JP6052883B2 - 冷水循環システム - Google Patents

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Description

本発明は、空調に用いられる冷水を供給する冷水循環システムに関する。
冷水循環システムによって供給される冷水を冷熱として用いる中央熱源式の空調システムが広く用いられている。
上述の空調システムでは、冷水を供給する複数の熱源に一次戻りヘッダおよび一次送りヘッダがつながれ、一次ポンプによって冷水が一次戻りヘッダから熱源を介して一次送りヘッダに送られている。また、冷水を用いて空気を冷却する複数のAHU(エア・ハンドリング・ユニット)に二次送りヘッダおよび二次戻りヘッダがつながれている。一次送りヘッダと二次送りヘッダとの間には、冷水を一次送りヘッダから二次送りヘッダに送る二次ポンプが配置されている。この二次ポンプとしてはインバータ制御されるものが知られている。また、冷水は二次戻りヘッダから一次戻りヘッダに流入するように接続されている。
空調システムを循環する冷水の流量を制御する方法としては、上述の二次ポンプから吐出される冷水の圧力を所定の設定値に制御することにより、冷水の流量を制御する方法が知られている。その他にも、に記載されているように、二次送りヘッダから送りだされる冷水の温度である送り温度と、二次戻りヘッダに流入する冷水の温度である戻り温度と、の間の温度差である主管温度差を所定値になるように、二次ポンプから送りだされる冷水の流量を制御する方法も知られている(例えば、特許文献1から3参照。)。
特許文献1および2の技術では、AHUで必要されている冷水流量のみを供給することになるため、冷水を搬送する動力を低減すること、言い換えると二次ポンプの消費電力を低減することができる。また、AHUにおける熱負荷が低下した場合であっても、送り温度と戻り温度との温度差を所定値に保つように冷水流量を制御するため、言い換えると、戻り温度が低下する場合であっても、戻り温度を上昇させる制御を行うため、熱源における運転効率を維持することができる。さらに、上述の制御を行うのに必要なセンサが温度センサのみであり、圧力センサは不要となることから、製造コストの低減を図ることができる。
特許文献3には、特定のAHUから出力される警報に基づいて、二次ポンプから送り出される冷水流量を増やす制御が記載されている。この警報は、特定のAHUにおける熱負荷が増加したことを知らせる警報を例示することができる。この制御を行うと、AHUにおける能力不足によって室温などの上昇を抑制することができる。
特許第4406778号公報 特許第4333818号公報 特許第4748175号公報
従来の中央熱源式の空調システムでは、空調対象ゾーンである室内(フロア内、または、区画内)から取得した室温などの情報に基づいて、AHUに流入する冷水の流量を制御する二方弁の弁開度を推定し、当該二方弁の余裕度(例えば二方弁の弁開度を全開にするまでの余裕)を判断している。この余裕度が所定値よりも大きい限り、二次ポンプの駆動周波数を低下させてAHUに供給される冷水の流量を低下させる制御を行っている。あるいは、上述の余裕度が所定値よりも小さい場合には、二次ポンプの駆動周波数を増加させてAHUに供給される冷水の流量を増加させる制御を行っている。
同一のフロアまたは同一の区画(以下、「同一のフロア等」と表記する。)には複数のAHUが配置されており、これらのAHUに対応する二方弁に関する余裕度(複数)が判断されている。上述の制御では、同一のフロア等に配置された全AHUの余裕度から求めた余裕度の平均値が制御に用いられる。そのため、空調制御システムの制御方法によっては、適切な制御が難しくなるという問題があった。例えば、同一のフロア等に配置された温度センサにより測定された室内温度を用いた制御に対する適応性に問題がある可能性があった。
上述のように余裕度の平均値を用いて二次ポンプから送出される冷水の流量を制御すると、次に説明する消費エネルギの低減を図りにくい(非省エネになりやすい)という問題が発生する可能性があった。具体的には、冷却対象であるフロア等に配置された情報通信装置(以下、「ICT装置」と表記する。)の一部における室内空気の吸込み温度が上昇した場合であっても、同一フロア等に配置された全てのAHUに対して冷房能力を増加させる制御、言い換えると、二次ポンプから送出される冷水の流量を増加させる制御が行われる場合がある。すると、上述の一部のICT装置との関係が深いAHU(例えば、距離が近いAHU)に冷房能力の余裕があり、当該AHUの冷房能力を増加させるだけで上述の吸込み温度上昇に対処できる場合であっても、全てのAHUの冷房能力を増加させる制御が行われる。そのため、空調システムにおける消費エネルギの低減を図りにくくなっていた。
その一方で、次に説明する高温障害が発生する可能性があるという問題もあった。具体的には、一部のICT装置における室内空気の吸込み温度が上昇した場合に、同一フロア等に配置された全てのAHUに対して冷房能力を増加させる制御が遅れ、一部のICT装置の温度が高くなりすぎる(高温障害が発生する)おそれがあった。つまり、一部のICT装置との関係が深いAHU(例えば、距離が近いAHU)に冷房能力の余裕がない場合には、当該AHUの冷房能力を増加させても吸込み温度の上昇を抑制できない可能性が高い。この場合には、全てのAHUに供給される冷水の流量を増やして全AHUにおける冷房能力を増加させ、吸込み温度の上昇を抑制する制御が行われる。
