JP5434099B2 - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
(1)現像装置内の現像剤量を増やす、即ち、現像装置の容量を大きくする。
(2)トナー濃度を高くする。
といった2つの方式が考えられる。
しかし、(1)の方式では、必然的に装置の大型化を招き、スペース的な制限がある画像形装置には採用できないという問題がある。また、(2)の方式では、キャリアの被覆率が100%を超えるトナー濃度にすることは、キャリアと接触しない(即ち、帯電しない)トナーが存在してしまうため、静電気力を利用した電子写真方式の現像装置においては、原理的に不可能であり、また、これらの制限の中で増加させることのできるトナー量も限られており、トナー劣化低減に対する効果も低いという問題がある。
それに加え、単位トナーあたりのストレスを減らしてトナーの劣化を低減すると共に、トナーのチャージアップの低減も図ることができる。また、現像に寄与するトナーの量を無理に多くする必要がないため、トナー飛散等のトナー量が多いことに起因する不具合も発生しない。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の主要部を示す構成説明図である。図中の符号1は、本発明の画像形成装置の一実施の形態として例示する4連タンデム型の中間転写方式のカラープリンタであり、このカラープリンタ1は、主に、図示しない略筐体状の装置本体と、その装置本体の内側の略中央に配置された書き込み手段2と、この書き込み手段2の上方に配置された画像形成部3と、この画像形成部3の上方に配置された転写部4と、この転写部4の上方であって装置本体の略最上部に配置されたニュートナー収容部5と、このニュートナー収容部5の脇であって装置本体最上部の一側端に配置された定着部6などから構成されている。この他、カラープリンタ1には、装置本体の下部に配置され、所定の大きさの転写材を収容し、装置本体の制御手段の指令により給紙する図示しない給紙部と、定着部6で画像が定着された転写材を排出してスタックする図示しない排紙部なども備えられているが、既知のものなので詳細な説明は省略する。なお、図中の符号7は、給紙部から搬送されてきた転写材を後述の2次転写ニップへタイミングを調整して搬送するレジストローラ対、破線で示す符号8は、矢印方向に搬送する転写材の搬送路である。
次に、カラープリンタ1の画像形成動作について説明する。
カラー画像を形成する場合で説明すると、先ず、カラープリンタ1において画像形成動作が開始されると、各感光体ドラムY,C,M,Kが図の矢印方向に回転駆動され、このとき各帯電手段Y1,C1,M1,K1によって各感光体ドラムY,C,M,Kの外周面が所定の極性(例えば、マイナス)に均一に帯電される。次いで、その帯電面に、書き込み手段2から所定の各色に色分解された画像情報に基づいて、光変調されたレーザ光が照射され、これによって各感光体ドラムY,C,M,Kの外周面上に静電潜像が形成される。この静電潜像は、各現像手段Y2,C2,M2,K2によって単色のトナー像として可視像化され、各色のトナー像はそれぞれ対応する1次転写ローラ45Y,45C,45M,45Kによって1次転写バイアスが印加され中間転写ベルト40上に順次重ねられ、カラートナー像が形成される。なお、単色の画像を形成する場合には、ブラックの感光体ドラムKなど所定の単色用の感光体ドラムのみで前記動作が行われる。
次に、カラープリンタ1のニュートナー補給動作について説明する。
カラープリンタ1のトナーカートリッジ5a,5b,5c,5dと現像手段Y2,C2,M2,K2とは、それぞれ図中の破線で示すニュートナー補給路9a,9b,9c,9dで接続されており、トナーカートリッジに充填されたそれぞれの色のニュートナーが、ニュートナー補給路を通じてそれぞれの現像手段(現像装置)へ補給可能となっている。
このニュートナー補給路9a,9b,9c,9dには、トナーの搬送手段である図示しない補給スクリューと、補給路内にトナーが有るか無いかを検知する図示しない残量検知センサとが設けられており、現像手段に設けられたトナー濃度検知手段で現像手段内のトナー濃度が低いと判断した場合に、補給スクリューを回転させ、各ニュートナー補給路を通じて、所定量のトナーをそれぞれの現像手段へ供給する。また、カラープリンタ1では、トナー残量検知センサでニュートナー補給路内にトナーが無いことを検知した場合、対応するトナーカートリッジにトナーの補給を要求し、所定時間経過してもトナー残量検知センサでトナーが有ることを検知しなかった場合、トナーカートリッジにトナーが無いと判断する。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る現像装置(カラープリンタ1の現像手段Y2,C2,M2,K2)について図2、3を用いて詳細に説明する。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す垂直断面図であり、図3は、図2の現像装置の概略構成を示す回収機構付近の見下げ平面図である。図2に示す符号Y2は、前述のカラープリンタ1の現像手段Y2、即ち、本発明の現像装置の一実施の形態として挙げるイエロートナー用現像装置である。また、符号Yは、前述の感光体ドラムYである。
