JP5434099B2 - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、これらの複合機などの電子写真方式の画像形成装置に備えられる現像装置に関し、より詳しくは、トナーとキャリアからなる2成分現像方式の現像装置において、トナーの劣化を低減する技術に関するものである。
図17は、従来の乾式2成分現像方式の2軸搬送タイプの現像装置100の概略構成を示す構成説明図である。従来から、図19に示すように、現像剤担持体である現像ローラ101の軸方向に沿って互いに逆方向に現像剤を搬送する2つの搬送路102,103とその搬送スクリュー104,105により、2成分現像剤を攪拌しながら現像ローラ101へ供給すると共に、現像により消費されなかった現像剤を戻して循環させる2軸搬送タイプの現像装置100を備えた画像形成装置が知られている。
このような画像形成装置において、画像面積率の低い画像を出力し続けた場合は、現像回数あたりに消費されるトナーの量が少ないので、同じトナーが現像装置内で攪拌され続けてしまう。このため、現像剤に対して過度な攪拌ストレスが掛かり、トナーの外添剤が埋没したり、トナーがチャージアップ(過帯電)したりしてしまうなどのトナー(キャリア)の劣化の問題が発生する。そして、トナーやキャリアが劣化すると、転写時の転写効率の低下や現像ローラでの汲み上げ量の低下等を引き起こし、出力画像の画像濃度を一定に保つことができなくなるといった問題がある。
一方、高画像面積率の画像出力が続いた場合、補給されたニュートナー(現像で使われるまでの新規トナーのことを指す。以下同じ)はほとんど攪拌されることなく現像へ使われる。この場合は、トナーの受けるストレスは小さいものの、トナーの帯電量が不十分で飛散や地汚れ等の問題が発生する。このように、出力画像の画像面積率に応じて、トナーの攪拌時間が適切な範囲から大きくずれることにより、多くの問題が発生する。
これらの問題を解決するべく、特許文献1には、低画像面積率の出力が続いた場合に、劣化トナーを強制的に吐き出してニュートナーと入れ替えるという吐き出しモードを設けた画像形成装置が開示されている。この特許文献1に記載の画像形成装置によれば、劣化トナーを強制的に吐き出すので、低画像面積率の出力が続いた場合でも出力画像の画像濃度を低下させないという効果は奏するものの、トナーイールド(トナーの歩留まり、生産性)を低下させるため、ランニングコストが嵩むうえ、環境に与える負荷も大きいという問題がある。
また、特許文献2には、ビデオカウンターにより画像面積率をカウントして、画像面積率の低い画像を出力し続けた場合、現像ローラの表面に圧縮空気を吹き付けてチャージアップしたトナーとキャリアを分離し、分離したトナーを再利用する画像形成装置が開示されている。この特許文献2に記載の画像形成装置によれば、チャージアップしたトナーとキャリアを分離するので、トナーの帯電量を減少させることができるものの、ビデオカウンター、空気の圧縮手段、トナーの吸引手段等を設けなければならず、必然的に装置が大型化し、小型化の要請に反するだけでなく、コストアップになってしまうという問題がある。
このような2成分現像方式の現像装置を備えたカラー画像形成装置において、トナー粒子1個あたりが受ける攪拌ストレスを減少させる他の対策としては、
(1)現像装置内の現像剤量を増やす、即ち、現像装置の容量を大きくする。
(2)トナー濃度を高くする。
といった2つの方式が考えられる。
しかし、(1)の方式では、必然的に装置の大型化を招き、スペース的な制限がある画像形装置には採用できないという問題がある。また、(2)の方式では、キャリアの被覆率が100%を超えるトナー濃度にすることは、キャリアと接触しない(即ち、帯電しない)トナーが存在してしまうため、静電気力を利用した電子写真方式の現像装置においては、原理的に不可能であり、また、これらの制限の中で増加させることのできるトナー量も限られており、トナー劣化低減に対する効果も低いという問題がある。
また、図19に示したような従来の2軸搬送タイプの現像装置は、現像剤担持体に供給され、現像領域を通過した現像剤を現像剤の供給搬送路内に戻す構成となっている。つまり、現像領域を通過し、トナーが消費された現像剤とこれから現像剤担持体に供給しようとする現像剤とが供給搬送路内で混ざることになる。このため、供給搬送路の搬送方向下流側ほど、現像領域を通過した現像剤が多くなり、供給搬送路の搬送方向下流側ほど現像剤担持体に供給する現像剤のトナー濃度が低下し、出力する画像の画像濃度が現像剤の供給搬送方向の上流側と下流側で異なってしまうという問題もあった。
このような問題を解決するべく、特許文献3には、現像剤を現像剤担持体に供給する搬送路とは別に現像領域を通過した現像剤を回収して前記搬送路の始端であるニュートナー供給口に戻す回収搬送路を設けた現像装置を備えた画像形成装置が開示されている。この特許文献3に記載の画像形成装置によれば、出力画像の画像濃度の不均一を軽減することはできるものの、前述の攪拌ストレスの低減やチャージアップの低減等のトナーの劣化の問題を解決するには不十分なものであった。
そこで、本発明は、前記従来の現像装置及び画像形成装置の問題点を解決するべく、2成分現像方式の現像装置おいて、現像剤の劣化を低減することができ、現像する画像の画像面積率がどのような場合であっても、高品質な画像を現像することのできる現像装置を壊れ難く簡単な構成で安価に実現することを目的とする。また、そのような現像装置を備えた画像形成装置を提供することも目的とする。
前記課題を解決するために、請求項に記載の現像装置の発明は、トナーとキャリアを含む2成分現像剤を収容する現像ケースと、該現像剤を担持して潜像担持体と近接対向する現像領域で潜像担持体上の静電潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体と、該現像剤担持体にその軸方向に沿って前記現像剤を供給する現像剤供給路と、該現像剤供給路内に設けられて前記現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌搬送手段と、を備えた2成分現像方式の現像装置において、現像領域通過後も現像担持体に担持される現像剤からトナーを回収するトナー回収機構と、前記現像剤供給路と区画され、前記トナー回収機構により回収されたトナーを搬送する回収トナー搬送手段を有する回収トナー搬送路とを設け、該回収トナー搬送路と前記現像剤供給路とを回収トナー搬送路の回収トナーの搬送方向末端付近で連通して、未現像のトナーを循環可能に構成し、トナー回収機構及び回収トナー搬送路に存在するトナーの総量と、キャリアと静電結合しているトナーの総量と、の和のキャリアの総量に対する被覆率が、100%以上となっていることを特徴とする。
請求項に記載の現像装置の発明は、請求項1において、トナー回収機構によるトナー回収動作は、現像剤担持体から潜像担持体へ現像が行われる現像動作時以外の所定の時に行われることを特徴とする。
請求項に記載の現像装置の発明は、請求項1又は2において、トナー回収機構は、電圧印加によって静電的に現像剤担持体からトナーを回収するトナー回収ローラと該トナー回収ローラ表面からトナーを回収するトナー回収部材とを備えることを特徴とする。
請求項に記載の現像装置の発明は、請求項において、トナー回収機構は、トナーを回収する回収率が、回収されるトナー重量を画像面積率に換算した場合、所定の転写材1枚を印刷するにあたりその転写材を基準として画像面積率5%以上となるようにトナー回収ローラのバイアス電圧が設定されていることを特徴とする。
請求項に記載の現像装置の発明は、請求項1ないしのいずれかにおいて、回収トナー搬送路のトナー搬送方向末端付近に、画像形成のために未だ現像剤担持体に担持されていないトナーであるニュートナーとトナー回収機構により回収された回収トナーとを収容可能なトナー収容ホッパ部が配設されていることを特徴とする。
請求項に記載の現像装置の発明は、請求項1ないしのいずれかにおいて、トナー回収機構は、現像剤担持体の長手方向の画像領域全域からトナーを回収することを特徴とする。
請求項に記載の現像装置の発明は、請求項1ないしのいずれかにおいて、トナー回収機構は、現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側のみからトナーを回収することを特徴とする。