しかしながら、余裕度の平均値を用いて二次ポンプから送出される冷水の流量を制御すると、上述のように一部のICT装置との関係が深いAHUの余裕がない場合でも、余裕度の平均値に余裕があれると判定されれば、AHUに供給される冷水の流量を増やす制御が即座に行われない可能性があり、高温障害が発生するおそれがあった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、温度調整の信頼性を確保するとともに、消費電力の削減を図ることができる冷水循環システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の冷水循環システムは、冷水を所定温度に冷却する熱源と、所定の区画内に複数配置され、前記冷水と熱交換して前記所定の区画内の空気を冷却する空調機であるAHUと、動力インバータの運転周波数に応じた流量の前記冷水を前記熱源から前記AHUに送るポンプと、前記AHUによる前記所定の区画内の所望箇所の空気温度を調整する寄与率である影響度係数を取得し、所定の第1閾値以上の前記影響度係数を有する前記AHUを空調群とし、前記空調群に属する前記AHUの状態を示す情報に基づいて、前記AHUにおける前記空気を冷却する余剰能力を示す余裕度を算出し、前記空調群に属する前記AHUの前記余裕度から判断される群余裕度を算出し、該群余裕度が所定の第2閾値以上である場合には、前記動力インバータの運転周波数を制御することにより前記ポンプから送り出される前記冷水の流量を減らし、前記群余裕度が前記所定閾値未満である場合には前記ポンプから送り出される前記冷水の流量を増やす制御部と、が設けられていることを特徴とする。
上記発明において前記群余裕度は、前記空調群に属する前記AHUの前記余裕度の平均である余裕度平均値であることが好ましい。
本発明の冷水循環システムによれば、所定の第1閾値以上の影響度係数を有する複数のAHUのグループである空調群を定義し、この空調群に属するAHUの余裕度に基づいてポンプの制御を行うことにより、冷水循環システムによる所定の区画内の温度調整の信頼度を確保しやすくなるとともに、冷水循環システムにおける消費電力の削減を図りやすくなる。つまり、空調群に属するAHUの余裕度の平均値である余裕度平均値に基づいてポンプから送出される冷水の流量を制御するため、所定の区画に配置された全AHUの余裕度の平均値に基づく制御と比較して、所望箇所の空気温度の変化がポンプの制御に反映されやすくなる。
具体的には、所望箇所の空気温度が制御目標である設定温度よりも上昇した場合、余裕度平均値は全AHUの余裕度の平均値よりも小さくなりやすく、ポンプから送出される冷水の流量を増やす制御が行われやすくなる。その結果、AHUの冷房能力が高められ所望箇所の空気温度上昇が抑えられる。
例えば、所定の区画内に配置された全てのAHUの余裕度の平均値を用いてポンプから送出される冷水の流量を増やす制御を行う場合と比較して、空調群に属する一つのAHUの余裕度が大きい場合には、余裕度平均値に対して当該AHUの余裕度が占める割合は全AHUの余裕度の平均値よりも大きくなり、ポンプから送出される冷水の流量を増やす制御が行われるタイミングが遅くなる。言い換えると、余裕度が大きなAHUの冷房能力を増やす制御を行い、所望箇所の空気温度を設定温度に制御する余裕が生まれる。このようにポンプから送出される冷水の流量を増やすことなく、所望箇所の空気温度の上昇に対処することができるため、冷水循環システムにおける消費エネルギの低減を図りやすくなる。
上記発明において前記AHUの状態を示す情報は、前記AHUに流入する前記冷水の流量を制御する二方弁の弁開度、前記AHUにおいて熱交換される前記空気を送風するファンの回転周波数、および、前記AHUから吹出される前記空気の設定温度と計測された計測温度との空気温度差の少なくとも一つ以上、または、その組み合わせであることが好ましい。
このように二方弁の弁開度、ファンの回転周波数、および、空気温度差の少なくとも一つを用いて余裕度を求めることにより、信頼性をさらに確保しやすくなり、ポンプの駆動に用いる動力を低減させやすくなる。つまり、AHUにおける空気を冷却する能力は二方弁の弁開度と相関していると考えられ、弁開度における全開までの余裕は上述の余裕度と相関していると考えられる。そのため、二方弁の弁開度を用いて余裕度を求めることにより、余裕度をより高い精度で求めることができる。ファンの回転周波数や空気温度差についても同様に、AHUにおける空気を冷却する能力と相関していると考えられ、ファンの回転周波数や空気温度差を用いて余裕度を求めることにより、余裕度をより高い精度で求めることができる。
上記発明において前記制御部は、前記所定の区画内の前記所望箇所の温度が第1ワーニング閾値を超えた場合には、前記空調群に属する前記AHUに対して、前記余裕度平均値が前記所定の第2閾値以上であるときには、前記ポンプから送り出される前記冷水の流量を減らし、前記余裕度平均値が前記所定の第2閾値未満であるときには前記冷水の流量を増やす制御を行い、前記所望箇所の温度が前記第1ワーニング閾値以下の場合には、前記所定の区画に配置された全ての前記AHUの前記余裕度の平均値である全体平均値を算出し、前記全体平均値が前記所定の第2閾値以上であるときには、前記ポンプから送り出される前記冷水の流量を減らし、前記全体平均値が前記所定の第2閾値未満であるときには前記冷水の流量を増やす制御を行うことが好ましい。
