JP5434795B2 - 熱伝導性シリコーングリース組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、基材に挟みこんだ際に垂直置きにしてもズレが発生せず、かつリワーク性にも優れたズレの抑制とリワーク性を両立した熱伝導性の放熱用シリコーングリース組成物に関する。
LSI等の電子部品は使用中の発熱及びそれによる性能の低下が広く知られており、これを解決するための手段として様々な放熱技術が用いられている。一般的な方法としては発熱部の付近に冷却部材を配置し、冷却部材から効率的に除熱することにより放熱を行っている。その際、発熱部材と冷却部材との間に隙間があると、空気の介在により熱伝導が効率的でなくなり発熱部材の温度が十分に下がらなくなってしまう。このような現象を防止するために空気の介在を防ぐ目的として、熱伝導率がよく部材の表面に追随性のある放熱材料、放熱シートや放熱グリースが用いられる(特許第2938428号公報、特許第2938429号公報、特許第3952184号公報:特許文献1〜3)。
また、現在では省スペース等の構造上の制約から、発熱部材と冷却部材の接触面とが地面に対し垂直方向に配置されることとなるようなケースも見受けられる。このような場合には放熱材料は両者の間に挟まれるような構造となる。放熱シートは成型物であるためこのような使用方法でも形状を保持することが可能であるが、放熱グリースでは材料自体が形状を保てなくなり、ズレが発生してしまうという問題があった。放熱グリースがズレてしまうと発熱部材と冷却部材の間に空気が介在することとなってしまい、冷却効率が低下してしまう。この問題に対しては熱や湿気により反応して基材に対して接着するようなグリースが用いられているが、反応が十分に進行してしまうと基材と接着してしまい、不具合が生じた際に構造物を分解しようとしても、素子を破壊せずに材料を剥がすことが困難となり、リワーク性の観点から好ましくない。
なお、上記特許文献に加え、本発明に関連する先行技術は以下の通りである。
特許第2938428号公報 特許第2938429号公報 特許第3952184号公報 特開2005−32211号公報 特開2008−031450号公報 特開平07−242827号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、従来技術と比較してズレが発生しにくく、かつリワーク性に優れ、従ってズレ抑制とリワーク性を両立させた熱伝導性シリコーングリース組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記成分(A)〜(F)を下記に示す量で必須成分として含有する熱伝導性シリコーングリース組成物がズレ抑制とリワーク性との両立を可能とすることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記の熱伝導性シリコーングリース組成物を提供する。
請求項1:
下記の成分(A)〜(F)を含む25℃における粘度が300Pa・s以下であることを特徴とする熱伝導性シリコーングリース組成物。
成分(A)
1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する、25℃の動粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサン: 100質量部、
成分(B)
10W/m℃以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填材: 500〜1,500質量部、
成分(C)
1分子中に少なくとも2つのケイ素原子に直結した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:
{Si−H基の個数}/{成分(A)のアルケニル基の個数}
が0.4〜1.0になる配合量、
成分(D)
1分子中にトリアジン環及び少なくとも1つのアルケニル基を有する架橋助剤:
2〜4質量部、
成分(E)
白金及び白金化合物からなる群より選択される触媒:
白金原子として成分(A)の0.1〜500ppmとなる配合量、
成分(F)
成分(E)の触媒活性を抑制する目的でアセチレン化合物、各種窒素化合物、有機りん化合物、オキシム化合物、有機クロロ化合物より選択される制御剤:
0.250.565質量部。
請求項2:
更に、成分(G)として、25℃の動粘度が10〜100,000mm2/sであり、上記成分(A),(C)以外のオルガノポリシロキサンを成分(A)100質量部に対し0.1〜20質量部含む請求項1記載の熱伝導性シリコーングリース組成物。
請求項3:
成分(G)が、一端がトリアルキルシリル基、他端がトリアルコキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン、又は両端がトリアルキルシリル基もしくはトリアルコキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサンである請求項2記載の熱伝導性シリコーングリース組成物。
請求項4:
更に、成分(H)として、下記一般式
1 a2 bSi(OR34-a-b
(式中、R1は炭素数9〜15のアルキル基、R2は炭素数1〜8の1価炭化水素基、R3は炭素数1〜6のアルキル基、aは1〜3の整数、bは0〜2の整数、a+bは1〜3の整数である。)
で表されるオルガノシランを成分(A)100質量部に対し0.1〜10質量部含む請求項1乃至3のいずれか1項記載の熱伝導性シリコーングリース組成物。