請求項に記載の現像装置の発明は、請求項1ないしのいずれかにおいて、現像剤供給路と区画され、磁力による反発力で現像剤担持体から現像剤を剥離する剤離れ箇所から回収した現像剤を搬送する現像剤搬送手段を有し、回収トナー搬送路の回収トナー搬送方向と同方向に現像剤を搬送する回収現像剤搬送路を更に設け、該回収現像剤搬送路と回収トナー搬送路と現像剤供給路とを回収トナー及び回収現像剤の搬送方向末端付近で連通して、未現像のトナー及び現像剤を循環可能に構成したことを特徴とする。
請求項に記載の現像装置の発明は、請求項1ないしのいずれかにおいて、トナー回収機構は、現像剤担持体の回転方向において、現像領域より下流かつ剤離れ箇所より上流であり、現像剤担持体と対向して近接する位置に配設されていることを特徴とする。
請求項10に記載の画像形成装置の発明は、請求項1ないしいずれかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする。
請求項11に記載の画像形成装置の発明は、請求項10において、未だ攪拌帯電されていない新規キャリアであるニューキャリアを収容するニューキャリア収容部と、該ニューキャリア収容部から各現像装置の現像剤供給路へニューキャリアを補給するニューキャリア補給機構と、を更に備え、余剰現像剤を現像ケース外へ排出する余剰現像剤排出機構を現像剤供給路に設けたことを特徴とする。
請求項12に記載の画像形成装置の発明は、請求項11において、ニューキャリア収容部には、ニューキャリアを所定量収容し、装置本体から脱着可能なキャリアカートリッジが設けられていることを特徴とする。
この発明は、前記のようであって、請求項に記載の現像装置の発明によれば、2成分現像方式の現像装置において、現像領域通過後も現像担持体に担持される現像剤からトナーを回収するトナー回収機構と、現像剤供給路と区画され、トナー回収機構により回収されたトナーを搬送する回収トナー搬送手段を有する回収トナー搬送路とを設け、該回収トナー搬送路と現像剤供給路とを回収トナー搬送路の回収トナーの搬送方向末端付近で連通して、未現像のトナーを循環可能に構成し、トナー回収機構及び回収トナー搬送路に存在するトナーの総量と、キャリアと静電結合しているトナーの総量と、の和のキャリアの総量に対する被覆率が、100%以上となっているので、キャリアと静電的に結合するトナーだけでなく、トナー回収機構及び回収トナー搬送路に存在するトナーも現像に寄与させることができ、その分、トナー粒子1個あたりに掛かるストレスを低減することができ、トナーの劣化を軽減することができる。また、トナーのチャージアップ(過帯電)も低減することができる。このため、現像する画像の画像面積率がどのような場合であっても、高品質な画像を現像することができる。
それに加え、単位トナーあたりのストレスを減らしてトナーの劣化を低減すると共に、トナーのチャージアップの低減も図ることができる。また、現像に寄与するトナーの量を無理に多くする必要がないため、トナー飛散等のトナー量が多いことに起因する不具合も発生しない。
請求項に現像装置の記載の発明によれば、請求項1において、トナー回収機構によるトナー回収動作は、現像剤担持体から潜像担持体へ現像が行われる現像動作時以外の所定の時に行われるので、前記効果に加え、現像動作中にトナー回収を行うと現像剤担持体に担持される現像剤も影響を受けてトナー濃度が低下するが、現像動作時以外にトナー回収を行うと、回収率を上げて大量に回収するようにしても現像に影響しない。このため、逆に云うと、回収率を上げてトナーを大量に回収することができる。
請求項に記載の現像装置の発明によれば、請求項1又は2において、トナー回収機構は、電圧印加によって静電的に現像剤担持体からトナーを回収するトナー回収ローラと該トナー回収ローラ表面からトナーを回収するトナー回収部材とを備えるので、前記効果に加え、更に、安価な構成でトナーを効率よく回収することができる。
請求項に記載の現像装置の発明によれば、請求項において、トナー回収機構は、トナーを回収する回収率が、回収されるトナー重量を画像面積率に換算した場合、所定の転写材1枚を印刷するにあたりその転写材を基準として画像面積率5%以上となるようにトナー回収ローラのバイアス電圧が設定されているので、白紙通紙時においてもボソツキに関する市場許容下限値に相当するボソツキランク4以上を維持することができ、高品位な画像を現像し続けることが可能である。
請求項に記載の現像装置の発明によれば、請求項1ないしのいずれかにおいて、回収トナー搬送路のトナー搬送方向末端付近に、画像形成のために未だ現像剤担持体に担持されていないトナーであるニュートナーとトナー回収機構により回収された回収トナーとを収容可能なトナー収容ホッパ部が配設されているので、キャリアから剥がされるときに生じる回収トナーのカウンターチャージ(剥離帯電)をニュートナーと混合することで平均化することができ、未混合トナーと比較して良好な帯電特性を維持することが可能である。
請求項に記載の現像装置の発明によれば、請求項1ないしのいずれかにおいて、トナー回収機構は、現像剤担持体の長手方向の画像領域全域からトナーを回収するので、多くのトナーを回収することが可能である。多くのトナーを回収することにより、トナーの劣化およびチャージアップを強く抑制することが可能である。
請求項に記載の現像装置の発明によれば、請求項1ないしのいずれかにおいて、トナー回収機構は、現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側の一部分のみからトナーを回収するので、回収による現像剤のトナー濃度低下の出力画像への影響を低減することが可能である。
請求項に記載の現像装置の発明によれば、請求項1ないしのいずれかにおいて、現像剤供給路と区画され、磁力による反発力で現像剤担持体から現像剤を剥離する剤離れ箇所から回収した現像剤を搬送する現像剤搬送手段を有し、回収トナー搬送路の回収トナー搬送方向と同方向に現像剤を搬送する回収現像剤搬送路を更に設け、該回収現像剤搬送路と回収トナー搬送路と現像剤供給路とを回収トナー及び回収現像剤の搬送方向末端付近で連通して、未現像のトナー及び現像剤を循環可能に構成したので、つまり、回収現像剤搬送路を設けて現像剤供給路と区画したので現像剤担持体に一旦担持された現像剤と新しい現像剤とが現像剤供給路内で混ざらなくなるため、現像剤の供給方向によるトナー濃度偏差を低減することができる。このため、現像する画像の画像面積率がどのような場合であっても、高品質な画像を現像することができる。
請求項に記載の現像装置の発明によれば、請求項1ないしのいずれかにおいて、トナー回収機構は、現像剤担持体の回転方向において、現像領域より下流かつ剤離れ箇所より上流であり、現像剤担持体と対向して近接する位置に配設されているので、トナー回収による影響が直接現像領域のトナー濃度に及ばない。また、現像領域よりも上流でトナー回収した場合、現像領域ではトナー量が少なくなり、現像トナー量が少なくなることで、出力画像が薄くなる恐れがあるため、多量のトナーを回収することが困難である。また、現像剤担持体の剤離れ箇所上流で回収を行うことで、現像剤中のキャリアを現像剤担持体に磁気的に担持することができるため、トナーのみを効率よく回収することが可能である。
請求項10に記載の画像形成装置の発明によれば、請求項1ないしのいずれかに記載の現像装置を備えているので、前記効果を画像形成装置において発揮することができる。
請求項11に記載の画像形成装置の発明によれば、請求項10において、未だ攪拌帯電されていない新規キャリアであるニューキャリアを収容するニューキャリア収容部と、該ニューキャリア収容部から各現像装置の現像剤供給路へニューキャリアを補給するニューキャリア補給機構と、を更に備え、余剰現像剤を現像ケース外へ排出する余剰現像剤排出機構を現像剤供給路に設けたので、ニューキャリアを補給して余剰現像剤を排出することができ、そのため、トナーだけでなく、キャリアの劣化も抑制できる。よって、経時においても現像剤の帯電量が安定し、高品質な画像を形成し続けることができる。
請求項12に記載の画像形成装置の発明によれば、請求項11において、ニューキャリア収容部には、ニューキャリアを所定量収容し、装置本体から脱着可能なキャリアカートリッジが設けられているので、前記効果に加え、ニューキャリアが無くなった時の交換作業が容易になる。