このように、所望箇所の温度と第1ワーニング閾値とを比較して、空調群内の余裕度の平均である余裕度平均値を用いてポンプの制御を行うか、所定の区画内の全AHUの余裕度の平均である全体平均値を用いてポンプの制御を行うかの選択を行うことにより、冷水循環システムによる所定の区画内の温度調整の信頼度をさらに確保しやすくなるとともに、冷水循環システムにおける消費電力の削減をさらに図りやすくなる。
具体的には、所望箇所の温度が第1ワーニング閾値を超えた場合には、AHUの冷房能力変更のみで所望箇所の温度上昇を抑えることが難しいため、より早いタイミングでポンプから送出される冷水の流量を制御できる余裕度平均値を用いた制御を行う。これにより、所望箇所の温度上昇が抑えられやすくなり、所定の区画内の温度調整の信頼度を確保しやすくなる。
その一方で、所望箇所の温度が第1ワーニング閾値以下の場合には、AHUの冷房能力変更のみで所望箇所の温度上昇を抑えられる可能性が高いため、AHUの冷房能力変更の期間を確保しやすい全体平均値を用いた制御を行う。これにより、消費電力が大きくなりやすいポンプから送出される冷水の流量を増やす制御を抑制することができ、消費電力の削減を図りやすくなる。
なお、第1ワーニング閾値は警報閾値と比較して温度が低い閾値である。警報閾値は、それ以上温度が高くなると、冷水循環システムの冷却対象物が高温により不具合を発生する可能性が高くなる温度である。
上記発明において前記制御部は、前記所望箇所の温度が前記第1ワーニング閾値を超え、かつ、前記余裕度平均値が前記所定の第2閾値以上の場合に、前記空調群に属する前記AHUのそれぞれの前記余裕度と、第2ワーニング閾値との比較を行い、前記余裕度が前記第2ワーニング閾値を下回る前記AHUが存在する場合には、当該AHUにおける冷却後の空気の目標温度である設定温度を下げる制御を行うことが好ましい。
このように空調群に属するAHUの中から冷房能力に余裕のあるAHUについて設定温度を下げる制御を行うことで、ポンプから送出される冷水の流量の過度な変更を抑制でき、冷水循環システムにおける消費電力の削減をさらに図りやすくなる。つまり、空調群に属するAHUの余裕度と第2ワーニング閾値とを比較して、余裕度が第2ワーニング値を下回るAHUは冷房能力に余裕があるAHUとみなすことができる。このAHUの設定温度を下げて冷房能力を高めることにより、ポンプから送出される冷水の流量を増やすことなく、所望箇所の温度上昇を抑制することができる。
上記発明において前記余裕度は、1−(前記二方弁の弁開度)、1−(前記ファンの回転周波数/最大周波数)、および、前記設定温度−前記計測温度、の少なくとも一つであることが好ましい。
このように余裕度を求めることにより、二方弁の弁開度、ファンの回転周波数のいずれに基づいても余裕度を0から1までの数値で表すことができる。そのため、余裕度と所定閾値との比較などの余裕度を求めた後の制御処理を、AHUの状態を示す情報の種類に応じて変える必要がなくなる。
上記発明において前記余裕度が、1−(前記二方弁の弁開度)、または、1−(前記ファンの回転周波数/最大周波数)である場合に、前記余裕度の前記所定の第2閾値を、(前記AHUの常用台数)/(前記AHUの常用台数+前記AHUの予備台数)とすることが好ましい。
このようにAHUの常用台数および予備台数に基づく所定の第2閾値を規定することにより、室内空気の温度調整能力の信頼性を更に確保しやすくなる。ここで常用台数は、冷水循環システムを備えた空調システムにおける負荷に対応するために必要とされる最低限のAHUの台数であり、予備台数は、空調システムにおける温度調整能力の信頼性を確保するために予備で設けられるAHUの台数である。
上記発明において前記余裕度が前記所定の第2閾値未満と判定された場合に、前記ポンプに適用された運転設定を記憶し、記憶した後に、前記ポンプから送り出される前記冷水の流量を減らす際に、記憶された前記運転設定の近傍では、前回の制御における前記冷水の流量の減少量よりも、減少させる量を減らすことが好ましい。
このように記憶された運転設定の近傍においては、1回あたりの冷水の減少量を小さくすることにより、記憶された運転設定の近傍において細やかな制御が行われ、制御の安定性を確保しやすくなる。
上記発明において前記所望箇所は、前記所定の区画内に配置された冷却対象である熱を発生する機器における空気の吸込み部であることが好ましい。
このように所望箇所を、IT(情報技術)装置やICT(情報通信技術)装置等のように熱を発生する電子機器の冷却用空気の吸込み部とすることにより、空調群を適切に定義することができる。つまり、電子機器の冷却に影響を与える冷却用空気の吸込み部における空気温度に基づいて空調群を定義することで、定義の精度が高まり冷水循環システムによる所定の区画内の温度調整の信頼度をさらに確保しやすくなるとともに、冷水循環システムにおける消費電力の削減をさらに図りやすくなる。
本発明の冷水循環システムによれば、所定の第1閾値以上の影響度係数を有する複数のAHUのグループである空調群を定義し、この空調群に属するAHUの余裕度に基づいてポンプの制御を行うことにより、温度調整の信頼性を確保するとともに、消費電力の削減を図ることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る空調システムの構成を説明する模式図である。 図1の統合コントローラ等を説明するブロック図である。 図1の空調システムにおける制御を説明するフローチャートである。 空調群の定義の一例を説明する模式図である。