本発明によれば、従来技術と比較して良好なリワーク性を維持したまま耐ズレ性を向上させることができる。
本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物は、
(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、
(B)熱伝導性充填材、
(C)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(D)トリアジン環及びアルケニル基含有架橋助剤、
(E)白金系触媒、
(F)付加反応制御剤
を必須成分とし、更に必要により
(G)上記成分(A),(C)以外のオルガノポリシロキサン、
(H)オルガノシラン
を含有する。
本発明を構成する成分(A)のオルガノポリシロキサンは、ケイ素原子に直結したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有するもので、直鎖状でも分岐状でもよく、またこれら2種以上の異なる粘度の混合物でもよい。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基等が例示されるが、合成のし易さ、コストの面からビニル基が好ましい。ケイ素原子に結合する残余の有機基としては、メチル基、エチル基、プルピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基等のアラルキル基が例示され、更にクロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等の置換炭化水素基も例として挙げられる。これらのうち、合成のし易さ、コストの面からメチル基が好ましい。ケイ素原子に結合するアルケニル基は、オルガノポリシロキサンの分子鎖の末端、途中の何れに存在してもよいが、少なくとも末端に存在することが好ましい。25℃における動粘度は10mm2/sより低いと組成物の保存安定性が悪くなるし、100,000mm2/sより大きくなると得られる組成物の進展性が悪くなるため、10〜100,000mm2/sの範囲、好ましくは100〜50,000mm2/sがよい。
なお、この動粘度は、ウベローデ型オストワルド粘度計による測定値である。成分(B)は、10W/m℃以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填材であり、成分(B)としては無機化合物粉末が用いられる。
成分(B)で使用する無機化合物粉末は、アルミニウム粉末、酸化亜鉛粉末、酸化チタン粉末、アルミナ粉末、窒化ホウ素粉末、窒化アルミニウム粉末、ダイヤモンド粉末、金粉末、銀粉末、銅粉末、カーボン粉末、ニッケル粉末、インジウム粉末、ガリウム粉末、金属ケイ素粉末、シリカの中から選択される1種又は2種以上を使用することができる。なお、本発明において熱伝導率は、京都電子工業(株)製QTM−500により測定した値である。
成分(B)の無機化合物粉末の平均粒径は、0.5μmより小さくても、100μmより大きくても得られるグリース組成物の充填率が上げられなくなるため、0.5〜100μmの範囲、好ましくは1〜50μmがよい。この無機化合物粉末は、成分(A)100質量部に対し500質量部より少ないと組成物の熱伝導率が低くなるし、1,500質量部より多いと組成物の粘度上昇により作業性が悪化してしまうため、500〜1,500質量部の範囲、より好ましくは500〜1,000質量部がよい。なお、本発明において、平均粒径は、日装機(株)製マイクロトラックMT330OEXにより測定できる体積基準の体積平均径[MV]である。
また、本発明に用いられる無機化合物粉末は、必要ならばオルガノシラン、オルガノシラザン、オルガノポリシロキサン、有機フッ素化合物等で疎水化処理を施してもよく、疎水化処理法としては、一般公知の方法でよく、例えば無機化合物粉末とオルガノシランあるいはその部分加水分解物をトリミックス、ツウィンミックス、プラネタリミキサー(何れも井上製作所(株)製混合機の登録商標)、ウルトラミキサー(みずほ工業(株)製混合機の登録商標)、ハイビスディスパーミックス(特殊機化工業(株)製混合機の登録商標)等の混合機にて混合する。必要ならば50〜100℃に加熱してもよい。なお、混合にはトルエン、キシレン、石油エーテル、ミネラルスピリット、イソパラフィン、イソプロピルアルコール、エタノール等の溶剤を用いてもよく、その場合は混合後溶剤を真空装置など用いて除去することが好ましい。
また、希釈溶剤として本発明の液体成分である成分(A)のオルガノポリシロキサンを使用することも可能である。
この方法で製造された組成物もまた本発明の範囲内である。
成分(C)のSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、架橋により組成を網状化するためにSi−H基を少なくとも1分子中に2個、好ましくは3個以上有することが必要である。ケイ素原子に結合する残余の有機基としては、メチル基、エチル基、プルピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基等のアラルキル基、クロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン原子置換炭化水素基、また2−グリシドキシエチル基、3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基等のエポキシ環含有有機基(グリシジル基又はグリシジルオキシ基置換アルキル基)も例として挙げられる。かかるSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、直鎖状、分岐状及び環状のいずれであってもよく、またこれらの混合物であってもよい。