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の主要部を示す構成説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す垂直断面図である。 同上の現像装置の概略構成を示す回収機構付近の見下げ平面図である。 2種類の現像剤のトナー付着量と現像バイアスとの関係を示すグラフである。 形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した説明図である。 形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した説明図である。 (a)は、トナーの形状を模式的にxyz軸と共に示す斜視図である。 (b)は、(a)のトナーをy方向から見た図である。 (c)は、(a)のトナーをx方向から見た図である。 本発明の第2の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す回収機構付近の見下げ平面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す垂直断面図である。 同上の現像装置の搬送方向を示す左側面図である。 比較例の場合のトナーの攪拌時間と帯電状態の関係を示すグラフである。 実施例の場合のトナーの攪拌時間と帯電状態の関係を示すグラフである。 実施例1,2の現像ローラ長手方向のトナー濃度分布を示すグラフである。 トナー回収率に対するベタ画像の「ボソツキ」の評価ランクを示すグラフである。 実施例3の現像剤トナー濃度の時間推移を示すグラフである。 実施例1の現像剤トナー濃度の時間推移を示すグラフである。 図14の一部分をトナー濃度方向に拡大したグラフである。 本発明の別形態に係る画像形成装置の主要部を示す構成説明図である。 本発明の第4の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す現像剤搬送路付近の見下げ平面図である。 従来の乾式2成分現像方式の2軸搬送タイプの現像装置の概略構成を示す垂直断面図である。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。
(画像形成装置の実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の主要部を示す構成説明図である。図中の符号1は、本発明の画像形成装置の一実施の形態として例示する4連タンデム型の中間転写方式のカラープリンタであり、このカラープリンタ1は、主に、図示しない略筐体状の装置本体と、その装置本体の内側の略中央に配置された書き込み手段2と、この書き込み手段2の上方に配置された画像形成部3と、この画像形成部3の上方に配置された転写部4と、この転写部4の上方であって装置本体の略最上部に配置されたニュートナー収容部5と、このニュートナー収容部5の脇であって装置本体最上部の一側端に配置された定着部6などから構成されている。この他、カラープリンタ1には、装置本体の下部に配置され、所定の大きさの転写材を収容し、装置本体の制御手段の指令により給紙する図示しない給紙部と、定着部6で画像が定着された転写材を排出してスタックする図示しない排紙部なども備えられているが、既知のものなので詳細な説明は省略する。なお、図中の符号7は、給紙部から搬送されてきた転写材を後述の2次転写ニップへタイミングを調整して搬送するレジストローラ対、破線で示す符号8は、矢印方向に搬送する転写材の搬送路である。
この書き込み手段2は、パソコンなどから入力される色分解された画像情報を基に、トナー色毎に、変調したレーザ光を照射しながら走査し、一様に帯電された後述の感光体ドラムの外周面を選択的に露光させて、照射した部分の表面電位を低下させ、感光体ドラム上に静電潜像を形成する露光装置としての機能を有する光学ユニットである。
画像形成部3は、イエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの4色のトナーに対応した4つの画像形成ユニット3Y,3C,3M,3Kから主に構成されており、後述の中間転写体の移動方向Aに沿って上流側からイエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの順に並べて配置されている。この画像形成ユニット3Y,3C,3M,3Kには、それぞれ潜像担持体である感光体ドラムY,C,M,Kが備えられ、その感光体ドラムY,C,M,Kの廻りには、各感光体ドラムの外周面に帯電処理を施し、一様に帯電させる帯電手段Y1,C1,M1,K1と、各感光体ドラムY,C,M,K上に書き込み手段2で形成した静電潜像をそれぞれの色のトナーで単色のトナー像に可視像化する現像手段Y2,C2,M2,K2と、感光体ドラムY,C,M,Kの外周面に転写後も残留する転写残トナーをクリーニングして回収するクリーニング手段Y3,C3,M3,K3とが、図示しないユニットケース内に一体的に収められている。なお、画像形成ユニットの配列は、前記順番に限られるものではなく、転写条件等により適宜配列しても構わない。
この帯電手段Y1,C1,M1,K1は、帯電ローラY10,C10,M10,K10と、この帯電ローラをクリーニングするクリーニングローラY11,C11,M11,K11と、をそれぞれ有している。そして、帯電ローラY10,C10,M10,K10は、各ユニットケースに回転自在に軸支され、感光体ドラムの回転方向と順方向に回転しながら各感光体ドラムに当接し、その表面をマイナス又はプラスのいずれかの所定の極性に帯電するよう構成されている。
クリーニング手段Y3,C3,M3,K3は、各感光体ドラムに接離可能に構成され、転写後も各感光体ドラムに付着・残留する転写残トナーを掻き取って回収するクリーニング部材であるクリーニングブレードY30,C30,M30,K30と、このクリーニングブレードY30,C30,M30,K30で各感光体ドラムから回収した転写残トナー(以下、回収トナーという)を収容するスペースである回収トナー収容部Y31,C31,M31,K31と、この回収トナー収容部Y31,C31,M31,K31に溜まった回収トナーを図示しない廃トナー収容部へ搬送する搬送手段である搬送スクリューY32,C32,M32,K32と、から主に構成されている。なお、現像手段Y2,C2,M2,K2は、本発明の現像装置として後で詳述する。
転写部4は、中間転写体として弾性樹脂製の無端状ベルトからなる中間転写ベルト40と、この中間転写ベルト40を支持・張架する4つの支持ローラ41,42,43,44と、4つの感光体ドラムY,C,M,Kとそれぞれ中間転写ベルト40を挟んで対向する4つの1次転写ローラ45Y,45C,45M,45Kと、から主に構成されている。この支持ローラ41は、図示しない駆動手段に接続された駆動ローラとなっており、この支持ローラ41と中間転写ベルト40を挟んで対向する位置に、2次転写ローラ46が設けられている。また、転写(2次転写)後も中間転写ベルト40上に残留する転写残トナー(プロセスコントロール過程で形成されるパッチパターンを含む)を除去・回収するクリーニングユニット47が、支持ローラ42の近傍に設けられている。
これらの各1次転写ローラ45Y,45C,45M,45Kは、空隙放電による不具合を考慮し、各感光体ドラムY,C,M,Kと中間転写ベルト40を挟んで当接する正対位置から中間転写ベルト40の搬送方向下流側(図中の矢印方向)に少しずらした位置に配置された接触方式の転写バイアス(転写電圧)印加手段であり、図示しないバイアス電源に接続され、中間転写ベルト40の裏面(内周面)から1次転写バイアスを印加するよう構成されている。
2次転写ローラ46は、図示しない付勢手段により駆動ローラ41の外周において中間転写ベルト40に圧接され、2次転写ニップを形成するよう構成されており、駆動ローラ41が、図示しないバイアス電源に接続された接触方式の転写バイアス印加手段となっている。また、2次転写ローラ46が転写バイアス印加手段となっていてもよく、その場合、転写するトナー像とは逆極性の転写バイアスを印加することになる。
クリーニングユニット47は、中間転写ベルト40に接離可能なクリーニングブレード47aと、掻き落としたトナーを溜めておく収容部47bなどからなり、支持ローラ42をバックアップローラとして中間転写ベルト40の外周面にクリーニングブレード47aを当接させて中間転写ベルト40上の転写残トナーを掻き取り、収容部47bに一旦収容し、搬送スクリューなどの搬送手段で図示しない廃トナー収容部へ転写残トナーを搬送するように構成されている。