この発明の一実施形態に係る冷水循環システムを備えた空調システムについて、図1から図4を参照しながら説明する。
本実施形態では、データセンタの空調に本発明に係る空調システム(冷水循環システム)1を用いた例に適用して説明する。なお、データセンタにはIT(情報技術)装置やICT(情報通信技術)装置を構成する多数のサーバやコンピュータなどの電子機器51が、フロア(所定の区画)F内にコールドアイルCおよびホットアイルHを形成するように配置されたラック55に収納されている(図4参照。)。空調システム1は、これらの電子機器51から発生する大量の熱を処理するために用いられる。
空調システム1には、図1に示すように、複数の熱源10と、一次送りヘッダ11と、一次戻りヘッダ12と、一次ポンプ13と、一次冷水回路14と、熱源コントローラ15と、複数のAHU(エア・ハンドリング・ユニット)20と、AHUコントローラ25と、二次送りヘッダ31と、二次戻りヘッダ32と、冷水主管35と、二次ポンプ(ポンプ)33と、ポンプコントローラ38と、統合コントローラ(制御部)41と、が主に設けられている。
熱源10は、AHU20において室内空気の冷却に用いられる冷水を供給するものである。より具体的には、AHU20において室内空気の熱を吸収して温度が高くなった冷水を冷却し、所定温度の冷水として再びAHU20に送り出すものである。熱源10としては、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器、およびファン部(図示せず)などを備えた空冷チラーなどの冷凍機を例示することができる。
なお、熱源10から供給される冷水は、室内空気と比較して温度の低い水との意味で冷水と表記しているものである。そのため室内空気の温度が高い場合には、一般的に温かいと感じられる温度の水(温水)が熱源10から供給されてもよい。さらに、本実施形態では、熱源10から供給される熱媒として水を用いた例に適用して説明しているが、水以外の熱媒を用いてもよく、熱を運搬する媒体である熱媒の種類を限定するものではない。
一次送りヘッダ11は、熱源10から送り出された冷水が流入し、二次送りヘッダ31へ冷水を供給するヘッダである。一次戻りヘッダ12は、二次戻りヘッダ32から冷水が流入し、熱源10へ冷水を送り出すヘッダである。
一次冷水回路14は、熱源10、一次送りヘッダ11および一次戻りヘッダ12を接続し、冷水が循環する流路を形成するものである。一次ポンプ13は、熱源10から一次送りヘッダ11へ冷水を吐出するポンプである。本実施形態では、一次ポンプ13が熱源10の内部に配置されている例に適用して説明するが、熱源10から独立して配置されていてもよく配置位置を限定するものではない。
熱源コントローラ15は、図1および図2に示すように、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するマイクロコンピュータであり、熱源10および一次ポンプ13を制御するものであり、統合コントローラ41により制御されるものでもある。例えば、熱源10から送り出される冷水の温度を制御するものであり、一次ポンプ13から送り出される冷水の流量を制御するものである。
AHU20は、図1に示すように、熱源10から供給される冷水を用いて、サーバ等の熱によって温度が高くなったフロアの室内空気を冷却するものである。本実施形態では、データセンタのフロアFに複数のAHU20が配置され、当該フロアFが複数設けられている例に適用して説明する。
AHU20には、熱源から供給される冷水の流量を調節する二方弁21と、AHU20により冷却されてフロアへ吹出される空気の温度を測定する吹出口温度センサ22と、が設けられている。AHU20としては、熱交換器であるコイル(図示せず)、当該コイルに室内空気を通風させるファン23などが主に設けられたものを例示することができる。
二次送りヘッダ31は、一次送りヘッダ11から冷水が流入し、AHU20に向けて冷水を供給するヘッダである。一次送りヘッダ11と二次送りヘッダ31との間に二次ポンプ33および戻り配管34が配置されている。
二次ポンプ33は冷水を一次送りヘッダ11から二次送りヘッダ31に送り出すポンプであり、ポンプコントローラ38によって制御される動力インバータにより駆動されるポンプである。戻り配管34は、一次送りヘッダ11と二次送りヘッダ31との間をつなぎ、過剰に二次送りヘッダ31に送られた冷水を一次送りヘッダ11に戻す配管である。戻り配管34には、冷水の流量を調節する調節弁が設けられている。
二次戻りヘッダ32は、AHU20から戻ってきた冷水が流入し、一次戻りヘッダ12へ冷水を供給するヘッダである。冷水主管35は、二次送りヘッダ31、AHU20および二次戻りヘッダ32を接続し、冷水が流れる流路を形成するものである。冷水主管35における二次送りヘッダ31の近傍、および、二次戻りヘッダ32の近傍には、それぞれ冷水の温度を測定する送り温度センサ36および戻り温度センサ37が配置されている。
AHUコントローラ25は、図1および図2に示すように、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するマイクロコンピュータであって、AHU20におけるフロアの室内空気を冷却する冷房能力を制御するものであり、統合コントローラ41により制御されるものでもある。AHU20の冷房能力は、二方弁21の開度や、ファン23によって通風される風量を調節することにより制御される。
