全てを温度設定値の低い方としても良い。本例では、上記の通り、A列の設定温度20℃、B列の設定温度21℃であるので、温度設定値の低い方は20℃であり、局所空調機(9)〜(15)全ての設定温度を20℃とする。
あるいは、任意の1台以上の局所空調機10が故障した場合、基本的には同じ系統内の待機ユニットを代替運転させるが、待機ユニットが無い場合または足りない場合には、他の系統の待機ユニットも用いる。
例えば、上記図3の例において、仮に、A列の設定温度20℃、運転台数6(局所空調機(1)〜(6)を運転ユニットとし、残りは待機ユニットとする)、B列の設定温度21℃、運転台数5(局所空調機(9)〜(13)を運転ユニットとし、残りは待機ユニットとする)で動作していたとする。そしてA列の局所空調機(1)〜(3)が故障したとする。通常であれば同じ列内で代替運転を行うが、3台故障に対して待機ユニットは局所空調機(7)、(8)の2台しかないので、1台足りない。
そこで、コントローラ30は、A列の運転不足分1台をB列の局所空調機(14)に代替運転させる。この時、設定温度は局所空調機(14)のみ20℃としても良いし、9〜14の全てを温度設定値の低い方(本例では20℃)としても良い。
本発明の局所空調システム、その制御装置等によれば、任意の冷却対象空間に対して局所空調機が複数台設置され、複数台の局所空調機に冷媒を供給する冷媒供給ユニットを有する局所空調システムにおいて、冷媒供給ユニットに故障が発生して冷媒供給されない状態になっても、あるいは局所空調機に故障が発生した場合であっても、冷却対象空間の温度を所望の温度に維持できる。

Claims (6)

  1. 任意の冷却対象空間を冷却する局所空調システムにおいて、
    第1の冷媒供給ユニットと、該第1の冷媒供給ユニットによって冷媒が供給される複数台の局所空調機から成る第1の冷却系統と、
    第2の冷媒供給ユニットと、該第2の冷媒供給ユニットによって冷媒が供給される複数の局所空調機であって前記第1の冷却系統の局所空調機群とは異なる局所空調機群から成る第2の冷却系統とを設け、
    通信線を介して全ての前記局所空調機と前記第1、第2の冷媒供給ユニットを管理制御する制御装置を備え、
    該制御装置は、
    運転状態の前記局所空調機を運転ユニット、待機状態の前記局所空調機を待機ユニットとし、前記各局所空調機がそれぞれ運転ユニット、待機ユニットのどちらであるかを記憶する記憶手段と、
    前記第1、第2の冷媒供給ユニットの何れか一方に異常が発生した場合、他方の正常な冷却系統の前記局所空調機群のなかに前記待機ユニットがある場合には、該待機ユニットを異常発生した冷却系統の前記運転ユニットの代わりに運転状態とする代替運転ユニットとし、前記2つの冷却系統の温度設定同士を比較して、より低い温度設定を前記正常な冷却系統の温度設定とする冗長化運転制御手段と、
    を有することを特徴とする局所空調システム。
  2. 前記冗長化運転制御手段は、前記代替運転ユニットの台数を、前記異常発生した冷却系統における運転ユニットの台数分とすることを特徴とする請求項1記載の局所空調システム。
  3. 前記冗長化運転制御手段は、前記正常な冷却系統側の前記待機ユニットの台数が前記異常発生した冷却系統における運転ユニットの台数よりも少ない場合には、該待機ユニット全てを前記代替運転ユニットとすると共に、前記正常な冷却系統における前記運転ユニット及び前記代替運転ユニットの設定温度を下げる又は/及び設定風量を増加する台数不足対策処理を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の局所空調システム。
  4. 前記冷却対象空間は、2列の機器搭載ラック列に挟まれた空間であり、
    前記第1の冷却系統の局所空調機群は何れか一方の機器搭載ラック列に対応して列を成し、前記第2の冷却系統の局所空調機群は他方の機器搭載ラック列に対応して列を成すことで、該第1の冷却系統の局所空調機群と該第2の冷却系統の局所空調機群とは冷気の吹出口が前記冷却対象空間の上方に位置するように設けられることを特徴とする請求項1及至3のいずれか1項に記載の局所空調システム。
  5. 任意の冷却対象空間に対して局所空調機が複数台設置され、該局所空調機に対して冷媒供給する冷媒供給ユニットを備え、該各局所空調機と冷媒供給ユニットを通信線を介して制御する制御装置を更に備え、該各局所空調機と冷媒供給ユニットとによって前記冷却対象空間を冷却する局所空調システムにおける該制御装置であって、
    前記冷媒供給ユニットとして第1の冷媒供給ユニットと第2の冷媒供給ユニットとを備え、前記第1の冷媒供給ユニットと該第1の冷媒供給ユニットによって冷媒を供給される複数台の前記局所空調機とから成る第1の冷却系統と、前記第2の冷媒供給ユニットと該第2の冷媒供給ユニットによって冷媒を供給される複数台の前記局所空調機とから成る第2の冷却系統とに対して、通信線を介して全ての前記局所空調機と前記第1、第2の冷媒供給ユニットを管理制御する制御手段を備え、
    該制御手段は、
    運転状態の前記局所空調機を運転ユニット、待機状態の前記局所空調機を待機ユニットとし、前記各局所空調機がそれぞれ運転ユニット、待機ユニットのどちらであるかを記憶する記憶手段と、
    前記第1、第2の冷媒供給ユニットの何れか一方に異常が発生した場合であって、他方の正常な冷却系統の前記局所空調機群のなかに前記待機ユニットがある場合には、該待機ユニットを異常発生した冷却系統の前記運転ユニットの代わりに運転状態とする代替運転ユニットとし、前記2つの冷却系統の温度設定同士を比較して、より低い温度設定を前記正常な冷却系統の温度設定とする冗長化運転制御手段と、
    を有することを特徴とする局所空調システムの制御装置。
  6. 前記冗長化運転制御手段は、前記正常な冷却系統側に前記待機ユニットが無い場合には、前記正常な冷却系統における前記運転ユニット及び前記代替運転ユニットの設定温度を下げる又は/及び設定風量を増加する台数不足対策処理を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の局所空調システム。
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