ニュートナー収容部5は、ニュートナーを収容するスペースであり、トナーの3原色であるイエロー、シアン、マゼンダとブラックの計4色のトナーに対応させて、トナーの色毎に設けられ、装置本体に脱着可能な4つのトナーカートリッジ5a,5b,5c,5dから主に構成されている。これらの配列は、特に限定されないが、本実施の形態では、図1に示すように、トナーカートリッジ5aがイエロー、トナーカートリッジ5bがシアン、トナーカートリッジ5cがマゼンダ、トナーカートリッジ5dがブラックのトナーに対応している。また、ブラックのトナーカートリッジ5dだけトナー使用頻度が多いことを考慮して大きなものにしてある。
定着部6は、転写部4で画像が転写された転写材に熱と圧力を加えて定着させるベルト方式の定着手段60を備え、樹脂などの断熱性を有する材質で装置本体内の他の部分と区画され、熱が他の部分に伝播して悪影響を及ぼすのを低減するように構成されている。この定着手段60は、図示しない発熱手段により発熱可能な無端ベルトからなる定着ベルト61と、この定着ベルト61を回転駆動させる定着ローラ62と、この定着ローラ62上で定着ベルト61に圧接する加圧ローラ63などから構成され、この加圧ローラ63は、図示しない付勢手段により付勢されて定着ローラ62上で定着ベルト61に圧接されて定着ニップを形成する。この定着ニップにおいて、搬送されてきた転写材に定着ベルト61の熱と加圧ローラ63を介して付勢手段による圧力が加えられ、転写部4の2次転写ニップで転写材に転写されたトナー像を転写材に定着するようになっている。
(画像形成動作)
次に、カラープリンタ1の画像形成動作について説明する。
カラー画像を形成する場合で説明すると、先ず、カラープリンタ1において画像形成動作が開始されると、各感光体ドラムY,C,M,Kが図の矢印方向に回転駆動され、このとき各帯電手段Y1,C1,M1,K1によって各感光体ドラムY,C,M,Kの外周面が所定の極性(例えば、マイナス)に均一に帯電される。次いで、その帯電面に、書き込み手段2から所定の各色に色分解された画像情報に基づいて、光変調されたレーザ光が照射され、これによって各感光体ドラムY,C,M,Kの外周面上に静電潜像が形成される。この静電潜像は、各現像手段Y2,C2,M2,K2によって単色のトナー像として可視像化され、各色のトナー像はそれぞれ対応する1次転写ローラ45Y,45C,45M,45Kによって1次転写バイアスが印加され中間転写ベルト40上に順次重ねられ、カラートナー像が形成される。なお、単色の画像を形成する場合には、ブラックの感光体ドラムKなど所定の単色用の感光体ドラムのみで前記動作が行われる。
一方、給紙部から搬送路8を搬送されてきた転写材がレジストローラ対7により転写のタイミングを調整されて2次転写ニップに送られる。そこで、駆動ローラ41で2次転写バイアスが印加され、中間転写ベルト40上の前記フルカラーのトナー像が転写材に転写される。次に、このトナー像を担持した転写材が定着部6の定着ニップに送られ、定着手段60で熱と圧力が加えられ、転写材に担持された未定着のトナー像が転写材に定着される。このように、転写材にトナー像が定着された後、排紙部に排出されてスタックされる。また、2次転写後の中間転写ベルト40の表面に付着する転写残トナーは、プロセスコントロール用のパッチパターンの除去トナーと共にクリーニングユニット47で除去され、各感光体ドラムY,C,M,Kに転写後も付着する転写残トナーは、クリーニング手段Y3,C3,M3,K3で除去され、再度の画像形成動作に備えられる。そして、クリーニングユニット47及びクリーニング手段Y3,C3,M3,K3で除去された転写残トナーは、図示しない廃トナー収容器に運ばれ廃棄される。
(ニュートナー補給動作)
次に、カラープリンタ1のニュートナー補給動作について説明する。
カラープリンタ1のトナーカートリッジ5a,5b,5c,5dと現像手段Y2,C2,M2,K2とは、それぞれ図中の破線で示すニュートナー補給路9a,9b,9c,9dで接続されており、トナーカートリッジに充填されたそれぞれの色のニュートナーが、ニュートナー補給路を通じてそれぞれの現像手段(現像装置)へ補給可能となっている。
このニュートナー補給路9a,9b,9c,9dには、トナーの搬送手段である図示しない補給スクリューと、補給路内にトナーが有るか無いかを検知する図示しない残量検知センサとが設けられており、現像手段に設けられたトナー濃度検知手段で現像手段内のトナー濃度が低いと判断した場合に、補給スクリューを回転させ、各ニュートナー補給路を通じて、所定量のトナーをそれぞれの現像手段へ供給する。また、カラープリンタ1では、トナー残量検知センサでニュートナー補給路内にトナーが無いことを検知した場合、対応するトナーカートリッジにトナーの補給を要求し、所定時間経過してもトナー残量検知センサでトナーが有ることを検知しなかった場合、トナーカートリッジにトナーが無いと判断する。
[現像装置の実施の形態1]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る現像装置(カラープリンタ1の現像手段Y2,C2,M2,K2)について図2、3を用いて詳細に説明する。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す垂直断面図であり、図3は、図2の現像装置の概略構成を示す回収機構付近の見下げ平面図である。図2に示す符号Y2は、前述のカラープリンタ1の現像手段Y2、即ち、本発明の現像装置の一実施の形態として挙げるイエロートナー用現像装置である。また、符号Yは、前述の感光体ドラムYである。
この現像装置Y2は、乾式2成分現像方式の2軸搬送タイプの現像装置であり、現像装置Y2全体のハウジングでありトナーと磁性キャリアからなる2成分現像剤を収容する現像ケースY20を備え、この現像ケースY20には、感光体ドラムYと平行に現像ケースY20に回動自在に軸支され、感光体ドラムYから所定距離(本実施の形態では、0.2〜0.4mm程度)離間するよう配置された現像ローラY21が備えられている。この現像ローラY21は、非磁性体からなる円筒形の外周面に図示しない凸凹が形成されたスリーブと、このスリーブ内に設けられた複数の磁極が着磁されたマグネットローラからなり、バイアス電源に接続され、現像バイアスが印加可能となっている。
そして、現像ケースY20には、前述のトナーカートリッジからニュートナー補給路を通じてイエロー色のニュートナーが供給されるニュートナー供給口10Yが設けられ、このニュートナー供給口10Yから供給されたニュートナーと現像ケースY20に収容されている磁性を有するキャリアとを攪拌し、所望の帯電量に帯電すると共に、現像ローラY21の軸方向に沿って搬送して供給する現像剤供給路Yaが備えられている。また、この現像剤供給路Yaには、現像ローラY21と平行に回動自在に軸支され、現像剤を攪拌しながら帯電させ、互いに逆方向に搬送して現像剤を循環すると共に、現像ローラY21に現像剤を供給する攪拌搬送手段である2つの攪拌スクリューY22,Y23が設けられている。
その他、現像ケースY20には、現像ローラY21に向けて所定間隔離間するよう突設され、現像ローラY21に担持される現像剤の厚みを規制する規制部材であるドクターブレードY24が設けられ、現像領域通過後も現像ローラY21に担持される現像剤からトナーを回収するトナー回収機構Ybと、現像剤供給路Yaから区画されてこのトナー回収機構Ybで回収されたトナーを前記ニュートナー供給口付近まで搬送する回収トナー搬送路Ycも設けられている。
このトナー回収機構Ybは、画像形成装置本体に備えられた図示しないバイアス電源に電気的に接続され電圧を印加可能なトナー回収ローラY25と、このトナー回収ローラY25の外周面に接離可能に構成され、トナー回収ローラY25が担持するトナーを掻き取るトナー回収部材である回収ブレードY26と、から構成されている。このトナー回収ローラY25は、磁性キャリアと接し、マグネットローラを含む現像ローラY21の近傍に設置させるため、非磁性材料(例えば、アルミ管)から構成することが好ましい。また、トナー回収ローラY25と現像ローラY21との設置間隔は、現像ローラY21と感光体ドラムYとの間隔(本実施の形態では、0.2〜0.4mm程度)と同等にするとよい。
なお、トナー回収機構Ybでのトナーの回収率を高くするには、トナー回収機構Ybは、図3に示すように、現像ローラY21の長手方向(軸方向)全域に亘って対向するように設けるとよい。