AHUコントローラ25は、予め定められた設定値と、吹出口温度センサ22により測定された空気温度、または、フロア温度センサ24により測定された空気温度との温度差が所定範囲内になるように制御を行う。本実施形態では一つのフロアFに一つのAHUコントローラ25が配置され、当該AHUコントローラ25は、フロアFに配置された全てのAHU20を制御する例に適用して説明する。
ポンプコントローラ38は、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するマイクロコンピュータであって、二次ポンプ33から送り出される冷水の流量を制御するものであり、統合コントローラ41により制御されるものでもある。より具体的には、動力インバータの運転周波数を制御することにより二次ポンプ33から送り出される冷水の流量を制御するものである。
二次ポンプ33から送り出される冷水の流量は、送り温度センサ36によって測定される二次送りヘッダ31から送りだされる冷水の温度である送り温度と、戻り温度センサ37によって測定される二次戻りヘッダ32に流入する冷水の温度である戻り温度と、の間の温度差である冷水往還温度差が所定範囲に収まるように制御されている。
統合コントローラ41は、空調システム1を統合的に制御するものであり、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するマイクロコンピュータである。統合コントローラ41には、フロアFに配置された電子機器51における冷却用空気の吸込み部52の近傍に設けられた吸込み部温度センサ53により測定された空気の温度の測定信号が入力されている。その一方で、統合コントローラ41から熱源コントローラ15、AHUコントローラ25およびポンプコントローラ38に制御信号が出力されている。
ROM等に記憶されている制御プログラムは、CPUを演算部42として機能させるものであり、ROM等を記憶部43として機能させるものである。なお、統合コントローラ41、ポンプコントローラ38、AHUコントローラ25および熱源コントローラ15による空調システム1の制御については後述する。
次に、上記の構成からなる空調システム1における制御について説明する。まず、本実施形態の空調システム1の特徴である空調システム1の制御内容について、図3および図4を参照しながら説明する。
空調システム1の運転が開始されると、図3に示すように、統合コントローラ41はワーニングが発報されているか否かの判定処理を実行する(S11)。ワーニングは、吸込み部温度センサ53に測定された空気温度が第1ワーニング閾値を超えた場合に発報されるものであり、統合コントローラ41により発報される。
なお、上述のワーニングは統合コントローラ41により発報されてもよいし、AHUコントローラ25から発報されてもよい。第1ワーニング閾値は、フロアFに配置された電子機器51に影響を与えない室内温度の上限である警報閾値よりも温度が低い閾値である。
S11の判定処理においてワーニングが発報されていないと判定された場合(NOの場合)には、再びS11に戻り、ワーニング発報の有無を判定する処理を実行する。
ワーニングが発報されていると判定された場合(YESの場合)、統合コントローラ41の演算部42は影響度係数を計算する処理を実行する(S12)。影響度係数は、フロアFの所望箇所における、当該フロアFに配置された各AHU20による空気温度を調整する寄与率(影響を与える程度)を示す係数である。所望箇所は、電子機器51における冷却用空気の吸込み部52の近傍、より具体的には、吸込み部温度センサ53が配置された位置を挙げることができる。
なお、影響度係数を取得する方法としては、特開2006−064283号公報に記載されている実際に影響度係数を測定して求める方法や、所望箇所からAHU20までの距離や、フロアFのレイアウトなどを考慮した演算式に基づいて算出する方法など、種々の方法を用いることができ特にその方法を限定するものではない。
また、本実施形態のように空調システム1の統合コントローラ41が影響度係数を計算して求めてもよいし、空調システム1以外の空調制御システムにより求められた影響度係数を、通信手段を介して統合コントローラ41が取得してもよい。
それぞれのAHU20に対して影響度係数の計算が行われると、演算部42は、次に空調群20Gの定義を行う演算処理を行う(S13)。空調群20Gは、フロアFに配置された複数のAHU20のうち、所定の第1閾値以上の影響度係数を有するAHU20から構成されるグループである。言い換えると、所望箇所に対して、ある程度以上の空気温度を調整する寄与率を有する複数のAHU20からなるグループである。所定の第1閾値は、フロアFのレイアウトや、冷却対象である電子機器51の種類などに応じて適宜その値を設定できるものであり、値自体を限定するものではない。
例えば、図4の模式図に示すように一つのコールドアイルCを挟んで対向配置された一対のラック55に配置された4つの電子機器51において、発熱量が増加する発熱異常が発生した場合、当該4つの電子機器51に距離的に近い位置に配置された2台のAHU20が空調群20Gとして定義される。