成分(C)の配合量は、成分(A)中のアルケニル基の数に対し、成分(C)中のSi−H基の数、即ち{Si−H基の個数}/{成分(A)のアルケニル基の個数}が0.4より小さいと十分な網状構造をとれず反応後の基材との密着性が悪くなるし、1.0より大きいと硬化後の材料が硬くなってしまいリワーク性が悪くなるため0.4〜1.0の範囲がよく、好ましくは0.4〜0.8である。
成分(D)の架橋助剤は、1分子中にトリアジン環を有すると共に、少なくとも1個のアルケニル基を有するもので、組成物に接着性能を付与すると同時に、ヒドロシリル化反応の抑制剤としての役割を果たし、リワーク性を付与する。成分(D)に含まれるアルケニル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−メチルプロペニル基等が例示され、コストの観点からアリル基が好ましい。成分(D)の具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、トリメタクリルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートの1〜2個のアリル基に1〜2個のトリメトキシシリル基等のアルコキシシリル基が付加したアルコキシシリル置換・トリアリルイソシアヌレート及びその加水分解縮合物であるシロキサン変性物(誘導体)等が挙げられる。
成分(D)は、成分(A)100質量部に対し2質量部より少ないと、ヒドロシリル化反応の進行を十分に抑制できないため硬化後の材料が硬くなってしまい、リワーク性が悪くなるし、4質量部よりも多いとヒドロシリル化反応が十分に進行せず、接着性能を発現することができず、グリースがズレてしまうため、2〜4質量部の範囲が好ましい。
成分(E)の白金及び白金化合物から選ばれる触媒は、成分(A)のアルケニル基と成分(C)のSi−H基との間の付加反応の促進成分である。この成分(E)は例えば白金の単体、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、白金配位化合物等が挙げられる。成分(E)の配合量は、成分(A)の質量に対し白金原子として0.1ppmより小さくても触媒としての効果なく、500ppmを超えても効果が増大することがなく、不経済であるので0.1〜500ppmの範囲がよい。
成分(F)の制御剤は、ヒドロシリル化反応の進行を抑え、リワーク性を向上させるものである。反応制御剤としては、公知のものを使用することができ、アセチレン化合物、各種窒素化合物、有機りん化合物、オキシム化合物、有機クロロ化合物等が利用できる。成分(F)の配合量は、成分(A)100質量部に対し少ないと反応を十分に抑制できないため良好なリワーク性が得られず、多いと組成物の反応が十分に進行しなくなり、ズレが発生してしまうため0.250.565質量部の範囲がよい。これらはシリコーン樹脂への分散性をよくするためにトルエン等で希釈して使用してもよい。
成分(G)のオルガノポリシロキサンは、成分(A)及び成分(C)以外のポリシロキサンであり、ケイ素原子に結合する有機基としては、炭素数1〜12、特に1〜3のものがよく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基等のアラルキル基が例示され、更にクロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等の置換炭化水素基も例として挙げられる。また、アルコキシ基、アルケニル基、アシル基等も例として挙げられる。オストワルド粘度計による25℃における動粘度は、10mm2/sより低いと組成物の保存安定性が悪くなるし、100,000mm2/sより大きくなると得られる組成物の進展性が悪くなるため、10〜100,000mm2/sの範囲、好ましくは100〜50,000mm2/sがよい。
成分(G)の具体例としては、両末端トリオルガノシリル基封鎖ジメチルポリシロキサンが例示され、この場合、トリオルガノシリル基としては、トリメチルシリル基、トリメトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、メトキシジメチルシリル基等が挙げられ、中でも一端がトリメチルシリル基、他端がトリメトキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン及び両末端トリメチルシリル基、両末端トリメトキシシリル基封鎖ジメチルポリシロキサンが好ましい。
より具体的には、下記のものを挙げることができる。
(CH33SiO((CH32SiO)9Si(OCH33
(CH33SiO((CH32SiO)30Si(OCH33
(CH33SiO((CH32SiO)120Si(OCH33
(OCH33SiO((CH32SiO)9Si(OCH33
(OCH33SiO((CH32SiO)30Si(OCH33
(OCH33SiO((CH32SiO)120Si(OCH33
((CH33SiO1/2)単位及び((CH32SiO)単位からなる動粘度が50mm2/s、100mm2/s、500mm2/s、1,000mm2/s、5,000mm2/sのオルガノポリシロキサン 。
成分(G)のオルガノポリシロキサンの添加量は、成分(A)100質量部に対し0.1〜20質量部であることが好ましい。本成分の割合が多くなるとズレが発生する場合があるので、より好ましくは1〜15質量部である。