回収トナー搬送路Ycには、図示しない駆動手段により回転し、トナー回収機構Ybで回収されたトナーを図3に示す矢印方法に搬送する回収トナー搬送手段である回収トナー搬送スクリューY27が設けられ、この回収トナー搬送スクリューY27の搬送方向下流側の末端付近に現像剤供給路Yaと連通する連通口Y28が設けられている。また、この連通口Y28付近に図示しないトナー収納ホッパ部Y29を設けて、ニュートナー補給路と連通させ、ニュートナーと回収トナーを攪拌してから現像剤供給路Yaへ供給するようにしてもよい。
(現像装置の動作)
次に、本発明の第1の実施の形態に係る現像装置の動作について図2、3を用いて説明する。
先ず、現像ケースY20のニュートナー供給口から供給されたニュートナーが攪拌スクリューY22,Y23によって現像ケースY20内に収容される磁性キャリアと混合攪拌されながら帯電されて図3で示す方向に現像ローラY21に向けて搬送される。次に、現像ローラY21付近に達した現像剤が現像ローラY21内のマグネットローラの磁力により磁気的に吸着されて担持され、現像ローラY21の回転に伴いドクターブレードY24の付近まで搬送される。そこで、ドクターブレードY24で現像剤の厚みが均一にされて、現像ローラY21上に担持される現像剤がある一定量に規制される。そして、更なる現像ローラY21の回転に伴い、感光体ドラムYとの対向位置、即ち、図2で示す現像領域に達し、現像バイアスが印加される。そこで、静電気力により感光体ドラムYが担持する静電潜像に、その潜像と対応する位置のトナーのみが移行することにより単色のトナー像に現像される。そこで、現像されなかったトナー及びトナーを搬送してきたキャリアは、現像ローラY21の回転に伴い、トナー回収ローラY25と対向した位置に至る。所定のタイミングで、トナー回収ローラY25に電圧が印加され、現像ローラY21に担持された現像剤からトナーのみが、静電的にトナー回収ローラY25に長手方向全幅に亘って一様に移行する。そして、このトナー回収ローラY25でも回収されなかったトナー及びトナーを搬送してきたキャリアは、さらなる現像ローラY21の回転に伴い、現像剤攪拌スクリューY22,Y23の手前(図2の剤離れ箇所)まで搬送され、マグネットローラの反撥極により現像ローラY21表面から引き剥がされ、攪拌スクリューY22,Y23上に落ちて攪拌される。トナー回収ローラY25上に転移したトナーは、トナー回収ローラY25の回転に伴い、回収ブレードY26でトナー回収ローラY25から掻き取られ、回収トナー搬送路Ycへ運ばれる。回収トナー搬送路Ycへ運ばれた回収トナーは、回収トナー搬送スクリューY27により搬送されて連通口Y28より現像剤供給路Yaへ戻される。又は、現像ケースY20に設けられたトナー収納ホッパ部Y29へ搬送され、そこで、回収トナーとニュートナーとが混合された後、トナー収納ホッパ部Y29から図示しないトナー補給装置によって現像剤供給路Yaへ戻されるようにしてもよい。
以上のように、本発明の第1の実施の形態に係る現像装置を、イエロートナー用現像装置Y2を例に挙げて説明したが、その他のトナー色用の現像装置(C2,M2,K2)も同様な構成となっている。また、トナー回収部材として、エッジを当接させて掻き取るブレード方式の回収ブレードY26を例示して説明したが、他にもブラシローラやスクレーパなどの物理的に掻き取る方式のものでもよく、トナー回収機構自体が、トナー回収ローラに印加するバイアスを変化させ、静電的な吸着力を変えてトナー回収ローラからトナーを引き剥がして回収する方式でも構わない。そして、トナー収容ホッパ部Y29を現像ケースY20内に設けてもよいことを述べたが、トナー収納ホッパ部Y29を現像ケースの外部に設置してもよい。なお、本発明において使用する「ニュートナー」の文言は、ニュートナー収容部5のトナーカートリッジ5a,5b,5c,5dに収容されている新規トナーのことだけでなく、ニュートナー収容部から現像剤供給路に供給されて現像ローラに担持されるまでのトナーのことを指しており、「回収トナー」とは、トナー回収機構で回収された以後のトナーのことを指している。
(トナー回収ローラの印加電圧)
次に、トナー回収ローラに印加するバイアス電圧について説明する。図4は、2種類の現像剤のトナー付着量と現像バイアスとの関係を示すグラフである。このグラフは、トナー回収ローラY25への印加バイアスを−50Vとし、トナー回収ローラを現像ローラの周速度の約2倍で順方向に回転させて、現像バイアスを変化させたときのトナー付着量との関係を示している。図4のグラフの傾きは、キャリアの種類、トナーの種類の組み合わせにより、様々な値を取り得るが、トナー回収ローラへの面積あたりのトナー付着量は、トナー回収ローラへ印加するバイアスと現像ローラへ印加する現像バイアスとの差に比例して増加することが分かる。つまり、回収したい画像面積率を設定すると、トナー付着量が決まり、トナー付着量から図4を利用してトナー回収ローラへの印加バイアスを決定することができる。本実施の形態に係る現像装置では、使用する現像剤は、図4に示す現像剤Aであり、トナー回収ローラへの印加バイアスは、現像バイアス+100V以上とする。例えば、現像バイアスが−500Vのとき、トナー回収ローラへ0〜−400Vを印加するようにする。また、本実施の形態では、トナー回収ローラと現像ローラの2本のローラを順方向に速度差を持たせて回収させているが、トナー回収ローラをカウンター方向に回転させて回収させてもよい。
なお、後述するトナーの説明にあるように回収ローラによる現像ローラからの静電的トナー回収には、粒径にばらつきのある粉砕トナーよりも後述するようなトナー製法で作られた粒径のばらつきが小さいトナー即ち個々の静電容量が概ね均一なトナーの方が好ましい。即ち、後に述べる真球状、略球形状、ラグビーボール状、梅干形状のトナーである。
これらのトナーは、現像ローラ上で未使用状態のままにある個々のトナーの帯電量が粉砕トナーに比べて遥かにばらつきが小さく、その後の回収ローラによる静電的トナーの吸着回収の際にもバイアス電圧の設定範囲に余裕を持たせることができるからである。粒径ばらつきが大きいトナーは、個々のトナー帯電量にばらつきがあり、帯電量の大きなトナーに合わせてトナー帯電電荷とは極性の異なるバイアス電圧を大きめに設定する必要があるが、大きくしすぎると帯電量の小さなトナーに電荷注入現象が生じて極性が反転し、結果バイアス電圧と同極性になって吸着作用を生じさせられなくなる。従って、バイアス電圧が大きすぎても小さすぎても吸着回収ができなくなり、設定に余裕を持たせることができなくなる。その場合、温湿度環境の変動まで考慮すると全環境で使用できる設定はさらに余裕がなくなってしまう。一方、本発明で検討した前術の静電容量が概ね均一なトナーならば、電荷注入現象にならない範囲を広く取ることができ、環境変動に対する設定のみを考慮すればよい。
このように、本実施の形態に係る現像装置によれば、トナー回収機構と回収トナー搬送路を設けて、現像装置内でトナーが循環可能な構成にしたので、トナー回収機構及び回収トナー搬送路に存在するトナーの総量と、キャリアと静電結合しているトナーの総量と、の和のキャリアの総量に対する計算上の被覆率が、100%相当以上となり、トナー粒子の1個あたりに掛かる攪拌ストレスを軽減することができ、現像する画像の画像面積率がどのような場合であっても、高品質な画像を現像することができる。つまり、従来の現像装置では、被覆率の理論上の上限が100%であるので、どれほどトナー濃度を上げようとしても、被覆率100%相当以上には上げることができないため、現像装置に投入可能なトナーの量は限られてしまうのであるが、本実施の形態に係る現像装置によれば、トナー回収経路上にもトナーを収容することが可能であるため、見掛け(計算上の)の被覆率を100%以上とすることができるのである。このようにすることで、単位トナーあたりのストレスを減らしてトナーの劣化を低減すると共に、トナーのチャージアップの低減も図ることができる。また、現像に寄与するトナーの量を無理に多くする必要がないため、前述のトナー飛散等のトナー量が多いことに起因する不具合も発生しない。
この被覆率(キャリアの総量に対する現像装置内を循環するトナーの被覆率)の計算式を以下に示す。
前記式中の記号の意味は以下の通りである。
ξ:被覆率,R:キャリア半径[μm],r:トナー半径[μm],ρc:キャリア真比重[−],ρt:トナー真比重[−],c:トナー濃度[wt%].