次いで演算部42は、定義された空調群20Gに属するAHU20の余裕度に基づき、その平均である余裕度平均値(群余裕度)を計算する演算処理を行う(S14)。余裕度は、AHU20における室内空気を冷却する余剰能力を示す指標であり、次に記載する3つの計算式の少なくとも1つを用いて求められる。
1−(二方弁21の弁開度) ・・・(1)
1−(ファン23の回転周波数/最大周波数) ・・・(2)
設定温度−計測温度 ・・・(3)
ここで式(1)における二方弁21の弁開度は全閉を0とし全開を1とするものである。
式(2)における最大周波数は、ファン23の最大回転周波数のことである。式(3)における設定温度はフロアFの室内温度の目標温度であり、計測温度はフロア温度センサ24によって測定された室内温度であり、設定温度−計測温度はフロアFにおける空気温度差を表している。AHU20の吹出空気の目標温度とし吹出空気設定温度−吹出空気計測温度としてもよい。
なお、余裕度平均値(群余裕度)は、上述のように式(1)から式(3)のいずれかを用いて求めた余裕度の平均として求めてもよいし、二方弁21の弁開度の平均値として求めてもよいし、弁開度が100%である二方弁21の台数、または、台数の割合として求めてもよく、特に求め方を限定するものではない。
その後、演算部42は、求められた余裕度平均値に余裕があるか否かを判定する処理を行う(S15)。例えば、余裕度平均値が余裕度閾値(所定の第2閾値)以上(言い換えると、余裕がある)であるか、余裕度閾値未満である(言い換えると、余裕がない)か、を判定する処理を実行する。
ここで余裕度が上述の式(1)または式(2)を用いて算出されている場合の余裕度閾値としては、(AHU20の常用台数)/(AHU20の常用台数+AHU20の予備台数)から求められる値を例示することができる。このようにすることで、室内空気の温度調整能力の信頼性を更に確保しやすくなる。
ここで常用台数は、空調システム1に要求される冷房負荷に対応するために必要とされる最低限のAHU20の台数であり、予備台数は、空調システム1における温度調整能力の信頼性を確保するために予備で設けられるAHU20の台数である。
S15において余裕度平均値に余裕があると判定された場合(YESの場合)、演算部42は更に、空調群20Gに属するAHU20の個々について余裕度が個別ワーニング閾値(第2ワーニング閾値)を超えているか否かを判定する処理を行う(S16)。
余裕度が個別ワーニング閾値を超えていると判定された場合(YESの場合)、言い換えると個別ワーニング閾値を超える余裕度を有するAHU20が存在する場合、統合コントローラ41は次の制御を行う。つまり、空調群20Gに属するAHU20のうち、余裕度が大きなAHU20に対して冷房能力の制御を優先して行う処理を実行する(S17)。例えば、余裕度が大きなAHU20に対してのみ、フロアFに吹出す空気の温度の目標温度である設定温度を下げる制御が行われる。その後、統合コントローラ41はS11に戻り上述の制御を繰り返し行う。
その一方で、S16において余裕度が個別ワーニング閾値以下であると判定された場合(NOの場合)、言い換えると個別ワーニング閾値を超える余裕度を有するAHU20が存在しない場合、統合コントローラ41はS11に戻り上述の制御を繰り返し行う。
また、S15において余裕度平均値に余裕がないと判定された場合(NOの場合)、統合コントローラ41は、二次ポンプ33を駆動する周波数を上げる制御処理を行う(S18)。二次ポンプ33を駆動する周波数が増加すると、二次ポンプ33から送出される冷水の流量が増加する。言い換えると熱源10からAHU20に送りこまれる冷水の流量が増加し、AHU20における冷房能力が増加する。
なお、ラック55に新たな電子機器51が追加されたり、電子機器51の配置が変更されたりするなど、設置状況が変更されることにより上述の影響係数が変化する場合がある。この場合には、空調群20Gの定義が再度行われる。
次に、本実施形態の空調システム1における通常運転時の制御について説明する。具体的には、S11の判定においてワーニングが発報されていない状態における空調システム1における制御について説明する。
この場合、統合コントローラ41は、フロアFに配置された全てのAHU20の余裕度を求め、この余裕度の平均であるフロア平均値(全体平均値)を算出する処理を行う。その後、演算部42は、求められたフロア平均値に余裕があるか否かを判定する処理を行う。例えば、フロア平均値が余裕度閾値以上(言い換えると、余裕がある)であるか、余裕度閾値未満である(言い換えると、余裕がない)か、を判定する処理を実行する。
その結果、フロア平均値が余裕度閾値以上であるとき、統合コントローラ41は、二次ポンプ33から送り出される冷水の流量を減らす制御信号を出力する処理を行う。その一方で、フロア平均値が余裕度閾値未満であるとき、統合コントローラ41は、二次ポンプ33から送り出される冷水の流量を増やす制御信号を出力する処理を行う。
また、送り温度センサ36により測定された冷水の温度と、戻り温度センサ37によって測定された冷水の温度との間の温度差である冷水往還温度差が、所定の温度差よりも小さい場合には、統合コントローラ41は、二次ポンプ33から送り出される冷水の流量を減少させる制御を行う。具体的には、統合コントローラ41は、ポンプコントローラ38を介して二次ポンプ33を駆動する動力インバータに運転周波数を低下させる制御信号を出力する。