なお、トナー回収機構Ybでのトナーの回収率を高くするには、トナー回収機構Ybは、図3に示すように、現像ローラY21の長手方向(軸方向)全域に亘って対向するように設けるとよい。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る現像装置の動作について図2、3を用いて説明する。
先ず、現像ケースY20のニュートナー供給口から供給されたニュートナーが攪拌スクリューY22,Y23によって現像ケースY20内に収容される磁性キャリアと混合攪拌されながら帯電されて図3で示す方向に現像ローラY21に向けて搬送される。次に、現像ローラY21付近に達した現像剤が現像ローラY21内のマグネットローラの磁力により磁気的に吸着されて担持され、現像ローラY21の回転に伴いドクターブレードY24の付近まで搬送される。そこで、ドクターブレードY24で現像剤の厚みが均一にされて、現像ローラY21上に担持される現像剤がある一定量に規制される。そして、更なる現像ローラY21の回転に伴い、感光体ドラムYとの対向位置、即ち、図2で示す現像領域に達し、現像バイアスが印加される。そこで、静電気力により感光体ドラムYが担持する静電潜像に、その潜像と対応する位置のトナーのみが移行することにより単色のトナー像に現像される。そこで、現像されなかったトナー及びトナーを搬送してきたキャリアは、現像ローラY21の回転に伴い、トナー回収ローラY25と対向した位置に至る。所定のタイミングで、トナー回収ローラY25に電圧が印加され、現像ローラY21に担持された現像剤からトナーのみが、静電的にトナー回収ローラY25に長手方向全幅に亘って一様に移行する。そして、このトナー回収ローラY25でも回収されなかったトナー及びトナーを搬送してきたキャリアは、さらなる現像ローラY21の回転に伴い、現像剤攪拌スクリューY22,Y23の手前(図2の剤離れ箇所)まで搬送され、マグネットローラの反撥極により現像ローラY21表面から引き剥がされ、攪拌スクリューY22,Y23上に落ちて攪拌される。トナー回収ローラY25上に転移したトナーは、トナー回収ローラY25の回転に伴い、回収ブレードY26でトナー回収ローラY25から掻き取られ、回収トナー搬送路Ycへ運ばれる。回収トナー搬送路Ycへ運ばれた回収トナーは、回収トナー搬送スクリューY27により搬送されて連通口Y28より現像剤供給路Yaへ戻される。又は、現像ケースY20に設けられたトナー収納ホッパ部Y29へ搬送され、そこで、回収トナーとニュートナーとが混合された後、トナー収納ホッパ部Y29から図示しないトナー補給装置によって現像剤供給路Yaへ戻されるようにしてもよい。
次に、トナー回収ローラに印加するバイアス電圧について説明する。図4は、2種類の現像剤のトナー付着量と現像バイアスとの関係を示すグラフである。このグラフは、トナー回収ローラY25への印加バイアスを−50Vとし、トナー回収ローラを現像ローラの周速度の約2倍で順方向に回転させて、現像バイアスを変化させたときのトナー付着量との関係を示している。図4のグラフの傾きは、キャリアの種類、トナーの種類の組み合わせにより、様々な値を取り得るが、トナー回収ローラへの面積あたりのトナー付着量は、トナー回収ローラへ印加するバイアスと現像ローラへ印加する現像バイアスとの差に比例して増加することが分かる。つまり、回収したい画像面積率を設定すると、トナー付着量が決まり、トナー付着量から図4を利用してトナー回収ローラへの印加バイアスを決定することができる。本実施の形態に係る現像装置では、使用する現像剤は、図4に示す現像剤Aであり、トナー回収ローラへの印加バイアスは、現像バイアス+100V以上とする。例えば、現像バイアスが−500Vのとき、トナー回収ローラへ0〜−400Vを印加するようにする。また、本実施の形態では、トナー回収ローラと現像ローラの2本のローラを順方向に速度差を持たせて回収させているが、トナー回収ローラをカウンター方向に回転させて回収させてもよい。
これらのトナーは、現像ローラ上で未使用状態のままにある個々のトナーの帯電量が粉砕トナーに比べて遥かにばらつきが小さく、その後の回収ローラによる静電的トナーの吸着回収の際にもバイアス電圧の設定範囲に余裕を持たせることができるからである。粒径ばらつきが大きいトナーは、個々のトナー帯電量にばらつきがあり、帯電量の大きなトナーに合わせてトナー帯電電荷とは極性の異なるバイアス電圧を大きめに設定する必要があるが、大きくしすぎると帯電量の小さなトナーに電荷注入現象が生じて極性が反転し、結果バイアス電圧と同極性になって吸着作用を生じさせられなくなる。従って、バイアス電圧が大きすぎても小さすぎても吸着回収ができなくなり、設定に余裕を持たせることができなくなる。その場合、温湿度環境の変動まで考慮すると全環境で使用できる設定はさらに余裕がなくなってしまう。一方、本発明で検討した前術の静電容量が概ね均一なトナーならば、電荷注入現象にならない範囲を広く取ることができ、環境変動に対する設定のみを考慮すればよい。
ξ:被覆率,R:キャリア半径[μm],r:トナー半径[μm],ρc:キャリア真比重[−],ρt:トナー真比重[−],c:トナー濃度[wt%].