次に、本発明の現像装置及び画像形成装置に好適に使用されるトナーについて説明する。
600dpi以上の微少ドットを再現するために、トナーの体積平均粒径は3〜8μmが好ましい。体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。(Dv/Dn)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
トナーの形状係数SF−1は100〜180、形状係数SF−2は100〜180の範囲にあることが好ましい。図5及び図6は、それぞれ形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した説明図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを二次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを二次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4)・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
本発明の現像装置及び画像形成装置に好適に用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、前術のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。
また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
ポリエステルには、前記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、前記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α、α、α'、α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満であったりした場合は、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。なお、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでもよい。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。
また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えてもよい。
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10-3〜2μmであることが好ましく、特に5×10-3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10-2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
(1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
(2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でもよいし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
前記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
(3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
(4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
(5)前記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
本実施形態におけるトナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。
図7(a)〜(c)は、本実施形態のトナーの形状を模式的に示す説明図である。
図7(a)〜(c)において、略球形状のトナーを長軸r、短軸r、厚さr(但し、r≧r≧rとする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r/r)(図7(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r/r)(図7(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r/r)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r/r)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r/r)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r、r、rは、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
[現像装置の実施の形態2]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る現像装置を、図8を用いて説明する。図8は、本発明の第2の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す回収機構付近の見下げ平面図である。図8に示す第2の実施の形態に係る現像装置Y2’と、図2で示した第1の実施の形態に係る現像装置Y2との相違点は、トナー回収機構Yb’(トナー回収ローラY25’及び回収ブレードY26’)が現像ローラY21の軸方法全幅に亘って設けられているのではなく(図2参照)、現像ローラY21への現像剤供給方向下流側の一部分のみ設けられている点だけであり、その他の構成、及び動作等は同じである。よって詳細な説明は省略する。このように、トナー回収機構Yb’によるトナーの回収を、現像ローラY21の現像剤搬送方向下流側のみで行うため、トナー濃度が比較的濃い現像剤搬送方向上流側でトナーが回収されて現像ローラY21に供給される現像剤のトナー濃度が低下してしまうのを防ぎ、画像濃度の安定性を高めることができる。
[現像装置の実施の形態3]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る現像装置を、図9、10を用いて説明する。図9は、本発明の第3の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す垂直断面図であり、図10は、図9の現像装置の搬送方向を示す左側面説明図である。第3の実施の形態に係る現像装置Y2”と図2で示した第1の実施の形態に係る現像装置Y2との相違点は、現像剤供給路Yaと区画され、現像ローラY21に磁力による反発力を生じさせ現像ローラY21から現像剤を剥離する剤離れ箇所から回収した現像剤をニュートナー供給口10Y付近まで回収トナー搬送路Ycの回収トナー搬送方向と同方向に搬送する回収現像剤搬送路Ydを、現像装置Y2の構成に加え更に設けている点であり、同様の構成は、同じ符号を用い、説明は省略する。
この回収現像剤搬送路Ydには、図示しない駆動手段により回転し、剤離れ箇所で回収された現像剤を図10に示す矢印方法(回収トナー搬送路Ycの回収トナー搬送方向と同一)に搬送する回収現像剤搬送手段である回収現像剤搬送スクリューY27’が設けられ、この回収現像剤搬送スクリューY27’の搬送方向下流側の末端付近に現像剤供給路Yaと連通する連通口Y28’が設けられている。このため、剤離れ箇所まで現像ローラY21に担持されて搬送された現像剤は、マグネットローラの反撥極により現像ローラY21表面から引き剥がされ、回収現像剤搬送路Ydに落ちて回収される。そして、この回収された現像剤(回収現像剤)は、図10に示すように、回収現像剤搬送スクリューY27’により連通口Y28’まで搬送され、そこから現像剤供給路Yaへと落下し、回収トナー搬送路Ycにより運ばれた回収トナーと共に、未現像の現像剤が循環可能となっている。また、図10に示すように、前述のニュートナー補給路9aと連通するトナー収納ホッパ部Y29を設けて、回収現像剤搬送路Ydの現像剤搬送方向末端で連通し、回収現像剤とニュートナーと回収トナーを攪拌してから現像剤供給路Yaへ供給するようにしてもよい。
このように、第3の実施の形態に係る現像装置Y2”では、現像剤供給路Yaと区画された回収現像剤搬送路Ydを更に設けたので、つまり、剤離れ箇所から回収した現像剤を一旦現像ローラに担持された現像剤と新たに供給する現像剤と隔離して、ニュートナー供給口10Y付近に戻す構成にしたので、現像剤の供給搬送方向の上流側と下流側でトナー濃度に偏差が生じる問題も軽減することができる。このため、現像する画像の画像面積率がどのような場合であっても、高品質な画像を現像することができる。
次に、前記の効果等を確認するために以下の4つの実験を行った。
<実験1>
実施の形態1の現像装置において、現像ローラから感光体ドラムへの現像は行わず、トナーカートリッジからトナー収納ホッパ部へのニュートナーの補給も行わずに、一定時間攪拌後のトナー帯電量分布を測定した。図11は、トナーの攪拌時間と帯電状態の関係を示すグラフである。図11aは比較例の結果、図11bは実施例の結果をそれぞれ示す。