成分(H)のオルガノシランは、式R1 a2 bSi(OR34-a-bで表され、ウェッターとして用いられる。ここで、R1は炭素数9〜15のアルキル基であり、R2は炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基であり、R3は炭素数1〜6のアルキル基であり、aは1〜3の整数、bは0〜2の整数で、a+bは1〜3の整数である。
ウェッターとして用いられるオルガノシランの上記一般式のR1の具体例としては、例えばノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。炭素数が9より小さいと充填剤との濡れ性が十分でなく、15より大きいとオルガノシランが常温で固化するので、取り扱いが不便な上、得られた組成物の低温特性が低下する。またaは1、2あるいは3であるが、特に1であることが好ましい。
また、上記式中のR2は、炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基であり、このような基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等を挙げることができる。例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、2−フェニルエチル基、2−メチル−2−フェニルエチル基等のアラルキル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−(パーフルオロブチル)エチル基、2−(パーフルオロオクチル)エチル基、p−クロロフェニル基等のハロゲン化炭化水素基が挙げられるが、特にメチル基、エチル基が好ましい。
3は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6の1種もしくは2種以上のアルキル基であり、特にメチル基、エチル基が好ましい。
前記一般式で表されるオルガノシランの具体例としては、下記のものを挙げることができる。
1021Si(OCH33、C1225Si(OCH33
1225Si(OC253、C1021Si(CH3)(OCH32
1021Si(C66)(OCH32、C1021Si(CH3)(OC252
1021Si(CH=CH2)(OCH32
1021Si(CH2CH2CF3)(OCH32
このオルガノシランを添加する場合には、上記成分(A)100質量部に対し10質量部より多くしても効果が増大することがなく、不経済であるので、0.1〜10質量部の範囲がよく、より好ましくは0.1〜5質量部である。
また、本発明には、上記した成分以外に必要に応じて、劣化を防ぐために酸化防止剤、耐熱性向上剤等を入れてもよい。
本発明のグリース組成物を製造するには、成分(A)〜成分(H)をトリミックス、ツウィンミックス、プラネタリミキサー(何れも井上製作所(株)製混合機の登録商標)、ウルトラミキサー(みずほ工業(株)製混合機の登録商標)、ハイビスディスパーミックス(特殊機化工業(株)製混合機の登録商標)等の混合機にて混合する。
本発明における熱伝導性シリコーングリース組成物は、粘度が高いと作業性が悪くなるため、好ましくは300Pa・s以下、より好ましくは250Pa・s以下である。その下限は特に制限されないが、通常100Pa・s以上、特に150Pa・s以上である。なお、このような粘度はシリコーングリース組成物の成分を上記のようにコントロールすることにより達成することができる。なお、粘度はマルコム粘度計により測定した25℃の値である(ロータAで10rpm、ズリ速度6[1/s])。
本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物は、LSI等の電子部品その他の発熱部材と冷却部材との間に介在させて発熱部材からの熱を冷却部材に伝熱して放熱するために好適に用いることができ、従来の熱伝導性シリコーングリース組成物と同様の方法で使用することができる。
この場合、本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物は、90℃における1,000時間保存後の稠度が120未満であると素子から剥がし取りにくくなり、リワーク性が悪くなるため、保存後の稠度は120以上、より好ましくは150以上であるのがよい。なお、このような稠度を達成する手段としては、本発明の組成範囲で調整することである。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、本発明に係わる効果に関する試験は次のように行った。
〔粘度〕
組成物の粘度はマルコム粘度計(タイプPC−1T)を用いて測定した。
〔稠度〕
グリース組成物の稠度は、JIS−K2220に記載された方法に従い、不混和時の稠度を1/4円錐を使用した針入度試験機を用いて測定した。
〔熱伝導率〕
各組成物を3cm厚の型に流し込み、キッチン用ラップをかぶせて京都電子工業(株)製のModel QTM−500で測定した。
〔リワーク性評価〕
100ccのガラス製ビーカーに組成物を200gとり、90℃中にて1,000時間保存した後に稠度を測定した。
(評価結果)
○:稠度120以上(リワーク性良好)
×:稠度120未満(リワーク性不良)
〔耐ズレ性評価〕
2枚のガラスプレートの間に1mm厚みのスペーサーを挟みこみ、その間に0.1mgのグリースを挟みこんで試験片を作製した。この試験片を縦置きとしてヒートサイクル試験機中に静置させ、−40℃、90℃にそれぞれ交互に30分ずつさらすエージングを1,000サイクル行った。エージング後のグリースの外観を観察することにより耐ズレ性の評価を行った。