600dpi以上の微少ドットを再現するために、トナーの体積平均粒径は3〜8μmが好ましい。体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。(Dv/Dn)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを二次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4)・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。
また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α、α、α'、α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。
また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えてもよい。
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10-3〜2μmであることが好ましく、特に5×10-3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10-2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
(トナーの製造方法)
(1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
水系媒体は、水単独でもよいし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
図7(a)〜(c)は、本実施形態のトナーの形状を模式的に示す説明図である。
図7(a)〜(c)において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図7(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図7(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る現像装置を、図8を用いて説明する。図8は、本発明の第2の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す回収機構付近の見下げ平面図である。図8に示す第2の実施の形態に係る現像装置Y2’と、図2で示した第1の実施の形態に係る現像装置Y2との相違点は、トナー回収機構Yb’(トナー回収ローラY25’及び回収ブレードY26’)が現像ローラY21の軸方法全幅に亘って設けられているのではなく(図2参照)、現像ローラY21への現像剤供給方向下流側の一部分のみ設けられている点だけであり、その他の構成、及び動作等は同じである。よって詳細な説明は省略する。このように、トナー回収機構Yb’によるトナーの回収を、現像ローラY21の現像剤搬送方向下流側のみで行うため、トナー濃度が比較的濃い現像剤搬送方向上流側でトナーが回収されて現像ローラY21に供給される現像剤のトナー濃度が低下してしまうのを防ぎ、画像濃度の安定性を高めることができる。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る現像装置を、図9、10を用いて説明する。図9は、本発明の第3の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す垂直断面図であり、図10は、図9の現像装置の搬送方向を示す左側面説明図である。第3の実施の形態に係る現像装置Y2”と図2で示した第1の実施の形態に係る現像装置Y2との相違点は、現像剤供給路Yaと区画され、現像ローラY21に磁力による反発力を生じさせ現像ローラY21から現像剤を剥離する剤離れ箇所から回収した現像剤をニュートナー供給口10Y付近まで回収トナー搬送路Ycの回収トナー搬送方向と同方向に搬送する回収現像剤搬送路Ydを、現像装置Y2の構成に加え更に設けている点であり、同様の構成は、同じ符号を用い、説明は省略する。
<実験1>
実施の形態1の現像装置において、現像ローラから感光体ドラムへの現像は行わず、トナーカートリッジからトナー収納ホッパ部へのニュートナーの補給も行わずに、一定時間攪拌後のトナー帯電量分布を測定した。図11は、トナーの攪拌時間と帯電状態の関係を示すグラフである。図11aは比較例の結果、図11bは実施例の結果をそれぞれ示す。
帯電分布の測定は細川ミクロン社製E−spartアナライザーを用いて行った。また、比較例では、現像ローラからのトナー回収は行わず、実施例では、実施の形態1で示したように、トナー回収ローラにバイアスを印加してトナーを回収し、トナー回収ローラから回収ブレードでトナーを分離回収した。トナーの回収はA4画像面積率7%相当であり、現像剤供給搬送路にあるトナー量は16g、実施例での循環トナー総量は41gである。
図11から分かるように、比較例では攪拌時間に伴って帯電量分布が強帯電側へシフトしているのに対し、本実施例ではトナーがチャージアップせず帯電量分布が60分の攪拌でも安定しており、トナー劣化低減効果が認められる。
実験1での比較例、実施例の被覆率等を算出したものを、以下の表1に示す。