帯電分布の測定は細川ミクロン社製E−spartアナライザーを用いて行った。また、比較例では、現像ローラからのトナー回収は行わず、実施例では、実施の形態1で示したように、トナー回収ローラにバイアスを印加してトナーを回収し、トナー回収ローラから回収ブレードでトナーを分離回収した。トナーの回収はA4画像面積率7%相当であり、現像剤供給搬送路にあるトナー量は16g、実施例での循環トナー総量は41gである。
図11から分かるように、比較例では攪拌時間に伴って帯電量分布が強帯電側へシフトしているのに対し、本実施例ではトナーがチャージアップせず帯電量分布が60分の攪拌でも安定しており、トナー劣化低減効果が認められる。
実験1での比較例、実施例の被覆率等を算出したものを、以下の表1に示す。
※実施例条件では被覆率が100%を超えているが、これは現像装置内のキャリアの総量に対して、トナー回収経路上のトナーを含めたトナー総量の重量比として計算しているためである。実際の現像装置内のトナー濃度(キャリアと静電結合しているトナーの重量比)は7wt%であり、残り9.3wt%相当分のトナーは回収トナー搬送路上に存在している。
<実験2>
実施の形態1(実施例1)、実施の形態2(実施例2)で示した現像装置を用いて以下の条件の下、トナー回収時の現像ローラ長手方向のトナー濃度偏差を測定した。図12は、各実施例の現像ローラ長手方向のトナー濃度分布を示すグラフである。
実施例1、2共通条件として、現像剤総量:350g、攪拌スクリューでの現像剤搬送速度:12.5g/s、現像ローラの線速度:500mm/s、感光体ドラムの線速度:250mm/s、転写材:A4コピー用紙、転写材出力速度:1枚/s、出力画像面積:0%で行った。
また、実施例1では、トナー回収機構での回収範囲を図2で示したように現像ローラの長手方向(軸方向)全領域307mmとして回収率:30%(回収速度:82mg/s)となるよう前述のトナー回収ローラの印加電圧を設定して実験を行った。
一方、実施例2では、トナー回収機構での回収範囲を図8で示したように現像ローラの長手方向下流部分の26mmのみを対象とし、回収率:360%(回収速度:986mg/s)となるようトナー回収ローラの印加電圧を設定した。
図12から分かるように、実施例1のように現像ローラの長手方向全面に亘ってトナー回収ローラでトナーを回収すると下流側に行くに従い現像ローラ上のトナー濃度が低下する。これは、現像剤が攪拌スクリュー上流から下流に搬送されて行く過程で、(1)現像剤が攪拌スクリューから現像ローラに汲み上げられる、(2)現像ローラ及びトナー回収ローラによりトナーが消費又は回収されトナー濃度が下がる、(3)トナー濃度の低下した現像剤が再度現像剤供給路に戻る、の(1)〜(3)動作を繰り返すことにより起こると考えられる。しかし、実施例2のように、トナーの回収を下流側で行うことにより、トナー濃度低下を抑え、画像濃度の安定性を高めることができることが分かった。
また、実施例1のように現像ローラの長手方向全面に亘ってトナー回収を行う場合、現像動作中に回収動作を行うと、この濃度差により画像濃度の左右偏差が生じてしまうが、現像動作以外の適時に回収動作を行えば、トナー回収機構のトナー回収動作に起因する画像の濃度偏差を低減することが可能と云える。
<実験3>
トナー回収率と画像のボソツキとの関係を調べるため、トナー回収率を変化させ、そのときの出力画像のボソツキを目視により調査した。図13は、画像出力ゼロで連続通紙時の、トナー回収率に対するベタ画像の「ボソツキ」の評価ランクを示すグラフである。このトナー回収率の表記は、回収されるトナー重量を画像面積率に換算した場合の値を用いている。つまり、回収率100%とは、転写材1枚現像するのにかかる時間あたりに全ベタ画像を現像するのに必要なトナー重量を回収する場合に相当している。例えば、本実施例では、A4画像を1枚/sで連続出力したため、単位時間あたり
ベタの感光体トナー付着量(0.45mg/cm2)×転写材作像範囲面積(21×29cm2)/転写材出力速度(1枚/s)=274mg/s
の速度でトナーが回収される状態が回収率100%である。
また、ボソツキ評価は目視で行い、ランク5を最良とする。ボソツキランク4が市場許容レベルである。このグラフから分かるように、回収率1〜4%ではボソツキが悪化しているが、回収率5%ではランク5で良好に保たれ、1%→5%に変えたときでも1k枚通紙後には市場許容レベルにまで回復している。つまり、画像面積率5%以上の回収を行うことでトナー劣化低減に効果があることを示している。
<実験4>
実施の形態1(実施例1)及び実施の形態3(実施例3)で示した現像装置を用いて以下の条件の下、現像剤供給路の搬送方向上流、中流、下流、各箇所における現像剤のトナー濃度の時間推移を測定した。図14は、本実施例の各箇所の現像剤トナー濃度の時間推移を示すグラフ、図15は、比較例の各箇所の現像剤トナー濃度の時間推移を示すグラフ、図16は、図14の一部分をトナー濃度方向に拡大したグラフである。
実施例1、実施例3とも、現像剤総量:350g、攪拌スクリューでの現像剤搬送速度:12.5g/s、現像ローラの線速度:500mm/s、感光体ドラムの線速度:250mm/s、転写材:A4コピー用紙、転写材出力速度:1枚/s、出力画像面積:0%、トナー回収機構での回収範囲を図2で示したように現像ローラの長手方向(軸方向)全領域307mmとして回収率:30%(回収速度:82mg/s)となるよう前述のトナー回収ローラの印加電圧を設定して実験した。
そして、実施例3では、回収現像剤搬送路で現像剤を回収し、実施例1では、当然回収現像剤搬送路を設けず、現像剤を回収しない、つまり、剤離れ箇所で剥離した現像剤は、現像剤供給路に落下するようにして実験を行った。
図14〜16から明らかなように、実施例1では、左右(搬送方向による)濃度偏差が拡大傾向にあるのに対して、実施例3では偏差の拡大は見られない。なお、図14、16の実施例3の結果において、下流、上流、中央の順にトナー濃度が高くなっているが、これは現像ローラと感光体ドラムの間のクリアランス(離間距離)が一定でなかったために生じているものと推測される。クリアランスを厳密に合わせることは非常に難しいが、クリアランスが一定であれば、上流、中央、下流の順にトナー濃度が高いという結果になるはずである。いずれにしても、図15で示す実施例1の左右濃度偏差の大きさと比べて、図14で示す、実施例3の上流、中央、下流のトナー濃度の違いは誤差レベルであると云える。
(画像形成装置の別形態)
次に、本発明の実施の別形態に係る画像形成装置について図17及び図18を用いて説明する。図17は、本発明の別形態に係る画像形成装置の主要部を示す構成説明図、図18は、図17の画像形成装置のキャリア補給機構と現像装置の構成を示す構成説明図である。図17に示す別形態に係るカラープリンタ1’は、前述の実施の形態1に係るカラープリンタ1にキャリア補給機構に関連する部分が付加されている点が相違するだけで、後は、同様の構成となっている。よって、同じ構成は、同じ符号を付し、説明は省略する。
図17に示すように、カラープリンタ1’は、未だ攪拌帯電されていない新規キャリアであるニューキャリアを収容するニューキャリア収容部10を備え、このニューキャリア収容部10には、トナー色毎にニューキャリアを所定量収容し、装置本体から脱着可能なキャリアカートリッジ10a,10b,10c,10dが設けられている。そして、これら各キャリアカートリッジ10a,10b,10c,10dから、それと対応する各色の現像手段(現像装置)Y2,C2,M2,K2へニューキャリアを補給するキャリア補給機構11(図18参照、各色全て含む。以下同じ)も設けられている。このように、ニューキャリア収容部10をカートリッジ形式とすることで、ニューキャリアがなくなった場合の交換作業が容易となっている。
このキャリア補給機構11は、各キャリアカートリッジ10a,10b,10c,10dと各色の現像剤供給路Ya(Ca,Ma,Ka)とに連通して、それらを接続するキャリア補給路11a,11b,11c,11d(図18参照)と、各キャリア補給路内に設けられたキャリア搬送手段(図示せず)と、から主に構成され、キャリアカートリッジ10a、10b,10c,10dに充填されたそれぞれのニューキャリアが、キャリア補給路11a,11b,11c,11dを通じて各色の現像手段Y2,C2,M2,K2へ補給可能となっている。
また、この各色の現像剤供給路Ya(Ca,Ma,Ka)へのニューキャリアの補給は、各画像形成ユニット3Y,3C,3M,3Kの画像形成枚数や稼動時間などを積算して補給するようにすると好ましい。
しかし、このように、キャリアを補給する構成とすると、どんどんキャリアが増加し、現像剤の総量も増加することとなるため、余剰な現像剤を排出する機構が必要となる。そこで、第4の実施の形態に係る現像装置には、余剰な現像剤を排出する余剰現像剤排出機構を各色の現像剤供給路Ya(Ca,Ma,Ka)に設けた。
図18は、本発明の第4の実施の形態に係る現像装置の概略構成を示す現像剤供給路付近を通る水平線で切断して見下げた平面図である。図18に示す第4の実施の形態に係る現像装置Y2と、図3で示した第1の実施の形態に係る現像装置Y2との相違点は、現像装置Y2の現像剤供給路Yaに余剰現像剤排出機構Yeが更に設けられている点だけであり、その他の構成、動作等は同じである。よって、その他の詳細な説明は省略する。