この場合、二次ポンプ33に適用された運転設定を記憶部43に記憶する処理を行い、二次ポンプ33から送り出される冷水の流量を減らす処理を行う際に、記憶された運転設定の近傍では、冷水の流量の減少量を前回の制御時よりも小さくする制御を行ってもよい。さらに記憶された運転設定の近傍では、冷水の流量を減らす制御を行う間隔を、他の場合よりも長くする制御を行ってもよい。
このように記憶された運転設定の近傍においては、1回あたりの冷水の減少量を小さくすることにより、記憶された運転設定の近傍において細やかな制御が行われ、制御の安定性を確保しやすくなる。
上記の構成の空調システム1によれば、所定の第1閾値以上の影響度係数を有する複数のAHU20のグループである空調群20Gを定義し、この空調群20Gに属するAHU20の余裕度に基づいて二次ポンプ33の制御を行うことにより、空調システム1によるフロアF内の温度調整の信頼度を確保しやすくなるとともに、空調システム1における消費電力の削減を図りやすくなる。つまり、空調群20Gに属するAHU20の余裕度の平均値である余裕度平均値に基づいて二次ポンプ33から送出される冷水の流量を制御するため、フロアFに配置された全AHU20の余裕度の平均値に基づく制御と比較して、所望箇所の空気温度の変化が二次ポンプ33の制御に反映されやすくなる。
具体的には、所望箇所の空気温度が制御目標である設定温度よりも上昇した場合、余裕度平均値は全AHU20の余裕度の平均値よりも小さくなりやすく、二次ポンプ33から送出される冷水の流量を増やす制御が行われやすくなる。その結果、AHU20の冷房能力が高められ所望箇所の空気温度上昇が抑えられる。
例えば、フロアF内に配置された全てのAHU20の余裕度の平均値を用いて二次ポンプ33から送出される冷水の流量を増やす制御を行う場合と比較して、空調群20Gに属する一つのAHU20の余裕度が大きい場合には、余裕度平均値に対して当該AHU20の余裕度が占める割合は全AHU20の余裕度の平均値よりも大きくなり、二次ポンプ33から送出される冷水の流量を増やす制御が行われるタイミングが遅くなる。言い換えると、余裕度が大きなAHU20の冷房能力を増やす制御を行い、所望箇所の空気温度を設定温度に制御する余裕が生まれる。このように二次ポンプ33から送出される冷水の流量を増やすことなく、所望箇所の空気温度の上昇に対処することができるため、空調システム1における消費エネルギの低減を図りやすくなる。
上述の式(1)、式(2)、式(3)の少なくとも一つを用いて余裕度を求めることにより、信頼性をさらに確保しやすくなり、二次ポンプ33の駆動に用いる動力を低減させやすくなる。つまり、AHU20における空気を冷却する能力は二方弁21の弁開度と相関していると考えられ、弁開度における全開までの余裕は上述の余裕度と相関していると考えられる。そのため、二方弁21の弁開度を用いて余裕度を求めることにより、余裕度をより高い精度で求めることができる。ファン23の回転周波数や空気温度差についても同様に、AHU20における空気を冷却する能力と相関していると考えられ、ファン23の回転周波数や空気温度差を用いて余裕度を求めることにより、余裕度をより高い精度で求めることができる。
さらに上述の式(1)、式(2)、式(3)のいずれかを用いて余裕度を求めることにより、余裕度を0から1までの数値で表すことができる。そのため、余裕度と所定閾値との比較などの余裕度を求めた後の制御処理が行いやすくなる。
所望箇所の温度と第1ワーニング閾値とを比較して、空調群20G内の余裕度の平均である余裕度平均値を用いて二次ポンプ33の制御を行うか、フロアF内の全AHU20の余裕度の平均である全体平均値を用いて二次ポンプ33の制御を行うかの選択を行うことにより、空調システム1によるフロアF内の温度調整の信頼度をさらに確保しやすくなるとともに、空調システム1における消費電力の削減をさらに図りやすくなる。
具体的には、所望箇所の温度が第1ワーニング閾値を超えた場合には、AHU20の冷房能力変更のみで所望箇所の温度上昇を抑えることが難しいため、より早いタイミングで二次ポンプ33から送出される冷水の流量を制御できる余裕度平均値を用いた制御を行う。これにより、所望箇所の温度上昇が抑えられやすくなり、フロアF内の温度調整の信頼度を確保しやすくなる。
その一方で、所望箇所の温度が第1ワーニング閾値以下の場合には、AHU20の冷房能力変更のみで所望箇所の温度上昇を抑えられる可能性が高いため、AHU20の冷房能力変更の期間を確保しやすい全体平均値を用いた制御を行う。これにより、消費電力が大きくなりやすい二次ポンプ33から送出される冷水の流量を増やす制御を抑制することができ、消費電力の削減を図りやすくなる。
空調群20Gに属するAHU20の中から冷房能力に余裕のあるAHU20について設定温度を下げる制御を行うことで、二次ポンプ33から送出される冷水の流量の過度な変更を抑制でき、空調システム1における消費電力の削減をさらに図りやすくなる。つまり、空調群20Gに属するAHU20の余裕度と個別ワーニング閾値とを比較して、余裕度が個別ワーニング閾値を下回るAHU20は冷房能力に余裕があるAHU20とみなすことができる。このAHU20の設定温度を下げて冷房能力を高めることにより、二次ポンプ33から送出される冷水の流量を増やすことなく、所望箇所の温度上昇を抑制することができる。