(評価結果)
○:グリースのズレは観察されなかった。
×:グリースのズレが観察された。
本発明組成物を形成する以下の各成分を用意した。
成分(A)
A−1:両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、25℃における動粘度が600mm2/sのジメチルポリシロキサン
A−2:両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、25℃における動粘度が10,000mm2/sのジメチルポリシロキサン
成分(B)
B−1:下記のアルミニウム粉末と酸化亜鉛粉末を、5リットルプラネタリーミキサー(井上製作所(株)製)を用い、下記表1の混合比で室温にて15分混合し、B−1を得た。
平均粒径2.0μmのアルミニウム粉末
平均粒径10.0μmのアルミニウム粉末
平均粒径1.0μmの酸化亜鉛粉末
Figure 0005434795
成分(C)
C−1:下記式で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
Figure 0005434795
C−2:下記式で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
Figure 0005434795
成分(D)
D−1:
Figure 0005434795
D−2:
Figure 0005434795
D−3:(比較例)
Figure 0005434795
D−4:(比較例)
Figure 0005434795
成分(E)
E−1:白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のA−1溶液、白金原子として1質量%含有
成分(F)
F−1:1−エチニル−1−シクロヘキサノールの50質量%トルエン溶液
成分(G)
G−1:((CH33SiO1/2)((CH32SiO)30((OCH33SiO1/2
成分(H)
H−1:C1021Si(OCH33で表されるオルガノシラン
[実施例1〜8、比較例1〜8]
それぞれの成分を表2,3に示すように混合して実施例1〜8及び比較例1〜8のグリース組成物を得、その性状を評価した。
Figure 0005434795
Figure 0005434795
本発明は、リワーク性良好かつ耐ズレ性良好という性質を両立した放熱用グリース組成物である。本発明以外の従来技術を用いた際には、耐ズレ性を向上させるとリワーク性が悪くなり、リワーク性を向上させるとズレが生じてしまう、即ちリワーク性と耐ズレ性良好を両立することが困難であった。

Claims (4)

  1. 下記の成分(A)〜(F)を含む25℃における粘度が300Pa・s以下であることを特徴とする熱伝導性シリコーングリース組成物。
    成分(A)
    1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する、25℃の動粘度が10〜100,000mm2/sのオルガノポリシロキサン: 100質量部、
    成分(B)
    10W/m℃以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填材: 500〜1,500質量部、
    成分(C)
    1分子中に少なくとも2つのケイ素原子に直結した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:
    {Si−H基の個数}/{成分(A)のアルケニル基の個数}
    が0.4〜1.0になる配合量、
    成分(D)
    1分子中にトリアジン環及び少なくとも1つのアルケニル基を有する架橋助剤:
    2〜4質量部、
    成分(E)
    白金及び白金化合物からなる群より選択される触媒:
    白金原子として成分(A)の0.1〜500ppmとなる配合量、
    成分(F)
    成分(E)の触媒活性を抑制する目的でアセチレン化合物、各種窒素化合物、有機りん化合物、オキシム化合物、有機クロロ化合物より選択される制御剤:
    0.250.565質量部。
  2. 更に、成分(G)として、25℃の動粘度が10〜100,000mm2/sであり、上記成分(A),(C)以外のオルガノポリシロキサンを成分(A)100質量部に対し0.1〜20質量部含む請求項1記載の熱伝導性シリコーングリース組成物。
  3. 成分(G)が、一端がトリアルキルシリル基、他端がトリアルコキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン、又は両端がトリアルキルシリル基もしくはトリアルコキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサンである請求項2記載の熱伝導性シリコーングリース組成物。
  4. 更に、成分(H)として、下記一般式
    1 a2 bSi(OR34-a-b
    (式中、R1は炭素数9〜15のアルキル基、R2は炭素数1〜8の1価炭化水素基、R3は炭素数1〜6のアルキル基、aは1〜3の整数、bは0〜2の整数、a+bは1〜3の整数である。)
    で表されるオルガノシランを成分(A)100質量部に対し0.1〜10質量部含む請求項1乃至3のいずれか1項記載の熱伝導性シリコーングリース組成物。
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