図18に示すように、現像装置Y2には、現像剤供給路Yaの攪拌スクリューY22の搬送方向末端に余剰現像剤排出機構Ye(Ce,Me,Ke)が設けられており、この余剰現像剤排出機構Yeは、所定高さの仕切り壁Ye1(Ce1,Me1,Ke1)と、図示しない排キャリアボトルへ通じる排出口Ye2(Ce2,Me2,Ke2)とを有し、現像剤供給路Ya内の現像剤が増加して、現像剤の界面が仕切り壁Ye1を越えた場合に、攪拌スクリューY22に押し出され、余剰現像剤が排出口Ye2を介して現像ケースY20外へ排出される仕組み、即ち、オーバーフロー方式の排出機構となっている。
なお、ニューキャリア収容部10が、各色分離したキャリアカートリッジ10a、10b,10c,10dからなるもので説明したが、キャリアが各色共通の場合は、キャリアカートリッジを1つだけしか設けなくても構わない、しかし、その場合であっても、各現像剤供給路Ya(Ca,Ma,Ka)へ通じるキャリア補給路11a,11b,11c,11dと、そのキャリア搬送手段は、トナー色毎に設けた方が、各画像形成ユニットの画像形成枚数や稼動時間などから積算して補給し易いため好ましい。また、余剰現像剤排出機構Yeを攪拌スクリューY22の搬送方向末端に設けた場合を説明したが、攪拌スクリューY23の搬送方向末端に設けても構わない。その場合でも同様の効果を奏することは明らかである。
このように、カラープリンタ1’では、各色の現像手段(現像装置)Y2,C2,M2,K2へニューキャリアを補給するキャリア補給機構11と、現像剤供給路Yaの現像剤搬送方向末端に余剰現像剤を排出する余剰現像剤排出機構Yeを設けたので、単位トナーあたりのストレスを減らしてトナーの劣化を低減することができるだけでなく、単位キャリアあたりのストレスを減らすこともでき、経時でも現像剤を安定して所望の帯電量にすることができる。このため、現像する画像の画像面積率がどのような場合であっても、高品質な画像を現像することができる。
以上のように、この発明の実施の形態に係る画像形成装置として4連タンデム型の間接転写方式ものを例に挙げて説明したが、必ずしもこのようなものに限られず、例えば、4連タンデム型の直接転写方式のものや画像形成ユニットが1つのモノクロのものであって構わない。また、この発明の実施の形態に係る現像装置の説明における現像剤担持体、攪拌搬送手段、搬送手段、そして、実施の形態に係る画像形成装置における書き込み手段、画像形成部(帯電手段、クリーニング手段)、転写部、給紙部、定着部、排紙部等は、あくまでも一例を示したものであって、他の既知の装置・手段などの構成を採用することができる。その場合でも、前記課題に対して同様の効果を奏することは明らかである。現像ローラから潜像担持体へ現像が行われる。図面で示した各構成部材の形状や構造等も、あくまでも好ましい一例を示すものであり、特許請求の範囲内で適宜設計変更可能である。
1 カラープリンタ(画像形成装置)
10 ニューキャリア収容部
10a,10b,10c,10d キャリアカートリッジ
11 キャリア補給機構
11a,11b,11c,11d キャリア補給路
Y,C,M,K 感光体ドラム(潜像担持体)
Y2,C2,M2,K2 現像手段(現像装置)
Y20(C20,M20,K20) 現像ケース
Ya(Ca,Ma,Ka) 現像剤供給路
Y21(C21,M21,K21) 現像ローラ(現像剤担持体)
Y22(C22,M22,K22),Y23(C23,M23,K23)
攪拌スクリュー(攪拌搬送手段)
Yb(Cb,Mb,Kb) トナー回収機構
Y25(C25,M25,K25) トナー回収ローラ(トナー回収機構)
Y26(C26,M26,K26) 回収ブレード(トナー回収部材,トナー回収機構)Yc(Cc,Mc,Kc) 回収トナー搬送路
Y27(C27,M27,K27) 回収トナー搬送スクリュー(回収トナー搬送手段)Y28(C28,M28,K28) 連通口
Y29(C29,M29,K29) トナー収容ホッパ部
Yd(Cc,Mc,Kc) 回収現像剤搬送路
Y27’(C27’,M27’,K27’)
回収現像剤搬送スクリュー(回収現像剤搬送手段)Y28’(C28’,M28’,K28’) 連通口
Ye(Ce,Me,Ke) 余剰現像剤排出機構
Ye1(Ce1,Me1,Ke1) 仕切り壁
Ye2(Ce2,Me2,Ke2) 排出口
特開2003−76079号公報 特開平10−26885号公報 特開2007−193289号公報

Claims (12)

  1. トナーとキャリアを含む2成分現像剤を収容する現像ケースと、該現像剤を担持して潜像担持体と近接対向する現像領域で潜像担持体上の静電潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体と、該現像剤担持体にその軸方向に沿って前記現像剤を供給する現像剤供給路と、該現像剤供給路内に設けられて前記現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌搬送手段と、を備えた2成分現像方式の現像装置において、
    現像領域通過後も現像担持体に担持される現像剤からトナーを回収するトナー回収機構と、前記現像剤供給路と区画され、前記トナー回収機構により回収されたトナーを搬送する回収トナー搬送手段を有する回収トナー搬送路とを設け、該回収トナー搬送路と前記現像剤供給路とを回収トナー搬送路の回収トナーの搬送方向末端付近で連通して、未現像のトナーを循環可能に構成し
    前記トナー回収機構及び回収トナー搬送路に存在するトナーの総量と、前記キャリアと静電結合しているトナーの総量と、の和のキャリアの総量に対する被覆率が、100%以上となっていることを特徴とする現像装置。
  2. 前記トナー回収機構によるトナー回収動作は、前記現像剤担持体から前記潜像担持体へ現像が行われる現像動作時以外の所定の時に行われることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記トナー回収機構は、電圧印加によって静電的に前記現像剤担持体からトナーを回収するトナー回収ローラと該トナー回収ローラ表面からトナーを回収するトナー回収部材とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
  4. 前記トナー回収機構は、トナーを回収する回収率が、回収されるトナー重量を画像面積率に換算した場合、所定の転写材1枚を印刷するにあたりその転写材を基準として画像面積率5%以上となるように前記トナー回収ローラのバイアス電圧が設定されていることを特徴とする請求項に記載の現像装置。
  5. 前記回収トナー搬送路のトナー搬送方向末端付近に、画像形成のために未だ現像剤担持体に担持されていないトナーであるニュートナーと前記トナー回収機構により回収された回収トナーとを収容可能なトナー収容ホッパ部が配設されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の現像装置。
  6. 前記トナー回収機構は、前記現像剤担持体の長手方向の画像領域全域からトナーを回収することを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の現像装置。
  7. 前記トナー回収機構は、前記現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側のみからトナーを回収することを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の現像装置。
  8. 前記現像剤供給路と区画され、磁力による反発力で現像剤担持体から現像剤を剥離する剤離れ箇所から回収した現像剤を搬送する現像剤搬送手段を有し、前記回収トナー搬送路の回収トナー搬送方向と同方向に現像剤を搬送する回収現像剤搬送路を更に設け、
    該回収現像剤搬送路と前記回収トナー搬送路と前記現像剤供給路とを回収トナー及び回収現像剤の搬送方向末端付近で連通して、未現像のトナー及び現像剤を循環可能に構成したことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の現像装置。
  9. 前記トナー回収機構は、前記現像剤担持体の回転方向において、現像領域より下流かつ剤離れ箇所より上流であり、前記現像剤担持体と対向して近接する位置に配設されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の現像装置。
  10. 請求項1ないしいずれかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  11. 未だ攪拌帯電されていない新規キャリアであるニューキャリアを収容するニューキャリア収容部と、該ニューキャリア収容部から各現像装置の前記現像剤供給路へニューキャリアを補給するニューキャリア補給機構と、を更に備え、余剰現像剤を前記現像ケース外へ排出する余剰現像剤排出機構を前記現像剤供給路に設けたことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記ニューキャリア収容部には、ニューキャリアを所定量収容し、装置本体から脱着可能なキャリアカートリッジが設けられていることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
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