所望箇所を、IT(情報技術)装置やICT(情報通信技術)装置等のように熱を発生する電子機器51の冷却用空気の吸込み部52とすることにより、空調群20Gを適切に定義することができる。つまり、電子機器51の冷却に影響を与える冷却用空気の吸込み部52における空気温度に基づいて空調群20Gを定義することで、定義の精度が高まり空調システム1によるフロアF内の温度調整の信頼度をさらに確保しやすくなるとともに、空調システム1における消費電力の削減をさらに図りやすくなる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記の実施の形態においては、本発明に係る空調システムをデータセンタに用いる例に適用して説明したが、用いる対象はデータセンタに限られるものではなく、他の設備に適用できるものである。
1…空調システム(冷水循環システム)、10…熱源、20…AHU(エア・ハンドリング・ユニット)、20G…空調群、21…二方弁、23…ファン、33…二次ポンプ(ポンプ)、41…統合コントローラ(制御部)、F…フロア(所定の区画)

Claims (9)

  1. 冷水を所定温度に冷却する熱源と、
    所定の区画内に複数配置され、前記冷水と熱交換して前記所定の区画内の空気を冷却する空調機であるAHUと、
    動力インバータの運転周波数に応じた流量の前記冷水を前記熱源から前記AHUに送るポンプと、
    前記AHUによる前記所定の区画内の所望箇所の空気温度を調整する寄与率である影響度係数を取得し、
    所定の第1閾値以上の前記影響度係数を有する前記AHUを空調群とし、
    前記空調群に属する前記AHUの状態を示す情報に基づいて、前記AHUにおける前記空気を冷却する余剰能力を示す余裕度を算出し、前記空調群に属する前記AHUの前記余裕度から判断される群余裕度を算出し、
    該群余裕度が所定の第2閾値以上である場合には、前記動力インバータの運転周波数を制御することにより前記ポンプから送り出される前記冷水の流量を減らし、
    前記群余裕度が前記所定閾値未満である場合には前記ポンプから送り出される前記冷水の流量を増やす制御部と、
    が設けられていることを特徴とする冷水循環システム。
  2. 前記群余裕度は、前記空調群に属する前記AHUの前記余裕度の平均である余裕度平均値であることを特徴とする請求項1記載の冷水循環システム。
  3. 前記AHUの状態を示す情報は、前記AHUに流入する前記冷水の流量を制御する二方弁の弁開度、前記AHUにおいて熱交換される前記空気を送風するファンの回転周波数、および、前記AHUから吹出される前記空気の設定温度と計測された計測温度との空気温度差の少なくとも一つ以上、または、その組み合わせであることを特徴とする請求項2記載の冷水循環システム。
  4. 前記制御部は、
    前記所定の区画内の前記所望箇所の温度が第1ワーニング閾値を超えた場合には、前記空調群に属する前記AHUに対して、前記余裕度平均値が前記所定の第2閾値以上であるときには、前記ポンプから送り出される前記冷水の流量を減らし、前記余裕度平均値が前記所定の第2閾値未満であるときには前記冷水の流量を増やす制御を行い、
    前記所望箇所の温度が前記第1ワーニング閾値以下の場合には、前記所定の区画に配置された全ての前記AHUの前記余裕度の平均値である全体平均値を算出し、
    前記全体平均値が前記所定の第2閾値以上であるときには、前記ポンプから送り出される前記冷水の流量を減らし、前記全体平均値が前記所定の第2閾値未満であるときには前記冷水の流量を増やす制御を行うことを特徴とする請求項2または3に記載の冷水循環システム。
  5. 前記制御部は、
    前記所望箇所の温度が前記第1ワーニング閾値を超え、かつ、前記余裕度平均値が前記所定の第2閾値以上の場合に、前記空調群に属する前記AHUのそれぞれの前記余裕度と、第2ワーニング閾値との比較を行い、
    前記余裕度が前記第2ワーニング閾値を下回る前記AHUが存在する場合には、当該AHUにおける冷却後の空気の目標温度である設定温度を下げる制御を行うことを特徴とする請求項4記載の冷水循環システム。
  6. 前記余裕度は、1−(前記二方弁の弁開度)、1−(前記ファンの回転周波数/最大周波数)、および、前記設定温度−前記計測温度、の少なくとも一つであることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の冷水循環システム。
  7. 前記余裕度が、1−(前記二方弁の弁開度)、または、1−(前記ファンの回転周波数/最大周波数)である場合に、
    前記余裕度の前記所定の第2閾値を、(前記AHUの常用台数)/(前記AHUの常用台数+前記AHUの予備台数)とすることを特徴とする請求項6記載の冷水循環システム。
  8. 前記余裕度が前記所定の第2閾値未満と判定された場合に、前記ポンプに適用された運転設定を記憶し、
    記憶した後に、前記ポンプから送り出される前記冷水の流量を減らす際に、記憶された前記運転設定の近傍では、前回の制御における前記冷水の流量の減少量よりも、減少させる量を減らすことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の冷水循環システム。
  9. 前記所望箇所は、前記所定の区画内に配置された冷却対象である熱を発生する機器における空気の吸込み部であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の冷水循環システム。
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