実施の形態1(実施例1)、実施の形態2(実施例2)で示した現像装置を用いて以下の条件の下、トナー回収時の現像ローラ長手方向のトナー濃度偏差を測定した。図12は、各実施例の現像ローラ長手方向のトナー濃度分布を示すグラフである。
実施例1、2共通条件として、現像剤総量:350g、攪拌スクリューでの現像剤搬送速度:12.5g/s、現像ローラの線速度:500mm/s、感光体ドラムの線速度:250mm/s、転写材:A4コピー用紙、転写材出力速度:1枚/s、出力画像面積:0%で行った。
また、実施例1では、トナー回収機構での回収範囲を図2で示したように現像ローラの長手方向(軸方向)全領域307mmとして回収率:30%(回収速度:82mg/s)となるよう前述のトナー回収ローラの印加電圧を設定して実験を行った。
一方、実施例2では、トナー回収機構での回収範囲を図8で示したように現像ローラの長手方向下流部分の26mmのみを対象とし、回収率:360%(回収速度:986mg/s)となるようトナー回収ローラの印加電圧を設定した。
トナー回収率と画像のボソツキとの関係を調べるため、トナー回収率を変化させ、そのときの出力画像のボソツキを目視により調査した。図13は、画像出力ゼロで連続通紙時の、トナー回収率に対するベタ画像の「ボソツキ」の評価ランクを示すグラフである。このトナー回収率の表記は、回収されるトナー重量を画像面積率に換算した場合の値を用いている。つまり、回収率100%とは、転写材1枚現像するのにかかる時間あたりに全ベタ画像を現像するのに必要なトナー重量を回収する場合に相当している。例えば、本実施例では、A4画像を1枚/sで連続出力したため、単位時間あたり
ベタの感光体トナー付着量(0.45mg/cm2)×転写材作像範囲面積(21×29cm2)/転写材出力速度(1枚/s)=274mg/s
の速度でトナーが回収される状態が回収率100%である。
また、ボソツキ評価は目視で行い、ランク5を最良とする。ボソツキランク4が市場許容レベルである。このグラフから分かるように、回収率1〜4%ではボソツキが悪化しているが、回収率5%ではランク5で良好に保たれ、1%→5%に変えたときでも1k枚通紙後には市場許容レベルにまで回復している。つまり、画像面積率5%以上の回収を行うことでトナー劣化低減に効果があることを示している。
実施の形態1(実施例1)及び実施の形態3(実施例3)で示した現像装置を用いて以下の条件の下、現像剤供給路の搬送方向上流、中流、下流、各箇所における現像剤のトナー濃度の時間推移を測定した。図14は、本実施例の各箇所の現像剤トナー濃度の時間推移を示すグラフ、図15は、比較例の各箇所の現像剤トナー濃度の時間推移を示すグラフ、図16は、図14の一部分をトナー濃度方向に拡大したグラフである。
実施例1、実施例3とも、現像剤総量:350g、攪拌スクリューでの現像剤搬送速度:12.5g/s、現像ローラの線速度:500mm/s、感光体ドラムの線速度:250mm/s、転写材:A4コピー用紙、転写材出力速度:1枚/s、出力画像面積:0%、トナー回収機構での回収範囲を図2で示したように現像ローラの長手方向(軸方向)全領域307mmとして回収率:30%(回収速度:82mg/s)となるよう前述のトナー回収ローラの印加電圧を設定して実験した。
そして、実施例3では、回収現像剤搬送路で現像剤を回収し、実施例1では、当然回収現像剤搬送路を設けず、現像剤を回収しない、つまり、剤離れ箇所で剥離した現像剤は、現像剤供給路に落下するようにして実験を行った。
次に、本発明の実施の別形態に係る画像形成装置について図17及び図18を用いて説明する。図17は、本発明の別形態に係る画像形成装置の主要部を示す構成説明図、図18は、図17の画像形成装置のキャリア補給機構と現像装置の構成を示す構成説明図である。図17に示す別形態に係るカラープリンタ1’は、前述の実施の形態1に係るカラープリンタ1にキャリア補給機構に関連する部分が付加されている点が相違するだけで、後は、同様の構成となっている。よって、同じ構成は、同じ符号を付し、説明は省略する。
また、この各色の現像剤供給路Ya(Ca,Ma,Ka)へのニューキャリアの補給は、各画像形成ユニット3Y,3C,3M,3Kの画像形成枚数や稼動時間などを積算して補給するようにすると好ましい。
10 ニューキャリア収容部
10a,10b,10c,10d キャリアカートリッジ
11 キャリア補給機構
11a,11b,11c,11d キャリア補給路
Y,C,M,K 感光体ドラム(潜像担持体)
Y2,C2,M2,K2 現像手段(現像装置)
Y20(C20,M20,K20) 現像ケース
Ya(Ca,Ma,Ka) 現像剤供給路
Y21(C21,M21,K21) 現像ローラ(現像剤担持体)
Y22(C22,M22,K22),Y23(C23,M23,K23)
攪拌スクリュー(攪拌搬送手段)
Yb(Cb,Mb,Kb) トナー回収機構
Y25(C25,M25,K25) トナー回収ローラ(トナー回収機構)
Y26(C26,M26,K26) 回収ブレード(トナー回収部材,トナー回収機構)Yc(Cc,Mc,Kc) 回収トナー搬送路
Y27(C27,M27,K27) 回収トナー搬送スクリュー(回収トナー搬送手段)Y28(C28,M28,K28) 連通口
Y29(C29,M29,K29) トナー収容ホッパ部
Yd(Cc,Mc,Kc) 回収現像剤搬送路
Y27’(C27’,M27’,K27’)
回収現像剤搬送スクリュー(回収現像剤搬送手段)Y28’(C28’,M28’,K28’) 連通口
Ye(Ce,Me,Ke) 余剰現像剤排出機構
Ye1(Ce1,Me1,Ke1) 仕切り壁
Ye2(Ce2,Me2,Ke2) 排出口
Claims (12)
- トナーとキャリアを含む2成分現像剤を収容する現像ケースと、該現像剤を担持して潜像担持体と近接対向する現像領域で潜像担持体上の静電潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体と、該現像剤担持体にその軸方向に沿って前記現像剤を供給する現像剤供給路と、該現像剤供給路内に設けられて前記現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌搬送手段と、を備えた2成分現像方式の現像装置において、
現像領域通過後も現像担持体に担持される現像剤からトナーを回収するトナー回収機構と、前記現像剤供給路と区画され、前記トナー回収機構により回収されたトナーを搬送する回収トナー搬送手段を有する回収トナー搬送路とを設け、該回収トナー搬送路と前記現像剤供給路とを回収トナー搬送路の回収トナーの搬送方向末端付近で連通して、未現像のトナーを循環可能に構成し、
前記トナー回収機構及び回収トナー搬送路に存在するトナーの総量と、前記キャリアと静電結合しているトナーの総量と、の和のキャリアの総量に対する被覆率が、100%以上となっていることを特徴とする現像装置。 - 前記トナー回収機構によるトナー回収動作は、前記現像剤担持体から前記潜像担持体へ現像が行われる現像動作時以外の所定の時に行われることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記トナー回収機構は、電圧印加によって静電的に前記現像剤担持体からトナーを回収するトナー回収ローラと該トナー回収ローラ表面からトナーを回収するトナー回収部材とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
- 前記トナー回収機構は、トナーを回収する回収率が、回収されるトナー重量を画像面積率に換算した場合、所定の転写材1枚を印刷するにあたりその転写材を基準として画像面積率5%以上となるように前記トナー回収ローラのバイアス電圧が設定されていることを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
- 前記回収トナー搬送路のトナー搬送方向末端付近に、画像形成のために未だ現像剤担持体に担持されていないトナーであるニュートナーと前記トナー回収機構により回収された回収トナーとを収容可能なトナー収容ホッパ部が配設されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の現像装置。
- 前記トナー回収機構は、前記現像剤担持体の長手方向の画像領域全域からトナーを回収することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置。
- 前記トナー回収機構は、前記現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側のみからトナーを回収することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置。
- 前記現像剤供給路と区画され、磁力による反発力で現像剤担持体から現像剤を剥離する剤離れ箇所から回収した現像剤を搬送する現像剤搬送手段を有し、前記回収トナー搬送路の回収トナー搬送方向と同方向に現像剤を搬送する回収現像剤搬送路を更に設け、
該回収現像剤搬送路と前記回収トナー搬送路と前記現像剤供給路とを回収トナー及び回収現像剤の搬送方向末端付近で連通して、未現像のトナー及び現像剤を循環可能に構成したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置。 - 前記トナー回収機構は、前記現像剤担持体の回転方向において、現像領域より下流かつ剤離れ箇所より上流であり、前記現像剤担持体と対向して近接する位置に配設されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の現像装置。
- 請求項1ないし9いずれかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 未だ攪拌帯電されていない新規キャリアであるニューキャリアを収容するニューキャリア収容部と、該ニューキャリア収容部から各現像装置の前記現像剤供給路へニューキャリアを補給するニューキャリア補給機構と、を更に備え、余剰現像剤を前記現像ケース外へ排出する余剰現像剤排出機構を前記現像剤供給路に設けたことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
- 前記ニューキャリア収容部には、ニューキャリアを所定量収容し、装置本体から脱着可能なキャリアカートリッジが設けられていることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
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